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「簡単朝食レシピ」のススメ

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行政情報
「簡単朝食レシピ」のススメ
農林水産省北陸農政局食糧部食糧調整課
山 之 内 志 郎
いても朝ごはん喫食を推進する取組の一環
1.はじめに
朝食というと、出勤、登校前の限られた
として、昨年、オリジナルの朝食向けレシ
忙しい時間の中で、毎日しっかり食べるの
ピの制作・普及に取り組むこととしました。
は難しいと思われる人が、特に20代・30代
朝ごはんといっても、ご飯に味噌汁、あ
といった若い世代に多いといわれています。
るいはトーストにコーヒー等と人それぞれ
時間がない、あるいは食欲がない等様々な
のスタイルがありますが、今回のレシピ
理由が考えられますが、その一方で最近は、
制作にあたっては、まず日本型食生活を
朝食を摂ることの重要性や朝食の欠食によ
推進する観点から、「ご飯」を主食と考え
る弊害等についても知られるようになりま
た「朝ごはん」のレシピを作ることとしま
した。例えば朝食を抜くと、
した。また、「朝ごはん」と言えば味噌汁、
・脳のエネルギーが不足し集中力の低下な
納豆、豆腐さらには調味料として醤油と
どを起こす。
いった豆を使った料理・食品がすぐ浮かぶ
・お昼に「どか食い」しがちになり、肥満
ように、豆は「朝ごはん」に欠かせない食
の原因となる。
材となっています。本稿では、北陸農政局
などといった弊害があるといわれており、
における「簡単朝食レシピ」の取組につい
また、朝ごはんを毎日食べる児童生徒の方
て、報告します。
が、テストの正答率が高い傾向があると
いった報告もされています。
2.「簡単朝食レシピ」制作の経緯
農林水産省では、平成19年度から「めざ
北陸農政局では、従前より自給率向上及
ましごはんキャンペーン」として、朝ごは
び米の消費拡大に係る取組の一環として、
んの欠食の改善につながる様々な情報(朝
地場産農産物等を活用した北陸の食材・食
食レシピや健康面からのサポート情報な
品等(地酒、発酵食品、和菓子等)や米ど
ど)を様々なメディアやホームページ等を
ころ北陸の「元気なおにぎり屋さん」等と
通じて提供していますが、北陸農政局にお
いった情報を、北陸農政局ホームページ等
- 18 -
から発信していましたが、19年度における
食レシピ&元気なおにぎり屋さん」として
取組の一つとして、前述の「めざましごは
3月のはじめに発行することができました。
んキャンペーン」を踏まえ、企画したもの
掲載したレシピは、材料に加賀野菜を
が「簡単朝食レシピ」の制作でした。
使ったもの(「芋ごはん(五郎島金時)」、
「簡単朝食レシピ」の制作にあたっては、
「能登わかめと源助大根の明太子和えサラ
郷土料理(金沢では「じわもん」と言いま
ダ」など)あるいは車麩、白山堅豆腐と
す。)に造詣が深く、食育活動にも熱心に
いった地域の特産品を用いた料理(「車麩
取り組んでいる石川県料理学校協会へご相
と野菜の卵とじ」、「白山堅豆腐のソテー」)
談をお願いし、朝ごはんの欠食改善、自給
などに代表されるように、郷土料理の面影
率向上、ごはん食の推進といった主旨を
のある特徴的なものとなり、当初の要件を
説明するとともに、こちらのイメージす
充分に満たすことができたと思われます。
る「簡単朝食レシピ」として、できるだけ
地場産農作物等を活用すること、ご飯との
3.「簡単朝食レシピ」の普及
マッチング、タイトルどおり朝ごはんとし
て簡単に手早く作れること、北陸地域の郷
土料理的な特色等を考慮したものといった
要件についてもお話しいたしました。
取組の主旨については、石川県料理学校
協会としても日頃取り組んでいる活動に通
じるとのことで、快く賛同をいただき、加
えてレシピの制作に当たっての具体的な助
言や指導をいただくとともに、協会傘下の
料理学校の先生方からレシピのアイデアを
募っていただくこととなりました。
実際の取組としては、年末から年明け
早々にかけてのあわただしい中、各料理学
「簡単朝食レシピ」はホームページでの
校へ取組についての説明をしていただき、
紹介や小冊子の各種イベント等での配布等
それから1カ月程といった短い期間に20点
のほか、レシピ制作が決まった当初の企画
近いレシピ案をいただくことができました。
段階から、その制作にあわせて、朝ごはん
その中から17点のレシピをホームページに
の重要性と朝食欠食の弊害について周知を
掲載、紹介するとともに、小冊子として発
図るとともに、「簡単朝食レシピ」を紹介
行するよう、前述のおにぎり屋さん(16店
する場としてのイベント「簡単朝食シンポ
舗)の紹介記事と併せて編集し、「簡単朝
ジウム」を企画・開催することとし、その
- 19 -
準備を進めました。
テーマでお話をいただきました。朝食を摂
