No.7

千曲市立埴生小学校
文責:袖山
茂
平成27年12月4日
なかよし旬間中、児童にこんな話をしました・・
ちょっと長いですが、良かったら一読下さい。
満員電車の中で
この前、家族で出かけたときに、電車を使うことになり
ました。私たち家族が電車に乗った時には、もう満員で、
席は一つも空いていませんでした。私は、ドアの近くの手
すりにつかまっていました。どこから乗ったのか、誰が見
てもチャラチャラしている高校生ぐらいの女の人が優先席
に乗って、耳にイヤホンをつけ、スマートフォンを触って
いました。優先席は、お年寄りや身体の不自由な人が座る特別な席です。
しかし、その女の人は、顔色も良く、どこも悪くなさそうです。どうして、優先席に座っている
のだろう?私は不思議に思いました。
しばらくして、たくさんの荷物を持った杖をついたおばあさんが、乗ってきました。おばあさん
は、空いている席が無いか探していましたが、諦めて、その女の子が座っているすぐ横の手すりに
つかまりました。電車が大きく揺れるたびに、おばあさんはよろよろとしました。私は危ないなあ
…と思いながら見ていました。それでも、優先席に座っている女の人は、下を向いたまま、横にい
るおばあさんたちに席を譲ろうとはしません。すると、周りにいる人たちが、
「あの子は若いんだから、席を譲ってあげればいいのにねえ。」
「ほんと、あの子は思いやりの心がないのかしら。」
その子にわざと聞こえるように話をし始めました。それでも、その女の子は席を譲ろうとしませ
ん。すると、横に座っていたおばさんが、「ねえ、あんた、そちらのおばあさんに席を譲ってあげ
なさいよ。そこは優先席でしょ。おばあさん、こんなに荷物ももっているのよ。」と厳しい口調で
言いました。回りのひとの視線がいっせいに、その女の子に向けられました。
その女の子は無いも言えずにじっとうつむいていましたが、やがて、そーっと立ち上がりました。
そして、おばあさんに席を譲ろうとして一歩、歩き出したときに、私は「はっ」としました。これ
までのざわめきも一瞬で消えました。
その女の子は、足が不自由だったのです。足を引きずりながら、よろよろとあわてて逃げるよう
に、次の駅で降りました。電車の中は、静まりかえっていました。
注意したおばさんは、気まずい顔をして、うつむいたまま黙っていました。
回りの人も足を引きずりながら出て行く女の子に何も言いませんでした。私の家族も黙ったまま
でした。
児童のみなさんが、その場にいたら、誰に、どんな「ふわふわ言葉」を使いますか?…と
投げかけてみました。
高学年の児童はさすがです。実際にその場にいたような気持ちになっていろいろと考えてくれました。
おばあさんに
荷物もちましょうか? 荷物は重たくないですか?
女の子に
(見かけで人を判断してはいけない)
気がつかなくて済みません。
おばさんに
おばあさんは何も悪くないからね。
大丈夫ですか?
自分も気がつかなくてごめんなさい。
(勇気ある行為だったと思うが…)
落ち込むことないです。 あなたは悪くないです。 私も勘違いしていました。 大丈夫ですよ。
やさしい口調で言えばよかったかな。
この場面は、様々な要素が含んでおり、明快な「答え」「正解」はないかもしれません。
でも、ここで考えた、その「一言」で救われる人がいるはずです。その「一言」を言える
人に育って欲しいなあと願います。
「マラソン大会」の中で
六年生がマラソン大会をしているとき、次の時
間に実施する二年生がグランドに出てきました。
まだ、二年の先生は、だれもグランドに出てきま
せん。グランドの周りはマラソンコースで六年生
が、必死になって走っている途中です。六年生の
走っているところを、二年生が横切り、走るジャ
マをしなければいいなあ…そんな心配をしながら様子を見ていました。 力いっぱいの応援
しばらくすると、そんな心配が吹っ飛ぶような動きを二年生の児童たちが見せてくれま
した。なんと、コースの脇に整然と並び、六年生の児童に「がんばれー」と応援を始めた
のです。私は、二年生の児童がここまでできるのか…ととってもうれしくなりました。素
晴らしいです。私は、うれしさとともに、走るジャマをするのではないか?と疑いの気持
ちをもった自分自身に、恥ずかしさを覚えました。
更なる授業の改善を目指して
お互いの授業を見合う中で、私たちも様々なことを
学びあいます。学力観も、ここ十年ぐらいでだいぶ変
わってきました。知識を頭に記憶していくだけ、知識
量が豊富なほど良い…という時代ではなくなってき
ています。
豊かな創造性、相手に伝えるためのコミュニケーシ
ョン能力、生活や人生に活かせる活用力など今後ます
ます必要性を増してきます。そのために授業の形態なども、旧態然としたものから変化し
ていかなければ、と感じています。私たちも、研修を通して更に質の高い授業を目指した
いと思います。
冬本番「
冬本番「インフルエンザ」
インフルエンザ」や「ノロウィルス」
ノロウィルス」…みんなで予防
みんなで予防を
予防を