アニュアルレポート 2002 ダウンロード (PDF:1.5MB)

三菱商事株式会社 アニュアルレポート2002
Gaining Momentum
www.mitsubishi.co.jp
アニュアルレポート2002
2002年3月期
Printed in Japan
財務ハイライト
コーポレートデータ(2002年3月31日現在)
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
¥13,995,298
603,716
131,898
80,800
92,105
¥13,230,675
643,922
99,590
53,715
60,225
$99,479
4,842
749
404
453
当期業績:
三菱商事株式会社
設立年月日:1950年4月1日
株主数:54,943名
資本金:¥126,608,712,734
上場証券取引所:
東京、
大阪、名古屋、
福岡、札幌、ロンドン
発行済株式総数:1,567,175,508
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
本店所在地:
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
従業員数:
単独: 6,628名
連結:44,034名
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,067,189
969,356
資本勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:
1株当たり(円および米ドル)
1株当たり当期純利益* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,144,926
1,028,523
連絡先:
三菱商事株式会社 IR部
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
電話: 03-3210-2121
ファクシミリ: 03-3210-8583
URL: www.mitsubishi.co.jp/ir/index(日本語)
www.mitsubishi.co.jp/En/investor(英語)
ADR:
比率:1ADR=2普通株
(店頭取引)
上場市場:OTC
シンボル:MSBHY
CUSIP番号:606769305
独立監査法人:
監査法人トーマツ
会計年度末:
株式名義書換代理人:
三菱信託銀行株式会社
〒100-8212
東京都千代田区永田町ニ丁目11番1号
ADR名義書換代理人:
The Bank of New York
101 Barclay Street,
New York, NY 10286, U.S.A.
電話:
(212)815-2042
フリーダイヤル(米国内)
:888-269-2377
(888-BNY-ADRS )
61,240
7,733
ネットワーク(2002年9月1日現在)
¥
58.77
8.00
¥
38.44
8.00
$
0.29
0.06
拠点数
国内: 39
海外:109(この他、世界各地に38の現地法人を設けており、これらの本・支店などが69か所あります。
)
注記:米ドル金額は、便宜的に1米ドル=133円で換算しています。
海外拠点*
北米・中米
売上総利益
当期純利益と1株当たり当期純利益*
(単位:十億円)
1998
(単位:十億円)
588.2
1998
1999
582.9
1999
2000
575.1
2000 16.61
2001
2002
資本勘定
603.7
643.9
(単位:十億円)
47.6
30.40
19.90
31.2
1999
26.0
2001
2002
1998
2000
58.77
38.44
60.2
92.1
2001
2002
1,009.4
949.5
905.7
969.4
1,028.5
1株当たり当期純利益(円)*
* 当社は、希薄化による1株当たりの当期純利益への影響はほとんどありません。詳しくは連結財務諸表に対する注記2.および16.をご参照下さい。
■ 海外事務所
グアテマラ
サンサルバドル
■ 海外現地法人
米国三菱商事会社
ニューヨーク
ポートランド
サンフランシスコ
シアトル
パロアルト
ロスアンゼルス
ダラス
ヒューストン
シカゴ
ハンツビル
ピッツバーグ
ワシントン
ボストン
カナダ三菱商事会社
バンクーバー
トロント
モントリオール
メキシコ三菱商事会社
メキシコシティ
モンテレイ
パナマ三菱商事会社
パナマ
見通しに関する注意事項
南米
このアニュアルレポートに記載されている、
三菱商事の将来の収益計画、
戦略、
理念および業績見通しなどのうち、
歴史的事実でないものは、
将来に関する見通しです。
これらは、
現在入手可能な期待、
見積り、
予想、
計画および当社の経営者による判断に基づいております。
これらの期
待、
見積り、
予想、
計画は、
多くの潜在的リスク、
不確実な要素、
仮定を含んでおり、
実際の業績は、
これらの重要な要素の変動により、
当社の見込
みとは大きく異なる可能性があります。
したがって、
読者の皆様におかれましては、
これらの将来予測に関する記述について全面的に依拠する
ことは控えるようお願いいたします。
また、
当社は新しい情報、
将来の出来事あるいはその他動向に関するすべての見通しに関する注意事項を
更新する責任を負うものではありません。
実際の業績に影響を与えうるリスクや不確実な要素、
仮定には上記の内容以外に、
商品市況、
為替レート、
当社の事業領域を取り巻く世界経
■ 海外事務所
キト
ラパス
アスンシオン
■ 海外現地法人
ペルー三菱商事会社
リマ
コロンビア三菱商事会社
サンタフェ・デ・ボゴタ
智利三菱商事会社
サンチャゴ
ベネズエラ三菱商事会社
カラカス
プエルト・オルダス
国内拠点*
亜国三菱商事会社
ブエノスアイレス
伯国三菱商事会社
サンパウロ
リオデジャネイロ
ヨーロッパ
■ 海外事務所
ロンドン
ワルシャワ
イスタンブール
アンカラ
プラハ
ソフィア
モスクワ
ユジノサハリンスク
キエフ
バクー
トビリシ
タシケント
アルマトゥイ
オスロ
ストックホルム
■ 海外現地法人
欧州三菱商事会社
ロンドン
ポルトガル三菱商事会社
リスボン
スペイン三菱商事会社
マドリッド
英国三菱商事会社
ロンドン
仏国三菱商事会社
パリ
オランダ三菱商事会社
ロッテルダム
独国三菱商事会社
デュッセルドルフ
ベルリン
フランクフルト
ハンブルグ
イタリア三菱商事会社
ミラノ
ギリシャ三菱商事会社
アテネ
アフリカ
アジア
■ 海外事務所
ヨハネスブルグ
ダカール
カサブランカ
アルジェ
チュニス
ハラーレ
マプト
ナイロビ
ダルエスサラーム
アビジャン
■ 海外事務所
カラチ
クアラルンプール
シンガポール
マニラ
コロンボ
ダッカ
ハノイ
ホーチミン
北京
天津
青島
大連
瀋陽
上海
成都
広州
イスラマバード
ラホール
ボンベイ
コーチン
ニューデリー
バンガロール
マドラス
カルカッタ
ヤンゴン
プノンペン
ジャカルタ
スラバヤ
バンダル・スリ・ブガワン
カトマンズ
■ 海外現地法人
インドMC
ニューデリー
泰国三菱商事会社
バンコク
ハジャイ
泰国MC商事会社
バンコク
ハジャイ
シナール・ベルリアン
クアラルンプール
■ 海外現地法人
ナイジェリア三菱商事会社
アブジャ
ラゴス
エチオピア三菱商事会社
アディスアベバ
中東
■ 海外事務所
アンマン
バグダッド
トリポリ
リヤード
ジェッダ
アル・コバル
ドーハ
カイロ
ラマッラ
ダマスカス
アブダビ
ドゥバイ
テルアビブ
マスカット
■ 海外現地法人
アル・マサット アル・サラース
トレーディング
(クエート三菱商事)会社
クエート
イラン三菱商事会社
テヘラン
三菱商事
(中国)
投資有限公司
上海
三菱商事(広州)有限公司
広州
三菱商事(天津)有限公司
天津
三菱商事(上海)有限公司
上海
南京
三菱商事(大連)有限公司
大連
香港三菱商事会社
香港
深I
厦門
台湾三菱商事会社
台北
高雄
韓国三菱商事会社
ソウル
光陽
蔚山
浦項
オセアニア
■ 海外事務所
ヌメア
■ 海外現地法人
オーストラリア三菱商事会社
シドニー
パース
メルボルン
ニュージーランド三菱商事会社
オークランド
本店
東京
北海道ブロック
札幌
苫小牧
東北ブロック
仙台
八戸
盛岡
郡山
中部ブロック
名古屋
新潟
富山
長野
静岡
関西ブロック
大阪
神戸
岡山
高松
中国ブロック
広島
福山
徳山
宇部
九州ブロック
福岡
北九州
長崎
大分
鹿児島
那覇
済情勢、
係争中および将来の訴訟の結果、
調達資金や金融商品、
財源の継続的な有用性などがあります。
ただし、
業績に影響を与えうる要素はこ
れらに限定されるものではありません。
このアニュアルレポートは、再生紙にアロマフリータイプ大豆油インクを使用して印刷されています。
page
107
* 本データには、プロジェクト事業所は含まれておりません。
www.mitsubishi.co.jp/outline/f_network
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{目次}
目次
株主の皆様へ . . . . . . . . . .
機械グループ . . . . . . . . . . . . . . . 32
2
佐々木社長が中期経営計画
“ 新しいビジネスモデルの創出によって
MC2003達成を目指します。”
“MC2003”によって、三菱商事がど
のような変化を遂げているかにつ
いて報告します。
化学品グループ . . . . . . . . . . . . . . 34
特集1 ーミッションを
果たすために . . . . . . . . . .
“汎用化学品から機能化学品に至る幅広い事
業を束ねていきます。”
7
昨年度のアニュアルレポートで
佐々木社長が各戦略ミッション担
当ユニットマネージャーにあてた
生活産業グループ . . . . . . . . . . . . 36
手紙に対し、
今回は各戦略ミッションのユニットマネージャー代表が、
その進捗状況について返信します。
“4つの基本方針によりMC2003達成を目指
します。
”
特集2 ー蓄積された無形資産の潜在価値 . . . . . . . . . . 14
三菱商事の無形資産を構成する「パートナーと連携して発揮する力」、
コーポレートスタッフ部門 . . . . 38
「新しいビジネスを生み出す能力」
「
、戦略執行の確実性」
に焦点を当て、
これらが当社の価値創造にいかに結び付いているかをひもときます。
“営業グループをサポートし、また自らの利
益も追求し、三菱商事の企業価値を前面に
営業グループ概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
押し出していきます。
”
各営業グループの2001年度の業績、
事業規模、
主要マーケット、
主な商
品とサービス、
2001年度のハイライトを一覧でまとめました。
グループCEOが語るMC2003への取り組み . . . . . . . . 24
地域戦略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 40
各グループCEOがMC2003初年度の達成状況を報告すると共に、目標
グローバルに事業を展開する三菱商事は、
年々その重要度を高める地域
達成に向けた今後の施策について述べます。
戦略にフォーカスを当てていきます。
新機能事業グループ . . . . . . . . . . 24
“我々の強みの1 つであるFILM 機能を駆使
グローバルシチズンシップ . . 42
し、新たな価値創造に果敢にチャレンジ
企業市民としての三菱商事の環境や地
します。”
域社会に対する責務と、
その具体的行動
計画をまとめました。
情報産業グループ . . . . . . . . . . . . 26
“連結経営にフォーカスを当て、次々と新し
い事業を掘り起こしていきます。”
取締役および監査役 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44
コーポレートガバナンス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 46
エネルギー事業グループ . . . . . . 28
経営課題の1つであるコーポレートガバンナンス強化に向けた様々なプ
“エネルギー全体のバリューチェーンに事業
ログラムや2001年度の行動内容を報告します。
を展開し、
この事業におけるキープレーヤー
であり続けます。
”
執行役員 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
金属グループ . . . . . . . . . . . . . . . 30
財務セクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49
“資源分野のバリューチェーンを中心に事業
を伸ばし、
プレゼンスを高めていきます。
”
コーポレートセクション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 99
page
1
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主の皆様へ}
株主の皆様へ
「2001年3月期の921億円という最高益にはおよびませんでしたが、600億円を超える純利益
の達成は、
バブル期の2年間を除けば2001年3月期以外に例がなく、
三菱商事は従来とは異なっ
た、より高いレベルの価値創造企業として、
新しい成長段階に入ったと確信しています。
」
page
2
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主の皆様へ}
事業環境
が、600 億円を超える純利益の達成は、バブ
までリスクマネジメントを徹底するといった
2001年は、日本の国内外での様々な出来事
ル期の2年間を除けば2001年3月期以外に例
戦略執行を確実に行ってきたことによるもの
に象徴されるように、まさに歴史的な転換点
がなく、三菱商事は従来とは異なった、より
と確信しています。
であったと言えます。日本経済は長期的な景
高いレベルの価値創造企業として、新しい成
気低迷からの脱却に向け、
構造改革に動き出
長段階に入ったと確信しています。
例えば、
ポートフォリオマネジメント戦略
のもと、当社はこれまでエネルギー・資源分
そうとしています。一方、世界に目を向けれ
ば、とりわけ9月11日に起こった米国同時多
野やプロジェクト開発、サプライ・チェーン・
改革に勢いーGaining Momentum
発テロが衝撃的な事件でした。
経済面では、
中
日本経済はデフレ傾向が続き、
世界的にも
マネジメント(SCM)関連に投資を増加させ
国の世界貿易機構( WTO )への加盟、欧州の
景気動向に不透明感が漂う状況にあります。
てきました。実際にこれらの戦略分野のう
ユーロ通貨統合など、
2001年は過去にない大
このような状況下において業績が上げられた
ち、
原料炭などを筆頭に早くも大幅な増益を
きな出来事が起きた1年でありました。
ことは、
我々が近年行ってきた戦略が進展し、
計上する事業が出現してきています。一方、
かつ戦略の方向性が正しかったことの証しで
不採算分野からの撤退も果たしてきていま
あると思います。
すなわち、
MC2000および今
す。
具体的には、
アリステック・ケミカル社の
このように変動の激しい環境の中、当社は
年2年目を迎えたMC2003の2つの中期経営
撤退に加え、1999 年以来 106 社の売却や撤
2002 年3 月期に連結純利益602 億円を計上
計画のもと、
戦略分野への経営資源のさらなる
退を実施しており、
資産額としては合計で約
することができました。2001年3月期の921
集中、
ビジネスモデルの変革、
組織および損益
2,400 億円を圧縮しました。つまり、総資産
億円という最高益にはおよびませんでした
管理の最小単位であるビジネスユニット
(BU)
を大きく増加させることなく、
利益の絶対額
業績概況
連結純利益にみる三菱商事の変遷(1986年3月期−2003年3月期)
(十億円)
100
MC2000
MC2003
■ 連結純利益
75
バブル期
失われた10年
50
25
0
’86
’87
’88
’89
’90
’91
’92
’93
’94
’95
’96
’97
’98
’99
’00
’01
’02
’03
予想
詳細についてはこちらをご参照下さい。
www.mitsubishi.co.jp/ir/company/fin04/fin04_index
page
3
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主の皆様へ}
を引き上げ、
“究極のサービス産業”
を目指そ
ポートフォリオマネジ
それぞれのBUには、
スモデルの変革を進め、
再構築型ミッション
うという我々のゴールに近づいたと言えま
メント戦略に基づく評価により、
拡張型、
成長
当社全体の
のBUの損失を減らすことにより、
す。
まさに三菱商事の改革に勢いがついてき
型、
再構築型という3つのミッションのいずれ
事業収益のさらなる向上を図ることが可能で
ている―Gaining Momentum―と確信して
かが付与されています。
2002年3月現在BUは
あると考えています。
います。
182あり、1年前と比較すると7BU減少しまし
た。
これは、
1年経過したところでビジネスモ
ビジネスモデルの変革に向けて
ビジネスモデルの変革に向けて
デルやそれぞれのBUのミッションを見直し
ー確実なアクション
ー明確なフォーカス
た結果、
成長ミッションであっても目的を達
ビジネスモデルの変革は、
三菱商事の至る
当社はとかく複雑なコングロマリットと
類似の
成しえなかったBUを3つ廃止したり、
ところで起きています。
一度は撤退しかない
見られがちであり、
果たしてこれだけの多様
ビジネスモデルを持つBUを統合したことに
と思われていたようなビジネスでも、当社の
な事業から成り立っている巨大な組織を、
経
よるものです。
もつ知恵を集めることによって新たな展開を
見出すモデルに生まれ変わる可能性が出てき
営として効率的に管理することが可能なの
だろうかという問いをよく受けます。これ
それぞれのミッション毎に、
実質リスクと
に 応 え 、B U 制 と 経 営 指 標 で あ る M C V A
事業収益
(*1)
の推移を表わすと下図のように
(Mitsubishi Corporation Value Added)
が昨
なります。
昨年と比較すると、
拡張型および再
年より導入され、
損益と組織の最小単位であ
構築型ミッションでは実質リスクが減少し、
いては、
過去、
当社は売り手であるアパレル企
るBU が今や収益管理の原点となりました。
成長型ミッションでは増加しましたが、
どの
業の販売代理店としての役割を担っていまし
経営にとってマイクロマネジメントがより
ミッションでも事業収益は増加しています。
た。
しかし、
現在ではむしろ買い手の立場に立
やり易くなったのです。
このように、引き続き資源の再配分とビジネ
ち、アウトソーシングのパートナーとして
ています。
アパレルの製造小売業
(SPA)
ビジネスにお
戦略ミッション別事業収益・実質リスクの推移
(2001年3月期−2002年3月期)
(十億円)
100
拡張
’02/3
’01/3
50
成長
0
50
300
’02/3
’01/3
400
’02/3
500
再構築
–50
’01/3
<
事業収益
*1
*2
事業収益:連結当期純利益から政策保有株式の売却損益を除いたもの。
各BUの連結当期純利益の合計額には全社共通経費は含まれていません。
詳細についてはこちらをご参照下さい。
www.mitsubishi.co.jp/ir/company/fin04/fin04_index
page
4
< 実質リスク
(十億円)
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主の皆様へ}
「このような状況下において業績が上げられたことは、
我々が近年行ってきた戦略
が進展し、かつ戦略の方向性が正しかったことの証しであると思います。」
ー取締役社長
佐々木 幹夫
SCMに必要な様々な機能を提供しています。
拡張型ミッションを付与された原料炭のビ
折りからの国内不況の影響を受け、
苦戦を続
この結果、
同分野での売上は大幅に伸長しま
ジネスにも変革が図られました。当社は、
けていましたが、加工・物流の分野で日商岩
した。
当社では、
このSCMモデルを、
顧客ニー
1960年代の高度成長期から積極的な海外資
井
(株)
と共に新しいビジネスモデルを作り、
ズに即し応用していくことで、
他業界にも広
源開発を行い、
日本の製鉄会社へ安定的な資
スリムで強靭な事業に生まれ変わろうとし
げていきたいと考えています。
源供給を行うことで、
輸入代行手数料と投資
ています。
子会社からの配当収益をあげていました。し
昨年各BUにミッションを付与したときは、
発電、
石油化学、
石油・ガス、
製鉄などのプラ
かしながら、その後グローバル化を背景に業
ント輸出のビジネスにおいても新たなビジネ
界再編が進行する中、
戦略的な規模の拡大と
社内に反対意見もあり、
様々な意見を戦わせ
スモデルへの転換が図られています。これら
ビジネスモデルの変革が必要となりました。
る必要がありました。
しかし、
エネルギーと時
のビジネスはかつて花形でしたが、
世界的な
結果、我々が元来保有していたマーケティン
間を費やし議論を尽くしたことによって良い
競争の激化で収益を伸ばすことが難しい状況
グ力を活かしてパートナーと共にアップスト
結果が生まれています。
このことは、
昨年私が
になっています。
こうした中、
既存ビジネスで
リーム事業の強化を行いましたが、このこと
出したレターに対する各BUマネージャーか
さらなる競争力の強化に努める一方で、
プラ
によりミッションを拡張型から新たに成長型
らの返信
(P7–13参照)
に表われていると思い
ント輸出で培ったノウハウをベースに、
海外
に変えることとしました。
ます。
こうしたBUマネージャーからの反応に
は非常に勇気づけられる思いです。
(独立発電事業)
プロジェクトへの
のIPP事業
直接投資など事業主体としての役割も強め、
勿論、BU の中には依然厳しい環境に直面
部分を合算した以上の価値
新たなビジネスモデルを創出しています。
メ
しているところもあります。しかし、我々は
キシコやアメリカで実施したプロジェクトは
常に新しい展開を模索し、
良い方向へと導く
このようにビジネスモデルを変革させる
すでに利益を上げ始めました。
努力をしています。
例えば、
鉄鋼製品のBUは
ためには、第一に、幅広い顧客ベースや対面
page
5
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主の皆様へ}
三綱領
1. 所期奉公
2. 処事光明
3. 立業貿易
www.mitsubishi.co.jp/outline/f-philo
業界に関する知識を活かしてニーズを吸い
無形資産
してもらおうと思っています。
全世界44,000
上げられること、そして第二に、当社の持つ
―我々の強みの基盤
人の社員に対して、
これまでの努力に感謝す
FILM機能(F–金融機能、I–情報機能、L–物流
当社は創業以来、
上に記載されている社是
機能、M–マーケティング機能)
やパートナー
である三綱領を拠り所に活動を行ってきま
変化を恐れずにチャレンジし続けていくこ
の力を結集してサービスを提供できること
した。これまで触れてきたビジネスモデルの
とを願っています。
がポイントになります。
ITバブルの崩壊は、地
変革を起こす力の源は、
この三綱領という土
に足のついたFILM 機能の支えがなければ、
台の上に蓄積された我々の無形資産であり
これまでご説明したように、当社はさらな
ドットコムビジネスは発展していけないと
パートナーと連帯し
ます。
例を3つあげると、
る高収益企業を目指して戦略の執行を着々と
いう我々のドットコマース戦略における主
て発揮する力、
ニーズのあるところに新しい
進めています。私はこのことが三菱商事のス
張を裏づける形となりました。三菱商事は、
ビジネスを生み出す能力、
戦略執行の確実性
テークホルダーである株主、
顧客、
そして従業
単なる仲介者を超えた能力を備えています。
といったものです(P14–21参照)。これらを
員の皆様にとって最善の道であることを確信
すなわち、
上記のような能力を活かすことに
含む当社の様々な無形資産は、
幾年にもわた
しています。
より、部分を単に合算した以上の価値を生み
り、
成長の基盤として三菱商事を支え続けて
出すことができるのです。
私はこのような三
きました。
そしてこれからも新たな収益源の
菱商事の能力は他社に真似できない強みで
創造に必要不可欠なものです。
私は三菱商事
あると考えており、さらにこの強みを伸ば
という会社は無形資産の宝庫であると考え
し、企業価値を高めると同時に、顧客への貢
ています。
中でも最も大切な資産は人材であ
献を図りたいと考えています。
り、この資産を活性化させ、さらに高い利益
に結びつけるために、私は社長就任以来、人
事制度や評価報酬制度を大幅に改訂しまし
た。これにより社員を動機づけ、年齢、性別、
国籍などにこだわらず、
すべての社員に能力
を発揮するチャンスを与え、各自の夢を実現
page
6
ると共に、皆がより高い目標を自らに課し、
2002年6月27日
取締役社長
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
拡張型
成長型
再構築型
Fulfilling Missions
ーミッションを果たすために
この特集1では、
異なる3つの戦略ミッションから1名ずつ、
3名のBUマネージャーが佐々木社長
へMC2003初年度の達成状況を報告します。三菱商事の前線で、それぞれのBU がどのように
価値創造に向けて活躍しているかお分かりいただけるものと思います。
page
7
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
Stretch 拡張型ミッション
「これらの成果は、
顧客やパートナーの皆様との緊密な関係、
そして長年にわたり一緒に努
力を重ねてきた結果に他なりません。
しかし、
これは次の課題に挑戦するためのプロロー
グでしかありません。我々にはまだまだ取り組むべき課題が残されています。
」
page
8
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
「拡張型ミッションを与えられたあなたのBUは、
今日の三菱商事の基盤であり、
かつ将
来の基礎を形作ることを期待されています。
そしてこれらミッションを課せられたビ
ジネスは、
幅広い顧客との強固で深い結びつきによって支えられています。
これはまさ
に何年にもわたって諸先輩が築き上げてきた貴重な無形資産そのものなのです。
」
ー取締役社長 佐々木 幹夫
2001年度アニュアルレポートより www.mitsubishi.co.jp/ir/ar
マレーシア事業ユニットは、
2001年度におい
ご存知のように当BU における今年度の課題
BU は石油事業本部と協業し、GTL 軽油のマー
て、課せられたミッションに適った実績を上げ
は、第一LNGプロジェクトの権益ステータスの
ケット創造を進めながら新規事業参加の機会を
ることができました。
MCVAは当初の目標値を約
延長と東京電力および東京ガスとの輸入代行契
狙っています。
当初、
時代の先を行き過ぎた感の
140%上回る結果となりました。我々の諸先輩方
約の更改です。また、第三 L N G プロジェクト
あるGTL軽油製造技術ですが、
事業パートナーと
が、マレーシアの国営石油会社であるペトロナ
(Tiga)のLNG販売活動も大きな課題です。LNG
共に再度世界に向けて送り出すべく、時はまさ
ス社、
オイルメジャーのシェル社、
サラワク州政
を取り巻く環境は大いに変化しており、従来当
府と1970 年台初頭から共にプロジェクトの立
社が発揮してきた機能だけではこの課題達成は
ち上げに携わってきたことが、こうした成功の
難しいと考えられます。我々は既存の枠組みを
以上、
多くの課題やミッションを負ったBUで
礎となっております。このパートナーシップか
超え、時の事業環境にマッチした形でパート
すが、
私は所属員と共に、
グループや全社の経営
ら生まれ、
1983年より受渡しをスタートしたマ
ナーや顧客企業の理解を得つつ、チャレンジし
陣のご指導を得ながら1つずつ責務を果たし、
顧
レーシアLNGの第一プロジェクト
(Satu)
、
1995
続ける必要があります。
客やパートナーとの関係をより一層深めたいと
年から開始した第二プロジェクト
(Dua)
は、
共に
に今であると確信しています。
考えています。こうした顧客やパートナーとの
当社に多大な配当収入をもたらしています。ま
当BU は拡張型ミッションを与えられました
間に築き上げてきた良好な関係は、私たちの強
た輸入代行手数料収入も収益に貢献していま
が、抱えている事業内容には成長型あるいは再
みの源泉として過去同様これからも力を発揮し
す。マレーシアLNG社と東京電力(株)および東
構築型の要素も含まれています。一例を挙げれ
ていくものと信じているからです。
京ガス(株)との間で、第一プロジェクトにかか
ば、成長型と言えるビジネスが G T L( G a s t o
る20年間のLNG供給契約をさらに20年間延長
Liquid)プロジェクトで、これは天然ガスから環
する合意を得ることができたのは、戦略上極め
境に優しい灯油、軽油などを製造しようという
て重要な出来事でした。当 B U は、マレーシア
ものです。
当BUが大きな技術的リスクをとって
LNG社の株主としては今回の契約更改の枠組み
出資した商業ベースで世界初となるGTLプラン
作りを助け、また東京電力および東京ガスの輸
トは、1993 年、マレーシアで運転を開始しまし
入代行としては、契約交渉に貢献することがで
た。画期的なプロジェクトであるが故にこれま
きました。
これらの成果は、
顧客やパートナーの
で様々な難局にぶつかりましたが、我々はそれ
皆様との緊密な関係、そして長年にわたり一緒
らを乗り越えて来ています。
昨今、
環境問題への
に努力を重ねてきた結果に他なりません。しか
取り組みに対する関心の高まりから、
GTL技術で
し、これは次の課題に挑戦するためのプロロー
製造される硫黄分ゼロの軽油はディーゼルエン
グでしかありません。
我々には、
まだまだ取り組
ジン用としてますます脚光を浴びています。当
むべき課題が残されています。
page
9
ユニットマネージャー
マレーシア事業ユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
Build 成長型ミッション
「当BUには大きく2つの事業があります。
…1つは、
ヘルスケア分野の主役とも言える医療
機関のマネジメントを支援するビジネスです…もう1つは、
アウトソーシング事業の企画
と展開です…」
寿康会病院
page
10
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
「成長型ミッションを与えられたあなたのBUは明日の三菱商事を担うものです。
我々は
伝統的に商社取引によって口銭収入を得てきました。
しかし、
こうした仲介機能だけでは
我々の将来は成り立ちません。
あなた方が未来を創り出すのです。
成長型ミッションを担
うBUは、
新規ビジネスのパラダイムを創り出すケーススタディーとなるでしょう。
」
ー取締役社長 佐々木 幹夫
2001年度アニュアルレポートより www.mitsubishi.co.jp/ir/ar
日本におけるヘルスケア分野は急速に変化し
1つの力点を置いています。例えば、病院の新築・
介護の分野も当BUにとっては重要な事業領域
ており、この中で当ヘルスケア事業ユニットは
改築時のデザインから医療機器に関するコンサ
です。
介護分野では、
我が国の介護保険制度の効
すでに業界に一定のプレゼンスを確保し、今後
ルテーションや一括納入を行うまでトータル・ソ
果的運用を目指すため、
民間による体制整備が強
大きく成長を遂げる可能性を秘めています。こ
リューションを提供する合弁会社を同業他社と
く期待されています。
介護用品のレンタル卸事業
うして、
成長型ミッションが与えられました。
実
共に設立しました。
また、
コールセンターを病院
を行っている当社子会社の
(株)
日本ケアサプラ
イはすでに同分野における大手企業として位置
際当BUは、
この1年、
他に先駆けて新しいビジネ
に設置することで病院内の業務改革を支援した
スモデルを創造し、質の高いサービスや商品を
り、
コンビニエンスストアを病院内に導入するな
づけられています。
また、
介護分野における新規
全国規模で提供できる仕組みを作り上げること
ど、
新しい病院像作りも共同で行ってきました。
事業の例としては、
データベースを活用した、
要
に努力してきました。
さらに病院原価分析や業務フロー分析を盛り込
介護者・施設に対する配食システムなどが挙げら
んだ病院経営支援システムも開発し、
すでにいく
れます。
私は当BUが定量・定性の両面において前進を
つかの病院で利用されています。
このレターを通じ、我々がこの分野でいかに
遂げることができたと自負しています。
MCVAを
例に取ると、前年度より7億円の改善となり、こ
もう1つの事業として、当BUは医療機関の効
積極的に事業展開を行っているかを社長に良く
れは当初我々が計画していた数値よりも高く
率化を促進するアウトソース事業を企画し、展
ご理解頂けたのではないかと思います。ヘルス
なっています。我々のビジネスはまだ黎明期に
開しています。三菱商事のグループ企業である
ケア分野の流れは、
2005年位までは変革が継続
あり、
よってMCVAは依然マイナスではあります
既存事業投資先の事業拡大を促し、さらに新規
していくと思われます。
このことは当BUには未
が、
こうした進展により、
MC2003における成長
事業の立ち上げを行いました。昨年度は病院の
だ豊富な成長機会があることを意味し、我々は
ミッションのゴールであるMCVAのプラス転換
医療材料の物品管理を行う当社の子会社であ
その成長機会を確実に捉えていかねばなりませ
をこの先達成できるものと確信しています。昨
る(株)日本ホスピタルサービスが顧客病院数
ん。
医療・介護事業は社会的正義に根ざすもので
年設立した数々の新会社、合弁会社が将来の成
を伸ばし、規模としては日本国内で最大手とな
あり、
こうした中で我々は、
ヘルスケア分野にお
長の舞台となるはずです。
ることができました。一方、新規事業としては、
けるトータル・サービス・プロバイダーになると
IT を活用したサービスを提供する事業体の設
いう視点を常に持った活動を、医療機関やヘル
当BUには大きく2つの事業があります。
1つは
立企画を病院と共同で行いました。例えば、病
スケア事業を営む皆様と共に展開していきたい
ヘルスケア分野の主役とも言える医療機関のマ
院や診療所、その他の施設が連携し、地域住民
と思っています。
ネジメントを支援するビジネスです。
国内の医療
に対し各機関がより良いサービスを提供でき
分野の大改革が進行する中、
医療機関の効率経営
る画期的な地域医療サービスシステムを支援
に対する関心は急速に高まっています。
この効率
する会社を設立しました。I T 活用の他の例で
経営を実現するために、
企業経営ノウハウの導入
は、地域中核病院の新しい電子カルテシステム
が積極的に活用されており、
当BUはこの領域に
の共同開発もあります。
page
11
ユニットマネージャー
ヘルスケア事業ユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
Restructure 再構築型ミッション
「こうした構造改革を徹底的に推し進めれば、
当BU自体の生き残りは可能と考えます。
し
かし、
単に生き残るだけでなく、
さらに収益力を向上させ、
顧客企業へのバリューを高める
ことが不可欠であると考えます。
だからこそ、
2002年3月、日商岩井(株)との鉄鋼製品事業
統合の基本合意に至ったわけです。」
page
12
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ミッションを果たすために}
「再構築型ミッションを与えられたあなたのBUでは、あなたの的確な判断と意思決定
能力が、
三菱商事全体の経営資源の有効活用に直結します…重要なのは、
あなた方の事
業が今現在どこに位置し、
将来はどうなるのかを注意深く分析することです…そして
業績を黒字に反転させる努力を行うことです。
」
―取締役社長 佐々木幹夫
2001年度アニュアルレポートより www.mitsubishi.co.jp/ir/ar
2001年度において私は、鉄鋼製品関連の4BU
その結果、
多くの領域で進展が見られました。
2002 年度の当BUのアクションプランは、今
を一括して再構築する、すなわちMC2003の計
2001年度の営業費は当初計画比10億円減とな
述べたように拡張型、成長型ビジネスへと転換
画期間中にMCVAのプラス化に道筋をつけると
り、またリスクマネーも190 億円削減されまし
させることも視野に入れて組み立てています。
いうチャレンジに取り組みました。
た。
MCVAも期中の大口償却のため依然赤字であ
そして、
そのために引き続きBUが一丸となって
るものの、前年度実績に比べ30億円改善しまし
構 造 改 革 を 強 力 に 推 し 進 め ま す 。同 時 に 、
た。
また、
IT(情報技術)やLT(物流技術)を軸とし
MC2003初年度の積み残しである事業投資先や
すれば、撤退、縮小、売却という戦略オプション
これらの事業の置かれた厳しい事業環境から
た新しいビジネスモデルもいくつか構築され、
販売拠点の統廃合を実行することで、経営資源
も十分考えられました。
こうした中、
むしろ本事
実際に収益を生み出しています。
配分の全体最適化を図り、全社連結ベースでの
業を強化し、
再びコア事業、
あるいは戦略分野へ
と引き上げるべきとの判断と、その実現のため
合理化効果を上げ、2003年1月の日商岩井との
こうした構造改革を徹底的に推し進めれば、
統合を前にしての当社資産の優良化を実行しま
に一定の時間的猶予が与えられたとの認識を社
当 BU 自体の生き残りは可能と考えます。しか
す。
これらの行動が、
統合会社の成功を担保する
長と共有することができました。
し、
単に生き残るだけでなく、
さらに収益力を向
ことにつながると確信しております。
また統合会
上させ、顧客企業へのバリューを高めることが
の実現に
社が実現した時には、
将来の
「IPOの夢」
2 0 0 1 年度を通じ私はまさにこの目標に向
不可欠であると考えます。
だからこそ、
2002年3
向けて、統合会社の皆さんと経営ビジョンを共
かって取り組んできました。まず単独事業シナ
月、日商岩井(株)との鉄鋼製品事業統合の基本
有し、一体感を持ってBU運営に臨む決意です。
リオによる生き残りの可能性を追求すべく、事
合意に至ったわけです。
統合に向けて、
我々はあ
業の再構築を優先させました。
このために4つの
らゆる角度から慎重に検討を重ねましたが、最
BUを1つに統合し、BUの目標として3つの構造
終的に、
統合により大きなシナジーがあり、
当社
改革を掲げました。3つの構造改革とは、すなわ
の企業価値向上に資するとの結論になりまし
ちコスト構造の改革、資産構造の改革、そして、
た。当社のステークホルダーの皆様にとってベ
太くて短い流通の構築を目指し、三菱商事の
ストな選択であったと考えています。
私は、
この
FILM 機能を駆使したビジネスモデルの改革
そして当
決断が当BUの早期黒字化につながり、
です。これらをスピード感をもって実行してき
BUの戦略ミッションを拡張型、ひいては成長型
ました。
へと飛躍させることを期待しています。
page
13
ユニットマネージャー
鉄鋼製品事業ユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
三菱商事は、
力強い有形資産のポートフォリオを有するだけでなく、
数字で
は表せない多くの強みを備えています。
これらの強みは、
有形資産と相まっ
てあらゆる場面で価値創造を実現する助けとなっています。
page
14
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
パートナーと連携して発揮する力
新しいビジネスを生み出す能力
戦略執行の確実性
Unlocking Value
ー 蓄積された無形資産の潜在価値
三菱商事の見えざる資産である
「パートナーと連携して発揮する力」
「
、新しいビジネスを生み出
す能力」
「
、戦略執行の確実性」
は、
みな当社を特徴づけるものです。
通常の資産価値測定の基準を
用いてこれらの価値を定量化することは不可能ですが、
当社にとって、
あるいはどの企業におい
ても、
こうした資産は極めて重要であると言えます。
この特集2では、
こうした当社の見えざる資
産をクローズアップしていきます。
page
15
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
パートナーと連携して発揮する力
Partner Po
パートナーシップは一夜にして形成されるものではありません。
良好な関係を構築す
るにはかなりの時間を要します。
それだけに、
パートナーシップは熟成されると、
お互
いの境界を超えて拡大し、
新しい価値を形成していくこととなるのです。
成功したパー
トナーシップは、
互いを強力にするものです。
このため当社では、
何年もかけ世界各地
でこうした永続的なパートナーシップの構築に努力してきました。
今日、三菱グルー
プの各企業を含む、こうした戦略的なパートナーとの良好な関係によって、
様々なシ
ナジーを得、価値を創造することができています。この見開きでロゴを掲載している
企業群は、当社の誇りにしている戦略パートナーのごく僅かにすぎません。
page
16
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
