講 義 - 東北大学教育学研究科・教育学部

専門科目
講
義
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育哲学講義Ⅰ
PES-EDU208J
2
佐藤 知久
第 1 学期
(集中講義)
[授業題目]
生涯学習と教育哲学:文化人類学的視点から
[授業目的と概要]
学校という制度や青年期という年代にとどまらない「教育/学習」のあり方について,文化人類学
的視点から考察する。前近代の狩猟採集社会や,震災後の仙台における記録活動など,人類の様々な
活動を「生涯学習と教育」という側面から整理しつつ,
(生涯にわたる)教育あるいは学習とは何かと
いう問いをより広い文脈のなかに置きなおしてみたい。
[学習の到達目標]
・近代の教育制度を越えたより広い視点から「教育/学習」とは何かを考察することの意義を理解
する。
・前近代社会,工場労働者,生涯学習施設など,様々な場における教育/学習のあり方について理
解を深める。
・相対的・複眼的・具体的思考法としての人類学的思考法を身につける。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
(1)情報社会の教育/学習①:イントロダクション
(2)情報社会の教育/学習②:オンライン教育リソースの隆盛と「脱学校化社会」論
(3)人類学的視点からみた教育/学習①:狩猟採集社会と「正統的周辺参加」論
(4)人類学的視点からみた教育/学習②:地域共同体内教育から国家教育へ
(5)国家教育とナショナリズム①:なぜ教育は国家が担うのか
(6)国家教育とナショナリズム②:東北地方における「生活綴り方」教育
(7)国家教育とナショナリズム③:都市部における「生活記録運動」
(8)情報社会における教育/学習の転回:「学習」から「検索」へ
(9)学習/教育の回路としてのアーカイブ活動①:コミュニティアーカイブとは何か
(10)学習/教育の回路としてのアーカイブ活動②:事例紹介
(11)学習/教育の回路としてのアーカイブ活動③:せんだいメディアテーク①
(12)学習/教育の回路としてのアーカイブ活動④:せんだいメディアテーク②
(13)学習/教育の回路としてのアーカイブ活動⑤:せんだいメディアテーク③
(14)まとめとディスカッション
(15)教育/学習の未来
[成績評価方法]
授業への積極的参加50%,レポート50% 。
[教科書]
使用しない
[テキスト ・ 参考書]
野家啓一『物語の哲学』(岩波現代文庫)
西川祐子・杉本星子『共同研究 戦後の生活記録に学ぶ』(日本図書センター)
安藤正人『草の根文書館の思想』(岩田書院)
『 3 がつ11にちをわすれないためにセンター 活動報告書』(せんだいメディアテーク)
ジーン・レイヴ+エチエンヌ・ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』(産業図書)
ポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』(ちくま学芸文庫)他
[その他]
授業中のディスカッションでは,意見を積極的に述べてください。
−11−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
人間形成史講義Ⅱ
PES-EDU211J
2
八鍬 友広
第 2 学期
(水・ 2 )
[授業題目]
人間形成と教育の歴史
[授業目的と概要]
人間形成と教育の成り立ちについて, 1 )人間と認知的道具の関係, 2 )近代化と学校教育による
人間形成の変容, 3 )教育と競争, 4 )教育改革と人間形成の関係,などの視点から講ずる。これに
より,人間形成と教育の現状について,マクロな視点から考察するための基礎とすることを目的とする。
[学習の到達目標]
①人間と認知的道具の関係について理解する。
②人間形成と「近代学校」との関係について理解する。
③教育と競争の関係について理解する。
④人間形成と教育の現代的な課題について考察できる。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 マクロな視点から人間形成を考えるということ
2 人間存在と教育
3 認知的人工物と教育
4 識字と人間
5 識字の歴史的展開
6 ノート・鉛筆・ガリ版の社会史
7 「教室」というテクノロジー
8 人間形成における近代
9 近代社会と規律訓練
10 近代学校と人間形成
11 競争と教育
12 一元的能力主義
13 ハイパーメリットクラシー
14 新自由主義と教育
15 「長い16世紀」から「長い21世紀」へ
[成績評価方法]
小レポート20%+最終レポート80%−欠席点
[教科書]
特定の教科書は指定しない。
[テキスト ・ 参考書]
参考図書を,授業時間中に適宜紹介する。
[授業時間外学習]
授業内容をふまえた小レポート・最終レポートの作成にむけ,授業外学習の素材・方法等について,
授業時間中に適宜指示する。
[その他]
・欠席が 5 回に達した者は自動的に単位不認定となる。
・オフィスアワーは火曜の 3 ・ 4 時限。
・メールアドレスは下記のとおりである。
tomohiro.yakuwa.b 8 @tohoku.ac.jp
・隔年開講につき,次年度は開講しない。次回開講は平成29年度予定。
−12−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
比較人間形成論講義Ⅰ
PES-EDU212J
2
縄田 浩志
第 2 学期
(連続講義)
[授業題目]
中東・アフリカの人づきあいと人間形成
[授業目的と概要]
人づきあいは,楽しい,しかし悩みが多い。正直どうしたらいいか,戸惑うことばかりである。現代社会にお
いて,顔と顔をつきあわせる人づきあいはだんだんと希薄になってきた。それでも,人と人はつきあわずには生
きていけない。本授業では,日本における日常生活からはいったん離れ,中東・アフリカのイスラム社会という
特定の地域に根ざした,文化,社会,宗教,生業,自然とのかかわりなど,生活全般の事例を紹介しながら,異
文化理解と異文化に暮らすことの違いは何か?人づきあいに正解や理想はあるか?といった点について,人間形
成の観点から論じてみたい。
[学習の到達目標]
子育て,成長,あいさつ,分かち合い,感情といった人間の持つ普遍的かつ個別的な側面について,教育人類
学の観点から自分/自文化の「常識」「思い込み」を相対化して,多様な文化・社会について思索を深めつつ,
日本だけでなく世界中の諸社会において,どう自己と他者による共同へと実際に結びつけていくことができるの
か,人間形成にどう寄与するのかについて,主体的に学んでいく。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .序論
青年期の成長と自己の社会化:私の異文化ショックの体験から
2 .子育て,あいさつ,分かち合い:中東の事例から考える
1 )子ども達を観察する:砂漠にみる仕事の流儀,伝統の発展
2 )イスラム社会の女性の暮らしと子育て:「ゆとろぎ」
3 )分かち合いの知恵:乾燥地における稀少な資源をめぐって
4 )命のいただき方:雨乞い儀礼にみる生態的・社会的・文化的・宗教的応答
5 )異分野連携による総合科学と伝統的知識の融合:砂漠化対処の負の遺産を乗り越える
3 .開発援助,感情,共同作業:アフリカの事例から考える
1 )写真 < ハゲワシと少女 > の最も近くにいた日本人として:アフリカと日本をつなぐ
2 )開発援助への主体的な関わり:現地住民の思惑と人類学者の興味のすれ違いを超えて
3 )外国人労働者との共同作業:農村開発と自然保護区管理の両立に向けて
4 )現地調査の作法と流儀:村入りで感情的になる
5 )社会との懸け橋:展示活動と多言語出版を通じて
4 .総論:きずなと人づきあい
1 )
「弱い紐帯の強さ」は本当にあるのか:スモール・ワールドにおけるつながり方
2 )人づきあいに正解はあるか:世界の庶民とのつきあいから考える
3 )総合討論
[成績評価方法]
ディスカッションへの参加(20%),リアクション・ペーパーの提出(30%),最終レポートの内容(50%)。
[教科書]
授業中に資料を配布するが,とくに参考書にあげる『砂漠誌−人間・動物・植物が水を分かち合う知恵』(縄
田浩志・篠田謙一編)にあらかじめ目を通しておくことが望ましい。
