64 歳からの教員だけ、突然のボーナスカット 納得できる理由はあります

64 歳からの教員だけ、突然のボーナスカット
納得できる理由はありますか?
九州大学教職員組合
(1)生活を脅かすことになります
数百万円にも及ぶ年収減。私たち教員と家族の生活はどうなるのでしょうか。
(2)この時期に突然の話
平成 16 年に定年延長を決定。これを念頭に人生設計を組み立ててきました。
この時期に突然「ボーナスはありません」といわれても、どうしろというのでしょうか。
(3)理事の責任は
理事は自らの責任をどう考えているのでしょうか。
(4)労働契約の大幅な不利益変更
就業規則は年 2 回のボーナスを支給することを定めています。もちろんこれは 65 歳の
定年まで同じです。「64 歳と 65 歳は別」などとはいっさい定めていません。
私たち教員は年 2 回ボーナスを支給するという労働契約で働いているのです。
現在 64 歳の人が存在するかどうかは関係ありません。ベテランも若手も同じです。
年 2 回ボーナスを支給するという労働契約からボーナスを支給しないという労働契約へ、
大幅に不利益に変更するものです。
(5)「高度の必要性」に基づいた合理的な理由がなければできません
労働契約の不利益変更は、労働者の合意がない限りできません(労働契約法 9 条、最
高裁判例)。
例外的に、合理的な理由がある場合、特に賃金(ボーナスも賃金です)・退職金といっ
た重要な部分については「高度の必要性に基づいた」合理的な理由がある場合に初め
てできるのです(労働契約法 10 条、最高裁判例)。
そうしなければ九大が危機に瀕してしまう、どうしてもそこまでしなければならない、数百
万円もの不利益もやむを得ない、そうした強力な理由が果たしてあるのでしょうか。
(6)他の国立大学の状況は その 1
【7 大学】
・定年 65 歳 処遇引き下げはしない→東大、京大、名大
・定年 65 歳 処遇引き下げ→東北大、阪大
・定年 63 歳 再雇用→北大
【九州地区】
・定年 65 歳 処遇引き下げはしない
→大分大、佐賀大、長崎大、熊本大、宮崎大、鹿児島大、琉球大
・検討中→福岡教育大
・定年 63 歳 再雇用→九州工業大
【全国】
65 歳かそれ以上で、処遇の引き下げはしない大学が多数です。
全国の国立大学の状況を教えてもらう必要があります。
(7)他の国立大学の状況は その 2
【7 大学】
・法人化の時点で定年延長と処遇は決定済み
→東大、九大
・法人化後の昨年から今年にかけて定年延長と処遇を検討
→北大、東北大、名大、京大、阪大
「既に定年延長と処遇が決定」している東大・九大と、「今から定年延長をしましょう、同
時に処遇をこうしましょう」としている北大・東北大・名大・京大・阪大とは、全く話が違い、
同列に考えることはできません。
今頃になって、突然処遇引き下げをしようとしている大学は九大のみです。
(8)財務状況は
数を減らすか、給与を減らすかと、何か人件費削減が前提の話になっていますが、そも
そも財務状況はどうなっているのでしょうか。九大は、他大学と比べてそんなに人件費が
高いのでしょうか。
・総人件費改革
平成 17 年度:約 360 億円から平成 22 年度:約 342 億円へ、5%の削減義務
→平成 21 年度の総人件費は約 325 億円
既に 17 億円も超過し、9.6%の削減を達成(九大公表資料)
・財務格付け→民間格付け会社 最高ランクのAAA
・財務評価→国立大学評価委員会 5 段階の上から 2 番目「良好」
(9)64 歳と 65 歳に不利益が集中
常識的に考えて、これはないでしょう。