舞踊における創造性測定の 指標に関する研究川

像 の速 さ(イ メ ー ジの数),
イ メ ー ジの 広 さ(種
類 数),
イ メ ー ジ の独 自 さ(独 自性 の 評 価 基準 は
調 査 に よ り, 実 験 者 が 作 成)の3つ
の 観 点 か ら評
価 し, 速 さ と独 自 さの 得 点 の 合 計 を 想 像 性 の得 点
と した。 言 語 を刺 激 と した 答 え の ほ とん どが単 語
で あ る の に対 し, 舞 踊 運 動 と音 楽 を イ メ ー ジ刺 激
に した場 合 の答 え は文 章 が 多 い の で, 文 章 を単 語
に分 解 して 総 単 語 数 を 想像 の 速 さ と し, 又独 自性
の 判 断 も非 常 に難 しいの で独 自性 に つ い て は今 後
の 課 題 と し, 本 研 究 に お い て は, 想像 の速 さ とイ
メ ー ジの 広 さか ら想像 性 の評 価 を行 い, 総 単 語 数
と イ メ ー ジの 広 さの 得点 の 合計 を舞 踊 運 動, 音 楽
を イ メ ー ジ刺 激 と した想 像 性 の得 点 とみ な した。
舞 踊 に お け る創 造 性 測 定 の
指 標 に 関 す る 研 究(1)
-創 造性 と想 像 性 の関 係 につ いて-
柴
塩
原
須
古
瀬
田
戸
川
真理子
順 子
純 子
ゆ か
道 代
1. 緒 言
S-A創
造 性 検 査 を指 標 と した先 行 研 究 にお い
て, 舞 踊 課 題 学 習 が 学 習 者 の創 造 性 の陶 治 に有 効
で あ る こと を検 証 したが, この検 査 は創 造 的 思 考
(言 語 を 刺 激 と した 結果 は, 後 者 で の評 価 も行 っ
た。)
3. 結 果 と考 察
力 を測 定 す る もの で あ り, 舞 踊 に お け る創 造 性 を
測 定 す る に は こ の検 査 だ けで は不 十 分 で あ る こ と
は言 うまで もな く, 又 舞 踊 に独 自 の創 造 性 が あ ろ
今 回設 定 した イ メ ー ジ刺 激 の 中で は, 言 語 と舞
踊 運動 を イ メ ー ジ刺 激 と した場 合 に, そ の想 像 性
と創 造 性 に相 関 が み られ たが, 個 人 毎 の両 者 の関
係 の検 討 か ら, 創 造 性 が 非 常 に高 く, 同時 に想 像
性 のか な り低 い被 験 者 が い るの に対 し, 想 像 性 が
高 く, 同時 に創 造 性 の 低 い被 験 者 はみ あ た らな い。
しか し, 音 楽 を イ メ ー ジ刺 激 に した場 合 に は, 創
造 性 が非 常 に高 く同時 に想 像 性 の か な り低 い もの
が い る と同時 に, 想 像 性 が 高 く, 同 時 に創 造 性 の
低 い者 もお り, 想 像 性 と創 造 性 の 間 に相 関 が み ら
れ な い。 こ の よ うに, 言 語 と舞 踊 運 動 を イ メ ー ジ
刺 激 に した場 合 の想 像 性 に は創 造 性 と相 関 が あ る
の に対 し, 音 楽 を刺 激 に した 場 合 に は相 関 が み ら
うこ とは想 豫にか た くな いが, 舞 踊 に お け る創 造 性
を測定 す る ための指 標 は い まだ確 立 され て い な い。
舞 踊 の創 造 性 を考 え るに あ た り, 創 造 性 の一 般
的 な 定 義 を見 よ う とす る と, 創 造性 の研 究 は そ の
歴 史 が ま だ浅 く, そ こに は い ま だ 定説 とな った定
義 が な く, 創 造 性 の実 態 とは どの よ うな もの で あ
るの か そ の全 貌 を解 明 で き て い な い。 従 って, 舞
