四季報 四季報 四季報 四季報

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5)
平成1
6年1
1月8日(月4回・月曜日発行)
ビル業界
株式会社きめたハウジング
名称
住所
購入
構造
規模
開光不動産有限会社
東京都町田市南成瀬1―1―2
"
ビル
★代表ビル概要
ビル業界
四季報
1
8
きめたハウジング第18ビル
東京都新宿区新宿3―32―8
平成12年
鉄骨鉄筋コンクリート
地下1階、地上8階
★入居テナント
地下1階 DEEP MOON 1階 きめた
ハウジング 2階 ウッド待合室 3階
MUSIC SCHOOL ウッド 4階 MUS
IC SCHOOL ウッド 5階 MUSIC SCH
OOL ウッド 6階 MUSIC SCHOOL ウ いては空室の発生はなく満室稼動を続け
ッド 7階 きめたハウジング 8階
ているそうだ。
クリーニングリリー
「2〜6階に音楽学校が入居していま
す。1階と7階を当社が使用しており、
★ビル経営
ありがちな騒音問題は、貸主である私ど
不動産仲介業を本業とする同社。ビル もが我慢すればいいので、特に問題はあ
は現在21棟保有し、売物件や収益物件と りません」
(木目田氏)
して運用している。
★ビル管理
「ビルは年間で約2棟ずつ購入してい
音楽学校が入居していることにより、
ます。物件の規模としては約3000万円か
ら5億円のものです。きめたハウジング ビルの管理面で、意外なメリットがある
第18ビルは、4年前に購入しました」
(取 そうだ。
「入居している音楽学校は、社員教育
締役所長木目田幸男氏)
購入にあたっては、地元の不動産仲介 の一環でビルの清掃を行っているため、
業者に飛び込んで、賃料相場や勢いのあ おかげで当社としては管理コストの削減
(木目田氏)
るテナントの業種やエリア展望などを調 につながっています」
ビルの防犯面に関しては、立地条件か
査することもあるという。
「我々は不動産のプロであり、少しで ら得られるメリットがあるそうだ。
「この辺りは、全国で初めて商店街が
も多くの情報を仕入れるのは当然です
が、個人オーナーが物件を購入する際 防犯カメラを導入した地域です。おかげ
も、なるべく多くの情報を得て慎重に購 で、犯罪の抑止に大いにつながっている
(木目田氏)
入を決断するべきでしょう」
(木目田氏) と思います」
同氏は今年度8月に新宿東口商店街振
代表ビルである同ビルの1階店舗に
は、同社の新宿営業所が入居している。 興組合理事に就任し、不動産仲介業を行
新宿駅東口界隈で1階に店を構える不動 う上でも街づくり意識をもって業務に当
たることもあるという。
産仲介会社は現在同社のみだそうだ。
「無用なテナントトラブルを避けるた
「現在、このエリアの賃料相場は1階
店舗で坪約10万円、地下1階で約3万50 めにも、風俗店などの業者の仲介はやん
(木目田氏)
00円、空中階で約2万5000円です。賃料 わりとお断りしています」
のハードルも高いですが、およそ、300
★交通アクセス
の個人や事業者が空きを待っている状態
で、開業するのは難しいのではないでし JR山手線・総武中央線 新宿駅 徒歩
2分 地下鉄 東京メトロ、都営線各
ょうか」
(木目田氏)
線 新宿駅 徒歩2分
上記のような背景もあり、同ビルにお
★会社概要
代表者 松永 康夫
事業内容 貸ビル業
所有棟数 2棟
第4
0
5号
四季報
東 京 都 港 区 浜 松 町 2 ― 1 ―17
"
浜松町松永ビル
代表者 木目田 征
事業内容 不動産仲介、ビル経営
免許 国土交通大臣免許(4)第4173号
平成6年1
1月2
4日第三種郵便物認可
きめたハウジング第
★会社概要
週刊
★代表ビル概要
名称 浜松町松永ビル
竣工 昭和61年2月
設計 都市計画アトリエ
規模 地上9階建
敷地面積 294
建築面積 244
延床面積 1987
構造 鉄骨造
設備 エレベ―タ―1基、個別空調、フ
リ―アクセスフロア、光ファイバ
―引き込み可能
!
!
!
★入居テナント
1階 カフェ・ベロ―チェ 2階 BB
Aノンウ―ヴンズ ジャパン 3階 コ
スモテック、エイ・イ―・エス 4階
コスモテック 5階 コスモテック 6
階 日本電気制御機器工業会 7階 カ
ヤバ工業、カヤバ健康保険組合 8階
ジャパン・アナリスト、けんしゆう 9
階 開光不動産、松永電機工業、シ―オン
★ビル経営
旬の屋内の気温が外気とおよそ4℃違う
ことが、千葉大学園芸学科の調査で判明
している。空調設備の負担減につながる
効果である。
昭和61年、第6回緑の都市賞に設計会
社と連名で応募、審査委員長賞を受賞し
た同ビルは、宮崎県宮崎市長が見学に訪
れるなど、ビルの緑化の具体例として注
目されている。通りすがりの設計士など
が見学を申し出ることもある。
そして何よりテナントに好評を得てい
る。JR浜松町駅に近接した同ビルは、
1階玄関は来客の印象を重視して大きく
取り、また各フロアを貸付面積を有効利
用するために無柱建築にするなど、構造
的にも入居者に配慮した造りである。加
えて窓際の緑のカ―テンを楽しめる環境
の良さは、一度入居したテナントが一番
分かることらしい。18年間でテナントが
変化したことは数えるほどしかなく、
度々、会社の規模の拡大に伴って退去し
たテナントが尋ねてくることがある。ま
た、テナントの一つである外資系製紙会
社からは、「このビルは本社のコンセプ
トにぴったりだ」という評価を得てい
る。
松永氏曰く「ビル経営に特効薬はな
く、できるだけ使う人の身になって考え
るしかない」とのことである。
先代が興した松永電機工業は、昭和27
年から浜松町の現住所に2階建ての本社
を所有していた。社長であった松永氏
は、ここに新しくビルを建築することを
決意し、昭和60年に開光不動産を設立。
入居者のニ―ズに沿うビルの建設を第一
の目標とした。
まず、現地が夏の日中、非常に暑いこ
とに着目。松永ビルの所在地は国道15号
に面しており、正面は真西を向いてい
る。直射日光を少しでも和らげるため
に、松永氏は壁面緑化を考案。ビル建設
が本職ではない松永氏は様々な専門家に
相談したが、大手コンサルタントからは
前例がないと反対された。しかし松永氏
はビル街に緑を取り入れることの意義を
重視し、設計士と共にデザインを練り、
造園業者の意見も取り入れ、壁面緑化を
★交通アクセス
実現した。
当初の懸念は冬に枯れてしまうのでは JR・東京モノレ―ル 浜松町駅 徒歩
ないかということだったが、冬でも青々 3分、都営浅草線・大江戸線 大門駅
と葉が茂る。そしてこれにより、8月中 徒歩1分