シンポジウムにおいては、食に関する各
ることは日々の生活のスタートとして重要
方面のスペシャリストによる講演・パネル
なことであり、朝食に必要な栄養素やどん
ディスカッション等を盛り込むこと、特に
な朝食を摂るべきかなどについて、ベネッ
朝食欠食が心配される20代、30代の人たち
セコーポレーション食育研究所による調査
や正しい食生活が生活習慣として身につく
データに基づいた説明が行われ、多くの参
よう子供たちの指導・教育にあたっている
加者が熱心にメモをとられている姿からも、
学校、幼稚園等の先生方等の参加を促すこ
朝食の重要性が再認識されたことと思われ
と、シンポジウムの中で、レシピの料理を
ました。
参加者に試食してもらうこと等を骨子とし、
続くパネルディスカッションでは、コー
レシピが小冊子として発行される時期を目
ディネーターとして木村留美子氏(金沢大
途に開催することとしました。
学大学院医学系研究科教授)、パネリスト
開催日は「簡単朝食レシピ&元気なおに
として青木悦子氏(石川県料理学校協会会
ぎり屋さん」発行直後の平成20年3月8日、
長)、劉園英氏(医学博士・北陸大学薬学
場所は兼六園に隣接する「石川厚生年金会
部准教授)に加わっていただき、「若い世
館(ウェルシティ金沢)」(定員100名)と
代への簡単朝食の普及」をテーマに若い世
決まり、その後も講演者・パネリストへの
代の欠食率の高さとその子供たちに及ぼす
依頼、試食メニューの打合せ、さまざまな
影響、朝食の欠食と生活習慣病の関係、健
機会でのシンポジウム開催の案内等準備を
康の秘訣など朝食に関わる幅広い意見が交
進めました。
わされ、若い世代が朝食を摂るためのアド
開催当日は、いまだ寒さの残る冬場の北
バイスをいただきました。
陸ということもあり、参加者の出足がなに
参加者からは「学生の時にも同じ課題に
より心配されましたが、開会時には空席も
取り組んだけれど、それ以上に勉強になっ
なく、出席された者の関心の高さがうかが
た。」
われました。参加者の構成は女性が7割強、
「『食育』という言葉をよく聞いていました。
20歳代及び30歳代の方が5割で、職業別で
今日脇先生の話を聞いて(これまで漠然
は保育所、小学校等の教育関係者や栄養士
としていたものが)ようやく1本につなが
をされている方、地域の福祉健康センター
りました。」など、参加してよかったとの
等といった団体からの参加者がめだちまし
声をいただきました。
た。
パネルディスカッションのあとは、休憩
基調講演では、脇清美氏(ベネッセコー
をはさみ、隣部屋に用意した「簡単朝食レ
ポレーション食育研究所事務局長)を講
シピ」メニューの試食会場へ。試食会場に
師に、「朝ごはんで、生活リズム」という
は「簡単朝食レシピ」の中から13品(季節
- 20 -
「1人で」が44%、「全員ではないが家族
と」及び「家族全員で」が51%。「朝食に
主食として食べる(食べたい)ものは?」
の問い(複数回答あり)には「ご飯」が
66%、「パン」が36%となり、ご飯食への
志向が顕著になっています。
「簡単朝食レシピ」に係るアンケートで
は、作ってみたい「簡単朝食レシピ」と
もので食材の入手が困難なもの等を除きま
してアンケートを行ったところ、「納豆の
した。)の料理を用意し、レシピ制作にご
そぼろ丼」が一番人気で、「なめこ入り蓮
尽力いただいた石川県料理学校協会会長の
根すり流し汁」「シラスと中島菜の和えご
青木悦子氏から「簡単朝食レシピ」(小冊
飯」がこれに続く結果となりました。「納
子「簡単朝食レシピ&元気なおにぎり屋さ
朝食について
ん」を配布)についての説明をいただいた
毎日食べている
後、参加者による試食をしていただきまし
8%
た。料理はすべてウェルシティ金沢内のレ
時々食べる
食べない
3%
ストランに調理をお願いし、バイキング形
89%
式で食べていただきましたが、参加者から
は、「おいしい」「作ってみたい」等の声を
いただき、こちらも好評でした。
朝食は誰と食べますか?
また、参加者には試食と閉会までの時間
を利用して、当シンポジウム及び「簡単朝
1人で
家族全員で
全 員 で はな い が 家族 と
その 他
5%
食レシピ」に係るアンケートをお願いしま
44%
した。
38%
回答をいただいたアンケートを見ると、
13%
朝食欠食についての問いには、日頃から食
育に関心が高く、教育の現場等で実践され
ている方が多かったこともあってか、「食
朝食に主食として食べる(食べたい)ものは?
べない」は3%と低い結果でした(ただし
䛭䛾௚
「時々食べる」を欠食に含めると10.6%と
㯝㢮
全国並み[全国値は10.7%厚生労働省「国
䝟䞁
民健康・栄養調査(平成17年)」による])。
䛤㣤
「朝食は誰と食 べますか?」の問いには
- 21 -
0
10
20
30
40
50
豆のそぼろ丼」について
作ってみたい「簡単朝食レシピ」は?