wer
新しい食文化を創造するために
強みを補完し、
相互に成長できる機会を創る
さらなる成長への基盤作り
当社は43年にわたって日清食品
(株)
との間に
化石燃料などの鉱物資源は世界の一部に偏在
30年以上もの間、当社は米国バテル記念研究
強力な提携関係を築き上げてきました。
今日、
日
しています。
これらの資源開発には、
膨大な先行
所の日本総代理店として、日本における研究委
本の食品会社として世界中に知れ渡る同社と共
投資が必要なだけでなく、採掘から鉱石の処理
託業務のマーケティングを担当してきました。
に事業をスタートしたのは1959年のことで、
そ
に至るまでの高い技術力、
事業リスクを把握し、
今日では、当社の提供する機能は単なる代理店
れは日本の食文化に新風を巻き起こしたインス
自らリスクを取る能力や経験、長期的視野に基
としての機能を超えて拡大しています。
例えば、
タントラーメンの販売から始まりました。三菱
づく事業へのコミットメントなどが求められま
このパートナーシップを通じ光通信デバイスの
商事は、その当時から日本における販売代理店
す。こうしたプロジェクトを成功させるために
製造会社であるフォトニック・インテグレー
として、
同社が売上を100倍以上にまで拡大する
は、しばしばパートナーシップが重要なカギと
ション・リサーチ社(PIRI )が設立されました。
ことに貢献しています。
そして1970年にはこの
なります。実際に、幅広い販売ネットワークや、
2000年度に当社はPIRIの株式を売却し、多大な
画期的なインスタントラーメン事業を米国市場
マーケット情報の収集力、
リスク管理能力、
さら
キャピタルゲインを得ています。
2000年10月に
に紹介するお手伝いをし、その後共に世界中へ
に専門知識に裏打ちされたファイナンス組成能
は、
バテル社との間で、
新たに知的財産を共同で
と拡げていきました。
当社は現在多くの国々で、
力などの我々の強みが、BHPビリトン社やリオ
開発・獲得・融合・商業化することを目的とした
日清食品の戦略パートナーとして、新しい食文
ティント社など世界有数の資源会社の先進的な
戦略的提携関係を構築しました。最初にパート
化創造に向けた同社のたゆまぬ努力を支え続け
技術力と相まってさらなる強さを生み出してい
ナーシップを組んでからちょうど30周年を迎え
ています。
ます。当社はこうした強力なパートナーシップ
たところで新たな提携関係に発展したわけです
を基礎として、石炭や銅、アルミニウムなど、世
が、この提携はPIRIに続く新たな成功事例を求
界各地における鉱物資源プロジェクトに成功し
めて、今後の成長のプラットフォームとして機
てきております。
これらのプロジェクトは、
顧客
能していくこととなるでしょう。
に対し必要不可欠な原料の安定供給という役割
を果たすだけでなく、当社の長期的な収益源と
しても貴重な貢献をしています。
page
17
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
新しいビジネスを生み出す能力
Business l
三菱商事は常に進化を遂げ、変化し続けるマーケットと共に歩んでいます。
我々は現
状に甘んじることはありません。
絶えず挑戦し続け、
建設的かつ独創的な方法で、
新し
い価値の創造に向け努力していきます。新しいビジネスを生み出す能力は、
当社の中
にDNAとして深く刻まれていると言っても過言ではないのです。当社は持てるあら
ゆる経営資源や専門能力を活用し、
進化していきます。
これまで当社は、
仲介業務の豊
富な経験を活かしつつ、
しかも単なる仲介業務を超えて伝統的商社像を打ち破ってき
ました。しかし一方、常に多方面で新しいビジネスモデルを模索し続けています。次
ページでは、
当社がどのようにして革新的なビジネスモデルを構築しているのかをご
紹介します。
page
18
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
nnovation
消費者サイドからバリューチェーンを変革
エクイティパートナーとして収益を生み出す
新技術の獲得が三菱商事の成長の推進力
供給者側に立って商品やサービスを提供する
インフラ関連プロジェクトにおいても、ビジ
将来有望な新技術や知的財産の研究、開発お
ことは当社の長年の強みでした。
しかし、
これか
ネスモデルを新たに構築することがキーワード
よび商業化を進める上でも、当社はより直接的
らは消費者サイドに立って商品やサービスを提
となっています。
この一例として、
世界各国にお
な参画や価値創造に力を注いでいます。過去に
供するというマーケットインの発想で、新たな
ける電力市場の自由化および民営化の潮流を受
おいて、当社は成長が約束された新技術を外部
価値を創造できると確信しています。日本国内
けて急成長しているIPP事業(独立発電事業)が
のビジネスパートナーに移転するビジネス手
で第2位の規模を誇るコンビニエンスストアで
挙げられます。
三菱商事は、
1980年代後半より米
法を展開してきましたが、今ではこれまでに蓄
ある(株)ローソンは、こうした消費者サイドか
国において、エクイティパートナーとしてプロ
積してきた新技術や知的財産の商業化に対す
らの視点を獲得し、新しい価値を創造するため
ジェクトに直接参画すると共に、プロジェクト
る幅広い知見を活用し、直接事業に投資する形
の最適なプラットフォームであると考えていま
のコーディネーションやプラント機器の調達に
へと変化を遂げています。実際に当社はいくつ
す。
当社は筆頭株主として、
また戦略パートナー
留まらない活動をしてきました。また米国にお
かの領域において他社より秀でていると言え
として、
様々な面で同社をサポートし、
そして三
ける長期プロジェクトへの参画だけでなく、メ
ます。
1999年にはリサーチ・コーポレーション・
菱商事のFILM機能を活用してビジネスモデルの
キシコやその他の国々においても電力販売によ
テクノロジー社(RCT)およびマテリアルズ・ア
構築や変革を図っています。例えばその一例と
る事業収益の獲得や自ら設備機器の需要を創造
ンド・エレクトロケミカル・リサーチ社(MER)
して、お客様ヘ新たなサービスを提供し利便性
する機会を探ってきました。これは当社のトー
と共に、ナノテクノロジーの新素材、フラーレ
を向上させるローソンブランドのクレジット
タルなプロジェクトコーディネーション能力
ンの実用化を目指した新会社を設立しました。
カード発行事業の立ち上げがあります。
また、
食
や、
世界各地の地域事情に対する深い見識、
長年
また当社はアジア市場でフラーレンの物質特
品関連分野では三菱商事の物流網や卸売事業に
積み重ねてきた電力事業におけるプレゼンス、
許の独占的実施権を所有しています。その他、
おけるノウハウを提供するなど全面支援を行っ
リスクの算定や管理能力が求められる事業投資
三菱化学(株)との合弁会社であるフロンティ
ています。
このようにコンビニエンスストア・マ
の実行能力など様々な強みが活かされた結果と
アカーボン(株)は、当社がナノテクノロジーの
ネジメントの新しいスタイルを確立していくこ
言えます。
商業化の動きを加速させるための先駆的存在
とで、
さらなる価値の獲得へつなげる考えです。
として活躍しています。
page
19
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
戦略執行の確実性
Execution
目的地を地図に書き記すことは容易なことです。
しかし、実際にその目的地にたどり
着くことは往々にして困難なことなのです。
なぜなら、そのためには、
強固な意志、
的
確な判断、
強力なリーダーシップが求められるからです。
近年の三菱商事の業績は、
当
社がこれらの要件を満たし、
目標に向かって着実に前進していることを示しています。
すなわち、
戦略を組み立て、その戦略を確実に執行する我々の能力を証明するもので
あります。
また、
それらは常に変革していく当社の能力を表すものでもあります。
ひい
ては、戦略を新たな価値創造へと転換させる能力をも意味しています。
page
20
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{蓄積された無形資産の潜在価値}
Excellence
MC2000:ステージは整った
MC2003:さらに高い目標に向けて
要性を強調しています。再構築型ミッションを
現在、取り組んでいるMC2003は前の中期経
持ったBUについては、
特にCFOの古川副社長が
多くの目標を成し遂げてきました。
実際に、
当社
営計画であるMC2000を踏襲したものです。新
見極めの責任を帯びていますが、
このことは、
当
は高コスト体質からの脱却を目指し、
3年の間に
たな成長を求めて、ビジネスポートフォリオの
社がこれら再構築型BUの事業継続可否をいか
親会社の従業員数を8,401人から6,941人へと
入れ替えに関わる戦略のレビュー、
目標設定、
そ
に重視しているかを物語っています。同氏の指
削減しました。
リスク・マネジメントやバランス
の遂行のサイクルを織り込んだ新しい管理シス
揮のもと、
当社はアリステック・ケミカル社に加
シートの面においても新たに導入したリスク・
テムを導入しました。
そして、
これらが上手く機
えてすでに106 社からの撤退を実施し、これに
マネジメント・システムや厳格なEXITルールの
能しているかどうかを新しい経営指標である
よって1999年から合計で約2,400億円に上る資
適用によって改善が図られています。自社の資
MCVAによって測ります。また、同時に導入した
産圧縮を図ることができました。
産価値を引き上げるためには、EXITルール適用
ビジネスユニット(BU)制は、BU業績に連動し
外のビジネスであっても全社戦略の方向性と一
た評価報酬制度によって、社員のモチベーショ
コーポレートガバナンス:経営のチェック機
致しない事業については撤退も辞しません。
ンを高めるだけでなく、従業員の思考そのもの
能強化とバランスの取れた経営を目指して
1999年度に行った米国アリステック・ケミカル
に変化をもたらしています。
MC2000のもと、当社は自己変革に取り組み、
ブを示す好例と言えます。
さらに、
当社は事業分
コーポレートガバナンスの強化も当社の戦略
執行の確実性を高めることに貢献しています。
当
社からの撤退はこうした経営の強いイニシアチ
BU制:MC2003達成のカギ
社は、
執行役員制の導入により経営責任の分離を
図ると共に、
数年前に2名の社外取締役を含んで
野の選択と集中を進めてきましたが、
1999年度
BU 制は当社がさらに進化を遂げていくため
には、
資源・エネルギー、
食料・食品、
プロジェクト
の重要な役割を果たしています。
BU制度の導入
45名存在した取締役を17名まで削減しました。
開発、
IT関連といった4つの戦略分野の業績貢献
によって、ビジネスの詳細を深く知ることがで
このうち3名が社外取締役となっています。
監査
度は、当初の目標通り連結純利益の50%を上回
きるようになり、我々の展開している事業のど
役会、
さらには新設されたガバナンス委員会にお
るものとなりました。
2001年度では、これら戦略
こに競争優位性や付加価値が存在し、どこにな
いても社外メンバーが活躍しています。
また国際
事業分野における連結純利益は全体の70%以上
いのかが分かるようになりました。
また、
佐々木
諮問委員会も新たに設けられ、
各界で国際的に活
を占めるに至っています。
社長は各 BU マネージャーと直接対話を行い、
躍されている方々を招き、
当社の業務にグローバ
BUマネージャーのMC2003における役割の重
ルな見地からの助言を得ております。
page
21
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{営業グループ概要}
営業グループ概要
2001 年度の業績 * 1
新機能事業グループ
情報産業グループ
エネルギー事業
グループ
売上高:169,186百万円
機構:4本部、17BU
売上総利益:30,954百万円
拠点数:8場所(7ヶ国)
当期純利益:△20,290百万円
構成人員数:3,690名
売上高:430,324百万円
機構:2本部、20BU
売上総利益:30,095百万円
拠点数:18場所(7ヶ国)
当期純利益:8,671百万円
構成人員数:617名
総資産:311,521百万円
生活産業グループ
通信市場、
放送市場、ブロードバンド市場、
プラッ
トフォーム市場、
コンテンツ市場、
端末
(ハード)
市
場、半導体・電子デバイス市場、宇宙市場、防衛市
場、民間航空機市場など
機構:3本部、27BU
売上総利益:49,932百万円
拠点数:29場所(25ヶ国)
当期純利益:21,717百万円
構成人員数:1,995名
電力業界、
都市ガス、石油精製、石油化学、
産業(製
紙・製鉄・セメントなど)用燃料、輸送(自動車・ト
ラックなど)
用燃料
(ガソリン・軽油)
、
海外・国内製
鉄所、
海外・国内電極メーカー、カーボンブラック
メーカーなど
BU数:2本部、12BU
拠点数:61場所(28ヶ国)
構成人員数:5,524名
鉄鋼業界、
非鉄金属業界、
金属製品業界、
機械業界、
電気機器業界、
自動車業界、
建設業界、
電力・ガス業
界など
売上高:2,158,529百万円
機構:4本部、39BU
売上総利益:122,829百万円
拠点数:183場所(45ヶ国)
当期純利益:12,201百万円
構成人員数:8,689名
電力、
鉄道、
プラント、
石油、
船舶、
海運、
鉄鋼、
製鉄、
非鉄金属、
製紙、
繊維、
建設、
印刷、
設備、
通信、
食品、
化学品、不動産、
自動車など
総資産:834,524百万円
当期純利益:13,856百万円
化学品グループ
金融業界、IT業界、物流業界、コンビニエンススト
ア、ヘルスケア業界などを対象としたビジネス機
能の提供
売上高:3,473,374百万円
売上総利益:106,553百万円
機械グループ
主要マーケット
総資産:1,047,290百万円
売上高:1,967,007百万円
金属グループ
事業規模 * 2
総資産:1,211,116百万円
総資産:1,950,836百万円
売上高:1,300,479百万円
機構:2本部、24BU
売上総利益:50,139百万円
拠点数:42場所(23ヶ国)
当期純利益:6,545百万円
構成人員数:2,869名
総資産:554,036百万円
売上高:3,781,092百万円
機構:4本部、43BU
売上総利益:239,227百万円
拠点数:44場所(29ヶ国)
当期純利益:29,266百万円
構成人員数:17,834名
汎用化学品業界、
肥料業界、
化学薬品業界、
塗料・接
着剤業界、
繊維業界、
電気・電子・半導体業界、
医薬・
医療業界、
流通業界、食品・食料業界、農業・畜産業
界、エネルギー業界、自動車業界、窯業界、建築業
界、通信業界など
生活に密接した、食糧・食品、加工食品、水産物、繊
維業界、資材業界など全般
総資産:1,463,152百万円
* 1 2001年度の業績には、各商品別セグメントに配賦できない収益、費用、資産が含まれています。
* 2 構成人員数は、連結ベースの数値となります。本ページで記載されていない「コーポレートスタッフ」の構成人員数は2,816名です。
「機構」および「拠点数」については2002年4月現在、
「構成人員数」については2002年3月31日時点における数値
「コーポレートスタッフ」を含む総構成人員数は、44,034名です。
となります。
page
22
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{営業グループ概要}
主な商品・サービス
金融サービスから顧客マーケティング、
ヘルスケア、
ロジスティクスおよ
びITソリューションまでおよぶ機能的なサービス
2001 年度のハイライト
■
クレジットカード事業を立ち上げるなど、
(株)ローソンの企業価値向上に向けた事業
を強化した。
■(株)
アイ・ティ・フロンティアが正式に設立されると共に事務所を統合し、
本格的に事業
を開始。
■
(現UBSグローバル・アセット・マネジメント
(株)
)
と共
UBSアセットマネジメント(株)
同で立ち上げた不動産投資信託(J-REIT)が
「日本リテールファンド投資法人」として東
京証券取引所に上場。
ネットワーク関連事業、
衛星・地上系通信事業、
移動体通信事業、
CATV事
業、
BS・CS放送事業、半導体・電子デバイス販売、携帯端末機器販売、コンテ
ンツ事業、
教育ビジネス、
経済協力関連ビジネス、
プリペイドカード事業
■
ブロードバンドコンテンツ配信会社、
(株)ヒットポップスを事業化。
衛星地図情報事業、
情報セキュリティビジネス、
航空機、
航空機リース、
内
装品、
エンジン、
防衛関連電子機器、宇宙事業開発など
■(株)
インフォセックを設立、
情報セキュリティ事業へ本格参入。
■(株)
エム・シー・テレネットと住商テレメイト
(株)
が水平合併、
(株)
エム・エス・コミュニ
ケーションズが誕生。
■
電子地図用ソフト開発/販売/システム構築のジクー・データシステムズ(株)を設立。
■(株)
旺文社と資本・業務提携。
■
CS110度放送プラットフォーム(株)プラット・ワン、放送開始。
■
インドネシアでのガス権益購入。
■
ブルネイ/マレーシアのガス鉱区取得。
■
石油製品供給能力強化のため、
昭和シェル石油
(株)
との合弁会社である昭和四日市石油
(株)
の株式買い増しを行う。
■
日商岩井(株)と鉄鋼製品事業の統合会社設立で基本合意。
■
BHPビリトン社と原料炭共同事業の操業・販売会社であるBHPビリトン・ミツビシ・アラ
イアンス(BMA)を発足。
■
モザンビークでのアルミ精練事業Mozal I に続き、Mozal II への出資を実行。
■
ペルーにおける世界最大級のアンタミナ銅・亜鉛鉱山の開山(操業、
販売開始)
。
■
シンガポールTuas 3&4号複合サイクル発電プラント受注。
■
メキシコTuxpan II 複合サイクル発電事業売電開始。
■
サウディアラビア基礎産業公社向けJUPCエチレンプラント受注。
■
タイ、
インドネシア他各国市場における自動車販売事業好調。
■
米フリーマーケッツ社との戦略的提携に基づき、調達ソリューションビジネスを開始。
汎用化学品、
機能化学品、ファイン・スペシャリティケミカル
■
自動車・家電産業のプラスチック製品、
合成繊維原料、
肥料、
農薬、
人工甘
味料
建設を進めていたアンモニア製造メーカー
(PT. カルティム・パルナ・インドゥストリ社)
も計画以上にスムースに商業運転を開始。
■
塩田事業、
石油化学事業、
基礎化学品の製造事業、
医農薬中間体製造事業
など
農薬販売子会社の菱商農材
(株)
にダウ・ケミカル日本
(株)
が資本参加、
ディーエーエス菱
商(株)とし、
国内販売を強化。
■
大手スーパー向け日配品流通用コンテナーのレンタル事業会社デリカコンテナー・シス
テムズ
(株)を設立。
穀物類、
砂糖類、
穀粉類、
油脂、
飼料、
畜産物、
水産物、
青果物、
ビール、
コー
ヒー、
飲料水、乳製品、冷凍・冷蔵食品、加工食品など
■
製油3社の統合:日清製油
(株)
、
リノール油脂
(株)
、
ニッコー製油
(株)
の3社の統合を推進、
新会社
(日清オイリオグループ)の筆頭株主となる。
繊維原料、糸、一般衣料、ブランド事業・ファッションアパレル製品の
ショップ運営、
家具、
タイヤ、
土木資材、
住宅建材、
包装資材、
木材チップ、
パルプ、紙、セメント、硅砂、板ガラス、フィルムなど
■(株)
藤三商会、
旭食品
(株)
(
、株)
マルイチ産商などへの出資、
提携による食品フルライン
LNG、LPG、原油、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファル
ト、
その他石油製品、
オリマルジョン®、
無煙炭、
石炭コークス、
石油コーク
ス、
カーボンブラック、
人造黒鉛電極、
ガス・油田開発、
新エネルギー開発、
省エネ対応エネルギーシステム開発、電熱供給事業など
製鉄用原料炭、
一般炭、
鉄鉱石、
屑鉄、
副原料、
合金鉄、
銑鉄、
普通鋼鋼材、
鋼
管、
ステンレス鋼、
その他鉄鋼製品、
自動車部品、
非鉄金属原料、
非鉄金属
製品、
貴金属など
発電プラント・変電設備、昇降機、鉄道車両、交通システム、ガス・石油機
械、
化学機械、
製鉄機械、
セメント機械、
船舶、
船舶機械、
廃棄物処理設備、
環境設備、自動車、建設機械、工作機械、印刷機械など
オフィスビルや住宅の建設、不動産賃貸を含めた地域総合開発
プロジェクト開発事業。電力卸売・小売事業、上下水道運営などインフ
ラストラクチャーの整備・運営事業など。自動車事業および自動車販売
金融事業
化推進。
■
中食、
外食市場ユーザー対応のための新会社
(株)フードサービスネットワークを設立。
■
Martine Margielaなどとのブランド共同事業。
page
23
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
新機能事業グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg1
FILM機能を活用して新たな価値を創造すると
もう1つのフラッグシップ・プロジェクトは、
にとって新たな事業創造のチャンスと考えてい
いうMC2003における当グループの使命をどの
日本国内第 2 位のコンビニエンスストア、
( 株)
ます。
当社は、
2000年に住宅の品質格付けを行う
ように達成しているのかを具体的に示す2つの
ローソンに対する取り組みです。
2001年度の決
会社を設立していますが、事業化のためには同
フラッグシップ・プロジェクトがあります。
算では、出資時の暖簾代の一時償却を行ったた
社による格付けを与信根拠とするファイナンス
め、
182億円の損失を計上することになりました
会社を併せて設立することが効果的と判断し、
1つが(株)アイ・ティ・フロンティアです。同社
が、当初の投資目的の達成という点では大きな
東京電力(株)や金融機関をパートナーに迎え、
は、三菱商事の関連IT 企業5 社を統合した企業
前進ができたと考えています。
具体的には、
当社
住宅品質の格付けとファイナンスをセットで提
で、
ここには日本アイ・ビー・エム
(株)
も株主とし
が中心となって、
全温度帯別物流プラットフォー
供する新会社を設立しました。
このように、
市場
て加わっています。2001年4月からスタートし
ム構築のための投資を含め、
ロジスティクス、
情
の変化に対応し、より高度な機能を提供するこ
た同社は、我々の思った以上に一体化が早く進
報インフラ、資材調達などの面で様々な支援を
とが、新たな成長機会を生み出すものと確信し
み、売上高694億円、従業員数約1,600名という
行ったことが挙げられます。
さらに、
経営への関
ています。
存在感のある企業規模に仕上がっています。ア
与もより深めることができました。2002年5月
イ・ティ・フロンティアが直面するマーケット
には、当社においてローソンプロジェクトに初
は、
大きな成長可能性を持っています。
例えば日
期の段階から関わってきた新浪剛史氏が社長に
本企業においては最高情報責任者(CIO)の任命
就任し、ローソンの企業価値引き上げのために
が進んでおり、こうした動きは日本企業がさら
我々が全面的かつスピード感を持って支援して
にIT化に向けて積極性を増していく証左である
いく姿勢を明確に打ち出しました。
と言えます。
こうした追い風を得て、
アイ・ティ・
フロンティアが確実に成長する機会をつかむた
また2001 年度は新たに住宅事業への参入を
め、当グループでは2002年4月に組織を改変し
明確にした年でもあります。国内の住宅市場は
「経営
IT事業本部を設置しました。同事業本部は、
規模が縮小しており、構造的な変化が起きてい
戦略とITのインテグレーション」
機能を集約し、
ます。
とりわけ戸建住宅の需要が急減し、
2001年
顧客企業の戦略に対する深い理解に基づき、
度の新規戸建住宅戸数は37万戸台に落ち込んで
様々なアドバイスを提供する役割を担っていま
います。
ここで市場の7割を占める中小工務店で
す。私はアイ・ティ・フロンティアが日本のIT 市
は、
需要の減少の上に、
金融機関の与信提供能力
場、そして当社内部のビジネスをも刺激するこ
の低下が追い討ちをかけ、経営環境が悪化して
とを確信しています。
います。こうした市場構造の変化は当グループ
page
24
副社長執行役員
新機能事業グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
新機能事業グループ
新機能事業戦略室
ビジネスクリエーションユニット
IT事業本部
アイ・ティ・フロンティアが本格的に事業を開始
ITソリューションオフィス
ITFユニット
eコマースユニット
2001年4月、当社は関連IT子会社5社を統合し、新たなITソ
リューション企業として
(株)
アイ・ティ・フロンティアを発足
させました。
2001年10月1日には東京の晴海にオフィスが統
コンシューマー事業本部
合され、
名実共に1つの企業としての活動が始まりました。
す
ローソン事業ユニット
外食事業ユニット
マーケティング事業ユニット
でにERPフル・サポート・サービスの提供、旭硝子
(株)
からの
アウトソーシング契約の受注、三鷹・戸田・幕張の各サービス
ソリューションセンター事業の立ち上げなど、統合のメリッ
金融事業本部
トを活かした事業をスタートさせています。
企業投資ユニット
キャピタル・マーケッツユニット
金融企画ユニット
M&Aユニット
www.itfrontier.co.jp
新会社を通じたローソン企業価値向上のサポート
当社は、
(株)
ローソンおよび
(株)
クレディセゾンと共同でク
レジットカード事業の新会社である
(株)
ローソンCSカードを
2002年に設立しました。当社はファイナンス面およびマーケ
物流サービス本部
物流ソリューション企画・統括ユニット
リスクエンジニアリングユニット
国際物流事業ユニット
ターミナル事業ユニット
ティング面から新会社を支援することになります。
同時に、
同
社を通じてローソン顧客に新たな金融サービスを提供します。
また、
顧客購買動向の分析を当社のカスタマー・リレーション
シップ・マネジメント
(CRM)
ノウハウと組み合わせることで、
ローソンに対しコンビニエンスストア業界で最も先端的な
CRM ソリューションを提供し、品揃えや商品開発面でのサ
ポートを行っていく考えです。
www.lawson.co.jp
トヨタ自動車と初の合弁事業―地域医療支援会社を設立
2002年6月25日、当社はトヨタ自動車(株)と共同で、地域
医療機関の経営改善と相互連携を支援するアウトソース事
業を推進し、
患者・地域住民向けに介護・生活サービスを提供
する
(株)
グッドライフデザインを新たに設立しました。
同社
は、
トヨタ自動車との初めての合弁会社であり、
資本金260百
万円で、
トヨタ自動車が51%、
三菱商事が49%を出資してい
ます。
同社では、
地域中核病院をコアに
“健康で安心して暮ら
せる街づくり”
を支援する地域密着型ビジネスモデルの構築
を目指しています。
page
25
ヘルスケア事業ユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
情報産業グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg2
MC2003の達成に向け、情報産業グループは
半導体・電子部品の販売商社であるユニダック
情報産業グループは、
1987年の誕生以来、三菱
2001年4月に営業本部を通信・放送本部と宇宙
ス
(株)
など、
M&Aを活用して、水平統合による強
商事全体の推進力として、
時代の先頭に立ち、
新
航空機本部の2本部に括り直しました。
その上で
化を行いました。
たに生まれる市場で新しいビジネスモデルの創
各本部の事業領域として、
コンテンツの制作・販
造にチャレンジしてきました。
21世紀を迎え、通
売、
コンテンツのパッケージング、
インフラスト
一方、
コアカンパニーの育成に向け、
グループ
信と放送の融合や本格的ブロードバンド時代の
ラクチャー、
プラットフォームサービス、
機器販
連結経営のためのインフラ整備も行っています。
到来に伴い、新たなビジネスチャンスが生まれ
売の5つを選別しました。当グループでは、これ
事業投資の運営に関するガイドラインを策定し、
つつあります。
競争相手も、
当社の直接の競合相
らの各領域においてコアカンパニーを育成し、
事業投資先を4つのカテゴリーに分類した上で、
手ではなく、全くの異業種企業であることも珍
それらの連携強化によりバリューチェーンを形
カテゴリー別に経営目標を設置するなど、
きめ細
しくはありませんが、これまでのビジネスや取
成することを目標としています。
かいフォローアップ体制を敷きました。
さらに事
引を通じて蓄積してきた顧客との関係、自らリ
業投資先の中からコアカンパニーを指定し、
その
スクをとって事業に投資するという企業文化、
2001年度は、主にコンテンツのパッケージン
経営執行責任者と私との間で定期的に対話を行
それを運営するノウハウを武器に、新たな市場
グとプラットフォームサービスの2領域で新規
うほか、人材派遣や協業を通じた育成施策の実
を切り拓いていく所存です。
事業を立ち上げると共に、機器の販売領域にお
行、
事業の発展段階に応じたキャッシュ還元プロ
いては、
既存事業の統合・合併により事業基盤を
グラムの適用など、
グループ経営との連携をより
固めることに注力しました。
緊密化させることとしています。
具体的には、東経110度CSデジタル放送のプ
2002 年度もコアカンパニー育成を主軸とす
ラットフォーム会社である
(株)
プラット・ワン、
る連結経営の強化を目指す方向に変更はありま
ブロードバンドコンテンツ配信サービス会社の
せんが、
事業領域という観点では、
より一体化し
(株)ヒットポップス、情報セキュリティサービ
たバリューチェーンの実現と強化のため、コン
スを提供する(株)インフォセック、電子地図用
テンツ領域への挑戦と機器の販売領域での基盤
エンジン開発販売会社のジクー・データシステ
固めを取り組み方針としています。コンテンツ
ムズ
(株)
などの新規事業をスタートさせる一方
については、
2001年度において教育出版大手の
で、既存事業においては、携帯電話端末・回線販
(株)
旺文社への資本参加を通じた教育コンテン
売会社の
(株)
エム・エス・コミュニケーションズ、
ツへの参入を果たしています。
page
26
常務執行役員
情報産業グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
情報産業グループ
情報産業グループCEOオフィス
情報産業グループ監査室
通信・放送本部
プラット・ワンがCSデジタル放送サービスを開始
ネットワーク・インテグレーションユニット
コンテンツ事業ユニット
教育・情報サービス事業ユニット
放送事業ユニット
通信事業ユニット
通信事業開発ユニット
通信機器ユニット
経済協力ユニット
情報機器事業ユニット
中国事業開発ユニット
半導体・電子デバイスユニット
カード事業ユニット
三菱商事が35%出資する(株)プラット・ワンは他陣営に先駆け
て、
2002年4月1日より東経110度CSデジタル本放送を開始しまし
た。
同社は、
視聴者と委託放送事業者を結ぶプラットフォームとし
て、
課金や顧客管理などのサービスを提供し、
読売ジャイアンツ主
催70試合の野球放送完全生中継をはじめ、
映画、
音楽、
ニュースなど
多彩な番組を視聴者に届けています。
従来のテレビにはない双方向
サービスや、
番組や情報を蓄積していつでも何度でも視聴できる蓄
積型サービスも開始する計画です。
宇宙航空機本部
旺文社との資本・業務提携
当社は、
2002年3月に教育出版業界大手の(株)旺文社と業
務・資本提携しました。
今回の提携により、
当社の持つブロー
ドバンド事業、
コンシューマー事業分野での経験や実績と、
同
社の持つ教育コンテンツ、
教育出版のビジネスノウハウを融
合させ、
大学向けソリューション事業や、
新たな検定事業の開
発、
オンライン学習
(e-ラーニング)
事業の拡大など新規事業
の開拓を進め、
21世紀における新しい教育事業を展開してい
く計画です。
情報セキュリティ事業への本格参入
2001 年7 月に当社100% 出資で設立した(株)イン
フォセックは、米国サイエンス・アプリケーションズ・
インターナショナル社を始め、
プレディクティブ・シス
テムズ社、
リップテック社、
(株)
ラックの日米4社と資
本・業務提携し、情報セキュリティ事業に本格参入、
2002年4月1日よりサービスを開始しました。各社の技
術を活用することで、システム構築支援やネットワー
クの不正アクセス監視など、
国内最高レベルの情報セ
キュリティサービスを政府や民間企業向けに、
24時間
365日体制で提供していきます。
page
27
スペース・トランスポート事業ユニット
宇宙システムユニット
宇宙事業開発ユニット
空間IT事業ユニット
電子システムユニット
プロジェクト開発ユニット
航空ユニット
エアラインビジネスユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
エネルギー事業グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg3
2002年度は、成長戦略分野である天然ガス事
に取り組むため、当グループでは日本以外の
最後に、当グループのビジネスポートフォリ
業からの高収益が業績を支え、
MC2003の1年目
マーケットとして韓国や台湾をはじめとするア
オにおいて、こうした有形資産同様に重要な無
として期待通りのスタートを切ることができま
ジアを主なターゲットに据え、
さらに欧州、
米国
形資産について強調しておきたいと思います。
した。
天然ガス事業では、
特に過去2年間に手掛け
市場も視野に入れています。また、LNG船、LNG
最も重要な点は世界有数のビジネスパートナー
てきた数々の施策が我々を成功へと導いていま
受入基地などへの投資についても、バリュー
との間に形成された、
当社に対する厚い信頼であ
す。
具体的には、
インドネシアではタングーのガ
チェーン全体の基盤強化の観点より積極的に取
ると言えます。
我々は1962年に電力用生焚原油
ス権益を購入、
ブルネイおよびマレーシアでは鉱
り組む考えでいます。
を、
1969年にはLNGを初めて日本に導入するな
区の取得を行い、
さらにサハリンIIでは原油・ガス
ど、
実績を積み上げ、
長い歴史の中で信頼関係を
権益の買い増しを行いました。
これにより、
当社
石油・ガス探鉱開発事業では、
引き続き石油・ガ
構築してきました。
持てる有形資産の強みと共に
は2010年以降のLNGを中心とした天然ガス事業
スの埋蔵量
(現在石油換算14億バーレルを保有)
こうした無形資産を有効に活用して、
新たな時代
のためのガス資産確保をほぼ完了させました。
および生産能力の拡大を目指しています。
昨年に
の要請に応えるビジネスモデルを開発できるよ
は、
未開発であったオーストラリアの沖合いにあ
うな高い能力を有する人材育成も併せて行い、
石油業界においては合理化やリストラが進展
るガス田権益を取得し、
パイプライン経由でオー
グループ全体の強化を図っていく所存です。
しています。当グループでも石油事業の再構築
ストラリア国内のガス卸売会社向けに天然ガス
を図るべくノンコア資産の売却やBU の統合を
を販売する事業を合弁で立ち上げました。
今年度
進め、より付加価値の高い川下分野へ経営資源
は、
同様のコンセプトでメキシコ湾の小規模鉱区
を傾注しています。その例が昭和シェル石油
を買い取り、
パイプライン経由で米国市場にガス
(株)
との合弁会社である昭和四日市石油
(株)
の
を販売する事業にも乗り出すことにしました。
い
株式買い増しです。これにより当社は石油製品
ずれもニッチ市場ではありますが、
LNGプロジェ
の供給能力を強化し、コスト競争力を高めるこ
クトに比し初期投資額が少額で済み、早期に
とができました。
また、
ガソリンスタンド網の拡
キャッシュを生み出すことが期待されています。
充にも努めており、将来の石油事業の在り方を
また、
これらは当社にとって全く新しいビジネス
睨みつつ業界での勝ち組となる土台を構築しつ
モデルであり、
石油・ガス探鉱開発のポートフォ
つあります。
リオが充実するものと考えています。
MC2003の2年目である今年度においても、昨
石油事業においては、三菱商事石油(株)を柱
年度策定したMC2003基本戦略を維持し、
着実に
に、
市場環境に応じてM&Aも含め、
リテール事業
進める方針でいます。天然ガス事業における
をさらに拡充させたいと思います。
一方、
基地お
我々の重要課題は、LNGの販売先確保にありま
よび船舶事業は合理化することで、ロジスティ
す。
中でも、
よりグローバルな視点からLNG販売
クスの最適化を図っていきます。
page
28
副社長執行役員
エネルギー事業グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
エネルギー事業グループ
エネルギー事業グループ業務推進室
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
エネルギー事業開発ユニット
昭和四日市石油の株式買い増し
天然ガス事業本部
2002 年3 月、当社は三菱グループ5 社より昭和四日市石油
天然ガス事業本部付事業戦略室
ブルネイ事業ユニット
アラスカプロジェクトユニット
マレーシア事業ユニット
オーストラリア事業ユニット
インドネシアプロジェクトユニット
オマーンプロジェクトユニット
サハリン事業ユニット
新規プロジェクト開発ユニット
(株)
の株式を譲り受け、
出資比率を20%まで引き上げました。
昭和四日市石油は昭和シェル石油(株)
と三菱グループの合弁
による日本有数の規模と近代設備を誇る石油精製会社であり、
当社の石油製品供給における戦略的な中核会社に位置づけら
れています。
当社は今回の追加出資により、
昭和シェル石油と
共同して昭和四日市石油の経営基盤の強化に努めます。
石油事業本部
ブルネイ深海K鉱区探鉱プロジェクト
当社はロイヤル・ダッチ/シェルグループおよびコノコ社と
共同で、
2001年11月1日に締め切られたブルネイ国深海探鉱鉱
区の国際入札に応札し、2002年1月末にブルネイ政府よりK鉱
区を落札した旨の連絡を受けました。同鉱区はブルネイの沖合
い約80kmから180kmに位置し、
面積約5,000km2の鉱区で、
海
域の水深は1,000m以深となっています。事前調査により複数
の原油・ガス有望構造が認められており、
現在ブルネイ国政府と
交渉中の生産分与契約が調印され次第、
実際の探鉱作業を開始
することとなっています。
パトリシア・バリーンガス開発プロジェクト
当社は東京ガス
(株)
と共同でパトリシア・バリーン・プロ
ジェクトに参画しました。
同プロジェクトはビクトリア州
の沖合い約24kmにあるガス田を開発し、
パイプラインを
経由してクイーンズランド州政府100%保有のガス供給事
業者エナジェックス社向けに供給・販売するものです。
生産
開始は2002年10月を予定しており、早期の資金回収を見
込んでいます。
page
29
石油海外事業企画室
石油事業ユニット
産業燃料ユニット
潤滑油ユニット
電力燃料ユニット
オリマルジョンユニット
発電用石炭ユニット
石油原料ユニット
海外石油事業ユニット
精製供給ユニット
石油製品需給ユニット
炭素・LPG事業本部
炭素・LPG事業本部付LPG事業開発室
石炭コークスユニット
石油コークスユニット
電極ユニット
炭素材ユニット
炭素製品ユニット
LPGユニット
上海LPGユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
金属グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg4
金属グループの特徴は、資源から最終製品ま
同様に、我々はその他の大手資源会社との
金属アプリケーションを中心とした有力企業と
でのバリューチェーン全般にわたるビジネスを
関係強化も模索していく考えです。こうして
の事業展開を推進する一方、学識経験者やパー
一気通貫でフォローしながら、各段階およびビ
リレーションシップを深めていくことで、我々
トナー企業との連携を取ることにより、ベン
ジネスポートフォリオ全体の価値最大化を目指
が世界規模の優良資源開発プロジェクトへ参入
チャーキャピタルとしてだけでなくビジネス
している点にあります。
この意味において2001
する道筋が開かれていきます。
パートナーとしてベンチャービジネスの育成を
年度は大きな進展が見られました。
図る目的でキャプテック(株)を設立、非鉄金属
鉄鋼製品事業については、以前よりビジネス
を使った新素材・技術関連の新規事業発掘に乗
バリューチェーンの川上に当たる資源分野で
モデルの変革に向けた取り組みを行ってきまし
り出しました。
また、
自動車部品事業も成長が期
は、
原料炭事業でのBHPビリトン社との戦略提携
たが、最終的には日商岩井(株)との事業統合を
待できる分野です。
この分野についても、
軸足を
の強化が挙げられます。
当社は、
子会社のミツビ
新しいビジネスモデルを構築する機会と捉え、
より最終需要家においた新たなビジネスモデル
シ・デベロップメント社
(MDP)
を通じ、
オースト
実施に踏み切りました。
合弁事業契約に基づき、
を創出するための取り組みを開始しています。
ラリアのボーエン炭田においてBHPビリトン社
当社と日商岩井は自己資本1,500億円、
三菱商事
これら新規事業を注意深く見据えることで、将
が保有する原料炭の権益を買収しました。これ
の出資比率60%の
(株)
メタルワンという新会社
来の成長基盤をしっかりと組み立てていこうと
によりMDP とBHP ビリトン社は権益比率50:
を設立することとなりました。
これによって、
製
思っています。
50の対等なパートナーとなり、MDPの強みであ
品・マーケティング・コスト面でシナジー効果が
る販売力とBHPビリトン社の強みである操業・