[テキスト ・ 参考書]
・李仁子・金谷美和・佐藤知久編『はじまりとしてのフィールドワーク−自分がひらく,世界がかわる』昭和
堂,2008年
・池谷和信,
・佐藤廉也・武内進一編『朝倉世界地理講座第11巻 アフリカ I』朝倉書店,2007年
・片倉もとこ『ゆとろぎ−イスラームの豊かな時間』岩波書店,2008年
・草野孝久編『村落開発と環境保全−住民の目線で考える』古今書院,2008年
・関根久雄編『実践と感情−開発人類学の新展開』春風社,2015年
・松園万亀雄・縄田浩志・石田慎一郎編『アフリカの人間開発−実践と文化人類学』明石書店,2008年
・縄田浩志・篠田謙一編『砂漠誌−人間・動物・植物が水を分かち合う知恵』東海大学出版部,2014年
・ダンカン・ワッツ『スモールワールド・ネットワーク−世界を知るための新科学的思考法』CCC メディア
ハウス,2004年
[授業時間外学習]
資料の予習時間: 1 回あたり30分以上
[その他]
同一担当教員による次年度開講予定はなし
参照 HP:秋田大学研究者総覧 縄田浩志
http://akitauinfo.akita-u.ac.jp/html/100000347_ja.html
−13−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育社会学講義Ⅰ
PES-EDU214J
2
福田 亘孝
第 2 学期
(金・ 3 )
[授業題目]
教育社会学概論
[授業目的と概要]
本講義では,
(1)教育社会学の学問的性格,
(2)その理論と方法の特質について講述するとともに,
(3)教育社会学の各研究領域に即して概括的な説明をする。
[学習の到達目標]
教育社会学という学問の特徴と研究の現状を理解し,社会学の視点から教育に関わる研究課題をみ
ずから設定できる力量を身に付ける。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 ガイダンス
2 メリット・クラシーの諸問題
3 学歴と資格社会
4 選抜機関としての学校
5 教育におけるラベリング理論
6 階級・言語・社会化
7 人的資本と社会資本
8 文化資本と教育達成
9 日本の学校の社会学
10 グローバル化と教育
11 多文化主義と教育
12 高等教育の拡大と変容
13 教育社会学のパラダイム(1):1970年代の展開
14 教育社会学のパラダイム(2):1990年代の展開
15 教育社会学のパラダイム(3):2000年代の展開
[成績評価方法]
授業への参加度(20%),発表・課題(30%),定期試験(50%)。
[教科書]
・カラベル&ハルゼー(1980)『教育と社会変動』東京大学出版会
・ハルゼー(2005)『教育社会学 : 第三のソリューション』九州大学出版会
・ヒュー・ローダー(2012)『グローバル化・社会変動と教育』東京大学出版会
[テキスト ・ 参考書]
必要に応じて,講義中に指示する
[授業時間外学習]
必要に応じて Reading Assignment と Writing Assignment を課す
[その他]
・Assignment は必ずやり遂げてから授業に出席すること
・授業はマナーを守って受講すること。授業にとって迷惑になる場合は,退室を命じる
・授業計画は予定であり,実際の授業では予定が変更になる場合があります
・成績評価方法は目安であり,変更になる場合があります
−17−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育行政学講義Ⅱ
PES-EDU217J
2
阿内 春生
第 2 学期
(火・ 2 )
[授業題目]
教育をめぐる政治学
[授業目的と概要]
本講義は教育行政に関する諸制度を押さえた上で,中央政府,地方自治体における政策形成を取り
扱う。本講義では受講生の主体的・能動的な取り組みを促すため,講義形式だけでなくグループ学習・
報告を取り入れる。
[学習の到達目標]
・講義で取り扱う内容について,教育行政学,及び近接学問の観点から理解した上で自らの意見を
論述し説明することができる。
・教育をめぐる政策的論点について,政治学的に考察する力を身につける。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
授業予定はおおむね次の通り。受講生の学修状況,希望を踏まえて適宜対応する。
1 .ガイダンス 2 .中央・地方の教育行政機構, 3 .教育と政治 4 .教育の地方自治, 5 .海
外の教育政策, 6 .市町村議会における教育政策の決定①, 7 .市町村議会における教育政策の決
定②, 8 ∼ 9 事例研究中間報告 10∼14 事例研究最終報告 15 講義のまとめ
[成績評価方法]
・平常点(30%),レポート・プレゼンテーション(70%)とする。プレゼンテーションへの評価は
議論への参加に関する評価を含む。
[教科書]
特に指定しない。
[テキスト ・ 参考書]
各種教育六法(特に出版社を指定しないが,最新版を)
秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉 [ 編 ](2010)『公共政策学の基礎』有斐閣。
小松茂久編(2016)『教育行政学−教育ガバナンスの未来図【改訂版】』,昭和堂。
[その他]
・受講要件:「教育行政学講義Ⅰ」の同時履修者・修得者。
・Email: [email protected]
・担当者は非常勤のためオフィスアワーを設定できない。必要な連絡・相談は授業の前後,及びメー
ルで対応する。
−18−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
比較教育システム論講義
PES-EDU218J
2
宮腰 英一
第 2 学期
(木・ 3 )
[授業題目]
比較・国際教育学の基礎研究
[授業目的と概要]
グローバル化時代における教育を理解するためには,国際的・地球的な視点と地域的な視点が必要
である。この授業は,我が国の教育を取り巻く国際的な重要課題を取り上げ,比較教育学,国際教育学,
教育政策学の研究方法と理論を用いて概説する。
[学習の到達目標]
教育課題をグローバルな視点で把握する力を養う。
[授業内容 ・ 進度予定]
1 .オリエンテーション
2 .比較・国際教育学の対象,方法,課題
3 .グローバル化と日本の教育
①我が国における外国教育受容の特質
②グローバル化と知識社会:均質化と国際競争
③国際的学力の探求:標準化と多元化
4 .欧米先進国の教育改革
①新保守主義の教育改革:市場化と統制
②「第三の道」の模索:パートナーシップと社会包摂
③教育制度の現代化:多様化と個性化
④高等教育改革:国際競争と国際水準
⑤市民性教育:人権と葛藤
5 .国際教育の課題
①教育開発と識字教育:援助と自立
②国際機関の教育活動:収束と拡散
③欧州連合の教育政策:国家主権と統合
[成績評価方法]
レポート( 7 割),課題( 3 割)の総合評価。
[テキスト・参考書]
坂野慎二・藤田晃之編著『海外の教育改革』(放送大学教材 2015)
新井郁男・二宮皓編著『比較教育制度論』(放送大学教材 2003)
石附 実編『比較・国際教育学』(東信堂 1998)
日本比較教育学会編『比較教育学事典』(東信堂 2012)
日本比較教育学会編『比較教育学研究』(東信堂 刊)
[授業時間外学習]
諸外国や国際機関の教育関連情報の収集に努めること。
[その他]
履修上の注意:毎回,授業の中から課題を出す。
連絡先:[email protected]
−19−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育計画論講義
PES-EDU219J
2
島 一則
第 2 学期
(水・ 2 )
[授業題目]
教育経済学概論
[授業目的と概要]
本講義では,①教育経済学の学問的性格,②その理論と方法の特質について講述したのち,③教育
経済学の各研究領域に即して概括的な説明をし,教育がどのような経済・社会的効果を有しているの
か,そして教育の意義について考究する。
[学習の到達目標]
受講学生は,専門的知識・技能という観点からは,教育経済学という学問の特徴と研究の現状を理
解し,経済学の視点から教育に関わる研究課題をみずから設定できる力量を身に付ける。また,汎用
