2015 年版 ベトナムにおける問題点と要望 1/30 ベトナムにおける問題点と要望 区分 1 外資参入規制 意見元 No 問題点 JBMIA JEITA 日機輸 日商 日商 (1) 外国投資の禁止・ ・ファイナンスリースのパートナーを探しているが、リース事業は外資に開放されて ・リース事業の外資企業への開放。 制限事業の存在 おらず、高級機種の販売が難しい。 全楽協 問題点内容 ・小売行為が原則現地資本の会社しか認められていない。 要望 準拠法 ・外資企業の参入条件を緩和して頂きた い。 ・規制緩和。 ・投資法 ・投資法 Law No.59/2005/HQ11 ・Decree No.59/2006/ND-CP ・出版物(CD、DVD 含む)輸入の投資ライセンスが外資に開放されていない。 (対応) ・2007 年 1 月 11 日、ベトナムは WTO に加盟した。流通サービス分野の解放スケジュールは次の通り。 1) 代理店・卸売・小売サービス・フランチャイズの進出形態 −2007 年末まで・・・合弁での進出、外資の出資比率は 49%まで −2008 年 1 月 1 日以降、・・・外資は 49%以上の出資が可能 −2009 年 1 月 1 日以降、・・・外資 100%での進出可能 2) WTO 加盟と同時に、流通事業(distribution)を行う外資系企業 −輸入及び国内生産品の代理店、卸売、小売事業が可能 3) フランチャイズ −WTO 加盟から 3 年後に支店展開が可能 ・ベトナムは 2007 年 1 月に WTO に加盟し、2009 年以降、WTO コミットメントにより流通分野において 100%外資法人の設立が可能になる。しかし、流通 分野のうち、ガソリン、医薬品、雑誌、書籍、新聞、DVD、タバコ、米、砂糖、希少金属、原油・同製品の小売市場については外資に開放せず、特にガソリ ンの小売市場は、国営企業による流通支配を継続する。なお、鉄鋼、セメントの流通市場は、WTO 加盟後 3 年以内に外資に開放される。 ・小売サービスについては、2009 年 1 月以降外資比率制限が撤廃された。しかし、WTO 加盟議定書作業部会報告(WT/ACC/VNM/48)の添付 2 で、小 売の 2 店目以降の拠点設立には、進出先地域の小売店舗数、地理的規模、市場の安定性、人口密度、地域・都市計画と投資計画の適合性についての 「経済ニーズテスト」に基づき事案ごとに検討される。 ・2010 年 10 月、「日メコン産業政策対話」における提言書で、ベトナムの小売サービスの近代化のために、ベトナムでの小売サービス事業参入の際に求め られる「経済的ニーズ考査(ENT)が 2 店目以降の事業拡大の際に実施されるが、ENT の詳細やプロセスが不明確で実質的な参入障壁になっていること に規制緩和を求めた。 ・ベトナムにおいて、ファイナンスリースなどのノンバンク事業は、金融機関法に基づき規制されている。ファイナンスリース事業は WTO コミットメントにより 100%外国法人(独資外国会社)で行うことが認められているが、2010 年改正金融機関法の下での規律されるべきファイナンスリース会社の組織・運営に 関する政令等の下位法規が未だ制定されていないためライセンス発給が事実上停止されている。ただし、中央銀行は近日中に下位法規を発布予定であ るとコメントしている。(西村高等法務研究所編『アジア進出企業の法務』(2013 年 4 月)299 頁) ・ベトナムの WTO 加盟議定書の付録において、小売に関し、2 店舗目以降の拠点設立について進出しようとする小売店舗数、地理的規模、市場の安定 性、人口密度、地域の開発計画との整合を考慮する”Economic Needs Test”に基づき事業毎に検討するとされている。 ・2013 年 4 月 27 日、商工省は外資企業の小売活動のガイドラインとして Economic Needs Test(ENT)の基準や手続を規定した通達 08/2013/TT-BCT を公布し、ENT 審査の対象地域を省・中央直轄都市から区・郡に縮小、省・中央直轄都市がありインフラ建設が完了している地域において 2 店舗目以降 を 500 平方メートル未満の面積で出店する場合には ENT を不要とする等の規制緩和がなされた。 ・投資計画省は、一定のサービス分野(例、オペレーターを伴わない建設機械及び設備のレンタル又はリース)に関し、日越投資協定を根拠として、WTO コミットメント上の外資規制よりも緩和された条件を日本からの投資に適用する旨のオフィシャルレター(計画投資省 No.6983-BKHDT,2012 年 9 月 12 日 付)を発出している。(西村高等法務研究所編『アジア進出企業の法務』(2013 年 4 月)301 頁) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 2/30 準拠法 ・2014 年 11 月 26 日、新しい投資法(67/2014/QH13)が公布され 2015 年 7 月 1 日から施行された。 ①投資禁止分野:現投資法下では 51 分野であったのが、新投資法では 6 分野(麻薬、化学物質・鉱物、希少な野生動物、動物標本、売春・人身売買、 人の無性生殖に関する事業)に限定され、大幅に削減、 ②条件付投資分野:現投資法の 386 分野から新投資法で 267 分野に削減(国防、国家の治安、社会秩序、安全、社会道徳、市民の健康を理由とする条 件を満たした場合にのみ認められる)。267 分野には、「11 金融,銀行,建設,古物,遺物,作家の著作権分野における司法鑑定業務」、「22 国内で の小売りを目的とした商品を調達する事業」を含むほとんどすべてのサービス事業が対象として挙げられている。 【参考】条件付き経営投資分野は、「ベトナム 2014 年投資法:別表 4 条件付き経営投資分野,業種の目録」に列記されている。URLは (JICA: http://www.jica.go.jp/project/vietnam/021/legal/index.html) 日商 6 外資優遇策の縮 日機輸 小 日商 日商 日商 (2) 外資出資比率制限 ・既存地場金融機関への出資が外資 1 社あたり 15%(首相の特別承認を受けた 場合 20%)と低く、経営に影響力が出しづらい状況。 (対応) ・2014 年 1 月、ベトナム政府は外国投資家による国内銀行への出資比率上限 15%を、戦略的投資家の場合は 20%に引き上げた。(政令 01/2014/ND-CP) (改善) ・2015 年 6 月 26 日、政府は、上場企業の「外資保有割合」の上限(49%)を一部撤廃する政令 60 号(No.60/2015/ND-CP)を公布した。 (1) 外資優遇措置の不 ・投資法 2014 が国会を通過したが、依然優遇措置に関する定義が曖昧で特に ・投資に対する条件や優遇措置を明確に規 ・Article 15-18, Law on Investment 2014 明確 新規追加投資に対する優遇措置が不明である。 定した文書を発布してほしい。 ・ベトナムへ進出している自動車メーカーの多くはタイを中心とした ASEAN 他国 ・恩典獲得のための具体的な条件、それに ・Decision 49/2010/QD-TTg and に大規模生産拠点(含輸出)あり。スケールメリットにより、タイ等での生産コストは 対する恩典内容について早期明確化。 Decision ベトナムよりも安い。2018 年に CEPT 関税撤廃が確定しているため、2018 年以 66/2014/QĐ-TTg 降の生産事業継続のためには、政府からの然るべき施策が不可欠。マスタープ ・自動車産業育成戦略・同 ランが公布されるも、現時点では具体的な条件・恩典が不透明。 ・法人所得税(CIT)インセンティブの適用条件、及び申請方法が不明確。 ・CIT インセンティブについて明確な適用条 マスタープラン(2014/7 首 相承認) 件及び申請方法を示して頂きたい。 ・Resolution 63/NQ-CP ・自動車とオートバイ事業拡張に対するインセンティブに関して、税務署による投 ・投資ライセンスのインセンティブを継続す ・Investment Law 2005, 資ライセンスと法律解釈が異なる。 る。 Decree 108/2006/ND-CP by Gov ・Law on Enterprise Income Tax 2008 & revised in 2013 ・Decree 218/2013/ND-CP by Gov ・Circular 78/2014/TT-BTC by MOF (対応) ・WTO の「補助金及び相殺措置に関する協定」第 3 条では、輸出補助金や輸出促進型投資インセンティブが禁止されている。ベトナムの WTO 加盟に伴 い、輸出補助金、輸入代替品に対する補助金は撤廃、また輸入代替促進のための税制上のインセンティブ措置は加盟後 5 年を経て廃止される。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 3/30 準拠法 ・ベトナム政府は 2008 年 3 月 14 日、各種経済特区の管理に関する政令第 29 号(No. 29/2008/ND-CP)を公布した。同政令は、工業区、輸出加工区、 経済区及び国境関門(ボーダーゲート)経済区の設立・拡大に関する条件のほか、工業区及び経済区で行われるプロジェクトに対する投資優遇措置につ いて規定している。同政令は、2008 年 3 月 26 日付け官報(Official Gazette)第 201 号及び第 202 号で公布され、同年 4 月 10 日に発効した。これに 伴って、従前の諸決定及び同政令に相反するその他の規定は失効した。 ・グエン・タン・ズン首相は 2008 年 2 月 14 日、輸出促進措置の実施に関する Official Letter 第 227 号(No. 227/TTg-KTTH)を公布した。この実施令 は、輸出品の生産を拡大し、輸出品に使われる原材料の生産を強化するための計画を官民が協力して提案するよう指示している。具体的には、(1)輸出 品に使われる原材料の生産支援センターの設立、(2)多くの輸出品に使われる原材料の生産部門に対する外資 100%出資の年内許可、(3)WTO の原則 に従った輸出促進措置の策定などが挙げられている。 ・2007 年会計年度より繊維・縫製の輸出実績にリンクした税優遇措置が廃止される。(Decree 24, 46 条 2 項) ・次の条件を満たす投資プロジェクトは、特恵 CIT 税率を享受することができる。 (1)政府が投資法に基づき公布した「投資奨励セクター・特別奨励セクター一覧」に記載されている産業・セクターへの投資、 (2)政府が投資法に基づき公布した「困難な環境社会条件の領域・特別に困難な環境社会領域一覧」に記載されている領域への投資、 (3)「投資奨励セクター一覧」に記載された産業・セクター、または「困難な環境社会条件の領域一覧」に記載された領域に新規に設立された事業所の投資。 当該一覧は、「投資法」の条文多数の施行に関する指針を規定している法令 108/2006/ND-CP(GOV、2006 年 9 月 22 日付)(「法令 108))において詳 細に規定されている。特恵 CIT 税率は、事例に応じて 10%、15%、20%が適用される。当該特恵税率は、当該投資プロジェクトの操業日から、各々10 年、12 年、15 年間の期間にわたり適用される。当該期間が満了した場合、税率は一般的には標準税率 28%となる。事業者が支払うべき CIT は、事業所 が操業場所を移転した場合に CIT の減免を除き、特恵 CIT 税率を受けられない。投資プロジェクトにより新規に設立された事業所、および移転した事業 所が支払うべき CIT は、下記の通り減免される。 CIT の減免 対象 CIT 免除 CIT 減額 投資プロジェクトにより、新規に設立された生産事業所、および承認を受けた計 課税対象となる所得が生じてから、 連続 2 年間、支払うべき 画に従い、都市地区から移転した事業所 最初の 2 年間 CIT 額を 50%減額 「投資奨励セクター一覧」に記載されている産業・セクターにおける投資プロジ 課税対象となる所得が生じてから、 連続 3 年間、支払うべき ェクトにより、新規に設立された事業所 最初の 2 年間 CIT 額を 50%減額 「困難な環境社会条件の領域一覧」に記載されている領域における投資プロジ 課税対象となる所得が生じてから、 連続 6 年間、支払うべき 最初の 2 年間 ェクトにより、新規に設立された事業所、および「困難な環境社会領域一覧」に CIT 額を 50%減額 記載された領域へと移転した事業所 「投資奨励セクター一覧」に記載されている産業・セクターにおける投資プロジ 課税対象となる所得が生じてから、 連続 7 年間、支払うべき ェクトにより、新規に設立され、「困難な環境社会領域一覧」に記載された領域 最初の 3 年間 CIT 額を 50%減額 において実施されている事業所 課税対象となる所得が生じてから、 連続 9 年間、支払うべき 「特別投資奨励セクター一覧」に記載されている産業・セクターにおける投資プ 最初の 4 年間 ロジェクトにより、新規に設立された、あるいは「特別に困難な環境社会領域一 CIT 額を 50%減額 覧」に記載された領域において実施されている事業所 ※特恵税率、上記の CIT 減免は、独立採算を実施し、納税申告書に従って納税をしている新規の事業所にのみ適用される。 ・政府は 2007 年 5 月 19 日に Decree 80/2007/ND-CP を発行し、科学・技術企業に関する規則を定めた。この Decree 80 により、当該企業は統一企業 法と科学・技術法に基づき、法人を設立することができる。また、以下の条件を満たす場合には、ハイテク団地に適用される法人所得税上のインセンティブ を受けることができる。 −科学・技術企業の証明書を有していること。 −科学・技術製品の生産と売買による収益が、初年度における総収益の 30%、次年度における総収益の 50%、3 年度目以降における総収益の 70%を占 めること。 また、当該企業は、法人所得税上のインセンティブに加え、土地使用権や住宅所有権の登録にかかる印税が免除される。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 4/30 準拠法 ・2007 年 6 月 22 日、首相は Directive 15/2007/CT-TTg を発効し、各省庁に対し、外国投資を誘致するための調査と行動計画の策定を指示した。 ・ベトナム政府は 2007 年 8 月、ベトナムの経済発展と投資誘致を引き続き促進するため、経済特区で実施されるプロジェクトに対して追加的な優遇措置を 与える新たな政令案を策定した。この政令案は、ハイテク関連プロジェクトや社会経済的に遅れた地域において実施されるプロジェクトに対して、法人所 得税率の引き下げなど特別優遇措置を与えている。ベトナム財務省が 2007 年 7 月 5 日付け通達第 76 号(Circular No. 76/2007/TT-BTC)によってチ ューライ開放経済区に対して適用した投資優遇措置に関し、当該経済区において投資を行う投資家の法人所得税率は、その営業開始から 15 年間にわ たり 10%の優遇税率が適用される。その対象となるのは、ハイテク関連プロジェクトやプロジェクトの全期間を通じて当該地域の社会経済的な発展に大い に寄与したプロジェクトである。ベトナム政府は 2007 年内に 22 の新たな経済特区を建設する予定である。 ・財務省は 2007 年 8 月 2 日、Circular 93/2007/TT-BTC を発行し、ビン・トゥアン省フー・クィー島に進出する投資案件を適用対象とする、いくつかの金 銭的インセンティブ制度と優遇策を公表した。新規生産拠点または新会社の設立を伴う投資案件は 10%の法人所得税率を 15 年間にわたり適用され、課 税所得が生じてから 4 年間は法人所得税を免除され、それに続く 9 年間は法人所得税の 50%減免を受けられる。島全体の社会経済条件に影響を与える ハイテク案件や大規模案件は、案件の継続期間を通じて 10%の法人所得税を適用される。 ・財務省は 2007 年 9 月 7 日、Circular 108/2007/TT-BTC を発行し、政府開発援助を活用した案件やプログラムの財務管理に関するガイダンスを提供し た。この Circular は、2006 年 11 月 9 日付け政府 Decree 131/2006/ND-CP の施行規則である。この Circular は、ODA 資金の優遇借入で賄われる プログラムや案件の準備段階および実施段階、無償 ODA、一部無償 ODA に適用される。なお、財務省は 2007 年 10 月 23 日、Circular 123/2007/TT-BTC を発行し、政府開発援助を活用したプログラムと案件を対象とした税政策および税制優遇策に関するガイダンスも提供している。 ・財務省は 2007 年 10 月 11 日、Official Letter 13721/BTC-TCT を発行し、資本移転にかかる法人所得税に関するガイダンスを提供した。これにより、 2004 年 1 月以降に発生したキャピタルゲインについては 28%の税率が課されるようになる。 ・ベトナム財務省は、2007 年 11 月 23 日付け通達第 134 号(Circular No. 134/2007/TT-BTC)で、法人所得税法(2007 年 2 月 14 日付け政令第 24 号 (Decree No. 24/2007/ND-CP))の実施細則を公布した(2007 年 12 月 18 日より施行)。通達第 134 号は、法人所得税の課税対象者、課税所得、控除 可能な費用、優遇措置に関する指針を定めている。同通達は、販売促進・宣伝広告費(市場調査費は除く)の控除を最大 10%まで認めているほか、控除 可能な費用の範囲を広げ、従業員関連の固定資産にかかる減価償却費も適用範囲に入れている。同通達はまた、法人所得税法で概説されている「社会 経済的にきわめて困窮している地域」におけるプロジェクトに対する特別投資優遇措置として優遇税率の適用を認める一方で、新規に株式会社化された 国有企業や輸出用衣類に国産素材を使用した繊維・衣類企業に対する税制優遇措置は原則撤廃している。通達第 134 号の公布に伴って、2003 年 12 月 22 日付け通達第 128 号(Circular No. 128/2003/TT-BTC)、2004 年 9 月 1 日付け通達第 88 号(Circular No. 88/2004/TT-BTC)及び通達第 134 号と両立しないその他すべての法人所得税に係る規則は廃止された。 ・2009 年 3 月 3 日、ベトナム財務省は、法人税優遇措置に関する同国の WTO 加盟約束を実施するため、現地調達率や輸出比率に基づく法人税優遇措 置の廃止に関するガイダンスを公表した。 ・2010 年 6 月 14 日、税務総局は Official Letter 2057/TCT-CS を発行して、投資許可取得後に追加された事業内容から生じる所得については、優遇を 与えず法人税 25%の標準税率を適用するとした。 ・2012 年 2 月(WTO 加盟から 5 年後)に輸出加工区進出企業等への優遇措置は廃止された。優遇措置は、現在法人税基本税率 25%に対して、社会的・ 経済的に困難な地域に投資する企業の税率 10 年間、20%(課税所得発生年度から 2 年免税の後 4 年半減税)、特に社会的・経済的に困難な地域に投 資する企業の税率 15 年(延長可能)10%(4 年免税の後 9 年半減税)、ハイテク、化学研究、技術開発、特に重要なインフラ開発、ソフトウェア開発分野に 投資する企業の税率 15 年(延長可能)10%(4 年免税の後 9 年半減税)など。 ・ズン越首相は、決定第 631/QD-TTg 号に基づき 5 分野 127 プロジェクトからなる「2020 年までの(対越)外国投資呼びかけ対象国家プロジェクト一覧」を 承認した。これらのプロジェクトは専ら計画投資省の支援を受ける。 (改善) ・2009 年 3 月 2 日、グエン・タン・ズン首相は、国境経済区に投資する企業への財政・税制優遇措置の適用に関する決定第 33 号(Decision No. 33/2009/QD-TTg)を公布した(2009 年 5 月 1 日より施行)。同決定は、管理委員会の管理下にある国境経済区とベトナムの税関事務所の監督下にある 国境経済区内の非関税区域を対象にしている。財政・税制優遇措置は、法人所得税、個人所得税、付加価値税、特別売上税、輸出入関税、土地・海面 賃貸料、土地使用料、政府が課すその他の料金の減免からなる。法人所得税の優遇措置の詳細は以下のとおり。 −15 年間にわたる 10%の優遇税率。なおベトナム政府の重要施設におけるハイテク、科学調査研究、技術開発、ソフトウェア生産、インフラ整備など、政 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 5/30 要望 準拠法 令第 124 号第 15.1(b)に定められた分野への投資プロジェクトについては、最長 30 年間まで優遇措置の延長が可能。 −最長 4 年間の免除とその後 9 年間の 50%減額。かかる減免措置は、当該投資プロジェクトから課税所得が発生した 1 年目から適用される。プロジェク トから最初に利益が発生してから 3 年間課税所得がなかった場合には、4 年目から適用される。 ・2010 年 6 月 17 日、ベトナム財務省は、一部の輸入機械・設備などに対する付加価値税(VAT)の支払い猶予及び還付申請に関する指針と手続きについ て定めた通達第 92 号 (Circular No. 92/2010/TT-BTC)を公布した(即日施行)。その対象は、(1)技術を必要とする生産ライン用に輸入された設備、機 械及び特殊車両及び(2)国内で生産できない建設資材であって、企業の固定資産を形成するものである。通達第 92 号は、企業は新規に設立されなけれ ばならず、また稼働もしておらず投資段階にあり、生産ラインの新設・拡張、生産改善、技術革新、環境改良に係る投資プロジェクトに基づいて設立される 必要があると規定している。VAT の支払い猶予及び還付は、上記輸入品の価額が 2000 億 VND 以上でなければ認められない。 ・ベトナム財務省は、重要機械製品の製造又は製造プロジェクトに使用する材料・設備に対する輸入関税の免除を定めた 2010 年 12 月 28 日付け通達第 214 号(Circular No. 214 /2010/TT-BTC)を公布した(2011 年 2 月 11 日施行)。2009−2015 年の「重要機械製品」は、2009 年 1 月 16 日付け首相 決定第 10 号(Prime Minister Decision No. 10/2009/QD- TTg)の附属文書 I に、「製造プロジェクト」は、同決定の附属文書 II にそれぞれ列挙されて いる。企業は、2009 年から 2015 年までの期間、重要機械製品の製造後又は製造プロジェクト終了後 45 日以内に、リスト登録先の税関当局において対 象製品の輸入及び輸入関税免除に関する手続きを完了しなければならない。 ・2014 年 1 月 1 日より、ベトナムの工業区に所在する新規の投資プロジェクト(2009 年から 2013 年)工業区が再び奨励地域として認定され、税優遇措置(2 年間免税および 4 年間減税)を受けることができることになった。 ・2014 年 2 月、法人税法が改正され、15 年間 10%の優遇税率の適用対象が旧法の企業からハイテク法優先リストに含まれるハイテク・プロジェクトやハイ テク育成プロジェクト、再生可能エネルギー生産プロジェクト、環境保護プロジェクト等の新規プロジェクトに変更された。 ・2014 年 11 月 26 日、新しい投資法(67/2014/QH13)が公布され 2015 年 7 月 1 日から施行。 (1)投資優遇分野については、13 項目に分けられて列挙され、対象分野も明確化が図られている。 (2)投資優遇分野に、ハイテク補助工業製品、付加価値 30%以上の製品の生産、省エネルギー製品、人民信用基金等が追加規定。 (3)投資優遇地域としては、①経済・社会状況が困難な地域、経済・社会状況が特別困難な地域、②工業団地、輸出加工区、ハイテクパーク、経済区以 下の地域が規定。 (4)新たな投資優遇措置の対象となる枠組みとして、①6 兆 VND 以上の資本規模の投資プロジェクト(3 年以内に 6 兆 VND 以上 を支出)、②農村地域 において 500 人以上の労働者を使用するプロジェクト、③ハイテク企業、科学技術企業及び科学技術組織を追加。 7 外資法運用手続 ENAA (1) 投資許可手続の不 ・現地法人設立に際して、投資許可取得の手続きが明確に決まっておらず、担当 ・申請に必要な書類、手続きの統一化・標 ・ベトナム外国投資法 明確・恣意性 官の考えによって対応が変わってくる。 準化を図り、担当官による差異をなくす。 また、申請から許可取得までに長時間を要した(弊社の場合 8 か月)。 ・許認可手続きの迅速化。 (改善) ・2015 年 6 月 29 日、ベトナム計画投資省外国投資庁は、外国投資ポータルサイト(「eRegulation Vietnam」)を開設した。国内の 4 省 3 中央直轄市への 投資手続きの流れがフローチャートを用いて解説され、各手続き段階における関連機関、関連法令、平均審査期間などに関する情報を越語と英語で提 供している。また、各投資家は担当官の連絡先、必要書類、費用、審査期間などを確認する。 【参考】当該ポータルサイトの外国投資のためのオンラインガイドの URL【越語】【英語】(http://vietnam.eregulations.org) ・2015 年 11 月 1 日、ベトナム政府は、新設法人登記における一段の透明性と関連法規の罰則による実効性を確保すべく、新設法人の登記手続きに係る 企業に関する法律 Decree No. 78/2015/ND-CP を施行した。 日商 (2) 強制工場移転に対 ・都市計画のため工場移転を迫られたが、補償交渉がいっこうに進まない。 する補償交渉の遅 れ ・移転の際に必要費用は、日本人の費用を 含め、掛かった費用は、すべて補償して戴 きたい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 9 輸出入規制・関 時計協 税・通関規制 日鉄連 日機輸 建産協 ベトナムにおける問題点と要望 6/30 No 問題点 問題点内容 要望 (1) 高輸入関税 ・時計完成品及びムーブメントの関税率は 10-25%と高率である。 ・ムーブメント及び部品の関税率削減スケジ ・関税法 ュールの前倒しを要望。 準拠法 ・鉄鋼製品に対する輸入許可証による輸入規制は政府による貿易自由化促進に より 2001 年 12 月末をもって廃止され、高関税率化に移行。 ・単機能プロジェクタが無税(ITA 製品)である一方で、多機能プロジェクタに高関 ・問題解決への働きかけをご検討いただき 税を課す国が散見される。 たい。 ・ITA 拡大に関する最新情報の確認とご提 供をいただきたい。 ・今後の動向についても継続的に情報をご 提供いただきたい。 ・日越 EPA が締結されているが、日本製 Lowe ガラスは HS コード 700510 ・関税引き下げ、撤廃。 900090 に分類され、関税維持品目となっており、30%課税されている。 (対応) ・輸出入関税法は、ベトナムでの生産が未だ不可能であり、投資奨励分野の一覧に記載されているプロジェクトの製造目的に輸入される原材料、補給品、 半製品など、輸入関税を免除される特定の物品を規定している。したがって、決定 No.827/2006/QD-BKH に添付の物品一覧(時々調整される)に基づ き、企業と所轄官庁は、企業が輸入する物品に関する免税の適格性を考慮することになる。企業が輸入する物品が、決定 827 に規定する物品一覧の範 囲に入っていないが、付加価値税法および輸出入関税法に明記する物品に該当する場合は、当該輸入物品については、輸入関税と VAT が免除され る。また、決定 827 は、当該決定の適用に関して、企業と税関局の間で意見の相違がある場合は、税関局は地元の計画投資省と相談して、関係事項を解 明するよう規定している。解明ができない場合、税関総局は、計画投資省に一覧表の改訂を求めることができる。 ・財務省は、2007 年 4 月 16 日付アセアン諸国・中国自由貿易協定(ACFTA)の施行に伴う、特恵輸入関税の発布に関する Decision 26/2007/QD-BTC を公布した。これにより、次の諸条件を満たす輸入品は特別優遇輸入関税の対象となる。 −関税率表に含まれていること。 −アセアン諸国や中国からの輸入品であること。 −輸出国から直接ベトナムに出荷されたこと。 −外国の管轄当局から発行された適正な原産地証明書を有すること。 ・財務省は 2007 年 5 月 31 日、アセアン諸国・韓国自由貿易協定(AKFTA)の施行に伴う特恵輸入関税の発布に関する Decision 41/2007/QD-BTC を 公布した。これにより、次の諸条件を満たす輸入品は特別優遇輸入関税の対象となる。なお、開城(ケソン)工業団地(北朝鮮)からの輸入品については、 一定の条件を満たしていれば AKFTA 関税率の適用を受けられる。 −関税率表に含まれていること。 −アセアン諸国や韓国からの輸入品であること。 −輸出国から直接ベトナムに出荷されたこと。 −外国の管轄当局から発行された適正な原産地証明書を有すること。 ・2008 年 12 月に発効となった AJCEP では関税は毎年均等に削減され、16 年後に完全撤廃される予定である。撤廃の方向性は評価されるが、撤廃まで の期間が長すぎる。 ・2009 年 2 月 27 日、ベトナム財務省は、自動車部品(HS8407、8408、8409、8708)の輸入関税率を修正した。 ・2009 年 4 月 13 日、ベトナム財務省は、一部合金(alloy steel)の輸入関税率を WTO 譲許水準の 10%に引き上げた。また、3 月 26 日、鉄鋼製品 (HS7207、7209、7210、7214、7215、7217、7306)に関し、輸入関税が修正された。 ・2009 年 10 月に発効した日越 EPA では日本原産の時計への関税は毎年均等に削減され、ウオッチ・クロック完成品は 10 年後に完全撤廃される予定で ある。一方ムーブメント及び部品は 15 年後であり、撤廃の方向性は評価されるが、撤廃までの期間が長すぎる。 ・ベトナムは、100%関税撤廃の高い自由化水準の TPP に、将来における参加を前提とした準メンバーとしての参加を表明している。 ・2010 年 3 月、ベトナムは、EU との間で FTA 交渉に入ることを合意した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日鉄連 ベトナムにおける問題点と要望 7/30 No 問題点 問題点内容 (2) 関税引き上げ ・2011 年 3 月 25 日、ベトナム商工省はベトナムへの輸入を奨励しない品目リスト(以下、同リスト)を定めた決定第 1380 号(Decision No. 1380/QD-BCT) を公布した(即日発効)。同リストには、HS 第 73 類、第 84 類、第 85 類、第 87 類、第 90 類、第 91 類の品目を含む幅広い製品が列挙されている。いく つか例を挙げると、一部の鉄鋼製の家庭用品(ストーブ、たわし、衛生陶器など)、洗濯機、コンピューター、電気器具、カメラ、カセットテープレコーダー、 レコードプレーヤー、ゴルフカー、乗用車(小型トラックを除く)、オートバイ、自転車、置時計、腕時計などがある。生産材料として輸入する産品は、本規制 の対象から除外されている。同リストは当該品目に対する障壁を積極的に設けるものではないが、ベトナム政府は当該品目の輸入を抑えるため、ベトナム 国立銀行(SBV)の信用機関への指示等の公式チャネルを通じて輸入者が外貨を入手しづらくするよう制限を試みている。 ベトナム国立銀行(SBV)は 2010 年 4 月 29 日付け Official Dispatch No. 3215/NHNN-CSTT を通じて、信用機関に対し、同リストに列挙された製品 の輸入代金の決済に使用される可能性のある外貨の貸付を慎重に検討し、厳しく管理し、制限するよう指示した。SBV はまた、2010 年 11 月 20 日付け Decision No. 2677/QD- NHNN を通じて、同リスト及び国内製造必需品リスト(2010 年 5 月 28 日付け商工省決定第 2840 号)に列挙された製品の輸入 代金の決済を目的とした信用機関による外貨の販売、貸付、送金を日々監視するための部門間作業グループを設置した。ベトナム政府は、同リストに列 挙された製品の MFN 税率を近い将来に引き下げる予定はない。 ・2016 年 2 月 4 日、ベトナムは TPP 協定に署名した。 (改善) ・2008 年 12 月 1 日、日本 ASEAN 経済連携協定(AJCEP)が発効し、ベトナムは AJCEP での関税譲許表 11,397 品目中 2,911 品目を発効即時撤廃 し、最終的に 2024 年に 83.3%の品目で関税を撤廃する。関税削減の除外品目は 1,164 品目で 35,817 品目が輸送機器関連となっている。なお、AFTA の CEPT 税率と較べて AJCEP が有利となっているのは 103 品目であるという。 ・2008 年 12 月 25 日に署名した日ベトナム経済連携協定(JVEPA)が 2009 年 10 月 1 日より発効した。JVEPA の関税撤廃スケジュールは、ベトナムは 全 9,300 品目中、即時撤廃 2,586 品目、以降 2025 年にかけて段階的撤廃 5,873 品目、その他 89 品目が撤廃される。金額ベースでは 10 年以内に 88% を自由化するとしている。 ・2009 年 4 月 28 日、財務省は、AJCEP における 2008 年∼2012 年のベトナムの輸入関税率引下げスケジュールを発表した。 ・度重なる輸入関税の修正による流通阻害。 ・関税率の引き下げ。 −2009 年 4 月 1 日、ビレット 5%→8%、建設用条鋼類 12%→15%、CR 7%→8%、めっき鋼板 12%→13%の関税引上げ。 −2009 年 4 月 20 日、ボロンが添加された条鋼類の関税を 0%→10%に引き上 げ。 −2010 年 2 月、棒鋼、線材(一部)5%→15%、ブリキ 3%→5%に関税の引き 上げ。 −2011 年 8 月 25 日、ボロンが添加されたその他合金の鋼板、棒鋼、線材、形 鋼(HS7225,7226,7227,7228 類、但し、熱延鋼板類は除外)の MFN 関税を 0%→10%に引き上げ。 −2012 年 6 月 11 日、ステンレス棒鋼の一部について MFN 関税を 0%→10% に引き上げ。 −2013 年 1 月 1 日、冷延鋼板及び溶接鋼管の一部について MFN 関税を 5%→10%に引き上げ。 −2013 年 5 月 19 日、線の一部について MFN 関税を 0%→3%に引き上げ。 −2014 年 1 月 1 日、鋼板類・形鋼等について MFN 関税を引き上げ。 (対応) ・2009 年 3 月 23 日より、ベトナム財務省は、一部石炭の輸出入関税の調整を行い、HS4402.10.00.00 と HS4402.90.00.90 の石炭製品について輸入関 税を 5%、輸出税を 10%、HS4402.90.00.10 について輸出税を 5%とした。 ・2013 年 7 月 7 日、ベトナム財務省は HS4402.10.00.00 と HS4402.90.00.90 の石炭製品の輸出税を 13%へ引き上げ。 ・2013 年 9 月 1 日、石炭輸出企業からの要請により 9.1 から 10%へ輸出税を引き上げ。 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 8/30 要望 準拠法 ・2013 年 5 月 20 日、石油製品に対する関税引上げを発表(ガソリン 16%→19%、軽油 12%→14%、低質燃料油 14%→15%)。 ・2013 年 6 月 20 日、9 人乗り以上の車両の輸入関税を引上げ実施(1,000 ㏄未満 4,200 ドル→5,000 ドル、1,000 ㏄∼1,500 ㏄ 9,600 ドル→10,000 ド ル)。 (改善) ・「特恵輸出入関税の一覧」に基づき、CKD(完全現地組立)形式の自動車部品のセットに対する特恵輸入税率、および各自動車部品・スペアパーツに対 する輸入税率も明記してある。自動車の製造・組立に従事する企業は、2006 年 12 月 31 日まで、CKD 形式の自動車部品のセットに対する特恵輸入税 率、または各自動車部品・スペアパーツに対する特恵輸入税率のいずれかの適用を選択できる。2007 年 1 月 1 日から、決定 39 に明記された各自動車 部品・スペアパーツに対する特恵輸入税率が一律に適用され、決定 39 に明記された CKD 形式の自動車部品のセットに対する特恵輸入税率は適用され ない。