高次脳機能障害 ~注意障害について

リハビリ普及プログラム
第6回
高次脳機能障害
~注意障害について~
2011年8月
リハビリスタッフ一同
今回は高次脳機能障害について説明していきます。
身体機能と違い高次脳機能は目に見えない機能である為、症状を理解するのが非常
に困難です。
当院のサービスを利用されている方にも高次脳機能障害をもっている方がおり、高次脳
機能に関しての知識がないと「なんでできないの?」「なんでやってくれないの?」など
と感じることがあると思います。
まず、始めに知っておいてもらいたいことは、高次脳障害を呈している方は、できない
ことを自分自身で認識していないということです。
つまり、やらないのではなく、出来ない・やることを理解していないということを知ってお
いてください。
では、出来ない事をできるようにするにはどうすればいいのでしょうか?
高次脳機能障害全てを説明するにはかなりの時間を必要としますので、今回は高次
脳の考え方、そして、注意障害について・そしてその対応について説明していきたいと
思います。
では、早速始めていきたいと思います。
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1
高次脳機能について考える①
高次機能脳障害となる原因
脳血管障害
頭部外傷
脳腫瘍など
脳の3つの機能
手足口を動かす運動機能
音や臭い、手触りなどを感じる知覚機能
記憶・感情・言語などを支配する高次脳機能
最初に、高次脳機能とはなんなのかを説明したいと思います。
まずは、高次脳機能障害となる原因として、もっとも多いのは脳梗塞や脳出血などの
脳血管障害で、全体の8割を占めます。他には事故による頭部外傷や、脳腫瘍によっ
て脳内の圧力が高まり脳が圧迫されることでも高次脳機能障害となる場合があります。
多くの人が発症して最初の時期は高次脳機能障害となると言われています。しかし、
多くはオペ後、徐々に症状は改善していき、高次脳機能障害がわからなくなるほど改
善する方もいます。
一般に梗塞の範囲が広い場合や外傷が高度の場合は高次脳障害が残ると言われて
います。
次に、脳がもつ3つの機能について説明します。
脳には「手足を動かす運動機能」、「音や臭い、痛み、手触り、温度などを感じる知覚機
能」、「記憶・感情・言語などを支配する高次脳機能」の3つの機能があります。
運動機能や知覚機能は、自分で身体を動かそう・感じようと意識すれば行えることです。
つまり、自分の意識下でのコントロール機能です。
しかし、高次脳機能は自分でやろうと思っても出来ない無意識下の機能と言われてい
ます。
意識下でコントロールできるんじゃない?と思うかもしれませんが、感情や言語などは私達
の無意識下で働いている機能です。
例えば、映画を見て感動するとします。その感動は何故起こったのですか?感動しよう
としたから感動したのですか?
少し理屈っぽいと感じますが、これが、高次脳機能患者が一般的に理解されない原因
のひとつとなっている現状がります。
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高次脳機能について考える②
失語
失行
失認
病識欠如
自己
認識
遂行機能
記憶機能
情報処理能力
遂行機能障害
記憶障害
情報整理
出来ない
注意障害
注意機能
発動性
覚醒
抑制
無気力 脱抑制
これは前回開催したスライドでものせた神経ピラミッドと呼ばれるものです。
リハビリでは高次脳機能を考える際はこれを使用し、検査・観察からでてきた障害を把
握し、どのような高次脳機能障害があり、それがどのように絡み合っているのか評価し
ます。
前回の説明とかぶりますが、上の階層の機能が働く為には、下の機能が必要となって
きます。いくつか例を挙げたいと思います。
例えば、覚醒状態が低い・寝ている状態では、誰しも意識して何かを行うことができま
せん、寝返りは?と思う人もいるかもしれませんが、寝返りは体が固まるのを無意識に
防いでいる行為で、寝ている中でやろうと思って行っている行為ではありません。もち
ろん音に対して注意したり・何かを記憶したりはできないと思います。他には、記憶機
能より下位の機能が正常であっても、記憶が出来なければ、何かを行う為に計画し考
え、それを実行しようとしますが、記憶することができないので、実際なにをすればいい
のかわからなくなってしまい、結果として、なにも計画通り物事を実行することはできな
い。つまり遂行機能障害となって観察上ではでてくるといったことがあります。
このように、下位の機能が出来るか・出来ないかで高次脳機能障害の程度は変わって
きます。
