教育設計評価 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育課程論 PEM-EDU501J 2 後藤 武俊 第 1 学期 (火・ 4 ) [授業題目] 教育課程と教育評価 [授業目的と概要] 学校における教育実践を基本的に方向づけている教育課程と教育評価について,その歴史・思想, 役割・機能,現代的課題等を詳細に検討し,教育設計評価を行っていくための基本的知識の習得とそ れにもとづく思考力・判断力の育成を目指す。 [学習の到達目標] 1 .教育設計評価に関する基本的知識の習得。 2 .教育設計評価に求められる思考力・判断力の形成。 3 .教育設計評価に関する論文・資料を大量かつ迅速に読みこなす読解力の獲得。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション 2 .20世紀前半の教育課程改革∼進歩主義教育の展開と受容 3 .20世紀後半の教育課程改革∼「教育の現代化」から「ゆとり教育」へ 4 .現代の教育課程改革∼「学力向上」に向けて 5 .教育課程設計の基本的観点 6 .教育課程設計の構成要件と基本原則 7 .教育評価とは何か 8 .教育評価の立場 9 .教育評価の機能 10.教育目標と評価 11.学力評価の方法 12.教育実践の改善 13.学校経営と評価 14.教育評価の制度 15.日本における教育評価の歴史 [成績評価方法] 授業への参加(30%),レポート(70%)。 [教科書] 田中耕治他編『新しい時代の教育課程〔第 3 版〕』有斐閣,2011年。 西岡加名恵・石井英真・田中耕治編『新しい教育評価入門』有斐閣,2015年。 [テキスト ・ 参考書] 適宜授業中に指示する。 [授業時間外学習] 教科書とともに毎回配布する論文読み,論点を整理してくる。 [その他] ・教科書以外にも大量の文献を読むことになるので,他の授業との兼ね合いに十分配慮すること。 ・オフィスアワー(月・ 3 ) −75− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計論 PEM-EDU502J 2 井本 佳宏 第 1 学期 (金・ 2 ) [授業題目] 教育設計論 [授業目的と概要] 教育は学習の対概念であり,教育設計者の意図は学習者の主体性による挑戦を常に受け続けている。 そうした不確実性にさらされる中で,「教育を設計する」ことにはどのような意味があるのだろうか。 本授業では,「教育を設計する」ことの可能性と限界を日本における教育改革の歴史から探究する。 [学習の到達目標] 1. 「教育を設計する」ことの意義,可能性と限界について理解する。 2 .教育設計論の視座から関連文献,資料を読み解く読解力,洞察力を形成する。 3 .授業への参加を通じて討議能力,論証力を獲得する。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 オリエンテーション 第 2 回 明治中期の改革 第 3 回 明治後期の改革 第 4 回 大正期の改革 第 5 回 戦間期の改革 1 :女子教育 第 6 回 戦間期の改革 2 :青年教育 第 7 回 戦時期の改革 第 8 回 戦後教育改革 1 :教育基本法 第 9 回 戦後教育改革 2 :学校教育法 第10回 戦後教育改革 3 : 6 ・ 3 ・ 3 制 第11回 ここまでのまとめと補足 第12回 現代の教育改革 1 :新自由主義の教育改革 第13回 現代の教育改革 2 :教育における規制緩和 第14回 現代の教育改革 3 :学校経営の改革 第15回 全体のまとめと補足 [成績評価方法] 授業内の討議への参加(30%),レポート(70%)。 [教科書] 特に使用しない。 [テキスト ・ 参考書] 以下のリーディングス所収の論稿の中から検討対象とするものを適宜指示する。 辻本雅史監修,米田俊彦編著『論集現代日本の教育史Ⅰ教育改革』日本図書センター,2013年。 広田照幸監修,藤田英典,大桃敏行編著『リーディングス日本の教育と社会第11巻学校改革』,日本 図書センター,2010年。 [授業時間外学習] 検討対象の文献については授業までに必ず読んでおくこと。 各回の報告担当者はレジュメを作成すること。 [その他] 次年度の開講は未定のため,可能な限り今年度中に履修することを勧める。 オフィスアワー 月曜日 13:00∼15:00 −76− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育測定論 PEM-EDU503J 2 柴山 直 第 1 学期 (火・ 2 ) [授業題目] 教育測定論 [授業目的と概要] 教育設計・. 評価の基盤となる教育測定の基礎理論を体系的に学ぶ。初等統計レベルの知識を前提と するが,必要な統計的数学的準備は初回に行う。 [学習の到達目標] ①試験問題に関して実証的な観点からの品質保証ができること ②大規模試験データからさまざまな情報を読み取れること ③教育施策等に生かすためのバックグラウンドとなる力を修得すること [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 教育における測定と評価 第 2 回 項目分析 第 3 回 測定のモデル(古典的テスト理論) 第 4 回 因子分析(1) 第 5 回 因子分析(2) 第 6 回 尺度の標準化 第 7 回 尺度の等化 第 8 回 測定のモデル(項目反応理論) 第 9 回 テストの実際(1)教師作成テストの作成 第10回 テストの実際(2)客観的テストの作成 第11回 テストの実際(3)解釈課題の作成 第12回 テストの実際(4)論述試験・パフォーマンス課題の作成 第13回 教育問題と教育測定論との関わり 第14回 テスト実施・採点・評価・報告 第15回 日本のテスト文化について(テストの誤解と誤用を越えて) [成績評価方法] ほぼ毎回課するショート・レポート(100%) [その他] 初等統計の知識を修得したい場合は学部科目「教育統計学」を,またテスト理論の体系的な修得に は大学院科目「教育テスティング論」を推奨する。 −77− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育アセスメント論 PEM-EDU504J 2 有本 昌弘 第 1 学期 (月・ 3 ) [授業題目] 21世紀型コンピテンシーを創る上でのアセスメントとエヴァリュエーション [授業目的と概要] 激変する世界と人口減少の地方の諸課題の中で,OECD-Tohoku School 後継プロジェクトのボランタ リークラスターへの示唆を得るため,21世紀型のコンピテンシーをどう測るか,について吟味・検討 することを目的とする。