得られることは明らかです。まずは統合効果の
技術力を一体化させるための経営組織を構築し
実現を目指すものの、これをさらに新たな成長
たこととなります。同時にこのパートナーシッ
の機会とするための布石も打っています。例え
プによって、業界における成長戦略の共有化が
ば、我々自身のコイルセンター確保のための投
一層進むものと確信しています。
資です。
また、
末端流通を担っている中小問屋網
に当社のITインフラを提供することも行ってお
MDPは資源会社を目指しています。前述の原
り、彼らの保有在庫の回転促進をもたらしてい
料炭分野におけるBHPビリトン社との提携、一
ま す 。今 回 の 日 商 岩 井 と の 新 会 社 の 誕 生 で
般炭事業におけるリオティント社との関係と
フィールドが大きくなり、これらコイルセン
いった一連のパートナーシップによって、
MDP
ターやインフラ投資の早期回収も図れると期待
は金属資源全般について各社との対話を行える
しています。
ベースができたと思っています。
最後に川下における新しい成長型ビジネスモ
デルへの取り組みについて触れておきたいと思
います。
1つは新素材への取り組みです。我々は、
page
30
副社長執行役員
金属グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
金属グループ
金属管理部
金属グループCEOオフィス
金属グループIT推進統括室
金属資源統括ユニット
鉄鋼製品事業ユニット
部品事業開発ユニット
BHPビリトン社と提携
2001年7月に三菱商事は金属資源メジャーの1社である
BHPビリトン社と、原料炭事業における権益比率50:50の
対等なパートナーシップのジョイントベンチャーを豪州に
鉄鋼本部
設立しました。
新しく設立されたBHPビリトン・ミツビシ・
ド州に7つの炭鉱と自前の港を保有し、世界の原料炭海上
原料炭事業ユニット
一般炭事業ユニット
鉄鉱石事業ユニット
貿易量の26%に当たる年間4,000万トン超の原料炭を生産
非鉄金属本部
する世界ナンバーワンのメガサプライヤーとして位置づけ
ベースメタル原料事業ユニット
銅地金事業ユニット
アルミ事業ユニット
非鉄製品事業ユニット
商品市場事業ユニット
ニューメタル事業ユニット
経済開発プロジェクトユニット
アライアンス
(BMA)
は、
オーストラリアのクイーンズラン
られています。
この提携を土台として、
金属グループにおけ
る長年の原料取引の経験を活かし、
日本のみならず世界の
製鉄業へ高品位原料炭の安定供給を目指します。
アンタミナ銅・亜鉛鉱山が開山
2001年11月にペルーのアンタミナ銅・亜鉛鉱山において、同
国トレド大統領をはじめ数々の出席者が参列する中、
開山式が
行われました。
2001年5月に完成した同鉱山に当社は10%出資
しています。生産能力は銅精鉱年間100万トン、
亜鉛精鉱年間
50万トンと世界最大級を誇っています。これはペルーのGDPを
1.4%押し上げる効果を持っており、同国にとっても重要な案
件として位置づけられています。
同鉱山は日本にも銅精鉱を年
間20万トン、
亜鉛精鉱を年間8万トン輸出し、
本邦非鉄製錬会社
の原料の重要な安定供給源となっています。
日商岩井と鉄鋼製品事業統合で基本合意
2002年3月に、当社と日商岩井(株)は鉄鋼製品分野にお
ける事業統合の基本合意に至り、この基本合意に沿って
2003年1月に戦略子会社(株)メタルワンが発足します。統合
の意味は、
総合商社の鉄鋼製品事業の再構築を進め、
拠点な
どの重複を排除することによりコスト・資産構造を変えるこ
とにあります。
こうした両社の機能補完を軸に、
ビジネスモ
デルを変えることで、
鉄鋼流通業界再編の核となり、
同時に
業界トップ企業として高収益・価値創造企業への転換を目指
していきます。
左: 日商岩井(株) 専務執行役員 金属カンパニー プレジデント 水谷
右: 三菱商事(株) 常務執行役員 金属グループCOO 岡田 紀雄
page
31
正史
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
機械グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg5
機械グループは利益、
MCVAの両面において当
海外IPP事業は当グループの成長分野として
る「機械新規事業開発ユニット」で、これらを核
初の目標を上回る成果を上げ、
2001年度の会社
経営資源を投入している事業です。米国の投資
に新規ビジネスのインキュベーションを行って
業績に大きく貢献することができました。これ
先であるオライオン社の株式売却によって、大
いきます。
はMC2003の初年度に当たり47のBUがそれぞ
きな収益を得ることができました。
2002年度は
れの戦略ミッションを着実に実行してきた結果
さらに海外電力事業を深掘りしていくと共に、
本年度は、
47BUを4本部39BUに再編成し、引
であると考えています。
既存発電事業の優良資産の買収も視野に入れ、
き続きポートフォリオマネジメントを徹底して
2003 年度以降の安定した収益基盤を確立して
グループ経営を行っていきます。
事業環境が激変
機械グループの収益の大きな柱であるインド
いきたいと考えています。
また、
日本国内の電力
しているマーケットの変わり目には新たなチャ
ネシアとタイを中心とするアジアの自動車事業
小売り事業については、子会社であるダイヤモ
ンスがあります。
当社の強みである幅広いネット
については、アジア危機以降の市場回復を上回
ンドパワー(株)を通じ、電力市場の規制緩和の
ワーク、
ブランド力、
プロジェクト開発能力、
環境
るペースで販売が伸びました。我々はこの分野
方向を慎重に見極めながら、事業の拡大を図っ
への取り組み、
金融機能を駆使して収益の極大化
にさらに経営資源を注ぎ、特にカスタマー・リ
ていく計画です。
を図ると共に、
優秀な人材が大胆な発想に基づく
レーションシップ・マネジメント(CRM)を駆使
ビジネスモデルを生み出し、
MC2003のグループ
してバリューチェーンを創造することに力点を
不動産開発については、さらなる機能進化を
置いていく方針です。自動車事業の事業領域は
図り、不動産投資信託(REIT)事業やプライベー
ロジスティクスから消費者向けファイナンス、
e
ト・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)事業など
ビジネスまで拡大しています。また船舶事業や
新しいビジネスモデルを積極的に進めていく計
石油・ガス、
石油化学プラント関連のプロジェク
画です。
マンション事業では、
品川 V-タワーや下
ト開発型金融事業も着実に業績を伸ばしまし
丸子プロジェクト、
東雲Wコンフォートタワーズ
た。昨年度はサウジアラビアにおいてコンソー
などのプロジェクトが順調に進んでいます。
目標達成を目指していきます。
シアム・パートナーと共に世界最大級のエチレ
ンプラントを受注いたしました。
また、
長年にわ
これらのコアビジネスに加え、鉄道事業や環
たり良好な関係を築いてきた宝山鋼鉄グループ
境ビジネスなど成長分野の事業育成にも力を注
向けに中国で熱間圧延プラントの契約にもこぎ
いでいきます。
2002年度には、新しいビジネス領
つけました。船舶事業については、船舶の売買、
域に挑戦する2つのBUを新たに設置しました。
ファイナンスの組成、船舶のオペレーションと
1 つは米国フリーマーケッツ社と共同で日本企
多岐におよんでいますが、この分野でも業績は
業に対し電子購買サイトの提案を行う「調達ソ
上がっています。
さらに海外のIPP事業や、
住宅、
リューション事業ユニット」であり、もう1つは
ビル建設、都市開発などの不動産開発の分野で
環境ビジネスやセキュリティビジネスを推進す
も実績を積み上げてきました。
page
32
副社長執行役員
機械グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
機械グループ
機械グループCEOオフィス
機械新規事業開発ユニット
調達ソリューション事業ユニット
メキシコ トゥクスパン発電プラントが運転開始
重電機本部
メキシコシティ北東部に位置するベラクルス州トゥク
に基づき、
発電所の保守・運転業務を行っています。
資金は
重電機ユニット
重電機輸出ユニット
交通システムユニット
昇降機ユニット
海外電力事業ユニット
国内電力リテール事業ユニット
国際協力銀行および市中銀行によるプロジェクト・ファイ
プラントプロジェクト本部
ナンスにより調達しました。
化学プラントユニット
重機ユニット
船舶ユニット
プロジェクト開発ユニット
製紙・繊維機械ユニット
スパン市で2001年12月15日より発電能力495MWの最新
型・高効率複合火力発電所が商業運転を開始しました。
同
プラントは三菱商事と九州電力
(株)
が共同で建設したも
ので、両社はメキシコ連邦電力庁との25年間の売電契約
サウジアラビアのエチレンプラントを受注
当社は千代田化工建設(株)、米ケロッグ・ブラウン・アンド・
ルート社(KBR)
と共同で年産能力100万トンの世界最大級のエ
チレンプラントをサウディアラビア基礎産業公社の子会社より
受注しました。
同エチレンプラントはアルジュベイル工業地区で
建設され、
2004年7月に完成する予定です。千代田化工が設計、資
材調達と工事を行い、
KBRがエチレン合成技術の実用化と設計の
一部を担当、
当社は同プロジェクトのビジネスオーガナイザーと
しての業務を担当しています。
完成予想図
Wコンフォートタワーズ
当社は、
三菱地所
(株)
、
菱進都市開発
(株)
との共同事
業として東京都江東区東雲において超高層分譲マン
ション事業を手掛けています。Wコンフォートタワー
環境・開発プロジェクト本部
ケムテックス事業ユニット
建機販社事業ユニット
環境・水事業ユニット
ジェラニック事業ユニット
産業機械開発ユニット
産業機械販社事業ユニット
レンタル・建機事業ユニット
事業管理ユニット
品川オフィスユニット
新規事業開発ユニット
建設・設備ユニット
住宅事業ユニット
総合開発ユニット
海外不動産ユニット
トランスプラントユニット
海外インフラユニット
自動車事業本部
ズと名づけられたこのマンションは、
敷地面積約16万
自動車第一ユニット
自動車第二ユニット
自動車第三ユニット
自動車第四ユニット
いすゞ事業ユニット
ホンダ事業ユニット
自動車設備事業ユニット
部品事業ユニット
ベリコード事業ユニット
新規事業ユニット
m2の新街区の中に位置しており、総戸数1,149戸、54階
と45階の2棟からなる日本最大級のタワーマンション
です。
当社は都市基盤整備公団と共同で東雲キャナル
コートの街づくりにも参画しています。
完成予想図
page
33
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
化学品グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg6
化学品グループは、汎用化学品本部および機
アを生産するカルティム・パルナ・インドゥスト
一方、
合成樹脂関連では、
FILM機能を活用した
能化学品本部の2本部、
24BU体制で構成されて
リ社
(KPI)
は、
2002年2月に計画より早く商業運
需要創出や複合取引の案件を推進していくと共
います。
転を開始しています。
今後も、
連結事業利益拡大
に、国内外販売拠点や事業投資先などとの連携
に向けてこのように競争力ある資源を基盤とし
を強め、広範な顧客群へのアクセスを活かした
た事業投資を推進していく構えです。
ビジネスの拡大を図っていく計画です。
汎用化学品業界では大規模な国際的合併によ
り競争激化が進んでいます。こうした中、当グ
ループの汎用化学品事業における2001 年度の
機能化学品分野では、多種多様なビジネスを
化学品グループはグローバルレベルで多数の
業績は、市況軟化の影響を受け、低迷しました。
通じた多くの顧客への取引関係を無形資産とし
商品を多数の拠点で取り扱っています。した
厳しい状況ではあるものの、私は当社における
て、その強みを多面的かつ複数商品に広げて有
がって、世界中に張り巡らされた拠点網を活用
汎用化学品取引の重要性は変わらないものと捉
効活用していきます。
そして、
各ビジネスユニッ
して各地域戦略を強化することが大切となりま
えています。
同分野においては、
MC2003達成の
トが協業を推進し、
相互に働きかけ、
新規取引や
す。中でも成長するアジア市場における収益性
一翼を担うため、
2つの施策を実行していく考え
新規事業を創出することで顧客とのビジネス領
の拡大に注目していますが、この市場での勝ち
です。1つは、当社の物流機能などの基本トレー
域を拡大していきたいと考えています。また機
組となるためには、優秀な現地社員や拠点網と
ディング機能の強化により中国を含むアジア向
能化学品分野では川下分野へさらに食い込んで
いう無形資産の有効活用が重要であり、このこ
け海外取引拡大を図ることであり、もう1つは、
いきます。特に、社会や消費者ニーズの変化に
とこそがグループ飛躍のカギを握っていると私
資源型事業投資を推進することで収益基盤を強
よって成長が見込まれるコミュニケーション、
は思っています。
化することです。
エコロジー、ヘルスケア、アメニティー、ナチュ
ラル、セイフティーといったカテゴリーでの事
化学品グループは、すでに資源型事業投資に
業展開を強化していく計画です。
収益源のベースを構築しています。主な事業投
資には、ポリエチレンやエチレングリコールを
化学品グループの成長戦略は、バイオビジネ
サウジアラビアにて生産するシャルク社、メキ
ス関連では国内外のパートナーと共に事業機会
シコにて工業塩を生産するエクスポルタドラ・
を狙い、特徴あるバイオテクノロジー/ライフ
デ・サル社(ESSA)、ヨルダンにてリン鉱石およ
サイエンスビジネスの構築を図ることです。そ
び燐安を生産するニッポン・ジョーダン・ファー
のためにはバイオ関連のベンチャーキャピタル
ティライザー社(NJFC )、ベネズエラにてメタ
ファンドへの投資を通じ、そこから生まれてく
ノールを生産するメタノル・デ・オリエンテ・メ
る新規の技術やビジネスモデルを事業のベース
トール社
(METOR)
、
マレーシアにてパラキシレ
に据えることが重要です。
ンを生産するアロマティクス・マレーシア社
(AMSB)
があります。
インドネシアにてアンモニ
page
34
常務執行役員
化学品グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
化学品グループ
化学品グループCEOオフィス
アリステックユニット
フェニックスユニット
シャルク社20周年を迎える
汎用化学品本部
2001年度に設立20周年を迎えた、サウディアラビア基礎産業
基礎石化ユニット
メタノールユニット
サウディ石化ユニット
アクリロニトリルユニット
アンモニアユニット
肥料ユニット
無機原料ユニット
クロールアルカリユニット
塩化ビニールユニット
公社と日本側投資会社であるサウディ石油化学
(株)
との合弁会
社であるシャルク社は、
第2次増設の完成後、
商業運転を開始し
ました。
同社は、
競争力ある原料を背景に、
エチレン120万トン、
エチレングリコール68万トン、
直鎖状低密度ポリエチレン75万
トンの年間製造能力を有する世界最大級の石油化学会社として
の地位を獲得しています。
また、
連続無事故無災害記録1,150万
時間を更新中で、
競争力と安全操業の両面を達成しています。
機能化学品本部
革新的技術で成長するイノバテック
三菱商事は1993年のイノバテック社創立時より、
ジョイントベ
ンチャー・パートナーであると共に、日本およびアジア地域の総代
理店として同社の経営および業績に貢献しています。
同社の売上は
1993年の4,000万カナダドルから2002年には1億カナダドルまで
伸びています。人々の栄養と健康的生活への貢献を掲げたイノバ
テック社のポリシーは、
当社のライフサイエンス分野における取り
組み姿勢に合致しています。
同社のバイオ製品事業は急速に成長し
ていますが、特に卵黄から抽出されるリゾチウムは、
ワインやチー
ズの製造や食品の日持ち向上剤などとして今後有望な商品です。
画期的技術の独占実施権を取得
2002年1月に、当社は米国カリフォルニア州のバラタッチ・テクノ
ロジー社から、
同社の保有するR2テクノロジー™のアジア地域におけ
る独占実施権を取得しました。
この技術は、
シリコーンゴムをセンサー
として使用し、
人間の動きを電気信号に換えるアナログ入力デバイス
に関する技術です。
低コスト、
高耐久であると共に、
小型化が可能であ
るため、
携帯情報端末や家電製品などの入力デバイスとしての利用が
見込まれています。
すでに同社は米国での特許を取得しており、
国際特
許も申請中となっています。
当社は、
パソコン、
携帯電話、
ゲーム機、
そ
の他情報関連製品などの分野において同技術のマーケティングを推進
しています。
page
35
合成樹脂ユニット
フッ素ケミカルユニット
有機アメニティユニット
ウレタン・洗剤原料ユニット
スペシャリティー製品ユニット
触媒・工業ガスユニット
無機スペシャリティーユニット
医薬・機能中間体ユニット
農薬ユニット
シリコーン・電材ケミカルユニット
生化学製品ユニット
塗料・複合材料ユニット
ライフサイエンス・開発ユニット
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
生活産業グループ
www.mitsubishi.co.jp/bgroup/bg7
2001年度の生活産業グループは、利益面で目
3番目は、連結経営のさらなる推進です。連結
私はよく事業を「駅伝」に喩えます。目標達成
標を大きく上回る結果となりました。MC2003
業績の最大化は我々の最大のテーマです。単体
のためにそれぞれの人材が事業の発展段階に合
で策定した4つの基本方針にしたがい、
目標達成
業績の向上はもとより、国内外の様々な事業投
わせ、
力を結集し、
前任の努力と功績を次の世代
に邁進しています。
資先の利益の向上を図ることが重要であり、こ
に受け継ぎ、
目標達成に向けて、
世代を超えて一
の方針のもと2001年度も前年を上回る実績を
丸となってゆくべきと考えています。冒頭に申
1つ目は、事業のグローバル化の推進です。消
残すことができました。
現在当グループでは、
海
し上げたように、私たちが実績を上げられたの
費者の皆様は、より安く、かつ安心・安全な商品
外を含め183社への事業投資を行っています。
こ
は、この最も重要な無形資産である「人材」に恵
を求めています。
このトレンドを踏まえ、
私たち
うした多数の事業投資先を束ねる連結経営の強
まれたからこそです。私たちは今後も一騎当千
は海外にある良質な商品の開発・輸入を拡大し、
化や、ビジネスポートフォリオを俯瞰する人材
の人材の育成を図っていくことが事業の継続的
消費者ニーズにお応えしてゆくことこそ、当グ
の育成にも注力して参ります。
発展の要諦だと思っております。これからも一
ループのビジネスでの重要な使命であると考え
人一人が価値を創造し、さらに強力な次世代に
ます。
原料・素材の開発・調達から、
消費者の皆様
4番目は、総合サービス機能の強化です。FILM
のお手元に届くまで、長年にわたり国内外で構
機能を強化することによって、
衣・食・住の対面業
築してきたバリューチェーンにさらに新しい価
界に総合サービスを提供していくことを目指し
値を加えていくことを目指しています。そして
ています。
昨年度に設立した
(株)
フードサービス
日本市場のみならず、世界各国市場でそれぞれ
ネットワークは業務用食材、外食産業分野での
の市場の嗜好にあわせ、地場取引の強化を図っ
お客様の様々なニーズに一括して応えてゆくバ
ていくことを目指しています。
イヤーズエージェント機能を強化したプラット
たすきを渡しながら前進を続けて参ります。
フォームとしての役割を果たしています。
市場動
当グループの2つ目の基本方針は、
世界で有力
向についての様々な情報を素早く分析し、また
かつ信頼のおけるパートナー企業との連携を深
様々な温度帯の物流能力を備えて、
お客様に総合
めていくことです。厳しい経済環境の中、当グ
サービスを提供したいと考えています。
ループの対面する様々な業界も淘汰の時代を迎
えています。
産業構造自体の改善を目指し、
他社
これら4つの基本方針に加え、
よりよき企業市
ヘの出資や資本提携など様々な手法を用い、
パー
民として、食料問題・水問題・地球温暖化などの
トナーとの輪を広げてゆきたいと考えています。
長期的視野に立った課題への取り組みを開始し
このことが最終的には消費者の皆様の安心につ
ています。
ながり、
また株主の皆様のご期待に沿うことにな
ると思います。
page
36
副社長執行役員
生活産業グループCEO
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グ ル ー プ CEOが 語 る MC2003へ の 取 り 組 み }
生活産業グループ
生活産業グループ監査室
生活産業IT戦略ユニット
精糖業界の再編をリード
日本の砂糖消費量は、
現在約230万トンまで減少してい
食糧本部
合弁製造会社
関西製糖株式会社
大日本明治製糖株式会社
塩水港製糖株式会社
大東製糖株式会社
ます。
これを受けて精糖業界は稼働率低下によるコスト高、
デフレ現象に伴う販売価格下落という問題を抱えることに
なりました。
こうした状況の中で生き残るためには、
業界再
編が不可欠と判断し、完全子会社である大日本明治製糖
合弁製造会社
関門製糖株式会社
大日本明治製糖株式会社
日本甜菜製糖株式会社
(株)
を核として、
関東では日新製糖
(株)
、
関西では塩水港精
糖
(株)
、
九州では日本甜菜製糖
(株)
と提携関係を結び、
共同
生産を開始しました。
合弁製造会社
新東日本製糖株式会社
大日本明治製糖株式会社
日新製糖株式会社
大東製糖株式会社
新明和製糖株式会社
株式会社フードサービスのビジネスモデル
[外食]
外食チェーン
[中食]
コンビニエンス
ストア
外食・中食産業の市場拡大をサポート
生活産業グループは、
拡大する外食・中食市場でのビジ
ネス機会を捉えるため、
2001年6月に(株)フードサービス
惣菜製造
販売業
弁当・惣菜
製造販売業
ネットワークを設立しました。
同市場は都市部の単身者や
働く女性の増加を背景に拡大していますが、
食材流通は効
率化が遅れており、
当社はこうした流れの中で、
一括受注
や一括物流などによる合理化ニーズは高いと判断したも
のです。
同社は、
外食チェーンやコンビニ弁当・惣菜などの
株式会社フードサービスネットワーク
三菱商事
中食製造企業向けに食材の調達・供給を行っています。
業務用卸
食品メーカー・包装資材メーカー・
e-マーケットなど
米ユニット
麦ユニット
小麦粉・エージレスユニット
原糖ユニット
精糖・糖化品ユニット
澱粉・ビールユニット
オイルシードユニット
油脂ユニット
ホワイトミートユニット
レッドミートユニット
グレーントレーディングユニット
フィールドマテリアルユニット
食品本部
食品戦略統括室
鮪ユニット
水産ユニット
青果物・低温ユニット
酪農食品ユニット
製菓原料ユニット
コーヒーユニット
飲料原料ユニット
加工食品第一ユニット
加工食品第二ユニット
加工食品第三ユニット
繊維本部
企画・管理室
ブランドユニット
アパレルユニット
S.P.A.ユニット
S.P.A.開発ユニット
機能材ユニット
消費財ユニット
資材本部
戦略企画室
包装事業ユニット
紙・板紙製品ユニット
特殊紙・情報用紙ユニット
パルプユニット
チップ・植林ユニット
クレーユニット
木材・建材ユニット
アセットマネジメントユニット
硅砂・窯業資材ユニット
セメントユニット
タイヤ・ゴム資材ユニット
光学メディア・開発ユニット
印刷・写真感材ユニット
タバコユニット
セメント事業の需給ギャップを埋める架け橋
三菱商事は三菱マテリアル
(株)
と共同で、
米国
(南カリフォ
ルニアの米国三菱セメント社)および中国(山東省の煙台三菱
水泥有限公司)
でセメント製造販売事業を展開しています。両
国の好景気に支えられ、
いずれの事業もフル生産を行っていま
す。
特に米国では恒常的に生産量を上回る需要を抱えているこ
とから、
米国三菱セメントがロングビーチに保有するセメント
輸入物流基地を通じて、
煙台三菱水泥製造のセメントを販売し
ています。
当社は米中両国のセメント需給ギャップを埋める架
け橋としての機能を果たしているわけです。
page
37
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{コーポレートスタッフ部門}
コーポレートスタッフ部門
www.mitsubishi.co.jp/corpo/
2001年4月にスタートを切ったMC2003では
ヒューマンリンク
(株)
と
(株)
メイツが挙げられ
高めるため財務報告の在り方が検討されていま
すべての営業グループでBU 制が導入されまし
ます。また重要子会社の1社としては、三菱商事
すが、
これに対し当部門は三菱商事の持つ、
例え
た。
次いで2001年10月には、コーポレートおよ
フィナンシャルサービス(株)
(MCFJ)がありま
ばブランド価値といった無形資産を測定するこ
び職能グループを
「コーポレートスタッフ部門」
す。100% 子会社のMCFJ は、経理・財務・為替・
とに新たな価値を見出したいと考えています。
に統合しました。この改編によって我々が取り
審査・コンサルティングなどのワンストップ
ブランド価値は、B2Bのビジネスを中心として
組んでいる2つのイニシアチブにさらに拍車が
サービスを提供しています。
同社には、
営業部門
いる当社においては、ビジネスモデルの信頼性
かかるものと見ています。
すなわち、
MC2000か
の管理機能を担うシェアード・サービスセン
という無形の価値を創造していることから間違
らの継続課題である高度に専門化したサービス
ターとしての組織体制を構築することで当社の
いなく重要な資産として位置づけられるでしょ
を究極的には分社した独立組織として提供する
経営体制の変革推進を支援し、これを完成する
う。
その意味で、
我々コーポレートスタッフ部門
こと、
もう1つは
「小さな本社」
を実現することで
ことによりコスト削減に貢献するという役割が
の責務は、
三菱商事の企業価値を前面に押し出す
す。
これにより、
名実共にMC2003の目標達成に
与えられています。すでに新機能事業・情報産
ことであると思っています。
向かっての体制が整えられたと考えています。
業・エネルギー事業・機械グループの管理機能の
移管が2001年度中に終了しており、
今期におい
長い当社の歴史の中で、我々は時代環境や会
ては金属・化学品・生活産業の管理機能を移管す
社の変革に適合するために、常に新しい基軸を
ることを予定しています。また、本社トレジャ
生み出してきました。換言すれば、営業部門が
ラーオフィスとの連携のもと、三菱商事グルー
変革すると共に、我々も経営の変革を担ってき
プ各社に対する資金提供も行っており、いわば
たということです。これはMC2003で特に明確
三菱商事グループバンクとしての色彩も強まっ
化されたと言えましょう。
我々は、
専門知識を当
ています。
社内に提供するだけでなく、自ら収益獲得を目
指して社外にも提供していくことで、全社の価
当部門の基本的使命である「専門機能の高度
値の創造に貢献していくことも意図していま
化」
以外では、
我々は三菱商事の無形資産の価値
す。現在当部門が所管する機能分社の数は 6 社
を測定することで企業価値を上げるという手法
あります。
その中にあって2001年度に当社外か
にも取り組む構えです。近年米国ではすべての
らのお客様獲得を延ばした関係会社として、
ステークホルダーに対する会計情報の有用性を
page
38
副社長執行役員
チーフ・フィナンシャル・オフィサー(CFO)
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{コーポレートスタッフ部門}
コーポレートスタッフ部門
経営企画部
監査部
事業開発部
• 株式会社イメージリアリティ
ソフトウェア開発/製造/販売
• フラーレン・インターナショナル・コーポレーション
フラーレン製造販売
• ナットソース・ジャパン株式会社
エネルギー商品のブローキングおよび
コンサルティング
リーダー育成に向けて
ITS事業企画部
三菱商事における従業員の能力開発は、
実際のビジネスを応用し
て行われるなど差別化が図られています。
この一例が当社のグロー
広報部
• 株式会社エム・シー・コミュニケーションズ
バル・リーダーシップ・プログラム IIです。
同プログラムは部門や地
情報サ−ビス業
域を超え、
国際レベルで革新的に新規ビジネス開発を行う会社の方
オフィスビル企画部
• 株式会社エム・シー・ファシリティーズ
針を反映した内容から構成され、
参加者によるビジネスプランの立
総合オフィスビジネスサポート
案などの活動を通じて、世界中の高い潜在能力を有する社員に対
し、
企業価値創造を実現する企業家精神に富んだ能力開発の機会を
人事総務部
与えています。
• ヒューマンリンク株式会社
人事関連業務のサ−ビス
• 株式会社メイツ
人材派遣業
• 株式会社ビジネス・トリップ・インターナショナル
旅行業
法務部
地域総括部
国際戦略研究所
• インター・アクティブ株式会社
ビジネスコンサルタント業
• ビー・インキュベーション・ジャパン株式会社
経営コンサルティングなどを通じた
インキュベーションサービス
• アイ・アイ・ピー株式会社
企業経営コンサルティング
シェアード・サービスがコア業務への集中化をサポート
コントローラーオフィス
管理業務のワンストップ・アウトソーシングを展開するMCFJ
は、
経理・財務・審査などのサービスを提供し、
三菱商事のバックオ
トレジャラーオフィス
フィス機能の役割を果たしています。
当社グループのニーズに即し
た高度な専門機能を提供することにより、
コスト削減に寄与し、
ま
IR部
た経営資源がコア業務へ集中配分できるような体制作りにも貢献
• 三菱商事フィナンシャルサービス株式会社
財務・経理・審査業務受託、企業金融、
経営コンサルティング業務
• 主要子会社および関連会社
page
39
しています。
またこうした高度な専門サービスは当社グループ企業
以外にも提供されています。
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{地 域 戦 略}
地域戦略
三菱商事の地域戦略には3つの基本方針があ
地域別に見ると、中国とアセアン地域は当社
取引形態ではなく、より現地に即した形で主体
り、これらはMC2003の成長戦略の中に織り込
にとってその戦略的重要度を年々高めていま
的取引に取り組む
「欧州型トレーダー」
を目指し
まれています。その第1は、成長市場への経営資
す。
2001年12月の中国と台湾のWTO加盟、2002
て、効率性や成長性を実現するための機能強化
源のシフトや拠点ネットワークの絶えざる見直
年1月から始まったアセアン自由貿易地域によ
を図りました。
また、
特許の取得や事業化前の技
しにより、地域ポートフォリオの集中と選択を
り、アジア域内の産業構造は大きく変わること
術のインキュベーションなど、技術オリエン
推進すること、第2は、地域毎に異なる特性や成
が予想され、こうした変化を先取りして同市場
テッドな新規事業開発にも積極的に取り組んで
長産業に立脚した成長戦略を推進し、新たな事
でのプレゼンスを高めていくことを狙っていま
います。
さらにアフリカや独立国家共同体
(CIS)
業領域の開拓を行うこと、第3は、国際的視野に
す。
特にIT、
システム・インテグレーション、
半導
といった周辺地域での事業展開や、欧州と米州
基づき人材の育成・活用を図ることです。
人材育
体、
自動車、
穀物、
加工食品、
資材、
通信・放送、
国際
との間の取引拡大なども推進していきます。中
成に当たっては、国毎、地域毎、あるいはグロー
的ファイナンスを梃子としたインフラ関連プロ
東においては、
石油・ガスを中心とする大型プロ
バルレベルでの人事ローテーションの確立やタ
ジェクトなどを重点分野と位置づけ、これらの
ジェクトへの対応を強化していくと同時に、当
イムリーなマネジメント教育の実施などによっ
事業開発を進めるため、
2001年度から中国とア
社の物流機能を活用した新規取引の開拓や消費
て強化を図っています。チーフ・リージョナル・
セアン地域の拠点で増員強化を行いました。さ
財マーケットへ力を注いでいます。
オフィサー(CRO)としての私の役割は、営業グ
らに、
中国では、
「中国プロフェッ
2002年1月に、
ループの事業戦略と、全社としての地域戦略を
ショナル制度」
を導入し、
現地に精通した優秀な
経営レベルで充分議論した上で、上記に掲げた
人材の採用・登用・育成を図るプログラムもス
目的に沿った具体的な施策を実行することにあ
タートさせています。
ります。
米州も当社の重点市場の1つとして位置づけ
地域戦略を立案するためには、今後の経済成
られています。2002年4月には、iMIC*内にスト
長率、人口推計、エネルギー資源、人的資源、産
ラテジック・プリンシパル・インベストメント・
業構造の変化などを予測することが重要とな
グループを設立し、新規事業分野への投資を加
ります。そして成長性の高い市場については、
速させています。米州での取り組みについては
事業領域を絞って、現地有力パートナーとの提
右ページに詳細を記述しています。
携を推進し、新たなビジネスモデルを構築して
いきます。
欧州では、
化学品、
アルミニウム、
貴金属、
コー
ヒーなどの分野での取引機能の強化を目標とし
ています。
具体的には、
東京を中心とした伝統的
page
40
常務執行役員
チーフ・リージョナル・オフィサー(CRO)
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{地 域 戦 略}
米国三菱商事会社 社長からのメッセージ
www.micusa.com
三菱商事の主要海外拠点の1つである米国三
3つ目は、欧州とのいわゆるアトランティック
の期待できる地域に迅速かつ柔軟に経営資源を
菱商事会社
(MIC)
は、
極めて重要な責務を負って
取引の開拓・伸長です。
欧州企業の米州への投資
再分配するようにしています。
現在、
中南米にお
います。従来は本社の利益を最大化するための
には莫大なものがあり、こうした企業との関係
いては、
資源開発や発電事業などの巨大プロジェ
エージェントという色彩が強かったのですが、
強化が重要テーマであると認識しています。
クトのみならず、
食品、
自動車、
ITまで幅広くビジ
現在はMIC自身の企業価値を最大化することが
本社への最大の貢献になるという新しい理念の
もとに事業展開を推進しています。
ネスの領域を拡大させています。
特にコロンビア
以上のような米国を中心とした他国との取引
のアンティオキア・グループとのクロスボー
拡大に加え、
米国内での投資活動を強化していま
ダー・リース事業や、
ブラジルでの革新的な電子
す。
2002年4月にはiMIC*の中にストラテジック・
データ交換
(EDI)
事業などが、
中南米での事業拡
勿論、日本との結び付きが依然強いことに変
プリンシパル・インベストメント・グループを設
大の代表例として挙げられます。
これらのサクセ
わりはありませんが、日本経済の見通しが厳し
立、
専門家を起用し、
バイアウトのオペレーショ
スストーリーは、
新しいビジネスモデルを創造す
い中にあっては、日本との取引を大きく伸長さ
ンに本格参入をしました。今後数年の間に 1 億
るための雛型として、
今後の当社の活動に刺激を
せることは難しいと判断されます。よって我々
5,000万ドル程度の投資を実施し、キャピタルゲ
与えるでしょう。
我々の中南米での活動は今後も
自身の成長という意味では、ここ米州において
インを狙うと共に現在MICの営業部門が展開す
成長すると見込んでおり、
中でも資源輸入の増加
取引拡大が見込まれる3分野に、
経営資源の傾斜
る事業とのシナジー効果も追求していきます。
が予測されるアジアとの取引など新たな商流を
配分を進めています。
切り拓いていきたいと考えています。
これらの先進的な取り組みを展開する上で、
我々が経営資源を投入している3分野の1つ目
MICは常に革新的であることを求められていま
は、米州域内取引の拡大です。ここでは、ワシン
す。劇的に変化する米国市場のビジネスモデル
トンやニューヨークの国際金融機関や専門家集
は、時として世界を変革させるほどの影響力を
団との戦略的連携を強化し、米国発の中南米の
持っており、
我々自身も常に新しいビジネスパー
プロジェクト開発に注力しています。
トナーとの連携やビジネスモデルの創造を行わ
なければなりません。
こうしたバイタリティーや
2つ目は、中国を中心とするアジア取引の拡大
柔軟性はMICだけでなく、
未来社会の事業構造や
です。米国企業はアジア市場を熟知している日
技術に適応できるよう三菱商事全体を変化させ
本企業とのコラボレーションにより巨大市場を
ていく上で大変重要なことであると思います。
開拓することが重要であるとの認識を持ってお
り、
こうした米国企業に対するサポート・連携を
強化しています。
MICは、米州一体経営を推進するために、米国
に加えてカナダ、
中南米を傘下に組み入れ、
MIC
を中心に米州全体のオペレーションを統合・一元
管理する体制を整えました。
そして、
最も成長性
* iMICは米国市場に根ざした事業の拡大を目的に2000年度に設置された組織で“ i ”は、innovation、information、
incubation、initiativeを表わしています。
page
41
副社長執行役員
米国三菱商事会社 社長
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グローバルシチズンシップ}
グローバルシチズンシップ
www.mitsubishi.co.jp/environment/envir_rep/index_j
三菱商事は社会への貢献や環境管理に対する
1973年に社会環境室が設置され、社会貢献活
ます。
またこの環境経営体制のもと、
環境リスク
責務を強く認識しています。グローバル企業と
動を行っています。
その一環として、
約30年間に
管理の向上、
環境ビジネスの推進、
環境コミュニ
してあらゆる企業活動において常に高いレベ
わたり、
東京都のひとり親家庭の母子を対象とし
ケーションの充実にも取り組んでいます。
1998
ルで環境経営を推進する一方、環境管理や社会
た3泊4日の
「母と子の自然教室」
を開催していま
年には、従来の地球環境室と社会環境室を統合
貢献活動に絶えず努力する義務があると信じ
す。
こうした活動は常に高い評価を得ています。
し、環境室としました。
環境経営
ISO14001の認証取得
ております。
所期奉公の精神に基づく社会貢献
当社は創業以来、社是である「三綱領」の精神
当社前会長により提唱された「地球環境に配
当社は、1998年にISO14001の認証を取得し
慮しない企業は存続し得ない」
との考えのもと、
て、
国際基準に見合う環境管理体制を構築し、
日
(6ページ参照)に基づいて事業活動を展開して
当社はより環境に配慮した経営体制へと絶えず
本国内のほぼすべてのオフィスをカバーしてい
きました。中でも、三綱領の 1 つである「所期奉
改善を図っています。
1989年には業界に先駆け、
ます。
現在は、
社長を環境マネジメントシステム
公」
の精神は、
当社の事業活動の根底を成すもの
社内外の重要な環境問題に対する会社の基本方
全体の最高責任者とし、三菱商事が取り扱うあ
です。
「三綱領」の理念に基づいた企業活動を行
針決定機関として現在の地球環境委員会を設立
らゆる商品と、事業投資先の環境への影響を把
うために
「行動基準」
「
、役職員行動規範」
「
、環境憲
しました。
1990年には環境専門組織として地球
握・確認すると共に、
オフィスにおける環境負荷
章」
「
、社会貢献のための基本理念」
*を作成し、社
環境室を発足させました。
また1996年には環境
を低減させるなど社員全員の参加によってしっ
員一人一人が企業理念の実現に向けた企業活動
憲章を定め、
この憲章のもと、
社会やステークホ
かりと全社に定着しています。当社はこのシス
を行える体制を整えています。
ルダーの皆様の要請の変化に呼応しながら、グ
テムを通じて環境リスクの低減につなげる企業
ローバルに事業を展開し、投資を行う企業にふ
としての社会的責任を果たすべく努力を重ねて
さわしい独自の環境経営体制の構築に励んでい
います。
*「環境憲章」についてはこちらをご参照下さい。 www.mitsubishi.co.jp/environment/envir_rep/pdf/houshin.pdf
「社会貢献のための基本方針」についてはこちらをご参照下さい。 www.mitsubishi.co.jp/kouken/
page
42
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{グローバルシチズンシップ}
さらに、
当社はISO14001を社員への環境教育
の仕組みとしても活用しており、環境パフォー
マンス向上にもつなげていきます。
役職員行動規範 基本理念
三菱商事の役職員は、
業務遂行に当たり諸法規、
国際的な取決めおよび社内諸規定を遵守す
ると共に、ビジネスマナーを守り、社会規範に沿った責任ある行動をとる。
事業投資の環境リスク管理
数多くの事業投資を展開する当社は、投資前
www.mitsubishi.co.jp/outline/f_philo
の審査で必ず事業投資先の事業が環境に与える
インパクトを精査しています。どのようなビジ
ネスにも環境負荷は必ずありますが、これをで
きるだけ低減する努力を投資実行前から行い、
また実行後においてもISO14001を利用して環
サイクルにより幅広い商品を作り出しているエ
世界的な社会的責任投資
境リスクを最小限に食い止める努力を行ってい
コールクラブや、中古パソコンの再利用を行う
( S R I )インデックスである
ます。同時に、事業投資のステークホルダーの
デジタルリユース(株)などがあります。これら
FTSE社の“FTSE4Good”やダウ・ジョーンズ社の
方々とコミュニケーションする機会を創り、理