また、このピラミッドから抽出された問題に失語・失行・失認が絡み合い、各階層に影
響を与える為、更に高次脳機能障害は複雑なものになっています。
上の階層に行くほど高位の機能とされており、自分の状態を自己認識できることが高
次脳機能のリハビリの目標とされています。
自己認識とは、自分の能力では何ができ、何ができないのか、出来るようになる為に
は何が必要なのかを認識し、実行し、そして、継続することです。
簡単なことのように思えますが、実はかなり難しく、私達も難題に直面した時、何が必
要なのか考え、実行することがあります。
実行したことで難題を克服できる場合もありますが、途中で諦めてしまうことも多いと思
います。
例えば、ダイエットや禁煙・禁酒がこれにあたると思います。失敗したからといって高次脳
機能障害と判定されるわけではない(脳に障害がない為)ですが、禁煙できない人はタ
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バコに精神依存していると考える傾向が強く、精神病(依存症)と捉える人も近年では
3
高次脳機能について考える③
16
26.2
29.8
20.2
20.4
遂行機能障害
記憶障害
注意障害
半側空間無視
56.9 行動と感情障害
失語
失認
失行
5.1
11.1
0
20
40
60
このグラフはどの症状がどの割合で表れるのかを示したグラフです。先ほどの神経ピラミッドと照らし合わせ
て考えると底位にある機能、注意障害や記憶障害からの障害が多いことが分かります。
次に、目につくのが6割の方が発症する失語症の割合だと思います。
しかし、失語は、主に左半球損傷に認められる為、右半球損傷の場合はめったに失語症を伴いません。
同様に失認・失行も右半球損傷の場合は症状として出現することはまずありません。
また、半側空間無視は右半球損傷に主に認められ、左半球損傷ではめったにみられません。
半側空間無視とは、片側に置かれたものに気付かない症状を指します。注意障害と似ている部分があ
りますが、詳しいことはまだ、よくわかっていません。
例えば、食事の左半分を食べのこす、左にあるものに気付かず身体をぶつける、首が右側を向いている
ことが多いなどが生活上で見られることがあります。
今回の普及プログラムは高次脳障害となった方の約1/3に見られる注意障害について説明します。
注意障害にはどんな種類があるのか、介護・看護の場面でどのように障害となって表れるのか、そして
その対応について説明していきたいと思います。
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注意機能の種全般性注意障害
全般性注意障害
維持
持続性注意障害
・集中力が続
かない
・運動維持困
難
外界と現実の関係が
保てない
配分
容量性注意障害
同時に複数のことを
行えない
選択
選択性注意障害
・刺激に対し
て過反応
・刺激に対し
て無反応
まず、注意機能の種類について説明していきたいと思います。
注意には、大きく①維持、②選択、③配分の3つに分かれます。そして、それぞれが障害されると持続性
注意障害、選択性注意障害、容量性注意障害となります。また、維持・選択・配分の3つが障害されると
全般性注意障害となります。
次に、それぞれの障害が日常でどのようにあらわれるか説明していきます。
まず、全般性注意障害ですが、全般性注意障害では、精神・心理機能の基礎となる注意が全般的に低
下し、外界との現実的な関係が保てなくなります。その為、会話や思考が断片的で、会話場面では、話
の内容にまとまりがない・話題があちらこちらに移ります。また、全体的にそわそわして落ち着きがな
かったり、逆にぼんやりとして動きが少なくなったりもします。
次に持続性注意障害ですが、文字通り、持続的に集中することが困難、つまり集中力が続きません。ま
た、口を開き続ける、舌を出し続ける、声を出し続けるといった単純な動作も困難となります。
次に選択性注意障害ですが、選択性注意障害では無関係な刺激に対して、注意を奪われやすくなった
り、刺激に対してまったく反応しないといったことが見られます。日常生活では、なにかをしていても、話
し声や物音がするとそっちに目線を奪われることがあります。また、周りに存在する複数の刺激に対して、
必要な対象を選ぶことが困難になり、人が多い場所では会話することが困難となる場合もあります。
最後に、容量性注意障害ですが、容量性注意障害では、一度に処理したり、操作したりできる情報量が
低下します。日常生活では、短い会話はできても、長い会話になると理解が困難になることがあります。
また、課題がひとつならこなせても、いくつかを同時に実行すると間違いが多くなったり、行っている動作