震災後の国内パイロット校ともコラボを進める中で,四半世紀の間,学校全 体でシステム思考を取り上げてきた海外連携校(米国)を取り上げる。「各人は所詮お互い分かり合え ず,学習者は伝えられる以上のことを知って」おり,アセスメントを積み重ねることが,生徒や学生 が未来の概念に格闘できるカリキュラムを創造できるという前提から出発する。学校教育のみならず, 健康や水産業,起業家精神における「学び」を,アセスメントとエヴァリュエーションの枠組みの下, 豊かな概念から,学校全体での取り組みを必要とする21世紀型のコンピテンシーとその測り方につい て,学習者・教師・コンテンツ・リソース・構成要素の組織を通じて吟味・検討する。様々な学問分 野(太陽光,機械,生物や生体,水資源・生態,社会経済)でみられるシステム思考の方法論を教育 学に導入し,教科を超える知識を新たな知育の可能性として押さえたい。 [学習の到達目標] その際,ルーブリックなどアセスメントツールの開発,アセスメントの成果・プロセス・文脈につ いての枠組みをアングロサクソンはじめ他の国々から学び,教育アセスメントとリーダーシップに関 して比較研究を行う力を身につけ,東北地方の教育実践に置き換え読み解いていく。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 講義のアウトラインの説明とクライテリアの共有 第 2 回 世界経済フォーラムからの教育の重要性 第 3 回 ゆとり教育の背景,自己実現の理論など 第 4 回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 1 回) 第 5 回 激変する知識(アントレプレナーシップなど) 第 6 回 システム思考(エネルギー,水,食糧,機械,生態,社会経済等) 第 7 回 教育分野の相互関連する知識その 1 (学習,授業,教師,生徒,発達成長,社会問題,公 平など) 第 8 回 教育分野の相互関連する知識その 2 (教育課程,学校,政策,安心と安全,職業と雇用労 働など) 第 9 回 学校群のイノベーションに向けた国内の取り組み 第10回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 2 回) 第11回 6 つの人間性の国内での検討 第12回 職場学習でのメタ学習からの学校教育への示唆 第13回 日本文化からのコンピテンシーの吟味・検討 第14回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 3 回) 第15回 ルーブリック(評価指標)によるパフォーマンス課題の成果の共有 [テキスト ・ 参考書] CCR(2015)Four-Dimensional Education: The Competencies Learners Need to Succeed ,CreateSpace Independent Publishing Platform. OECD(2013)Synergies for Better Learning: An International Perspective On Evaluation And Assessment, Reviews of Evaluation and Assessment in Education, OECD. OECD-CERI(2013)Innovative Learning Environments, OECD OECD-CERI(2013)Leadership for 21st Century Learning, OECD [評価方法] 無断欠席は 2 回までとする。パフォーマンス課題を複数回に分けたミニタスクによるレポート提出 (40%),ルーブリック(採点指標)によるセルフ・ピアアセスメント(40%),ポートフォリオの選択 (20%)とするが,これについては,意味のあるクライテリア(尺度や物差し)を受講生と探し,共有 することに努める。 −78− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育テスティング論 PEM-EDU505J 2 熊谷 龍一 第 1 学期 (木・ 2 ) [授業題目] 古典的テスト理論を中心としたテストの分析手法 [授業目的と概要] 教育測定・評価の中で必須となる,テスト理論について基礎理論から,統計ソフトを利用した実際 のテストデータの分析までを学ぶ。テスト理論では,例えばΣ計算などの数学的知識が必要となるが, これについても適宜解説を行っていく。 [学習の到達目標] 1 .テスト理論の基礎を習得し,それをテストデータの分析に用いることができる。 2 .テストデータの分析およびその解釈を適切に行うことができる。 3 .データ分析から得られた指標を正しく読み取り,教育評価に生かすことができる。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション 2 .テスト法について 3 .テスト理論に必要となる数学的知識(1) 4 .テスト理論に必要となる数学的知識(2) 5 .項目分析 6 .相関係数 7 .古典的テスト理論:基本モデルと測定精度 8 .古典的テスト理論:信頼性係数(1) 9 .古典的テスト理論:信頼性係数(2) 10.古典的テスト理論:信頼性係数(3) 11.古典的テスト理論:妥当性 12.テスト得点の標準化 13.テスト得点の等化 14.項目反応理論の基礎 15.項目反応理論の応用 [成績評価方法] 授業への参加度(50%),適宜行う小レポート+最終レポート(50%) [教科書] 以下の教科書を使用予定である(事前購入の必要なし)。 野口裕之・大隅敦子(2014)テスティングの基礎理論 研究社。 [テキスト ・ 参考書] 講義中に指示する。 [授業時間外学習] 授業前に教科書の内容をよく把握し,特に数式などは(その意味について)授業後に復習をすること。 −79− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教職論 PEM-EDU506J 2 清水 禎文 第 1 学期 (月・ 4 ) [授業題目] 教職開発研究の理論と方法 [授業目的と概要] 講義の目的は,受講者を教職開発研究の入口まで導くことである。 教育制度設計のコアはカリキュラム編成である。カリキュラムを設計し実行する上で,教師という 人的側面は重要な役割を担っている。そこでこの講義では,教育制度設計の人的側面(教職開発)に 焦点を当て,その理論と分析方法等について紹介する。 [学習の到達目標] 専門職としての教師に関する先行研究は,哲学,歴史,社会学,教育行政学,教授学など,さまざ まな立場から研究がなされてきた。学習の到達目標は以下の 2 点である。 ①これらの研究分野における教職研究の系譜と研究水準の確認 ②教職研究のさまざまな方法論についての理解 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 オリエンテーション 第 2 回 教職開発研究の課題と方法(上) 第 3 回 教職開発研究の課題と方法(下) 第 4 回 教職開発の理論 D. Schoen『省察的実践家』(上) 第 5 回 教職開発の理論 D. Schoen『省察的実践家』(中) 第 6 回 教職開発の理論 D. Schoen『省察的実践家』(下) 第 7 回 教職開発の理論 Lave & Wenger『状況に埋め込まれた学習』 第 8 回 教職開発の理論 ライフコース研究 第 9 回 教職開発研究の方法 教育史的アプローチ 第10回 教職開発研究の方法 教育社会史的アプローチ 第11回 教職開発研究の方法 教育方法学的アプローチ 第12回 教職開発研究の方法 フレーム研究 第13回 教職開発の国際比較 シンガポールの場合 第14回 教職開発の国際比較 アメリカの場合 第15回 まとめ [成績評価方法] 授業への貢献度(15%) リフレクションシート(30%) 中間レポート(15%) 期末レポート (40%) [教科書] 使用しない。 [テキスト ・ 参考書] Donald Schon, The Reflective Practioner, New York,1983 (三輪健二他訳『省察的実践とは何か』,鳳書房,2007) レイブ ・ ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』,産業図書,1994 稲垣忠彦『教師のライフコース』,東京大学出版会,1988 山崎準二『教師のライフコース研究』,創風社,2002 その他のテキスト,参考書,論文などについては講義の中で指示する。 [授業時間外学習] ・教科書,テキスト,参考書,参考論文は事前に読んでくること。 ・リフレクションシート,中間レポートに対するコメントを踏まえて,期末レポートを作成すること。 [その他] ・オフィスアワー:水 13:00∼14:30 ・メールアドレス:[email protected] ・次年度開講予定の有無:未定 −80− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計評価合同研究演習Ⅰ PEM-EDU601J 2 井本・柴山 有本・熊谷 後藤・清水 第 1 学期 (金・ 5 ) [授業題目] 教育設計評価研究の方法(1) [授業目的と概要] 教育課程設計と教育測定評価に関わる基礎的な知識・技能について,実習も交えた講義を行う。 [学習の到達目標] 教育測定評価に関わる研究を遂行していくために必要とされる下記の 3 つの事項について習得す る。特に,「 2 .統計解析の基礎的技法」に重点を置いた実習を行う。 1 .情報検索の技法 2 .統計解析の基礎的技法 3 .設計評価の課題 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション( 1 回) 2 .Frequency Distribution. 3 .Graphic Representation. 4 .Central Tendency. 5 .Variability. 6 .Normal Distributions and Standard Scores. 7 .Correlation. 8 .Regression and Prediction. 9 .Probability and Probability Distributions. 10.Sampling Distributions. 11.Testing Statistical Hypotheses About μ when σ Is Known. 12.Estimation. 13.Testing Statistical Hypotheses About μ when σ Is Not Known. 14.Comparing the Means of Two Populations. 15.Comparing the Means of Dependent Samples. [成績評価方法] 出席(20%),小テスト(80%) [教科書] 以下の教科書を使用予定である(事前購入の必要なし)。 Coladarci,T.,Cobb,C. D.,Minium,E. W.,& Clarke,R. C.(2010)Fundamentals of Statistical Reasoning in Education, Wiley. [テキスト ・ 参考書] 講義中に指示する。 [授業時間外学習] 授業前に教科書の内容を把握し,章末の練習問題に取り組む。 −81− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計評価合同研究演習Ⅱ PEM-EDU602J 2 井本・柴山 有本・熊谷 後藤・清水 第 2 学期 (金・ 5 ) [授業題目] 教育設計評価研究の方法(2) [授業目的と概要] 教育課程設計と教育測定評価に関わる基礎的な知識・技能について,実習も交えた講義を行う。 [学習の到達目標] ・社会的な対象に対する科学的調査の特徴と限界をめぐる議論の諸前提を理解する。 ・質的調査研究法の特徴と諸方法について理解する。 ・質的調査研究法の基礎的スキルを習得する。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 オリエンテーション 第 2 回 現代社会における科学的調査 第 3 回 科学的調査と専門主義 第 4 回 科学的調査と公共性 第 5 回 科学的調査と状況依存性 第 6 回 科学的調査と社会的合理性 第 7 回 科学的調査と社会的責任 第 8 回 質的調査研究法 質的測定の特徴と研究手順 第 9 回 質的調査研究法 ナラティブ,現象学,エスノグラフィー,ケーススタディ 第10回 質的調査研究法 修正グランデッド ・ セオリー 第11回 質的調査研究法 アクション ・ リサーチ 第12回 質的調査研究法 ミックスト ・ メソード 第13回 質的調査研究法 質的測定の基礎的スキル 第14回 教育におけるプログラム評価の手法 第15回 まとめ [成績評価方法] 授業への貢献度(35%),コメント ・ ペーパー(35%),レポート(30%) [教科書] ・藤垣裕子『専門知と公共性−科学技術社会論の構築へ向けて』東京大学出版会,2003年 ・Marguerite G. Lodico et al.,Methods in Educational Research; From Theory to Practice,Jossey-Bass, 2010. [テキスト ・ 参考書] ・Fraenkel J. R.,et al., How to Design and Evaluate Research in Education, MacGraw-Hill,2008. [授業時間外学習] 講義において検討する文献については,授業時までに読み,論点,疑問点などを整理しておくこと。 [その他] 次年度の開講は未定のため,可能な限り今年度中に履修することを勧める。 −82− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計評価合同研究演習Ⅲ PEM-EDU603J 2 井本・柴山 有本・熊谷 後藤・清水 第 1 学期 (月・ 1 ) [授業題目] 教育設計評価研究の実際(1) [授業目的と概要] 教育設計評価に関する論文や実践を共同で検討するとともに,各自の関心に基づいた研究を遂行し, 進捗状況に応じた指導を受けることを目的とする。 [学習の到達目標] 1 .各自の関心を教育的・社会的意義のある研究テーマとして構築できる。 2 .各自の研究テーマに関する先行研究を的確に把握し,批判できる。 3 .各自の研究テーマに沿った研究を遂行できる。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .各自の関心の発表と研究テーマ化に向けた指導( 3 回) 2 .各自の研究テーマに関する先行研究のレビューと共同討議(10回) 3 .各自の研究テーマに沿った研究計画の作成・指導( 2 回) [成績評価方法] 発表・レビュー(70%),討議への参加(30%) [教科書] 使用しない。 [テキスト ・ 参考書] 演習中に適宜指示する。 [授業時間外学習] 先行研究の探索・整理,レビューの執筆,発表資料の作成 [その他] 教育設計評価専攻に所属する院生は,すでに受講済みの学生であっても,各自の研究を相対化し, 知見を広げる貴重な機会となるので,原則参加すること。 −83− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計評価合同研究演習Ⅳ PEM-EDU604J 2 井本・柴山 有本・熊谷 後藤・清水 第 2 学期 (月・ 1 ) [授業題目] 教育設計評価研究の実際(2) [授業目的と概要] 各自の関心に基づいた研究を遂行し,その発表と共同討議を通じて,教育設計評価研究に関する高 度な知見を確立することを目的とする。 [学習の到達目標] 1 .各自の研究テーマに沿った研究を遂行できる。 2 .発表と共同討議を通じて,教育設計評価分野の幅広い知見を獲得する。 3 .発表と共同討議を通じて,研究者に求められる討議能力を獲得する。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション( 1 回) 2 .各自の研究発表と共同討議(14回) ※最低, 2 ∼ 3 週に 1 回は発表することになる。 [成績評価方法] 発表(70%),討議への参加(30%) [教科書] 使用しない。 [テキスト ・ 参考書] 演習中に適宜指示する。 [授業時間外学習] 先行研究の探索・整理,レビューの執筆,発表資料の作成 [その他] 教育設計評価専攻に所属する院生は,すでに受講済みの学生であっても,各自の研究を相対化し, 知見を広げる貴重な機会となるので,原則参加すること。 −84− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育課程設計特論Ⅰ PEM-EDU605J 2 北野 秋男 第 1 学期 (連続講義) [授業題目] 日米の学力テスト体制の比較研究 [授業目的と概要] 現在,日米両国においては国際競争力の向上を目指した学力テスト体制が普及・浸透している。本 講義の目的は,日米両国におけるテスト・ガバナンスの構造的特質を比較するとともに,学力テスト を存立・拡大させる基盤形成の諸要因も検討し,両国のテスト政策の類似性と差異性を明らかにする ことである。 [学習の到達目標] 本講義における学習の到達目標は,以下の 2 点である。 ①受講者は,現在の日米の学力テスト体制の歴史・現状を知ると同時に,テスト・ガバナンスの構 造的特質を理解できる。また,受講者は日米両国における「ナショナル・テスト」の現状だけで なく,「ローカル・テスト」の実態に関する最新の知識を得ることができる。 ②受講者は,現代の学力テスト体制のメリット・デメリットを考えながら,将来の学力向上策がど うあるべきかが理解できる。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 授業の到達目標・授業内容・授業方法・評価の仕方など 2 アメリカの能力主義観の転換と学力テスト体制の起源 3 アメリカの教育測定運動と学力テスト体制 4 アメリカにおける戦後の学力テストと学力低下批判 5 マサチューセッツ州「MCAS」テストの実施方法と内容 6 マサチューセッツ州「MCAS」テストの結果と問題点 7 アメリカ連邦政府の学力向上策とテスト体制 8 アメリカの巨大企業財団と学力向上支援策 9 日本の学力テスト体制の歴史と学力観 10 「全国学力・学習状況調査」の開始 11 都道府県・市町村の学力テスト体制に関する「アンケート調査」「面接調査」の結果 12 都道府県・市町村の学力テスト体制の分析結果 13 都道府県・市町村の学力テスト体制の構造的特質 14 東京都の学力テスト体制 15 総括,日米の学力テスト体制の差異性と類似性 [成績評価方法] 授業における参加・発言回数(50%),授業内の小レポート(20%),課題発表(30%)などを総合的 に評価する。 [教科書] 特になし [テキスト ・ 参考書] 北野秋男編著『現代アメリカの教育アセスメント行政の展開−マサチューセッツ州(MCAS テス ト)を中心に−』東信堂,2009年 北野秋男編著『アメリカ教育改革の最前線−頂点への競争−』学術出版,2012年 [授業時間外学習] 授業参加前に上記の図書を事前に購読しておくことが望ましい。また,授業で使うプリントは予め 配布するので,予習・復習用に使ってもらいたい。 [その他] ・受講者に対する要望としては,授業で使うプリントは予め配布するので,予習用に事前に一読し てもらいたい。 ・オフィスアワーは授業の開始前と開始後に行う。また,個別に質問があればメールか携帯電話で 回答する。アドレスは [email protected]。 ・次年度開講予定はありません。 −85− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育課程設計特論Ⅱ PEM-EDU606J 2 清水 禎文 第 2 学期 (月・ 4 ) [授業題目] カリキュラム開発におけるアセスメント評価論の意義と手法 [授業目的と概要] 学習指導要領のスローガンは「探求」と「協同」から「協働」へとシフトチェンジし,標準テスト では測定できない多様な資質能力の育成が目指されている。