ハウス用ボイラーの環境保全で低コストのエマルジョン燃料

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2008/1/23 更新
ハウス用ボイラーにエマルジョン燃料を利用
【鈴木清左衛門さんら6戸 / 川西町】
有害物質抑え環境保全、低コストも実現
既存のボイラーに凍結防止用の小型ポンプを設置するだけでエマルジョン
燃料が利用可能。「扱いは普通の重油や灯油と同じ。導入する仲間が増え
てほしい」と鈴木さん」
ハウスでの花き栽培農家にとって燃料の高騰は大きな悩み。そんな中、
川西町の農家が灯油や重油などの燃料と水を混合したエマルジョン燃料を
農業ハウスのボイラーに使用。市販の燃料より価格が安く、窒素化合物
(NOx)など有害物質の排出も少ないことから、環境保全型の低コスト農業
として注目されている。
エマルジョン燃料は、灯油や重油などのなどの燃料油と水に界面活性剤
を加え、均一になるようかくはんすることで燃料化したもの。化石燃料に水
を加えて量を増すことで、より有効な活用につながる。
また、酸性雨や光化学スモッグなどの原因になるNOxや、ぜんそくや花粉
症の原因ともいわれる粒子物質(PM)も低減。エネルギー問題がクローズ
アップされる中、省エネルギー、環境保全を考えた燃料として期待されてい
る。
エマルジョン燃料を導入したのは、同町時田の鈴木清左衛門さん(53)。
鈴木さんは、露地栽培のダリアのほか、約1200坪のハウス4棟でアルストロ
メリアを生産している。2006年、米沢市の「株式会社ショージ」(庄司和昭社
長)が、エマルジョン燃料の販売を始めたことを知人に紹介され、導入を検
討。07年10月から使用を始めた。
使用するエマルジョン燃料
は、重油ベースのもので、一般
的なハウスの暖房用ボイラーで
使用。販売価格は重油より1割
ほど安い。ただし、エマルジョン
燃料を使用するには、凍結と燃
料の分離を防止するための小型ポンプの設置が必要だ。
現在、鈴木さんのほか同町内の5戸の農家が導入。順調に稼動しているという。鈴木さん
は「経費の節減はもちろん必要だが、これからは花作り農家といえども、環境を第一に考え
た農業をしていかなくてはならない。環境に配慮して育てられた花としてPRしていきたい」と
話す。
庄司社長は「環境にやさしく低コストな燃料として、加温機や温水ボイラーなど特にメリット
が高い。農業者にぜひ導入してほしい」と話している。
○問い合わせ先=(株)ショージ (℡0238-26-1273)
重油と水に界面活性剤を加えたエマルジョン燃料
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