はほんの一例で、当社はこの他にも幅広い環境
“Dow Jones Sustainability Indexes (DJSI)”へ
解を得ていく努力もしています。
ビジネスを展開しています。
当社が組み入れられたことは、我々の活動がグ
* ESCO:Energy Service Company
ローバルなレベルで認められていることの証明
とも言えます。
環境ビジネスへの取り組み
当社は、持続可能な社会の構築に貢献するた
社会的責任投資への対応
め、環境ビジネスにも積極的に取り組んでいま
企業の環境保全および社会責任に対する関心
今後も、社員一人一人が三菱商事の持つ経営
す。地球温暖化の防止に役立つビジネスとして
の高まりを背景に、投資家の投資判断の際にも
理念・企業価値を改めて認識し、
社会や世界経済
は、
例えば東京電力
(株)
と共同で省エネルギー対
これらについて一定以上の水準を満たす会社に
への貢献と調和を心掛けた取引を推進していく
策のコンサルティングおよび設備改修サービス
投資するという動きが出ています。こうした動
ことで将来へ向けてさらなる発展を図りたいと
のESCO事業*を展開しています。
また温室効果ガ
きを踏まえ、当社もステークホルダーの皆様に
考えます。
ス排出権取引を行うナットソース・ジャパン
(株)
「何をどのように行っているか」
「
、三菱商事のコ
にも出資しています。
さらに循環型社会の形成に
ミットメントは何か」をお伝えすることが重要
寄与するビジネスとしては、ペットボトルのリ
であると認識しています。
page
43
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{取締役および監査役}
取締役
槙原 稔*
佐々木 幹夫*
1956年 三菱商事(株)入社
1998年 取締役会長(現職)
1960年 三菱商事(株)入社
1998年 取締役社長(現職)
相原 宏徳
古川 洽次*
外村 直久*
1962年
1998年
2000年
2001年
1962年
1999年
2000年
2001年
1964年
1999年
2000年
2001年
三菱商事(株)入社
三菱商事(株)取締役副社長
米国三菱商事会社社長(現職)
三菱商事(株)副社長執行役員(現職)
三菱商事(株)入社
取締役副社長
CFO(現職)
副社長執行役員(現職)
コンプライアンスオフィサー(現職)
三菱商事(株)入社
機械グループCEO(現職)
取締役副社長
副社長執行役員(現職)
小島 順彦*
山口 寛治*
高島 正之*
1965年 三菱商事(株)入社
2000年 新機能事業グループCEO(現職)
2001年 副社長執行役員
CIO(現職)
1962年 三菱商事(株)入社
1999年 生活産業グループCEO(現職)
2001年 副社長執行役員(現職)
1964年 三菱商事(株)入社
2002年 副社長執行役員
金属グループCEO(現職)
増田 幸央*
可児 晋*
橋本 毅*
1964年 三菱商事(株)入社
2000年 エネルギー事業グループCEO(現職)
2002年 副社長執行役員(現職)
1964年 三菱商事(株)入社
2001年 常務執行役員(現職)
2002年 関西支社長(現職)
1966年 三菱商事(株)入社
2000年 情報産業グループCEO(現職)
2001年 常務執行役員(現職)
page
44
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{取締役および監査役}
監査役
新開 友三
1962年 三菱商事(株)入社
2001年 常任監査役(現職)
若井 恒雄
1948年 (株)三菱銀行入社
1998年 (株)東京三菱銀行 相談役
三菱商事(株)監査役(現職)
石橋 武*
稲井 駿一*
1964年 三菱商事(株)入社
2001年 常務執行役員
化学品グループCEO(現職)
1965年 三菱商事(株)入社
2001年 常務執行役員
中部支社長(現職)
樋口 公啓
1960年 東京海上火災保険(株)入社
1998年 三菱商事(株)監査役(現職)
2001年 東京海上火災保険(株)会長(現職)
小倉 義弘
1966年 三菱商事(株)入社
2000年 三菱商事(株)監査役(現職)
上野 学
1968年 三菱商事(株)入社
2001年 三菱商事(株)監査役(現職)
亀崎 英敏*
増田 信行
1966年 三菱商事(株)入社
2002年 常務執行役員
CRO(現職)
1957年 三菱造船(株)入社
1999年 三菱重工業(株)会長
三菱商事(株)取締役(現職)
ガバナンス委員会
槙原 稔(委員長)
佐々木 幹夫
古川 洽次
有馬 龍夫
他、3名の社外委員
国際諮問委員会
槙原 稔(委員長)
佐々木 幹夫
有馬 龍夫
他、6名の社外委員
谷口 一郎
有馬 龍夫
1959年 三菱電機(株)入社
1998年 三菱商事(株)取締役(現職)
2002年 三菱電機(株)会長(現職)
1962年 外務省入省
1997年 外務省参与(現職)
1998年 早稲田大学政治経済学部特任教授
日本国政府代表
三菱商事(株)特別顧問(現職)
2001年 三菱商事(株)取締役(現職)
ポートフォリオ・マネジメント委員会
古川 洽次(委員長)
社長室会に付議・報告される投融資案件について社長室
会に意見具申・報告を行う他、
全社ポートフォリオマネジ
メント関連施策について検討・提言を行う諮問機関。
古川
副社長を委員長とし、
7営業グループおよびコーポレート
のグループCFOで構成され、
2001年度は26回委員会を開
催しました。
(2002年7月1日現在)
1. *の取締役は代表取締役であります。
2. 当社は2001年6月より執行役員制度を導入しています。
3. 当社の取締役会は、取締役17名(うち社外取締役3名)により構成されており、2001年度は15回開催されました。
社長室会は14 名で構成され、取締役会の監督を受けており、2001年度は25回開催されました。
page
45
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{コーポレートガバナンス}
コーポレートガバナンス
三菱商事は株主の皆様を始め、
お客様、
従業員、
地域社会など当社を取り巻くステークホルダー
各位の信頼を得るべく不断の努力を重ねてきました。
2001年度からスタートした中期経営計
画MC2003においても、
コーポレートガバナンスの強化を経営課題の1つとして位置づけてい
ます。
透明性の高い経営体制の確立を目指した下記の施策により、
責任の明確化とアカウンタ
ビリティの向上が図られたものと確信しています。
(1)監査・コンプライアンス体制
取締役会機能の充実
(3)取締役改革
執行役員制の導入により、取締役と執行役員
討議の結果、
「三菱商事の内部監査システム・
2003年上半期に予想される商法改正の影響
の機能と責任が明確に分離されました。同時に
コンプライアンス体制は妥当であり、
適切に
も踏まえながら、
三菱商事に最もふさわしい
取締役の人数を大幅に削減することにより、取
運用され、
したがって充分機能している」と
ガバナンス体制のあり方について討議がな
締役会における意思決定の迅速化と、経営の監
の評価を受けました。
また討議の中から出て
されました。これらの討議内容を踏まえ
督機能の充実を図りました。
きた意見のうち、
監査役監査・内部監査・会計
2002年度はさらにガバナンス改革を進めて
監査人監査の連携強化による効率的な監査
いくことになっています。
ガバナンス委員会の発足
体制の構築・推進につき、提言として取締役
2001年7月には取締役会の諮問機関として、
会への報告がなされました。
ガバナンス委員会が設立されました。同委員会
は取締役4名および社外委員3名で構成されてい
国際諮問委員会
世界にはりめぐらされたネットワークを通じ
(2)執行役員の評価・報酬制度
てビジネス展開を図る当社にとって、グローバ
ます。
ガバナンス体制の強化を検討する上で、
社
「業績と連動した年次インセンティブ、
個人
ルな視点からのアドバイスを得ることは不可欠
外の視点も充分取り入れて討議を行い、その結
業績の評価方法、
ストックオプションなどの
です。このため、取締役会の諮問機関として、
果については適宜取締役会に提言、報告を行っ
仕組みは、
MC2003の価値創造の経営方針と
2001年10月に国際諮問委員会が設置されまし
ています。
合致しており、
かつ株主の皆様との価値共有
た。
9名の委員のうち、海外各地域からの委員が6
を図っている」として評価を受けました。
名を占めるなど、様々な意見を取り入れる基盤
ガバナンス委員会では、
設立以来これまでに4
を整備しています。2001年度の会合は、12月に
回の会合が開かれ、次のようなテーマが取り上
グローバル化をテーマに開催されました。有意
げられました。
ガバナンス委員会
前列左より
島田晴雄
慶応義塾大学経済学部教授
中島茂
中島経営法律事務所弁護士
伊藤邦雄
一橋大学大学院商学研究科教授
後列左より
有馬龍夫
取締役
槙原稔
取締役会長
(ガバナンス委員長)
佐々木幹夫
取締役社長
古川洽次
取締役副社長執行役員
page
46
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{コーポレートガバナンス}
経営と監査体制
監査役会
株主総会
監査役
国際諮問委員会
取締役会
ガバナンス委員会
コーポレートスタッフ部門
社長
社長室会
監査部
グループ/本部/BU
国内・海外拠点場所
(危機管理)
コンプライアンス委員会
緊急危機対応委員会
調査・総括委員会
(各委員会)
ポートフォリオ・マネジメント委員会など
義な討議の結果、グローバル化の推進はトップ
内部監査機能の充実
170名*2体制でアクションプランの実行に当たる
ダウンで進めること、ビジネスのグローバル化
一方、ガバナンス委員会でも指摘のあった内
計画です。監査部による監査レポートは直接社
には企業が活動するすべての地域において良き
部監査機能の充実についても、改革への継続的
長に提出されることに加え、
監査計画および結果
コーポレートシチズンとして受け入れられるこ
な取り組みがすでに図られています。例えば、
報告については取締役会にも定期的に報告さ
とが前提であることなど、貴重な意見が出され
MC2000がスタートした1998年には監査部を
れ、
監査役による取締役の職務執行状況の監査、
ました。
これらの意見を踏まえて、
当社は一層の
中心に内部監査に携わる人員は35名でしたが、
監査法人による会計監査と併せ、当社の監査体
グローバル化を進めていく考えです。
現在では約120 名* に増強されています。さら
制を支える三様監査の柱の1つとなっています。
1
に、
MC2003の最終年度である2003年度末には
*1 2002年9月現在
*2 2002年9月現在の見通し
国際諮問委員会
左より
デイビッド・スコーリー
元S.G.ウォーバーグ・グループ会長
現UBS Warburg、Senior Advisor
エルミニオ・ブランコ・メンドーサ
前メキシコ合衆国商務工業振興大臣
ハイメ・オーグスト・ゾーベル・デ・アヤラ
アヤラ・コーポレーション社長
トーマス・S・フォーリー
前駐日アメリカ合衆国大使
有馬龍夫
取締役
槙原稔
取締役会長(国際諮問委員会委員長)
佐々木幹夫
取締役社長
ルシオ・A・ノト
前エクソン・モービル副会長
ラタン・N・タタ
タタ・グループ会長
page
47
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{執行役員}
執行役員(47名)
佐々木 幹夫
社長*
石橋 武
常務執行役員*
化学品グループCEO
水野 一郎
執行役員
新機能事業グループCFO
佐藤 達夫
執行役員
情報産業グループ通信・放送本部長
稲井 駿一
常務執行役員*
中部支社長
笠原 豊
執行役員
ジャカルタ駐在事務所長
近藤 和威
執行役員
生活産業グループ食糧本部長
古川 洽次
副社長執行役員*
CFO
コンプライアンスオフィサー
阿部 正弘
常務執行役員
機械グループCOO
巽谷 一夫
執行役員
新機能事業グループCEO補佐
田中 広司
執行役員
生活産業グループ繊維本部長
外村 直久
副社長執行役員*
機械グループCEO
桜井 本篤
常務執行役員
米国三菱商事会社EVP
松本 治雄
執行役員
機械グループ環境・開発
プロジェクト本部長
勝村 元
執行役員
台湾三菱商事会社社長
小島 順彦
副社長執行役員*
新機能事業グループCEO
CIO
上野 征夫
常務執行役員
経営企画部長
相原 宏徳
副社長執行役員
米国三菱商事会社社長
山口 寛治
副社長執行役員*
生活産業グループCEO
高島 正之
副社長執行役員*
金属グループCEO
増田 幸央
副社長執行役員*
エネルギー事業グループCEO
岡田 紀雄
常務執行役員
金属グループ特命担当
可児 晋
常務執行役員*
関西支社長
橋本 毅
常務執行役員*
情報産業グループCEO
金田 守司
執行役員
金属グループ特命担当
亀崎 英敏
常務執行役員*
CRO
吉村 尚憲
執行役員
エネルギー事業グループ
天然ガス事業本部長
井上 彪
常務執行役員
生活産業グループCOO
両角 慶久
執行役員
機械グループ重電機本部長
入山 利彦
執行役員
監査部長
亀井 信寧
執行役員
独国三菱商事会社社長
佐山 安弘
執行役員
九州支社長
今宮 舜一
執行役員
金属グループ非鉄金属本部長
宮本 雅雄
執行役員
機械グループ自動車事業本部長
池内 信生
執行役員
機械グループプラント
プロジェクト本部長
武田 勝年
執行役員
中国総代表
三菱商事(中国)投資有限公司社長
金井 義邦
執行役員
エネルギー事業グループ
石油事業本部長
宮司 正毅
執行役員
欧州三菱商事会社社長
欧州支社長
三野 博
執行役員
新機能事業グループ
コンシューマー事業本部長
西澤 正俊
執行役員
人事総務部長
木島 綱雄
執行役員
生活産業グループ食品本部長
堀尾 守
執行役員
生活産業グループCEO補佐
藤川 純太
執行役員
情報産業グループ宇宙航空機本部長
片山 善朗
執行役員
機械グループCEOオフィス室長
武内 英史
執行役員
トレジャラー
小塚 睦実
執行役員
金属グループCEOオフィス室長
永井 峻一
執行役員
北海道支社長
*の執行役員は取締役を兼務しています。
(2002年7月1日現在)
page
48
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財務セクション}
財務セクション
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析
50
6年間の主要財務データ
64
連結貸借対照表
66
連結損益計算書
68
連結包括損益計算書
69
連結資本勘定計算書
70
連結キャッシュ・フロー計算書
71
連結財務諸表に対する注記
72
独立監査人の監査報告書(訳文)
98
page
49
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析
1. 概要
(4)金属グループ:当グループは、
鉄鋼製品や石炭・鉄鉱石などの鉄鋼
当社は日本の総合商社として、
多様な事業分野における幅広い事業
活動から収益を上げています。産業用および消費者向けの様々な製
原料および銅、
アルミ、
クロムといった非鉄金属製品および資源の、
投
資、
ファイナンス、
物流、
加工、
売買取引などの業務を展開しています。
品、
サービスの購入・販売・マーケティングおよび流通といった取引の
(5)機械グループ:当グループは、
自動車、
電力・発電設備、
プラント建
それに加えて、
製造業
仲介は当社にとって伝統的な業務の1つですが、
設、
造船、
環境技術、
建設機械、
産業機械、
不動産開発関連の幅広い事業
や天然資源の開発・商業生産にも参画しています。
さらに、
ベンチャー
(独立発電事業)
が成長の
を展開しています。
当グループではIPP事業
を含む事業への投資、
幅広いコンサルティングサービスやアウトソー
牽引役を果たしています。
シングサービスの提供などの業務にも取り組んでいます。
当社は、
幅
広い事業を展開する上で、
売買仲介業務に付随する資金提供、
当社が
参加している事業やプロジェクトへの貸付、
投資などファイナンスや
(6)化学品グループ:当グループは、
化学品製造のための資源および
設備に投資し、また汎用化学品およびスペシャリティケミカルの売
買、
マーケティング、
流通を行っています。
様々な金融サービスを提供しています。
そしてこれらの業務を、
国内
およびアジア太平洋、
米州、
欧州、
東アジア、
アフリカに広がる当社の
(7)生活産業グループ:当グループは、
食糧、
食品、
繊維およびその他
の資材の輸出入、
ファイナンスを含め、
供給源確保、
マーケティング、
拠点を通じてグローバルに展開しています。
当社では、
事業セグメントを以下の7つの営業グループに分けて個
流通を担っています。
また、
これらの製品の製造、
流通を展開する企業
に対しての投資も行っています。
別に情報開示を行っています。
(1)新機能事業グループ:当グループは、
新しいビジネスモデルに基
これらの事業活動は以下の3通りの形式で利益に貢献しています。
づく事業の開発や推進、投資を行っており、金融・情報・物流・マーケ
ティングの各テクノロジーを活用した事業に焦点を当てています。
(1)収益:売買取引の口銭や手数料、
製造・サービス・レンタル事業か
らの売上などが収益となります。
(2)情報産業グループ:当グループは、
情報技術サービスおよび通信、
放送、
コンテンツ配信の分野において、
幅広く事業を展開しています。
また、
宇宙航空機分野では売買取引やファイナンス、
関連サービスの
( 2 )関連会社の持分利益: 当社の連結財務諸表には、投資割合に応
じた関連会社の損益が、持分法による投資損益として計上されてい
ます。当社では、事業活動のかなりの部分を、ジョイントベンチャー
提供も行っています。
および関連会社に対する少数株主持分投資を通じて行っているた
(3)エネルギー事業グループ:当グループは、
国内外の顧客に対し、
安
定的かつ長期的なエネルギー資源の供給を行っています。具体的に
め、持分法による投資利益は当社の純利益において大きな割合を占
めています。
は、
原油、
石油製品、
LNG、天然ガス、LPG、炭素製品の生産・加工のプロ
ジェクトに投資を行っており、
またこれらの取引、
マーケティング、
流
(3)配当収入:連結財務諸表において原価法による投資として計上さ
れている事業から配当を受け取っています。
特に、
資源開発および化
通などの機能も担っています。
学プロジェクトにおいては原価法適用の投資を数多く行っています。
これらのプロジェクトからの利益は配当として投資元に分配され、
当
社の純利益において大きな割合を占めています。
page
50
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
当社では、
製品とサービスをバリューチェーンの観点で捉えること
負い、
製品の変更やサービスの一部を提供し、
在庫を保有します。
この
ができると考えています。
即ち原材料の調達からエンドユーザーへの
ため、
代金回収や受渡し、
返品に伴う所有者としてのリスクと報酬を
販売に至る、
財やサービスが生み出され提供される各段階において、
引き受けることがあります。
必要とされる機能を果たすことにより、
付加価値を付けることができ
ると考えています。当社の伝統的な仲介業務においては、バリュー
チェーンの中核に位置する大手製造業者に対し原材料の調達、
マーケ
2. 重要な会計方針
ティング、
販売、
流通サービスなどを供給してきましたが、
近年競争の
激化や利幅の低下、
需要の伸び悩みといった事態に直面しています。
その結果、
当社は事業の焦点をバリューチェーンの他の部分にシフト
させています。
中でも、
LNG、原料炭、非鉄金属、化学品、食糧などの資
源の生産を行う川上分野のプロジェクトおよび事業への参画に注力
しており、
これらは主にジョイントベンチャーに対する投資を通じて
行われています。
また、
様々な事業分野における川下販売、
マーケティ
ング、流通機能の強化も図っています。
連結財務諸表を作成するに当たり、
当社は連結財務諸表に記載され
ている資産および債務の額、
偶発資産および偶発債務の開示額、
期間
中の収入および支出の額などに影響を与える可能性のある見積りお
よび前提条件を使用しています。
当社は債権、
投資、
長期性資産、
棚卸
資産、
収益の認識、
法人税、
資金調達業務、
事業再構築に伴うコスト、
退
職給付制度、
偶発事象および訴訟などに関する見積りと判断を常に検
証しています。
当社はその見積りと判断を、
これまでの経験やその時
の状況において妥当と思われる様々な要素に基づいて行っており、
こ
川上分野の多くは持分法もしくは原価法で評価される関連会社を
通じ、
川下分野の多くは連結子会社もしくは持分法による関連会社を
通じて行われています。2001年3月31日終了の事業年度の純利益に
貢献した収益、
配当収入、
関連会社の持分利益はそれぞれ1,199,069
れらは、
資産および負債の帳簿価額についての判断を下す上で他の情
報源からは得られない貴重な情報として当社の判断の基礎を形成し
ています。
前提条件や事業環境などが変わることにより、
見積りと将
来の実績が異なってまいります。
百万円、
32,555百万円、16,423百万円となり、また2002年3月31日終
了の事業年度では、
それぞれ1,291,493百万円、
36,348百万円、8,646
当社における重要な会計方針、
およびこれらを
「重要」
とみなしてい
る理由は次の通りです。
百万円となりました。
• 不確定要素の極めて多い時点で、見積りを算出するために前提条件
<売上高と収益> 当社の経営成績を表わす連結損益計算書には「売
を決めなくてはならないため。
」が含まれています。
売上高は、
当社が
上高
(operating transactions)
契約当事者として扱った売上と、代理人として行った売上契約によ
• 今期使うことが可能であった他の見積りを使用した場合、または会
計上の見積り変更があった場合、
財政状態の表示や変更、
または経
る取扱高で構成されます。
従って、
売上高には当社が契約当事者また
営成績に対して重大な影響を与える可能性があるため。
は代理人として扱ったすべての取扱高が含まれることになります。
当社が代理人の場合は、仕入代金の支払と売上代金の回収に責任を
持つこととなります。この「売上高」は米国で一般に公正妥当と認め
債権の評価
当社の売上債権、
手形および貸付の残高は多額であり、
債権の評価
られる会計原則
(U.S. GAAP)
によるところの売上高や収益とは一致
収益と同義で
いたしません。
「売上高」
は非U.S. GAAPの指標であり、
もこれに替わるものでもありません。同時に業績指標ではなく、営
業、投資、財務活動の結果としての流動性やキャッシュ・フローの状
況を示すものでもありません。当社が売上高に関する情報を盛り込
んでいる理由は、日本の同業の商社が業界のベンチマークとして使
用しているためであり、私どもの業績を分析する上で有益な補足資
に対する会計上の見積りはどのセグメントにおいても重要です。
貸倒
引当金は不良資産見積りの見直しにより今期増加しており、
「貸倒引
当金繰入額」
に算入されています。
引当金の増加は債権の切り捨てお
よび回収見合いの引当金取り崩しによって相殺されます。
当社では顧
客の評価を継続して行い、
支払実績および信用情報を査定して決定す
る現在の顧客の与信能力に基づいて個々の与信限度枠を調整してい
ます。
当社では顧客からの支払と回収状況を常に監視しており、
回収
料となると考えているためです。
加えて、
U.S. GAAPに従い、一部の取引からの収益は総額で表示し、
総利益が分かるように原価を区分表示しています。
製造業およびその
他の事業における収益は総額で表示されています。
これらの製造業お
よびその他の事業では、
当社は取引の当事者として契約遂行の責任を
page
が問題視される債権の内容や当社の過去の貸倒実績、
歴史的趨勢、
債
権残高に対する損失発生の潜在性評価、
格付け機関によるレーティン
グその他の情報を駆使して、
それぞれの顧客に対する与信枠と貸倒引
当金を設定しています。
51
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
当社経営陣としては、
貸倒引当金の額は十分であり、
債権は実現可
投資の減損の評価は前述の財政状態および見積りキャッシュ・フ
能な額で計上されていると考えています。
貸倒引当金の見積りをより
ローなどの要素に基づいて行います。
価値の下落が一時的なものでは
適切に行うための努力の一環として、
当社では主要な顧客の財政状態
ないと分類された投資については、
投資額を公正価額まで減価し、
撤
や与信の状況、
債権の回収状況を個々に監視しています。
近年、
上述し
退戦略が採られるか、
もしくは主管のビジネスユニットはより高い価
た諸要因を総合勘案し、
回収不能な債権や貸付金の推定額、
特定顧客
値があることを立証しなければなりません。
その上で、
はじめて投資
の状況などを反映させて、当社は貸倒引当金を大幅に増加させまし
先のサポートを続けることが可能となります。
投資先が上場している
た。
また、
不良債権は将来急速かつ大幅に増大する可能性もあります。
場合、
入手可能な様々な情報を総合した市場の最新評価が株価に反映
従って、
貸倒の見積りには経営判断が必要となります。
されていることから、
投資先の株価も分析します。
2001年3月31日現在、当社は貸倒引当金を前年比11億円、率にして
市場価値が投資原価を下回る期間が長く、その度合いが大きい場
0.7%増加させ1,539億円としました。2002年3月31日現在には一部
合、
減損を示す要因となります。
この場合、
当社では市場価格を上回る
の特定顧客に対する債権を回収不能と見込んで、
貸倒引当金を前年比
価値を実現できるという客観的な証拠を検討した上で、
実現可能な価
150億円、9.7%増加させ、1,689億円としました。貸倒引当金の全債権
額まで評価減を行います。
さらに投資先との取引やカントリー・リス
(長期短期合計)
に占める割合は2001年および2002年3月31日現在で
クを考慮に入れて減損評価を行います。
それぞれ4.4%と4.9%となりました。
過去2事業年度において同様の方法を使って投資の減損をテスト
し、
当社の前提条件に基づき、
一部の投資について各事業年度に評価
投資の評価
減を計上することを決定しました。
これらの金額は連結損益計算書上
当社の投資残高は巨額であり、
投資の評価は各セグメントの会計上
の、
有価証券損益(純額)
に含められています。
2001年および2002年
の見積りにおける重要な要素となっています。
投資の減損評価に際し
3月31日終了の事業年度には、市場価格の下落が一時的ではないと判
ては、
価値の下落が一時的なものかどうかを検討します。
検討の際の
断して、
売却可能有価証券の一部についてそれぞれ430億円、
149億円
ポイントは以下の通りです。
の損失を計上しています。
• 市場価値が投資の帳簿価額を下回っている期間と程度。
収益の認識
• 投資先の財政状態および短期の業績見通し。この中には、今後の技
術革新や事業からの撤退など営業活動に影響をもたらす何らかの
特別な事象も含まれています。
当社は世界規模で商品の売買、および売買に関連した顧客や仕入
先へのファイナンス、産業プロジェクトの組織化と運営などを世界
中のビジネスネットワークを通じて行っています。
鉄鋼原料、
非鉄金
• 市場価値が回復するまで投資を継続する点についての当社の意思
属、
石油およびガス製品、
機械、
情報技術およびエレクトロニクス、
化
と能力。
価値の下落が発生し、
それが一時的なものではないと見な
学品、
食品および一般消費財など幅広い製品に関する輸出入、
国内外
される場合、
投資の帳簿価額は公正価額まで引き下げられ、
評価損
での製造、販売、マーケティング、流通業務を行っており、コンサル
が計上されます。
ティング、情報技術サービス、技術支援、輸送や物流といったサービ
ス業務も行っています。収益の認識方法についてはいくつもの会計
投資の減損に関する会計上の見積りは重要な会計上の見積りの1
つだと考えています。
その理由は以下の通りです。
指針が複雑に絡んでおり、方針決定には極めて難しい判断を迫られ
ます。しかしながら、当社では、財務諸表における収益の認識につい
a)減損評価を行うためには、投資先の将来の財政状態やキャッシュ・
フローについての前提条件を立てる必要があり、
期間ごとの変化
ての指針を示した職員会計公報(Staff Accounting Bulletin 、以下
「SAB」
)
第101号
「財務諸表における収益の認識」
に基づいて収益を認
識しています。一般に、収益は実現時、実現が可能となった時点ある
の影響を著しく受けやすいため。
いは以下の時点で認識しています。
b)減損の認識による影響は当期純利益および貸借対照表上の総資産
a)説得力のある契約などが存在すること
に対して重大であるため。
b)物の引渡しまたは役務の提供が完了していること
c)売価格が確定しているか確定可能なこと
d)代金回収可能性が合理的に確保されていること
page
52
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
(1)売買取引における収益の認識:商品の購入および販売業務を含む
や負債、
契約の公正価額変動による損益と相殺されています。
キャッ
売買取引において、
当社は取引の法律的な形式である契約当事者ある
シュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブは変動金利付負
いは代理人として売買に係る差損益および手数料を得ています。
売買
債を固定金利付負債に変換する金利スワップおよび特定の債務に対
取引における口銭
(純額)
は、
主に当社が契約当事者または代理人とし
する円ベースのキャッシュ・フローの変動を軽減する通貨スワップ契
て関わる取引で構成されています。
売上高の大半は商品の所有権と支
約が含まれます。
払手続きが当社を通るだけで、
在庫品の買取りや配送には関与しない
取引となっています。
なお、
代理店としての取引の場合は手数料とい
3. 経営成績に影響を及ぼす要因
う形で対価が支払われています。
(2)製造業およびその他の事業における収益の認識:製造業およびそ
の他の事業は以下のような構成になっています。
(1)日本およびその他主要な経済圏におけるマクロ経済の状況: 当
社が事業を行う世界市場の多くは、
日本、
アジア諸国、
米国および欧州
• 製造業関連:契約当事者として関わる製造業関連の取引において
は、
受渡し条件を満たした時点で収益を認識しています。
即ち、
顧客
が商品を受け取った時点、あるいは倉庫証券の交付が完了した時
点、
検収が完了してそれ以降の義務がなくなり、
顧客の受入が確実
を含めて、
経済状況が悪化しています。
しかし、
当社は世界中のビジネ
スネットワークを通じて事業活動を行っていることから、
地理的な単
一市場における経済的下落の影響からは隔離されているといえます。
加えて、
当社では食品や情報産業など景気変動やデフレの影響を相対
的に受けにくい事業への多角化も進んでいます。
となった時点などです。
当社はまた、
アジアのマクロ経済にも影響を受けます。
特に、
タイお
• サービス関連:サービス関連の収益は、契約に基づきサービスが
顧客に提供された時点で計上しています。
製造業者あるいは顧客と
結んだ契約の内容により、
契約の終了時や商品・サービスに対する
支払時をもってサービスが提供された時点と見なしています。
よびインドネシアで現地マーケットでの自動車の輸入および販売、
自
動車製造業の展開に関わっており、
両国の自動車産業の動向は重要で
す。
今のところ世界経済の低迷によるタイ、
インドネシアの自動車産
業への影響はほとんどありません。
• レンタル事業:レンタル業および倉庫業からの収益はレンタル契
約の条件に基づいて計上されます。
(2)各種商品価格の変動: 当社の主要事業活動の1つに石油、ガス
他天然資源の採掘と商業生産および食品、化学品の加工および製造
プロジェクトに対する投資があります。
たとえば、
当社のエネルギー
デリバティブ
事業部門において利益を上げている環太平洋地域を中心とするLNG
当社では、
主として金利変動リスクの管理や、
為替変動リスクの軽
減、様々な在庫および取扱商品のリスクヘッジを目的としてデリバ
ティブを利用しています。
当社は、
デリバティブおよびヘッジに関す
る会計処理と報告の基準を定めた米国財務会計基準書
(Statement of
プロジェクトからの配当および持分利益からの収益は、2002年3月
31日終了の事業年度において純利益の約36%を占めています。原油
価格の動きはLNGプロジェクトを通じて投資収益全体に大きく影響
を及ぼします。
Financial Accounting Standards、以下「SFAS」)第133号「派生商品お
よびヘッジ活動に関する会計処理」
(SFAS第138号により一部改訂、
両者をあわせて以下
「SFAS第133号」
とする)
を2001年4月1日より適
用しました。
SFAS第133号ではすべてのデリバティブを公正価額で
貸借対照表上に計上すること、
ヘッジ関係の指定と有効性の基準を明
確にすることを要求しています。SFAS第133号適用による公表利益
への影響は軽微です。
石油、
ガス他天然資源の採掘と商業生産および食品、
化学品の加工
および製造プロジェクトへの投資を行う際には、
製造・販売される商
品の価格、
化学プラントのような川中にある製造業務においては製品
の製造に必要な供給原料の価格を中心に、
多くの前提条件を基にして
決定を行います。
さらに、
取引活動の一環として、
当社では自らの責任
で多岐にわたるコモディティ商品の売買も行っています。
通常当社で
はこれら商品の価格リスクをヘッジしておりますが、
時にはヘッジを
デリバティブに関する会計方針についての詳細は連結財務諸表に
対する注記2に含まれています。
デリバティブ契約の実行日において、
当社は、ヘッジ区分上当該ヘッジが公正価値ヘッジ、キャッシュ・フ
ロー・ヘッジのいずれであるかを指定します。
公正価値ヘッジとして
指定されたデリバティブの価格変動は損益計上され、
ヘッジ対象資産
page
行わないで商品の供給を保証したり、
見合いの購入者や供給元を確保
する前に供給契約を行ったりもします。原油およびその他コモディ
ティ商品価格における予期せぬ変動は、
当社の取るポジションとの相
関で、予想できない価格変動の方向によって当社の経営成績にポジ
ティブにもネガティブにも影響します。
53
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
(3)投資プロジェクト:当社の主要な事業活動の1つに石油、
ガス他
考えています。
ヘッジ対象となる主要な通貨には米ドル、
ユーロ、
豪
天然資源の採掘・商業生産プロジェクトに対する投資があります。
こ
れまでこれらのプロジェクトは純利益に対し堅実に貢献してきまし
た。
持分法による投資収益が純利益に占める割合は大きく、
2001年お
投資炭鉱およびLNG
よび2002年3月31日終了の事業年度において、
プロジェクトを中心とする収益の純利益に占める割合はそれぞれ
17.8%および14.4%となりました。同様に、BHP Billiton Limited(以
)
との石炭事業におけるジョイントベンチャーか
下
「BHP Billiton社」
らの利益が2002年3月31日終了の事業年度の原料炭の利益のほとん
どを占め、
同期間の鉄鋼原料の当社純利益の大半を占めています。
(4)為替変動: 為替の変動も当社の経営成績にポジティブにもネガ
ドルがあります。
(5)戦略投資・買収・売却:当社の投資戦略は、
各事業分野においてリ
スクに応じた適正な純利益を生み出すことにあります。
当社は、
コア
ビジネスを強化し、
有望な新規事業を具体化するための買収・合併を
行うことで、
投資ポートフォリオに戦略的変更を加えています。
この
過程で過小評価されている補完的な事業を買収して、
コストを削減し
効率性を改善して収益性の向上を図っています。
また撤退のガイドラ
インを強化し、リスクに見合った収益を生まない事業は売却するな
ど、
資本の使用についてはより厳しい姿勢をとっています。
これらの
措置は経営成績にも大きな効果をもたらしています。
ティブにも影響を与えます。
主に円米ドル間、
米ドルと当社が事業を
行っている国の通貨間の変動によって為替換算リスクと売買リスク
当社の事業ポートフォリオの中で重要な変化は以下の通りです。
(株)との合弁:2002年3月27日、当社は日商岩井(株)
• 日商岩井
が発生します。
と契約を調印し、
鉄鋼製品の流通、
販売およびマーケティングなど
• 為替換算リスク:為替換算リスクは、海外子会社が財務諸表を作
川下業務を統合すべく、新会社を設立することといたしました。
成する国の通貨の変動を通じて、
特定の期間または特定日の財務諸
2003年1月に新会社を設立し、当社60%、日商岩井40%の共同事
表に影響を与えます。
当社は円貨で財務報告を行っています。
当社
業を開始する予定です。
新会社名は
(株)
メタルワンとする予定で、
の海外子会社はそれぞれの国の通貨で財務諸表を準備し、
当社の財
日本で最大の鉄鋼商社となります。メタルワンは物流コストを抑
務諸表と連結するに当たって円貨に換算しています。
結果として、
え、サプライ・チェーン・マネジメントを発展させて在庫管理や重
これら子会社の現地通貨に対する日本円の価値の変化によって為
複する機能の排除、情報インフラの自動化などを進めることに
替換算損益が発生し、
持分を売却または清算するまで連結貸借対照
よって多くの顧客に対し取扱いの拡大を図ることができるものと
表上に外貨換算調整勘定として計上されます。
海外子会社の経営成
考えています。
績は円貨に換算し、
損益計算書に連結する時にそれぞれの連結子会
• QCT Resources Limitedの買収:2000年10月に当社は、100%
社の記帳通貨に対する日本円の価値の変動に影響されることにな
子会社であるMitsubishi Development Pty. Ltd
(以下
「MDP社」
)
を
ります。
持分法による投資損益も同様に、
持分法による関連会社そ
れぞれの記帳通貨に対する日本円の価値の変動に影響されます。
通じて、BHP Billiton 社と共同でQCT Resources Limited(以下
)
を現金にて買収しました。
「QCT社」
QCT社はCentral Queensland
• 売買リスク:当社は世界各地で業務を行っており、業務を行って
Coal Associates(以下「CQCA J/V」)並びにGregory J/Vなど、オー
いる国の通貨の他にも、
購入、
販売、
資金調達を行っている通貨に関
ストラリアの複数の石炭採掘ジョイントベンチャーの権益を保有
連するリスクに晒されています。
当社は子会社・関連会社が事業を
している会社です。
MDP社も既にこれらのジョイントベンチャー
行っている現地通貨以外の通貨での売買取引も行うため、
他通貨建
の少数権益を保有しています。
本買収において、
MDP社はQCT社株
ての費用・負債と売上・資産の差額分だけ外国為替取引リスクに晒
式の50%の対価として413百万豪ドル
(26,265百万円)
の現金を支
されることになります。
結果的に、
通貨の変動は当社の費用および
払いました。
2001年6月にMDP社はBHP Billiton社よりQCT社の残
負債に対して、
売上と資産に対する影響と反対方向の影響を与える
り50%の株式とCQCA J/VおよびGregory J/Vの権益を追加取得し、
ことになり、
経営成績に対してはポジティブにもネガティブにも作
合わせて1,005百万豪ドル
(67,104百万円、
504百万米ドル)を支払
用します。
外国為替リスク管理に関する当社の方針は、
外貨の資産、
いました。この買収により、MDP社とBHP Billiton社はそれぞれ
負債、
コミットメントを相殺して外貨のポジションを減らし、
先物
CQCA J/VおよびGregory J/Vの権益の50%ずつを保有することに
為替予約により外貨のキャッシュ・フローの保全を図ることにあり
なりました。
当権益は、
実質的には採掘権であることから、
無形固定
ます。
SFAS第133号上はヘッジ手段として認められていない場合
資産として計上し、生産高比例法を使って償却しています。
でも、
先物為替予約は為替の変動の影響を有効にヘッジしていると
page
54
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
• Tangguh LNGプロジェクトへの参加:当社は2001年7月に
Occidental International Oil and Gas Ltd.からOccidental Berau
of Indonesia LLC(以下「OXY Berau社」)を503百万米ドル(63,086
百万円相当)
で現金により取得しました。
OXY Berau社はインドネ
シアのベラウにあるTangguh LNGプロジェクトと呼ばれるLNG
ジョイントベンチャーの権益の22.856%を保有していました。当
ジョイントベンチャーは2006年よりインドネシアの隣接する3ブ
して、
期待される将来キャッシュ・フローを見積り、
もし減損を示すよ
うな変化があれば、
資産の帳簿価額を引き下げなくてはなりません。
(8)貸倒引当金繰入額:貸倒引当金繰入額は、
毎期の貸倒引当金の見
積り額の変動に対応しています。
当社は債権ポートフォリオの回収不
能債権見積り高に基づいて貸倒引当金を算出しています。
見積りに際
しては顧客の信用状況やリスク特性、
財政状態、
信用格付け、
過去にお
ける当社の貸倒れ実績など様々な要因を考慮しています。
ロック、
Berau、Muturi、Wiriagarに広がるガス田でLNG生産を開始
する予定です。続いて、当社は、100%子会社であるDiamond Gas
(以下
「INPEX社」
)
が44%
Indonesia B.V.が56%、国際石油開発(株)
を所有するMI Berau B.V.
