日本の生命保険業界の動向

日本の生命保険業界の動向
3 月31 日に終了した会計年度
民間生命保険会社合計 1
2003
¥
保険料等収入
2004
25,864,044
¥
26,390,649
2005
¥
27,860,828
2006
¥
29,244,801
25,511,827
25,960,896
27,022,177
28,332,940
保有契約高
1,278,522,823
1,222,212,420
1,186,279,986
1,150,987,311
個人保険
1,210,245,957
1,152,648,515
1,112,170,505
1,070,570,886
68,276,866
69,563,905
74,109,481
80,416,425
新契約高
124,120,537
106,581,055
98,626,548
89,375,093
個人保険
120,712,437
101,381,191
91,159,270
保険料収入
個人年金保険
¥
個人年金保険
3,408,100
¥
5,199,864
¥
7,467,278
過去 10 年間の推移(個人保険)2
80,753,423
¥
8,621,670
10 年前を100とした場合の業績推移
保険料収入
144.6
100.0
100.0
79.7
03/3
04/3
■ 太陽+大同
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
■ 日本の生命保険会社計
保有契約高
105.8
100.0
100.0
71.5
03/3
04/3
■ 太陽+大同
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
■ 日本の生命保険会社計
新契約高
100.0
87.4
100.0
54.3
03/3
04/3
■ 太陽+大同
1
8
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
10/3
11/3
12/3
■ 日本の生命保険会社計
出所:生命保険協会「生命保険事業概況」より当社作成
2
出所:生命保険協会「生命保険事業概況」より当社作成
保有契約高、新契約高は個人保険、個人年金保険の百万円単位の公表数値を単純合算したもので
2003 年 3 月期の保険料収入・保有契約高・新契約高を100として指数化。
す。新契約高には転換による純増加高を含みます。また、2008 年 3 月期と2009 年 3 月期の数値
新契約高には転換による純増加高を含みます。また、2008 年 3 月期と2009 年 3 月期はかんぽ生
はかんぽ生命分を含んでいません。米ドル金額は、便宜的に1 米ドル=82.19 円で計算しています。
命分を含んでいません。
T&D HOLDINGS, INC.
ANNUAL REPORT 2012
2007
¥
2008
28,502,811
2012
2012
27,329,483
¥ 35,265,478
¥ 35,103,035
¥ 37,029,612
26,182,776
34,116,133
34,454,319
36,289,097
441,526
1,112,199,628
1,067,365,043
1,021,458,206
997,118,812
975,306,789
964,261,946
11,732,107
1,026,335,985
979,437,386
932,971,803
902,947,116
879,596,415
865,346,502
10,528,610
85,863,643
87,927,657
88,486,403
94,171,696
95,710,374
98,915,444
1,203,497
76,907,852
66,672,974
61,306,780
67,522,157
69,886,762
73,500,683
894,277
67,991,956
58,649,516
53,992,745
59,299,903
62,992,498
65,601,594
¥
8,023,458
¥
2011
27,023,088
8,915,896
27,953,897
百万米ドル
2010
27,766,283
¥
¥
百万円
2009
¥
7,314,035
¥
8,222,254
¥
6,894,264
¥
$
450,536
798,170
7,899,089
$
96,107
過去 10 年間の市場シェア推移 3
11
1
2003 年 3 月期
42 社計
25.5 兆円
10
9
8
7
2
6
3
5
4
11
1
10
9
8
2003 年 3 月期
42 社計
1,278 兆円
7
6
2
5
4
3
11
10
9
8
7
1
2003 年 3 月期
42 社計
124.1 兆円
6
3
5
4
3
2
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
日本
第一
住友
明治
T&D
安田
三井
アメリカンファミリー
AIG4
朝日
その他
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
日本
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
日本
第一
住友
明治
朝日
安田
三井
T&D