この授業では「協働」的学習論を牽引す るヴィゴツキー学派のアセスメント論を取りあげ,学習評価枠組みの変化による教育課程および学び の質的変化の可能性を探る。 [学習の到達目標] ①ヴィゴツキー学派のアセスメント論の特徴について理解する。 ②学習評価におけるテストとアセスメントの役割について理解する。 ③多様なアセスメント ・ ツールについて知り,それらを活用するスキルを学ぶ。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 オリエンテーション 課題と方法 第 2 回 教育改革の両輪としてのカリキュラム論とアセスメント論 第 3 回 ヴィゴツキー学派の教育アセスメント論の基本的特徴 第 4 回 教育評価の目的 第 5 回 教育評価のフレーム 第 6 回 教育評価の設計 第 7 回 クライテリアの開発 第 8 回 教育評価のストラテジー 第 9 回 技術的スキルの評価 第10回 パフォーマンスの評価 第11回 概念的知識の評価 第12回 人間関係スキルの評価 第13回 評定(Grading)のポリティックスとオルタナティブ 第14回 「学びのアセスメント」から「学びのためのアセスメント」へ 第15回 まとめ カリキュラム開発のための評価手法 [成績評価方法] 授業への貢献度(15%) リフレクションシート(30%) 中間レポート(15%) 期末レポート (40%) [教科書] Fenwick, T. et al., The Art of Education, Toronto,2008. [テキスト ・ 参考書] 教科書以外のテキスト,参考書,論文などについては講義の中で指示する。 [授業時間外学習] ・指定の教科書,テキスト,参考書,参考論文は事前に読んでくること。 ・その他の参考論文は授業後に読んでおくこと。 ・教科書その他の資料,リフレクションシート,中間レポートに対するコメントを踏まえて,期末 レポートを作成すること。 [その他] ・教科書は各自購入して下さい。 ・オフィスアワー:水 13:00∼14:30 ・メールアドレス:[email protected] ・次年度開講予定の有無:未定 −86− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育測定評価特論Ι PEM-EDU607J 2 柴山 直 第 2 学期 (月・ 2 ) [授業題目] 教育測定評価特論Ι [授業目的と概要] 「教育測定論(Ⅰ・月・ 4 )」 「合同研究演習 I(Ⅰ・金・ 5 )」で学習した知識・スキルを基礎として, 教育設計評価専攻の特色である Evidence Based Education に関する研究を進めていく上で必要な研究技 法を体系的にまなぶ。 [学習の到達目標] ①計量的分析法の基礎を理解する ②質的分析法の基礎を理解する ③調査・実験・観察のために整合性のある計画が立案できる [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 − 2 Contemporary educational testing and measurement 3 − 4 High-stakes testing 5 − 6 Measuring learning outcome 7 − 8 Writing essay and higher order test items 9 −10 Performance-based assessment 11−12 Portfolio assessment 13−14 Validity Evidence and Reliability 15 Assessing children with disabilities in the regular classroom) [成績評価方法] 毎回課すレジュメ及び報告内容(100%) [教科書] Kubiszyn & Borich(2007)Educational Testing and Measurement – Classroom Application and Practice, Wiley [その他] ・資料準備の都合上,受講希望者は講義開始の前日までに担当教員まで連絡のこと ・初等統計の知識が不十分な場合は学部科目「教育統計学」および「教育統計学演習」を聴講する ことを推奨する。 −87− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育測定評価特論Ⅱ PEM-EDU608J 2 有本 昌弘 第 1 学期 (木・ 3 ) [授業題目] 21世紀型学習環境としてのアセスメントとリーダーシップ [授業目的と概要] アセスメントとエヴァリュエーションのシナジー効果という政策と実践を通底する概念枠組みが, 21世紀型学習環境とそのイノベーションに結実している海外の動向を把握し,国内でもアクセスでき る方法と受け入れられるアプローチや方向について検討する。その際,ゆとり教育から,教育の来し 方を振り返るとともに,学際分野を切り拓くシステム思考とデザイン思考を核に,世界を見るグロー バルコンピテンシーなどを,21世紀型のコンピテンシーを取り上げる。ルーブリックをもとに,論文 やプレゼンについて,国際バカロレアのディプロマ・プログラム(IBDP)も参考にする。 [学習の到達目標] 新聞や論文,雑誌の記事やニュースにアンテナを広げているという証拠を示すような深い課題を ワークシートやカード配布により進める。MIT で開発されたシミュレーションゲームを仲間と試みる とともに,パフォーマンス課題のうち 2 回は,読み物を通じて,手書きないし無償ソフトウェア利用 による成果物提示を求める。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 スクール・ベースト・アプローチによる開発と OECD シナリオ手法 第 2 回 日本の歴史的経緯の検討と実践の吟味および分析枠組みの探索 第 3 回 カリキュラム評価とアセスメントに関する課題とその枠組み 第 4 回 学びを創り出すアセスメントによるカリキュラム評価の再考 第 5 回 イノベーティブな学習環境のための学習リーダーシップ 第 6 回 教育組織において授業を維持向上させる実践 第 7 回 変革の時代において学習をリードすること 第 8 回 PISA にみる課題(リテラシー,コンピテンシー)のレビュー 第 9 回 日本イノベーションスクールプロジェクト (NPO,企業との連携を含む) 第10回 OECD 2030 に向けたカリキュラムのリデザイン 海外の優れた実践との連携・高校との比較 第11回 4 つの側面(知識,スキル,人間性,メタ学習)による21世紀コンピテンシー 第12回 システム思考のアセスメントタスクとシステムダイナミックス 第13回 システム思考のアセスメントタスクとシステムダイナミックス 第14回 システム思考のアセスメントタスクとシステムダイナミックス 第15回 システム思考のアセスメントタスクとシステムダイナミックス [成績評価方法] 基本的にはリポート(40%) ,出席点(40%)で総合的に判断する。