(1) 音楽福祉ネットワーク通信 第10号 2012年3月28日発行 発行所 大阪府障害者福祉事業団 音楽プログラム研究班 代 表 北宅 匠 第10号 (くすのき寮長) 音楽事務室 TEL&FAX 0721-34-3613 えん げ 嚥下って? 食べ物や飲み物を飲み込むこ とを「嚥下(えんげ)」といい、 嚥下が正しく働かないことを ごえん 嚥下障害といいます。嚥下障害があると誤嚥(食べ物を食道ではなく 気管内に飲み込んでしまう)しやすくなり、誤嚥性肺炎をおこすこと が多くなります。噛んだり、飲みこんだりする時に働く口の中や口ま わりの筋肉などは、使わなくなったり年をとると衰え、嚥下障害を招 きやすくなります。 対策として、ふだんから口腔機能(口のまわりや口の中の働き)を 低下させないように舌、唇、頬、のどの筋肉を鍛えることや、呼吸機 能や食べる際に正しい姿勢を保つ筋力をつけるために上半身を積極的 に動かすことが大切です。 スマイル体操って? 『口』は「話す」「表情をつくる」「呼吸する」 「唾液をだす」 「食べ る」など、人とのコミュニケーションや豊かな生活を送る上で欠かせ ない役割をもっています。そんな口や顔の表情をポイントに『スマイ ル体操』を創りました(音楽プログラム研究班とチームアプローチ研究会が協力)。 音楽に合わせて笑ったり、舌を出したり、顔のマッサージをしたり、 上半身を動かしたり等・・・とても簡単で楽しい体操です。 皆さんも、スマイル体操を楽しみながら口腔機能を鍛えませんか。 【実践 DVD を作成しましたので、ご興味のある方は、連絡下さい。】 お問い合わせは、こんごう福祉センター音楽事務室までどうぞ。 電話&FAX (0721−34−3613)内線274 担当 本間 新熊 (2) 音楽福祉ネットワーク通信 第10号 劇団『座・ゆめ音』を創設して 15年 さかい よ り こ 酒井誉里子さん Q: 劇団『座・ゆめ音』を創られた思いをお聞か せ下さい。 A: 『座・ゆめ音』は 1997 年 12 月に結成さ れ今年で 15年目になります。金剛コロニーや近 隣の作業所を利用する知的しょうがいがあるメン バーと芝居の専門家とスタッフで構成された劇団 で今まで 10 回ほどの公演をしてきました。 「人間の発達に必要な時間軸は、生活の時間軸・ 労働の時間軸ともう一本文化芸術に関わる余暇の 金剛コロニーしいのき寮にて 2011 年3月 22 日撮影 時間軸が必要(故・田中昌人氏)」であるとされて います。私たちは、生活とも労働とも違う非日常 Q: お芝居の魅力とは? の文化活動、その積み重ねが芝居という創造的自 A: ひとつは「違う自分になれる」ということ、 己実現の活動に結実すると考え、 「みんなで楽しく もうひとつは「自分が主人公になれる」というこ お芝居しよう」と呼びかけ、劇団『座・ゆめ音』 とだと思います。ことばがない人や恥ずかしくて の活動を開始しました。 なかなか自己表現ができない人が、日常とは違う 「舞台に立つ」という体験は、喜びと自信につな Q:かなり本格的なお芝居作りをされています が・・・。 がります。メンバーが本番に舞台で発揮する力は 驚くものがあります。 A :当時大阪芸術大学舞台芸術部長で劇作家の 故・秋浜悟史先生のところに相談に行きました。 Q:15 年の活動を継続されてきた原動力は? 秋浜先生は旧くは近江学園で知的しょうがいがあ A: いろいろな壁にぶつかり、なんどももう終わ る方々と関わられ、長くあざみ寮・もみじ寮の演 りにしようと悩みました。しかしメンバーから「お 劇活動に携わって来られた方です。全国初の県立 芝居をしたい」 「次は(公演)いつ?」という声が 劇団である「兵庫県立ピッコロ劇団」の創立時(94 あり、その声を聞くと「あの人たちの願いに応え 年)より代表を務めておられました。そしてお弟 たい。あの人たちのためにひとはだ脱ぎたい。 」と 子さんの高橋圭司さんを紹介していただき、演 いう思いが湧いてきて、それが支えとなって続け 出・脚本・その他舞台全般の援助をしていただき てきました。今後は若いスタッフに運営を任せ、 ました。その後、秋浜先生門下の学生たちが卒業 劇団『座・ゆめ音』も新しい時代に入ります。 後立ち上げたプロの劇団「いちびり一家」の協力 を得て活動をしています。 (3) 音楽福祉ネットワーク通信 第10号 お昼のひとときコンサート 第 55回 ストリートダンスライブ:10月6日 ゲスト :ダンサー DANCE 谷川拓郎さん DIL IGHTの大阪大会 で優勝経験をもつダ ンサーTAKURO 甘い歌声と ピアノの調 べ♪にうっ とり 第56回 に会場中が「かっこ 歌とピアノコンサート:11 月 11 日 いい∼」 ゲスト:片山淳子さん(歌) 山本直子さん(ピアノ) 第 57回 クリスマスコンサート: 12月21日 ゲスト : 同志社香里 聖歌隊&ボランティア部 聖歌隊の天使のような歌声 清らかなハンドベル奏。 心に深く響きました。 初 め て の バリ ア フリ ー 電 子 楽 器サ イ ミス の 演 奏 に 会場 は 大喝 竹の倍音笛や、リトアニアのフレーテ の音色がしみこむように会場全体が しっとりゆるやかな時空間に。 采でした!! 第 58回 第 59回 春咲きコンサート:3月14日 ゲスト: 山本公成さん & みんなでつくるひとときコンサート 3月7日 :出演はこんごう福祉センターを ほしこさん 出演者のみなさま、素敵な時間をありがとうございました。 利用されている7組のみなさん (4) 音楽福祉ネットワーク通信 第10号 職員研修・音楽療法講座報告 大好評でした!! (作曲家・広島大学教員) 2011 年 12月9日に大阪府障害者福祉事業団の職員 研修『音楽療法講座』が開催されました。講師は現代音楽 作曲家の寺内大輔さん。声や楽器を使った♪即興演奏♪♪ に会場が聴き入りました。音楽は難しいものではなく自由 に楽しむものということを実践で示されました。寺内さん は、「音楽の話をしよう∼10 代のための音楽講座」(ふく ろう出版)という本を出されています。 講師は作曲家・ 参加者の感想 教員として活躍 ・音のキャッチボールや響き、音の されている 強弱などのバランスを声や楽器で 寺内大輔さん。 楽しめた。 ・楽譜にない音楽の楽しみ方が良か った。90 分あっという間だった。 次年度、寺内さんに音楽のアドバイザーとして関わって ・新しい(自分が気付かなかった) いただくことになりました。 音の楽しみ方が学べた。 新音楽室に引っ越しして 1 年がたちました。日中活動の作業棟が近くにあり、元気 な声がいきかいます。春夏秋冬の季節感がしっかりと感じられ、毎日歌声が響く音楽 室です。みなさん、ぜひお気軽に顔をのぞかせてくださいね。 (問い合わせ先は第 1 面) 春が来た∼♪ 春が来た∼♪ 2011 年度音楽プログラム研究班:北宅・嶋・岩本・本間・新熊・辻野・足立
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