(以下
「MI Berau社」
)
に権益を譲渡しま
した。
INPEX社はMI Berau社株式の44%に対して221百万米ドル
(9)支払利息(受取利息控除後)
: 当社は銀行借入および資本市場調
達により事業資金の手当てを行っています。
有利子負債には固定金利
のものと変動金利のものがあり、
ヘッジによって金利変動リスクをあ
る程度抑制していますが、
市場金利の変動により当社全体の平均金利
は影響を受ける可能性があります。
利息費用は市場金利の変動、
市場
を現金で支払いました。
環境、
調達構成や調達額によっても変動します。
ここ数年は、
日本の金
(6)人件費:当社は業務効率を改善し、
中長期な収益性の向上を図る
べく、
すべての営業グループにおいて人材の配置転換を積極的に行う
利が極めて低水準であることにより恩恵を受けています。
当社は金利
変動スワップ契約によって借入金利の変動リスクを軽減しています。
と共に、
業績に基づく給与制度を導入しています。
早期退職制度のよ
うに、
リストラに関連して先行費用が発生するものもありますが、
こ
ういった努力が中長期の収益性の向上につながると考えています。
拠出型および非拠出型年金制度に関連する割引率の前提条件は
2001年、2002年とも変更はなく、それぞれ3.0%および3.3%でした。
2002年3月31日終了の事業年度における期間純年金費用の算出に
使用する長期年金資産の期待収益率は、拠出型年金制度については
0.5%低下して4.5%が4.0%に、非拠出型年金制度については0.2%低
下して4.7%が4.5%となりました。
前提となる割引率および期待収益
率の変動は変動の方向によって期間純年金費用にポジティブにもネ
(10)有価証券損益(純額)
: 当社は日本および海外で、関係強化ある
いはその他の目的で、
市場性のある株式を中心とした有価証券に投資
しています。
その大半は売却可能有価証券に分類されています。
当社
はこれら有価証券の公正価額の変動リスクに晒されており、
収益に影
響がおよぶ可能性があります。
売却可能有価証券に分類された株式の
そ
貸借対照表上の2001年および2002年3月31日現在の帳簿価額は、
これらの有価証
れぞれ695,379百万円および581,648百万円でした。
券は貸借対照表に公正価額で計上されており、
価額変動による得失は
売却されるまでは損益には反映されず、
株主資本の部に独立した項目
として税引後の金額が計上されます。
株式市場の低迷によって、
当社
ガティブにも影響を及ぼします。
は2001年および2002年3月31日終了の事業年度においてそれぞれ
(7)減価償却等: 販売費および一般管理費には固定資産の減価償却
費および子会社の買収に関連する営業権を含めた無形固定資産の償
却費も含まれます。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度に
おける減価償却費はそれぞれ72,218百万円および79,480百万円でし
43,043百万円および14,926百万円の評価損を計上しました。しかし、
これらの損失は有価証券損益として計上した2001年および2002年
3月31日終了の事業年度におけるそれぞれ75,530百万円、33,287百
万円のキャピタルゲインによって相殺されました。
た。
子会社および関連会社に対する投資コストが、
取得日における純
資産の当社持分を上回る額を営業権とし、
通常10年ないし20年で償
却しています。
過去2事業年度において、
当社はいくつかの大型買収を
行いました。
事業の統合および営業権その他無形固定資産の扱いに関
する新会計基準では、
買収で取得した資産の原価配分や公正価額、
見
積り耐用年数、
回収可能性、
減損の財務諸表における取扱いについて
複雑な判断が要求されています。
詳細については、
P63の「最近公表さ
れた会計基準」
をご参照下さい。
営業権および耐用年数が確定できな
い無形固定資産は償却せずに、
年1回これらの資産の公正価額を見直
page
当社では売買目的有価証券として分類された市場性のある株式を
2001 年 3 月 31 日現在で 40,745 百万円、2002 年 3 月 31 日現在で
36,204百万円保有していました。これらの有価証券は貸借対照表に
公正価額で計上されており、
市場価値の変化は損益に反映されます。
損益に含まれる売買目的有価証券の未実現損益の変動額は2001年3
月31日終了の事業年度において856百万円の利益、
2002年3月31日
終了の事業年度においては120百万円の利益となりました。
市場性の
ある株式の原価と公正価額については連結財務諸表に対する注記4
をご参照下さい。
55
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
4. 2003年3月31日終了の事業年度の経営成績見通し
連の業績が好調であることから、
売上総利益はかなりの増加を見込ん
でいます。
純利益は順調に増加する見込みで、
特に持分法による投資
世界の各国市場の多くが経済の低迷を脱せず、
日本においても輸出
(株)
ローソンへ
損益については、2002年3月31日終了の事業年度に
および鉱工業生産の減少が底打ちしたとする見方があるものの、
設備
の投資の評価損を計上した反動で、
かなりの増加が見込まれます。
為
投資額の大幅な減少や失業率の高さから、
経済情勢は未だに不透明で
原油価格は1バレル22米ドル、
円金利
(TIBOR)
は
替は1米ドル130円、
す。
こうしたことから、
2003年3月31日終了の事業年度の業績予測を
0.10%を前提条件として用いており、これについては冒頭の「見通し
正確に行うのは時期的に早すぎると考えています。
しかしながら、
経
に関する注意事項」
の項で述べている通り、
一定の制約があります。
当
済概況が厳しい中でも、
当社は事業の多様化や地理的分散を強みとし
社の実際の経営成績はここに述べられた要因のどれかが大きく動い
ており、
需要に影響すると見られるその他の要因を加味し、
2003年3
た場合、
前述の予測とは大きく変わる可能性があります。
月31日終了の事業年度は、機械および化学品の取引の好調を反映し
て売上高は幾分増加すると見ています。
また、
金属資源および食品関
<経営成績報告>
以下の表はそれぞれの事業年度における連結損益計算書の抜粋です。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥13,995,298
¥13,230,675
$99,479
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
¥
$ 4,842
603,716
643,922
その他の収益・費用:
販売費および一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
511,272
24,053
11,406
(32,555)
(86,372)
24,483
16,602
2,929
542,813
32,920
11,767
(36,348)
(34,908)
8,489
13,362
6,237
4,081
248
88
(273)
(262)
64
100
47
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
471,818
544,332
4,093
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
131,898
99,590
749
45,875
(2,136)
8,646
345
(16)
65
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息(受取利息控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
訴訟関連損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の費用合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
51,098
(5,118)
16,423
少数株主利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益(税引後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5. 2001年3月31日終了の事業年度および2002年3月
¥
92,105
¥
60,225
$
453
ています。経営成績の比較に際しては収益ではなく、当社経営陣によ
31日終了の事業年度の比較
る経営成績の分析方法に倣って売上高と総利益に焦点を当てて分析
しています。
上記のように、連結損益計算書において、当社では売上高(operating
transactions)に関する情報を開示しています。これは日本では同業
の総合商社が業界全体で使っており、経営成績の評価指標として有
益な補足情報であると考えています。
また、
当社ではU.S. GAAPに従
い、売買取引の収益と製造その他の事業からの収益を分けて表記し
page
( 1 )売上高: 2002 年 3 月 31 日終了の事業年度における売上高は
2001年3月31日終了の事業年度における13兆9,953億円から7,646
億円、5.5%減少して13兆2,307億円となりました。この減少は主に
金属グループにおけるアルミ、銅など非鉄金属の市場価格の下落に
56
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
よって売上高が3,190億円減少したこと、
機械グループにおいて自動
海外の子会社で、事業拡張のための資金需要増加による負担増が
車輸出取引への関与の形態に変更があり、
売上高に5,480億円の減少
3,553百万円あったため、全体としては僅かながら支払利息は増加
があったことが原因として挙げられます。これらの減少は生活産業
しました。
グループ、エネルギー事業グループの売上高の増加で僅かながら相
殺されています。
(6)受取配当金:投資からの受取配当金は2001年3月31日終了の事
業年度における32,555 百万円から3,793 百万円、11.7% 増加して
(2)売上総利益:売上総利益は2001年3月31日終了の事業年度にお
2002年3月31日終了の事業年度には36,348百万円となりました。増
ける603,716百万円から40,206百万円、6.7%増加して2002年3月
加の主な要因は、
現在も好調を続ける天然資源開発関連の事業への投
31日終了の事業年度には643,922百万円となりました。増加の要因
資の効果です。
この結果、
受取配当金から受取利息控除後の支払利息
は円安と好調な子会社の業績によるもので、
金属グループにおける天
を差し引いた金融収支は昨年を上回って過去最高の24,581百万円の
生活産業グループにおける食品関連
然資源開発を行うQCT社の買収、
利益となりました。
の子会社、
機械グループにおいて持分法連結対象であった建設機械レ
ンタル会社の
(株)
レンタルのニッケンを子会社化したことなどが主
要な例として挙げられます。
一方で、
パルプ、
LPG、石油製品などでは
市況が悪化し価格が低下したため、
利幅が低下し、
好調な事業の業績
を一部相殺する形となりました。
(7)有価証券損益(純額)
:有価証券損益は2001年3月31日終了の事
業年度における86,372百万円から51,464百万円、59.6%減少して
2002年3月31日終了の事業年度には34,908百万円となりました。減
少の主な理由は、2001年3月31日終了の事業年度と比較して子会社
の持分売却による大型のキャピタルゲインがなかったことによりま
(3)販売費および一般管理費:販売費および一般管理費は2001年3月
す。
2002年3月31日終了の事業年度における有価証券損益の内訳は、
31 日終了の事業年度における511,272 百万円から31,541 百万円、
年金制度への株式の拠出による26,226百万円の利益認識、売却可能
6.2%増加して2002年3月31日終了の事業年度には542,813百万円
売却益の一部はみ
有価証券の売却による利益33,287百万円でした。
となりました。
年金費用が45億円増加したこと、
QCT社およびレンタ
ずほ、
UFJといった日本の銀行株など、公正価額が帳簿価額を下回り、
ルのニッケンが完全連結となったことによる費用増99億円が増加の
その下落が一時的でないと判断された有価証券の評価損34,888百万
主たる要因に挙げられます。
円の計上によって相殺されました。
(4)貸倒引当金繰入額:貸倒引当金繰入額は2001年3月31日終了の
(8)固定資産損益
(純額)
:日本の地価が下落し続けた結果、
当社では
事業年度における24,053百万円から8,867百万円、
36.9%増加して
長期性資産の減損を計上しました。
将来キャッシュ・フローを通じて
2002年3月31日終了の事業年度には32,920百万円となりました。増
帳簿価額まで資金を回収できる見込みがないことから、
自社で保有し
加の主な要因は、
金属グループの特定顧客の倒産により保有債権を償
ている資産、
賃貸用の土地建物、
開発用土地の一部について減損処理
却したためです。
を行いました。
帳簿価額と見積り公正価額との差額は減損額として連
(5)支払利息
(受取利息控除後)
:支払利息
(受取利息控除後)
は2001
年3月31日終了の事業年度における11,406百万円から361百万円、
3.2%増加して2002年3月31日終了の事業年度には11,767百万円
となりました。市場金利低下による利息軽減が3,192百万円あった
ものの、オーストラリアでの石炭事業やアジアでの自動車事業など
結損益計算書の
「固定資産損益
(純額)
」
に計上されています。
資産の見
積り公正価額は主として、
第三者による鑑定評価と割引キャッシュ・
によって決定されます。
固定資産純損失額は2001
フロー法
(DCF法)
年3月31日終了の事業年度における24,483百万円から15,994百万
円、
65.3%減少して2002年3月31日終了の事業年度には8,489百万円
となりました。
損失額が減少したのは2001年度のような巨額の損失
がなかったことが主因です。
売上総利益
(9)訴訟関連損失:訴訟関連損失は2001年3月31日終了の事業年度に
(単位:十億円)
おける16,602百万円から3,240百万円、19.5%減少して2002年3月
1998
588.2
1999
582.9
2000
2001
2002
31日終了の事業年度には13,362百万円となりました。2001年および
2002年における訴訟関連損失は現在も係争中の人造黒鉛電極の取引
575.1
603.7
643.9
page
に関連した訴訟に関するものです。
57
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
(10)その他の費用
(純額)
:その他の費用は2001年3月31日終了の事
業年度における2,929 百万円から3,308 百万円、112.9% 増加して
2002年3月31日終了の事業年度には6,237百万円となりました。増加
の主な要因として、
金商
(株)
に対する金融支援損6,460百万円が挙げ
られます。
これは買付契約に係る引当金、
ゴルフ会員権の減損処理な
どの減少により一部相殺されています。
の主な要因は、
連結子会社によって計上された配分されるべき損失が
減少したことによります。
(14)持分法による投資損益(税引後)
:持分法による投資利益(税引
後)は、2001年3月31日終了の事業年度における16,423百万円から
7,777百万円、47.4%減少して2002年3月31日終了の事業年度には
8,646百万円となりました。DCF法により算出した見積り公正価額を
(11)税引前利益:これらの結果、税引前利益は2001年3月31日終
もとに、
ローソンに対する持分法による暖簾の減損18,151百万円を
了の事業年度における131,898 百万円から32,308 百万円、24.5%
計上したことが主因です。当社では持分法による投資の減損処理を
減少して2002年3月31日終了の事業年度には99,590百万円となり
行う前にローソンの低迷する株価を含めていくつもの要素を考慮し
ました。
ました。この損失は天然資源開発関連の既存子会社の利益によって
(12)法人税等:法人税等は税引前利益が減少したため、2001年3月
31 日終了の事業年度における 51,098 百万円から 5,223 百万円、
10.2%減少して2002年3月31日終了の事業年度には45,875百万円
一部相殺されています。
さらに、
2001年3月31日終了の事業年度に損
失を出したMitsubishi Motors Australia Limited(以下「MMAL社」)
については出資比率を引き下げたため、持分法の適用を取りやめて
います。
となりました。
(13)少数株主利益:少数株主持分損失は、2001年3月31日終了の事
業年度における5,118百万円から2,982百万円、
58.3%減少して2002
年3月31日終了の事業年度には2,136百万円となりました。
損失減少
(15)当期純利益:以上の結果、
当期純利益は、
2001年3月31日終了の
事業年度の92,105百万円から31,880百万円、34.6%減少して2002
年3月31日終了の事業年度には60,225百万円となりました。
6. セグメント別業績
当社では財務報告を目的に事業を新機能事業、
情報産業、エネルギー事業、金属、
機械、
化学品、生活産業の7つのグループに分けております。
以下の表は2001年および2002年3月31日終了の事業年度における各セグメント別売上総利益を表しています。
単位:百万円
(%を除く)
3月31日に終了した事業年度
2001年
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 28,583
30,513
55,759
92,694
105,727
51,350
235,959
4.7%
5.1
9.2
15.4
17.5
8.5
39.1
¥ 30,954
30,095
49,932
106,553
122,829
50,139
239,227
4.8%
4.7
7.8
16.5
19.1
7.8
37.1
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥600,585
99.5%
¥629,729
97.8%
調整および消去その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,131
売上総利益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥603,716
情報産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益および1株当たり当期純利益
19.90
16.61
47.6
1998
31.2
1999
26.0
2000
58.77
2001
2002
100.0%
¥643,922
2.2
100.0%
(%)
30.40
1998
2000
14,193
株主資本当期純利益率
(単位:十億円)
1999
0.5
38.44
92.1
4.5
3.2
2.8
9.8
2001
60.2
2002
1株当たり当期純利益(円)*
* 当社は、希薄化による1株当たりの当期純利益への影響はほとんどありません。詳しくは連結財務
諸表に対する注記2.および16.をご参照下さい。
page
58
6.0
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
以下の表は2001年および2002年3月31日終了の事業年度における各セグメント別当期純利益を表しています。
単位:百万円
(%を除く)
3月31日に終了した事業年度
2001年
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年
¥ (3,912)
64,987
4,272
7,243
4,326
(24,681)
27,964
(4.2%)
70.5
4.6
7.9
4.7
(26.8)
30.4
¥(20,290)
8,671
21,717
13,856
12,201
6,545
29,266
(33.7%)
14.4
36.0
23.0
20.3
10.9
48.6
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 80,199
87.1%
¥ 71,966
119.5%
調整および消去その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
11,906
当期純利益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 92,105
情報産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新機能事業グループ
12.9
100.0%
(11,741)
¥ 60,225
(19.5)
100.0%
現し、
スピードの向上を図ることを主眼としたシステム開発などを担
当社の
「.Commerce
2000年4月に組織された新機能事業グループは、
うネットワンシステムズ
(株)
、
衛星通信および放送インフラ関連の宇
(ドットコマース)
」
事業推進の役割を担っています。
「FILM」
と呼んで
宙通信
(株)
、
放送と通信の融合により需要拡大が見込まれるデジタル
いる4 つの主要なテクノロジー、即ち、ファイナンシャル・テクノロ
衛星通信を使った顧客管理、
業務管理、
料金請求その他業務管理など
、
インフォメーション・テクノロジー
(IT)
、
ロジスティクス・
ジー
(FT)
を行う(株)
プラット・ワンです。
、
そしてマーケティング・テクノロジー
(MT)
を統合
テクノロジー
(LT)
当グループの売上高は、
2001年3月31日終了の事業年度の5,183億
し、
他の営業グループを支援すると共に、
新しいビジネスモデルの開
円から899億円、
17.3%減少して2002年3月31日終了の事業年度には
発や検証を行っています。
当グループの利益は売買取引よりも主に事
4,284億円となりました。2001年3月31日終了の事業年度における当
業への投資から生み出されており、
グループ内の多くの社員が事業推
純利益64,987百万円は、
グループの売上総利益30,513百万円、
2002
進と企業価値の最大化を目的に113ヶ所の投資先へ出向しています。
年3月31日終了の事業年度には売上総利益30,095百万円、
純利益は
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における旗艦プロジェ
8,671百万円となりました。2002年3月31日終了の事業年度に、主に
クトは日本のコンビニエンスストアチェーンのローソンおよび情報
海外市場向けエレクトロニクス機器の扱い量が減少したため、
売上総
ネットワーク技術とシステム統合サービスを行う
(株)
アイ・ティ・フ
利益は1.4%減少しました。
2001年3月31日終了の事業年度に行った
ロンティアです。
Photonic Integration Research Inc.およびSDL Inc.の株式売却のよ
当グループの売上高は、
2001年3月31日終了の事業年度の1,470億
円から163億円、
11.1%増加して2002年3月31日終了の事業年度には
うなキャピタルゲインがなかったため、
2002年3月31日終了の事業年
度の純利益は前年度に比べて86.7%減少しました。
1,633億円となりました。2001年3月31日終了の事業年度における当
純損失3,912百万円は、
グループの売上総利益28,583百万円、
2002年
エネルギー事業グループ
3 月31 日終了の事業年度には売上総利益30,954 百万円、純損失は
当社は、
石油、
ガスの主要産出国および多国籍石油企業と共同事業
20,290百万円となりました。2002年3月31日終了の事業年度におい
を展開し、
日本、
アジアを始めとする世界中の顧客に対し安定的かつ
て、
主にヘルスケア関連事業の貢献により、
売上総利益は8.3%増加し
長期的なエネルギー供給を行っています。
主な取扱商品は原油、
石油
ました。
一方、
ローソンへの投資に関する暖簾の一時償却約180億円を
製品、
LPG、LNG、炭素製品、天然ガスなどです。当グループは、近年ア
計上したため、
純損失額は418.7%増加しました。
ジア地域を中心に、
石油・ガスプロジェクトの上流権益を拡大してい
ます。
例えば、Sakhalin II Project権益の追加取得、
インドネシアのガ
情報産業グループ
ス田の権益取得、Malaysia III Projectへの参加、三菱石油開発(株)の
情報産業グループは、
情報通信、
放送サービス、
宇宙航空機産業に関
全株取得などが挙げられます。
するハードおよびソフトウェア、
サービスに焦点を当てています。
当
エネルギー事業グループの核となる分野はLNGです。
2001年当社
グループには3 つの主要な企業があります。ネットワークの統合や
はMalaysia III Projectに投資すると共に、North West Shelf Project
LAN/WANシステムの販売、行政サービス機能を電子ネット上に実
として知られるオーストラリアLNGプロジェクトの LNG製造設備を
page
59
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
拡張しました。どちらも21世紀に環太平洋地域で始まる初めてのプ
同鉱山は年間100
るEscondida銅鉱山の6%の持分を所有しています。
ロジェクトであり、2020年代まで継続する予定です。川下の領域で
万トンの銅生産能力を持ち、
近年世界最大規模となっています。
は、100%子会社の三菱商事石油(株)
を通じて、全国規模のガソリン
当グループの売上高は、
アルミ、
銅などの非鉄金属の市場価格が下
スタンドのネットワークを展開し、
日本の消費者に高品質で信頼でき
がったため、2001 年3 月31 日終了の事業年度の2 兆2,814 億円から
るサービスを提供しています。
3,189億円、14.0%減少して2002年3月31日終了の事業年度には1兆
当グループの売上高は、2001 年 3 月 31 日終了の事業年度の 3 兆
9,625億円となりました。2001年3月31日終了の事業年度における当
3,998億円から370億円、1.1%増加して2002年3月31日終了の事業
純利益7,243百万円は、
グループの売上総利益92,694百万円、
2002年
年度には3兆4,368億円となりました。
2001年3月31日終了の事業年
3月31日終了の事業年度には売上総利益106,553百万円、純利益は
度における当グループの売上総利益55,759百万円、
純利益4,272百万
13,856百万円となりました。売上総利益が15.0%増加したのは、炭鉱
円は、
2002年3月31日終了の事業年度には売上総利益49,932百万円、
ジョイントベンチャーに対する持分をBHP Billiton社と同等に引き
純利益は21,717百万円となりました。
2002年3月31日終了の事業年
グループの
上げたことが主因です。
純利益も91.3%増加しましたが、
度内に、
主にLPGおよび石油製品の市況が悪化したため、
売上総利益
好調な業績とその他前述の要因を反映したものです。
資源関連の投資からの配当の増加があったこ
は10.5%減少しました。
と、
2001年3月31日終了の事業年度に計上した不良資産の償却がな
機械グループ
かったことにより2002年3月31日終了の事業年度の純利益は408.4%
増加しました。
機械グループは、
世界各地において、
プロジェクトの企画、
開発、
調
整および建設に従事しています。
事業領域は大規模発電用機器および
化学・製鉄プラントから造船、
自動車、
産業機械まで及んでいます。
当
金属グループ
即ち、
重電機、
プラント・
グループは4つの本部から成り立っています。
金属グループは、
鉄鋼業、
および金属資源に関わる事業分野全般を
プロジェクト、
環境・開発プロジェクト、自動車です。
担っています。
その事業内容は、
天然資源の開発投資から、
世界中の主
当グループの牽引役となっているのはインドネシア、
タイを中心と
要産業の基礎となる金属製品の製造、
マーケティングおよび流通と多
したアジア地域の自動車事業および国内外の発電事業です。海外の
岐にわたっております。
2001年、BHP Billiton社と当社100%子会社で
IPP事業は特に成長が見込まれます。
あるMDP社は、双方が持分を所有するCQCA J/VおよびGregory J/V
当グループの売上高は、自動車輸出取引への関与形態に変更が
を統合し、
新たなジョイントベンチャーを設立することに合意したと
あったため、
2001年3月31日終了の事業年度における2兆6,957億円
発表しました。
これは、
BHP Billiton社とMDP社が2000年のQCT社取
から5,485億円、20.3%減少して2002年3月31日終了の事業年度に
得時に公表した、原料炭事業の戦略的提携をさらに一歩進めるもの
は2兆1,472億円となりました。
2001年3月31日終了の事業年度にお
で、
QCT社の取得およびそれに続くCQCA J/V Blackwater炭鉱とQCT
ける当グループの売上総利益105,727百万円、純利益4,326百万円
社South Blackwater炭鉱の統合が成功したことにより実現しました。
は、
2002年3月31日終了の事業年度には売上総利益122,829百万円、
この合意により、
CQCA J/V資産の約18.3%とGregory J/Vの資産の約
売上総利益は16.2%増加しま
純利益は12,201百万円となりました。
30.3%がBHP Billiton社からMDP社へ移転することとなり、1,005百
したが、株式の追加取得によりレンタルのニッケンが完全連結子会
万豪ドルが支払われました。BHP Billiton社およびMDP社はCQCA
社となったことが主因です。
純利益も182.0%増加しましたが、
Orion
J/VおよびGregory J/Vの資産を共同で管理し、生産される石炭を共同
Power Holdings社などの海外のIPPの株式売却によるキャピタルゲ
で販売します。
インおよびMMAL社が持分法の損益計上対象から外れて純損失の取
2002年6月27日、当社の株主総会において日商岩井と鉄鋼製品部
り込みがなくなったことなどによります。
門に関連する合弁会社の設立が承認されました。2003 年1月6日に
会社分割の形で新会社を発足させる予定です。
当社は新会社の60%
化学品グループ
の経営権を保有、拠出額は900億円で、
これは当社より拠出する純資
産の見積り公正価額に相当します。
化学品グループは、合成繊維原料や石油化学製品、無機化学品、肥
料といった汎用化学品から機能化学品まで、世界中の化学品業界の
さらに、当社はモザンビーク共和国のアルミ精錬会社である
あらゆる分野において、生産、マーケティング、流通業務に従事して
MOZAL S.A.R.L.の25%の株式を保有すると共に、チリ北部に位置す
います。また、当グループでは、サウジアラビアのポリエチレンおよ
page
60
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
びエチレングリコール企業であるEastern Petrochemical Company
売上総利益の1.4%の増加は主に菱
益は29,266百万円となりました。
(「SHARQ社」)、メキシコの自然塩製造業者のExportadora de Sal,
また、
純利益の4.7%
食およびPrinces社両社の貢献によるものです。
S.A. de C.V. (ESSA)、ベネズエラを拠点とするメタノール製造業者
の増加は営業費用および貸倒引当金の減少によるものです。
のMetanol de Oriente, METOR, S.A. (METOR)を含む多くのプロ
ジェクトへの投資を行っています。この他のプロジェクトでは、
P.T.
Kaltim Parna Industi(KPI)がインドネシアでアンモニアの製造を
始めました。またイタリアのフッ素化中間化合物製造会社である
7. 流動性と資金の源泉
概要
MITENI S.p.Aへの投資も行っています。
借入に対する当社の基本姿勢は、
調達規模を犠牲にしない範囲で低
当グループの売上高は、2001年3月31日終了の事業年度における
1兆3,581億円から598億円、4.4%減少して2002年3月31日終了の
事業年度には1兆2,984億円となりました。
2001年3月31日終了の事
業年度における当グループの売上総利益 5 1 , 3 5 0 百万円、純損失
24,681 百万円は、2002年3 月31 日終了の事業年度には売上総利益
50,139 百万円、純利益は6,545 百万円となりました。売上総利益の
2.4%の減少は石油化学市場の低迷によるものです。当期純利益が黒
コストの資金調達を行うことにあります。
資金調達ソースは多様化し
ており、
財政状態も健全です。
多額の投資を行っているにもかかわら
新規投資および資本的支出
ず、
総資産額は8兆円にとどまっています。
は営業キャッシュ・フローと不稼動資産や短期運用資産の売却代金を
合計した範囲内で管理しています。
また、
当社では財務の健全性を保
つために、
短期借入金およびコマーシャルペーパーを長期債務並びに
普通社債にシフトさせ負債の満期構成の長期化を図っています。
字に転換したのは、
前年度に発生した米国の化学品製造子会社である
Aristech Chemical Corporationの売却に伴うキャピタルロスがなく
なったことが主因です。
社は2002年4月に日本経済
スタンダード・アンド・プアーズ
(S&P)
の長引く低迷などを理由に、
当社のレーティングをAからBBB+に引
き下げました。
格下げはありましたが、
当社が受け入れ可能な条件で
の資金の調達能力に特に影響はないと考えています。当社の S&P
生活産業グループ
(BBB+/A-2)
、
R&I(AA-/a-1+)およびムーディーズ(A2/P-1)に
生活産業グループは、
4つの本部から成り立っており、食糧(穀物な
よるレーティングは同業他社中最高の格付けです。
ど原材料)
、
食品
(加工品)
、
繊維、
および資材に分けられています。
食料
関連事業は、穀物その他食品原料の取引から加工食品の流通まで広
• 代替流動性:万が一、1つの方法により資金が調達できない時の
ために、
当社では短期コマーシャルペーパーの発行を含めて様々な
がっています。
また、
繊維や衣類、
木材および紙類、
その他世界中の消
資金調達ソースを確保しています。
この他現金および現金同等物、
費者ニーズに密着した様々な事業を行っています。
定期預金その他金融資産の流動化により対応することも可能です。
当グループは、
情報・物流技術の共有により生産者と小売業者を結
さらに、契約により確約された円建および米ドル建でそれぞれ
びつけるサプライ・チェーン・マネジメント
(SCM)
を構築、
強化してき
5,100億円、10億米ドルの借入予約枠を使用することができます。
ました。
当社子会社である
(株)
菱食は日本で最大の食品卸売業者の1
当社の現在の負債および借入予約契約には重大な財務制限条項や
つで、
当社のSCM戦略の鍵となる役割を担っています。
この分野での
格付け変更による見直し条項を含んでいません。
成長の原動力は企業買収です。
2002年3月期に菱食は中小の卸売業者
を買収し、
取扱商品の幅を広げました。
英国では100%子会社の食品
• 日本の貸付市場:長期にわたる業績の低迷と不良資産の増大を
製造会社、
Princes Ltd.(以下「Princes社」)が英国の消費者ニーズに対
受けて、邦銀は想定されるリスクに応じた貸付マージンの引き上
応するためにM&Aによって事業を拡張し、
扱い商品を広げています。
げを検討しています。
これまで、
日本の商業銀行の貸付については
当グループの売上高は、
食品関連子会社における取扱量の増加と買
借り手の信用格差が必ずしも貸出条件に反映されていませんでし
収によって、
2001年3月31日終了の事業年度における3兆5,456億円
たが、今や各行ともマージンの引き上げや貸付額の抑制を始めて
から2,322億円、
6.5%増加して2002年3月31日終了の事業年度には
います。当社および連結子会社ではマージン引き上げや貸付の抑
3兆7,778億円となりました。2001年3月31日終了の事業年度におけ
制といった事態に遭ったところはなく、邦銀の貸付政策変更の影
る当グループの売上総利益235,959百万円、
純利益27,964百万円は、
響は限定的であると考えています。
事実、
日本の資本市場において
2002年3月31日終了の事業年度には売上総利益239,227百万円、純利
当社は広く知られたブランドであり、
リスク・リターンの正常化を
page
61
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
実現すべく貸付市場が変わってくると、多様な資金調達ソースを
のこうした動きは当社にとってむしろ相対的に有利に作用すると
もつ当社にとっては競争上優位に働くと見られることから、邦銀
考えています。
2001年および2002年3月31日現在の短期借入金および長期債務は以下の通りです。
単位:百万円
2001年
2002年
コマーシャルペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 445.7
608.8
¥ 384.0
297.7
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,054.5
¥ 681.7
手形および社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥2,263.0
896.8
¥2,445.4
1,138.7
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,159.8
¥3,584.1
短期借入金:
銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務:
銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
SFAS第133号による公正価額への修正は上記額には含まれておりません。連結財務諸表に対する注記11をご参照下さい。
キャッシュ・フロー
以下の表に2001年および2002年3月31日終了の事業年度におけるキャッシュ・フローについての情報が提示されております。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物に係る為替変動の影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物純増減額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年3月31日終了の事業年度において、当社の現金および現金
海外の天然資源の事業から引き続き好調な営業キャッシュ・フロー
がもたらされたことを反映して、
2001年3月期の37,471百万円のマ
イナスから2002 年3 月期にはプラス161,651百万円に増加しまし
た。投資活動によるキャッシュ・フローは、2001年3月期に金融子会
社における「満期保有債券」について多額の満期償還があったため、
3月期および2002年3月期における12,537百万円の配当金と2001
¥ (37,471)
113,165
(230,250)
4,279
¥ 161,651
38,057
(129,620)
10,259
$1,216
286
(975)
78
(150,277)
465,157
80,347
314,880
605
2,367
¥ 395,227
$2,972
¥ 314,880
おいて、
LNG、非鉄金属、化学品など様々な商品に対して、固定価格ま
たは市場価格にあわせて調整される基本価格に基づいて、
多額の長期
買付契約を結んでいます。
これらの買付契約の大部分については、
取
引先と見合いの売渡契約を結んでいます。2002年3月31日終了の事
業年度末における長期買付契約の残高は4,280,348百万円で、
受渡し
期間は2028年までの様々な日付にわたっています。
当社はまた2002年3月31日終了の事業年度末において、
貸付や投
資、
顧客による設備購入の延払契約に関連した貸付など総額109,543
百万円の長期金融契約を結んでいます。
年3月期217,717百万円および2002年3月期116,982百万円の借入
金の返済額(純額)が含まれています。
page
2002年
当社には様々な契約債務と売買契約があります。
通常の取引業務に
2001年3月期の113,165百万円から2002年3月期には38,057百万
円まで減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローには2001年
2002年
8. 契約債務およびその他の契約残高
同等物は80,347百万円増加しました。営業活動によるキャッシュ・
フローは、
2001年3月期にあった運転資金の大幅増がなかったこと、
2001年
62
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析}
2002年3月31日終了の事業年度末において偶発債務および銀行そ
c)耐用年数が確定できないとみなされる無形固定資産は最低年1回
の他の金融機関に対する長期・短期借入金に対して、
固定資産
(減価償
却累計額控除後)
198,052百万円、手形、売掛金および貸付金150,894
の減損評価を受ける。
d)耐用年数のある無形固定資産の償却期限は最長で40年とする。
百万円、
投資有価証券30,633百万円、
その他資産84,423百万円の資産
を担保として差し出しています。
当社では、
暖簾の償却をしないことで経営成績上税引後で年間約60
当社はオフィスおよびその他の資産をオペレーティング・リース方
式で借りています。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度に
おける当該リース費用の合計はそれぞれ30,105百万円および25,291
億円の好影響が見込まれます。
さらに、
会計原則変更の適用により税引
後約85億円のプラスの累積影響額を認識できると考えています。
2001年8月、FASBはSFAS第143号「資産除却に関連する債務に関
百万円でした。
2002年3月31日終了の事業年度末における偶発債務は関連会社に
関する保証債務152,289百万円を含む他社債務に対する保証が合計
で392,633百万円となっています。
これらの保証は主に仕入先および
する会計処理」を公表しました。SFAS 第 143 号は当社にとっては
2003年4月1日より有効となります。SFAS第143号は長期性有形資産
の除却にかかる除却費用は費用が発生した時点で、
当初公正価額で査
定された額で債務として計上することを要求しています。
資産除却の
顧客の間接金融に対するものです。
費用に対する債務が最初に認識された時点で、
企業は当該長期性資産
の帳簿価額における増加を認識することによって、
その費用を資産計
上しなくてはなりません。
当社では当基準書の適用が当社の財政状態
9. 最近公表された会計基準
または経営成績に重大な影響を与えるとは考えていません。
2001年7月、米国財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board、以下「FASB」)はSFAS第141号「企業結合」および第142
号
「暖簾およびその他の無形固定資産」
を公表しました。SFAS第141
号は米国会計原則審議会
(Accounting Principles Board、
以下
「APB」
)
意見書第16号
「企業結合」
に代わるものです。
SFAS第141号による重
要な変更点は以下の通りです。
2001年10月、FASBはSFAS第144号「長期性資産の減損または処分
に関する会計処理」
を公表しました。
これは長期性資産の減損または
処分に関する会計処理と報告規定について述べたもので、SFAS 第
121号「長期性資産の減損および処分予定の長期性資産の会計処理」
および会計処理と報告規定に関する条項であるAPB 意見書第30 号
の、
事業セグメントの処分に関する規定
「経営成績の報告」
に代わるも
a)2001 年6 月30 日以降行われるすべての企業結合の会計処理を
のです。
SFAS第144号は2001年12月15日以降開始事業年度から有効
となりますが、
早期適用が奨励されています。
当社ではSFAS第144号
パーチェス法により処理すること。
b)暖簾とは別に無形固定資産の認識について明確な基準を決めてい
を2002年4月1日より適用し、
現在この基準書の影響を評価中です。
2002年4月、FASBはSFAS第145号「SFAS第4号、44号、64号の廃
ること。
止、
SFAS第13号の改訂、および技術的修正」を公表しました。当基準書
c)資産に配賦できない負の暖簾を、繰延または減価償却する代わり
に、
即座に特別損益として償却すること。
はSFAS第4号
「債務の償還損益についての報告」
を廃止し、
SFAS第64
号
「減償基金要件を満たすための債務の償還」
を修正するものです。
当
基準書はまたSFAS 第13 号「リース会計」も修正し、セールスアンド
SFAS第142号はAPB意見書第17号「無形固定資産」に代わるもので
す。SFAS第142号は過年度に行われた企業結合により取得した営業
権およびその他の無形固定資産に関する会計処理を規定するもので、
SFAS第142号の条項は2001年12月15日以降開始事業年度より適用
されます。
SFAS第142号による重要な変更点は以下の通りです。
リースバック取引と同様な経済的効果をもたらすリース取引につい
て、
セールスアンドリースバック取引の会計処理を適用することを要
求しています。
SFAS第4号の廃止に関する条項は2002年5月15日以
降開始事業年度から適用され、
SFAS第13号に関する条項は2002年5
月15日以降に発生する取引から有効となり、
その他の条項は2002年
a)暖簾および耐用年数が確定できない無形固定資産は償却しない。
b)暖簾は最低年1回、報告のグループ単位のレベルで減損の評価を
5月15日以降に発効される財務諸表から有効となりますが、早期適用
が奨励されています。
当社ではこの基準書の適用が財政状態および経
営成績に重大な影響を及ぼすとは考えていません。
受ける。
page
63
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ 6年 間 の 主 要 財 務 デ ー タ }
6年間の主要財務データ
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
1997年
1998年
当期業績:
売上高* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥15,792,080
590,664
44,385
¥15,825,653
588,225
47,636
会計年度末の財政状態:
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
運転資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務(1年内返済分を除く). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 9,659,955
92,680
2,830,038
1,099,585
¥ 9,522,309
201,670
2,893,111
1,009,383
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥28.32
28.24
8.00
¥30.40
30.40
8.00
株式:
期末発行済株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,567,176
1,567,176
¥123.72
113.21
¥133.20
123.56
124.54
104.49
133.99
111.42
1株当たり情報:
1株当たり当期純利益**:
米ドルとの交換レート:
(米国ニューヨーク連邦銀行による)
期末 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期中平均 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
変動範囲:
安値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
高値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
注記:米ドル金額は、便宜的に1米ドル=133円で換算しています。
* 売上高は米国において一般に公正妥当と認められた会計原則(U.S. GAAP)によるところの売上高、収益とは一致しません。
** 連結財務諸表に対する注記2を参照
page
64
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ 6年 間 の 主 要 財 務 デ ー タ }
単位:百万
米ドル
単位:百万円
1999年
2000年
2001年
2002年
2002年
¥13,700,556
582,938
31,186
¥13,112,801
575,058
26,023
¥13,995,298
603,716
92,105
¥13,230,675
643,922
60,225
$99,479
4,842
453
¥ 8,843,388
394,299
3,078,621
949,514
¥ 8,097,435
168,996
2,794,438
905,700
¥ 8,067,189
289,386
2,798,152
969,356
¥ 8,144,926
694,282
3,238,871
1,028,523
$61,240
5,220
24,352
7,733
単位:円
¥19.90
19.90
8.00
単位:米ドル
¥16.61
16.61
8.00
¥58.77
58.77
8.00
¥38.44
38.44
8.00
1,567,176
1,567,172
1,566,553
¥118.43
128.10
¥102.73
110.02
¥125.54
111.65
¥132.70
125.64
147.14
108.83
124.45
101.53
125.54
104.19
134.77
115.89
単位:千株
1,567,176
単位:円
page
65
$0.29
0.29
0.06
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結貸借対照表}
連結貸借対照表
三菱商事株式会社および連結子会社
2001年および2002年3月31日現在
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
資産の部
流動資産:
現金および現金同等物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期運用資産(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債権(注記19)
:
受取手形および短期貸付金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売掛金および未収入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社等に対する債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期繰延税金資産(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
2002年
¥ 314,880
56,772
243,484
¥ 395,227
30,590
242,345
$ 2,972
230
1,822
544,249
1,856,176
261,462
(47,444)
447,635
228,807
44,739
82,553
483,150
1,870,365
253,510
(51,070)
474,456
133,770
48,170
99,383
3,633
14,063
1,906
(384)
3,567
1,006
362
747
4,033,313
3,979,896
29,924
643,923
1,485,784
861,245
(106,469)
644,065
1,345,727
831,270
(117,840)
4,843
10,118
6,250
(886)
投資および長期債権合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,884,483
2,703,222
20,325
有形固定資産ー減価償却累計額控除後
(注記7、
19). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
986,864
1,074,183
8,077
その他の資産(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
162,529
387,625
2,914
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥8,067,189
¥8,144,926
$61,240
流動資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資および長期債権:
関連会社に対する投資および長期債権
(注記5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期貸付金および長期営業債権
(注記19) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記を参照
page
66
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結貸借対照表}
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
負債および資本の部
2001年
2002年
2002年
¥1,054,511
361,621
¥ 681,745
417,689
$ 5,126
3,140
279,674
1,548,999
50,669
159,160
45,482
102,385
141,426
210,519
1,493,995
62,145
99,829
31,928
95,655
192,109
1,583
11,233
467
751
240
719
1,445