自動車の製造・組立に従事し、CKD 形式の自動車部品のセットに対する特恵輸入税率、あるいは各自動車部品・スペアパーツに対する特恵輸入 税率のいずれかの適用を選択できる企業は、都合のよい地元の税関局で書面による登録を行い、変更を行った全期間を通して、登録した内容を遵守し なければならない。 ・ベトナムの WTO 加盟に伴い、四輪車の輸入関税は現行 90%から、エンジン容量により 11 年間で 47∼70%に引下げられる。 ・2009 年 2 月 15 日より、財務省は、石炭及び関連製品の輸出税を 20%から 10%に引き下げた。 日商 日商 (3) 割高な KD 部品の ・税関は自動車のノックダウン部品に対して完成車の関税(CBU レート)を課し 輸入関税率 た。 ・自動車の輸入関税:自動車エンジン CBU0%、自動車エンジン KD5%。 (現地 ・輸入税率の見直し。 生産に不利) ・Circular 05/2012/TTBKHCN by MOST ・Circular 19/2006/TTBTC by MOF; ・Circular 165/2014/TTBTC by MOF 日鉄連 (4) 高率の輸出税 日製紙 (5) 関税分類適用の恣 ・従来台湾から輸入していた段ボール用ライナー原紙(HS コード 4805、関税 ・国際的に、古紙配合率で判定されるべき 意的変更 10%)について、弊社バクニン工場(2013 年 6 月営業開始の新工場)所管の税 HS コードを、ただ品質が高いからという理 関で、強度が強いからという理由で関税率を変更された(HS コード 4804、関税 由で税率を釣り上げるような解釈は止めて 15%)。現在 2 ヵ所の拠点(=ハイフォン工場&バクニン工場)で適用される関税 ほしい。 率が異なるという現象が起こっている。 ・石炭の輸出にあたり、輸出税 20%が賦課されており、マーケット上昇の要因とな ・制度の撤廃。継続したマーケット価格上昇 っている。 の要因となっており、早期の制度撤廃が必 要。 (対応) ・2009 年 3 月 23 日より、ベトナム財務省は、一部石炭の輸出入関税の調整を行い、HS4402.10.00.00 と HS4402.90.00.90 の石炭製品について輸入関 税を 5%、輸出税を 10%、HS4402.90.00.10 について輸出税を 5%とした。 ・ベトナム財務省は、2013 年 7 月、HS4402.10.00.00 と HS4402.90.00.10 の石炭製品の輸出税を 13%に引き上げたが、石炭輸出企業からの要請によ り 2013 年 9 月 1 日から 10%へ引き下げた。 ・2015 年 2 月 12 日、ベトナム政府は紛炭の輸出禁止を発表。 ・2015 年 5 月 25 日、日本からの要請を受け、2015 年に限定して禁輸措置を解除。 ・2016 年 1 月以降、輸出停止の状況。 (改善) ・2009 年 2 月 15 日より、財務省は、石炭及び関連製品の輸出税を 20%から 10%に引き下げた。 (対応) ・2015 年 8 月 15 日、ベトナム財務省は、2014 年新税関法の規定実施を指導する政令第 17 条(ベトナムの輸出入品リスト)の施行に伴い同国の関税品目 分類マスターリストを更新した(2015 年 8 月 15 日発効へ)。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 9/30 意見元 No 問題点 日鉄連 (6) 指定貿易企業制度 ・政府指定企業のみが、商業省の発給する輸入許可証を得て輸入する指定貿易 ・制度の撤廃ないし手続きの簡素化。 による輸入制限 企業制度がある。(同制度の品目に鉄鋼も含まれる) (対応) ・ベトナム商工省は、2010 年 5 月 20 日付け通達第 22 号(Circular No. 22/2010/TT-BCT)は、一定の鉄又は非合金鋼のフラットロール製品及び棒(HS 7209、7211 及び 7213)の自動輸入許可について規定し、2010 年 5 月 28 日付け通達第 24 号(Circular No. 24/2010/TT-BCT)は、一部の動物製品、 食品、化粧品、プラスティック、衣服、履き物、陶器、ガラス、鉄鋼製品、アルミ製品、機械、電気機器、自動車、玩具、家具の自動輸入許可について規定 している。通達第 22 号は 2010 年 7 月 5 日より施行され、2010 年 12 月 31 日まで有効であり、通達第 24 号は 2010 年 7 月 12 日より施行されている。 自動輸入許可の申請者は、登録した貿易業者でなければならない。 かかる登録のためには、(1)署名入りの登録書、(2)申請者の事業登録証明書または投資・事業許可証明書の写し、(3)納税者登録証明書の写しを提出し なければならない。 自動輸入許可を申請するためには、(1)完全な申請書、(2)輸入契約、(3)商業送り状、(4)信用状、支払い証書または銀行支払い証明書、(5)貨物運送書 類の船荷証券、(B/L)を提出しなければならない。 (7) 鉄鋼製品の輸入ラ ・2010 年 7 月 5 日、冷延鋼板、線材の輸入に、12 月末を時限に輸入許可証(IL)・事務遅延の場合の保管料アップや機会損 ・2005 年 3 月 2 日付首相決 失等。 定 41/2005/QD-TTg 号 イセンス(I/L)取得 の取得を義務付ける。 義務 2010 年 9 月 9 日、同じく亜鉛めっき鋼板、アルミ・亜鉛めっき鋼板、カラー亜鉛 ・商工省通達 22 号 (22/2010/TT-BCT) めっき鋼板、ブリキにも 12 月末を時限に IL 取得を義務付ける。 ・商工省通達 31 号 2011 年 2 月 14 日、上記鉄鋼製品の輸入に係る IL 取得義務について 2010 (31/2010/TT-BCT) 年 12 月末の時限措置は 2011 年 2 月 14 日∼12 月 31 日に延長された。 ・商工省通達 42 号 2012 年 9 月 20 日、新たに棒鋼、ステンレス鋼板、溶接鋼管(輸入 HS コード: (42/2010/TT-BCT) 7214、7215、7219、7220、7306)が対象となった。 ・商工省通達 23 号 (23/2012/TT-BCT) (対応) ・2012 年 8 月 7 日付商工省通達 23/2012/TT-BCT 号で、商工省は一部鉄鋼品目に対して輸入許可制を 9 月 20 日から施行すると通達した。対象品目 は、HS コード 7209、7210∼7212:鉄または非合金鋼のフラットロール製品、HS コード 7213∼7215:鉄または非合金鋼の棒、HS コード 7219、7220:ス テンレス鋼のフラットロール製品、HS コード 7306:鉄鋼製のその他の管および中空の形材。 ・2015 年 6 月 12 日、鉄鋼の自動輸入ライセンス取得制度に関する商工省通達 No.12/2015/TT-BCT を公布、7 月 26 日から施行された。自動輸入ライセ ンスの対象品目は、7207、7209、7210、7211、7212、7213、7214、7215、7219、7220、7224.7227、7228、7229、7306。但し、一時輸出入あるいは通 過貿易での輸入及び製造および加工を目的に輸入は除かれる。 ・2015 年 7 月 26 日、2014 年 6 月 16 日付官報で撤廃する旨の告示があった鉄鋼製品の輸入に係る IL 取得義務が再導入された。 ・2016 年 3 月 7 日、ベトナム商工省は、ビレットや棒線など一部鉄鋼製品に対して暫定セーフガード措置(実施期間は 2016 年 3 月 22 日∼10 月 7 日) を発動する決定(商工省決定 862/QD−BCT 号)を下した。 日鉄連 日商 問題点内容 要望 準拠法 (8) 外資企業に対する ・ミャンマー、カンボジア企業より、ベトナムの弊社法人が契約取得時に、原産地 ・今後の ASEAN 地域でのベトナム優位性 海外調達製品の第 ベトナム製品は販売(輸出)可能だが、日本など他国から調達する製品は輸出 を向上するためにも、他国調達の完成品 3 国輸出規制 販売(ドロップシップ不可)ができない。事象は在ベトナム外資系企業にのみ発 輸出を認めてほしい。 生しており、ベトナム企業は実施可能。 化繊協会 (9) 貿易業登録での三 ・外資企業の貿易業登録の際、製造業に加えて輸出入業務のみが許可され、三 ・外資企業に対しても三国間取引を許可し ・ベトナム法人定款変更登 国間取引の不許可 国間取引に関しては許可が下りない。 て頂きたい。 記時の際の KPMG 情報 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 10/30 意見元 No 問題点 日機輸 (10) 中古機械・設備の ・2014 年 7 月に発行された通達 20 号(中古機械輸入規制、)に関し、2015 年 3 ・科学技術省、中古機械・設 輸入規制の強化 月 1 日までの効力停止が決定されたが、その後に準備されている改訂版通達ド 備・技術ラインの輸入に関 ラフトにおいても、引き続き年数制限・品質保証の両方が残っていると聞いてい する通達第 20/2014/TT‐ る。年数制限により一律で規制された場合、優良かつ経済性の高い中古品の輸 BKHCN(Circular No.20 入も出来なくなり、多くの工場が当地での生産計画の修正を余儀なくされると考 /2014/TT-BKHCN) える。 ・科学技術省が 2014 年 7 月に中古の機械・設備が製造から 5 年未満、新品の 8 ・年数制限の撤廃。 割以上の品質なら輸入を認めるなどとする通達 20 号(20/2014/ TT-BKHCN)を公布(施行 9/1)。目的は、中国で効率が悪く時代遅れの技術を 使用していた約 2 千社が閉鎖。この種の機械が越国内に大量に持ち込まれる事 を危惧、品質の劣る旧式の機械・設備・技術を導入することで産業の効率が低 下するのを防ぐこと。既進出企業及び投資検討企業にとり、8 割以上の品質と は、ほぼ新品を意味し中古機械を一切受け入れないと解釈され、投資採算が悪 化し既存工場で撤退を余儀なくされる企業も出てくる可能性もある。ベトナム日 本商工会より陳情書等を提出し改善を求めた。14 年 9 月 1 日に科学技術省が、 大臣決定書(No:2279/QD-BKHCN)で、20/2014/TT-BKHCN の効力を停止 する旨の通知が出された。2015 年 1 月の通達修正案でも、年数制限は引き続き 残っており、既存の進出企業及び今後の投資を検討する企業への悪影響があ る。 ・中古機械輸入に関し、科学技術省の通達にて、2014 年 9 月より、製造 5 年未満 ・同法の施行は日本の中小企業・裾野産業 且つ品質新品 80%の条件が課されることとなったが、陳情により、同法施行が延 のベトナムへの生産移管を阻害し、投資減 期された。現在、2015 年 12 月 1 日までの延期と、製造 10 年未満且つ品質新 退に繋がる要因となり得る。少なくとも年数 品 70%以上の条件変更案が検討されている。 制限の撤廃を要望する。 ・ベトナムへの輸入が認められる主要な中古機械・設備は、使用期間が 5 年以内 ・使用期間制限に関する猶予条件など合理 で、新品の 80%以上の品質であることが条件となった。一方、通関への提出書 的な運用細則の制定と十分な浸透期間を 類や検査機関の規定にあいまいな点が多く実務的な対応ができない。また、日 もった運用開始。 本工場からの生産移管において日本で使用していた設備の輸入が認められな ければベトナムでの生産拡大ができない。 ・2014 年出された「中古機械輸入規制する通達」は施行延期となっているが、通 ・規制内容を緩和した上、施行再開してもら 達では使用 5 年以上の機械と新品と比べ品質 80%以下の機械が輸入禁止とさ いたい。例えば使用年数と品質基準のど れている。日本製はもちろん外国製の機械は長期間使用後も十分使用できるも ちらかをクリアすれば許可するなど。 のが多い。徒に規制することは事業の進出・拡張を阻害する。 ・「使用期間が 5 年以内で、新品の 80%以上の品質」を満たす中古機械以外の ・一時的に停止されているが、未だ廃止はさ 輸入を禁止する通達が出された(後に停止)。 れていない。明確に廃止の決定をして頂き たい。 今後の設備調達に支障をきたす恐れがある。 ・中古機械輸入に関し、科学技術省の通達にて、2014 年 9 月より、製造 5 年未満 ・同法の施行は日本の中小企業・裾野産業 且つ品質新品 80%の条件が課されることとなったが、陳情により、同法施行が延 のベトナムへの生産移管を阻害し、投資減 期された。現在、2015 年 12 月 1 日までの延期と、製造 10 年未満且つ品質新 退に繋がる要因となり得る。少なくとも年数 品 70%以上の条件変更案が検討されている。 制限の撤廃を要望する。 ・(弊社工業団地のご入居企業が直面されている問題)新規制により、基準以下の ・規制の撤廃。 中古機械を輸入できなくなる。 日機輸 日機輸 日商 日機輸 日商 日商 日商 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 11/30 準拠法 (対応) ・2013 年 8 月 9 日、ベトナムの首相は企業の機械・設備の輸入に対する管理を強化する政策に関する指示(Indication 17/CT-TTG 号)を公布した。企業 は投資証明書を申請する際に、事業活動用の機械・設備を輸入する予定がある場合、当該機械・設備の技術的パラメーターや性能などについての説明 書を提出する必要がある。 ・2014 年 7 月 9 日、ベトナム科学技術省は、中古機械・設備の新たな輸入要件を規定する 2014 年 7 月 15 日付け通達第 20 号通達を公布(2014 年 9 月 1 日発効予定);中国製の旧式で安価な機械設備の流入を規制することが狙い。 −越科学技術省通達第 20 号【越語】(http://www.customs.gov.vn/Lists/VanBanPhapLuat/ViewDetails.aspx?ID=7704) ・2014 年 7 月 15 日、輸入される中古機械・設備の条件を使用期間 5 年以内(一般的な機械用途の場合)、新品の 80%以上の品質であることを条件とす る通達 No.20/2014/TT-BKHCN を公布した。 ・Circular No. 20/2014/TT-BCT(2014 年 7 月 15 日科学技術省公布 9 月 1 日発効) 製造 5 年未満且つ品質新品の 80%の条件が課された。 2014 年 9 月 1 日施行予定だったが陳情によって現状延期中。 科学技術省から半年後の施行、即ち今年 3 月 1 日施行と口頭でこれまで言われていたもの。 修正の第 1 ドラフトが昨年 11 月に策定され、関係省庁の意見が聴取され、今年 1 月 15 日付で第 2 ドラフトが策定された。 <第 2 ドラフト内容> 施行時期:2015 年 12 月 1 日 最新のドラフトの主な内容: 輸入条件:製造から 10 年未満、品質は新品 70%以上。 特別条件: −加工工作機械(HS84.56∼HS84.66):原産国が EU、G8 は 12 年、70% −工事施工用機械:原産国が EU、G8、韓国は 12 年、70% −製紙・繊維機械(HS84.39、HS84.41∼HS84.54):原産国が EU、G8、韓国は 12 年、70% −農業用機械:5 年、80% −生産ライン:10 年、70%。 生産ラインの特別条件:EU、G8、韓国の場合、10 年以上でも MOST 申請し許可する。 −部品:国内製造できないこと、品質 70%以上は許可。 ・2014 年 8 月 29 日、9 月から実施予定であった中古機械・設備の輸入に関する通達 No.20/2014/TT-BKHCN は、産業界からの強い反対を受けたこと もあり、科学技術省大臣決定 2279/QD-BKHCN により効力を停止した。 ・ベトナム科学技術省は、効力を停止した中古機械・設備等の輸入規制に関する「中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する通達 20/2014/TT-BKHCN 号」(通達第 20 号)の改正案を公表。 ・2015 年 11 月 13 日、中古機械・設備の輸入を規定する科学技術省の通達 Circular 23/2015/TT-BKHCN 号が発行され、2016 年 7 月 1 日に施行予 定。 (1)中古機械・設備の輸入の要件として、①使用期間(製造からベトナムの港に到着するまでの期間)が 10 年を超えないこと。②ベトナム国家技術基準 (QCVN)、ベトナム国家基準(TCVN)又は安全、省エネおよび環境保護に関する G7 各国の基準に基づき製造されたこと。 (2)但し、外国直接投資案件に属する中古設備で、投資案件申請書類に当該中古設備のリストが記載され、投資法の規定に基づいて管轄機関によりプロ ジェクトが承認された場合には、(1)の条件は適用されない。 (改善) ・2015 年 11 月 13 日、中古機械輸入に関する新通達が出され、使用 10 年以内かつ品質規格に適合すれば輸入可能となった。また、新規・拡張投資案件 で投資登録証明書があれば規制対象外となった。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 12/30 意見元 No 問題点 日商 JBMIA JEITA 日機輸 日商 JEITA 日機輸 JMAA (11) 通関手続の煩雑・ ・物品の輸入通関のために相当の時間を要する。 ・簡素化など。 ・Article 144, Circular No. 遅延 ・輸入通関時の品質検査で時間がかかっている他、輸入手続きに必要な書類も ・輸入検査、書類の簡略化と確認作業のス 79/2009/TT-BTC 非常に多く、確認作業が異常に長い。(1 か月を超すケースも散見される。) ピードアップ。 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・通関後の調査プロセスが複雑で異なる複数の政府機関から度重なる審査が入 ・各機関で情報共有して欲しい。 る。 ・輸出入書類の多いこと、サインや社印の多さに誰もが疑問を持つ。また、迅速な ・電子通関制度はどうなったか?一向に書 対応をしてもらえないことがよくある。 類が減らない。 書類の簡素化とスピードアップを望む。 ・中古設備についての輸入許可はベトナム税関本部が担っており、書類取り纏め ・中古設備の輸入規制の見直しを捗っても から許可、現地配送まで 1 ヶ月の時間を要する。 らうと共に現地での輸入プロセスの短期化 また、新しい設備は 10 日程で到着できるため、中古の設備と新しい設備を同送 を要請する。 