フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖性腫瘍から発展した二次性急 性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植の解析(二次調査) はじめに 急性骨髄性白血病は抗がん剤で治療します。しかし、治療中や治療後に再発 したり、最初から抗がん剤が効きにくい場合、同種造血幹細胞移植という治療 が有効であることが証明されています。フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖 性腫瘍と呼ばれる疾患(原発性骨髄線維症、真性多血症、本態性血小板増多症) は長い経過の後に急性骨髄性白血病を発症することがありますが、今回の研究 ではこのようなタイプの急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植につい て調査・研究を行います。このタイプの急性骨髄性白血病は一般的に予後不良 とされますが、世界的にみても同種造血幹細胞移植を行った患者さんは少なく、 データが不足しており、適切な移植方法がほとんど分かっていません。これか ら日本は高齢化社会に入っていきますが、それに伴い、このタイプの急性骨髄 性白血病の患者さんは増加することが予想されます。そこで今回私たちは、こ のタイプの急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植を行った日本全国の 患者さんのデータを集積して、現状を把握し、適切な移植方法の開発の基盤と なる研究を行いたいと考えています。 研究の目的 フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖性腫瘍から発展した二次性急性骨髄性 白血病に対する同種造血幹細胞移植の解析を行うことを目的とします。特に今 回の研究では、患者さんが移植治療を受ける前の染色体に関する情報について、 二次調査を行いたいと考えています。 研究の期間 2015 年 7 月 13 日から 2018 年 3 月 31 日 研究の方法 該当する患者さんの治療を行った病院に二次調査票を送付し、染色体に関す る情報を収集します。すでに匿名化処理を行ってありますので、研究者はその 患者さんが治療を行われた病院は特定できますが、患者さんの氏名などの個人 情報には一切触れることができないようになっています。二次調査票を受け取 った病院は、年齢、性別、移植日の情報だけを頼りに個人を特定し、個人情報 を削除する処理を行った後に染色体に関する情報を研究者に返送します。 研究の対象 日本造血細胞移植データセンターおよび日本造血細胞移植学会に登録された TRUMP データを用います。フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖性腫瘍から 発展した二次性急性骨髄性白血病の患者さんを抽出し、さらに 2000 年から 2013 年の間に同種造血幹細胞移植を受けた方を調査の対象とします。 研究責任医師および研究分担医師の氏名・職名・連絡先 研究責任医師 虎の門病院 血液内科 部長 谷口 修一 研究分担医師 虎の門病院 血液内科 医員 高木 伸介 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 2-2-2 電話番号 03-3588-1111(代表)
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