的技能,態度志向性という観点からは,コミュニケーションスキル・数量的スキル・論理的思考力・
自己管理力・批判的思考力,生涯学習力の必要性についての認識を深め,これらの能力を向上させる。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 ・ 2 回:教育経済学の誕生, 2 ・ 3 回:教育経済学の基礎概念と方法, 4 ・ 5 回:人的資本論,
6 ・ 7 回:シグナリング論, 8 ・ 9 回:教育の投資収益率分析,10・11回:教育の生産関数分析,
12回:教育と経済発展,13回:教育と健康,14回:教育と市民的関与,15回:教育と幸福
[成績評価方法]
授業各回ごとの小テスト(50%)・最終レポート(50%)による。ただし,出席状況によっては受験
資格を喪失する。
[教科書]
特になし。
[テキスト ・ 参考書]
各回ごとに指示する。
[授業時間外学習]
予習・復習については授業内容や関連文献に基づいて具体的内容を指示する。
[その他]
授業中の発言など積極的な関与を求める。
−20−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
成人教育論講義Ⅰ
PES-EDU220J
2
石井山竜平
第 2 学期
(木・ 3 )
[授業題目]
生涯学習と地域社会教育
[授業目的と概要]
現代では,学校教育に限定されない教育への世間的な認知は一定程度広がっている。しかし,そう
した領域を指す,たとえば「生涯学習」
「社会教育」などの概念が普及したのは20世紀,とりわけその
後半からのことであり,人類史からすれば,ごく最近のことであるという。このことがもつ意味とは
何なのだろうか。そしていま,地域における学習にはいかなる展開がみられるのだろうか。
この講義では,今日の地域学習の諸相を手がかりに,私たちが生きている「いま」と「これから」
を捉え返しつつ,これからの時代における地域生涯学習計画のあり方について考察する。
[学習の到達目標]
成人教育とそれを支える公的条件をめぐる基本理念の意味と,その今日的課題についての理解を深
める。
[授業内容・方法と進度予定]
・成熟社会における生活課題と,その解決を目指す学習実践の実際
・社会教育・生涯学習を支える理念と法制,国際的動向
・社会教育・生涯学習の制度と地方分権改革
・変革の時代をきりひらく学びと自治の創造,など。
[成績評価方法]
小レポート(約 3 回),学期末レポート(または試験)の総合評価
[テキスト ・ 参考書]
『日本の社会教育・生涯学習∼新しい時代に向けて』
(小林文人・伊藤長和・李正連共編,大学教育
出版)など。授業中に指示する。
−26−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
成人教育論講義Ⅱ
PES-EDU221J
2
丸山 英樹
第 1 学期
(集中講義)
[授業題目]
国際社会とノンフォーマル教育
[授業目的と概要]
グローバル化の影響は世界各地において様々な形で見られ,日本国内においても同様である。教育
は社会の要求に対応することが期待され,同時に社会を形成する機能も持つ。義務教育と異なり,成
人教育では学習者のニーズが多様であり,国内外および国際社会において工夫が必要である。
本講義では,ノンフォーマル教育(NFE)と呼ばれる教育・学習に注目し,グローバル時代におけ
る成人教育の可能性を探る。
[学習の到達目標]
1 )国際社会,諸外国,日本国内における NFE の理論と事例を理解すること
2 )成人教育の可能性として自らの生涯における学習にむけた計画を立てること
[授業内容 ・ 計画]
下記のテーマおよび動向を取り上げ,NFE の全体像,理論,事例を紹介する。
1 .国際社会における成人教育,生涯学習,NFE 議論と理論の変遷
2 .近代学校教育制度と NFE の関係
3 .NFE の事例:諸外国(先進国と発展途上国)および国際協力
4 .NFE の事例:日本国内および「内なる国際化」との循環
5 .グローバル化時代における教育課題と NFE の役割
6 .受講生の生涯学習に向けた計画の作成と発表
[評価方法]
出席状況30%,講義中の議論への参加30%,発表・レポート40%
[教科書]
『ノンフォーマル教育の可能性:リアルな生活に根ざす教育へ』丸山英樹・太田美幸編著(新評論,
2013年)
[テキスト ・ 参考書]
随時,教室で指示する。
[その他]
*集中講義ですので,出席と議論への参加は不可欠です。
*英語文献も使いますので,必要な場合は辞書等を持ち込んでください。
−27−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
リカレント教育論講義
PES-EDU222J
2
高橋満
第 1 学期
(木・ 2 )
[授業題目]
リカレント教育論概論
[授業目的と概要]
この講義では,①社会教育・生涯学習の制度・政策の展開をふまえ,②成人の学習論について基礎
的な理解をした上で,③生涯学習の多様な学習機会・学習方法を分析する視点を確認します。最後に,
④教育学習戦略としてのリカレント教育について論述します。
[学習の到達目標]
社会教育・生涯学習政策・制度,成人の学習論の理解をふまえて,現代社会における多様な学習機
会の理論的・実践的な意味を理解できるような力量の育成をめざします。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
日程
内 容
4 月14日
イントロダクション
4 月21日
Ⅰ.社会教育の制度・政策 1 .社会教育法体制
4 月28日
2 .社会教育政策の展開−社会教育から生涯学習政策へ
5 月12日
Ⅱ.成人の学習論
5 月19日
3 .学習論とは−自己主導性と構成主義を中心に
5 月26日
4 .学習論からみた学校教育・社会教育
6月2日
5 .ノンフォーマル・エデュケーションとインフォーマル・エデュケーション
6月9日
Ⅲ.多様な学習機会・学習方法 6 .グループ学習−「生活改善運動」
6 月16日
7 .「モノ」主導的な学習−博物館の学習(1)
6 月23日
8 .「モノ」主導的な学習−博物館の学習(2)
6 月30日
9 .ワークショップ−健康づくりの実践
7月7日
10.ホリスティックな学習−ミュージカル
6 月14日
Ⅳ.リカレント教育 11.リカレント教育とは−ライフコースと教育戦略
7 月21日
12.企業内教育の変容とリカレント教育
7 月28日
おわりに―授業のまとめ
[成績評価方法]
出席(30%),レポート 2 回(70%)
[教科書]
なし
[テキスト ・ 参考書]
適宜,必要に応じて資料を配布する。
−28−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
スポーツ文化論講義Ⅰ
PES-EDU223J
2
市毛 哲夫
第 2 学期
(金・ 2 )
[授業題目]
スポーツ文化論の展開
[授業目的と概要]
近代スポーツが人類共通の文化として成立していく過程を概観するとともに,その伝播・普及過程
にも目を向け,問題点も併せて講述する。また,スポーツにおける価値・規範の体系であるスポーツ
文化システムの内容についても解説する。
[学習の到達目標]
スポーツ文化の全体像を理解することが目標となる。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .文化としてのスポーツ
2 .スポーツという語が持つ意味
3 .スポーツと遊戯,ゲームの関係性
4 .Folk-Game から Sport へ
5 .スポーツの近代化
6 .近代スポーツの特質
7 .スポーツ・ルールの構造と機能
8 .スポーツと規範
9 .スポーツ観とその変遷
10.スポーツの伝播とその変容
11.スポーツと物材
12.スポーツと技術
13.制度としてのスポーツ
14.再び文化としてのスポーツ
15.試験
[成績評価方法]
出席(30%)と期末試験(70%)による。
[教科書]
特に用いない
[テキスト ・ 参考書]
授業中適宜紹介する。
[その他]
特になし。
−29−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
スポーツ文化論講義Ⅱ
PES-EDU224J
2
佐藤 利明
第 2 学期
(月・ 4 )