富国
AIG4
その他
第一
住友
明治
朝日
T&D
安田
三井
富国
AIG4
その他
21.2%
14.0%
10.6%
8.6%
7.8%
5.1%
3.7%
3.3%
3.1%
3.0%
19.7%
10
9
7
AIG:アリコジャパン+AIGスター
第一:第一+第一フロンティア
2
6
5
3
4
11
10
9
8
7
1
2012 年 3 月期
42 社計
938 兆円
6
2
5
3
4
20.3%
14.4%
13.0%
7.2%
6.3%
5.9%
5.8%
4.6%
2.9%
2.9%
16.8%
出所:生命保険協会「生命保険事業概況」、各社決算資料より当社作成
1
2012 年 3 月期
42 社計
29.4 兆円
8
23.0%
16.6%
14.7%
9.0%
5.4%
5.3%
4.6%
4.5%
2.9%
2.3%
11.5%
新契約高、保有契約高は個人保険、個人年金保険の合計。かんぽ生命分は含んでいません。
4
5
6
11
1
11
2
2012 年 3 月期
42 社計
66.5 兆円
10
9
3
8
4
7
6
7
8
9
10
5
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
日本
明治安田
第一
5
住友
プルデンシャル 6
アメリカンファミリー
T&D
メットライフアリコ
富国 7
ソニー 8
その他
日本
第一 5
住友
明治安田
プルデンシャル 6
T&D
ソニー 8
朝日
富国 7
三井
その他
日本
第一 5
プルデンシャル
6
T&D
明治安田
ソニー 8
住友
メットライフアリコ
MS&AD9
NKSJ10
その他
18.2%
17.6%
11.4%
8.8%
7.0%
5.9%
5.7%
4.6%
3.2%
2.8%
14.7%
19.3%
15.8%
12.4%
10.8%
6.8%
6.2%
3.8%
3.4%
3.3%
2.9%
15.3%
12.6%
11.1%
10.4%
9.5%
8.3%
6.3%
6.0%
5.6%
5.3%
4.5%
20.2%
富国:富国+フコクしんらい
ソニー:ソニー+ソニーライフ・エイゴン
MS&AD:三井住友海上あいおい+三井住友海上プライマリー
NKSJ:損保ジャパンDIY+NKSJ ひまわり
プルデンシャル:プルデンシャル+ジブラルタ+プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル
T&D HOLDINGS, INC.
ANNUAL REPORT 2012
9
日本の生命保険業界の動向
2012 年 3 月期のトピックス
する可能性があり、リスク管理が難しいという側面があります。
基礎利益は増益
そのため、2012 年 3 月期半ば頃から生命保険各社では一時払
本業である保険事業の利益を示す基礎利益は多くの生命保険
会社で増益となりました。これは主に東日本大震災による支払
終身保険の販売を制限する動きが見られるなど、競争環境に一
部変化が出てきています。
保険金が当初の支払見込み額よりも少なかったこと、超長期債
の運用により利息及び配当金収入が増加したこと、株式市場の
回復で変額年金保険の最低保証リスクのために積み立てる責任
撤退と新規参入
2012 年 3 月期は損保グループや外資グループにおいて、グ
ループ内生保の合併が 3 件あり、日本の生命保険会社は2012
準備金繰入額の負担が減ったことなどが寄与しました。
また 2012 年 3 月期から保険金の支払余力を示すソルベン
シー・マージン比率の算出基準が一部厳格化されました。生命
年 3 月末で 43 社となりました。また、2012 年 3 月には1 社が
上場を果たしました。
保険各社は新基準においても健全性の目安を示す 200%を上
回りましたが、さらなる規制強化に備えて、資産運用リスクを圧
縮し国内債券へ運用をシフトさせる動きが継続しました。
顧客ニーズの変化と契約業績
勤労世代の人口減少と高齢者の増加が予想されるなか、国の
社会保障関係費は年々増加しており、
「公的保障だけでなく、自
金融機関等代理店市場
助努力による私的保障が必要」
との考え方が多数を占めると予
2008 年の世界金融危機以降、運用環境の悪化により変額年
金保険の販売休止が相次いだことや消費者のリスク回避志向の
想されます。
また、少子高齢化や晩婚化などによる世帯構成の変化により、
高まりを受けて、金融機関等代理店市場における販売商品の主
世帯主の大型死亡保障ニーズが低下する一方、長生きのリスク
力は変額年金から一時払終身保険にシフトしました。一方、この
に備えるため、資産形成型商品や医療保障などの第三分野商品
ような一時払終身保険は将来、金利が上昇した際に解約が急増
へのニーズが高まっています。
日本の生命保険市場
日本生命
住友生命
第一生命
明治
安田生命
職域市場
第一
フロンティア生命
金融機関等
代理店市場
太陽生命
フコク
しんらい生命
三井住友海上
プライマリー生命
女性を中心とした家庭市場
メットライフ
アリコ
死亡保障商品
プルデンシャル
アフラック
T&D
フィナンシャル
生命
かんぽ生命
オリックス生命
ソニー生命
中小企業市場
大同生命
東京海上日動
あんしん生命
ING
NKSJ
ひまわり生命
医療保障
商品
貯蓄性商品
アクサ
注:当社作成のため、各社の認識と異なる場合があります。
10
T&D HOLDINGS, INC.