できないため輸送コストのロスが発生している。 (対応) ・2008 年 12 月 12 日、ベトナム産業貿易省は、広く消費財に対して自動輸入許可を義務付ける通達を公布した。対象となる物品には、特定の自動車とバイ ク、コンピュータとラップトップ、カメラとビデオカメラ、音響装置、広い範囲の家庭用機器、・装置・製品、化粧品・化粧用品、及び家具が含まれる。この新た な義務は、官報での同通報公示から 21 日後に発効する。2009 年 1 月 1 日以前に産業貿易省が発行した認定内容付きの自動輸入許可は、その後も有 効となる。 ・2010 年 5 月 20 日、商工省は登録した貿易業者を対象とする一定の鉄または非合金鋼のフラットロール製品及び棒(HS 7209、7211 及び 7213)の自動 輸入許可について規定した通達第 22 号(Circular No. 22/2010/TT-BCT)を公布した。 ・2010 年 5 月 28 日、商工省は、自動輸入許可対象となる動物製品、食品、化粧品、プラスティック、衣服、履き物、陶器、ガラス、鉄鋼製品、アルミ製品、 機械、電気機器、自動車、玩具、家具、約 1500 品目を規定した通達第 24 号(Circular No. 24/2010/TT-BCT)を公布した。 ・2010 年 6 月 14 日、商工省、運輸省、財務省は、7 月 29 日以降 16 人乗り以下の自動車の輸入を 5 つの国際港(カイラン−クアンニン、ハイフォン、ダナン、 ホーチミン、バリア-ブンタウ)に指定し、車両の品質安全と環境保護に関する検査を義務付ける通達(25/2010/TTLT-BCT-BGTVT-BTC 号)を公布した。 ・2011 年 5 月 12 日、商工省通達 20 号(20/2011/TT-BTC)により、完成車(CBU)を輸入する業者に対して、5 月 12 日以降の現在の輸入契約も含めて 輸入しようとする自動車メーカー、販売店の委任書類の提出を追加して義務付けた。 ・2014 年 4 月 1 日、ベトナム税関総局は、貿易手続き・通関システム(VNACCS/VCIS)をハノイ及びハイフォン税関局で 4 月 1 日より正式稼働する旨公 表した。全国(省市)展開は今年 6 月までを予定。VNACCS/VCIS は、日本の NACCS 輸出入・港湾関連情報処理システム及び CIS 通関情報総合判 定システムを基にベトナム向けに改良された自動貨物通関情報処理システム。 −2014 年 4 月 1 日付けベトナム税関総局公式プレスリリース【越語】 (http://www.customs.gov.vn/Lists/TinHoatDong/ViewDetails.aspx?ID=20840&Category=Tin%20nổi%20bật) ・2015 年 3 月、ベトナム科学技術省、産業界からの反対を受け効力を停止した中古機械・設備等の輸入規制に関する「中古機械・設備・生産ラインの輸入 に関する通達 20/2014/TT-BKHCN 号」(通達第 20 号)の改正案(2015 年 7 月 1 日より施行予定)を公表した。2015 年 7 月 1 日より施行予定。 ・2015 年 7 月 15 日、ベトナム運輸省は、Circular No. 17/2015/TT-BGTVT に基づき国境通過貨物の輸送に関する新たなルート及び国境ゲートを公表 (7 月 15 日より実施)。 (改善) ・2001 年 6 月 26 日、国会は通関手続きを改善・円滑化する関税法 29/2001/QH を可決した。この新法は、8 章 82 条からなり、次のような規定を含む:(1) 関税規則遵守した証明付記録のある企業による輸出入検査を免除する、および(2)それらの輸入される原材料価額の 10%のみ検査対象とする。 ・2002 年 9 月 4 日に発効された決定 113-2002-QD-TTg に従って、関税総局は財務省へ統合された。政府価格委員会は、2002 年 9 月 19 日付決定 123-2002-QD-TTG に従って財務省へ統合された。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 13/30 要望 準拠法 ・2005 年 6 月 20 日、電子通関手続きの試験プログラムに関する決定 149/2005/QD-TTg が公布され、その目的は(1)地域的・国際的な近代的通関基準と 整合的な通関業務の改善、(2)手作業から電子通関手続きへの変更である。また、決定 149 によって、輸出入業者は輸出入後に 5 年間の電子通関申告 書の保存と申告責任を負う。 ・2005 年 12 月 12 日、政府は政令 154/2005/ND-CP を公布し、通関手続、税関検査、管理体制に関する関税法の実施細則を定めた。これは、政令 101 と政令 102 に代わるものであり、2006 年 1 月 1 日より施行されている。政令 154 によって、次の輸入品や輸出品が通関手続、税関検査、管理体制の対 象となる。 1) 輸出品、輸入品及び一時滞在品、 2) 出国、入国、通過にあたり輸送途上にある商品、 3) 外国通貨、ベトナム通貨、貴金属、宝石類、文化財、遺物、郵便物、小包、 4) 出入国者の荷物、 5) 税関事務所の業務管轄地域にある、その他の輸出品、輸入品、一時滞在品、貯蔵品。 ・2007 年 4 月 4 日、通商省は回状 No.04/2007/TT-BTM を発行し、国内企業および外資系企業(FIE)による物品の処理手続、輸入品の清算、製品減耗 など、製品・機械・装置・原料・スペアパーツ・コンポーネント・その他の物品でベトナムへの投資に必要な物品の輸出入手続に関する指針を規定した(「回 状 04」)。回状 04 に基づき、FIE に適用されている輸入関税免除に関わる輸入計画・承認の要件は無効となる。回状 04 の発効により、FIE は関連投資 証明書・投資許可書に記載されている FIE の投資プロジェクトの目的・規模に基づき、固定資産を形成する機械・装置、および製造に必要なその他の物 品を自由に輸入できることになる。ただし、産業管理の監督省庁の許可を必要とする物品の輸入や、輸入を禁止されている物品を除く。上記の物品の輸 入手続・申請、関税減免の決定は、関税規則に基づいて行われる。 ・政府は 2007 年 6 月 7 日に Decree 97/2007/ND-CP を発行し、税関における行政違反に対する処分と行政決定の強制執行に関するガイダンスを定め た。これは 2004 年 6 月 17 日付け Decree 138/2004/ND-CP に取って代わり、2007 年 7 月 1 日より発効している。これに続いて、財務省は 2007 年 6 月 14 日、Circular 62/2007/TT-BTC を発行し、2007 年 6 月 7 日付け Decree 97/2007/ND-CP の施行ガイダンスを提供した。 この Decision は 2005 年 2 月 16 日付け Circular 14/2005/TT-BTC に取って代わった。 ・財務省は 2007 年 8 月 6 日、Decision 71/2007/QD-BTC を発行し、16 の輸入品を対象とした輸入スタンプの非貼付措置を発表した。 ・税関局は 2007 年 8 月 9 日、Official Letter 4537/TCHQ-KTTT を発行し、2005 年 12 月 31 日以前および 2006 年 1 月 1 日以降に認可された案件 に適用される輸入関税免除を受けるための輸入物品リストの登録手続きについてさらに明確にした。 ・税関総局は、2009 年 7 月 14 日、通関時の評価に関する各地方税関からの質問に対し、より詳細な説明としてオフィシャルレターNo.4190/TCHQ-KTTT を発行した。このオフィシャルレターには、当局のデータベース、輸入商品の通関時の適切な評価額を調査した資料等から評価に関し企業が注意すべき 課題が示されている。 ・2014 年 4 月から新たに電子通関システム(VNACCS)について、4 月 1 日、ハノイ市税関の北ハノイ支局とハイフォン税関第 1 港湾支局で導入を皮切り に段階的に導入するスケジュールを発表した。6 月下旬までに全国の税関支局で導入される予定。 ・2015 年 1 月 1 日、ベトナム政府は、2014 年新税関法に基づく優先制度、事前確認制度、通関手続きの電子化、税関による事後検査の明確化等の実施 を指導する政令(Decree No. 8/2015/ND-CP)を施行した。 【参考】政府政令第 8 号の URL【越語】http://www.moit.gov.vn/Images/FileVanBan/_08_2015_ND-CP_15226140.pdf ・2015 年 9 月 8 日、ベトナム税関は、ナショナル・シングル・ウィンドウを正式に運用開始した。 日機輸 (12) 製品登録手続の煩 ・医療機器輸入・販売における製品登録手続きの煩雑さ。 雑 JEITA 日機輸 (13) 輸入免税枠の不適 ・輸入関税の免税枠が申告価格 US$300 まであり、ほぼ全量課税となっている。 ・水準の適正化検討をして頂きたい。 正 ・製品登録更新手続きの廃止。すなわち、 日本等の様に一度登録したら更新不要に してほしい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 日商 (14) 通関手続及び制度 ・通関手続に関して、制度が頻繁に変わり、且つ変更となった際に実務機関の指 ・制度改正時における事前公表や改正時の の頻繁な改正・不 針たる通達が出されていないことが多く、改正時の事務取扱いに時間がかかる。 準備(通達等)を周到に実施した上で、改 正を進めて頂きたい。 また、改正内容も不明瞭な場合がある。 透明 ・規則を遵守しない事業者を規制するレベ ルで、遵守している当社も対応を余儀なく されるため、しっかりと規則を守っている事 業者に対しては簡易手続を認める等の措 置も合わせて導入して欲しい。 (15) 輸入通関手続書類 ・On the spot Export/Import(物品がベトナム国内企業の 2 社間で直接輸送さ ・On the spot Export/Import に対する手 による買い手への れるものの、商流としては一度海外の企業を経由する取引)の際に、海外企業の 続きの必要書類の明確化と価格漏れの防 価格漏れ 仕入れ値がベトナム国内の買い手に漏れてしまう可能性があり、ビジネスに支障 止策の構築。 をきたす。(ベトナム国内の買い手が輸入通関する際に、ベトナム国内の売り手 の輸出通関時の CDS:Custom Declaration Sheet が必要になる為) JEITA 10自由貿易地域・ JMAA 経済特区での活 動規制 11利益回収 日商 日商 12為替管理 ベトナムにおける問題点と要望 14/30 JEITA 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 (1) 経済特区の許認可 ・当局が認可する経済特区について、その許認可条件が曖昧ともとれる。明確な ・許認可条件の明確化を望む。 条件の不明確 法令や運用基準を提示してほしい。 (1) 外貨送金手続の煩 ・特に外貨送金において、通常の許容範囲を超える内容の書類提出を求められ ・外貨送金の自由度を高める制度改正を希 雑 ることが多々あり、また民間企業同士の取引条件にまで注文を付けられるケース 望する。 があり、外貨送金の自由度が著しく低い。 (2) 海外送金への契約 ・海外への送金(支払)に際しては、原則すべてのケースで契約書の添付が要求 ・該国での慣習故やむを得ないが、進出前 書の添付 される。そのため、原料購入、支援受託等、全てのケースで該国法に則った契約 に段取りできれば軽減できる可能性もあ り、進出検討時のネガティブな情報の発信 書作成が必要となり、そのための労務が多い。 を望む。 (1) 実需原則による為 ・実需原則に基づき投機的な取引が禁止されていることから、外貨購入について ・為替取引の自由化。 ・SBV 為替制度 替取引制限 は金融機関に実需取引の有無を確認する義務が課せられている(インボイス、ロ ーン契約書等)。同一グループのシンガポール金融会社との為替取引(為替決 済実行時の相互資金送金)が不可能。 (対応) ・外為制度は実需原則に基づき投機取引が禁止されている。外貨購入に際して金融機関に実需取引を確認する義務が課せられている。 ・中央銀行は金融機関に実需確認を求めており、銀行は海外への支払い決済に際し取引契約書、インボイス、通関証明の提示を求めている。実需確認は ベトナム・ドンから外貨へのエクスチェンジ(先物予約を含む)にも必要とされる。外貨からベトナム・ドンへのエクスチェンジにも資本取引に関しては実需確 認が必要とされる。 日機輸 JEITA 日機輸 JPETA (2) 外貨借入規制 ・外貨収入のない企業は、ベトナム国内での外貨借入が出来ず、企業活動に支 ・外貨管理規制の早々なる緩和。 障を来たしている。 ・外貨借入について、以下の問題がある。 ・外貨取引の条件撤廃、緩和。 −外貨収入のない会社は国内金融機関から外貨借入ができない。 −借入に際しては資金使途を証する書類(実需証明書類)の提出が必要。 −借り入れた資金は翌日内に使用しなければならない。 ・銀行からの借入用途が限定される。 ・用途を流動的にしてほしい。 ・Circular No.07/2011/TT-NHNN ・ベトナム国家銀行による通 達 Circular 37/2012/TT-NHNN ・SBV 外貨管理制度 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 14税制 意見元 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 15/30 要望 準拠法 (対応) ・2011 年 3 月 25 日、ベトナム商工省はベトナムへの輸入を奨励しない品目リストを定めた決定第 1380 号(Decision No. 1380/QD-BCT)を公布した(即 日発効)。同リストには、HS 第 73 類、第 84 類、第 85 類、第 87 類、第 90 類、第 91 類の品目を含む幅広い製品が列挙されている。同リストは当該品目 に対する障壁を積極的に設けるものではないが、ベトナム政府は当該品目の輸入を抑えるため、輸入者が外貨を入手しづらくするよう制限を試みている。 ベトナム国立銀行(SBV)は 2010 年 4 月 29 日付け Official Dispatch No. 3215/NHNN-CSTT を通じて、信用機関に対し、同リストに列挙された製品 の輸入代金の決済に使用される可能性のある外貨の貸付を慎重に検討し、厳しく管理し、制限するよう指示した。SBV はまた、2010 年 11 月 20 日付け Decision No. 2677/QD- NHNN を通じて、同リスト及び国内製造必需品リスト(2010 年 5 月 28 日付け商工省決定第 2840 号)に列挙された製品の輸入 代金の決済を目的とした信用機関による外貨の販売、貸付、送金を日々監視するための部門間作業グループを設置した。ベトナム政府は、同リストに列 挙された製品の MFN 税率を近い将来に引き下げる予定はない。 ・クローリングペッグ制度を採用しているが、中銀設定の為替レート(USD/VND) ・中銀の為替介入による非公式レートの撲 ・SBV 外貨管理制度 と非公式市場のレートの間に乖離が生じており、ベトナム市場で USD が調達で 滅。 ・法人税に関する文書 Circular 130/2008 きずベトナム国外への USD 支払が遅延する。 ・変動相場制への移行。 ・Decree No.160/2006/ND-CP (対応) ・ベトナム中央銀行(SBV)は 2008 年 3 月 10 日、ベトナム通貨ドン(VND)の 1 日の為替変動幅を公式為替レートのプラスマイナス 1%(従来は 0.75%) に拡大すると発表した。この措置は、記録的な高インフレへの対策として為替変動幅をプラスマイナス 2%に拡大するよう指示したグエン・シン・フン副首相 の 3 月 4 日付け指令を受けて発表されたものである。食品や石油の輸入コスト上昇と中国製品の輸入増とが相俟って、2 月のインフレ率は前年同月比 15.7%と 12 年ぶりの大幅な伸びを示した。大半のアジア通貨(人民元を含む)の価値は、米ドルに対して上昇している。一方、ベトナムの政策当局は、輸 出を促進し、成長率目標 8∼9%を達成するため、ドン高を抑えようとしている。通貨供給に的を絞ったベトナムの金融政策は自国通貨ドンに一層の上げ 圧力を加えており、このことが流動性の収縮(liquidity crunch)をもたらしている。また 3 月 4 日付け指令に基づき、中央銀行と政府はそれぞれ、インフレ に対処し、信用の拡大を抑えるための多くの措置を講じる予定である。 ・2009 年 11 月 25 日、スポットレートと闇レートとの差は過去 10 年間で最大の約 16%にまで拡大した。闇レートは 2009 年 1 月の 1 米ドル=約 1 万 7500 ドン(平均公式レートの 1 米ドル=1 万 7463 ドンに近かった)からスタートし、2009 年 11 月 25 日には、1 米ドル=約 1 万 9800 ドンへと 12%近く下落し た。この下落後、闇レートは 1 万 9500∼1 万 9700 ドンにまで強まったが、公式レートと闇レートの間には依然として大きな開きがある。 ・2011 年 2 月 11 日、ベトナム国家銀行(中央銀行)は、①通貨ドンの対ドルコアレートを 1 ドル=1 万 8,932 ドンから 2 万 693 ドンに切り下げる、②為替取 引バンドは±3%から±1%に縮小すると発表し、即日実施した。今回のドン切り下げは輸入超過の抑制、主体的で柔軟な金融政策を実施するためであると している。 ・2011 年 2 月以降、米ドル/ベトナム・ドンの直物取引の値幅は中銀が提示するコアレート+−1.0%に制限されている。 ・2012 年 8 月、ドンの急落に対応するため二重相場制が復活した。 ・2013 年 6 月 28 日、中銀は 1 年半ぶりにドンの対米ドルコアレートを 1%切り下げ、ドン建て及びドル建て預金の上限金利の引下げを実施した。 ・2016 年 1 月 4 日より、米ドル・ドン為替レートに「中心レート」を設け、毎朝発表して円やユーロ、人民元などの他の主要通貨と連動させる制度を導入した。 中心レートを変更する際には、①銀行間におけるドル・ドン加重平均レート、②ベトナムとの貿易、貸出・借入、大きな投資がある各国の主要通貨の海外市 場での変動、③マクロ経済と為替のバランス、④為替政策の目標との整合性、が考慮される。 