[授業題目]
地域社会研究の論理と方法
[授業目的と概要]
地域社会の変容・衰退が著しい。戦後,地方/地域の振興のための地域開発・活性化策が実施され
てきたにもかかわらず,地域社会の衰退を押し止めることができないまま今日に至っている。それが
何に起因するのかという問題意識を念頭に置いて,地域開発,地域活性化の具体的な事例をとりあげ
てその実態・課題を考察する。と同時に,地域社会研究の方法についても議論する。
[学習の到達目標]
・地域開発・地域活性化の政策と論理,地域社会の実情についての知見を身につける。
・事例の学習を通して地域社会研究の方法を学ぶ。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .はじめに:授業のガイダンスとテーマについての説明
2 .現代日本の地方/地域の実相・実態
3 .∼ 4 .地域開発・地域振興の展開と論理
5 .∼ 7 .スポーツ・リゾート開発の事例
8 .∼10.巨大スポーツイベント開発の事例
11.∼13.地域活性化・地域づくり
14.研究手法としてのフィールド・ワーク
15.まとめ
[成績評価方法]
・平常点と試験点で評価し,按分はほぼ40%:60%の予定。
・平常点は,出席点と小テスト点,小レポート点で組み立てる(実施回数は未定)。
・試験点は,筆記試験を100点満点で採点した個人の得点に60%評価して割り出す。
[教科書]
使用しない。
[テキスト ・ 参考書]
・社会学関係の事典
・東北都市学会編『東北都市事典』(2004)
・地域社会学会編『キーワード地域社会学』(2011,ハーベスト社)
・社会調査協会編『社会調査事典』(2014,丸善出版)
この他の参考文献については授業で紹介する。
[授業時間外学習]
・専門的用語や概念については自主的に調べ深めること。
[その他]
・履修に当たっては,地域社会の研究に関心を有していることが望ましい。
・
(メールアドレス)[email protected]
−30−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育課程総論
PES-EDU225J
2
谷口 和也
第 2 学期
(火・ 3 )
[授業題目]
日本の教育課程
[授業目的と概要]
日本の学校がどのような考え方によって教育課程が編成されてきたのか。明治の初めから21世紀型
学力を見据えた教育の過程について俯瞰する。
[学習の到達目標]
学習者は,学習指導要領の変遷を通じて,日本の教育課程の変遷と特質について理解するようにな
る。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
詳細なポートフォリオを準備し,PowerPoint による解説,ディスカッションの成果,調べてきたこ
とを書き込むなどして自らの学習成果を蓄積させ,確実な知識の定着を図る。
Part 1 :近代日本の教育課程
①教育学の始まり/②学制と明治前期の教育課程/③女性の進学率増大と教育課程政策の変化
Part 2 :教育学理論の発展と教育課程改革の試み
④ T 型フォードかごっこ遊びか/⑤大正デモクラシーと大正自由教育運動/⑥昭和初期の教育課程
改革の動向
Part 3 :戦後日本における教育課程の変遷
⑦戦後日本の教育課程改革(昭和22年版学習指導要領の成立と第一次改訂)/⑧教育課程編成の基
本原理の転換(昭和33年版学習指導要領)/⑨スプートニク・ショックと教育の現代化(昭和43年版学
習指導要領)/⑩人間性重視の教育とゆとりの教育(昭和52年版学習指導要領)
Part 4 :多文化共生社会と教育課程
⑪「危機に立つ国家」と教育課程(平成元年版学習指導要領)/⑫多文化共生社会と教育課程(平成
10年版および平成20年版学習指導要領)/⑬多文化共生社会における「確かな学力」/⑭21世紀型学力
と変わる教師の役割
[成績評価方法]
ポートフォリオには, 1 ∼ 3 点程度の書き込み欄が準備されており,各回計 5 ∼10点の点数がリア
ルタイムで評価される。この蓄積の合計が100点となって評価点となる。
[テキスト ・ 参考書]
・谷口和也『昭和初期社会認識教育の史的展開』風間書房,1998年。
・水原克敏『近代日本カリキュラム政策史研究』風間書房,1997年。
・水原克敏『現代日本の教育課程改革』風間書房,1992年。
・水原克敏『学習指導要領は国民形成の設計書』東北大学出版会,2010年。
−36−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
カリキュラム論講義Ⅰ
PES-EDU226J
2
谷口 和也
第 2 学期
(月・ 3 )
[授業題目]
カリキュラム研究の基本的な課題
[授業目的と概要]
本授業は,本領域の入門編として,現代日本が直面する価値の多様化や国際的な生き残りの問題の
中で,カリキュラム観がどのように変化し,どのような点が課題とされているのかを,特にカリキュ
ラムと価値観形成の問題から考えるものである。
[学習の到達目標]
学習者は,①表面的に同じに見える授業の背後には異なる多様なカリキュラム原理が存在すること,
②多様なカリキュラム原理の選択は価値観の選択であること,③価値が多様化する現代社会の中では,
新たな考え方で授業をつくらなければならないこと,④現在は日本の学校教育でも,これらの考え方
に基づいた授業が続々とつくられていること,を理解する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
・詳細なポートフォリオを準備し,PowerPoint による解説,アクティビティやディスカッションの
成果,調べてきたことを書き込むなどして自らの学習成果を蓄積させる。
Part 1 :カリキュラムの基本的課題
①オリエンテーション,授業改善とカリキュラム原理/②歴史教育に見られるカリキュラム原理の
多様性/③カリキュラム原理と価値注入
Part 2 :カリキュラム原理と価値の問題
④「開かれた価値観形成」は可能か?/⑤児童中心主義とカリキュラムの問題/⑥多元的な価値観
とカリキュラム
Part 3 :社会科における評価の問題
⑦スタンダードを読み解く/⑧ルーブリックを用いた生活科の授業設計と評価法/⑨シティズン
シップ教育は,どのように子どもを評価したか?
Part 4 :多文化共生社会とカリキュラム
⑩アジア共通歴史カリキュラムは開発可能か?/⑪多文化共生社会の歴史カリキュラム素案/⑫カ
リキュラムと現代社会の課題
[成績評価方法]
・ポートフォリオには, 1 ∼ 3 点程度の書き込み欄が準備されており,各回計 5 ∼10点の点数がリ
アルタイムで評価される。この蓄積の合計が100点となって評価点となる。
[テキスト ・ 参考書]
・授業の第 1 時間目に,詳細な学習計画表を配布する。
[その他]
・特になし。
−37−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
カリキュラム論講義Ⅱ
PES-EDU227J
2
谷口 和也
第 1 学期
(月・ 3 )
[授業題目]
持続可能な発展のための教育
[授業目的と概要]
本授業は,持続可能な発展のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)」の概念を,
学校制度や学力観,カリキュラムのレベルおよび関係が深い領域の具体的な教育実践の事例を通して
説明するものである
[学習の到達目標]
学習者は,近年および近い将来の日本を含む世界各国の教育の変革を,
「持続可能な発展のための教
育」というキーワードを手掛かりに説明することができるとともに,関係が深い領域の具体的な教育
実践を経験する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
詳細なポートフォリオを準備し,PowerPoint による解説,アクティビティやディスカッションの成
果,調べてきたことを書き込むなどして自らの学習成果を蓄積させる。
Part 1 :近年の教育改革と ESD
①日本におけるカリキュラム観・学習観の変容/②新自由主義とスタンダード政策/③グローバル
化による産業構造の変容と教育改革/④護送船団方式→教育における市場原理の導入→持続可能な発
展のための教育
Part 2 :持続可能な発展のための教育とは?