以外への気配りや配慮ができなくなったりもします。日常生活では火を消し忘れたり、約束事を適切に処
理できなかったりといった問題もでてきます
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5
注意障害による生活への支障
①持続性注意障害
⇒集中力がない
⇒何もするにも時間がかかる
②容量性注意障害
⇒注意できる容量が減る
⇒ふたつの事柄の同時進行ができない
私たちは生活していく中で、色々な注意機能を駆使して生活しています。ここでは、もし
注意機能のみ障害されたと仮定(他の機能は保たれている)した時、私たちにどのよう
な困難が待ち受けているのかを想像してもらいたいと思います。
まず、最初に①持続性注意障害について考えたいと思います。
先ほどのスライドで説明したように、持続性注意障害は集中力がなくなります。キョロ
キョロと周りを見渡すことが増加し落ち着きがない印象を他者に与えます。集中力がな
いので一つのことをずっと行うことが困難なため、何をしても時間がかかってしまいま
す。料理をやっていたとしても、色々なものに注意が向いてしまい、結局ひとつの動作
を持続できず時間がかかってしまいます。
次に②容量性注意障害について考えたいと思います。
私たちは起きている間は必ず、なにかを見て、それが何であるのか認識しながら生活
を送っています。そして、特に意識していなくても身近に起こる出来事を無意識的に把
握しています。例えば、家でTVを見ている時に、声をかけられ質問(ご飯は?ご飯は?
などの短い質問)されたらTVを見ながら、且つTVの内容を把握しながら相手の質問に
答えられるといったようにふたつの事を同時にできると思います。
しかし、容量性注意障害になるとこれができなくなってしまいます。
私たちも長い質問が来た場合は、TVの内容を把握しながら相手の質問に答えるのは
困難です。それは人それぞれで注意できる容量が決まっており、その容量を少しでも
超えるとTVの内容を把握できなかったり、質問に答えられなかったりします。しかし、
それは誰しも起こり得ることで障害とはいえません。容量性注意障害の場合は、TVの
内容の把握・質問に対しての返答が両方できなくなります。この注意障害になると、注
意できる容量が極端に小さくなり、人によっては短い文は理解し返答することができて
も、長い文になると理解できなくなる人もいます。
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注意障害による生活への支障
③選択性注意障害
⇒カクテルパーティー効果の消失
⇒探し物が見つからない
⇒会話の理解低下
次に③選択性注意障害について考えたいと思います。
まず、最初に質問したいと思います。
パーティー会場など人が多くいて、色々な人が喋っている中でも、自分が話している人の
声は少し大きく聞こえていませんか?
雑音が大きい場合は、聞こえない場合があると思いますが、まず聞こえるはずです。パ
ティー会場などでは何時声をかけられるのかわからない状態です。その状態の中、特定
の人と話しをすると、脳が選択的にその人に注意を払う為、その人の声は大きく、他の
音は小さくなります。ちなみにこれはカクテルパーティー効果と呼ばれているもので、この選
択的に注意を向ける機能が障害されると、全ての音が均一に聞こえてしまい、街中は
うるさすぎて歩くことができなくなってしまいます。
では、③について考えます。
私たちは生活している間、常に注意も払いながら生活しています。そして、声をかけら
れればそっちに視線を送り、なにか物音がそっちに視線を送りなど、自分にとって必要
な刺激に対してのみ反応しながら生活しています。つまり、自分に関係ある刺激、無関
係な刺激を無意識下で選んで反応しています。もし、無関係な刺激に対して反応する
ようになってしまったら、何かをしていても話し声や物音がしたり、何かが目に入るたび
に、すぐに気を奪われてしまいます。
つまり、選択性注意障害になると周りに存在する無数の刺激から、自分に必要な刺激
を選び出すことが困難になります。
部屋の中にある多くのものから必要なものを見つけ出したり、本や書類から大切な部
分を探し出したりすることが困難になります。
また、さきほどカクテルパーティー効果について説明しましたが、それができなくなると、相手
の会話を選択して聞き取ることが困難になることで会話の理解が低下してしまうといっ
たこともあります
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注意障害による生活への支障