(アンケート上位10品)
は、納豆の好き嫌いで意
䠄ே䠅
見が分かれるかと思われ
35
ましたが、試食された参
30
加者から「納豆をどう工
25
夫しても克服できなかっ
20
32
25
25
19
16
18
15
18
15
15
たが、『納豆のそぼろ丼』 15
はほとんど抵抗なく食べ
10
られました。」といった
5
感想をいただくなど、試
0
食が好評につながったよ
うです。
また、このほかにもア
ンケートに設けたご意見欄にたくさんのご
意見・ご感想をいただきました。
「(保育士さんから)子供たちの生活習慣
の乱れを日々感じています。今日、教えて
「小さい子供を持つ母としても、今日、
いただいたことを保護者の方や同僚に伝え
教えていただいたことを参考に、朝食のバ
たい。」等々いただき、総じて好評価とと
ランスなどに気をつけていきたいと思いま
もにシンポジウム以降にも朝食喫食と「簡
す。簡単朝食レシピも利用していきたいで
単朝食レシピ」の普及に期待が寄せられる
す(試食することでやる気がアップしまし
結果となりました。
た)。」
「子供にとって、朝食をきちんと食べる
4.豆を使った「簡単朝食レシピ」
ことがいかに大切かよくわかった。料理学
郷土料理や地域の特産品には豆や豆加工
校などで、実際、朝ごはんのサンプルを親
品を使った料理がしばしば登場します。北
が手作りして、子供に食べさせるような機
陸では「堅豆腐」(白山麓一帯)、「ごま豆
会があればいいと思う。」
腐」(福井県)、「打ち豆」(福井県)といっ
「納豆とひき肉のとり合わせは、目から
ウロコだった。」
た食材、すり潰した大豆(呉)を味噌汁に
溶かした「呉汁」(富山県、福井県)、野菜
「充実した内容でとても参考になりまし
と小豆を味噌で煮込んだ「いとこ煮」(富
た。このシンポジウムはたまたま友人が見
山県)といった精進料理に代表される郷土
つけて声をかけてくれたので参加できまし
料理などがありますが、「簡単朝食レシピ」
たが、もっといろいろな人に参加してもら
においても豆・豆加工品を使った朝食メ
えるよう PR したらいいと思う。」
ニューをとりあげていますので、最後にそ
- 22 -
の中から3品のレシピを紹介いたします。
・豆腐と卵の炒り煮
① フライパンに豆腐(1丁)を入れ、
・納豆のそぼろ丼
炒りつけながらほぐします(水気が出
① 納豆(1パック)にお好みにより溶
たら捨てます)。
き辛子を混ぜ合わせます。
② 卵(2個)を次に入れ、よく炒りつ
② フライパンに豚挽き肉(80g)を入
け、調味(酒、醤油、豆板醤)します。
れて混ぜながら火にかけ、醤油、砂糖、
③ 小ねぎを小口切りにして混ぜ入れま
酒を入れて味を付け、汁気を飛ばして
す。
肉そぼろを作ります。
④ 炒り煮にサラダ菜とミニトマト(半
③ ご飯を盛り、上に①、②を乗せ、小
分切り)を盛りつけます。
口切りにして水洗いした万能ねぎを振
〈材料〉
ります。
豆腐:1丁、卵:2個、酒:大さじ2、
〈材料〉
醤油:大さじ1、豆板醤:小さじ1、
納豆:1パック、豚挽き肉:80g、溶
小ねぎ:5本、サラダ菜:2枚、ミニ
き辛子:好み、醤油・砂糖:各大さじ
トマト:2個 2、万能ねぎ:2本、酒:大さじ1、
ご飯2杯
材料の分量は2人分で、調理の所要時間
は10分から20分。いずれも納豆とそぼろ、
黒豆とポテトサラダ、豆腐と炒り卵といっ
・黒豆入りポテトサラダ
た組み合わせが特徴的なメニューとなって
① じゃが芋(中3個)は茹でてつぶし、
います。
調味(マヨネーズ、塩、こしょう、酢、
牛乳)します。
このほかにも前出の「堅豆腐」を使った
「白山堅豆腐のソテー」などのメニューも
② 黒豆(味付けして煮た市販品、20粒)
を①の中に入れ混ぜます。
ありますが、それらのレシピや詳細につい
ては、北陸農政局ホームページを参照いた
③ お皿にサラダ菜を敷き、黒豆入りポ
だければと思います。
テトサラダを置き、ハムとミニトマト
http://www.maff.go.jp/hokuriku/food/
を飾ります。
asagohan/index.html
ホーム > 政策情報 > 食料 > 食べよう ! 作ろ
〈材料〉
じゃが芋:中3個、黒豆(市販品):
う ! うまいもん北陸 ! ~ライスランド北陸
20粒、マヨネーズ:大さじ3、塩・こ
2007~ > 簡単朝食レシピ
しょう:少々、酢・牛乳:各大さじ1、
サラダ菜:2枚、ハム:4枚、ミニト
マト:3個
- 23 -
【納豆のそぼろ丼】
【黒豆入りポテトサラダ】
【豆腐と卵の炒り煮】
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