⑤二項対立で理解する従来型教育と ESD 教育/⑥持続可能な発展における学校制度とは?/⑦持続
可能な発展における学びの変化
Part 3 :持続可能な発展のための教育の実際
⑧ ESD としての環境教育「科学者の卵養成講座」から/⑨ ESD としての開発教育「援助する前に
考えよう」/⑩ ESD としての科学教育「科学の不確実性に基づく宇宙教育」/⑪ ESD としてのジェン
ダー教育「ワールド・スタディズ」から/⑫ ESD としてのシティズンシップ教育
Part 4 :持続可能な発展のための教育をめぐる諸課題
⑬持続可能な発展における複線型学校教育・リカレント教育・職業生活/⑭21世紀型学力と ESD /
⑮教育の系譜から見る ESD の限界
[成績評価方法]
ポートフォリオには, 1 ∼ 3 点程度の書き込み欄が準備されており,各回計 5 ∼10点の点数がリア
ルタイムで評価される。この蓄積の合計が100点となって評価点となる。
[テキスト ・ 参考書]
・適宜紹介する。
[その他]
・特になし
−38−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育実践論講義Ⅰ
PES-EDU228J
2
谷口 和也
田中 光晴
第 2 学期
(集中講義)
[授業題目]
特別活動の指導法
[授業目的と概要]
教育課程の一領域である特別活動(学級活動,生徒会活動,学校行事,クラブ活動からなる領域)
の指導法について学ぶ。本演習では特別活動の重要な特徴である『為すことによって学ぶ』ことを通
し,特別活動の指導のあり方を学ぶ。
[学習の到達目標]
①児童生徒を取り巻く問題状況において学校教育における特別活動が,いかなる意義を有している
かを理解し説明できる。
②特別活動の目標にそって授業計画が立てられ実践できる。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
特別活動の意義
①オリエンテーション/②特別活動の特質と教育的意義/③特別活動の歴史的変遷
特別活動の目標と内容
④学級活動の目標と内容/⑤学級活動の実践/⑥生徒会活動の指導計画と実践/⑦生徒会活動の
指導計画と実践/⑧学校行事と安全/⑨クラブ活動と部活動⑩特別活動をめぐる今日的課題
授業計画と実践
⑪模擬授業の準備と指導案の検討/⑫模擬活動計画・学級活動/⑬模擬活動計画・生徒会活動,
⑭模擬活動計画・学校行事/⑮まとめ
[成績評価方法]
出席・発表(50%)とレポート(50%)により総合的に評価する。
[教科書]
特に用いない。
[テキスト ・ 参考書]
「高等学校学習指導要領解説 特別活動編」「中学校学習指導要領解説 特別活動編」
[授業時間外学習]
学習指導要領に目を通しておく(予習),グループでの活動に積極的に関わること(時間外)
[その他]
・授業中にグループ活動やディスカッションの時間を設けるため,積極的に参加すること。
また,授業時間外にグループでの指導案作りなどの準備で集まることもある。
−39−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育方法・技術論
PES-EDU229J
2
谷口 和也
第 2 学期
(火・ 4 )
[授業題目]
アクティブ・ラーニングの学習方法論
[授業目的と概要]
本授業は,1980年代以降,数多く提唱されてきた参加型の授業について体験し,どのような系譜か
ら生み出されて来たものか,どのような効果と問題点があるのかなどについて考えるものである。
[学習の到達目標]
学習者は,①参加型の授業を実際に使えるように身につけると同時に,②そのような授業がどのよ
うな理論的系譜から生み出されてきたのか,③実践上,どのような効果や問題点を持つものなのかを
理解する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
詳細なポートフォリオを準備し,PowerPoint による解説,アクティビティやディスカッションの成
果,調べてきたことを書き込むなどして自らの学習成果を蓄積させる。
Part 1 : 参加型授業を考える
①自分が体験した参加型授業を振り返る(「バズ型討論」),②参加型授業を類型化する(ワーク
ショップ型の諸授業),③なぜ,参加型授業が求められるのか?(講義)
Part 2 : 調べ学習の功罪
④ディベートは何をもたらすのか?(「教室ディベート入門」),⑤調べ学習の功罪(NIE とディベー
ト),⑥「資料収集能力」か「証拠立論能力」か?(ディベート「大規模小売店舗は是か非か?」),⑦
振り返りのディスカッションとレポート作成
Part 3 : シミュレーション学習でわかるもの,わからないもの
⑧シミュレーション・ゲームではわからないもの(「貿易ゲーム」),⑨シミュレーション・ゲームで
わかるもの∼その 1 ∼(「地球がもし100人の村だったら」),⑩シミュレーション・ゲームでわかるもの
∼その 2 ∼(「役割カードゲーム」),⑪振り返りのディスカッションとレポート作成
Part 4 : 子どもたちの議論をどのように引き出すのか?