JEITA 日機輸 (3) 二重為替相場 JMAA (4) 急激な為替変動 JEITA (1) ベトナム国内サー ・D term(DDP DAP 等)条件など、外国企業の負担によるベトナム国内輸送を行 ・FCT 撤廃。 ビス提供への外国 う場合、FCT(Foreign Contractor Tax: 外国契約者税)として販売金額の全 契約者税賦課 体に対して 1%が課税される。これは外国企業の活動を制限するものである。 ・円建てでの直貿で、海外販売店は為替差益を得ているが、値上げの交渉は困 ・為替の安定、変動幅が 6 ヶ月で数%以内と 難。現地通貨建てでの海外子会社との親子間取引で、現在円安効果で特別価 することが望ましい。 格にて販売が可能だが、利薄の取引が多く、将来取引が続いて円高に振れた時 にたやすく損失が出てしまうほどの変動幅。 ・2008 年 12 月 31 日付け Circular134/2008/TTBTC 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 16/30 要望 準拠法 ・資本設備を海外から購入しベトナム国内で提供する販売業者に対する外国契 ・外国契約者税を見直し、現在ベトナム国 ・2012 年 4 月 12 日付け 約者税(FCT:Foreign Contractor Tax)の導入は、最終消費者(生産設備の 内ですぐに入手できない設備のカテゴリー Circular60/2012/TT-BT C 購入者)に対する負担となる。 とみなすこと。 ・Nil ※WEB ページより 外国契約者税(FCT)は、法人税(CIT)と付加価値税(VAT)からなり、ベトナ ム国内の法人又は個人との契約により得られる収益に対して課税される。 (対応) ・2012 年 4 月 12 日、外国契約者税に関する新たなガイドライン Circular 60/2012/TT-BTC が公布され、外国契約者税は、ベトナム国内に法人を有さな い個人や外国組織が、ベトナムの個人または法人などとの契約に基づく経済活動で得た利益に対して課せられる税であるが、本ガイドラインで課税対象 取引に「(On the spot 輸出入取引/DDP、DAT、DAP 条件を含む)」が追加されたため、インコタームズの DDP、DAT、DAP 条件で輸出販売する日本 法人に対して、契約書記載の金額(輸入申告価格)に「みなし法人税」の 1%を源泉徴収されるケースが増えている。外国契約者にとって、所得に対して 居住地国で法人税を課された上に、ベトナムでも外国契約者税で法人税を課されるのは「二重課税」であること。Circular 60 では「外国契約者がベトナム に恒久的施設を有しているか否かにかかわらず課されるもの」(第 1 条)と定められており、ベトナムに恒久的施設を有していない日本法人の事業活動から 生じる所得への課税は、日越租税条約違反であるが、実務上は、インコタームズを DDP などから工場渡し(EXW)に変更する日本企業が増え始めている とのこと。(2013 年 9 月 25 日付 JETRO 通商弘報) 日機輸 (2) ベトナム国外での ・2012 年にベトナム財務省より公布された Circular60/2012TT-BTC で、不動産 ・本法律が 2012 年に公布される前は、不動 ・Circular60/2012TT-BTC 役務提供に関わる 売買に係る代理店手数料が、『役務提供地に関係無く(非居住者でも)』課税対 産売買に係るベトナム国外での代理店手 課税 象となることが規定された。日越租税条約があるものの、免税申請をしないと課 数料については、外国契約者税の対象外 税される規定となっている。当部は、事業会社から日本での販売代理店活動の になっていたので、元通りの内容に戻すこ 対価として販売口銭を受領しており、この販売口銭が対象となる。当社ではコン とを要望する(若しくは工業団地の販売代 サルを起用(有料)し、免税申請手続きを行う必要がある。現在会計事務所に対 理店手数料を課税対象から外して頂きた し詳細調査依頼中。 い)。 ENAA (3) 短期出張者による ・ベトナムにて業務の為に 1 日でも滞在した場合は、その滞在期間に対応したベト ・ベトナム個人所得税の適用条件について サービスに対する ナム個人所得税(PIT)の納付義務が発生する。 は、租税条約を順守するよう、働きかけを 個人所得税の二重 また、1 年間で 183 日以上ベトナムにて業務で滞在した場合は、その 1 年間の お願いしたい。 課税 全世界給与に対し PIT の支払を求められる。(即ち、日本分と合わせ、個人所得 税が二重課税されている。) ・個人所得税法によると、PIT(個人所得税)は支払われた場所に関わらず、ベト ナムで働く全ての外国人、またはベトナムでの労務により発生したサラリーに対し て適用される。「ベトナムでの労務(業務)」の定義が曖昧(例:短期出張者、アド バイザー、会議出席など)同法によるとベトナムの会社は外国人が業務を開始す る 7 日前にその外国人の所得を申告する必要がある。ベトナムの会社が所得情 報を集めるのは困難。 ・シンガポールからの出張者でシンガポールで給与を支払っているにも関わら ず、ベトナムにおいて所得税を徴収される。 ・社外短期出張者の個人取得税源泉徴収義務が求められているが、社外の場合 ・実務的に対応不能な法、規則は見直しを は先方の賃金情報を入手困難のため実務対応ができない。 する。社外の出張者の申告義務は出張者 の所属する会社とすべき。 日機輸 日機輸 日商 ・Article 26, Law on Personal Income Tax Circular No. 119/2014/ TT-BTC on amendment of Circular No. 111/2013/ TT-BTC ・ベトナム個人所得税法 ・運用 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 17/30 意見元 No 問題点 日商 (4) 税務監査の突然の ・16 年税務監査がなかったにもかかわらず、突然にあまりにも長い間にわたって ・大企業への税務監査は 2 年ごととする。 実施 監査を実施した。 日商 (5) 税・会計制度の頻 ・税・会計制度の法整備が曖昧故、担当官によって見解が異なることが頻発。 ・日系企業同士、会計事務所との情報交換 繁な改正・手続の また、公式見解を得るに数か月以上かかるケースあり。 の場の設定。 見込みで対応した場合、あるいは担当官の交替で見解が変わった場合、追徴 ・最新情報の配信の仕組みと運用。 不透明 のリスクあり。 ・税制の不明確さや手続きの複雑さや突然の制度変更。 ・手続きの簡素化。 日商 問題点内容 要望 準拠法 ・Law on Tax Administration 2006 & revised in 2012 ・Circular 156/2013/ TT-BTC by MOF 日商 (6) 厳格な付加価値税 ・付加価値税の請求書と納品書:ディーラーに製品(オートバイ、自動車、部品)を ・納品書または類似の文書がそれぞれの配 インボイス管理の荷 供給するたびに、企業は文書の少なくとも 2 種類を発行する必要がある。その結 信に使用される。付加価値税の請求書は 重な企業負担 果、約 100000 請求書/月と販売取引を証明する納品書に同じボリュームを発行 税額が変更されないように月に一度発行 する必要がある。 することができる。すべての当事者は、より それは、ペーパーワークの巨大なボリュームと税務署面が和解し、付加価値税を 簡単な方法で正確に課税額を管理できる 支払うために作る。 ようにしてほしい。 ENAA (7) 外国契約者税の適 ・外国契約者税の適用基準が曖昧である。海外企業(日本の本社含む)との取引 ・取引の内容に沿った正しい税率の適用を ・ベトナム外国契約者税 用基準が曖昧 において、税率設定は「技術サービスのみ」>「機器の調達・納入を含む場合」、 お願いしたい。 即ち、機器納入時の方が、税率が低く設定されている。一方、機器納入を含む 取引であっても、「技術サービスのみ」と見做され、高い税率を課せられる場合が 多いのが実態である。 日商 (8) 特別消費税におけ ・SCT(特別消費税):自動車 CBU 課税価格は CIF、KD の卸売。 る KD 部品の課税 ベースの制度 (対応) ・SCT 課税価格を改定。 ・Circular no. 39/2014/TTBTC dated 31/3/2014, article 16, point 1 and point 2 ・Decree no. 51/2010/NDCP dated 14/5/2014 and decree no. 04/2014/NDCP dated 17/1/2014 ・Law on Special Consumption Tax 2008 & revised in 2014; Circular 05/2012/ TT-BTC by MOF ・ベトナム政府は、一部乗用車(9 人乗り以下)に対する特別消費税の改定を検討している。排気量 3,000cc∼4,000cc:SCT 税率現行 60%→90%引き上 げ、4,000cc∼5,000cc:60%→110%、5,000cc∼6,000cc:60%→130%、6,000cc超:60%→150%に大幅に引き上げる一方で、2,000cc以下は現行 45%を 20−40%に引下げる案を提示している。 日商 (9) 移転価格規則の不 ・競争力のある価格を提示して輸出を増やしたいが、移転価格規則が不明瞭であ ・マークアップ率など「合理的なマージン」に ・Law on Tax Administration 2006 & 明確 るためリスクがあり競争力が低下する。 ついての政府の見解を明確にすること。 revised in 2012 ・Decree 82/2013/ND-CP by Gov ・Circular 156/2013/ TT-BTC by MOF ・Circular 201/2013/ TT-BTC by MOF 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 日商 (10) 移転価格税制の二 ・特に移転価格税制においては、各国間のルールがまちまちで、見解が分かれる ・世界標準の移転価格税制(ガイドラインな 重課税リスク こともあり、当社グループとして二重課税リスクを抱えている。 ど)の法整備。 ・事前確認制度の充実。 (11) 福利厚生及び環境 ・①福利厚生費のためのキャップが 1 ヶ月である(給与の 1 ヶ月を超える厚生費の ・①平均給与の 1 ヶ月のキャップを外し、す ・Decree no. 91/2014/ND/ 保護の費用控除不 部分は控除不可)。したがって、それは完全に良い従業員の生活向上を図る べての福利厚生費は完全に控除可能と CP issued on 1/10/2014; article 1, point 4 十分 企業を奨励することとならない。 する。 ・Circular no. 219/2013/ ②(環境保護目的の)植樹のための費用は控除の対象ではない。これは、政府 ②環境保護のための費用は、損金算入の TT-BTC dated 26/12/ がこの活動を奨励しないことを意味するが、環境汚染がベトナムだけでなく、 ように教育、慈善寄付やスポンサーのた 2013, chapter 2, article 世界的な問題になってきている。 めのものと同じように控除可能とする。 9, point 2.n 日商 16雇用 ベトナムにおける問題点と要望 18/30 建産協 日商 日機輸 日商 問題点内容 要望 準拠法 (1) 外国人労働者の労 ・外国人労働者のワークパーミット取得について、 ・問題点は上がっているはずだが、まだ明 働許可の厳格 −先般の改正労働法により、従来免除対象として認められていた短期間(3 ヶ月 確な回答がない。当該の法制の撤廃。 未満)の労働が撤廃された。 −これによって例え 1 日でも外国人が仕事をする場合、対価を現地会社から受 け取る・受け取らないに係わらず、労働許可証の取得が求められている。 −また、緊急時の故障対応等への対応のための技術者の派遣は免除対象とさ れてはいるが、免除対象であることを事前に当局に届けを出し許可を得る必 要があり、現実に即した法律となっていない。 ・1 日でも過去にベトナム滞在をした人間が労働許可証を申請する場合、ベトナム ・投資奨励とは逆行する動きゆえ削除をお における無犯罪証明書を取得する必要あり。 願いしたい →ホテルに滞在履歴が残っていない場合など、非現実的。 労働許可証を申請する外国人は、5 年以上の勤務経験を要求される場合が 多々見受けられる。 ・過去にベトナム滞在歴がある場合、労働許可証取得に日越両方の無犯罪証明 ・直近に連続して 6 カ月以上の滞在があっ 書が必要とされているが、滞在日数の規定がなく、1 日の滞在でも無犯罪証明書 た場合のみ、等、追加ガイダンスの公布。 の提出を求められる等、理不尽な運用がされている。 ・Decree No.46/2011/ ND-CP ・No.102/2013/ND-CP ・Circular No.03/2014/TTBLDTBXH 2014 年 1 月 20 日公布 3 月 10 日発効 −新規に WP を申請する 際の必要書類(更新時は 不要) ・政府決議 No.47/NQ-CP 『労働法』 ・改正労働法 (対応) ・外国投資企業以外の外国又は国際的な事業体・機関における外国人労働者の比率について制限はないが、これらの事業体・機関が外国人労働者の雇 用を望む場合には、権限ある当局から承認を取得しなければならない。 ・首相は 2007 年 8 月 9 日、建設活動における外国人コンサルタントの雇用に関する Decision 131/2007/QD-TTg を発行した。この規則は、建設活動に 付随して顧問業務を提供する外国組織または外国人の雇用について定めている。これには、建設マスタープランの策定、測量調査、建設作業に向けた 投資案件の立案、建設作業の設計、建設の管理、作業遂行の指導、建設活動に付随する下請け業者の選定、およびベトナムの法律に即したその他建 設顧問業の一部が含まれる。 また、建設省は 2007 年 11 月 2 日、Circular 09/2007/TT-BXD を発行し、建設活動における外国コンサルタント雇用の費用管理に関するガイドラインを 提供した。これは、建設省の 2007 年 8 月 9 日付け Decision 131/2007/QD-TTg の施行規則である。この Circular は、国家資本(ODA などの国家予 算、国営金融機関の投資・開発向け与信枠、国家保証与信枠、その他の国有投資資本)を使用する建設作業または建設マスタープラン策定の投資案件 向けに役務を提供する外国コンサルタントの雇用に関与する団体または個人に適用される。 ・ベトナム政府は 2008 年 3 月 25 日、外国人の労働を認める要件、措置、手続きを更新した政令第 34 号(No. 34/2008/ND-CP)を公布した。同政令は、 外国人がベトナムで雇用されるための条件と労働許可申請のために提出が必要な書類を列挙している。同政令はまた、労働許可の延長条件について詳 細を記すとともに、労働許可の有効期間を最大 36 カ月間としている(一定条件の下でさらに 36 カ月間の延長が可能)。従前の雇用規則からの特筆する べき変更として、1 つの企業又は団体が雇用可能な外国人労働者の人数制限(全従業員の 3%以下)が撤廃されたほか、従前の規定で認められていた一 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 19/30 準拠法 定の役職・雇用形態の下で働く外国人(chief representative, head of foreign branch, employee of foreign contractor)に対する労働許可証の免除 も廃止された。同政令はさらに、企業内で社員をベトナムに派遣する場合にベトナムにおいて当該企業が幹部クラス(manager, executive, specialist)と して雇用しなければならないベトナム人の人数要件(幹部全員の 20%以上)を課している。政令第 34 号は 2008 年 4 月 12 日に発効した。これに伴って、 2003 年及び 2005 年から実施されてきた 2 つの従前の政令は失効した。 ・2009 年 11 月、ASEAN サービス調整委員会(CCS)第 59 回会合が開催され、サービス自由化に向けた国別課題として、ベトナムについて以下が挙げら れている。 −幹部クラス(Manager、Executive、Specialist)の人数全体の 20%以上はベトナム人でなければならない。ただし、1 社あたり最低 3 人は、ベトナム人 以外の者を幹部クラス(同)として受け入れなければならない。 −企業 1 社あたり雇用できる外国人社員の人数または割合の上限が定められており、また外国人社員に対する条件が課されている。 ・2011 年 6 月 7 日、政令第 46/2011/ND-CP 号が公布され、現地採用で外国人を雇う際には、採用の少なくとも 30 日前に、使用者は外国人を採用する 予定の職位に対するベトナム人労働者の求人を、少なくとも中央の新聞 1 紙、地方の新聞 1 紙に掲載しなければならないとされた。(ただし、職業紹介組 織を通して外国人を採用する場合には求人広告が不要。) ・政令第 46/2011/ND-CP 号の公布(2011 年 6 月 17 日)により、ベトナムで就労する外国人の採用・管理に関する規定(政令第 34/2008/ND-CP 号)が改 正された。8 月 1 日から発効する。以下の 5 項目で労働許可証の取得を免除する対象者を拡大した。 ①代表事務所(駐在員事務所)の所長、プロジェクトオフィスの所長、非政府組織からベトナムでの活動の代表を委任された者 ②ベトナムの WTO サービス約束表にある 11 の業種(経営サービス、通信サービス、建設サービス、流通サービス、教育サービス、環境サービス、金融サ ービス、医療サービス、旅行サービス、文化娯楽サービス、運輸サービス)で企業内異動する外国人 ③ベトナムの管轄機関と外国との間で締結された ODA に関する国際条約の規定または合意に従い、ODA の援助資金を使用するプログラム、プロジェク トの研究、建設、審査、追跡評価、管理および実施にかかわる専門的・技術的コンサルティングサービスの提供、または、その他の任務を実現するため に入国する外国人 ④ベトナム外務省からベトナムでの情報、メディア活動の許可証を発給された外国人 ⑤政府の規定によるそのほかの場合 ・2012 年 6 月 18 日、新たに制定された労働法第 173 条は、外国人就業許可証の有効期限を旧法の 3 年から 2 年に短縮している。 ・2013 年 5 月 1 日、改正労働法が施行。外国人労働者の就労許可証の有効期間は 3 年から 2 年に短縮(延長可能)され、新たに「外国人雇用の必要性 を説明する書面」を、赴任する 30 日前までに省、中央直轄市の労働傷病兵社会局に提出し、事前承認を受ける手続きが義務付けられた。 ・2013 年 9 月 5 日、外国人の就労許可に関する政令 No.102/2013/ND-CP が公布(11 月 1 日施行)され、①毎年、省・中央直轄市の人民委員会に 外国人雇用計画を提出・事前承認義務、②計画変更時はその旨報告義務、③就労許可証の有効期間は最長 2 年間、④就労許可証未取得で働く外国 人は国外退去処分などが規定された。 (改善) ・2014 年 3 月 10 日、外国人の就労許可に関する政令 No.102 に係るガイドライン通達(労働傷病兵社会省通達 No.3/2014/TT-BLDTBXH)が発効し施 行された。外国人の就労許可取得の資格証明書類に関するガイドライン及び外国人雇用計画書の事前承認申請書が明確化された。 日商 (2) 労働許可証必要条 ・2015 年 1 月 1 日付の外国人を対象とするベトナム出入国管理法令の施行によ 件の不明確 る具体的な影響として、従来運用上認められていたこととして、3 か月有効のビザ で入国後、就労許可を取得した上、就労目的の一時居住カードを取得してその ままベトナムに滞在することはできなくなった。 その為、ベトナム入国前に就労許可及び就労ビザを取得する必要があるとのこと であるが、ベトナム入国前の就労許可取得について、今までは、実務的に入国 前の取得が不可能である場合が多かった。現実に即した方法で、取得可能にな っているのか不明確。 ・ベトナムにおける外国人の 出入国、通過及び居住に 関する法律(第 7 条第 1 項) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 20/30 要望 準拠法 (対応) ・2013 年 9 月、改正労働法の外国人就労許可に関する施行細則(政令 No.102/2013/ND-CP)が公布された。同政令は、外国人就労許可に関する許可 証申請書類、許可証免除要件と申請手続許可証の有効期間、再発行、違法就業者の国外退去などを規定。 ・2014 年 6 月 16 日に、ベトナム国会はベトナムにおける外国人の入国・出国・通過・滞在に関する法律第 47/2014/QH13 号(以下、新出入国法)を発効 し、外国人の査証発給などをより厳しく取り締まる方向となった。本法令は 2015 年 1 月 1 日より有効となる。 新出入国法では、入国目的によって査証種類が詳細に決められている。本稿ではビジネスおよび就学を目的としてベトナムに入国する場合の査証のみ 取り上げて説明するが、全般的に査証を取得する際には入国目的の証明が必要となる。就労目的の場合は、新たに追加された「就労査証(コード:LD)」 を取得する必要がある。有効期間は 2 年間である。また、就労査証の取得申請には労働許可証が必要である。駐在員事務所や支店での勤務を目的とす る場合は「駐在員査証(コード:NN2(所長)又は NN3(職員)」で、有効期間 12 か月。 新出入国法第 7 条では「入国目的の変更ができない」という記載があり、一般的に以下の通り解釈されているが、現行法令では上記の規定に関する詳細 なガイダンスがない実務上まだ不明点が残っている。(1)申請した入国目的で入国し、入国後に査証の変更ができない。(2)ベトナム入国後、ベトナムに在 留したままで入国目的の変更および査証の新規申請ができず、一度出国してから新たに査証を申請する。(2014 年 12 月 26 日付 BMTU Global Business Insite) (3) 短期労働許可手続 ・3 ヶ月未満の短期就労に対してもワークパーミットの取得が法令上義務化された ・法律や行政側が要求する手続きすべての ・03/2014/TT-BLDTBXH の遅延 が、要求される手続きをすべて終えるのに 2 ヶ月以上の時間を要する。実務負荷 リードタイムを積み上げて実務的に無理の が非常に大きく対応に苦慮している。 ない運用細則に見直すべき。 (改善) ・2014 年 6 月 16 日に、ベトナム国会はベトナムにおける外国人の入国・出国・通過・滞在に関する法律第 47/2014/QH13 号を発行し、2015 年 1 月 1 日 より有効となる。労働許可証が不要となる要件として、「専門家、一定の範囲の管理職、技術者が 30 日未満、かつ 1 年以内の合計滞在日数が 90 日を超 えない範囲で滞在する場合」が盛り込まれ、専門家や管理職、技術者の短期の出張には労働許可証を取得不要となった。 日機輸 日商 日機輸 日商 電線工 JPETA 日機輸 (4) 短期の出国・再入 ・2015 年 1 月 1 日より、ベトナム滞在期間が 15 日以内であっても、ベトナム出国 ・従来は 30 日以内にベトナムに再度入国し ・Law No. 47/2014/QH13 国者へのビザ取得 後 30 日以内に再度ベトナムに入国する場合は、ビザの取得が必要となった。 てもビザが不要であった。従来の規則に戻 「ベトナムにおける外国人 義務の導入 してもらいたい。 の出入国、通過及び居住 ・ベトナムにおける外国人の出入国、通過及び居住に関する法律第 20 条 1 項に・20 条は撤廃。 に関する法律」 2014 年 6 月 16 日公布 基づき、前回のベトナム出国から 30 日以上経過した後でなければ、ビザ免除に よる入国を認められない。 2015 年 1 月 1 日発効 (5) ビザの目的変更禁 ・2015 年 1 月 1 日より、従来運用上認められていた、3 か月有効のビザで入国 ・従来の規則に戻してもらいたい。 止 後、就労許可を取得した上、就労目的の一時居住カード(Temporary Residence Card)を取得してそのままベトナムに滞在することができなくなった。 ・ベトナムにおける外国人の出入国、通過及び居住に関する法律第 7 条 1 項に基 ・ベトナムに来てから労働許可証とビザの手 づき、ビザの目的変更を禁止。 続きができるように緩和。 ⇒ベトナム入国前の労働許可証(WP)と就労ビザ取得が必要。 ・Law No. 47/2014/QH13 「ベトナムにおける外国人 の出入国、通過及び居住 に関する法律」 2014 年 6 月 16 日公布 2015 年 1 月 1 日発効 (6) 駐在員のビザ手続 ・在日領事館における査証手続きの事前情報(必要書類、所要日数等)が不足し ・必要事項の周知(ホームページ等)。 ・改正労働法 ている。 の不透明 ・電話による問合せ対応。 ・外国人の出入国・通過・居 ・ベトナムにおける駐在員の査証に関して、必要書類や有効期限などが明確にさ ・査証、特に労働許可証に関する規定の明 住法 れていない節がある。(当社駐在員も査証取得の際も、当国に来てから必要書類 確化が必要であると考えられる。 が明確となった。) ・2015 年 1 月より新法施行。15 日以内の日本人のビザ無渡航は引き続き認めら ・日本人が 1 か月以内に再渡航する場合、 れるものの、パスポート残存期間が 6 ヶ月(従来は 3 ヶ月)必要とされ、更に、1 か ビザ無しとして頂きたい。 月以内の再渡航についてはビザが必要となった。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 21/30 要望 準拠法 ・今まで容認されていた越国内での駐在員の就労ビザから労働許可証への切り ・法の執行方法について、現場への指導徹 替えが認められなくなったが、変更された措置の施行に伴う実務運用について、 底をお願いしたい。 一部の関係当局において従来の運用を継続しているところがあり、混乱に拍車 をかけている。 (改善) ・2014 年 7 月、外国人専門家の就労許可証の取得要件である「大学卒業」の条件を削除して、「該当分野で最低 5 年の勤務経歴を持つ」ことだけを要件と する政府決議 47/NQ-CP を発表した。 日商 日機輸 (7) CPI を上回る最低 ・CPI が 1 桁台にもかかわらず、毎年最低賃金が 15%∼20%上昇している。ベト ・2018 年までの政府方針は止む無しとする ・103/2012/ND-CP(2013 賃金の引上げ ナム進出の有力な判断材料であった良質な労働力と安価な労務費という魅力が が、その後は CPI+@の範囲内でコントロ 年の最低賃金) 大きく損なわれ、事業継続判断に重大な影響を与えかねない。 ールをしていくように政府に要請する。 ・労働者の生活コスト、CPI 上昇率とかけ離れた率・金額で最低賃金が上昇して ・労働者の生活実態を正しく調査し、合理的 いる。徒に労働コストを押し上げ、生産拠点としての競争力を削いでいる。2014 な根拠に基づいて最低賃金を決定しても 年 CPI 上昇率 4.09%、最低賃金上昇率 15%前後(地域により異なる)。公務員 らいたい。 の最低賃金は一般企業の半分ほどであり、合理性を欠く。 (対応) ・ベトナム政府は 2007 年 11 月、インフレ率に応じて賃金を調整するため、ベトナムで活動するすべての企業に対する 2008 年の法定最低賃金を引き上げ る一連の政令を公布した。それらの政令は、企業の国籍や立地する地域に基づく最低賃金を具体的に定めている。また国内企業と外国企業に対する最 低賃金の二層制度(国内企業よりも外国企業に対して高い最低賃金を課している)は維持され、3 つの地理的ゾーンに応じて最低賃金に少しずつ差を設 けている。ベトナム政府は、WTO 約束を果たし、無差別原則及び内国民待遇原則を遵守するため、2012 年までに最低賃金に関する二層制度の段階的 撤廃を目指している。一連の政令はまた、熟練労働者や教育程度の高い労働者に対してはより高い(未熟練労働者よりも 7%以上高い)最低賃金を義務 づけている。一連の政令は 2008 年 1 月 1 日に発効した。これに伴って、従来の最低賃金に関する諸政令は失効した。 ・2009 年 10 月 30 日、ベトナム政府は、国内及び外国の雇用主がそれぞれの従業員に支払わなければならない 2010 年の法定最低賃金の引き上げに関 する政令第 97 号(No. 97/2009/ND-CP)及び第 98 号(No. 98/2009/ND-CP)を公布した。 政令第 97 号は、国内の雇用主が従業員に支払わなければならない月額最低賃金を現行の 65 万∼80 万ドンから 12∼23%ポイント引き上げ 73 万∼98 万ドンにするとしている。また政令第 98 号は、外国の雇用主が従業員に支払わなければならない月額最低賃金を現行の 92 万∼120 万ドンから 9∼12% ポイント引き上げ 100 万∼134 万ドンにするとしている。各々の月額最低賃金は、雇用主の所在する地域によって異なる。 法定最低賃金の調整は、2012 年までにすべての雇用主が支払うべき最低賃金の統一化・共通化に向けたベトナム政府による 2008−2012 年の給与、 社会保険、諸手当改革計画の一環をなすものである。ベトナムは、無差別、内国民待遇という WTO の原則を遵守するため、国内の雇用主と外国の雇用 主の二層構造からなるベトナムの法定最低賃金体系を最終的に解消しなければならない。 ・2010 年 9 月、労働傷病兵社会省(MOLISA)は、2011 年の外資企業の最低賃金を 10%超引上げる最低賃金改正案を公表した。 ・国家賃金評議会は国内・外資系企業の 2014 年の最低賃金引き上げに関する政令改正案を政府に提出した。最低賃金の月給・引き上げ率は、第 1 地域 275 万ドン・17.0%、第 2 地域 245 万ドン・16.7%、第 3 地域 210 万ドン・16.7%、第 4 地域 190 万ドン・15.2%となっており、消費者物価を大幅に上回っ ている。但し、景気悪化とインフレ圧力の緩和に伴い前回の 2011 年 11 月の 27%∼32%引上げ率(外国企業)を大きく下回った。 ・2014 年 1 月 1 日、最低賃金が地域 1 で 235 万ドンから 270 万ドンへ 14.9%引上げられた。地域 2∼4 でも 14.3%∼16.7%引き上げられた。 ・2016 年 1 月 1 日より、ベトナム政府は、法定最低賃金を引き上げる。地域別の引き上げ率は前年比約 11∼13%(Region 1: 12.9%, Region 2: 12.7%, Region 3: 12.5%, Region 4: 11.6%)。 日機輸 (8) 有期雇用契約更新 ・有期雇用は、更新 3 回目で固定期間のない雇用契約を締結しなければならず、・固定期間のない雇用契約締結の制約をな ・ベトナム労働法(新労働法: の困難 2013 年 5 月発効)第 22 条 事業状況に則した柔軟な要員調整が難しい。 くしてほしい。 (対応) ・2012 年 7 月 2 日、改正労働法が公布され、人材派遣が新たな労働形態として定義された。施行は 2013 年 5 月 1 日。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 22/30 意見元 No 問題点 日機輸 日商 (9) 超過勤務時間規制 ・残業について、一日 4 時間、月間 30 時間、年間 200 時間(許可あれば 300 時 ・日本のように労使間で合意をすれば自主 ・ベトナム労働法第 69 条 間)の上限が設けられている。業務閑散がある中で、柔軟な運営の妨げになっ 的な上限が設定できるように法律を改正す ・ベトナム労働法(新労働法: 2013 年 5 月発効)第 106 ている。 る。 ・時間外労働時間数の規制が著しく厳しく、全ての労働者について、1 ヵ月 30 時 ・規制を一元化するのではなく、職種によっ 条 間、1 年間 200 時間(申請により 300 時間)が上限となっている。24 時間稼動の て多様性を持たせるよう法改正してもらい ・ベトナム労働法第 106 条 2 装置産業や開発・技術の仕事を増やしていくことが難しい。 たい。 項 ・45/2013/ND-CP (対応) ・在ベトナム米国商業会議所などが残業時間上限の大幅な引上げを要請していたが、2012 年 7 月公布された労働改正法案で残業時間上限が年 200 時 間に据え置かれた。 (10) 人材の高い離職率 ・人材の離職率が高く定着しにくい。(結果、事業遂行とともに人件費、採用、教育 ・労働市場の高品質化と安定。 コスト増加にもつながる) 日機輸 日商 日機輸 日商 17知的財産制度運 JEITA 日機輸 用 (11) 人材育成不足 問題点内容 要望 準拠法 ・ベトナム国内景気の減速により、2012 年から工場労働者数は確保しやすくなっ ・企業での実務に見合った実践的な教育機 た。しかし、ベトナムには普通高校しかなく、企業が望むスキルを早い段階からの 関、教育プログラムを整備し、雇用ニーズ 学ぶための専門教育期間として工業高校、商業高校、農業高校、水産高校が必 にあった人材育成を実現してほしい。 要である。また、大学を含め理論的な学習に偏り、実践的な教育プログラムが不 足している。 ・現地人材が不足しており、スキル向上とマネジメント人材の育成が必要。 ・労働市場の高品質化と安定。 (1) 知的財産情報の開 ・権利化ニーズが高まる新興国において、件数等の統計情報や出願データベー ・先進国特許庁との連携協力を進め、早期 示不十分 スの整備が不十分のため、正確な他社特許リスクを把握できない。 DB の整備を進めていただきたい。 日機輸 (2) 拒絶査定時の分割 ・拒絶査定時に出願人は出願を分割することができない。 ・拒絶査定時にも分割出願できるようにして ・第 115 条第 1 項 出願不可 ほしい。 (対応) ・ベトナムにおいて分割出願を行うことができるのは、拒絶査定または特許査定の発行日より前となっている。なお、拒絶査定に対する不服審判請求の結 果、審査官への差戻し審査となった場合の審査中において分割出願できる。(ベトナム知的財産法 第 115 条) JEITA 日機輸 (3) 不明確な第一国出 ・現地開発ニーズが高まる新興国において、当該国における第一国出願義務が 願義務の法令規定 法令で規定されている国が依然として多いが、その法令が明確でないため、有 効な知的財産権の確保が困難な場合がある。また、多数国間にまたがる研究開 発活動が必要とされる今日、複数国での第一国出願義務が抵触するリスクが懸 念される。 JEITA 日機輸 (4) 権利化の高コスト、 ・ベトナム語以外の言語で特許出願をした場合、出願日の確保ができない。(イン ・英語ないし外国語言語で特許出願した場 合も、出願日の確保を認めていただきた。 訴訟の手続きの複 ドネシア、マレーシア、シンガポールなど、英語で出願日確保が可能) 雑化と高コスト (5) 税関での疑義侵害 ・ベトナム税関から疑義侵害物品に関する情報提供を受けるが、原則、輸出入業 ・疑義侵害物品の情報提供を受けたとき 物品の真贋鑑定の 者などの書類上の情報しか提供されず、正式な差止め申請を行い担保金も積ま に、権利者が貨物の開梱・確認をできるよ 困難 ない限り、貨物の現品を確認することができないことになっている。実質、真贋鑑 うな制度に改めていただきたい。 定を行うことができないため、権利者としてはリリースせざるを得ず、水際措置が 機能していない。 JEITA 日機輸 ・第一国出願義務の緩和撤廃、又は法令条 ・ベトナム政令 文の明確な規定をお願いしたい。 122/2010/ND-CP (2010 ・多数国間での取り決めなどにより、国を跨 年 12 月 31 日発令) る研究開発への第一国出願義務の適用緩 和などを推進していただきたい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 時計協 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 23/30 要望 準拠法 ・税関差止めにおいては、担保金を積んで差止申請を行った後でないと、疑義品 ・差止申請前に疑義品画像を提供して欲し の画像が入手できない。疑義品発見通知に記載されている輸出者/輸入者情 い。 報に基づいて侵害か否かを判断しなければならない。 (対応) ・2015 年 3 月 15 日、ベトナム税関は新関税法(Law No. 54/2014/QH13 on Customs)に沿った措置として、知的財産権侵害及び模倣品の取り扱いに 関する税関の執行を強化するため、知的財産権侵害物品の疑いがある輸出入貨物をめぐる税関取扱いを規定する通達(Circular No. 13/2015/TTBTC)に基づく新たな手続きを実施した。 【参考】越財務省通達第 13 号の URL【越語】 http://www.customs.gov.vn/Lists/VanBanPhapLuat/ViewDetails.aspx?ID=8140 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 JEITA 日機輸 (6) 複製品に関する権 ・インターネット情報の検索サービスを提供するために必要と認められる限度で複 ・インターネット情報の検索サービスを実施 ・個人の学術研究、講義を 利制限規定の不備 製が認められるべき。 目的に限られ、また 1 つの するための複製等に係る権利制限の導 複製に限定されている(25 なお、日本では著作権法 47 条の 6 により、違法に送信可能化されていた著作物 入。 条 1 項a号)。 であることを知ったときはそれを用いないこと等の条件の下で権利制限されてい る。 ・私的使用目的で、正規に購入した音楽 CD を PC に録音、さらに当該 PC から ・現実に即した私的使用目的での複製の権 携帯オーディオにコピー、放送番組をタイムシフト視聴するために録音・録画、さ 利制限の導入。 らに当該複製物を外出時に視聴するためにスマートフォンに再複製、購入した 書籍を電子化してタブレットにコピーする、といったことが現実に行われている。 これら行為により、権利者に損害が生じているとは考えられないことから、上記が 適法となるように権利制限がなされるべきである。しかしながら、国によっては、そ もそもそれら行為が法文上は違法と位置づけられていたり、一部の行為を適法と していても不十分であることがある。なお、日本では、著作権法 30 条により、比 較的広範に私的使用目的での複製を権利制限している。 ・録音、録画その他の技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合 ・技術の開発又は実用化のための試験に係 に、必要と認められる限度で利用が認められるべき。 る複製等の権利制限の導入。 なお、日本では著作権法 30 条の 4 で権利制限がされようとしている。 ・コンピュータ等を用いた情報解析を行うために必要と認められる限度で複製が ・情報解析研究のための複製等に係る権利 認められるべき。 制限の導入。 なお、日本では著作権法 47 条の7により権利制限されている。 ・コンピュータプログラムの調査・解析はアイデアを抽出する行為であり、その過程 ・リバースエンジニアリング目的での複製の で行われる中間的な複製・翻案にまで権利を及ぼすべきではない。 権利制限の導入。 なお、日本では、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会において権利制 限が必要との結論に達しており、法改正を待つのみとなっている。 ・通信の過程、著作物の視聴・実行の過程、情報通信の技術を利用した役務提 ・機器利用時・通信過程における一時的蓄 供の過程において、その処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる 積に関する権利制限及び情報通信の技術 限度で複製が可能であるべき。 を利用した役務提供のための利用に関す なお、日本では著作権法 47 条の 8(電子計算機における著作物の利用に伴う る権利制限の導入。 複製)、著作権法 47 条の 5(送信の障害の防止等のための複製)により権利制 限されている。また、平成 24 年の改正法案(著作権法 47 条の 9 情報通信技術 を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用)でもさらなる権利 制限がされようとしている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 24/30 準拠法 (対応) ・ベトナムにおいては、旧来の著作権保護制度に基づいて著作権侵害を行ったインターネットユーザーの一次的な責任を追及できるのに対して、インター ネットサービスプロバイダー等の二次責任を追及する制度が未だ確立していない。ベトナムでは、2012 年 7 月共同通達を通じ、インターネットサービスプ ロバイダーおよびその他の中間機関の二次責任に係る法制度の策定の検討が開始されている。(出典:特許庁「新興国等知財情報データバンク」2015 年 3 月 31 日付け記事「ベトナムにおけるインターネット上の著作権侵害」) 19工業規格、基準 日鉄連 安全認証 21土地所有制限 日機輸 日機輸 (1) 強制規格適合表示 ・2011 年 6 月 1 日、ベトナム科学技術省は、WTO へコンクリート補強用鋼材規格 ・措置導入の見合わせ、適切な適用除外規 義務 を含む技術規則案を 8 月 1 日に公布、2012 年 1 月から施行することを通報し 定の設置。 た。 上記鋼材の製造者、輸入者には、規格名(内外を問わず)を宣言し、規格適合と 表示を義務付けられる。 2013 年 6 月 3 日、ベトナム商工省は、WTO へ国内外の鋼材の品質管理方法 に関する科学技術省との共同通達を施行することを通報。 施行された場合、全ての製造・輸入に関する関係者は本通達に従う必要がある (公布・実施時期は未定)。 (対応) ・2014 年 6 月 1 日、鉄鋼製品の強制規格に関する商工省・科学技術省共同通達 44/2013/TTLT-BCT-BKHCN が施行された。 (改善) ・2014 年 8 月 25 日、科学技術省通達 1591 号が発出され、JICQA、JQA が「外国試験機関(認証機関)として正式に認められた。 ・2014 年 6 月 24 日、鉄鋼製品の強制規格に関する商工省・科学技術省共同通達 44/2013/TTLT-BCT-BKHCN で品質検査の対象より、①輸出加工用 に輸入された鉄鋼製品および②EPZ 外に拠点を置く輸出加工企業により輸入された鉄鋼製品が除外された。 (1) 外資への土地所有 ・100%外資企業の土地所有が認められていない。 ・安定した事業運営の為に、土地所有を認 ・Circular No.94/2011/TT-BTC の不認可 (共産主義国であり、自国民にも認めていないが) めてほしい。 ・100%外資企業の無期限土地利用権が認められていない。 ・安定した事業運営の為に、無期限の土地 利用権を認めてほしい。 (対応) ・ベトナムにおいて、土地は全人民所有が原則であり、個人による土地所有は基本的に認められていない。外国人法主体は、ベトナムにおける土地使用権 の否定が継続されている。しかしながら、政府は外国投資企業(FIE)の形態において、ベトナムにおける外国人投資家の事業設立への土地使用権を拡 大した。外国投資企業は、土地使用権の価額をベトナムの地場銀行または外国銀行の支店へ抵当に入れる権利が与えられる。土地管理総局(General Department of Land Administration)は、2002 年、修正されたベトナムにおける借地契約の外国人個人及び組織の権利と義務に関する通達 (Ordinance on the Rights & Obligations of Foreign Individuals and Organizations Leasing Land in Vietnam)を起草し、首相に提出した。草 案は、譲渡、賃貸契約期間の拡大、及び民間個人からの賃貸契約の提供が含まれた。 ・2003 年 11 月、ベトナムの国民議会は、2004 年 7 月 1 日から施行の新土地法を通過させた。修正土地法によると外国投資法に基づく外資企業は、土地 使用権(「LURs」)を国からリースすることができる。外資企業で土地をリースし、リース全期間のリース料を一括支払うものは(1) リース期間中に LURs 又は 土地に附属する資産を譲渡並びにサブ-リースし、(2) リース期間中に信用機関に対して LURs と資産を担保又は保証として使用し、かつ(3) 期間中 LURs と資産を資本金として出資することができる。一方、土地使用者でリース料を年次で支払うものは、その資産のみを譲渡、売却又は担保することがで きる。但し、外国土地使用者の多くは、この変更による便益をあまり享受できない。これら便益を享受するには、実質的に土地の購入を余儀なくされるから である。多くの外資企業にとって、単に土地のリースだけに巨額な資本前払投資が絡むので、できない相談である。従い、外国の土地使用者の多くは年 次支払制度を選択する。ことに住宅資産分野への投資を検討する投資家には負担が大きいのでまったく計画を反故にすることさえ考えられる。その上、こ の変更は、LURs の担保を希望する外国土地使用者にとっても、土地リース料の全額前払を要する難しい問題を提起する。多くの外国土地使用者がはじ めに全期間中の土地リース料を支払っていない又は支払が不能であると仮定すると、多くの外国土地使用者にっとって土地を担保することができても、 LURs そのものは不可能であると見受けられる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 22環境問題・廃棄 JEITA 日機輸 物処理問題 日機輸 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 25/30 準拠法 ・2013 年 11 月 29 日、土地改革法案が国会で可決し、2014 年 7 月 1 日発効。外国投資企業が土地に関わる投資を行う場合や不動産を使用する場合は、 国家から土地使用権を取得する以外方法はない。 (改善) ・ベトナム資源環境省は 2007 年 11 月 19 日、土地法(2003 年改正)の施行を促進するための指令第 2 号(Directive No. 02/CT-BTNMT)を公布した。 同指令は、各省(province)の当局が土地法の施行を加速化するために講じるべき多くの措置を規定している。具体的には、法律の拡充、教育・啓蒙プロ グラムの実施促進、土地法の施行に係る機関及び措置のための組織・行政上の改善などである。土地法の施行に係る法令としては、すでに 2004 年 1 月 9 日付け指令第 5 号(Directive No. 05/2004/CT-TTg)、2006 年 1 月 22 日付け指令第 5 号(Directive No. 05/2006/CT-TTg)、2007 年 4 月 6 日付 け指令第 9 号(Directive No. 09/2007/CT-TTg)が公布されている。 ・2007 年 1 月 1 日に、不動産事業に関する法律 63/2006/QH11 が発効した。この不動産事業法に基づき、国内企業および外資系企業(FIE)は、下記の 不動産事業に従事することが許可される。 1) 販売・賃貸・供与・分割払い購入のための家屋・建物の建築投資。 2) 土地の改良投資、賃貸地のインフラ工事への投資を行い、インフラを整備して土地を賃貸する。 3) 不動産仲介サービス、 4) 不動産査定サービス、 5) 不動産の立会場サービス、 6) 不動産コンサルタントサービス、 7) 不動産競売サービス、 8) 不動産広告サービス、 9) 不動産管理サービス ・2007 年 1 月 1 日発効の不動産事業法(63/2006/QH11)は、ベトナム人の個人・企業は、すべての種類の不動産事業活動への従事が許可される。不動 産事業活動(不動産事業および不動産関連サービス)に従事する個人・企業は、事業の登録と所定の条件を満たすことが求められる。査定・仲介に従事 する個人(不動産事業のスタッフを含む)は、省の人民委員会が発行する専門業務証書が必要となる。不動産事業法における重要な点の 1 つは、新規の 都市地区プロジェクト、住宅地区プロジェクト、工業地区技術インフラプロジェクトの譲渡が許可されることである。この法律は、新規不動産プロジェクトの譲 渡に関する一般的原則として、 1) 国家関係当局の承認、 2) 譲受人である投資家は、不動産事業に従事する組織・個人で不動産事業に従事するための条件を満たしており、譲受人の義務を十分に果たすことに 同意しなければならない、 3) 譲渡は契約書を通して行われなければならないことを規定している。しかし、これらのプロジェクトの譲渡に関する具体的な規定については、未だ発表 されていない。 (1) 廃電気・電子製品 ・廃電気・電子製品の回収に関して、製造者・輸入者が消費者からの回収約束を ・製造者・輸入者は回収地点からの回収率 ・Decision Providing Regulations on に責任を持つべきである。 の回収の困難 守ることは困難である。 Retrieval, Treatment of メーカーには「コレクションポイントの設置・回収・処理」「生産・輸入数量及び廃 Discarded Products 品回収処理結果の報告」が義務付けられる方向だが細則が不明(2015 年 1 月 dated 28 September 目標)。元来ベトナムでは商慣習がことなり廃家電を買取るスクラップディーラー 2012 が存在し、リユーズされる。 (対応) ・2015 年 5 月 22 日、ベトナム政府、廃棄製品(廃電気電子機器及び廃自動車・オートバイ)の回収・処理に関する規定(Prime Minister’s Decision No. 50/2013/QD-TTg)を改正する Prime Minister’s Decision No. 16/2015/QD-TTg を公布した(2015 年 7 月 15 日より施行)。本改正は、工業・農水・人 間医療用の一部化学品・化学製品を対象品目リストから除外し、対象製品の製造者及び輸入者に対する廃棄製品回収・処理義務の履行期限を延期する もの。 (2) 独自の省エネ規制 ・省エネ規制に対象製品が適合していることを証明するために、1)工場監査、もし ・製品の省エネスペックは、設計段階で決定 ・Circular No. 07/2012/ の負担 くは 2)積送品ごとの認証発行を受けなければならないと規定されている。類似の されるため、他国の省エネ規制のように、 TT-BCT dated April 04, 省エネ規制は他になく、本規制のためにこのような認証手続きを踏まなければな 製品モデルもしくは代表モデル毎の認証 2012 of the Ministry of らないのは負荷が大きすぎる。 取得(+必要であれば抜き打ちのサンプル Industry and Trade チェック)で適合可能としていただきたい。 defining the energy labeling for means and equipment using energy 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 26/30 要望 準拠法 (対応) ・2015 年 1 月 1 日、ベトナム、7 人乗り以下の乗用車への省エネ(燃費)ラベル貼付を義務化する新規則 Circular No. 43/2014/TTLT-BGTVT-BCT を 施行。 【参考】本規則の URL【越語】 http://www.customs.gov.vn/Lists/VanBanPhapLuat/ViewDetails.aspx?ID=7880 ・2015 年 2 月 1 日、ベトナム運輸省は、QCVN 86:2015/BGTVT に基づき、国産完成車、国内組立車、輸入完成車を対象とする「ユーロ 4」相当の新たな 自動車排ガス基準を発行(2016 年 2 月 1 日施行予定)。 【参考】越運輸省通達 2015 年第 33 号については、以下の URL を参照【越語】 http://www.mt.gov.vn/vn/tin-tuc/37569/ban-hanh-quy-chuan-ky-thuat-quoc-gia-ve-khi-thai-muc-4-doi-voi-xe-o-to-san-xuat--lap-rap-va-nh ap-khau-moi.aspx 日機輸 (3) WEEE ドラフトにお ・未だに WEEE に関する法律が発布されていない(2015 年の早い時期に発効す ・販売実績報告の対象外の市場及び流通 ・Draft Decision and ける問題点 るかも)が、WEEE に関する最新のドラフトは首相が検討中。最新のドラフトで 法主体の販売された製品の販売情報の撤 guiding Circular on WEEE (latest versions) は、コレクションポイントの数などは輸入者/製造者が適切な数を設定できる。 廃。 一方で販売実績の報告が求められており課題。 ・法律に価格交渉「negotiation」を規定しな また消費者-輸入者/製造者間の廃棄製品の価格交渉については法律で定義す いこと。 べきでなく、消費者-輸入者/製造者間の問題であるべき。 日製紙 (4) 環境規制の適用の ・突然、環境当局が工場の廃棄物管理、環境関連書類等のチェックに訪れ、不備 ・環境悪化に直接インパクトのある状況であ 恣意性 があった場合、改善指導と同時に罰金を適用していく。 れば、即時罰金でも仕方ないが、書類の 不備等で実際には悪影響がない場合は、 改善指導に従わなかったときに初めて罰 金を適用してほしい。 23諸制度・慣行・非 日商 能率な行政手続 (1) 許認可手続の遅 延・恣意的運用 ・投資ライセンスなどの取得申請手続きなど許認可に時間を要する、担当官により ・制度の明確化や環境や社会の成熟。 要求書類や追加手続きが異なる。 (改善) ・ベトナムは、自動的、非自動的認可手続き共に、透明で予測可能な方法で履行されなければならないと BTA で約束をしている。ベトナムは、さらに、これ らの措置が国際標準に合致することに同意している。ベトナムは、過度の官僚政治を除去し、かつ BTA の約束に従うための試みにおいて、行政措置を改 善する多大な努力をしてきた。 例)−外国投資家が投資認可を得るための時間短縮。 −企業は輸出入活動に従事する際により自由度を持つ。輸入又は輸出ライセンスは、時々政府によって定義されるような特定の商品に対して維持さ れる。 −特定の事業をするために要する多くのライセンス及び承認は撤廃される。さらに、政府は、どのようなライセンス及び承認が撤廃される必要があるか を時々首相に提案し、見直すための委員会を設立する。 −多くの法律及び実施規則は、通関、個人及び組織の行政上の苦情の解決、課税等々の分野において公布される。しかしながら、なお取り組むべき 多くの障害や困難がある。