小学校 第4学年 道徳学習指導案

小学校
第4学年
道徳学習指導案
日 時:平成
指導者:
場 所:
年 月
日(
1
主題名
2
資料名 フィンガーボール(出典 吉沢 久子作「生きた礼儀と死んだ作法による」)
3
主題設定の理由
)
限
心遣い (内容項目2-②親切)
(1)ねらいとする価値について
心遣いとは、利害関係や見栄をぬきにした、思いやりのある親切な行動であり、人と人との暖か
い関係をつくることができるものである。人は一人で生きているのではなく、人の暖かい心を感じ
てありがたく思ったり、励まされたりして生きている。また、人に親切にしてあげると、心地よい
ものである。子どもたちは、これまで沢山の人から思いやりをもらって成長してきている。真心を
持って接してあげることの大切さと、接してもらったときに真心をもって受け止めることの大切さ
にも気付かせたい。
子どもたちは3年生の頃から4年生の今に至るまで、終わりの会で「キラリさん」や「ベストフ
レンド」という項目で、友達の親切について認め合う時間を設けている。毎日、親切ということに
軽く触れてはいるが惰性的になっているところもある。この物語で、相手を深く思いやることにつ
いて再度考えさせることができる。また、道徳の教材の「友情」にも繋げていくことができる。
(2)児童(生徒)について
全体的に明るく、無邪気な子どもらしさを持つ子が多い。作業をする時に、うまくできない友達
に対して励ます言葉をかけたり、手助けをしてあげる子もいる。習字セットから墨が滴り落ちてい
たら、自主的に拭いたり洗ったりしてくれる子もいる。計算ができなくて困っている子に教えてあ
げたり、物を忘れてきた時に貸してあげるなどといった助け合いはよく見受けられる。
しかし時には、友達に自分の気持ちを言葉で伝えられず、手が出てけんかになったり、感情的に
なると、なかなか落ち着きを取り戻せない場面も見られる。また、相手の気持ちを考えずに嫌なこ
とを言ってしまったり、まだ、自分のことで精一杯で、周りを考えることができない面も見られる。
しかし、どの子も、友達について考える機会を設けると、友達の良さを認める素直さを持ってい
る。
してもらったことに対して、
ありがとうという気持ちを素直に持つこともでき、
冷静になると、
自分の非を認めることもできる。よく考えてから行動する方向性の中で、相手を思いやる心を育て
ていきたい。
(3)資料について
資料の前半では、
物語が緊張する立派なパーティの一幕であることを充分に感じ取れるようにし
て、招待されたお客さまの心情を感じ取らせたい。後半では、王女様がお客さまの間違った行為を
とがめるどころか、子どもたちの予想を覆すような意外な行動に出る。王女様の取った行動を知ら
せる前に、自分だったらどうするか、という疑問を投げかけ、意外な行動に出た王女様の真の思い
やり、損得や見栄をぬきにした心遣いを理解し、暖かい心を感じさせたい。また、親切な行為をさ
れた後のお客さんの気持ちを考えることで、
親切な行為が暖かい人間関係を築くことを知らせたい。
資料を、自分だったらどうするかということを考えさせながら読み進めることで、王女様の意
外な行動を印象付け、相手のことを本当に思いやる暖かさを感じ取らせたい。
この時間の終わりには、
これから親切にできたことを一週間心のノートに少しずつ書きとめるこ
とを告げ、一週間後に振り返る時間を取りたい。自分の生活を振り返った時に、親切にしてもらっ
たことやその時の思いを発表することで、お互いの思いやりを認め合っていきたい。
また、この主題を扱う時間だけにとどまらず、普段の学校生活の中で、思いやりについて考える
機会を持ち、継続的に真心をもって接していく態度を育てていきたい。
4
ねらい
・相手のことを思いやり、親切にしようとする心情を育てる。