⑫並べ替えゲームと子どもたちの議論(「ダイヤモンドランキング」「権利のランキング」),⑬議論
のレベルを上げるために必要なもの(「政治家の資質」「年齢制限を考える」),⑭学力観の変化と「真
正の知識」論(講義),⑮振り返りのディスカッションとレポート作成
[成績評価方法]
ポートフォリオには, 1 ∼ 3 点程度の書き込み欄が準備されており,各回計 5 ∼10点の点数がリア
ルタイムで評価される。この蓄積の合計が100点となって評価点となる。
[その他]
・受講者の人数が少ない場合,いくつかの参加型授業が成立しないので,授業内容を組み直す場合
もある。
−40−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育アセスメント論講義
PES-EDU230J
2
有本 昌弘
第 2 学期
(月・ 4 )
[授業題目]
震災後の教育のイノベーション−21世紀型コンピテンシーを測る
[授業目的と概要]
生徒の進路選択と関わり,近年の各国のカリキュラム改革の中で,21世紀型のコンピテンシー,そ
のアセスメントをどのようにデザインするか,教員の役割や研修が課題である。その動向,背景につ
いてレビューするとともに,アセスメント手法の,成果やプロセス,文脈に応じた国内での応用を図
る。激変する世界と人口減少の地方の諸課題の中で,21世紀型のコンピテンシーをどう測るか,につ
いて吟味・検討することを目的とする。震災後の国内パイロット校ともコラボを進める中で,四半世
紀の間,学校全体でシステム思考を取り上げてきた海外連携校(米国)を取り上げる。「各人は所詮お
互い分かり合えず,学習者は伝えられる以上のことを知って」おり,アセスメントを積み重ねること
が生徒や学生が未来の概念に対処できるカリキュラムを創造するという前提から出発する。年金や輸
送等で用いられているシナリオ手法に基づき,健康・資源・環境(生涯必要なエコ・リテラシー含
め)・ハザード・先端科学といった分野での「学び」や,とりわけ気候変動,生産と消費,環境保全,
貧困削減,開発途上国協力などの課題についても,複雑なイシューについては,学びの「見える化」
のため,テキストマイニングやシミュレーションソフトウェアについて深める。産学連携,進路指導
やデジタル関連の民間企業とのコラボも積極的に進める。
[学習の到達目標]
ルーブリックなどアセスメントツールの開発,成果・プロセス・文脈についての枠組みを,アング
ロサクソンの国々から学ぶ。その際,教育アセスメントとリーダーシップの国内外の比較研究を行う
力を身につける。
第 1 回 講義のアウトライン,21世紀型コンピテンシーの説明とクライテリアの共有
第 2 回 世界経済フォーラムその他の文脈からの教育の重要性
第 3 回 ゆとり教育の背景と功罪,PISA 調査の経緯,自尊感情,自己概念,自己実現の理論など
第 4 回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 1 回)
第 5 回 激変する知識(アントレプレナーシップ,人工知能・ロボット,ウェルネスなど)
第 6 回 システム思考(エネルギー,水,食糧,機械,生態,人体と健康,社会経済等)とデザイン
思考
第 7 回 教育分野の相互関連する知識(学習,授業,教師,生徒,発達成長,社会問題,公平など)
第 8 回 同上(教育課程,学校,政策,精神的健康,安心と安全,職業と雇用労働など)
第 9 回 学校群のイノベーションに向けた国内の取り組み
第10回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 2 回)
第11回 6 つの人間性の国内での検討
第12回 職場学習でのメタ学習からの学校教育への示唆
第13回 日本文化からのコンピテンシーの吟味・検討
第14回 ミニパフォーマンス課題と文脈・プロセスの共有(第 3 回)
第15回 ルーブリック(評価指標)によるパフォーマンス課題の成果の共有
[評価方法]
無断欠席は 2 回までとする。パフォーマンス課題を複数回に分けたミニタスクによるレポート提出
(40%),ルーブリック(採点指標)によるセルフ・ピアアセスメント(40%),ポートフォリオの選択
(20%)とするが,これについては,意味のあるクライテリア(尺度や物差し)を受講生と探し,共有
することに努める。
[テキスト ・ 参考書]
Gipps,C.(1994)『新しい評価を求めて - テスト教育の終焉』(鈴木翻訳 2001)論創社
OECD(2005)『形成的アセスメントと学力−人格形成を目指して』(有本監訳 2008)明石書店
OECD(2008)『スクールリーダーシップ』(有本監訳 2009)明石書店
OECD(2011)
『よくわかる持続可能な開発−経済,社会,環境をリンクする』
(翻訳 2011)明石書店
OECD-CERI(2008)Innovate to Learn,
Learn to Innovate,
OECD(有本監訳2016)明石書店
[その他]
(履修上の注意)受講者は,年次進行のため平成25年度入学以降の学生に限ります。
−41−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育心理学講義Ⅰ
PES-PSY204J
2
工藤与志文
第 2 学期
(金・ 2 )
[授業題目]
概念・ルール学習をめぐる教育心理学的諸問題
[授業目的と概要]
教科教育の主要目的の一つは,当該教科内容を構成する概念および概念間の法則的関係(ルール)
を学習することである。この講義では,概念学習やルール学習に関する心理学研究の成果を概観する
とともに,教科教育における重要性,問題解決や思考に及ぼす影響,学習を困難にする要因等につい
てとりあげる。
[学習の到達目標]
①概念学習やルール学習に関する心理学研究の実際について知る。
②教科教育におけるルール学習の重要性について理解を深める。
③ルール学習にかかわる教育的問題について理解を深める。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .概念とは何か
2 .概念と思考
3 .概念に関する古典的見解
4 .概念学習の心理学的研究(1)− Bruner らの古典的研究−
5 .概念学習の心理学的研究(2)−古典的研究パラダイムへの批判−
6 .概念学習とルール学習
7 .ルール学習と教育心理学
8 .問題解決について −再生的解決と生産的解決−
9 .生産的問題解決とルール ・ システム
10.授業実践とルール・システム
11.ルール・システムと知識操作
12.ルール・システムと推論
13.ルール・システムと創造性の育成
14.ルール学習の妨害要因
15.全体のまとめ
[成績評価方法]
期末テスト100% である。
[教科書]
使用しない。
[テキスト ・ 参考書]
授業内で指示する。
[授業時間外学習]
前回の講義内容を復習するとともに,与えられた課題について準備する。
−43−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
教育心理学講義Ⅱ
PES-PSY205J
2
深谷優子
第 1 学期
(月・ 2 )
[授業題目]
文章理解の心理学
[授業目的と概要]
私たちは文章を読むことで,時間的・空間的な隔たりを越えて,人とつながり,あるいは思想や技
術を学び,伝え,創出する。このように重要な文化的活動である文章理解(読解)について,本講義
では,認知過程および読解学習の心理学研究を中心に概観する。
[学習の到達目標]
・文章理解過程について基礎的な知識をもつ。
・読解学習に関する研究について知識と理解を深める。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
第 1 回∼第 2 回 オリエンテーション,文章理解/読解/リテラシー
第 3 回∼第 6 回 文章理解の認知過程
第 7 回∼第 9 回 読解方略,メタ認知方略
第10回∼第12回 文章理解と情動
第13回∼第15回 専門的知識の学習と読解
[成績評価方法]
授業中の課題(40%),レポート(60%)により評価する。
[教科書]
なし
[テキスト ・ 参考書]
大村彰道監修 秋田喜代美・久野雅樹 編集 2001 文章理解の心理学:認知,発達,教育の広がりの中
で 北大路書房 .
Keith Sawyer(Ed.)2014 The Cambridge Handbook of the Learning Sciences 2 nd Edition. Cambridge
University Press.
その他授業中に適宜紹介する。
[授業時間外学習]
・参考書および配布資料を事前に読んでくること。
・Minute Paper をもとに授業内容を復習して理解を深める。
[その他]
・オフィスアワー・連絡先は巻末を参照のこと。
・オフィスアワー以外の面談を希望する場合には,事前にメールか電話にて予約することが望ましい。
−44−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
学習心理学講義
PES-PSY206J
2
工藤与志文
第 1 学期
(金・ 2 )
[授業題目]
学習心理学と教授ストラテジー
[授業目的と概要]
ストラテジー(strategy)とは本来軍事用語であり,目的遂行のための長期的な総合戦術のことであ
る。教育においても,個々の教授活動をどうするかという問題を越えた,長期的かつ総合的な「作戦」
が必要になる。これを教授ストラテジー(teaching strategy)と呼ぶ。この講義では,教授ストラテジー
について,その理論的ベースとなる学習心理学と関連づけながら概説する。
[学習の到達目標]
①それぞれの教授ストラテジーの特徴,長所と短所について知る。
②教授ストラテジーと学習心理学理論との関連を知る。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .教授ストラテジーはなぜ必要か?