流動負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,743,927
3,285,614
24,704
固定負債:
長期借入債務(注記11). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金および退職給付債務
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期繰延税金負債(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,798,152
114,482
61,131
296,725
3,238,871
104,629
33,735
319,162
24,352
787
254
2,399
固定負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,270,490
3,696,397
27,792
負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
7,014,417
6,982,011
52,496
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
83,416
134,392
1,011
126,609
179,491
126,609
179,491
952
1,350
35,220
774,604
35,524
821,988
267
6,180
122,552
596
(46)
(591)
(974)
(1,015)
流動負債:
短期借入金(注記11). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年以内に期限の到来する長期借入債務(注記11). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債務:
支払手形 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
買掛金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社等に対する債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用(注記13) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
契約債務および偶発債務
(注記21)
資本(注記12、
:
14、15、22)
資本金ー普通株式:授権株式数2,500,000,000株、
発行済株式総数2001年および2002年3月末ー1,567,175,508株;
2001年3月末(自己株式控除後)ー1,567,171,889株
2002年3月末(自己株式控除後)ー1,566,552,792株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本準備金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益剰余金:
利益準備金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積その他の包括損益:
未実現有価証券評価益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現デリバティブ評価損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最小年金債務調整額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
外貨換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(65,636)
(203,481)
79,261
(6,145)
(78,623)
(129,478)
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(146,565)
(134,985)
自己株式ー2001年3月末3,619株、
2002年3月末622,716株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(3)
(104)
(1)
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
969,356
1,028,523
7,733
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥8,067,189
¥8,144,926
$61,240
page
67
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結損益計算書}
連結損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2001年および2002年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
修正再表示後
(注記1)
売上高(注記1、
5、17). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥13,995,298
¥13,230,675
$99,479
収益
(注記2)
:
売買取引に係る差損益および手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
製造業およびその他の事業による収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
¥
493,273
798,220
$ 3,709
6,002
482,043
717,026
収益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,199,069
1,291,493
9,711
製造業およびその他の事業による収益に係る原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
595,353
647,571
4,869
売上総利益(注記17). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
603,716
643,922
4,842
511,272
24,053
542,813
32,920
4,081
248
11,406
(32,555)
(86,372)
24,483
16,602
2,929
11,767
(36,348)
(34,908)
8,489
13,362
6,237
その他の収益・費用合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
471,818
544,332
4,093
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
131,898
99,590
749
法人税等(注記12)
:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
70,942
(19,844)
45,542
333
342
3
法人税等合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
51,098
45,875
345
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
80,800
53,715
404
少数株主利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(5,118)
(2,136)
(16)
持分法による投資損益
(税引後)
(注記5、
12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
16,423
8,646
65
その他の収益・費用:
販売費および一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額(注記6) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息(受取利息控除後:受取利息金額2001年ー79,149百万円;
2002年ー51,201百万円ー385百万ドル). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益(注記4). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益(注記7). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
訴訟関連損失(注記21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の費用ー純額(注記9、
18) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
92,105
¥
60,225
単位:円
:
1株当たり情報(注記2、16)
1株当たり当期純利益および希薄化後の1株当たり当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記を参照
page
68
¥58.77
88
(273)
(262)
64
100
47
$
453
単位:米ドル
¥38.44
$0.29
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結包括損益計算書}
連結包括損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2001年および2002年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
2002年
¥ 92,105
¥ 60,225
$ 453
その他の包括損益:
売却可能有価証券に係る未実現有価証券評価損
(注記4)
:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
29,709
(76,081)
(30,421)
(44,587)
(229)
(335)
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(46,372)
20,290
(75,008)
31,717
(564)
239
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(26,082)
(43,291)
(325)
(6,612)
5,819
(50)
44
デリバティブ未実現評価損
(注記9)
:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
SFAS第133号適用による累積影響額
(税効果1,473百万円(11百万米ドル)
控除後) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(793)
9
(6)
(5,361)
(40)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(6,145)
(46)
最小年金債務調整額の期中増減額
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(62,420)
26,310
(22,455)
9,468
(169)
71
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(36,110)
(12,987)
(98)
35,225
18,893
78,902
1,478
593
11
54,118
(7,835)
80,380
(6,377)
604
(48)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
46,283
74,003
556
その他包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(15,909)
11,580
87
¥ 71,805
$ 540
外貨換算調整勘定の期中増減額:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額
(注記3、5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記を参照
page
69
¥ 76,196
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結資本勘定計算書}
連結資本勘定計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2001年および2002年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
資本金ー発行済株式総数2001年および2002年ー1,567,175,508株 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 126,609
¥ 126,609
$
資本準備金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 179,491
¥ 179,491
$ 1,350
利益準備金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金からの繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 33,924
1,296
¥
35,220
304
$
265
2
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 35,220
¥
35,524
$
267
その他の利益剰余金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 696,332
92,105
¥ 774,604
60,225
$ 5,824
453
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
788,437
834,829
6,277
控除額:
現金配当支払額(1株当たり)
:
(2001年ー¥8.0;
2002年ー¥8.0ー$0.06). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益準備金への繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,537
1,296
12,537
304
95
2
952
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,833
12,841
97
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 774,604
¥ 821,988
$ 6,180
累積その他の包括損失(税効果後)
:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(130,656)
(15,909)
¥ (146,565)
11,580
$(1,102)
87
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(146,565)
¥ (134,985)
$(1,015)
自己株式:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却
(取得). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(7)
4
¥
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(3)
¥
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 969,356
連結財務諸表に対する注記を参照
page
70
(3)
(101)
$
(1)
(104)
$
(1)
¥1,028,523
$ 7,733
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{ 連 結 キ ャ ッ シ ュ・フ ロ ー 計 算 書 }
連結キャッシュ・フロー計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2001年および2002年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動によるキャッシュ・フローへの当期純利益の調整:
減価償却費等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益
(受取配当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動に係る資産・負債の増減:
短期運用資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
仕入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の長期負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
¥ 92,105
¥ 60,225
2002年
$
453
84,349
24,053
(86,372)
24,483
(5,812)
(19,844)
90,286
32,920
(34,908)
8,489
7,890
333
679
248
(262)
64
59
3
(7,716)
(128,913)
(32,116)
25,184
2,535
12,541
(108,425)
23,540
(34,161)
46,272
17,211
33,615
17,675
101,465
27,394
(210,384)
114,792
(68,343)
493
15,989
3,249
(996)
6,172
(11,090)
133
763
206
(1,582)
863
(514)
3
120
24
(7)
46
(83)
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(37,471)
161,651
1,216
投資活動によるキャッシュ・フロー:
有形固定資産等の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産等の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への投資および貸付による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の売却や償還による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券の償還による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の実行 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の回収 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(196,603)
30,914
(145,195)
97,322
(50,907)
267,357
(202,465)
347,089
(121,591)
15,319
(105,278)
132,147
45,056
(142,499)
30,025
(172,838)
112,374
(78,380)
204,045
(60,645)
60,009
(34,948)
21,223
(110,313)
176,507
33,497
(1,071)
226
(1,300)
845
(589)
1,534
(456)
451
(263)
160
(830)
1,327
252
113,165
38,057
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入債務の減少(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務による調達 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務の返済 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式の売却(取得)
ー純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(136,437)
659,160
(740,440)
(12,537)
4
(228,456)
653,669
(542,195)
(12,537)
(101)
(1,718)
4,915
(4,076)
(95)
(1)
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(230,250)
(129,620)
(975)
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物に係る為替変動の影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の純増減額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記を参照
page
71
4,279
(150,277)
465,157
¥ 314,880
286
10,259
78
80,347
314,880
605
2,367
¥ 395,227
$ 2,972
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
連結財務諸表に対する注記
三菱商事株式会社および連結子会社
1. 営業活動の内容および連結財務諸表の作成基準
営業活動の内容 ー三菱商事株式会社(以下
「当社」
)
と国内外の連結子会社
(以下、
併せて
「当社および連結子会社」
)
は様々な商品取引から派生す
る顧客および調達先に対してのファイナンス、
国際規模でのプロジェクトの組成などを主な業務としています。
この他にも、
投資案件の推進や
原材料・設備調達支援、製造業への新技術・新プロセスの導入、
商品の物流・マーケティングなど多岐にわたる業務を展開しています。
当社および連結子会社の主要な活動は商流に関わる各種サービスの提供です。
具体的には輸出入あるいは海外・国内での取引を希望する買い
手と売り手の間で仲介の役割を果たします。
例えば、
輸出業者のためには海外市場を開拓し、
輸入業者に向けては原材料の調達や必要とされる
製品の供給源を確保します。通常、商品の受渡しや代金回収に係るリスクを引き受けて商流のすべてに関わっています。市場分析、信用管理、
ファイナンス、
ロジスティクスなどトータルサービスの提供により顧客の業務サポートを図っています。
これらの活動において、
当社および連結子会社は製品・サービスの代理店あるいは技術導入に係るエージェント、
資金提供者、
投資家、
プロジェ
クトオーガナイザーであり、
市場開拓や資源開発といった役割も担っています。
この他デリバティブや様々なヘッジ手段を駆使して顧客の市場
リスクの回避にも貢献しています。
連結財務諸表の作成基準 ー当連結財務諸表は、
当社の所在地であり、
主たる活動の拠点である日本の通貨
(日本円)
により開示を行っています。
2002年3月31日に終了した事業年度に係る米ドル金額は、利用者の便宜のため、2002年3月31日現在の円相場1米ドル=133円で換算していま
す。
これらが米ドル建てで表示されているからといって、
上記あるいはその他のレートで円金額が米ドルに換金できるということを意味するも
のではありません。
当社および国内の連結子会社は日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に従って会計帳簿を記録し、
財務諸表を作成しています。
また、
海外の連結子会社は所在する国において一般に公正妥当と認められた会計原則に従って会計帳簿を記録し、
財務諸表を作成しています。
当連結財務諸表には米国において一般に公正妥当と認められた会計原則
(以下
「U.S. GAAP」
)
に適合するために、
一定の調整と組替が反映され
ています。
これらの修正事項は法定帳簿には記録されていません。
2001年3月31日に終了した年度の連結財務諸表の作成後、当社および連結子会社は、最近公表されたEmerging Issue Task Force(EITF)第
99-19号「契約当事者における収益の総額表示と代理人における収益の純額表示」の要求に従い、一部の取引については収益とそれに係るコス
トを総額表示することとしました。
その結果、
売買取引に係る差損益および手数料と製造業およびその他の事業における収益が、
各期の連結損
益計算書に区分表示されています。
当原則の遡及適用による総利益、
純利益、
株主持分への影響はありません。
連結損益計算書上の
「売上高
(Operating Transactions)
」は自主的開示項目であり、
収益と当社および連結子会社が契約当事者あるいは代理
人として行った売上契約の合計です。
尚、
当社および連結子会社の役割が仲介人として限定されている取引の契約は含んでいません。
また同売
収益とは一致しません。
同売上高は同業の日本の商社で主に用いられる非U.S. GAAPの指標であり、
上高はU.S. GAAPによるところの売上高、
収益と同義でもこれに替わるものでもありません。
同時に業績指標や営業・投資・財務活動の結果としての流動性やキャッシュ・フローの状況を
示すものでもありません。
2002年3月31日に終了した事業年度の表示方法に合わせ、過年度の連結財務諸表を一部組替表示しています。
page
72
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2. 重要な会計方針の要約
当連結財務諸表の作成に当たって採用した重要な会計方針は以下の通りです。
a. 連結の基本方針ならびに子会社、関連会社に対する投資の会計処理
当連結財務諸表は、
当社および連結子会社の勘定を含んでいます。
関連会社は、
20%以上50%以下を所有する会社および20%未満であっても
重要な影響力を行使しうる会社、
コーポレートジョイントベンチャーからなっています。
関連会社に対する投資は、
持分法を適用しています。
連
結会社間の重要な取引ならびに債権債務は、
すべて相殺消去されています。
連結子会社および関連会社に対する投資の取得原価が、
取得時にお
ける被投資会社の純資産の公正価額に占める持分額を超える場合
(以下
「暖簾」
)
、
その差額を通常10年ないしは20年にわたって償却しています。
(暖簾に関する会計基準については注記2.rをご参照下さい。
)
当連結財務諸表の作成に当たり、
一部の連結子会社については、
連結決算日前3ヶ月以内に終了する事業年度の財務諸表を用いています。
こ
れらの子会社の大半は12月31日を年度末とする会計年度を採用しています。
これらの子会社に3月31日までの財務報告を求めることは現実的
ではないためです。12月31日から3月31日の間に修正または開示を必要とするような重大な事象は発生していません。
連結子会社あるいは関連会社は、
当社および連結子会社の当該会社に対する1株当たりの持分額を越える、
あるいは下回る価格で、
第三者に
対して株式を発行することがあります。このような取引による持分の増減はその株式の発行があった年度の損益計算書に計上しています。
b. 外貨換算
外貨建財務諸表は、米国財務会計基準書
(Statement of Financial Accounting Standards、
以下
「SFAS」
)
第52号
「外貨換算」
に従って換算して
います。
この基準書に従って、
海外子会社および関連会社の資産および負債は、
それぞれの決算日時点の為替レートによって日本円に換算して
います。
収益および費用は、
期中平均レートで換算しています。
換算により生じる差額は、
税効果後の金額を
「累積その他の包括損益」
に含めてい
ます。
外貨建債権債務は、
決算日時点の為替レートで日本円に換算されています。
外貨建債権債務の換算から生ずる換算差額は、
為替差損益とし
て認識し、
連結損益計算書の
「その他の費用ー純額」
の項目に含めています。
c. 短期運用資産およびその他の投資
すべての債券および市場性のある株式は、
(1)
売買目的有価証
SFAS第115号「負債証券および特定の持分証券への投資の会計処理」に基づき、
券
(公正価額で評価し、
未実現評価損益は損益として認識する)
(2)
売却可能有価証券
(公正価額で評価し、
未実現評価損益は損益計算書には含
満期保有目的債券
(償却原価で評価)
に分類
めず、
損益が実現するまでの間、
資本の部の
「累積その他の包括損益」
に税効果後の価額を計上)
(3)
しています。分類の妥当性はSFAS第115号に従って毎期末に再検証しています。
売却した有価証券の取得原価は、移動平均法により算定しています。
当社および連結子会社は、
満期保有目的債券および売却可能有価証券の公正価額を定期的に評価し、
個別銘柄ごとに投資原価を下回っていな
いかどうか、
もし下回っていた場合それが一時的なものかどうかを判断します。
その下落が一時的でないと判断された場合には、
公正価額まで
評価減を行います。一時的な下落か否かは、
米国証券取引委員会
(Securities and Exchange Commission、
以下
「SEC」
)により公表された職員
会計公報(Staff Accounting Bulletin、以下「SAB」)
第59号「市場性のある長期持分有価証券」の指針を考慮に入れた上で判断しています。その
下落が一時的なものではないとみなされる場合には評価損をその期の連結損益計算書に計上します。
d. 貸倒引当金
貸倒引当金は、
主として過去における貸倒実績および期末債権の貸倒見積り高に基づいて必要額を計上しています。
貸付金については、
契約内容により全額を回収することができない可能性がある際に貸倒引当金を計上しています。損失額は将来の見積り
キャッシュ・フローを債権の実効金利で割り引いた現在価値、
または当該債権の市場価格あるいは担保物件の公正価額を用いて算出します。
e. 棚卸資産
棚卸資産は主に、
商品、
原材料から成り、
原価
(主として移動平均法あるいは個別法による)
あるいは時価
(現時点での再取得原価に基づく)
の
いずれか低い価格
(低価法)
により評価しています。
f. 有形固定資産
有形固定資産は取得原価で表示しています。有形固定資産の減価償却費は、建物に対しては通常10年から50年、機械設備に対しては5年か
ら20年の範囲で当該資産の見積り耐用年数に基づき、当社および国内連結子会社の保有資産については定率法、
海外連結子会社の保有資産に
ついては定額法により算定しています。賃借資産の改造費などは、物件の耐用年数またはリース期間のうち短い方の期間で償却しています。
多額の改良費および追加投資は取得原価で資産計上しています。メンテナンス、修繕、少額の更新、改良に要した費用は発生時の費用として処
理しています。
page
73
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
g. 長期性資産
当社および連結子会社が保有し、
かつ使用する長期性資産については、
帳簿価額を回収できなくなる可能性を示す事象や状況の変化が生じた
場合には、
減損の有無を検討しています。
減損の有無については、
帳簿価額と当該資産の見積りキャッシュ・フローを比較して判定します。
当該
資産に減損が発生していると判定された場合の減損額は帳簿価額が公正価額を上回った差額とします。
処分予定の長期性資産については、
帳簿
価額または公正価額から処分費用を差し引いた価額のいずれか低い額で評価しています。
h. 従業員退職給付制度
当社および連結子会社は、
確定給付型年金制度および退職一時金制度のいずれかまたは両方を採用しています。
年金費用は、
年金数理計算に
基づいて算定しています。
退職一時金制度に関する費用は、
原則として確定給付債務、
即ち貸借対照表日における自己都合要支給額に基づいて
計上しています。
i. 株式による報酬制度
SFAS第123号の「株式に基づく報酬制度」では、株式による報酬制度にかかる費用を公正価額で計上することを薦めていますが、義務付けて
はいません。
当社および連結子会社では、会計原則審議会
(Accounting Principles Board、以下「APB」)
意見書第25号「従業員に発行した株式
の会計処理」
およびそれに関連する解説書に従い、
本源的価値法を用いて株式による報酬制度の会計処理を行っています。
これにより、
権利付与
日の引値がオプションの権利行使価格を上回る場合には、
その超過相当分を報酬制度にかかる費用として損益計算書に計上することになりま
す。
権利付与日と権利確定日が異なるオプションについては、
報酬費用は行使期間にわたって比例配分しています。
当社および連結子会社は、
2001年3月31日および2002年3月31日終了の事業年度においては、権利行使価格が付与日の引値を上回ったため、株式による報酬制度の費用
は計上していません。
j. 収益認識
1999年12月SECにより、U.S. GAAPでの財務諸表作成における、収益の認識についての指針を与えるものとして、SAB第101号「財務諸表に
財政状態および経営成績に重大
おける収益の認識」
が公表されました。
当社および連結子会社は2000年4月1日に遡って適用いたしましたが、
な影響はありませんでした。
売買取引に係る差損益および手数料
当社および連結子会社は、契約当事者および代理人として関わる様々な売買取引業務に関する差損益および手数料を収益としています。こ
れらは、顧客が商品や製品を購入あるいは販売する際に支援を行い、その役務に対する対価として手数料を受け取っているものです。当社お
よび連結子会社が契約当事者として在庫を保有し、
商品の売値と買値の差額を損益として計上するといった取引も行っています。差損益およ
び手数料は、
実現時または実現が可能となった時点、入金時点に計上しています。具体的には、a)説得力のある契約などが存在すること、b)物
の引渡しまたは役務の提供が完了していること、c)売価格が確定しているか確定可能なこと、d)代金回収可能性が合理的に確保されている
こと、とされます。
製造業およびその他の事業からの収益
製造業およびその他の事業には、
エレクトロニクス、
金属、
機械、
化学品、
一般消費財といった幅広い製品の製造やファイナンス、
物流サービス、
情報通信、
技術支援などの多種多様なサービスおよび資源開発が含まれます。
当社および連結子会社は、
倉庫業や設備機器のファイナンスリー
スなどリース・レンタル業にも従事しています。
これら製造業およびその他の事業は、
主として連結子会社を通じて行われています。
製造業関連ー製造業については受渡し条件を満たした時点で収益を認識しています。通常、
以下の時点で受渡し条件を満たしたと見なし
ています。
即ち、
顧客が商品を受け取った時点あるいは倉庫証券の交付が完了した時点、
検収が完了してそれ以降の義務がなくなり、
顧客
の最終受入が確実となった時点などです。
長期の建設工事案件の場合は契約内容により、
発生コストと工事の進捗状況が対応しない場合
には工事完成基準、両者に合理的な対応関係が認められる場合には工事進行基準により収益を計上しています。
サービス関連 ーサービス関連の収益は、契約に基づきサービスが顧客に提供された時点で計上しています。
レンタル事業 ーレンタル事業およびオフィスビルや航空機、その他資産のリース事業に係る収益はリース期間を通じて定額法によって
収益を認識しています。
k. 広告宣伝費
広告宣伝費は発生した時点で費用として計上しています。2001年3月31日および2002年3月31日終了の事業年度の広告宣伝費はそれぞれ
3,440百万円、3,105百万円(23百万米ドル)でした。
l. 研究開発費
研究開発費は発生した時点で費用として計上しています。2001年3月31日および2002年3月31日終了の事業年度の研究開発費はそれぞれ
2,847百万円、3,781百万円(28百万米ドル)でした。
page
74
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
m. 法人税等
法人税等は、連結損益計算書上の税引前利益に基づいて計算されています。
会計上と税務上の資産負債の差額から生じる一時差異に対する税効果は、
税務上の繰越欠損金に対する税効果と同様、
当該一時差異が課税所
得に影響を与えると見込まれる将来の期間に対応する法定税率を用いて計算しています。
繰延税金資産のうち、
実現が不確実であると考えられ
る部分に対しては評価性引当金を設定しています。
連結子会社の未分配利益については、
再投資を行うため今後とも留保すると当社が考える場合、
もしくは、
本邦における現行の税制のもとで
は配当金として分配されても課税されない場合には、これに係る法人税等を計上していません。
n. デリバティブ
当社および連結子会社は、主として金利変動リスクの管理や為替変動リスクの軽減、
様々な在庫や取引契約のリスクヘッジのためにデリバ
ティブを利用しています。
2001年4月1日、当社および連結子会社はSFAS第133号「派生商品およびヘッジ活動に関する会計処理」を適用いたし
(両者をまとめて以下
「SFAS第133号」
という)
により一部改定されていますが、
デリバティブおよびヘッジ
ました。
この基準書はSFAS第138号
に関する会計処理および開示基準を規定するものです。
SFAS第133号は、すべてのデリバティブを公正価額により貸借対照表に計上し、ヘッジ
関係の認定と有効性の基準を定めています。
SFAS第133号採用による公表利益への影響は軽微でした。また、未実現損失5,361百万円(40百万
(11百万米ドル)
が連結貸借対照表の
「累積その他の包括利益
(AOCI)
」
に計上されました。
米ドル)
およびこれに伴う税効果1,473百万円
AOCIに
計上されていた、
会計原則変更時の未実現損失額4,259百万円
(32百万米ドル)
は2002年3月期に損益に振り替えられ、
ヘッジの対象となる取引
の利益と相殺されました。
デリバティブ契約の実行日において、
当社および連結子会社は、
ヘッジ区分上当該ヘッジがヘッジ会計の要件を満たす場合には、
公正価額変
動ヘッジ、
キャッシュ・フロー・ヘッジのいずれであるかを指定します。
公正価額変動に対するヘッジとして指定されたデリバティブの価格変動
は損益計上され、
ヘッジ対象資産や負債、
契約の公正価額変動による損益と相殺されています。
キャッシュ・フロー変動リスクに対するヘッジと
して指定されたデリバティブの価格変動は、
当初AOCIとして繰り延べられ、
ヘッジ対象の取引が実行される時点で損益に組替えられています。
ヘッジとして指定されていないデリバティブおよびディーリング目的のために保有・売却されたデリバティブの公正価額変動は直ちに損益に
計上されます。
(注記9「デリバティブおよびヘッジ活動」
をご参照下さい。
)
o. 財務諸表を作成するに当たっての見積りの使用
連結財務諸表をU.S. GAAPに基づいて作成するに当たり、
当社は連結財務諸表の報告金額に影響を与えるような見積りや前提条件を使用し
ています。
見積りに内在する不確実性のため、
見積りと実績とが異なる場合があります。
当社の連結財務諸表における重要な見積りとしては貸
倒引当金と投資の評価があります。
p. 1株当たり当期純利益
1株当たり当期純利益は、当期純利益を算定期間における発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。潜在株式調整後1株当
たり当期純利益は、
潜在的普通株式であるストックオプションの希薄化効果の影響を調整した加重平均発行済株式数をもって算定しています。
(注記16
「1株当たり当期純利益」
をご参照下さい。
)
q. 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書における現金同等物とは、
換金が容易で、
かつ価値変動リスクが僅少な流動性の高い投資
(短期の定期預金を含
む)
です。
キャッシュ・フローに関する補足情報は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
年間支払額:
利息(資産計上額を除く). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥96,023
58,762
¥71,200
70,702
$535
532
キャッシュ・フローを伴わない投資および財務活動:
被投資先の企業統合に伴う株式の交換:
取得した株式の公正価額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
交換に供した株式の投資原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
市場性のある株式の従業員退職給付信託への拠出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥25,168
883
79,967
¥ 2,320
1,159
41,181
$ 18
9
310
r. 最近公表された会計基準
2001年7月20日、米国財務会計基準審議会(Financial Accounting Standards Board(以下「FASB」)はSFAS第141号「企業統合」およびSFAS
第142号
「暖簾およびその他の無形固定資産」
を公表しました。
これらの基準書は企業統合と暖簾の会計処理を大きく2つの点で変更しています。
SFAS第141号は2001年7月1日以降における企業統合のすべてをパーチェス法によって処理することを義務付けています。持分プーリング法
page
75
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
の使用は禁止されます。
SFAS第142号では暖簾の会計処理方法を償却法から減損処理法のみに変更しました。従って、2002年4月1日の当基準
書適用により、
当社および連結子会社は持分法の投資対象に関連する暖簾、
耐用年数が確定できない無形固定資産、
過去の企業統合で計上され
た暖簾を含めた暖簾の償却を行っていません。
さらに2001年7月1日以降に取得した暖簾および耐用年数が確定できない無形固定資産には直
ちにSFAS第142号が適用され、
償却対象の資産または償却対象外の資産のいずれかに区分されます。
これにより、損益計算上税引後で年間約
6,000百万円(45百万米ドル)の収益増加がもたらされます。また、SFAS第142号適用日に存在する未償却の逆暖簾は会計原則の変更による累
積影響額として計上しなくてはなりません。
当社および連結子会社は本会計原則の変更による累積影響額として税効果後で約8,500百万円
(64
百万米ドル)
の収益を計上することとなります。
当社および連結子会社はSFAS第142号の適用日から6ヶ月以内に減損判定を開始し、
年度末ま
でに完了させることを要求されています。
当社および連結子会社において、
暖簾および耐用年数が確定できない無形固定資産に求められる減損
判定による、損益や財政状態への影響があるとしてもその金額はまだ確定していません。
2001年8月16日、FASBはSFAS第143号「資産除却にかかる債務に関する会計処理」を公表しました。当基準書は2002年6月16日以降開始す
る会計年度に発行される財務諸表から適用となります。
基準書は長期性資産の除却および関連する除却費用の認識と測定について規定してい
ます。当社は当基準書を適用しても連結ベースの財政状態と経営成績には重大な影響はないと見ています。
2001年10月3日、FASBはSFAS第144号「長期性資産の減損または処分に関する会計処理」を公表いたしました。当基準書は2001年12月16日
以降開始会計年度に発行される財務諸表から適用されます。
SFAS第144号はすべての長期性資産(非継続事業を含む)に適用され、売却により
処分される予定の長期性資産について統一された会計処理方法を規定しています。
当社および連結子会社では当基準書の適用が経営成績およ
び財政状態に与える影響を評価中です。
2002年4月1日、FASBはSFAS第145号「SFAS第4号、44号および64号の廃止、SFAS第13号の改定、および技術的修正」を公表いたしました。
当基準書はSFAS第4号
「債務の償還損益についての報告」
を廃止し、
SFAS第64号「減債基金要件を満たすための債務の償還」を修正するもので
す。
当基準書はまたSFAS第13号
「リース会計」
を修正し、セールスリースバック取引と同様の経済効果をもたらすリース取引について、
セール
スリースバック取引の会計処理を適用することを要求しています。
SFAS第4号の廃止に関する条項は2002年5月16日以降開始会計年度から適
用され、
SFAS13号に関連する条項は2002年5月16日以降発生する取引より適用、その他の条項については2002年5月16日以降に発行される
財務諸表について適用されますが、
それ以前に適用することも可能です。
当社はこれらの適用によっても、
連結子会社を含む業績および財政状
態には重大な影響がないと考えています。
3. 企業の合併と分割
QCT Resources Limitedー2000年10月に当社は100%子会社であるMitsubishi Development Pty. Ltd.(以下「MDP社」)を通じて、BHP Billiton
Limited(以下「BHP Billiton社」)と共同で、QCT Resources Limited(以下「QCT社」)を現金にて買収しました。QCT社は、CQCA J/V並びにGregory
J/Vなどオーストラリアの複数の石炭採掘ジョイントベンチャーの権益を保有している会社です。MDP社も既にこれらのジョイントベンチャー
の少数権益を保有しています。
本買収において、
MDP社はQCT社株式の50%の対価として413百万豪ドル(26,265百万円相当)の現金を支払い、
2001年3月31日終了の事業年度において同社を持分法で連結しました。2001年6月に、MDP社はBHP Billiton社よりQCT社の残り50%の株式
とCQCA J/VおよびGregory J/Vの権益を追加取得し、合わせて1,005百万豪ドル
(67,104百万円相当)を支払いました。
この買収により、MDP
社とBHP Billiton社はCQCA J/VおよびGregory J/Vの権益の50%をそれぞれ保有することになりました。
この買収はパーチェス法で計上され
ています。
QCT社の業績は2002年3月31日終了の事業年度において当社および連結子会社に連結されています。ジョイントベンチャー権益は
実質的には採掘権であることから、
貸借対照表では無形固定資産として計上し、
生産高比例法を使って償却しています。
Tangguh LNG Project ー 2001年7月、当社はOccidental Berau of Indonesia LLC(以下「OXY Berau社」)をOccidental International Oil and Gas
Ltd.より現金503百万米ドル(63,086百万円相当)で取得しました。OXY Berau社はインドネシア・BerauのLNGジョイントベンチャーである、
Berau Production Sharing Contract(以下「Berau PSC」)の権益の22.856%を保有し、隣接する3ブロック(Berau, Muturi, Wiriagar)に広がる
ガス田から2006年にLNG生産を開始する予定のTangguh LNGプロジェクトに参画していました。2001年10月、
OXY Berau社はBerau PSC
の持分をMI Berau B.V.
(以下
「MI Berau社、
オランダの企業」
)
に譲渡しました。
MI Berau社は当社の100%子会社であるDiamond Gas Indonesia
B.V.が56%を、INPEX CORPORATION(以下「INPEX社」)が44%を出資している企業です。INPEX社はMI Berau社株式の44%に対して221百
万米ドルを現金で支払いました。OXY Berau社は権益譲渡後解散しました。
OXY Berau社とMI Berau社の業績は取得日より2002年3月31日
終了の事業年度の当社および連結子会社の業績に連結されています。
Berau PSCの権益取得費用は無形固定資産として計上され、商業生産開
始以降、
生産高比例法により償却される予定です。
Aristech Chemical Corporation ー 2001年1月、当社および米国子会社は米国の石油化学製品製造子会社であるAristech Chemical Corporation
(以下
「Aristech社」
)
の株式を売却し、
2001年3月31日終了の事業年度において45,637百万円の損失を計上しました。売却と併せて、関連する外
貨換算勘定7,489百万円を
「当期純利益」へ組替えました。Aristech社のアクリル事業は継続して保有しています。
page
76
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
4. 短期運用資産およびその他の投資
債券および市場性のある株式 ー SFAS第115号に基づき、
当社および連結子会社が保有している市場性のある株式、
および社債やコマーシャル
ペーパーを中心とする債券は、
売買目的有価証券に分類される場合を除き、
売却可能有価証券および満期保有目的債券に分類されています。
2001
年3月31日、
2002年3月31日終了の事業年度末における、売買目的有価証券、売却可能有価証券、満期保有目的債券に分類された有価証券(当社
および連結子会社が信託会社との信託契約により受益者となっている運用資産を含む)に関する情報は以下の通りです。
単位:百万円
2001年3月31日現在
取得原価
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現保有益
未実現保有損
公正価額
¥ 40,745
¥437,233
45,412
541,650
¥280,130
70
2,439
取得原価
未実現保有益
¥(21,984)
(657)
695,379
45,482
543,432
単位:百万円
2002年3月31日現在
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現保有損
公正価額
¥ 36,204
¥399,276
345,249
245,129
¥213,775
79
6,012
¥(31,403)
(1)
(1,237)
581,648
345,327
249,904
単位:百万米ドル
2002年3月31日現在
取得原価
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現保有益
未実現保有損
公正価額
$ 272
$3,002
2,596
1,843
$1,607
1
45
$(236)
(9)
4,373
2,597
1,879
SFAS第133号では、新会計基準適用時に満期保有目的債券の、売却可能有価証券または売買目的有価証券への振替が認められています。この
区分変更により、
残りの満期保有目的債券を満期まで保有する意志がないと見なされることはありません。
当社および連結子会社では満期保有
目的債券を293,626百万円(2,208百万米ドル)を2001年4月1日に売却可能有価証券に振り替えました。
2002年3月31日終了の事業年度末において売却可能有価証券および満期保有目的債券に分類している債券の期日別の貸借対照表価額は以
下の通りです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
売却可能
有価証券
満期保有
目的債券
売却可能
有価証券
満期保有
目的債券
1年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年超5年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5年超10年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥120,691
224,603
33
¥ 48,689
124,842
70,815
783
$ 907
1,689
1
$ 366
939
532
6
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥345,327
¥245,129
$2,597
$1,843
page
77
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2001年、2002年3月31日終了の事業年度末における売却可能有価証券の売却収入、売却益および売却損の総額は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
売却収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥267,357
¥204,045
$1,534
売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 75,787
(257)
¥ 34,530
(1,243)
$ 259
(9)
売却損益(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 75,530
¥ 33,287
$ 250
損益計算書に含まれる売買目的有価証券の未実現損益の変動額は、
2001年、2002年3月31日終了の事業年度末において、それぞれ856百万円
および120百万円(1百万米ドル)の利益です。
2001年、2002年3月31日終了の事業年度末において、売却可能有価証券に分類された市場性のある株式のうち、時価の下落が一時的ではな
いと判断され、
計上された評価損はそれぞれ43,043百万円、
14,926百万円(112百万米ドル)です。
当社が売却可能有価証券に分類している投資先企業による企業統合に関連して、取得株式の公正価額と帳簿価額との差額に基づき、当社は
2001年および2002年3月31日終了の事業年度においてそれぞれ4,818百万円、1,161百万円(9百万米ドル)の株式交換益を計上しています。
2000年6月に41%保有の米国関連会社であるPhotonic Integration Research Inc.(以下「PIRI社」)に対する当社および連結子会社の持分
(以下
「SDL社」
)
が買収したことに関連して、
当社および連結子会社は、
を、
資本関係のない第三者であるSDL Inc.
