平成28年度85号を読む

第85号
発行:平成28年8月5日(偶数月発行)
編集:県立薩南病院
南さつま市加世田高橋1968−4
電話:0993−53−5300
ホームページアドレス
http://hospital.pref.kagoshima.jp/
satsunan/
知って得する医師の話シリーズ67
心房細動について
循環器内科医長
大井
正臣
心房細動とは不整脈の一つです。正常な心臓のリズムは、
安 静 時 に 規 則 的 に 1分 間 で 50∼ 100回 拍 動 し ま す 。 心 房 細 動 に な る と 、 洞 房 結 節 と
呼ばれる部分から発生する電気信号が乱れます。このため心房がプルプルと不規
則に震えるだけで、正しい収縮ができなくなります。
心 房 細 動 は 年 齢 が 上 が る に つ れ て 発 生 率 が 高 く な り 、 日 本 で は 70万 人 以 上 が 心
房 細 動 を 持 っ て い る と 推 定 さ れ て い ま す 。心 房 細 動 は 健 康 な 方 で も 発 生 し ま す が 、
高血圧、糖尿病、心筋梗塞、弁膜症などの心臓病がある方は発生しやすく、また
アルコールの過剰摂取、睡眠不足、精神的ストレス時に発生しやすくなる方もい
ます。
心 房 細 動 の 症 状 と し て 、「 ど き ど き す る 」、「 胸 が 苦 し い 」、「 息 が 切 れ や す い 」
などの症状が多く、脈を計ると普段よりも速かったり、また速い・遅いを不規則
に繰り返したりします。全く症状がなく、気付かない方もいます。心房細動のリ
ズムの不整や頻脈自体が命に関わることはほとんどありませんが、心拍数が高い
状 態 が 長 く 続 く と 、心 臓 の 収 縮 機 能 が 低 下 し 心 不 全 を 引 き 起 こ す こ と が あ り ま す 。
ま た 心 房 内 の 血 流 が よ ど ん で 、心 房 の 中 で 血 栓 が で き る 可 能 性 が 高 く な り ま す 。
血栓が脳の血管を詰まらせると、脳梗塞を引き起こします。心房細動が原因で起
き る 脳 梗 塞 を 「 心 原 性 脳 梗 塞 」 と い い ま す 。 脳 梗 塞 の 25%が 心 原 性 脳 梗 塞 症 と 考
え ら れ て お り 、 特 に 心 不 全 、 高 血 圧 症 、 75歳 以 上 、 糖 尿 病 、 過 去 に 脳 梗 塞 を 起 こ
した方に多く発症します。
心房細動の治療として、薬物治療(正常なリズムを保つための抗不整脈薬、脈
拍を調整する薬、血栓形成を抑制する抗凝固薬)があります。また心房細動の原
因となる異常な電気興奮をカテーテルで焼灼して治療する、カテーテルアブレー
ション治療もあります。カテーテルアブレーションに関しては特に自覚症状が強
く、薬物療法が効きにくい方に勧めています。
心房細動を指摘されたり、動悸など自覚されましたら、まずは心電図、心臓超
音波検査などの検査を受けることをお勧めします。
新 任 医 師 の 紹 介
外科
※平成28年7月1日より、医師が新しく着任しました。
医務技師
安藤
慶(あんどう
けい)
出 身 地:宮崎県都城市
前勤務地:鹿児島厚生連病院
専門分野:消化器外科
所属学会:日本外科学会、日本消化器外科学会
日本肝胆膵外科学会、日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会、日本腹部救急医学会
趣
抱
味:音楽鑑賞、映画鑑賞
負:平成28年7月より7年ぶりに赴任いたしました。
南薩地域の皆さんの力になれるように精一杯頑張ります。
平 成 28年 度 第 1回 南 薩 地 域 医 療 ・ 福 祉 施 設 交 流 会 を 開 催 し て
平成25年より南薩地域医療・福祉施設間の交流 会
を開催し、顔の見える関係づくりに努めていると こ
ろです。
今回は「日本の方向性・在宅医療と連携」とい う
テーマで、6月29日(水)に株式会社アステム 小 浦
嘉朗氏よりお話をいただきました。70名(14職種 )
の出 席を い ただき、日本の人口の変化、行政の動き、平成28年度診療報酬改定につ い
て 学 習 し ま し た 。 交 流 会 終 了 後 の ア ン ケ ー ト で は 、「 今 後 の 地 域医 療 が ど うな る の か
不安に も感じ た 」「訪問看護の重要性を再認識した 」「診療報酬改定について勉強でき
参考になった」等多くの貴重な意見をいただきました。