2 .積み重ね型ストラテジーとその特徴(1) −盲聾二重障害児の例に学ぶ−
3 .積み重ね型ストラテジーとその特徴(2) −プログラム学習の原理とその応用−
4 .積み重ね型ストラテジーとその特徴(3) −課題分析と累積学習モデル−
5 .積み重ね型ストラテジーとその特徴(4) −積み重ね型の弱点−
6 .積み重ね型ストラテジーとその特徴(5) −弱点克服法としての「棟上げ型」−
7 .組みかえ型ストラテジーとその特徴(1) −誤ルールとは何か−
8 .組みかえ型ストラテジーとその特徴(2) −誤ルールの組みかえ−
9 .組みかえ型ストラテジーとその特徴(3) −ル・バー対決型ストラテジーの特徴−
10.組みかえ型ストラテジーとその特徴(4) −ル・バー対決型ストラテジーの実例−
11.組みかえ型ストラテジーとその特徴(5) −ル・バー懐柔型ストラテジーの特徴−
12.組みかえ型ストラテジーとその特徴(6) −ル・バー懐柔型ストラテジーの実例−
13.カリキュラム構成と教授ストラテジー(1)−単元間の縦断的関連づけ−
14.カリキュラム構成と教授ストラテジー(2)−スパイラル ・ カリキュラム論−
15.全体のまとめ
[成績評価方法]
期末テスト100%である。
[教科書]
使用しない。
[テキスト ・ 参考書]
授業内で指示する。
[授業時間外学習]
前回の講義内容を復習するとともに,与えられた課題について準備する。
−45−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達心理学講義Ⅰ
PES-PSY207J
2
本郷 一夫
第 2 学期
(月・ 5 )
[授業題目]
発達心理学の基礎
[授業目的と概要]
人間の発達を生物学的,個別的,社会・文化的要因から捉え,一生涯に渡る個人の変化のプロセス
とそれに及ぼす要因について理解を深めることを目的とする。
[学習の到達目標]
1 .個々の領域の発達のプロセスについて理解する。
2 .各領域間の連関関係について理解する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .発達とは何か
2 .認知の発達
3 .言語・コミュニケーションの発達
4 .知能の測定と評価
5 .情動の発達
6 .気質とパーソナリティ
7 .遊びの発達
8 .親子関係の発達
9 .仲間関係の発達
10.道徳性の発達
11.自己の発達
12.青年期の発達
13.成人期・老年期の発達
14.発達の筋道+試験
15.授業のまとめと試験結果のフィードバック
[成績評価方法]
試験(70%)とミニ・レポート(30%)により評価する。
[教科書]
本郷一夫編著『発達心理学 −保育・教育に活かす子どもの理解−』(建帛社)
[テキスト ・ 参考書]
特になし
[授業時間外学習]
事前に教科書の読み,基本的な用語についての知識を持って,授業を受講すること。
[その他]
原則として,授業時間中にプリントの配布は行わないため,事前の予習をしっかりしてきて欲しい。
−51−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達臨床論講義
PES-PSY209J
2
神谷 哲司
第 2 学期
(火・ 4 )
[授業題目]
青年心理学概論
[授業目的と概要]
青年期に関するさまざまな心理学的知見を学ぶとともに,青年期を生涯発達の一過程として位置づ
けることで,現代日本における「青年期」に対する理解を深める。
[学習の到達目標]
青年心理学に関する基礎的な事項を理解し,現代日本における青年期の諸問題が歴史・時代的な社
会変動の中で生じていることを考察する力を涵養する。
[授業内容 ・ 計画]
1 .発達理論における青年期
2 .青年期の成立と伸長
3 .青年期の身体・運動発達
4 .青年期の認知と思考
5 .青年期の社会的認知
6 .自己と自我をめぐって
7 .アイデンティティ・ステイタス
8 .青年期の対人関係の発達
9 .青年期のセクシャリティ
10.青年期の恋愛行動とアイデンティティ
11.戦後日本の社会変動
12.現代青年の特徴とはなにか?
13.戦後日本の「青年」の変遷
14.成人期移行の問題とキャリア発達
15.まとめ:現代青年はどこへ行くのか
[評価方法]
毎講義時のコメント(30%)及び期末試験(70%)
[授業時間外学習]
配布資料や紹介された書籍をもとに各自学習を進めてください。
[テキスト ・ 参考書]
必要な資料はその都度配布する。参考書籍は,適宜講義時間内に紹介する。
[その他]
講義内容が青年期に関するものであることから,受講生自身にとっても身近なテーマが扱われる。
そのため,受講生においては,自分の過去や現在の気にしていること,不安に思っていることなどが
取り上げられることで,時には不快な思いをする可能性が指摘される。その点を予め了解の上,受講
してください。
−52−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
臨床心理学講義Ⅰ
PES-PSY210J
2
若島 孔文
第 2 学期
(木・ 2 )
[授業題目]
臨床心理学講義Ⅰ
[授業目的と概要]
臨床心理学における代表的な諸理論(精神分析,来談者中心療法,認知・行動療法,家族療法など)
について解説する。また,それら代表的な諸理論の日本への導入における東北大学の役割と貢献につ
いて補足する。
[学習の到達目標]
①臨床心理学が人間を理解し,援助することを志向した実践の学問であることを知り,人間のここ
ろの固有性と可変性に対する柔軟な視点について理解を深める。
②東北大学の歴史の一端を知り,臨床心理学の大きな流れに向けて興味が喚起されること。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .臨床心理学の代表的諸理論
1 − 1 .野の医者の話, 1 − 2 .臨床心理学の流れ, 1 − 3 .精神分析,
1 − 4 .分析心理学, 1 − 5 .来談者中心療法,1-6.認知・行動療法
2 .家族療法と短期療法
2 − 1 .システム理論, 2 − 2 .コミュニケーション理論, 2 − 3 .構造的家族療法,
2 − 4 .戦略的家族療法, 2 − 5 .解決志向短期療法, 2 − 6 .事例の検討(1)(2)
3 .ポストモダンの心理療法
3 − 1 .ポストモダンとは, 3 − 2 .ナラティヴ・セラピー,
3 − 3 .リフレクティング・プロセス
[成績評価方法]
期間中,複数回のレポートによる。
[教科書]
特になし。
[テキスト ・ 参考書]
特になし。
[授業時間外学習]
予習および復習の課題については,各授業にて提示する。
[その他]
なし。
−53−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
臨床心理学講義Ⅱ
PES-PSY211J
2
上埜 高志
藤川 真由
第 1 学期
(木・ 1 )
[授業題目]
メンタルヘルスの基礎
[授業目的と概要]
メンタルヘルスの概要を理解するとともに,代表的な精神疾患等を学ぶ。
[学習の到達目標]
メンタルヘルスおよび代表的な精神疾患等に関する基礎的な知識を習得する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .オリエンテーション,メンタルヘルス序論(1)−概要、 福祉
2 .メンタルヘルス序論(2)−医療
3 .メンタルヘルス序論(3)−心理
4 .メンタルヘルス序論(4)−社会
5 .こころと発達−自閉症
6 .こころとリズム−睡眠障害
7 .こころと不安−神経症
8 .こころと物質−依存症,こころと加齢−認知症
9 .こころと災害− PTSD,こころと死−自殺
10.こころとスティグマ−統合失調症
11.こころとライフイベント−うつ病
12.特別講義「リハビリテーション心理学」
13.