5
準備
・拡大した挿絵2枚
6
展開
段階
時間
導入
5分
学習活動
・フィンガーボール ・ワークシート
発問等と予想される反応
支援□と評価■
日常生活の中の「思い ○「思いやり」という言葉から感じるこ □自分の生活の中の、「思
やり」に着目する。
いやり」について、意識
とは何か。
付けをする。
・優しい。
・親切にしてもらった。
・暖かい。
○これまで親切にしてもらったことは
あるか。(心のノート P41 を書く)
・困った時に友達が助けてくれた。
・泣いている時に、友達が励ましてく
れた。
・できないことを、教えてくれた。
・絵の具を忘れた時、貸してくれた。
資料「フィンガーボー ○お客さんはどうしてフィンガーボールの水
ル」を読んで話し合う。
を飲んでしまったのか。
・フィンガーボールは手を洗うものだと
いうことを知らなかった。
・あまりに緊張して思わず飲んで
しまった。
・迷ったけれど偉い人ばかりで他
の人に聞けなかった。
展開
30 分
□拡大した挿絵を使い、物
語のパーティの場面の様子
を押さえる。
□フィンガーボールで動作化し、
お客さんの行動や、気持
ちを捉えやすくする。
○フィンガーボールの水を飲んでしまったお
客さんを見た女王様はどう思ったか。
・間違ったことをしている。
□王女様はお客様の立場
・礼儀の知らない人だ。
になって考えているとい
・マナーのない人をパーティーに呼ばな
う視点で考えさせる。
ければよかった。
・最初に教えてあげればよかった。
・緊張させてしまった。
・恥をかかせてしまった。
○自分が女王様だったら、どうするか。 □物語を自分に引き寄せ
て、考えられるようにす
・笑う。
る。
・帰ってもらう。
・教えてあげる。
・自分のフィンガーボールを貸して上げる。
◎どんな気持ちから女王様はフィンガーボー
ルの水を飲んだのか。
□見栄や体裁ではなく真
・恥をかかせて悪かった。
の思いやりからくる王女
・自分も同じことをすれば、その
様の意外な行為を知り、
人だけ、嫌な気持ちをしなくて
王女様の深い心遣いに共
済む。
感できるようにする。
・わたしも同じことをすれば間違
いでなくなる。
■お客様のために振舞っ
・お客さんが迷ったときに聞きや
た王女様の心遣いをつか
すい雰囲気を作ってあげれば良
み、女王様の気持ちに共
かった。
感することができたか。
・フィンガーボールを配る時にボーイに小
さな声で説明をさせれば良かっ
た。
○お客さんは女王様のとってくださっ
た態度を後でどう思ったか。
・なんて優しい女王様だ。
・女王様もばかにされるかもしれな
いのに、私のまねをしてくれた。 ■人を思いやる気持ちや
・恥をかかせないように気遣ってく
気遣う気持ちから、暖か
れてありがとう。
い人間関係ができていく
・親切にしてもらってうれしい。
ことを感じ取ることがで
・今度は自分が女王様のために何か
きたか。
をしてあげよう。
終末
10 分
今 ま で の 自 分 を 振 ○今までに、真心をもって、友達や人に □人を思いやる気持ちは、
り返る。
お互いを心地よくさせ
接したことはあるか。その時、相手は
どんな様子だったか。
ることに気付き、これか
ら人に親切に接しよう
・退院して学校に来た友達を手伝ってあ
という気持ちを持たせ
げた。ありがとうといわれた。
・下学年の子が 4 階でウロウロしていた
る。
ので、行く場所を教えてあげた。下学
年の子は安心した顔つきになった。
○心のノートにも、思いやりについてのっ
ている。
・身の回りのほんの些細なことでも
■これから人に親切にし
「思いやり」
をもった行動をすること
これからの自分た
ようという心構えがで
ができる。
ちにできることを考
きたか。
・これから「思いやり」のある行動が
える。
できたら心のノートに書いていこう。