用意したいくつかの問いを含む アサインメントに対する何らかのアセスメントによる加点方式をとる(20%) [教科書] Creswell,J.(2010)『人間科学のための混合研究法−質的・量的アプローチをつなぐ研究デザイン』 北大路書房 Richards,L.et al(2008)『はじめて学ぶ質的研究』医歯薬出版 [テキスト ・ 参考書] OECD-CERI(2008)Innovate to Learn, Learn to Innovate, OECD(有本監訳2016) OECD-CERI(2013)Innovative Learning Environments, OECD OECD-CERI(2013)Leadership for 21st Century Learning, OECD Parsons,Jim.(2012)From knowledge to action: shaping the future of curriculum development in Alberta. Alberta Education. https://innovativeschools.jp/ −88− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育測定評価特論Ⅲ PEM-EDU609J 2 熊谷 龍一 第 2 学期 (火・ 2 ) [授業題目] 項目反応理論によるテスト分析 [授業目的と概要] TOEFL や日本語能力試験を始め,多くのテストで用いられている項目反応理論(Item Response Theory: 以下 IRT)について,その基礎を学び,IRT に基づいた実際のテストデータ分析を行う。また, IRT の発展モデルについての理解も深める。 [学習の到達目標] 1 .IRT の基礎概念を理解し,テストデータ分析結果を正しく読み取ることができる。 2 .実際のテストデータに対して,IRT 分析を行うことができる。 3 .IRT の発展モデル(多値型・多次元モデル)について,その概要を説明できる。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション 2 .IRT 理解に必要となる数学的知識(1) 3 .IRT 理解に必要となる数学的知識(2) 4 .Introduction to Measurement 5 .The One-Parameter Model 6 .Joint Maximum Likelihood Parameter Estimation 7 .Marginal Maximum Likelihood Parameter Estimation 8 .The Two-Parameter Model 9 .The Three-Parameter Model 10.Rasch Models for Ordered Polytomous Data 11.Non-Rasch Models for Ordered Polytomous Data 12.Models for Nominal Polytomous Data 13.Models for Multidimensional Data 14.Linking and Equating 15.Differential Item Functioning [成績評価方法] 授業への参加度(50%),適宜行う小レポート+最終レポート(50%) [教科書] 以下の教科書を使用予定である。 de Ayala, R. J.(2009)The theory and practice of item response theory. NY: The Guilford Press. [テキスト ・ 参考書] 講義中に指示する。 [授業時間外学習] 授業前に教科書の内容をよく把握し,特に数式などは(その意味について)授業後に復習をするこ と。 [その他] 履修に際しては,基礎的数学(Σ計算,確率・期待値計算,指数・対数関数,平易な微分・積分計算) の知識および(古典的)テスト理論の知識を必要とする。 −89− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育課程論研究演習 PEM-EDU610J 2 後藤 武俊 第 2 学期 (火・ 4 ) [授業題目] 米国教育における民営化の課題 [授業目的と概要] 今日の米国では,教育における民営化(privatization)が大きく進行している。ここでいう民営化と は,民間企業による学区やチャータースクールの経営だけでなく,様々な NPO による学校経営や,そ れを背後で支えている財団等の関与,Teach for America のような教員派遣のシステムの存在などを指 している。こうした多様な主体が公教育の経営に参入する状況をどのように理解したらよいか。それ は,教育課程や教育評価のあり方にどのような影響を及ぼすのか。おもに英文で書かれた文献を読み 進めるなかで,これらの問題について討議していく。 [学習の到達目標] 1 .公教育に多様な主体が参入する状況を相対化して捉える視野の獲得。 2 .米国教育および教育課程設計に関する文献を迅速に読みこなす読解力の獲得。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 .