「スピーカーズビューロー」(当事者[統合失調症 ・ うつ病]による体験発表)
(予定)
14.討論 「こころと脳について」(レポートのテーマ)
15.総括,筆記試験(英語を含む)
[成績評価方法]
筆記試験(40%),レポート(40%)および平常点(20%)による総合的な評価。
[教科書]
とくに教科書は指定しない。適宜,資料を配布する。
[テキスト ・ 参考書]
授業中に適宜,紹介する。
[授業時間外学習]
予習・復習については,その都度,指示する。課題のレポートについては,討論時に指示する。
[その他]
次年度,開講する。
−54−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達障害学講義Ⅰ
PES-PSY212J
2
野口 和人
第 2 学期
(火・ 2 )
[授業題目]
発達障害学概論
[授業目的と概要]
ASD(自閉スペクトラム症),知的障害,AD/HD,などのある児童・生徒における様々な課題や困
難を理解し,心理教育支援について学ぶことをねらいとする。
[学習の到達目標]
①発達障害のある児童・生徒の困難状況とその背景について理解する。
②発達障害のある児童・生徒への心理教育支援について,多面的に捉える力を培う。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .ガイダンス
2 .発達障害教育の制度と歴史①
3 .発達障害教育の制度と歴史②
4 .知的障害のある子どもの理解と支援①
5 .知的障害のある子どもの理解と支援②
6 .知的障害のある子どもの理解と支援③
7 .ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの理解と支援①
8 .ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの理解と支援②
9 .ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもの理解と支援③
10.AD/HD のある子どもの理解と支援①
11.AD/HD のある子どもの理解と支援②
12.学習障害のある子どもの理解と支援①
13.学習障害のある子どもの理解と支援②
14.関連する障害のある子どもの理解と支援
15.まとめ
[成績評価方法]
授業への出席(50%)及びレポート(50%)により評価する。
[教科書]
特に指定しない。
[テキスト ・ 参考書]
特に指定しない。必要に応じて資料を配付する。
[授業時間外学習]
配布した資料を予め読んでおくこと。
−55−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達障害学講義Ⅲ
PES-PSY214J
2
野口 和人
第 2 学期
(木・ 5 )
[授業題目]
ASD(自閉スペクトラム症)の理解と心理・教育的支援
[授業目的と概要]
発達障害に関する最新の知見を紹介しながら,発達障害のある子どもたちへの心理・教育的支援に
おける課題を論じる。
[学習の到達目標]
発達障害に関わる最新の知見を学ぶ。
発達障害学領域の心理・教育的支援について,多角的に理解する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .ガイダンス
2 ∼ 5 .ASD(自閉スペクトラム症)における社会性について
6 ∼ 9 .ASD(自閉スペクトラム症)における自己理解について
10∼14.ASD(自閉スペクトラム症)に対する社会性発達支援について
15.まとめ
[成績評価方法]
授業への出席(60%),レポート(40%)により評価する。
[教科書]
特に指定しない。
[テキスト ・ 参考書]
特に指定しない。関連資料は適宜配布する。
[その他]
特になし。
−56−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達障害学講義Ⅳ
PES-PSY215J
2
川﨑 聡大
第 1 学期
(木・ 2 )
[授業題目]
発達障害研究法基礎
[授業目的と概要]
発達障害の障害機序と,その「困難さ」の背景要因について運動,知能,認知,言語といった様々
な機能の発達の観点から学習を深める。
[学習の到達目標]
発達心理学的観点から知的障害や発達障害の特性について学習する。広く発達障害全般について,
その症候が生じるメカニズム,また困難さの背景となる認知機能障害について学習を深めることで,
発達障害全般の理解を深め,対処を学ぶことを目的とする。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
1 .イントロダクション*講義全般の内容について概説する。
2 .「知能」とは - 知的障害と発達障害 3 .「認知」の発達とその障害
4 .「言語」の発達とその障害
5 .「コミュニケーション」の発達とその障害
6 .「思考・情動」の発達とその障害
7 .「記憶」の発達とその障害
8 .「運動」の発達とその障害
9 .「学習」の心理学とその障害
10.学習障害(局在性学習障害)とは
11.コミュニケーション障害とは
12.ダウン症について
13.自閉症スペクトラム障害の定義とその変遷
14.自閉症スペクトラム障害の認知機能障害と症候の関係
15.まとめ
[成績評価方法]
授業への出席(30%)レポート(70%)により判断する。
[教科書]
「知的障害の心理学」北大路書房 小池敏英・北島喜夫
[テキスト ・ 参考書]
特に指定しない。
[授業時間外学習]
各自の発表内容について関連領域について適宜習熟を深める。
[その他]
初回受講時までに教科書を準備し予習を心がけてください。
−57−
授業科目名
科目ナンバリングコード
単位
担当教員
開講学期
発達障害学講義Ⅴ
PES-PSY216J
2
中井 昭夫
第 1 学期
(集中講義)
[授業題目]
発達障害学講義特論
[授業目的と概要]
神経発達障害や子どものこころの問題を理解,支援する上で必要な,医療・医学,発達脳科学,臨
床発達心理学などの最新の知見を,視聴覚教材を多用しながら紹介する。
[学習の到達目標]
子どもの脳とこころの発達と神経発達障害など様々な障害における病態生理,医学的・脳科学的,
臨床発達心理学的理解を深め,特別支援教育や障害児教育の実践に活かせる知識を習得する。
[授業の内容 ・ 方法と進度予定]
パソコンを利用した講義
第 1 回:発達脳科学入門:高次脳機能,セロトニンなど神経伝達物質,脳機能画像法など
第 2 回:神経発達障害総論:当事者研究,DSM-5(2013),障害の正しい理解にむけて
第 3 回:神経発達障害各論(1):知的能力障害
第 4 回:神経発達障害各論(2):注意欠如・多動性障害(ADHD)
第 5 回:神経発達障害各論(3):トゥレット障害
第 6 回:神経発達障害各論(4):発達性協調運動障害(DCD)
第 7 回:神経発達障害各論(5):限局性的学習障害(SLD)
第 8 回:神経発達障害各論(6):自閉症スペクトラム障害(ASD)
第 9 回:赤ちゃんからの脳とこころの発達
第10回:小児睡眠障害・不登校・小児慢性疲労症候群
第11回:小児心身医学:小児心身症,摂食障害(神経性無食欲症)
第12回:小児精神医学:子どものうつ・強迫性障害
第13回:子どもの虐待を科学する
第14回:子どものてんかんについて
第15回:まとめ
[成績評価方法]
出席状況(10%),授業への取り組み(10%),レポート(80%)など勘案し総合的に判断する。
[教科書]
特に設けない
[テキスト ・ 参考書]
1)
「発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン」辻井正次(監修) 金子書房(2014)
2)
「子どもの夜更かし 脳への脅威」三池輝久 集英社(2014)
3)
「いま,小児科医に必要な実践臨床小児睡眠医学」三池輝久,小西行郎,中井昭夫 診断と治療
社(2015)
[授業時間外学習]
主な神経発達障害に関する概要を予習しておく。配布資料を中心に復習・発展学習を行うこと。
[その他]
ウェブサイト:http://www.hwc.or.jp/hospital/kodomo/syouni_suimin_top.html
メールアドレス:[email protected]
特別支援教育は発達脳科学,神経科学,認知心理学の発展によって大きく変わろうとしています。
また,障害の概念も時代や分化社会の変化,科学・文明の進歩などとともに変遷するものです。神経
発達障害,不登校,子どものこころの問題,児童虐待など,医療・医学・脳科学と保育・教育,子育
て支援・福祉の連携,共通理解がますます必要です。子ども達とそのご家族のために,本講義にとど
まらず,常にアンテナを張り,リテラシーをもって自身のアップデートに生涯心がけるようにして下
さい。
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