~まとめ~
①持続性注意
⇒視線不安定
②容量性注意
⇒容量over
③選択性注意
⇒誤った刺激への注意選択
※車の運転はできるけどやっぱり危険
持続性・容量性・選択性注意障害が日常にどのような支障をきたすかを説明してきま
したが、持続性・容量性・選択性注意障害の内、ひとつだけの注意障害だけになるとい
うのは非常にまれで、注意障害のある多くの方はこの3つの注意障害がからみあって
生活に支障をきたしています。分類が非常にわかりづらいと思いますので、車の運転
というひとつの例をとって考えたいと思います。
持続性注意障害の場合は、車を運転(操作)することはできるが、目に入ってくる刺激
ひとつひとつに視線が奪われてしまいます。例えば、私たちが気にしない空を飛んでる
鳥などに視線を送ってしまいます。当然のことながら事故を起こす可能性が高くなりま
す。
次に容量性注意障害の場合も、車を運転することはできます。しかも環境によっては
安全に運転できる可能性があります。容量性注意障害の場合は自己の注意の容量を
超えるか超えないかで、症状が出現するので、理論的にはもっている容量を超えなけ
れば運転ができるという訳です。しかし、自己のもっている注意の容量を数値化するこ
と・目に入ってくる情報量を制限することは不可能な為、日常生活での車の運転は事
故に繋がってしまいます。
最後に選択的注意障害の場合です。上記の2つの注意障害と同様に運転することは
できます。選択的注意とは、どの刺激に対して注意を払うかなので、意識してれば適
切な刺激に対して注意を向けることができるので、車を運転することはできます。しか
し、どの刺激を選択するかは基本的に無意識下で行われているので、信号の色注意
が向いてしまい、対向車の後にいるバイクに気付かないなどといったことがあります。
注意障害がなくても不注意による車事故は多発しています。そんな中で注意障害を
持っている方が運転するとういうのは危険が高いと言えます。今回は車の運転という
例で注意障害を説明しましたが、注意障害は日常生活に多大な影響を与えます。どの
ような注意障害があってなんでできないのか理解することで、ある程度対応をすること
が可能です。
では、次に対応について説明したいと思います。
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注意障害へのアプローチ
~対応方法~
①相手の視線を確認して声かけを行う
②指示は短く、一個ずつゆっくりと
③適当な間隔で休憩をとらせる
介助のポイントとしては、こちら側の対応の仕方と、環境設定にわかれます。
まず、対応として、まず相手の視線を確認してから、声かけを行うことです。注意障害
のある人に声かけを行う際に最も重要なことの一つです。リハビリでは相手の注意機
能の向上を目的に、視線に入らない状態で声かけを行う場合がありますが、介護の場
面では、相手のストレスになる為、相手が認識できるような立ち位置で声かけを行います。
そのことで、相手は介助者を認識し注意を向けることができ、指示に従うことができま
す。相手の視線を確認した後の声かけは一個ずつゆっくりと指示します。なるべく、短
い言葉で簡潔に声かけをします。そのようにすることで、処理能力が低下しても指示に
従うことができるようになります。また、注意障害となると自分の周りの音が全部同じ音
量に聞こえる為、疲れやすく注意が続かないことが多くあります。その為無理せずに、
相手のペースを保ち、適当な間隔で休憩をとってもらうことが大切です。そして、休憩
は相手がこちらに訴える前にとらせることが大切です。
基本的にはこの3つが注意障害をもっている人に対応する時のポイントです。しかし、
この3つのポイントを適切に行ったとしても、適切な対応ができるわけではありません。
その為には環境設定が必要となってきます。(次のスライドへ)
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注意障害へのアプローチ
~環境設定~
①静かな場所を確保する
②余計な刺激が入らないよう、余計な物を
置かない
(目に入る情報量を少なくする)
次に環境のポイントについてです。まず、なるべく静かな場所を確保することです。注
意障害が重度の場合は色々な物に注意が移ってしまい、目的の動作が困難になって
しまうことがあります。その為、余計な刺激が入らないよう座っている場所の周りには、
必要のないもの以外はおかないように配慮し、目的の動作を行えるようにします。
そうすることで、注意が散漫になることを防ぎ、声かけに対しても反応しやすくなります。
私たちが注意障害のある方とリハビリを行う際は、なるべく他のセラピストがいない場
