環境農学 後 期 教 学習目標 学 び の キーワード 授業方法 成績評価 基 準 備 考 回 数 2年次/2単位・選 授 林 択 幸 博 人類は農業を初めて以来、多くの森林を伐採しながら耕地を拡大し、作物栽培や家畜飼養によって人口を扶養 してきた。また増加する人口に見合った食料を供給し続けるためには、食料生産の場である農業生態系の持続性 が確保されなければならない。さらに食料生産の持続性を維持するためには、その基盤となる大気・水・土壌の 全てを健全に保つことが不可欠である。本講義では、食料生産と消費、農業と環境の歴史的な関係、農業生産活 動が環境に及ぼす影響と対策、また環境変化が農業生産に及ぼす影響と対策について解説するとともに、地球環 境と調和のとれた持続可能な食料生産を可能にする環境保全農業のあり方について論ずる。それらを理解した上 で、開発途上国は如何にして飢餓と栄養不足の状況から脱却できるのか?を考える。 飢餓はなぜ起こるか?・開発と環境保全の両立・食料と生態系・循環型農業システム 教科書を用いるとともに、最近の環境動向については統計資料を配布する。また、ビデオ・DVD やパワーポイ ントを用いて写真やスライドなど映像による視覚的な実態理解を進める。 授業内クイズ30%・学期末試験70%・環境と食料生産の関係について理解できれば合格(60点) 教科書:「食料生産と環境~持続的農業を考える~」(久馬一剛)化学同人 参考書:「地球環境時代に生きる農 林業」(今井勝編)筑波書房, 「環境農学概論」 (松尾孝嶺著)農山漁村文化協会, 「食糧生産の生態学Ⅰ,Ⅱ、Ⅲ」 (R.S.ルーミス,D.J.コナー著)農林統計協会 履修条件:環境生態学および地域環境科学概論を履修しておくことが望 ましい。オフィスアワー:火曜日(午後)・水曜日(午前)・木曜日(午前) 授 業 内 容 講義ガイダンス講義の内容とその進め方を説明する。環境保全型農業とは何か?その基礎概念を解説する。 1 2 食料の生産と消費の世界的な動向について解説する。農業の移り変わり(1)農耕の起源と農業の展開(2)生業とし ての農業からの産業としての農業 3 農業と現代の環境問題の関わりについて考える。(1)農業と大気環境、温暖化・酸性降下物・オゾン層の破壊など の関係 (2)農業と水資源・水環境食料生産と農業用水資源・富栄養化・農薬汚染・地下水問題の関係について論じる。 4 5 (3)農業と土地資源・土壌環境食糧生産と砂漠化・土壌の塩類集積・土壌侵食・農地の潰廃の関係について論じ る。 6 熱帯の伝統的な農業焼畑農業焼畑とは何か?焼畑は環境保全型農業である。これ本当?東南アジアの焼畑・ア フリカの焼畑・アグロフォレストリー・複合農業について解説する 水田農業稲作圏としてのモンスーンアジア・水田の特性と灌漑水について解説する 7 (2)水田農業湛水の功罪・水田農業と畑作農業の違い・水田の環境保全的機能について解説する。 8 現代先進国の集約農業アメリカ合衆国の農業・西ヨーロッパ諸国の農業・日本の農業の現況について解説する。 9 持続的農業を求めて代替農業とは何か?環境共生型農業とは何か?について概説する。 10 (2)有機農業・低投入農業(LISA あるいは SARE)・日本の環境保全型農業 11 (3)代替農業の問題点有機農業の問題点・低投入農業の問題点について論じる。 12 持続的農業への歩み地域環境資源の利用による農村開発の可能性を実例を挙げて解説する。 13 14 <まとめ>飢餓と飽食が並存する世界を如何にすべきか?有限な地域資源環境下での農業のあるべき姿を浮き 彫りにする。 学期末試験 15 IDS-070
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