オリエンテーション 2 .Trends and Origins(① -1,以下テキストの各章と対応) 3 .Inside the Market(① -2) 4 .Privatization and Its Intermediaries(① -3) 5 .Invisible Influences: For-Profit Firms and Virtual Charter Schools(① -4) 6 .In the Interstices: Benchmark Assessment, District Contracts, and NCLB(① -5) 7 .Working for Transparency(① -6) 8 .Forgrounding Venture Philanthorpy: The Corporatization of Public Schools(② -1) 9 .The Trojan School: How Venture Philanthropy is Corporatizing K-12(② -2) 10.From Traditional to Venture Philanthropy(② -3) 11.The Gift of Corporatizing Educational Leadership(② -4) 12.The Gift of Corporatizing Teacher Education and Higher Education(② -5) 13.The Gift of Education: Education Beyond Economism(② -6) 14.Obama’ s Betrayal of Public Education? Arne Duncan and the Corporate Model of Schooling(② -7) 15.総括討議 [成績評価方法] 授業・討議への参加(50%),レポート(50%)。 [教科書] 特に使用しない。 [テキスト ・ 参考書] ① Burch,P.(2009). Hidden Market: The New Education Privatization. New York, Routledge. ② Saltman,K. J.(2010). The Gift of Education: Public Education and Venture Philanthropy. New York: Palgrave Macmillan. ③(参考書)ラビッチ,ダイアン(本図愛実監訳)(2013)『偉大なるアメリカ公立学校の死と生− テストと学校選択がいかに教育をだめにしてきたのか−』協同出版。 [授業時間外学習] 指定したテキストの読解と論点の事前提示。 [その他] ・指定するテキスト以外にも大量の文献を読むことになるので,他の授業との兼ね合いに十分配慮 すること。 ・オフィスアワー(月・ 3 ) −90− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育設計論研究演習 PEM-EDU611J 2 井本 佳宏 第 2 学期 (金・ 2 ) [授業題目] 教育設計にとってのエビデンス [授業目的と概要] 今日,教育のありかたをめぐって,エビデンスに基づくことの重要性が強く主張されるようになっ てきている。他方で,エビデンスの質や,科学的とされるエビデンス自体の恣意性の問題が指摘され るなど,教育にとってのエビデンスをめぐっては批判的な検討も加えられてきている。本授業では, エビデンスとどう向き合いながら教育を設計すればよいか,関連する諸文献の検討を通じて探究する。 [学習の到達目標] 1 .エビデンスに基づく教育の意義について理解する。 2 .教育設計にとってのエビデンスについて多面的に考察できるよう視野を広げる。 3 .授業への参加を通じて討議能力,論証力を獲得する。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 オリエンテーション 第 2 回 教育研究と政策立案者の実際の判断(文献①第 1 章) 第 3 回 徹底的であることの重要性(文献①第 2 章) 第 4 回 教育研究および政策(文献①第 3 章) 第 5 回 大規模集団研究の認識論的基盤と教育への利用(文献①第 4 章) 第 6 回 研究と政策における倫理としての認識論(文献①第 5 章) 第 7 回 自伝と政策(文献①第 6 章) 第 8 回 アクションリサーチと政策(文献①第 7 章) 第 9 回 政策および実践の基盤としての哲学(文献①第 8 章) 第10回 プロテウスの出現(文献①第 9 章) 第11回 教育にとってエビデンスとは何か(文献②所収) 第12回 エビデンスに基づく教育の逆説(文献②所収) 第13回 教育政策形成における「エビデンス」と政治(文献②所収) 第14回 教育実践におけるエビデンスの功と罪(文献②所収) 第15回 まとめと補足 [成績評価方法] 授業内の討議への参加(30%),レポート(70%)。 [教科書] 特に使用しない。 [テキスト ・ 参考書] 以下の文献所収の論稿の中から検討対象とするものを適宜指示する。 文献①:D. ブリッジ,P. スメイヤー,R. スミス編著,柘植雅義,葉養正明,加治佐哲也編訳『エビ デンスに基づく教育政策』勁草書房,2013年。 文献②:『教育学研究』第82巻第 2 号,日本教育学会,2015年。 [授業時間外学習] 検討対象の文献については授業までに必ず読んでおくこと。 各回の報告担当者はレジュメを作成すること。 [その他] 次年度の開講は未定のため,可能な限り今年度中に履修することを勧める。 オフィスアワー 月曜日 13:00∼15:00 −91− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育測定論研究演習 PEM-EDU612J 2 柴山 直 第 1 学期 (月・ 2 ) [授業題目] 教育測定論研究演習 [授業目的と概要] 教育測定論に対して理論的興味だけを持つのではなく,それが実社会の中でいかに利用され,必ず しも理論通りにはならない現実の中でどのように調整されているのか,を理解するため,教育測定論 の現実場面への適用可能性および経験知を,教育における計量的アプローチの観点から概観する。 [学習の到達目標] ①教育における数値データの作成過程を体系的に理解する ②数値データを利用した教育問題へのアプローチを理解する ③教育測定によって得られたデータから必要な情報を取り出すスキルを修得する [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 1 学力と自己動機づけとの関係 2 − 3 カリキュラム・エバルエーションの理解 4 − 5 インストラクション・デザインへの心理学的アプローチ 6 − 7 達成動機の比較教育学的研究 8 − 9 設計実験(Design Experiment)の考え方と適用 10 国際アセスメントから得られる情報 11−12 論理的判断力の測定と妥当性の検討 13 カリキュラムに基づく測定 14 学校心理学のための統計的手法 15 統計的データの分析と報告 [成績評価方法] 輪講形式によるレジュメおよび報告内容による(100%) [テキスト ・ 参考書] Salkid, N.J.(2011)SAGE Dorections in Educational Psychology Vol.1-5, SAGE [その他] ・授業目的は同じですが,毎年教材は変えていきます ・資料準備の都合上,受講希望者は講義開始の前日までに担当教員まで連絡のこと −92− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育アセスメント論研究演習 PEM-EDU613J 2 有本 昌弘 第 2 学期 (木・ 4 ) [授業題目] 教育アセスメントにおける混合研究法 [授業目的と概要] 教育情報学の新たな展開にも寄与する。