所でリハビリを行っています。また、検査などを行う際は、個室で行うこともあります。こ
のデイケア(デイサービス)内は、色々な方がいる為、静かな場所の確保は難しいと思
いますが、注意障害が重度の方などは他の利用者と離れて座ってもらうことで、ある程
度静かな環境を提供できると思います。
また、個室などで対応する場合は、目に入る情報量がデイケルームより少なくなるので、そ
の分こちらに注意が向き易くなります。
高次脳機能障害の人が騒ぎ、訴えがよくわからなかったら、ひとまず、個室へ連れて
行き、こちらの存在に気付いてもらった上で対応するというのもいいのかもしれません。
注意障害は高次脳機能の中でも基本的な機能であり、記憶機能など他の機能に深く
関係します。そのために注意障害の存在は、多くの心理活動に様々な形で影響を及
ぼします。また、高次脳障害となった方は、自分の状態に全く気付かなかったり、自分
がどのような状態にあり、日常生活上の不都合が何を原因として起きているのか、ど
のように対処したらよいのか困惑し、不安そして抑うつになったりする人がいます。そ
れぞれの心理状態に配慮し、支持的で受容的な接し方をすることは、感情的な安定を
もたらすだけでなく、注意機能を十分に引き出すこともできるため、とても大切なことで
す。
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高次脳機能障害での連携
セラピスト
看護師
介護士
ケアマネ
対応方法指導、出来るような対応
在宅時・サービス利用時の状況など
リハビリでは、リハビリ中に患者さんが起こす行動の観察や検査にてどのような高次
脳機能障害があるのか把握し、それがどのように日常生活に影響を与えるかを評価し、
出来なくなった動作を再びできるよう、様々な方法でアプローチしていきます。
しかし、リハビリではある程度高次脳障害を評価できますが、日常生活にどの影響を
与えるのかを全て評価できるわけではありません。また、サービスを利用されている方
で高次脳機能障害であるが、適切にサービスを利用できていたり、他の利用者と楽しく
お話をしている方もいます。しかし、高次脳機能障害は、なにかしら生活に影響を及ぼ
します。
例えば、リハビリでは適切にトイレ動作は出来ても、生活場面では出来なかったり、人に
よってはトイレットペーパーの使い方がわからなかったり、箸は使えてもスプーンやフォークが
使えなかったり、話かけたのにそれに気付かず相手に不快な感情をもたせたりと色々
とあります。
実際の生活場面で出来ているのかどうかは日常生活を支える介護・看護士が評価し
ます。どのようにできなかったのか、何ができなかったのかなど情報は、非常に重要な
ものです。そのような情報がないと出来ないまま放置になってしまうので、どんなささい
な情報でも提供していただきたいと思います。
また、サービス利用時と在宅時では心理状態が異なる為、在宅時問題となる行動があ
るのか、そして、何ができていないのかなども非常に重要です。
高次脳機能障害はまだ完全に確立されていない障害であり、社会の認知度も低い状
態です。他の病院と異なり、当院では入院、在宅、デイケアなどがあり、環境による変
化を把握しやすいところです。
他職種が様々な形で情報提供をし、適切に高次脳機能障害をサポートできる環境・高次
脳機能障害に強いクリニックにできればと考えています。
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ご静聴
ありがとうございました
※参考資料
1)本田哲三:高次能機能障害のリハビリテー
ション,医学書院,2006
2)石合純夫:高次能機能障害,医歯薬出
版株式会社,2003
今回の発表はこれで終わりにしたいと思います。
最後までご静聴ありがとうございます。
次回からは脳血管障害・骨折など疾患ごとの説明に入ります。
立ち上がりや移乗動作を行う際、疾患ごとによってやり方・リスク管理の仕方が異なっ
てきます。
適切な介助方法を行うには、適切な知識をもっていないと、過介助になったり・転倒リ
スクを高めることに繋がります。
その為、各疾患の説明をし、疾患ごとにどのような状態になるのか、どのようなリスク
があるのかを知ってもらった上で移乗方法などの説明・実践に入りたいと思います。講
義ばかりで疲れてしまうと思いますが、最後までお付き合いいただきたいと思います。
今回は、高次脳機能障害の注意障害に焦点をあて説明しましたが、注意障害につい
て、また、その他気になることありますか?
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