踊 の創 造 性 を み る前 に, 種 々 な創 造 活 動 で共 通 に
働 く創 造 性 の特 質 を み る必 要 が あ ろ う。
創 造 活 動 に お いて は, 想 像 性 が重 要 な役 割 を果
たす とい うこ と は ミシェ ル ドウ二, コ リング ウ ッ
ド, 穐 山 な ど多 くの 人 に言 わ れて い る ことで あ る
が, 舞 踊 の創 造 過 程 を考 え る時, そ の様 々 な局 面
で こ の想 像 性 が 重 要 な 役 割 を果 た して い る こ とを
れ な い とい う点 につ いて は, 今 後, 追 試 し, 更 に
検 討 を 要 す る と考 え る。
又, 言 語 ど舞 踊 運 動 を イ メ ー ジ刺 激 と した想 像
性 と創 造 性 の 関 係, 及 び 言 語 に よ る2つ の 想 像 性
の評 価(想 像 の 速 さ+独 自 さ, 想 像 の速 さ+広 さ)
の 比 較 か ら, 創 造 性 を 高 め る には 想 像 の 速 さが 必
私 達 は経 験 的 に知 って い る。 そ こで 今 回 は, まず,
創 作 過 程 の 早 い段 階 で 働 く想 像 性(言 語 や 動 きや
音 楽 な どの 与 え られ た 刺 激 か らた くさん い ろ い ろ
な イ メ ー ジを 連 想 す る)と 創 造 性 の 関 係 を 明 らか
に し, 想 像 性 が 創 造 性 を み る た め の 一っ の 指 標 と
な り うるか, そ の可 能 性 に つ い て検 討 す る こ とを
要 で あ り, 言 語 を イ メ ー ジ刺 激 と した 想 像 性 の 評
価 も, そ の 想 像 の 速 さ+広 さを 想 像 性 と して み る
こ とが 可 能 で あ る と いえ る。
目 的 とす る。
2. 研 究 方 法
従 って, 言 語 や 舞 踊 運 動 等 の イ メ ー ジ刺 激 か ら
性 質 の 異 な る イ メ ー ジを 速 くた くさん 連 想 で き る
こ とが創 造 性 に と って 不 可 欠 で あ り, この 能 力 が
被験 者: 神 戸大学 教育 学 部小 学校 体育 教材 研 究, 及
び幼児 教育健 康受 講者54名(m-12名,
f-42名)
検 査 方 法: (1)創造 性 の 測 定 一東 京 心 理 発 行 のSA創 造 性検 査 を使 用。(2)想像 性 の 測 定 一実 験者 が,
イ メ ー ジ刺 激 と して言 語(雪,
都会, 寂 しい, 青
春, 崩 れ る, 楽 しい), 舞 踊運 動(6つ),
音楽
(3曲)を
設 定 し, そ れ ぞ れ の刺 激 か ら思 い浮 か
べ た こ とを書 か せ た0
舞 踊 にお いて も, そ の創 造 性(創 造 的 思 考 力)の
一 面 を み るた め の 指 標 と成 り得 る と言 え よ う。
参考文献
1. 穐山貞登 (1971): 創造 の心理。誠信書房
2. Michel Denis (1989): イメー ジの心理学。
(訳)大 久保政憲 ら, 頸草書房
3. RG.
Collingwood (1978): 芸 術の原理。
評 価 方 法: (1)東京 心 理(株)が
採 点。(2)言語 刺 激 か ら
だ さ れ た イ メ ー ジにつ い て は創 造 性 の評 価 に倣 い,
4つ の観 点 か らの 評 価 を試 み たが, 想 像 性 の評 価
で は 「深 さ」 まで 評 価 す る こ とは難 しい ので, 想
(訳)近 藤重 明, 頸草書房
4. 柴真理子(1990):
ダ ンス学習 と創造性 の陶冶 の
関係 につ いて。 日本体育学会第41会大会大会号
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