思考の方法について,アセスメントツールを用いて,手法 を開発する。アセスメントとエヴァリュエーションから,学習する組織をシステム思考によって言語 化する手法を学ぶ。実際にフィールドにて,教室プロセス,学校プロセス,社会の教育プロセスを, Stella というシステムダイナミクスのソフトウェアを用いて,Causal Loop Diagram(CLD)で描くなど, 重層的にエビデンスとして捉えつつ,ナラティブ探究など質的に迫る手法を体得する。 学問を横断するような形で,見える化し,アセスメントツールを開発する。海外連携校の経験をも とに,青葉山にある QSC(カタールサイエンスセンター)とも関わる。 その際,日本の校内研修,授業観察, 「アセスメント」について,シミュレーションモデルに乗せら れるようにする。文科省による委託事業「高等学校における多様な成果の評価手法の開発」を引き継 ぐかたちで,短期的フィードバックをともなうエビデンスが得られる仕掛けと仕組み(タブレット利 用)を,学校のニーズに沿う形で開発し,意図的普及(dissemination)していく。 [学習の到達目標] 新聞や論文,雑誌の記事やニュースにアンテナを広げているという証拠を示すような深い課題を ワークシートやカード配布により進めます。MIT で開発されたシミュレーションゲームを仲間と試み るとともに,パフォーマンス課題のうち 2 回は,読み物を通じて,手書きないし無償ソフトウェア利 用による成果物提示を求めます。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定] 第 1 回 21世紀コンピテンシー(ユネスコから 4 つの側面によるものまで) 第 2 回 OECD 2030 に向けた カリキュラムのリデザイン 第 3 回 日本イノベーションスクールプロジェクト 第 4 回 システム思考のアセスメントタスクとルーブリック 第 5 回 システム思考ツール Archetype 第 6 回 システム思考ツール Behavior-over-time Graph 第 7 回 システム思考ツール Causal Loop Diagram 第 8 回 システム思考ツール Connection Circle 第 9 回 システム思考ツール Iceberg Visual 第10回 システム思考ツール Ladder of Inference 第11回 システム思考ツール Stock/Flow Map 第12回 システム思考ツールとシステムダイナミックス Computer Model/ Computer Simulation 第13回 テキストマイニングを組み込む形成的アセスメント 第14回 国内での適用例 第15回 まとめ [成績評価方法] 基本的にはリポート(40%),出席点(40%)で総合的に判断する。用意したいくつかの問いを含む アサインメントに対する何らかのアセスメントによる加点方式をとる(20%) [ 教科書 ] Barry M.Richmond(2004),システム思考入門(1) (2)バーシティウェーブ Diana M.Fisher(2008)システムダイナミックスモデリング入門−教師用ガイドカットシステム https://innovativeschools.jp/ −93− 授業科目名 科目ナンバリングコード 単位 担当教員 開講学期 教育テスティング論研究演習 PEM-EDU614J 2 木村 拓也 (九州大学) 第 1 学期 (連続講義) [授業題目] 授業題目を「テスト学への招待」とする。 [授業目的と概要] 入学試験・就職試験・資格試験・昇格(昇任)試験等々,人生において幾度も直面する「テスト」 でありながら, 「テスト」の体系的理解を得ることは非常に困難である。というのも, 「テスト」は哲学・ 歴史学・法律学・社会学・心理学などの文系的学問分野と数学・統計学・情報学など理系的学問分野 の様々な観点から分析することが可能な分野であり,多面的な要素から構成される社会事象であるか らだ。本講義では,上記の観点に立ち,「テスト」の体系的な理解に必要な基礎教養を講義する。 [学習の到達目標] 1 .テストを文系諸学問(哲学・歴史学・法律学・社会学・心理学)の観点から理解する。 2 .テストを理系諸学問(数学・統計学・情報学)の観点から理解する。 3 .テスト学が前提とする世界観・学問観に即して,テストを議論することができる。 [授業の内容 ・ 方法と進度予定](講義の順番は前後することがある) 1 .テスト学の基礎 -- テスト学の最前線,テストの暗黙の「ルール」 2 .テストの社会学 -- 学歴社会の理論,メリトラシー論の概要 3 .テストの哲学(1)-- アファーマティブ・アクションと大学入試 4 .テストの哲学(2)-- 入学資格を社会哲学の立場から考える 5 .テストの歴史学(1)-- 江戸時代の試験制度 6 .テストの歴史学(2)--SAT の真実 7 .テストの心理学 -- 社会心理学から見た大学入試の公平感 8 .テストの法律学 -- 教育法体系における試験の位置づけ 9 .テストの数学 -- 合計得点・二段階選抜・合否決定の数学的表現 10.統計学の基礎(1)-- 偏差値 11.統計学の基礎(2)-- 相関係数 12.テストの統計学(1)-- 項目分析と統計的方法 13.テストの統計学(2)-- 信頼性・妥当性 14.テスト現場の実際(1)-- 人事アセスメント(採用試験・昇任人事)の考え方 15.テスト現場の実際(2)-- データ分析の事例紹介(M-1グランプリの信頼性分析) [成績評価方法] 読書レポート(40%),データ演習レポート(40%),平常点(20%)とする。 [教科書] 講義資料はウェブ上で配布します。講義には,必ず PC を持ってきてください。 読書レポートに必要な図書リストは,講義初回に配布します。 [テキスト ・ 参考書] 日本テスト学会編『見直そう,テストを支える基本の技術と教育』(金子書房,2010年) 肥田野直『心理学研究法 7 テスト 1 』(東京大学出版会,1972年) 池田央『心理学研究法 8 テスト 2 』(東京大学出版会,1973年) [その他] 担当者の HP:http://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/~kimura/index.html −94−
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