後期中間試験 3年選択物理 H.15. 12

後期中間試験 3年選択物理 H.15. 12
慣性系Sにおける座標(x,t) と、Sに対してx軸方向に一定の速度v で動く慣性系S’における座標(x’,t’) とはローレ
ンツ変換
x'=
x − vt
1 − β2
v
x
c2
t'=
1 − β2
t−
で結び付けられる。以下ではこの結果を用いてよい。また光速 とする。 c = 3 × 108 [m / s ] β = v / c
1.以下の問に答えよ。
(1)ガリレイ・ニュートンの力学と特殊相対性理論では、「時間」に対する考え方が大きく異なっている。
その違いを簡単に説明せよ。
(2)特殊相対論的な効果が実際に観測されている例、あるいは工業技術に応用されている例について、 簡単に説明せよ。(一つでよい)
2.次の問に答えよ。
(1)宇宙船の中で生活する人の一日が、地球上での人の4日に相当するためには、宇宙船は地球に対してどれ
だけの速さで動いていなければならないか。
(2)光速の3/5の速さで地球に帰還してきたロケットがある。このロケットの乗員から見て大気の厚さはれ
だけか(地球上の人から見て大気の厚さは10kmである。)
(3)光速に近い乗り物に乗って街中を眺めた場合、相対論的効果を無視した通常の眺めとはどのように異なる
か。例をあげ、それぞれがなぜ起こるのか簡単に説明せよ。
xB
3.慣性系Sの二つの異なる場所、x と で同時に起こった事柄が、Sに対しx軸方向に速度vで動く慣性系S’で
A
は同時でないことを、ローレンツ変換の式を用いて示せ。また、慣性系S’がy方向に動いたときは二つの現
象は同時に起こるかどうか答えよ。
4.速度の合成について以下の問いに答えよ。
(1)地球に対して光速の4/5で動いている宇宙船に乗り、ロケットの進行方向と同じ方向に光速の 3/5の
速さのミサイルを発射した。古典力学で考えると、地球から見たミサイルの速さはいくらか。
(2)(1)の問について相対論的効果を考慮するとどうなるか。
(3)ロケットが進行方向とは直角の方向に、光速の半分でミサイルを発射した。このとき地球から見たミサイ
ルの速度(宇宙船の進行方向と直角方向それぞれ)はどれだけか、求めよ。
5.光のドップラー効果について次の問に答えよ。
(1)相対論的な光のドップラーの特徴である、横ドップラー効果は波の進む方向に観測者・光源が動かない場
合でも起こる。その理由を簡単に説明せよ。
(2)音のドップラー効果の場合は音源が動く場合と、観測者が動く場合では式が異なっていた(覚えてます か?)。しかし相対論的な場合は、どちらが動いても同じ式で表される。その理由は何か。考察して簡単に
説明せよ。
(3)地球から80億光年離れた銀河は3000Åを出す星で出来ているが、地球からその銀河を観測すると、
6000Åの光として観測された。この銀河が地球から遠ざかる速さはどれだけか。
(4)ハッブルの法則は「地球からの距離」と「地球から遠ざかる速度」が比例することを示している。それを
用いて宇宙の年齢(宇宙が出きてから何年たったか)を求めよ。(宇宙は最初1点から始まったと考えてよい)
6.特殊相対性理論では座標系で様々な量が変化するが、座標系によらず変化しない量もある。以下では慣性系S
とそれに対してx 軸方向に一定速度vで動く慣性系S’において不変な量を考える。問に答えよ。
(1)ローレンツ変換の式を用いて、 が不変量であること。すなわち常に
c 2t 2 − x 2
c 2 t '2 − x '2 = c 2 t 2 − x 2
が成り立つことを示せ。
(2)一方速さに関係する不変量も存在する。
dx ', dt ' dx , dt, c,v で表せ。(y方向は考えなくてよい)
(ア)ローレンツ変換の式を用いて を dx
dt
dx '
dt '
=c
=c
(イ)(ア)の式を用いて光速cが不変量であることを示せ。すなわち ならば と
なることを証明せよ。
(3)時間も座標により変化するので、座標系によらない時間「固有時」を定義したい。ある物体の運動をS系の
座標(x,t)で表す。つまりこの物体のS系での速度は となる。速度vで動く系S’から見た速さを同様
u = dx / dt
u ' = dx '/ dt '
に とする。固有時を とすると、固有時は座標に依存しない。すなわち
d τ = dt 1 − u 2 / c 2
dt 1 − u 2 / c 2 = dt ' 1 − u '2/ c 2
であることを証明せよ。
(4)(1)に戻りローレンツ変換の図形的意味を考察する。例えば、回転行列の変換は x 2 + y 2 = 一定
である円の円周上において、ある点を与えられた角度だけ動かす変換になっている。
ではローレンツ変換は(x,t)の座標のどのような図形上での変換になっているだろうか。説明せよ。
後期中間試験 3年選択物理 解答用紙 H.14.12
クラス 番号 名前
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(1)
(2)
(ア)
(イ)
(3)
(4)