ANNUAL REPORT 2012
このような顧客ニーズの変化は、生命保険会社の契約業績にも
増加に大きく寄与するなど、主要な販売チャネルの一つとなり、
表れています。日本の民間生命保険会社における2012 年3 月
今後は販売商品の多様化が見込まれます。さらに昨今の企業の
期の個人保険・個人年金保険の保険料収入は27.4兆円となり、そ
セキュリティ強化や共働き世帯の増加等により、従来の営業職員
のうち第三分野商品は、一定の割合を占めるようになっています。
では訪問が難しくなっている顧客層へのアプローチとして乗合
代理店による来店型店舗の展開が急速に拡大しています。
チャネル・商品の多様化
販売商品においても、従来の保障内容が複雑な商品からシン
生命保険会社の販売チャネルは、主軸である営業職員チャネ
プルでわかりやすい商品へのシフトが進んでいます。特約をな
ルのほか、若い世代を中心に通信販売等のダイレクト・インター
くし、顧客が必要な保障内容を自由に選べる商品や、必要な保
ネットチャネルが活用されるなど多様化が進んでいます。また、
障内容に絞りコストを抑えた商品など、顧客ニーズの変化や販
銀行窓販チャネルは生命保険各社の新契約高や保険料等収入の
売チャネルに合わせた商品が発売されています。
日本の将来推計人口
加入意向のある保障内容
保険料収入(個人保険・個人年金保険)
千人
%
兆円
80,000
80
76,818
(60.7%)
30
53,531
(52.4%)
60,000
21.5
20
6.5
4.6
4.8
21.0
53.6
47.7
6.6
6.0
41.2
34.9
38,564
(37.7%)
40
10,116
(9.9%)
20
15,827
(12.5%)
2045
0
病気・ケガ・
入院への備え
■ 世帯主
■ 配偶者
14.9
14.9
■
年少人口(0 ∼ 14 歳)
■
老齢人口(65 歳以上)
■
2035
生産年齢人口(15 ∼ 64 歳)
出所:国立社会保障・人口問題研究所
万一の場合の
保障
09/3
10/3
■ 個人保険
5.0
11/3
5.2
12/3
■ 第三分野
出所:生命保険協会「生命保険事業概況」
2009 年度「生命保険に関する全国実態調査」
(2009 年 12 月発行)
注:
( )内は全人口に対する割合
08/3
■ 個人年金保険
出所:生命保険文化センター
「日本の将来推計人口(2012 年 1 月推計)
」
0
老後の生活・
資金の準備
4.8
4.6
4.5
2025
2015
22.7
20.4
17.6
10
20,000
0
25.2
24.2
56.0
60
33,952
(26.8%)
40,000
27.4
65.5
注:第三分野については保有契約年換算保険料を記載しています。
各決算期で民間生命保険会社の合計社数が異なるため単純な
比較はできません。
年度末登録営業職員数、登録代理店数および
代理店使用人数の推移
直近加入契約(民間生保)
の加入チャネル
店/ 人
%
120,000
1,200,000
100
989,301
80
79,501
80,000
68,046
776,749
8.7
4.0
3.4
3.4
4.0
5.4
8.7
3.0
7.3
1.8
2.4
6.7
71.1
70.1
800,000
60
36,292
34,820
40,000
248,771
0
07/3
■ 個人代理店(店)
■
40
400,000
代理店使用人数(人)
08/3
09/3
10/3
11/3
■ 法人代理店(店)
■
20
240,952
年度末登録営業職員数(人)
出所:生命保険協会「生命保険の動向(2011 年版)」
0
0
04/3
05/3
06/3
07/3
08/3
09/3
■ 生命保険会社のセールスマン ■ 通信販売 ■ 郵便局の窓口や営業職員 ■ 銀行・証券会社を通して
■ 保険代理店の窓口やセールスマン ■ 勤め先や労働組合等を通じて ■ その他
(2009 年 12 月発行)
出所:生命保険文化センター 2009 年度「生命保険に関する全国実態調査」
注:代理店使用人数は、法人代理店使用人数と個人代理店使用人数の合計を示します。
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