今 後 も 、 こ のような機会を通じて各医療機関・福祉施設間の連携を取り、住民 の 皆
さん がこ の 南薩地域で、安心して医療や介護が受けられるように取り組んでいきた い
と思います。
防火訓練を実施しました
今年度第1回目の防火訓練を6月27日(月)に実施しました。
今回の訓練は、転入者や新規採用者を中心とした基礎訓練と緊急避難用品を
用いた実技訓練を中心に行いました。
ま た 、6 月 3 0 日 に は 全 職 員 を 対 象 に 災 害 時 の 情 報 伝 達 訓 練 を 実 施 し ま し た 。
『基礎訓練』
2病棟と3病棟に分かれて院内の防
火設備(煙感知器・防火扉等)の機能
や設置場所の再確認を行うとともに、
火災発生時における各病棟から消防署
への119番通報及び消火栓を実際に
引き延ばし使用方法を確認する訓練を
行いました。
『実技訓練』
今年度もあいにくの雨のため、予定
していた屋外での消火訓練はできなか
ったので、院内において、消火器の取
扱い説明や緊急避難用品の実技を交え
た勉強会に切り替えて実施しました。
災害は、いつ、どこで起きるか分かりません。
被害を最小限に止め、迅速かつ適切な避難活動を行うため、薩南病院は、今
後とも防災対策に積極的に取り組んでまいります。
感染防止対策いろはセミナーを開催しました
感染制御チームでは、感染防止対策地域ネットワーク活動の一環として、平成
27年 度 よ り 『 感 染 防 止 対 策 い ろ は セ ミ ナ ー 』 を 開 催 し て お り ま す 。 こ の セ ミ ナ ー
は“分かりやすく楽しく学ぶ”事を目標にしており、様々な御施設の医療従事者
の皆さんに参加いただいております。
今 年 度 の 第 1回 目 は 6月 24日 (金 )18: 00∼ 19: 00に 『 現 場 で 役 立 つ 感 染 情 報 』 を
テ ー マ に 開 催 し 、 地 域 の 介 護 福 祉 施 設 ・ 病 院 の 医 療 従 事 者 56名 の 方 々 に 御 参 加 い
ただきました。セミナーでは、薩南病院での取組事例の紹介
や唄って覚える手洗い方法を実施しました。
参加者の方々からは「感染防止のポイントが理解できた」
「施設でも感染症にならないように職員の手洗いを務めてい
き た い 」「 疥 癬 の 治 療 方 法 が 変 更 さ れ た こ と を 学 ん だ 」 な ど
の声をいただくことができました。
松実会砂像づくりをしました
病院正面の玄関横に、6月9日(木)松実会による砂像が完成しました。患者さん
や南さつま市役所の吹上浜砂の祭典実行委員会の方々、そして当院スタッフも加わり、
心を込めて作成しました。
今回は、リオ・オリンピックにちなみ、オリンピック表彰台を配置し、1位に当院
のイメージキャラクターである『さつニャン』くん、2位にウサギとカメのカメくん、
3位にウサギくんを起用しました。
また、五輪マークや4年後の東京オリンピックのエンブレムの市松模様もあしらわ
れています。
熊本地震災 害義援金の募金結果について
「平成28年熊 本 地震 」 で 被 災さ れ た 皆様に対する支援のため、標記義援金箱
を設置したところ 、皆 様か ら た く さんの寄付をいただきました。義援金の総額
は下記のとおりとなりましたのでお知らせします。
総額
70,004円
[募金期間
平成28年4月18日∼平成28年6月30日]
皆様からお寄 せいた だ いた 義援 金は、全額を日本赤十字社へ送金いたしました。
ご協力ありがとうございました。
○ 当院へのお問い合わせ
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0993−53−6764(事務室 )、53−5436(地域医療連携室)
地域医療連携室 相談支援センター(外科外来横)では、患者さんや御家族から
の御相談をお受けしております。どうぞお気軽に御利用下さい。
薩南病院の理念
県 立 薩南 病院は 、中 核的 病 院とし て地 域医 療 に貢献し、住 民 に信頼され、
安心して医療を受けられる病院を目指します。
方
針
1
職 員は 、常に 「患 者 さん のため の病 院」 で ある こ とを自 覚し、安全に
充分配慮して医療サービスを提供する。
2
職員は、常に研修・研究し、医療の質の向上に努める。
3
職員は、常に「和」をもって、より充実したチーム医療を実践する。
4
県立薩南病 院は、常に他の医療・保健・福 祉機関と 連携し、効果的で
最善の医療を提供する。