政府機関間の協力の欠如、または法及び規則の間の不一致のため、法や規則の実施の結果は、時々高くないことがあ る。 ・ベトナムは、BTA 条項に従うため、法制度の改正及び更新に非常に意欲的な計画を持っている。 ・グエン・タン・ズン首相は 2007 年 11 月 30 日、企業の投資・建設に係る行政手続き上の問題を解決する目的で法律手続きを強化・簡素化するための 2007 年決定第 59 号(Resolution No. 59/2007/NQ-CP)を公布した。同決定は、国内投資プロジェクトに対する投資許可証の交付手続き、事業者登録 番号及び納税者番号の統合、オンライン登録手続きのための事業者登録データベースの構築、土地調査や土地の収用に伴う住民への補償・移住(強制 立ち退き)に関する手続き、鉱物探査免許及び鉱物開発免許の統合、環境影響報告の報告手続きなどについて定めている。 ・投資許可証発給までの期間として、15 営業日以内に許可することが定められている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 ベトナムにおける問題点と要望 27/30 意見元 No 問題点 日商 (2) 投資許認可手続の ・弊社のベトナム新工場生産立ち上げに必要な政府からの各種許認可取得につ ・各種許認可ごとに、明確な法律、運用を定 ・ベトナム外国投資法 不透明 いて、法律及びその運用にあいまいな点が多い。申請窓口の省庁、及びその担 めていただきたい。 当者によって解釈が異なることもあり、対応に時間とエネルギーを要す。 ・現地法人設立に際して、投資許可取得の手続きが明確に決まっておらず、担当 ・申請に必要な書類、手続きの統一化・標 官の考えによって対応が変わってくる。 準化を図り、担当官による差異をなくす。 また、申請から許可取得までに長時間を要した(弊社の場合 8 か月)。 ・許認可手続きの迅速化。 ENAA 24法制度の未整 日機輸 備、突然の変更 日商 日商 問題点内容 要望 準拠法 (1) 法体系の未整備・ ・法律に関しては公布前に企業の意見を求めることが増えてきている一方、詳細 ・法令発行前に企業の意見を吸い上げ、十 不明確 な運用が決まらないまま発行されるため、地域行政当局・担当者によって解釈が 分な運用検討を行って頂きたい。 異なり、企業活動に様々な支障をきたしている。 ・法律の運用規則が不明瞭・未整備であるため、現場担当者の解釈に基づいて ・運用規則の具体化、明確化を行って頂き 判断罰金や追徴課税されることがある。 たい。 ・解釈や判例について、公表して頂きたい。 ・税法を含む法体系が未整備で解釈が役人の人それぞれで異なり企業活動にお ・法体系の整備(文書の洗練化等)と発行前 いて様々な支障をきたしている。新たな法律の発行により、より複雑化、難解化 に解釈の徹底を図って頂きたい。 の方向。 (対応) ・国会は、2002 年 4 月、ダンピング価格と独占価格に関する価格条令を承認、5 月、国際通商における最恵国待遇と内国民待遇に関する条令を承認、同 月、外国製品輸入のセーフガード措置に関する条令を承認した。 (改善) ・2002 年 10 月 4 日、国会(National Assembly)は、一層の司法の独立を発達させる努力において、司法省(Ministry of Justice)からベトナム最高人民 裁判所への司法権の移行を承認した。政府は人民裁判所の判決に関する通達及び人民検察院(People's Procuracy)の検察官に関する通達を出した。 その通達は、裁判官及び検察官が従事することができる活動を規定している。これは、司法において、汚職を制限し、公衆の信頼を取り戻すための努力 である。 ・既存法規並びに実施規則の英語版官報が入手できるようになった。 ・2005 年 4 月 8 日、ベトナムへの外国直接投資の導入を促進する措置に関する首相指令 13/2005/CT-TTg が公布された。当該指令による政策は、以下 の通りである。 (a)外国投資法、関連法律、国際条約と不整合な投資認可発給の制限・停止を目的とした法令の公布を行わないこと。 (b)AFTA、BTA、日越合同イニシアティブ、EU との合意との関連における、国際条約の遵守。 (c)投資法及び企業法の実施のための指針を示す法令の公布。当該法令の公布にあたっては、法規の統一性、明瞭性、予見可能性を確保しなければな らない。その後の政策は、承継性、不遡及性、魅力性を満たすものでなければならない。 (d)特に認可されたプロジェクトの投資優遇につき、投資優遇措置に影響を与えない税制に関する規定を完全に遂行すること。 ・株主の登録:企業法 60/2005/QH11 に基づき、総株式数の 5%以上を所有している株主は、関係事業登録機関に対し、当該所有割合を入手した日付か ら 7 営業日以内に登録する必要がある。 経営者:LOE2005 に基づき、LLC および SC の法的代表者はベトナムに居住していなければならない。代表者が 30 日を超える期間ベトナムを離れる場 合は、書面により、法的代表者の権限・義務を実施する権限を他の者に与える必要がある。 事業登録の内容の公表:企業法 60/2005/QH11 により、事業登録証明書の発行日から 30 日以内に、企業は事業登録機関の企業情報網、または新聞・ 電子ニュースレターの 3 回連続の発行物において公表しなければならない。事業登録内容に変更が生じた場合、当該企業は、期限内に本項で規定 した方法により、その変更について公表しなければならない。 投資手続き:決定 No.1088/2006/QD-BKH(MPI、2006 年 10 月 19 日付)は、ベトナムの投資手続の標準形式について規定している(「決定 1088」)。 これに基づき、投資家は新投資企業体制の下で、投資登録・評価の申請、事業登録申請を行う際に、投資書類作成提出の標準形式に従わなけれ ばならない。決定 1088 によって、公式標準化された投資手続は、投資事業環境における効率・透明性の改善となる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 日商 日商 日製紙 日商 26その他 日機輸 日商 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 28/30 準拠法 ・ベトナム政府は 2007 年 9 月 5 日、会社法(2006 年第 60 号法;No. 60/2006/QH11、2005 年 11 月 29 日制定)のいくつかの規定に関する実施細則を 定めた政令第 139 号(Decree No. 139/2007/ND-CP)を公布した。政令第 139 号は、 (1)初めてベトナムに投資する外国投資家、 (2)2006 年 9 月 21 日付け政令第 101 号(Decree No. 101/2006/ND-CP)に従って投資証明書を再登録していない外国企業、 (3)株主総会参加者、 (4)累積投票などに関する指針を定めている。 同政令の規定に基づき、初めてベトナムに投資する外国投資家は、設立する企業の定款資本の 49%以上を所有する場合、投資登録を行わなければな らない。また定款資本の 49%未満しか所有しない場合、企業の設立は、2006 年 8 月 29 日付け政令第 88 号(Decree No. 88/2006/ND-CP)に定めら れた事業登録の手続きに従う。投資証明書の再登録を行っていない外国投資家は、事業範囲、投資期間、既存の投資免許の諸条件による制限を受け る。株主権に関して、有限責任会社の定款資本の 35%以上を所有する機関又は企業の普通株の 10%以上を所有する機関は、社員総会又は株主総会 にそれぞれ最大 3 名まで参加させることができる。政令第 139 号はまた、株主に対して、株主総会の承認に従って、累積投票を行うことを認めている。 (2) 企業再編制度の未 ・マイノリティースクイズアウトを実現するための法制度が整備されていないため、 ・マイノリティースクイズアウトできるように法 整備 企業再編の実行における障害となっている。 令整備を進めて頂きたい。 (3) 新設・改定された ・法が発布されても、(日本で言うところの)施行規則、施行令の発布がなされず、 ・日系企業同士、会計事務所との情報交換 ・外貨取引規制 法制度の実施運用 実質的に運用がなされないケース多い。 の場の設定。 ・消防法 細則・手続の未整 また、貿易に関する規則が政府より発表されるケースでも、発表から施工までの ・最新情報の配信の仕組みと運用。 ・外国契約者税制等々 備、発行遅延 期間が極端に短いケースもあり。加えて、企業、商工会からの反対で、延期、取 りやめになるなど、不安定感強し。 ・新法制定や法改正が行われる際、実運用の細則・施行令の公布が間に合わず ・法律の制定や改定の際には、施行細則ま に、行政機関の混乱、手続き遅延等が発生し、進出企業の事業運営にも少なか で確り準備をして進める。 らず悪影響を与える。また、施行細則が不明確で行政担当者の裁量に頼ること も多く、前回と異なる判断の変更や、またそこに担当者から付届けが要求される ことも散見され、対応に苦慮することがある。 (4) 法律や料金の突然 ・法律改正や料金改定をするにあたり、突然行うことが多い。本来であれば、法律 ・法律改正、料金改定などは企業、特に外 ・LAW ON ENTRY、 の改定 改正や公共料金の改定を行うのであれば、周知徹底するために相当の期間を 国資本企業から意見を聞き、問題が生じな EXIT、TRANSIT、AND RESIDENCE OF 設けてもらわないと、会社の運営上、問題が生じる。特に、今般の出入国管理法 いように配慮して頂きたい。 FOREIGNERS IN の施行(日本人への査証免除措置改訂)や賃金 UP 率、中古品の輸入規制措 ・また、施行が決まった場合は周知期間を VIETNAM 置(この規制は撤回)、水道料金の値上げ(ドンナイ省のみ 30%超)は、会社を 設けて頂きたい。 運営していく上で問題である。 (5) 法制度の頻繁な変 ・労働法や労働制度の頻繁な変更や、担当官の運用による混乱。 ・制度の明確化や環境や社会の成熟。 更・運用の混乱 (1) 交通インフラの未 ・工業団地から港湾・空港へ通じる道路はやや整備が進んできた。一方、都市部 ・港湾へ通じる道路の更なる整備。都市部 ・ラックフェン(Lach Huyen) 整備 の交通渋滞が激しくなっており、車両の代替交通手段として都市鉄道の整備が 交通渋滞緩和のための都市鉄道整備。 国際港建設事業(2013 年 待たれる。 5 月∼) ・2018 年 CEPT 関税撤廃以降、AP 諸国からの完成車輸入が増え、それに伴い ・ラックフェン港の自動車専用船(RORO)も 現荷揚港(カイラン港)のキャパ不足が懸念されることから、現状の港の継続使用 含めた国際港への見直し。 又は移転の判断要。一方、ハイフォン地区のラックフェン港(2017 年末完成予 定)は、ハノイ⇔ハイフォン間の高速道路の周辺インフラ整備も含めての PJT で あることから、TMV へのアクセス性含め、移転時の有力候補地であるが、コンテ ナ船専用港であることから、自動車専用船(RORO)活用を希望する弊社にとっ て、将来構想を検討する上での難しさがあり。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 日機輸 日機輸 No 問題点 問題点内容 要望 ベトナムにおける問題点と要望 29/30 準拠法 (対応) ・2009 年 9 月 24 日、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオスの 4 カ国政府は、越境車の強制保険適用協力に関する覚書(MOU)を結んだ。これにより、越境時 に自動車賠償保険が適用されることになる。 ・2010 年 3 月 18 日、ホーチミン市人民委員会は(同市の理事 13 名から構成)は、道路輸送のための陸上交通投資の促進を目的とした企業への優遇措 置について定めた決定第 15 号(Decision No. 15/2010/QD-UBND)を公布した(2010 年 3 月 28 日より施行)。決定第 15 号の定める要件を満たしてい る投資家は、ベトナムの投資関連法に基づく各種の優遇措置、投資プロジェクトの期間中の融資を保証する投資証明書、土地利用の変更時の追加料金 の免除及び土地収用補償を受けることができる。 ・2010 年 6 月 19 日、ベトナム国会は、新幹線方式を採用した「南北高速鉄道」の政府案を反対多数で否決した。 ・2012 年 8 月、ホーチミン都市鉄道(メトロ)1 号線の工事が開始された。完成予定は 2018 年。 ・2014 年 7 月、ロンアン省ベンルック∼ドンナイ省ロンタイン間の高速道路の建設に着工。 (改善) ・2012 年 6 月、ハノイ市内のカウゼー(国道 1A 号線)とニンビン省中心部のニンビン(国道 10 号線)を結ぶ全長 56 キロの高速道路が開通し、大幅な輸送 時間の短縮が図られることになった。 ・2014 年 1 月、ホーチミン∼ロンタイン間の高速道路が開通。 (2) 電力インフラの未 ・メンテナンスや工事などに関わる計画停電の要請が遅く生産に影響をきたすこと ・安定供給にむけた送電網の整備と計画的 がある。ベトナム北部における計画停電の回数は減っているが、瞬停は散見され な工事・余裕をもった事前周知をお願いし 整備 る。 たい。 ・2014 年は水力発電所の発電量が安定していた事や、景気低迷による電力需要 ・早期に需要に見合った発電能力増強を実 の低下により、計画停電は実施されなかった。しかし、引き続き需給関係が逼迫 施してほしい。 した状態が続いている。 (対応) ・2011 年 6 月 29 日、グエン・タン・ズン首相は風力発電プロジェクトの開発推進に関する決定第 37 号を公布した(2011 年 8 月 20 日発効)。風力発電プ ロジェクトへの投資家は、輸入関税、法人所得税(CIT)、地代、土地使用料、融資の面で優遇措置を受けることができる。事業者は固定資産を建設する ために輸入した物品、材料、半製品で国産不可能なものに対する輸入関税の免除を受けることができる。事業者はまた、投資法及び法人所得税法並び にそれぞれの実施細則の定めに従って、特別奨励部門におけるプロジェクトの CIT、地代、土地使用料について同様の優遇措置を受けることができる。 ・2011 年に発効した第 7 次電力マスタープランでは、目標電力料金として、2020 年までに 1kWh 当たり 8∼9 セントとすることを掲げ、発電事業が長期に わたって安定的に行えるように電力料金を調整していくとしている。 ・2012 年 12 月 22 日、商工省は電力料金を 5%引き上げた。 ・2013 年 8 月 1 日、商工省は電力料金を引き上げた。引き上げ幅は 5%で、改定後の電力料金は 1 キロワット時(kWh)当たり平均 1,508.85 ドン(約 6.9 円)。 (3) サポーティングイン ・コスト競争力向上の為、部品・型・治具及び加工処理の現地調達を求めている ・起業のための投資、海外からの専門家招 が、裾野産業の育成・発展が進んでいない。多くの省庁・団体が裾野産業の育 致を政府がサポートする必要がある。 ダストリーの不足 成・発展に取り組んでいるが、イニシアティブが取られていない。 (対応) ・工業団地内に日系中小企業向けのレンタル工場やアパート型工場の建設が多数進められている。 ・2014 年 3 月、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席の訪日時に発表された日越共同において、日本側がベトナムの裾野産業発展に引き続き協力する ことが確認された。 ・2014 年 7 月、JETRO ホーチミン事務所とホーチミン市輸出加工区・工業団地管理委員会(HEPZA)は、ベトナム南部の裾野産業を育成するため、「日 越裾野産業フォーラム」を設立した。 ・2015 年 11 月 3 日、政府は、裾野産業発展に関する政令 111/2015/ND-CP を公布、2016 年 1 月 1 日から施行。裾野産業として支援・優遇の対象とな る「優先育成産業製品リスト」として「テキスタイル・衣料」「革・靴」「電子」「自動車製造・組立産業」「機械製造分野」「ハイテク産業を支える工業製品」の 6 分野に分けて具体的製品を挙げている。研究開発、応用・技術移転、人材育成、市場開拓、中小企業の支援策が盛り込まれている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 JMAA No 問題点 問題点内容 ベトナムにおける問題点と要望 30/30 要望 準拠法 (改善) ・2011 年 7 月 4 日、財務省は自動車組み立て・生産、機械工学、電子機器、情報技術、繊維・衣類、皮革・履物、ハイテク産業を支える裾野産業の振興推 進を目的とした 2011 年 2 月 22 日付け首相決定第 12 号(Decision No. 12/2011/QD-TTg)を実施するための 2011 年通達第 96 号(Circular No. 96/2011/TT-BTC)を公布した(2011 年 8 月 18 日より施行)。同通達は、(1)特定の設備・機械、(2)国内で製造できないソフトウェア製品の製造用材料、 (3)科学技術研究開発用産品(機械、設備、部品、一部車両、科学誌、教科書など)の輸入関税を免除している。またハイテク製品を支援するプロジェクト は、法人所得税(CIT)法に定める特恵 CIT 税率及び税額減免措置を受けられる。同通達はまた、中小企業に対する財政支援、付加価値税(VAT)還 付、土地税免除などその他の優遇措置についても規定している。 (4) 労働力確保の為の ・都市部郊外の工業団地周辺で労働者を集めるためには、工業団地周辺の生活 ・魅力ある生活拠点として計画的に整備して 工業団地周辺の生 環境の魅力が不足している。道路、公共交通機関、教育施設、病院、ショッピン もらいたい。 活環境改善 グセンター、娯楽施設など。 (5) 不払い・支払遅延 ・商習慣やモラルの違い、力関係により、回収遅延、回収困難の取引が発生。対策 ・力のない中小企業に情報面でのサポート として前受を条件としているが、足の早いビジネス(スマホ部品製造機器等)では や回収リスクの保障。 納期と価格が最優先で、回収ができたとしても、支払いの遅れは収益を圧迫して いる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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