81,406百万円の株式交換益を
計上しました。
当株式交換益は、
SDL社による買収前のPIRI社株の帳簿価額と、SDL社より受け取った株式の公正価額との差額によるものです。
SDL社に対しては重要な影響力を持っていないことから、SDL社への投資を売却可能有価証券として分類しました。本取引に続いて、当社はSDL
社株すべてを売却し、
その結果27,145百万円の利益を2001年3月31日終了の事業年度の「有価証券損益」に計上しました。
2000年9月および2002年3月、当社は売却可能有価証券に分類された市場性のある株式の一部を、当社の適格退職年金制度および厚生年金基
金制度のために設定した従業員退職給付信託に拠出しました。
これら有価証券の拠出時の公正価額はそれぞれ79,967百万円および41,181百
万円
(310百万米ドル)
であり、
退職給付信託設定益43,187百万円および26,226百万円
(197百万米ドル)
を2001年および2002年3月31日終了
の事業年度にそれぞれ計上しています。
債券および市場性のある株式以外の投資 ー「その他の投資」は、子会社・関連会社以外の、顧客や仕入先、金融機関などに対する非上場の投資か
ら成り、
優先株式、
長期の定期預金などを含んでいます。
2001年、2002年3月31日終了の事業年度末の残高は、それぞれ406,012百万円、379,764
百万円(2,855百万米ドル)です。
市場性のない非関連会社に対する投資は、
取得原価で計上されています。
しかし、
投資価値が下落し、
その下落が一時的でないと判断された場
合、
当該投資は見積り公正価額まで評価減されます。
2001年、2002年3月31日終了の事業年度において、価値の下落が一時的ではないと判断し、
計上した評価損は、それぞれ29,271百万円、
19,962百万円(150百万米ドル)です。
5. 関連会社に対する投資および債権
関連会社の事業は製造、
資源開発およびサービスの各分野にわたっており、
当社および連結子会社の取引上、
重要な購入者または供給者となっ
ています。
主たる営業地域は日本、
アジア、
オセアニア、
ヨーロッパおよび北米です。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末の関連会社に対する投資および債権の残高は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥536,530
107,393
¥557,417
86,648
$4,191
652
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥643,923
¥644,065
$4,843
上記の投資には、2001年3月31日において170,052百万円の他社株転換権付社債
(Exchangeable Bonds、
以下
「EB」
)を含んでいます。
当EB
は株式会社ローソン
(以下
「ローソン」
)
の普通株式に強制転換されます。
EBおよびそれに関連する契約により、2001年3月31日において当社は
ローソンの20%の議決権を有していました。
さらに、当社および連結子会社は、
2001年2月および3月に、ローソンの8.02%の株式を36,651百
万円で取得しました。
page
78
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2001年8月にローソンは自己株式を取得・消却したため、当社および連結子会社の持ち株比率は約2%高まりました。加えて、当社および子会
当社はローソンの発行済み株式の30.1%を保有しています。
社はEBをローソンの普通株式と交換しました。2002年3月31日現在で、
2002年3月31日終了の事業年度において、最近の株式市場の状況を含めたすべての要因を鑑み、当社および連結子会社はローソンへの投資
について、税効果後で18,151百万円
(136百万米ドル)の暖簾の一時償却を行いました。この償却額はローソンに対する投資の帳簿価額と、見
積り公正価額との差額で、連結損益計算書の「持分法による投資損益(税引後)
」に計上しています。
公正価額は、
当社による将来のキャッシュ・
フロー予測、7%の加重平均資本コスト、ローソン株の市場取引価格を基にして独立した鑑定人が割引キャッシュ・フロー分析法を用いて算出
しています。
2001年3月31日終了事業年度において、当社および連結子会社の持分法適用会社であるMitsubishi Motors Australia Ltd.(以下「MMAL社」)
は筆頭株主から追加資本を得ました。
当社および連結子会社は当株式払い込み請求に応じず、
その結果、
MMAL社に対する出資比率は約40%か
本取引の結果、
当社はMMAL社の業務に対する影響力行使の能力を失ったため、
本投資先に対する会計処理方法を持分
ら12%へ低下しました。
法から原価法へと変更いたしました。
この変更に伴い、
10,092百万円を外貨換算調整勘定からその他の損益に振替えました。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末における関連会社に対する投資額には、暖簾の未償却残高がそれぞれ164,958百万円およ
び136,784百万円(1,028百万米ドル)含まれています。
関連会社に対する投資額には、2001年および2002年3月31日終了の事業年度末において、それぞれ256,997百万円および233,126百万円
の市場性のある株式が含まれています。
それらの時価は、
(1,753百万米ドル)
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末において、ローソ
ンの株式時価122,319百万円、122,432百万円(921百万ドル)
を含めてそれぞれ238,541百万円、
231,496百万円(1,741百万米ドル)です。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度において持分法を適用している関連会社の財務情報は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2001年
2002年
2002年
流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,628,795
1,335,668
554,625
¥2,157,212
1,528,275
1,446,317
$16,220
11,491
10,874
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,519,088
¥5,131,804
$38,585
流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,411,481
976,772
2,279
1,128,556
¥2,294,463
1,463,736
4,387
1,369,218
$17,251
11,006
33
10,295
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,519,088
¥5,131,804
$38,585
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,631,125
¥3,924,560
$29,508
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 814,319
¥ 876,937
$ 6,594
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
¥ 106,499
$
90,228
801
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末において連結売上高には、関連会社に対する売上高がそれぞれ651,971百万円、588,250百
含まれており、
また、
当社および連結子会社は、
関連会社からそれぞれ770,894百万円、
万円
(4,423百万米ドル)
783,859百万円(5,894百万米ド
ル)
の購入取引を行っています
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における関連会社からの受取配当金は、それぞれ10,611百万円、16,536百万円(124百万米
ドル)です。
page
79
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
6. 貸倒引当金
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における貸倒引当金の推移は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥152,769
¥153,913
$1,157
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
24,053
32,920
248
取崩額:
切捨 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
回収 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(23,628)
481
(20,322)
1,479
(153)
11
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(23,147)
(18,843)
(142)
外貨換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
238
920
7
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥153,913
¥168,910
$1,270
SFAS第114号「貸付の減損に対する債権者の会計」で規定されている、減損が生じていると考えられる貸付金(1年超の売掛金を含む)の総額
は、
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末において、それぞれ132,611百万円および184,536百万円(1,387百万米ドル)であり、これ
に対する貸倒引当金はそれぞれ118,953百万円および126,157百万円(949百万米ドル)です。
2002年3月31日終了の事業年度までの2事業年度に計上された減損債権に係る受取利息は僅少です。減損債権に係る受取利息は原則として
現金主義により計上しています。
7. 有形固定資産
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末の有形固定資産の内訳は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
土地 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建物
(賃借資産の改造費などを含む) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械および装置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建設仮勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却累計額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
2002年
¥ 295,458
477,594
720,814
93,122
¥ 297,070
549,283
789,617
75,893
$ 2,234
4,130
5,937
570
1,586,988
(600,124)
¥ 986,864
1,711,863
(637,680)
¥1,074,183
12,871
(4,794)
$ 8,077
2001年および2002年3月31日終了事業年度の減価償却費は、それぞれ72,218百万円、79,480百万円(598百万米ドル)です。
日本における継続的な地価下落に伴い、
当社および連結子会社は長期性資産の減損について調査を行った結果、
福利厚生施設用地、
賃貸用土
地建物および開発用地の一部については、
将来のキャッシュ・フローによって当該資産の簿価を全額回収できる可能性が低いと判断し、
評価損
を計上しています。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における評価損の金額は、連結損益計算書の固定資産損益(純額)に含まれて
おり、セグメント別の内訳は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
セグメント
2001年
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
180
284
8,140
3,857
16,062
¥28,523
2002年
2002年
¥ 266
530
$ 2
4
5,905
686
45
5
¥7,387
$56
「その他」
は各オペレーティングセグメントに配賦できない、
全社共用資産に係る評価損を表しています。
これらの金額は連結損益計算書の
「固定資産損益
(純額)
」
に含まれており、
これらの資産の帳簿価額と見積り公正価額との差額となります。
見
積り公正価額は主に第三者による鑑定評価または割引キャッシュ・フロー
(DCF)
法に基づいて決定しています。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度において資産計上された利息はそれぞれ1,098百万円および939百万円(7百万米ドル)です。
page
80
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
8. 担保差入資産
2002年3月31日終了の事業年度末における短期借入金、長期債務および取引保証などに対する担保差入資産は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
受取手形、貸付金および売掛金
(短期および長期). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資有価証券(貸借対照表計上額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産(減価償却累計額控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥150,894
30,633
198,052
84,423
$1,135
230
1,489
635
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥464,002
$3,489
単位:百万円
単位:百万
米ドル
¥
$
上記の担保差入資産を見合債務の種類別に分類すると以下の通りです。
短期借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引保証等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,470
436,018
18,514
¥464,002
71
3,278
140
$3,489
当社および連結子会社は、
輸入金融の方法として、
通常、
銀行にトラスト・レシート
(輸入担保荷物保管証)
を差し入れ、
輸入商品またはその売
却代金に対する担保権を付与しています。
輸入業務が量的に膨大であることから、
手形を期日に決済するに当たって、
個々に手形と売却代金と
の関連付けは行っていません。
従って、
これらトラスト・レシートの対象となっている資産総額を確定することは実務上不可能です。
また、
貸付を受けている銀行の中には、
当該注記に記載された担保差入資産の他に担保差入
(あるいは追加担保差入)
を設定する権利を有する
ものがあります。
これらについては、注記11をご参照下さい。
9. デリバティブおよびヘッジ活動
リスクマネジメント ー当社および連結子会社は通常の事業活動において、金利・為替・商品・株式などの変動による市場リスクに晒されていま
す。
これらのリスクを管理するため、
当社および連結子会社はリスクの純額を明確にし、
またナチュラルヘッジを利用しています。
さらに、
リス
クマネジメント方針に則って様々なデリバティブ取引を行い、
取引相手先のリスクや特殊なリスクのヘッジを行っています。
当社および連結子会社が用いる主なデリバティブは金利スワップ、
先物為替予約、
通貨スワップ、
商品先物契約などです。
これらヘッジ手段の
公正価額の変動は部分的または全部が、
対応するヘッジ対象の公正価額またはキャッシュ・フローの変動によって相殺されます。
ヘッジが機能
すると思われる場合には、
常にヘッジ会計の要件を満たすべく、
特定のリスク範囲に対してヘッジの指定を行います。
こうした状況において、
当
社および連結子会社は、
ヘッジの開始時および継続期間中において、
ヘッジとして指定されたデリバティブがヘッジ対象の公正価額もしくは
キャッシュ・フローの変動と高い相殺関係があるかどうか有効性評価を行っています。
そのデリバティブがリスクヘッジに十分に有効でないと
判断された場合には、
ヘッジの会計処理は中止します。
デリバティブ取引にかかる信用リスクを最小限に抑えるため、
取引相手先を信用度の高い主要な国際金融機関に限定すると共に、
特定の相手
先への集中を最小限に抑えています。
また、契約締結後も相手先の信用状況を常時把握しています。
金利リスクマネジメント ー当社および連結子会社の資金調達、
投資、
資金管理などの業務は金利変動による市場リスクに晒されています。
これ
らのリスク管理のため、
当社および連結子会社は金利スワップ契約を行っています。
金利スワップは、
固定金利付資産・負債を変動金利付資産・
負債に転換すると同時に、
変動金利付資産・負債を固定金利付資産・負債に転換するために使われることもあります。
固定および変動の資産・負
債を混在させて、
資産負債に関わるキャッシュ・フローの全体価値を管理しています。
為替リスクマネジメント ー当社および連結子会社はグローバルに企業活動を行っており、
子会社の所在地の現地通貨の他にも、
購入・販売・資金
調達・投資に係る為替リスクに晒されています。
当社および連結子会社の為替リスク管理の方針は、
外貨建の資産と負債、
コミットメントを相殺
してナチュラルヘッジを行ったり、
先物為替予約を利用して外貨のキャッシュ・フローの経済的価値を保全することにあります。
これら外国通
貨建ての契約がSFAS第133号上はヘッジ手段として認められない場合でも、
当社および連結子会社は、
為替レート変動の影響を有効にヘッジし
ていると考えています。
ヘッジ対象となる主要な通貨には米ドル、
ユーロ、
豪ドルがあります。
商品価格リスクマネジメント ー取引および事業活動に使用する多様な商品には価格変動のリスクがあります。
当社および連結子会社は、
リスク
マネジメント手続きに則って、
商品先物や先渡し契約、
オプション、
スワップ契約などを締結し、
商品価格の変動リスクをヘッジしています。
こ
れらの契約はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定された一部の例を除いて、
SFAS第133号のもとではヘッジ手段としては指定していません。
page
81
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
公正価額ヘッジ ー公正価額ヘッジとして認められるデリバティブは、主として固定金利の資産または借入債務を変動金利の資産または借入
債務に転換する金利スワップです。
ヘッジ対象の資産および借入債務の公正価額の変動およびヘッジのためのデリバティブは損益として「そ
の他の費用ー純額」に計上されます。2002年3月31日終了の事業年度においてこれらの公正価額ヘッジのうち、ヘッジの有効性が認められな
かったものの金額は510百万円(4百万米ドル)
でした。
同期間において売買契約に対する公正価額ヘッジで認定を取り消されたものはありま
せんでした。
キャッシュ・フロー・ヘッジ ーキャッシュ・フロー・ヘッジとして認められるデリバティブには、変動金利付借入債務を固定金利付借入債務に転
換する金利スワップおよび一部の債務に対する円ベースでのキャッシュ・フローの変動を除去する通貨スワップ契約が含まれます。
さらに20ヶ
月を超えない商品スワップおよび先物契約もキャッシュ・フロー・ヘッジとして用いられ、
かつ会計上も認められています。
現在の未決済の契約
は2003年までの予想取引をヘッジしています。
キャッシュ・フロー・ヘッジの非有効部分および有効性評価から除外されたヘッジの損益は
「そ
の他の費用ー純額」
に含められています。
2002年3月31日終了の事業年度における金額は107百万円(1百万米ドル)でした。当初AOCIに含めら
れたデリバティブの損益は、
ヘッジ対象取引が損益計算書に計上される際に損益に振り替えられています。2002年3月31日終了の事業年度に
(9百万米ドル)
控除後で4,687百万円
(35百万米ドル)
が損益に振り替えられました。
おいてデリバティブによる純損失は、
税効果額1,132百万円
これらの純損失はヘッジ対象取引の純利益によって相殺されています。
2002年3月31日現在でAOCIに含められていたデリバティブの純損失
約5,000百万円
(38百万米ドル)
は12ヶ月以内に損益に振り替えられる予定です。
同期間に、見積り契約に対するキャッシュ・フロー・ヘッジで
認定を取り消されたものはありませんでした。
ヘッジ以外に用いられるデリバティブ ー当社および一部の連結子会社では、ディーリング業務の一部としてデリバティブを用いています。こ
れらの業務上使用されるデリバティブは、
リスク管理目的で使用されるデリバティブと明確に区別されています。
デリバティブ取引による損失
の可能性を最小化するため、
内部管理基準において運用枠が厳密に設定されており、運用状況は定期的にモニターされています。
10. 金融商品の公正価額
当社および連結子会社は、
通常業務として様々な金融取引を行っています。
営業活動に当たって世界各地で非常に多くの顧客と取引を行って
おり、
これらの顧客に対する債権や保証も非常に多岐にわたっています。
従って、
当社および連結子会社にとって信用リスクの集中は大きな問
題とはなりません。
取引相手の債務不履行時における、
これら金融取引に係る与信リスクは、
与信管理規定による与信限度額の承認および与信
先の財務状況の把握などにより管理しています。
必要に応じて担保などを要求することもあります。
金融商品の見積り公正価額は、
入手可能な市場情報や適切な評価手法を使って算定されます。
しかし、
市場データを用いて公正価額を導き出
すには主観的な判断が必要とされるため、
見積り額は必ずしも実現可能とされる額と一致するわけではなく、
また現在の市場で交換される額を
示すものではありません。異なった算定方法および前提条件を用いた場合には、
見積り公正価額が大きく異なることもあります。
金融商品の見積り公正価額の算定方法および前提条件は以下の通りです。
短期金融資産および負債 ー現金および現金同等物、定期預金、営業債権債務および短期借入金などは、
比較的短期間で満期が到来するた
め、
これらの見積り公正価額は、
帳簿価額とほぼ同額です。
短期運用資産およびその他の投資 ー「短期運用資産」および「その他の投資」に含まれる市場性のある有価証券の公正価額は、市場価格に
基づいています。
有価証券の保有目的区分ごとの公正価額は、
注記4に記載しています。
また、
「その他の投資」
は、
非関連会社である顧客、
仕入先および金融機関などに対する市場性のない投資から成り、
優先株式および長期の定期預金などを含んでいます。
優先株式および長
期の定期預金などの公正価額は、
見積り将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて算定しています。
非関連会社に対する市場性のな
い投資は、
主として約1,000件におよぶ取引先に対する小口の投資であり、その公正価額を見積ることは実務的に困難です。
長期貸付金および長期営業債権並びに関連会社に対する債権 ー公正価額は、
将来の見積りキャッシュ・フローを現在の金利率を適用して
割り引いて見積られています。
長期債務 ー長期債務の公正価額は、
当社および連結子会社が新たに同一残存期間の借入を同様な条件をもって行う場合に適用される利
子率を用いて、
将来の見積りキャッシュ・フローを割り引くことにより見積られています。
デリバティブー公正価額は、ブローカーから入手した気配値または当社および連結子会社にとって利用可能な情報に基づく適切な評価
方法によって算定しています。
page
82
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
下記の表は2001年および2002年3月31日現在の、
SFAS第107号「金融商品の公正価額の開示」のもとで評価された金融商品の帳簿価額およ
び見積り公正価額です。
金融商品として分類されなかったものは表には含まれていません。
単位:百万円
単位:百万米ドル
2001年
金融資産:
短期運用資産以外の短期金融資産
(貸倒引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期運用資産およびその他の投資:
公正価額の見積りが可能なもの . . . . . . . . . . .
公正価額の見積りが実務的に困難なもの . . . .
長期貸付金および長期営業債権並びに
関連会社に対する債権
(貸倒引当金控除後). . .
デリバティブ資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金融負債:
短期金融負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務
「その他の固定負債」
(1年内の期限到来分および
に含まれる長期営業債務を含む). . . . . . . . . . .
デリバティブ負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年
2002年
帳簿価額
見積り公正価額
帳簿価額
見積り公正価額
帳簿価額
見積り公正価額
¥2,986,195
¥2,986,195
¥2,977,740
¥2,977,740
$22,389
$22,389
1,323,256
406,012
1,325,038
1,208,308
379,764
1,213,083
9,085
2,855
9,121
782,916
782,193
181,045
732,441
112,177
704,798
112,177
5,507
843
5,299
843
3,081,840
3,081,840
2,571,137
2,571,137
19,332
19,332
3,381,156
3,464,432
96,658
3,871,403
61,343
3,793,154
61,343
29,108
461
28,520
461
金利率
単位:百万
米ドル
11. 短期借入金および長期債務
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末における短期借入金の内訳は以下の通りです。
2001年
単位:百万円
銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
コマーシャルペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 445,676
608,835
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥1,054,511
2002年
金利率
3.5%
0.6
単位:百万円
¥384,038
297,707
¥681,745
金利率は、2001年および2002年3月31日終了の事業年度末の借入金残高ベースの加重平均レートを表しています。
page
83
2002年
2.5%
0.2
$2,888
2,238
$5,126
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2001年および2002年3月31日終了の事業年度末における長期借入債務の内訳は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
担保付長期債務(注記8参照)
:
銀行および保険会社
2015年までに順次返済期限到来ー年利率は主として0.7%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . .
政府出資銀行および政府機関
2018年までに順次返済期限到来―年利率は主として2%∼6.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . .
銀行およびその他(外貨建)
2016年までに順次返済期限到来―年利率は主として1%∼8.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府出資銀行(外貨建)
2016年までに順次返済期限到来―年利率は主として4%∼8.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
無担保長期債務:
銀行および保険会社
2027年までに順次返済期限到来―年利率は主として0.1%∼4.9% . . . . . . . . . . . . . . . .
政府出資銀行および政府機関
2024年までに順次返済期限到来―年利率は主として1%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府出資銀行(外貨建)
2015年までに順次返済期限到来―年利率は主として2%∼6.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . .
銀行およびその他(外貨建)
2016年までに順次返済期限到来―年利率は主として2.0%∼7.9% . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2008年満期、
可変固定利率2.0%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2008年満期、
変動利率、2002年3月31日現在0.79%). . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2010年満期、
可変固定利率1.5%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率1.23%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債(2013年満期、
可変固定利率1.3%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限繰延条項付社債(2005年満期、
変動利率、2002年3月31日現在0.395%). . . . . . .
円建普通社債(2004年満期、
変動利率、
2002年3月31日現在0.546%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2004年満期、
固定利率0.89%∼1.04%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2002∼2006年満期、
固定利率1.35%∼2.3%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2008年満期、
固定利率2.11%∼2.125%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2009年満期、
固定利率2.08%∼2.58%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2010∼2019年満期、
固定利率2.07%∼3.18%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債(2010年満期、変動利率、2002年3月31日現在2.616%∼2.823%). . . . . . .
円建普通社債(2013∼14年満期、
固定利率、1.5∼2.1%、
変動利率への変更条件つき) . . .
円建普通社債(2013∼14年満期、変動利率、
2002年3月31日現在0.846%∼1.097%). . .
ドル建普通社債(2005年満期、
固定利率3.6%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円・米ドル・リバースデュアルカレンシー社債(2009年満期、
固定利率3.0%). . . . . . . . . .
円・豪ドル・デュアルカレンシー社債(2007年満期、
固定利率3.17%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建ミディアム・ターム・ノート
利率0.87%∼7.8%、
(2001年:2001年∼2019年満期、
2002年:2002年∼2019年満期、利率0.87%∼7.8%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
米ドル建ミディアム・ターム・ノート
利率5.71%∼8.0%、
(2001年:2001年∼2011年満期、
2002年:2002年∼2011年満期、利率2.15%∼8.0%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
豪ドル建ミディアム・ターム・ノート(2001年:2003年満期、
利率8.92%). . . . . . . . . . . . .
英ポンド建ミディアム・ターム・ノート(2001年:2001年満期、
利率7.41%). . . . . . . . . . .
円建コマーシャルペーパー、平均利率0.06% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
77,237
2002年
¥
48,437
2002年
$
364
110,856
91,470
688
68,581
174,022
1,308
14,610
39,749
299
271,284
353,678
2,659
1,288,481
1,357,244
10,205
75,633
83,975
631
164,063
206,590
1,553
463,492
26,000
5,000
10,000
15,000
2,708
443,943
26,000
5,000
10,000
10,000
10,000
35,000
10,000
20,000
110,000
60,000
120,000
117,000
57,000
45,000
20,000
19,987
15,000
3,114
3,338
195
38
75
75
75
263
75
150
827
451
903
880
429
338
150
150
113
23
234,595
182,824
1,375
50,037
2,786
333
52,743
397
210,000
1,579
55,000
10,000
20,000
110,000
60,000
120,000
117,000
57,000
1,361
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,888,489
3,230,420
24,288
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,159,773
3,584,098
72,462
26,947
545
3,159,773
(361,621)
3,656,560
(423,305)
5,616
27,492
(3,182)
42
SFAS第133号による公正価額への修正* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引1年内期限到来分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引
「1年内期限到来分」
に関連するSFAS第133号による公正価額への修正* . . . . . . . . . . . .
長期債務(1年内期限到来分控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥2,798,152
¥3,238,871
* 2001年4月1日より、当社および連結子会社はSFAS第133号の導入を行い、貸借対照表上にヘッジ対象の負債を公正価額で計上しています。
page
84
$24,352
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2002年3月31日以降の長期債務の契約上の返済年度別内訳は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2003年3月31日(流動負債に含む). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年3月31日以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 423,305
378,760
414,210
678,114
278,765
1,410,944
$ 3,182
2,848
3,114
5,099
2,096
10,608
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,584,098
$26,947
当社および連結子会社は、
主に短期借入金および長期債務の一部に係る金利変動リスクおよび為替変動リスクを管理するため、
金利スワップ
および通貨スワップ契約を締結しています。
2002年3月31日終了の事業年度末において、長期銀行借入金1,116,677百万円(8,396百万米ドル)、
社債651,650百万円
(4,900百万米ドル)
、
ミディアム・ターム・ノートおよびコマーシャルペーパー96,497百万円
(726百万米ドル)
の金利通貨
スワップ締結後の平均実効利率は、
一般的にLIBOR(London Inter-Bank Offered Rate)
を基準としています。締結されたスワップ契約の大半
は3ヶ月物LIBORを基準にしています。
当社および連結子会社は、
いくつかの銀行との間で借入予約枠を設定しています。
設定額は2002年3月31日終了の事業年度末において円建
借入予約枠510,000百万円
(3,835百万米ドル)
、
また当社および米国連結子会社で保有する米ドル建借入予約枠1,000百万米ドルとなっていま
す。
当社および米国連結子会社はその対価として銀行に対しコミットメント・フィーを支払っていますが、
過去2年間については僅少です。
銀行
借入予約枠に係るコミットメント・フィーには現在の当社の信用格付けに基づいているものがあります。
当座借越契約を含む短期および長期の
未使用借入枠は、2002 年および2001年3月31日終了の事業年度末においてそれぞれ短期1,158,121百万円(8,708百万米ドル)および長期
210,000百万円(1,579百万米ドル)、短期1,235,079百万円および長期210,000百万円です。
2001年10月7日、当社は2006年10月償還の上記未使用借入予約枠計210,000百万円を2002年3月31日にて同額のコマーシャルペーパープ
ログラム専用に用いることとしました。コマーシャルペーパーは運転資金およびその他一般資金需要に充当すべく発行しています。当社は
210,000百万円のコマーシャルペーパーを2002年3月31日終了の事業年度の連結貸借対照表上の長期負債に計上しています。これは与信枠を
背景に、
長期にわたり本コマーシャルペーパーの継続発行を行う意図と能力を当社が有しているためです。
わが国においては、実質的に殆どの長短銀行借入は、銀行取引約定に基づいて行われます。この約定では、一定の条件のもとで、銀行は借手
に対して借入金の担保(または追加担保)の差入あるいは保証人を要求することができることとなっています。さらに担保が借手の特定債務
に対して差し入れられた場合でも、
銀行は当該担保を借手の全債務に対して供されたものとして取り扱うことができることになっています。
一部の長期借入契約では、銀行は借手に対し、配当金およびその他の利益処分案を株主総会に先立って銀行に提出し、予めそのレビューおよ
び承認を取るよう要求することができることとなっています。
一部の借入契約の債務不履行条項には、銀行に借手の動産に対してある種の優
先権を認めているものがあります。政府出資銀行などとの間に締結された借入契約には、貸手は借手に対し、株式や社債の発行による追加的
なキャッシュ・フローの創出、あるいは収益の増加によって借入金の期前弁済が可能と貸手が判断した時には、返済期限以前に借入残高の圧
縮を要求できる旨の条項が付されているものもあります。2001年および2002年3月31日終了の事業年度において、当社および連結子会社に
対する上記のような要求はなく、また要求される見込みはありません。
page
85
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
12. 法人税等
わが国における法人税等は、法人税、住民税および事業税から成っており、これらわが国における税金の法定税率を基礎として計算した法
定実効税率は、2001年および2002年3月31日終了の事業年度で42%です。
また、海外子会社に対しては、
その所在国における法人所得税が課
せられます。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における、法定実効税率と連結損益計算書上の実効税率の差異要因は以下の通りです。
2001年
2002年
法定実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税務上の損金不算入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果を認識しない子会社の当期損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期に認識した子会社の過年度吸収損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
国内より税率の低い海外子会社の利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金に係る税効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
外国税額控除 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他ー純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42.0%
11.6
5.2
(4.4)
(3.6)
(1.8)
(10.5)
0.2
42.0%
5.2
6.3
(1.1)
(7.0)
1.4
実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
38.7%
46.1%
(0.7)
2001年および2002年3月31日終了の事業年度の法人税等の総額は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益(暖簾の減損を含む). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 51,098
(9,836)
(38,765)
¥ 45,875
(17,610)
(36,290)
2002年
$ 345
(132)
(273)
法人税計(還付額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 2,497
¥ (8,025)
$ (60)
2001年および2000年3月31日終了の事業年度末における繰延税金資産および負債の主な構成項目は次の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
繰延税金資産:
貸倒引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給与および年金債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社投資に係る外貨換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
販売用不動産および固定資産評価損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰越欠損金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金資産合計ー総額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
評価性引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 43,425
57,151
16,219
24,468
28,692
31,250
2002年
2002年
¥ 52,299
56,892
9,386
15,929
36,629
51,119
$ 393
428
71
120
275
384
201,205
(34,670)
222,254
(37,008)
1,671
(278)
繰延税金資産ー評価性引当金控除後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
166,535
185,246
1,393
繰延税金負債:
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現有価証券評価益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産の圧縮記帳 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
13,805
100,432
34,465
25,366
22,474
63,401
29,528
25,090
169
477
222
189
繰延税金負債ー総額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
174,068
140,493
1,057
¥ (7,533)
¥ 44,753
$ 336
繰延税金資産(負債)ー純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
評価性引当金は、
将来税務上減算される一時差異および繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、
実現が不確実であると考えら
れる部分に対して設定しています。
2001年および2002年3月31日終了の事業年度において評価性引当金は、それぞれ3,787百万円の減少、2,338
百万円(18百万米ドル)の増加でした。
page
86
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
繰延税金資産(負債)
は、
2001年および2002年3月31日終了の事業年度の連結貸借対照表において以下のように含まれています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
流動資産ー繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
流動負債ーその他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定負債ー繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 44,739
16,100
(7,241)
(61,131)
¥ 48,170
33,019
(2,701)
(33,735)
$ 362
248
(20)
(254)
純繰延税資産(負債). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (7,533)
¥ 44,753
$ 336
2002年3月31日終了の事業年度末において、連結財務諸表上、繰延税金負債を認識していない子会社の未分配利益は、313,640百万円(2,358
百万米ドル)
です。
なお、
国内子会社の未分配利益の大部分は、
注記2に記載の通り一時差異には該当しないものと考えています。
また、
海外子会
社について、未分配利益に対する繰延税金負債を算定することは、
実務的に困難です。
2002年3月31日終了の事業年度末において、当社および連結子会社が有する税務上の繰越欠損金は総額で、103,921百万円(781百万米ドル)
となっており、
その控除可能期限は以下の通りです。
単位:百万円
2003年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008∼2012年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2013∼2017年3月31日 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2018年3月31日以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
単位:百万
米ドル
1,758
8,212
3,018
21,575
30,563
18,890
824
19,081
$ 13
62
23
162
230
142
6
143
¥103,921
$781
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における連結税引前利益は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
当社および
国内子会社
当社および
国内子会社
海外子会社
合計
海外子会社
合計
2001年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥68,759
¥63,139
¥131,898
2002年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥34,488
¥65,102
¥ 99,590
$259
$490
$749
合計
当社および
国内子会社
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における法人税等は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
当社および
国内子会社
海外子会社
¥ 55,436
(25,266)
¥15,506
5,422
¥ 70,942
(19,844)
¥ 30,170
¥20,928
¥ 51,098
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 22,503
5,139
¥23,039
(4,806)
¥ 45,542
333
$169
39
$173
(36)
$342
3
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 27,642
¥18,233
¥ 45,875
$208
$137
$345
海外子会社
合計
2001年3月31日終了の事業年度:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年3月31日終了の事業年度:
page
87
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
13. 年金および退職給付債務
当社および一部の連結子会社は、
役員を除くほぼすべての従業員を対象に、
非拠出型確定給付型年金制度を設けています。
当年金制度におけ
る給付は、
勤務年数および退職時の給与水準などに基づいて行われます。
また、
当社は、
ほぼすべての従業員を対象とする拠出型の確定給付型終
身年金制度
(厚生年金基金制度)
を設けています。
この年金制度での年金は、
60歳から支払いが開始されます。さらに、一部の連結子会社および
関連会社は、
ほぼすべての従業員を対象とする拠出型の確定給付型終身年金制度
(ダイヤ連合厚生年金基金)
に加入しています。
この年金制度で
の年金は、60歳から支払いが開始されます。
これらの拠出型年金制度の年金基金は、
会社側と従業員側の代表者から構成される理事会により運営されることが政府によって要請されて
います。
この制度での従業員に対する給付は、
国の年金制度の一部を当社が代行する基本部分と、
当社および連結子会社が独自に上乗せをした
加算部分から成っていますが、
年金制度資産の管理・運用は、両者を統合した形で行われています。
年金制度資産への拠出は会社と従業員の双
方が行いますが、
当制度での給付債務を十分満たすよう拠出を行う義務は、
会社側にあります。
当社および連結子会社の年金制度積立方針は、
主として税務上損金算入できる範囲の金額を拠出する方法を採用しています。
拠出額は既に提
供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことをも意図しています。注記4に記載の通り、
2000年9月および
2002年3月に、当社は拠出型および非拠出型の年金制度の充実のため、従業員退職給付信託を設定し、市場性のある株式を拠出しています。
年金制度に加え、大部分の国内連結子会社は、役員を除く従業員を対象とする非積立型退職一時金制度を設定しています。この制度のもと
では、対象者は定年退職時または早期退職時に、退職時の給与水準、勤続年数およびその他の要因に基づいて決定された退職一時金を受け取
る権利を有しています。
2001年、2002年3月31日終了事業年度における当社および連結子会社の年金制度および連結子会社の退職一時金制度の期間純年金費用は
以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
拠出型年金制度:
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の期待運用収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識過去勤務債務の償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計基準移行時差異の償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期間純年金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
非拠出型年金制度:
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の期待運用収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識過去勤務債務の償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計基準移行時差異の償却額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期間純年金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
page
88
2001年
2002年
2002年
¥ 6,766
9,421
(9,965)
7,886
643
163
¥ 6,919
9,785
(8,331)
7,594
117
163
$ 52
74
(63)
57
1
1
¥14,914
¥16,247
$122
¥ 6,955
1,979
(1,865)
1,281
245
(23)
¥ 6,755
2,725
(1,960)
4,029
242
(20)
$ 51
21
(15)
30
2
¥ 8,572
¥11,771
$ 89
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
予測給付債務、
年金資産および年金制度の財政状態および連結貸借対照表の計上額の内訳は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
2001年
給付債務の変動:
予測給付債務の期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
制度改定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払給付 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合併・分割その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
予測給付債務の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の変動:
期首における年金資産の公正価額 . . . . . . . . . . .
年金資産の運用実績 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会社拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払給付 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合併・分割その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2002年
非拠出型
年金制度
拠出型
年金制度
非拠出型
年金制度
拠出型
年金制度
非拠出型
年金制度
¥313,813
6,766
9,421
2,306
(2,489)
4,559
(8,191)
¥102,823
6,955
1,979
¥326,185
6,919
9,785
2,205
¥100,136
6,755
2,725
$2,452
52
74
17
$ 753
51
21
326,185
100,136
3,734
(3,187)
(7,598)
(5,362)
792
221,435
(38,272)
76,363
2,306
(8,191)
57,580
(8,534)
28,093
期末における年金資産の公正価額 . . . . . . . . . . .
253,641
年金制度の財政状態と連結貸借対照表に計上された
未払または前払年金費用との調整:
2001年および2002年3月31日終了の
事業年度末の財政状態 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識年金数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . .
未認識の過去勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計基準移行時の未認識債務未償却残高 . . . . . .
(72,544)
127,525
117
482
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . .
連結貸借対照表計上額の内訳:
前払年金費用(「その他流動資産」
に含む). . . . . .
年金費用および退職給付債務 . . . . . . . . . . . . . . .
無形固定資産
(「その他資産」に含む). . . . . . . . . .
累積その他の包括損失(税効果考慮前). . . . . . . .
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . .
2002年
拠出型
年金制度
¥
¥ 55,580
335,236
108,014
(7)
(67)
18
(34)
(46)
41
8
2,521
812
1,907
(128)
342
17
(67)
490
(39)
70
65,116
(5,274)
9,352
65,116
275,509
64,975
2,071
489
(35,020)
21,716
1,493
(39)
(59,727)
144,278
(450)
1,086
(323)
212
9
319
(43,039)
28,241
1,245
(23)
¥ 84,870
¥ (13,576)
¥ (11,850)
¥ (58,664)
599
113,645
2,454
(4,448)
(6,135)
5,402
1,125
253,641
(16,970)
45,537
2,205
(8,904)
(1,376)
(7,598)
(3,929)
880
¥ 55,580
(954)
(8,904)
3,013
(29,017)
1,392
12,762
¥ (11,850)
(2,396)
(6,135)
3,228
1,084
¥
¥ (46,389)
319
130,940
¥ 84,870
3,306
(36,053)
1,161
18,010
¥ (13,576)
(18)
(46)
24
8
2
$ 638
$(102)
$ (349)
2
985
$ 25
(271)
9
135
$ 638
$(102)
累積給付債務が年金資産を超過する拠出型年金制度の予測給付債務累計、
累積給付債務累計および年金資産の公正価額累計は、
2001年3月31
日終了の事業年度末において、
それぞれ326,185百万円、312,305百万円、253,641百万円であり、
2002年3月31日終了の事業年度末において
それぞれ335,236百万円(2,521百万米ドル)、
321,898百万円(2,420百万米ドル)、275,509百万円(2,071百万米ドル)です。
累積給付債務が年金資産を超過する非拠出型年金制度の予測給付債務累計、
累積給付債務累計および年金資産の公正価額累計は、
2001年3月
31日終了の事業年度末において、それぞれ95,452百万円、85,755百万円、59,093百万円であり、2002年3月31日終了の事業年度末において、そ
れぞれ102,154百万円(768百万米ドル)、
92,340百万円(694百万米ドル)、58,310百万円(438百万米ドル)です。
page
89
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
2001年および2002年3月31日終了の事業年度において年金数理計算に用いられた前提条件は以下の通りです。
2001年
2002年
拠出型年金制度:
加重平均割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
平均昇給率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期期待収益率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3.0%
2.3%
4.5%
3.0%
2.3%
4.0%
非拠出型年金制度:
加重平均割引率* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
平均昇給率* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期期待収益率* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3.3%
4.1%
4.7%
3.3%
4.1%
4.5%
* 海外子会社を含む
当社は、従業員に対して早期退職制度を有しています。この制度は、50歳以上かつ勤続年数が15年以上の従業員が、定年退職年齢である60
歳以前に退職した際に特別加給金を支給するものです。本制度の改訂により2000年4月1日以降に応募した従業員からは特別加給金一部が支
給されなくなるとの決定が1998年11月になされたのを受け、
2000年3月31日終了の事業年度における当制度の利用者が大幅に増加しました。
本制度にかかる費用の予想キャッシュ・フローの現在価値を反映させるよう割引かれた未払計上額は、2001年および2002年3月31日終了の
事業年度末において、それぞれ39,478百万円、29,631百万円(223百万米ドル)
であります。
その支払い時期により、
連結貸借対照表の「未払費
連
用」
と
「年金および退職給付債務」
に計上しています。
また、本制度関連費用として、2001年および2002年3月31日終了の事業年度において、
結損益計算書上の「販売費および一般管理費」にそれぞれ2,970百万円、4,387百万円(33百万米ドル)を計上しています。
14. 資本金および資本準備金
日本の企業は日本の商法に従うことになっていますが、
その商法が2001年10月に一部改定されました。
2001年10月1日、商法改正により、普通株式の額面価格が廃止されました。また、新株発行価格の最低 2分の1を普通株式に組み入れ、残りは追
加の払込資本とされます。この変更以前は、
商法では発行株式の額面価格または新株発行価格の2分の1のどちらか高い方を資本金に計上する
ことが要求されていました。
2001年10月1日以前、商法では自己株式の取得および使用に制約を課していました。2001年10月1日にこれらの制約が廃止され、2002年4月
1日以降、日本の企業は、株主総会での決議によって、自己株式を取得し、その後は取締役会による決議があればそれらの自己株式を処分するこ
とができるようになりました。
取得される自己株式の額は配当可能額に資本金、
追加払込資本金を加えた額または株主総会で決議された場合は
資本準備金相当額を控除した額を超えることはできません。
商法では、
取締役会の決議により資本準備金を資本金に組み入れることが認められています。
また、
商法では取締役会の決議により、
既存株主に対し、
「株式分割」
を伴わずに株式発行を行うことも認められています。
本形態による株式の
交付が、
株主資本の部の諸勘定に影響を与えることは通常ありません。
2001年10月1日以前には資本総額を株式分割後の発行済み株式数で割っ
改定後の商法ではこの制約が廃止されました。
て算出される額は50円以下にすることができませんでしたが、
15. 利益剰余金および配当金
利益準備金 ー 2001年10月1日以前、
わが国の商法では、
各事業年度に現金配当など、
利益処分として支出する金額の10分の1以上をその累計額
が資本金の4分の1に達するまで利益準備金として積み立てることが規定されていました。
2001年10月1日の改正商法では、こうした利益処分
は資本準備金および利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで利益準備金として積み立てるというように変更されました。また、
資本
株主総会の決議によって利益剰余金に振り替え、配当に充当する
準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1を超えた分に関しては、
ことが可能です。
さらに、
積み立てられた利益準備金は取締役会の決議により資本金に組み入れることができます。
その他の利益剰余金および配当金 ー当社におけるわが国の商法上の配当可能利益は2002年3月31日現在、281,470百万円(2,116百万米ドル)
で、
これはわが国で一般に認められた会計原則に準拠して記帳された当社の帳簿上の利益剰余金の額に基づいて算定されます。
当社の会計帳簿
に記帳されていない、
U.S. GAAPに則った連結財務諸表への修正額は、商法上の配当可能利益の算定には影響しません。上記の利益処分に伴う
利益準備金の積立のほか、商法では配当可能利益の算定に当たり一定の制限が規定されています。
page
90
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
また、株主総会の決議により、配当可能利益の範囲内で利益剰余金を資本金に組み入れることができます。
配当は事業年度終了後開催される株主総会において決議されます。
また、
商法上定められた限度内において取締役会の決議をもって中間配当
を行うことができます。
連結資本勘定増減表の配当金および利益準備金の繰入額は、各事業年度中の支払額およびその配当に関連した繰入額を表しています。
16. 1株当たり当期純利益
次の表は1株当たり当期純利益の計算における分子と分母の構成要素を示しています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
分子:
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
¥92,105
¥60,225
2002年
$453
単位:千株
2001年
2002年
分母:
加重平均発行済株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプションの希薄化効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,567,170
1,566,881
6
潜在株式調整後の総加重平均株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,567,170
1,566,887
単位:円
1株当たり当期純利益: . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:米ドル
2001年
2002年
2002年
¥58.77
¥38.44
$0.29
17. セグメント情報
SFAS第131号「企業のセグメントおよび関連情報に関する開示」では、オペレーティング・セグメントに関する情報開示についての基準を規
定しています。
オペレーティング・セグメントは、
そのセグメントの財務情報が入手可能なもので、
またそれらが意思決定権者によって経営資源
配分の決定および業績の評価に通常使用されている企業の構成要素として定義されています。
オペレーティング・セグメントは商品とサービスの内容により決定されています。
当社および連結子会社のオペレーティング・セグメントは、
以下の7つの事業グループから構成されています。
新機能事業 ー当グループは、
新規企業の発掘や投資、
新ビジネスモデルの開発を行う他、
金融・情報・物流・マーケティングのそれぞれのテ
クノロジーを通じて他の営業グループを支援しています。
情報産業 ー当グループは、
情報関連企業の発掘や投資を担っており、
ハードウェアおよびソフトウェア製品の取引業務に注力しています。
エネルギー事業 ー当グループは、
石油、
ガスのプロジェクト開発および投資を行っており、
原油、
石油製品、
LPG、LNG、天然ガス、炭素原料・
製品などの取引に注力しています。
金属 ー当グループは、主に鉄鋼やアルミ、
銅といった金属および非鉄金属などの資源開発や製造、
マーケティング、
物流を担っています。
機械 ー当グループは、発電や造船、自動車、建設機械、産業機械と多岐にわたる産業に関連する顧客のために、企画・開発および建設プロ
ジェクトのコーディネーションに従事しています。当グループはさらに不動産開発やレンタル事業にも取り組んでいます。
化学品 ー当グループは、化学品関連プロジェクトの発掘と投資を担うと共に、合成繊維原料、石油化学製品、無機化学品、
肥料などの汎用
化学品およびスペシャリティケミカルに関する取引業務に注力しています。
生活産業 ー当グループは、食料や繊維、木材、資材関連の企業への投資、取引に注力しています。
page
91
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
当社は日本基準によって計上された当期純利益を主要な指標とし、
いくつかの要因を用いて各セグメントの業績評価を行っています。
加えて
当社は経営上の意思決定を目的とした社内独自の手法を使っています。
セグメント間内部取引は、外部顧客との取引価格に準じて設定しています。
2001年、2002年3月31日終了の事業年度におけるオペレーティング・セグメント情報はそれぞれ以下の通りです。
単位:百万円
2001年
新機能事業
売上高:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . .
セグメント間内部
売上高 . . . . . . . . . . . .
¥ 147,032
合計 . . . . . . . . . . .
¥ 151,481
売上総利益 . . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . . .
セグメント資産 . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . . .
4,449
情報産業
エネルギー事業
¥518,340 ¥3,399,796
2,087
金属
¥
28,583 ¥ 30,513 ¥ 55,759
(3,912)
64,987
4,272
1,148,379
346,221
741,111
10,228
7,194
11,581
16,500
46,161
8,247
化学品
¥2,281,360 ¥2,695,665
36,902
¥520,427 ¥3,436,698
機械
4,626
生活産業
¥1,358,082
11,637
1,558
¥2,285,986 ¥2,707,302
¥1,359,640
¥
¥
92,694 ¥ 105,727
7,243
4,326
1,083,009 2,061,219
7,546
17,747
6,626
52,666
合計
その他(1)
¥3,545,589 ¥13,945,864
2,545
調整および
消去(2)
合計
¥ 76,786 ¥ (27,352) ¥13,995,298
63,804
1
(63,805)
¥3,548,134 ¥14,009,668
¥ 76,787 ¥ (91,157) ¥13,995,298
51,350 ¥ 235,959 ¥ 600,585
(24,681)
27,964
80,199
596,924
1,408,208
7,385,071
1,960
14,360
70,616
10,930
19,764
160,894
¥ 13,305 ¥ (10,174) ¥ 603,716
14,845
(2,939)
92,105
915,721
(233,603)
8,067,189
12,412
1,321
84,349
8,569
25,689
195,152
単位:百万円
2002年
新機能事業
売上高:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . .
セグメント間内部
売上高 . . . . . . . . . . . .
¥ 163,333
合計 . . . . . . . . . . .
¥ 169,186
売上総利益 . . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . . .
セグメント資産 . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . . .
5,853
情報産業
エネルギー事業
¥428,435 ¥3,436,847
1,889
金属
機械
化学品
¥1,962,462 ¥2,147,173
36,527
¥1,298,371
合計
その他(1)
¥3,777,821 ¥13,214,442
合計
¥ 31,694 ¥ (15,461) ¥13,230,675
11,356
2,108
¥1,967,007 ¥2,158,529
¥1,300,479
¥3,781,092 ¥13,279,991
¥ 32,418 ¥ (81,734) ¥13,230,675
30,954 ¥ 30,095 ¥ 49,932
(20,290)
8,671
21,717
1,047,290
311,521
834,524
9,958
8,298
9,201
15,938
1,016
8,070
¥ 106,553 ¥ 122,829
13,856
12,201
1,211,116 1,950,836
13,097
17,701
11,671
64,530
¥
¥ 239,227 ¥ 629,729
29,266
71,966
1,463,152
7,372,475
15,602
76,337
16,211
127,689
¥ 12,144 ¥ 2,049 ¥ 643,922
(9,502)
(2,239)
60,225
971,769
(199,318)
8,144,926
5,076
8,873
90,286
8,498
10,513
146,700
50,139
6,545
554,036
2,480
10,253
3,271
調整および
消去(2)
¥430,324 ¥3,473,374
¥
4,545
生活産業
65,549
724
(66,273)
単位:百万米ドル
2002年
その他(1)
調整および
消去(2)
合計
$ 238
$ (117)
$99,479
新機能事業
情報産業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
合計
売上高:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . .
セグメント間内部
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . .
$1,228
$3,222
$25,841
$14,756
$16,144
$9,762
$28,405
$99,358
44
14
275
34
86
16
24
493
6
(499)
合計 . . . . . . . . . . . . . . .
$1,272
$3,236
$26,116
$14,790
$16,230
$9,778
$28,429
$99,851
$ 244
$ (616)
$99,479
$ 233
(153)
7,874
75
120
$ 226
65
2,342
62
8
$
$
$
$ 377
49
4,166
19
77
$ 1,799
220
11,001
117
122
$ 4,735
540
55,432
574
961
$
$
$ 4,842
453
61,240
679
1,103
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . . . . . . .
セグメント資産 . . . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . . . . . . .
375
163
6,275
69
61
801
104
9,106
99
88
924
92
14,668
133
485
91
(71)
7,307
38
64
16
(16)
(1,499)
67
78
「その他」には主に当社および関連会社に対するサービスおよび業務支援などを行うコーポレート部門を表しています。当欄にはまた、特定の報告セグメントに配賦されない財務・人事関
連の収益および費用が含まれています。未配賦のコーポレート資産で「その他」に分類された金額は、2001年および2002年3月31日終了の事業年度末においてそれぞれ915,721百万円、
971,769百万円(7,307百万米ドル)で、主に、財務・投資活動にかかる現金、定期預金および有価証券で構成されています。
(2)
「調整および消去」には特定の報告セグメントに配賦されない損益やU.S. GAAPおよびセグメント間消去に則った調整額と振替額の一部も含まれています。
(1)
page
92
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
地域別セグメント情報
地域別の売上高は、
収益の発生原因となる資産の所在地域により区分しています。
地域別の売上高および売上総利益、
長期性資産は、
2001年、
2002年3月31日終了事業年度において以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
売上高:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
イギリス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥12,143,130
757,912
234,796
859,460
¥11,148,925
674,560
291,374
1,115,816
$83,827
5,072
2,191
8,389
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥13,995,298
¥13,230,675
$99,479
¥
460,857
35,168
29,512
78,179
¥
472,377
37,508
34,260
99,777
$ 3,552
282
258
750
¥
603,716
¥
643,922
$ 4,842
¥
624,383
63,705
18,038
40,650
240,088
¥
616,074
65,726
58,034
52,398
281,951
$ 4,632
494
437
394
2,120
¥
986,864
¥ 1,074,183
$ 8,077
売上総利益:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
イギリス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期性資産:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
カナダ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オーストラリア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年および2002年3月31日終了の事業年度において、当社および連結子会社のどのセグメントにも、売上高(または取扱高)の10%以上を
占める顧客
(単独ないしグループ)
、
政府はありませんでした。
18. その他の費用
2001年および2002年3月31日終了の事業年度における「その他の費用−純額」の内訳は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
外国為替損益(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期購入契約に対する引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ゴルフ会員権の償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
非関連会社への金融支援損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
¥(11,688)
6,083
5,706
¥(3,749)
3,212
293
6,460
21
$(28)
24
2
49
¥ 6,237
$ 47
2,828
¥ 2,929
2002年
当社は金商株式会社の株式を9.2%保有していますが、
2002年3月31日終了の事業年度において、同社再建計画を支援する目的で金融および
経営支援を行い、
「非関連会社に対する金融支援損」
として6,460百万円(49百万米ドル)の損失を計上しました。
page
93
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
19. リース
貸手側
当社および連結子会社は車両、小売業およびサービス業用の機器、
その他の産業用機械および装置の賃貸を行っており、それらはSFAS第13
号
「リース会計」にいうファイナンスリースに分類されます。
ファイナンスリースの純投資額は、
連結貸借対照表の
「営業債権」
と
「長期貸付金および長期営業債権」
に含まれており、
2001年および2002年
3月31日終了の事業年度末の残高は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
ファイナンスリースの総投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引:未実現リース利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 38,203
(10,577)
¥ 99,848
(31,663)
$ 751
(238)
純投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 27,626
¥ 68,185
$ 513
当社および連結子会社は、
この他にもオペレーティングリースとして、
航空機、
オフィスビルおよびその他の産業機械の賃貸を行っています。
リース資産の取得原価および減価償却累計額は、
2002年3月31日終了の事業年度末において、285,507百万円(2,147百万米ドル)および116,322
百万円(875百万米ドル)です。
2002年3月31日終了の事業年度におけるリース料の最小受取見込み額は以下の通りです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
直接金融
リース
オペレーティング
リース
合計
合計
2003年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥21,666
15,549
9,700
7,612
6,982
38,339
¥ 17,785
16,494
14,122
12,201
10,359
47,178
¥ 39,451
32,043
23,822
19,813
17,341
85,517
$ 297
241
179
149
130
643
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥99,848
¥118,139
¥217,987
$1,639
借手側
当社および連結子会社は、
事務所などをオペレーティングリースとして賃借しています。
それらの賃借料合計額は、
2001年、2002年3月31日
終了事業年度においてそれぞれ、30,105百万円、25,291百万円(190百万米ドル)です。
2002年3月31日終了の事業年度末における今後の解約不能リースのリース料最小支払額は以下の通りです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2003年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 15,961
10,998
10,301
9,849
7,417
77,366
$120
83
77
74
56
582
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥131,892
$992
page
94
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
20. 株式に基づく報酬制度
当社は取締役および執行役員に対してストックオプション・プランを導入しました。
当プランでは、
権利付与日の東京株式市場の引値または
付与日前1ヶ月の平均引値のどちらか高い方を基に算出された権利行使価格で当社の株式を購入する権利が与えられることになります。
2001
年および2002年3月31日終了の事業年度におけるストックオプション・プランでは2000年8月および2001年8月からそれぞれ23ヶ月間にわ
たってオプションが付与されます。
権利行使可能期間は2002年および2003年の6月末からそれぞれ8年間です。
2002年6月27日に、株主は2003
年3月31日終了の事業年度中に1,204,000株のストックオプションを新たに付与することを承認しました。
当社および連結子会社の純利益、
1株当たり当期純利益など希薄化後の値は以下の通りです。当社のストックオプション・プランの報酬額を、
SFAS第123号が規定する方法により、付与日の公正価額に基づいて決定した場合には、下記に示す想定値のように減少します。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
純利益:
報告額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
¥92,105
92,084
¥60,225
60,114
単位:円
2002年
$453
452
単位:米ドル
2001年
2002年
2002年
基本的1株当たり純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥58.77
58.76
¥38.44
38.37
$0.29
0.29
希薄化後1株当たり純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
58.77
58.76
38.44
38.36
0.29
0.29
ストックオプションの公正価額は以下の前提条件の基に2項式オプション価格モデルを用いて算出されました。
リスクフリーレート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
予想変動率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
予想配当利回り . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
予想権利行使期間 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2001年
2002年
1.74%
32.09%
0.94%
9.92年
1.01%
33.60%
0.82%
9.92年
2001年および2002年におけるオプションの加重平均公正価額はそれぞれ1株当たり330円と357円(2.68米ドル)でした。
以下の表は2001年および2002年3月31日終了事業年度におけるストックオプション付与の状況をまとめたものです。
加重平均行使価格
株式数
単位:円
単位:米ドル
付与額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
313,000
¥ 903
$6.8
2001年3月31日現在の残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
付与額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
313,000
1,091,000
903
1,002
6.8
7.5
2002年3月31日現在の残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,404,000
¥ 980
$7.4
2000年4月1日現在の残高
2001年および2002年3月31日において行使可能なオプションはありませんでした。
page
95
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
当社の2002年3月31日におけるストックオプションの未行使残高についての情報は以下の通りです。
残高
権利行使価格の範囲
株式数
単位:円
加重平均残存年数
加重平均行使価格
年数
単位:円
¥ 903
1,002
313,000
1,091,000
8.25
9.25
¥ 903
1,002
¥903∼¥1,002
1,404,000
9.03
¥ 980
株式数
加重平均残存年数
残高
権利行使価格の範囲
単位:米ドル
加重平均行使価格
年数
単位:米ドル
$6.8
7.5
313,000
1,091,000
8.25
9.25
$6.8
7.5
$6.8∼$7.5
1,404,000
9.03
$7.4
21. 契約債務および偶発債務
当社および連結子会社は、通常の営業活動をするに当たって、
LNG、非鉄金属、化学品などの様々な商品について、多額の長期買付契約(固定
価格または市場価格に合わせて調整される基本価格に基づく)
を結んでいます。
なお、
当該契約の大部分については、
見合いの売渡契約を結んで
います。
2002年3月31日終了の事業年度末における長期買付契約の残高は4,280,348百万円(32,183百万米ドル)であり、契約上受渡しは2028
年までの期間にわたっています。
また、
当社および連結子会社の保証債務残高は2002年3月31日終了の事業年度末において392,633百万円
(2,952百万米ドル)
であり、
これに
は関連会社へ供与した保証債務152,289百万円
(1,145百万米ドル)
を含んでいます。
通常、
このような債務保証は、仕入先や販売先に対する間
接的な資金支援として行っています。
さらに、
当社および連結子会社は長期の資金供与に関する契約
(貸付契約、
出資契約および設備代金の延払契約)
を締結しています。
2002年3
月31日終了の事業年度末における総額は109,543百万円(824百万米ドル)です。
2000年1月19日、当社は、人造黒鉛電極取引に関連して価格カルテル行為を幇助・教唆し、シャーマン反トラスト法に違反したとの容疑で、米
国司法省より起訴されました。
2001年5月、米国の連邦地方裁判所は、量刑合意に従った量刑の決定を行い、当社は134百万米ドルの罰金を支払
いました。
この16,602百万円の罰金は、
2001年3月期において訴訟関連損失として費用計上しております。米国での当刑事裁判に関連する約定
債務または偶発債務はこれ以外には存在しません。
当社および米国連結子会社は、
上記価格談合に関与したことに関する損害賠償を求める米国およびカナダの黒鉛電極需要家から、
複数の民事
訴訟を提起されております。
これらの訴訟の内4件は当事者間で和解に至りましたが、
新規に欧州の需要家から提訴された2件を含め、
残る4件
(100百万米ドル)
を費用計上し
は現在係争中です。
これらの訴訟に関連して、
当社は2002年3月期において訴訟関連損失として13,362百万円
ております。これら係争中の民事訴訟に関しては、2002年3月期において訴訟の結果を予測することはできません。
また、当社および米国連結子会社は、1991年から株式が売却された1995年1月まで当社が50%を出資していたUCAR International Inc.(以
下
「UCAR社」
)
から、
米国で提訴されております。
UCAR社は、1995年1月の当社の株式売却時における当社宛の支払いがデラウェア州会社法に
違反するとして、
支払金額406百万米ドルの返還およびその利払いを請求しております。
UCAR社はまた、忠実義務違反の教唆・幇助及び不当利
当社および米国連結子会社は、請求内容が明らかに
得による訴額を定めない損害賠償およびその利払いを請求しております。2000年6月9日、
されていないことを理由に訴訟の却下を申請し、
2000年9月1日、本件に関する主張は書面にて十分に申し立てられました。2001年4月2日、口
頭弁論が実施されましたが、
裁判所は現在の処決定を差し控えております。
2002年9月まで証拠開示手続が停止されており、裁判所はその期間
中に訴訟却下申し立てに対する決定を申し渡す予定ですが、
もし訴訟却下申し立てが退けられた場合には、
当社および米国連結子会社は断固と
して係争していく所存です。
本訴訟に関しては大きな進展がないため、2002年3月期末時点で訴訟の結果を予測することはできません。
この他、当社および連結子会社には種々の係争中の事件がありますが、経営者および当社の法律顧問の見解によれば、これらの事件が最終
的に解決され、
仮に当社および連結子会社が債務を負うことになったとしても、
その額が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすこと
はありません。
page
96
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{連結財務諸表に対する注記}
22. 後発事象
配当 ー2002年6月27日に開催された株主総会にて、2002年3月31日現在の株主に対し、
1株当たり4円(0.03米ドル)、総額6,268百万円(47百万
米ドル)
の現金配当を行うことが決議されました。
社債の発行 ー2002年6月17日、
当社は150,000百万円
(1,128百万米ドル)
の2011年償還の円貨建転換社債型新株予約権付社債の発行を完了い
たしました。
当社債は所有者の選択によって、
2002年7月1日以降、当社普通株式に1株当たり1,188円で転換可能となっていますが、所定の条件
により調整を行う可能性もあります。
社債は所定の償還条件に基づき、
当社のオプションで償還することがあります。
社債は3,750百万円
(28百
万米ドル)
のプレミアム付きで売却され、
プレミアムは社債の一部として貸借対照表に計上されて、
社債の期間に応じ利息法を用いて利益とし
て認識していきます。
当社は社債関連の発行費用3,750百万円
(28百万米ドル)
を支払いました。
発行費用はその他の資産に含められ、
社債の期
間に応じて利息法を用いて償却を行い、
毎期支払利息として認識していきます。当社は社債発行の代り金
(税引後)149,910百万円
(1,127百万
米ドル)
をエネルギーおよび天然資源プロジェクト、
プロジェクト開発などの戦略的投資に充てていた短期負債の返済に充当する予定です。
2002
年3月31日終了の事業年度のはじめにこれらの社債が発行されていたとすれば、
希薄化後の1株当たり当期純利益は35.57円となります。
ジョイントベンチャー ー2002年6月27日、
株主総会において鉄鋼製品事業を分離して日商岩井株式会社とのジョイントベンチャー
(以下
「JV」
)
に売却することが承認されました。
本事業に係る純資産は2002年3月31日現在で約900億円
(677百万米ドル)
となっています。
契約では、
当社
はJVの60%の経営権を保有することになっています。
本取引は公正取引委員会の承認も含め、
いくつかの条件を満たす必要があります。
本取引
は2003年1月に完了する予定です。
自己株式 ー 2002年6月27日、株主総会において1億株1,000億円を超えない範囲で当社が自己株の取得を行うことが承認されました。
石油およびガスについての補足情報(非監査事項)
当社および連結子会社は持分法による投資先企業を通じて環太平洋圏の海上または沿岸で石油およびガスの探査・開発・生産活動を行って
います。下記の表はSFAS第69号「石油およびガスの産出活動に関する開示」に従って2002年3月31日終了の事業年度時点の状況を示した補
足情報です。
単位:百万円
石油およびガスの権利取得、
探査および開発に係るコスト*1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
石油およびガスの産出に関連したコストの内、
資産計上額*1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
石油・ガス産出活動の経営成果*2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥11,804
76,755
13,023
原油および
天然ガソリン
(百万バレル)
単位:百万
米ドル
$ 89
577
98
天然ガス
(10億立方
フィート)
確認埋蔵量:
2001年4月1日時点の埋蔵量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従来見積り改定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
回収率の改善 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
産出量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
115
(28)
1
(9)
1,195
2002年3月31日時点の埋蔵量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
79
1,155
単位:百万円
単位:百万
米ドル
¥111,162
$836
標準化された算出方法による石油・ガスの確認埋蔵量の純キャッシュ・フローの割引現在価値 *2*3 . . . . . . . . . . . .
(40)
天然ガス事業にはLNG生産関連費用を含む。
天然ガス事業にはLNG生産関連の収益および費用を含む。
*3
純キャッシュ・フローは当社および連結子会社が持分法適用会社を通じて権益を保有する石油・ガス埋蔵量に関わる期末の価格および費用、
法定税率を用いて計算しています。
*1
*2
page
97
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{独立監査人の監査報告書}
独立監査人の監査報告書
(訳文)
Tohmatsu & Co.
〒108-8530
東京都港区芝浦4-13-23
MS芝浦ビル
三菱商事株式会社の取締役会および株主 各位
私どもは添付の三菱商事株式会社および子会社の2001年および2002年3月31日現在の連結貸借対照表、ならびに
2002年3月31日をもって終了した2事業年度の連結損益計算書、連結包括損益計算書、連結資本勘定計算書および連
結キャッシュ・フロー計算書(すべて日本円表示)について監査を行った。これらの連結財務諸表は、会社の経営陣の責
任で作成されている。
私どもの責任は、私どもの監査に基づいて、これらの連結財務諸表についての意見を表明するこ
とにある。
私どもは、
米国において一般に認められた監査基準に準拠して監査を実施した。
これらの基準は、
財務諸表に重要な記
載誤りがないかどうかについて合理的な確証を得るため、
私どもが監査を計画し実施することを要求している。
監査は、
財務諸表上の金額や開示の基礎となった証拠を試査によって検証することを含んでいる。
また監査は、
経営陣が採用し
た会計原則および彼らが行った会計上の重要な見積りの検討、
および財務諸表全体の表示についての評価も含んでいる。
私どもは、私どもの監査が、私どもの監査意見に対する合理的な基礎を提供していると確信している。
私どもの意見では、
上記の連結財務諸表はすべての重要な点において、
三菱商事株式会社および子会社の2001年およ
び2002年3月31日現在の連結財政状態ならびに2002年3月31日をもって終了した2事業年度の連結経営成績および連
結キャッシュ・フローの状況を、米国において一般に認められた会計原則に準拠して適正に表示している。
添付の2001年3月31日をもって終了した事業年度の連結損益計算書は修
連結財務諸表に対する注記1に記載の通り、
正再表示されている。
連結財務諸表に対する注記2に記載の通り、
2001年4月1日より、三菱商事株式会社および子会社は、財務会計基準書第
133号に準拠し、デリバティブおよびヘッジ活動の会計処理方法を変更した。
私どもの監査はまた、
2002年3月31日をもって終了した事業年度の連結財務諸表に含まれる日本円金額の米ドル金額
この米ドル金額は海
への換算も含むが、
私どもの意見では、
これらの換算は注記1に記載の方法に従ってなされている。
外読者の便宜のためのみに表示されている。
Deloitte Touche Tohmatsu
2002年6月27日
page
98
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{コーポレートセクション}
コーポレートセクション
主要連結子会社および関連会社
100
株主情報
104
組織図
106
コーポレートデータ/ネットワーク
107
page
99
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{主要連結子会社および関連会社}
主要連結子会社および関連会社(2002年3月31日現在)
新機能事業グループ
会社名
ダイヤモンドリース(株)
(日本)
(株)アイ・ティ・フロンティア(日本)
日本ケンタッキー・フライド・チキン
(株)
(日本)
(株)ローソン
(日本)
MC Capital Inc.(アメリカ)
MC Finance International B.V.(オランダ)
MC Macro Fund Inc.(ケイマン諸島)
エム・シー・ターミナル
(株)
(日本)
エム・シー・トランスインターナショナル(株)
(日本)
Mitsubishi Corporation Finance PLC(イギリス)
(株)日本ホスピタルサービス(日本)
(株)日本ケアサプライ(日本)
菱光ロジスティクス(株)
(日本)
瀬戸埠頭
(株)
(日本)
ソデッソジャパン
(株)
(日本)
57社
出資比率
(%)
15.19
80.00
31.12
30.10
100.00
100.00
98.92
100.00
100.00
100.00
100.00
75.75
100.00
41.65
20.01
事業内容
各種動産のリース・割賦、
その他金融業務
IT総合ソリューション
飲食店(フライドチキンレストラン)
コンビニエンスストア
「ローソン」
のチェーン展開
投資会社
(米国におけるファンド投資・貸付などを行う)
証券投資など
証券投資業
LPG・石油・化学品の受払および貯蔵
倉庫・運輸関連事業
証券投資など
医療材料ジャスト・イン・タイム販売
介護用機器、健康機器、医療機器、介護用品の販売、レンタル、リース
倉庫業
港湾運送事業、
倉庫業
コントラクトフードサービス事業、
病院福祉の給食受託
(その他42社)
情報産業グループ
会社名
日本スペースイメージング(株)
(日本)
MC Silicon Valley Inc.(アメリカ)
メモリーテック
(株)
(日本)
(株)エム・エス・コミュニケーションズ
(日本)
ネットワンシステムズ
(株)
(日本)
28社
出資比率
(%)
94.90
100.00
29.21
50.00
宇宙通信
(株)
(日本)
20.27
35.00
28.41
ユニダックス(株)
(日本)
27.94
(株)プラット・ワン(日本)
事業内容
衛星による地表物のデータ・画像の加工・販売
ベンチャーキャピタル、
ベンチャービジネス向け投資
オーディオ用CD、
CD-ROM、DVDその他光ディスク関連商品の製造販売
移動体通信サービス・端末および各種通信サービス並びに通信放送事業に係わるサービス・
機器全般の取扱
ネットワークインテグレーション事業、
LAN/WAN関連機器・ソフト販売
東経110度衛星を利用したCSデジタル放送プラットフォーム事業
スーパーバードによる第一種電気通信事業および受託放送事業
半導体、
電子部品、
情報機器およびソフトウェアの輸入販売、マイコン開発支援装置の開発
および販売、ハードディスクなど周辺装置の販売
(その他20社)
エネルギー事業グループ
会社名
Brunei LNG Sendirian Berhad(ブルネイ)
71社
出資比率
(%)
25.00
50.00
Japan Australia LNG(MIMI)Pty., Ltd.(オーストラリア) 50.00
MC BITOR Ltd.(中国)
50.00
エム・シー・カーボン(株)
(日本)
100.00
エムシー・エネルギー
(株)
(日本)
100.00
エム・シー海運
(株)
(日本)
70.00
エムシー・マリーン
(株)
(日本)
100.00
MCX New Ventures, Ltd.(アメリカ)
100.00
三菱液化ガス(株)
(日本)
52.50
三菱商事石油(株)
(日本)
100.00
小名浜石油
(株)
(日本)
80.00
Petro-Diamond Inc.(アメリカ)
100.00
ペトロダイヤモンドジャパン
(株)
(日本)
100.00
Petro-Diamond Singapore(Pte)Ltd.(シンガポール)
100.00
Sakhalin Energy Investment Co., Ltd.(ロシア)
20.00
石油コークス工業
(株)
(日本)
100.00
東邦石油
(株)
(日本)
33.33
(その他53社)
(株)ダイヤ昭石(日本)
事業内容
液化天然ガスの製造・販売
石油製品販売業
西豪州北西大陸棚における天然ガス・コンデンセート・LPG・原油の開発販売
オリマルジョン販売業
炭素製品販売業
アスファルトおよび石油製品販売業
内航海上輸送
船舶運航管理会社
石油天然ガスの探鉱開発販売
LPG並びにLPG器具国内販売
石油製品卸売業
石油類倉庫業、
土地・設備賃貸業、石油輸入・販売業
石油販売業
石油製品販売業
石油販売業
原油・天然ガス生産・販売
石油コークス加工・保管・販売業
石油精製および石油製品製造・販売
page
100
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{主要連結子会社および関連会社}
金属グループ
会社名
129社
出資比率
(%)
朝日機材
(株)
(日本)
62.43
アサヒスティール
(株)
(日本)
78.10
Coilplus Holdings, Inc.(アメリカ)
97.59
富源商事
(株)
(日本)
60.76
Heisei Minerals Corporation(アメリカ)
40.00
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
25.00
五十鈴(株)
(日本)
70.00
ジェコ(株)
(日本)
60.00
京葉ブランキング工業
(株)
(日本)
40.41
(株)九州スチールセンター
(日本)
55.29
(株)エム・シー・アルミ(日本)
100.00
M.C. Inversiones Limitada(チリ)
100.00
MC Metal Service Asia(Thailand)Co., Ltd.(タイ)
100.00
エムシー・メタルテック(株)
(日本)
100.00
エムシー・ムサシ(株)
(日本)
100.00
三菱商事西日本鉄鋼センター
(株)
(日本)
100.00
エム・シー非鉄
(株)
(日本)
100.00
MC Steel Trade Center Pte Ltd.(シンガポール)
100.00
エム・シー・スティールトレード
(株)
(日本)
100.00
Mitsubishi Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
100.00
Mitsubishi International Steel Inc.(アメリカ)
100.00
三菱商事軽金属販売(株)
(日本)
100.00
NOVA ERA SILICON S/A(ブラジル)
25.50
大野興業
(株)
(日本)
67.00
(株)オトフジ
(日本)
71.03
Ryowa Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
100.00
(中国)
深I宝菱同利有限公司
70.00
(株)サステック(日本)
57.90
Ultra Clean Technology Systems & Service, Inc.(アメリカ)100.00
(その他100社)
事業内容
建設機器資材の販売、
賃貸
特殊鋼販売業
鋼板加工事業の統括
伸銅品、
アルミ・鉄鋼二次製品販売
チノ銅鉱山事業の投資会社
鉱山業
鋼材
(薄板類)
の加工販売
銅鉱床開発投資
金属加工業
鋼材倉庫業・鋼板加工業
金属加工販売業
チリ鉄鉱山事業の投資会社
金属加工販売業
鋼材加工販売業
各種ステンレス製品の販売
金属加工販売業
アルミ製品、伸銅品、
その他金属製品の販売および金属建具・内装工事
鉄鋼製品販売業
鉄鋼製品輸出販売業
石炭採掘販売
北米における鉄鋼卸売り
アルミニウムおよび非鉄地金の販売業
フェロシリコン製造業
鋼材販売業
鋼管および同付属品の販売業
アルミニウム製錬事業への投資およびアルミ地金の販売
鋼板加工・販売
ステンレス鋼材加工販売業
半導体製造装置用高純度ガスパネルの開発設計・製造・販売
機械グループ
会社名
(株)ダイヤモンドシティ
(日本)
194社
出資比率
(%)
33.38
Diamond Generating Corporation(アメリカ)
100.00
Isuzu Engine Manufacturing Co.,(Thailand)Ltd.(タイ) 15.00
Isuzu Motors Co.,(Thailand)Ltd.(タイ)
47.93
Isuzu Philippines Corporation(フィリピン)
35.00
MAC Funding Corporation(アメリカ)
100.00
MC Machinery Systems, Inc.(アメリカ)
100.00
MC Realty, Inc.(アメリカ)
100.00
三菱オートクレジット・リース(株)
(日本)
43.25
三菱商事テクノス
(株)
(日本)
70.00
Mitsubishi Motors de Portugal, S.A.(ポルトガル)
50.00
MKG Kreditbank GmbH(ドイツ)
45.00
エム・エス・ケー東急機械
(株)
(日本)
100.00
(株)レンタルのニッケン
(日本)
63.76
日東都市開発(株)
(日本)
95.00
P.T. Dipo Star Finance(インドネシア)
85.00
Spitalgate Dealer Services Ltd.(イギリス)
51.00
Thai Auto Sales Co., Ltd.(タイ)
93.50
The Colt Car Company Ltd.(イギリス)
49.00
Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.(タイ)
98.67
(その他174社)
事業内容
商業施設開発・運営
電力事業
エンジン製造
車輌組立業
自動車輸入製造販売およびそれに付帯する業務
中量販品の販売金融会社
工作機械の販売・アフターサービス
不動産投資事業
各種車両賃貸業および貸金業
工作機械販売業
自動車輸入販売業
自動車販売金融業
農業機械・酪農施設の販売・建設・サービス
建設機械などの賃貸並びに販売
商業施設の企画・建設・運営および管理
ファイナンス業
(主として自動車のリース)
自動車販売金融業
自動車販売金融業
自動車輸入販売業
自動車輸入・製造販売並びにこれに付帯する業務
page
101
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{主要連結子会社および関連会社}
化学品グループ
会社名
58社
出資比率
(%)
Aristech Acrylics Limited Liability Company(アメリカ)
Aromatics Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア)
C&M Fine Pack, Inc.(アメリカ)
中央化成
(株)
(日本)
Exportadora de Sal, S.A. de C.V.(メキシコ)
明和産業
(株)
(日本)
Metanol de Oriente, METOR, S.A.(ベネズエラ)
MITENI S.p.A.(イタリア)
三菱商事アグリサービス
(株)
(日本)
三菱商事ケミカル
(株)
(日本)
三菱商事プラスチック
(株)
(日本)
P.T. Kaltim Parna Industri(インドネシア)
Tosoh Hellas A.I.C.(ギリシャ)
東和化成工業(株)
(日本)
90.00
20.00
20.00
100.00
49.00
32.93
25.00
91.11
100.00
100.00
100.00
55.00
35.00
34.34
事業内容
アクリルシートメーカー
パラキシレン・ベンゼン製造・販売
食品容器製造業
化学品製造、販売
製塩業
商社
メタノール製造・販売
フッ素化合物製造販売
肥料国内販売
溶剤、コーティングレジン、
他販売
合成樹脂原料製品の販売
アンモニア製造業
電解二酸化マンガン製造・販売
食品・食添および化学品製造および販売
(その他44社)
生活産業グループ
会社名
AGREX, Inc.(アメリカ)
(株)アイテックス
(日本)
Alpac Forest Products Inc.(カナダ)
California Oils Corporation(アメリカ)
コカ・コーラセントラルジャパン
(株)
(日本)
大日本明治製糖
(株)
(日本)
(株)グリーンハウザー(日本)
Indiana Packers Corporation(アメリカ)
(株)ジャパン・ファーム
(日本)
(株)ライフギアコーポレーション
(日本)
松谷化学工業(株)
(日本)
MCC Development Corporation(アメリカ)
エム・シー・フーズ
(株)
(日本)
MC Forest Products Inc.(カナダ)
Mitsubishi Cement Corporation(アメリカ)
三菱製紙販売(株)
(日本)
三菱商事建材(株)
(日本)
三菱商事パッケージング
(株)
(日本)
日本農産工業(株)
(日本)
日本食品化工(株)
(日本)
日東製粉
(株)
(日本)
Princes Ltd.(イギリス)
(日本)
* リノール油脂(株)
(株)リョウチク(日本)
(株)菱食(日本)
三洋食品
(株)
(日本)
東洋冷蔵
(株)
(日本)
Tredia Fashion Co., Ltd.(中国)
(その他150社)
178社
出資比率
(%)
100.00
99.95
70.00
100.00
23.60
100.00
100.00
80.00
40.00
100.00
30.00
30.00
91.50
100.00
28.71
20.00
100.00
88.21
20.80
30.63
40.90
100.00
60.00
95.26
50.50
100.00
80.82
100.00
事業内容
穀物貯蔵販売
不動産管理賃貸業
パルプ製造販売
植物油脂搾油・精製業
清涼飲料水製造販売業
製糖業
木材製品、
建材、住宅機器の販売
豚肉処理・加工・販売業
畜産業(ブロイラー・肉豚の生産、処理、
加工)
履物、生活雑貨販売
澱粉加工業
生コン・骨材製造販売関連を行う投資会社
コーヒー豆および食品類販売業
パルプ販売統括
セメント製造・販売
紙類卸売業
建設用資機材販売
各種包装資材、
段ボ−ル原紙、段ボ−ル製品、
洋紙販売
配合飼料製造販売、畜水産物生産・加工・販売、
家畜飼育・販売
コーンスターチおよび同加工品製造
製粉業
食品製造販売
植物油脂製造
畜産物販売業
食品卸売業
食品加工販売業
冷凍魚類販売
繊維製品販売
* リノール油脂(株)は、経営統合を行った結果、2002年4月1日より日清オイリオ(株)となりました。新会社への出資比率は16.63%となっております。
page
102
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{主要連結子会社および関連会社}
コーポレートスタッフ部門
会社名
Fullerene International Corporation(アメリカ)
(株)興人(日本)
三菱商事フィナンシャルサービス(株)
(日本)
ナットソース・ジャパン(株)
(日本)
新東亜交易
(株)
(日本)
28社
出資比率
(%)
33.33
30.00
100.00
24.76
25.00
事業内容
フラーレン・カーボンナノチューブの商業化と知的財産管理
発酵・化学紙・フィルム・化学品製造および不動産業
財務・経理・審査業務受託、企業金融、経営コンサルティング業務
環境・エネルギー商品のブローキングおよびコンサルティング
商社
(その他23社)
主要地域子会社
会社名
オーストラリア三菱商事会社
(オーストラリア)
カナダ三菱商事会社(カナダ)
伯国三菱商事会社
(ブラジル)
香港三菱商事会社
(中国)
欧州三菱商事会社
(イギリス)
英国三菱商事会社
(イギリス)
メキシコ三菱商事会社
(メキシコ)
米国三菱商事会社
(アメリカ)
独国三菱商事会社
(ドイツ)
(タイ)
泰MC商事会社
37社
出資比率
(%)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
65.80
事業内容
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
在欧州現地法人の持株会社
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
(その他27社)
* 非連結子会社、非連結関係会社を除く。
** 連結子会社は、議決権の過半数を所有するすべての国内および海外子会社からなっています。関連会社は、株式所有比率が20%以上50%以下を所有する会社および20%未満であっても影
響の大きい会社、コーポレートジョイントベンチャーからなっています。関連会社に対する投資は、一部例外を除き、持分法の適用により計算された価格をもって表示しています。
page
103
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主情報}
株主情報
授権株式および発行済株式
当社の授権株式数は定款によって、
普通株式2,500,000,000株と定められています。
当社の発行済株式はすべてが完全払込方式で追加出資義務の
ない普通株式です。2002年3月末の発行済株式総数は1,567,175,508株となっています。
また、2002年6月27日に開催された株主総会において、1億株1,000億円を上限とした自己株式取得枠の設定が承認されました。
大株主の状況
2002年3月末の大株主10位までの状況とそれぞれの所有株式数(所有比率)は次の通りです。
所有株式数
(千株)
発行済株式総数
に対する
所有株式数の割合
(%)
東京海上火災保険株式会社
95,753
6.11
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社信託口
86,618
5.53
明治生命保険相互会社
80,552
5.14
三菱信託銀行株式会社
73,629
4.70
三菱信託銀行株式会社信託口
61,807
3.94
株式会社東京三菱銀行
61,543
3.93
三菱重工業株式会社
48,920
3.12
株式会社第一勧業銀行
41,602
2.65
UFJ信託銀行株式会社信託勘定A口
33,879
2.16
日本生命保険相互会社
計
32,573
2.08
616,878
39.36
上記以外に、当社を直接または間接的に5%以上保有している株主を当社が把握していない場合もあります。
取締役および監査役の株式保有状況
2002年6月27日現在の当社取締役および監査役の当社株式の保有状況は下記の通りで、保有株式総数は305千株です。
所有株式数
(千株)
槙原 稔
佐々木幹夫
相原 宏徳
古川 洽次
外村 直久
小島 順彦
山口 寛治
高島 正之
36
35
10
20
25
14
22
13
所有株式数
(千株)
増田 幸央
16
24
8
10
14
11
6
3
可児 晋
橋本 毅
石橋 武
稲井 駿一
亀崎 英敏
増田 信行
谷口 一郎
当社はストックオプション制度を導入しています。詳細については財務諸表に対する注記をご覧下さい。
page
104
所有株式数
(千株)
有馬 龍夫
新開 友三
若井 恒雄
樋口 公啓
小倉 義弘
上野 学
1
15
3
3
8
6
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{株主情報}
株主総会
当社の定時株主総会は通常毎年6月に東京で開催しております。また必要に応じて臨時株主総会を開催します。
株主総会の開催場所、
開催日時、
決議・報告事項などについては、
各株主
(外国居住株主については日本の常任代理人)
に対し、
総会の2週間前までに
招集通知を発送いたします。
株式の取扱い
日本の商法にしたがい、
株式の移転は株券の移転により有効となりますが、
当社に対し議決権を行使する場合は、
氏名、
住所を当社の株主名簿に登
録する必要があります。
このため、
株主は氏名、
住所、
印鑑
(外国居住株主については署名)
を名義書換代理人に対し届け出ていただく必要があります。
また、
外国居住株主については、
日本における常任代理人を定めて届け出ていただく必要があります。
日本の銀行および証券会社が常任代理人として
の業務を一定手数料にて行っています。
当社の名義書換代理人は三菱信託銀行株式会社証券代行部(〒100-8212 東京都千代田区永田町二丁目11番1号)です。
配当金
利益配当金は毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された株主に対し、株主総会の承認を得て、その保有株式数に応じて支払われます。
また定款の規定により、当社は、毎年9月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主に対し取締役会の決議により中間配当金を支払うこと
ができます。
また当社は定款の規定に基づき、利益配当金および中間配当金が支払い開始の日から満3年を経過しても受領されないときは、当社はその支払い
義務を免れることになります。
外国居住者の株式取得
日本国内の上場企業の株式を外国居住者が取得し、
その結果、
保有株式数が当該企業の発行済株式総数の10%以上となった場合は、
財務大臣に取
引後直ちに報告する義務が一般的に生じ、
また場合によっては他の大臣に報告する義務も生じます。
また日本国内の上場株式を外国居住者が取得し、
その結果、保有株式数が当該企業の発行済株式総数の10%未満となった場合には、財務大臣への報告義務は一般的には生じません。
日本における利益配当金、
中間配当金および株式売却代金は、外国為替に換金され、本国に送金することができます。
また株式分割時における外国
居住者の株式取得については、その報告対象となっていません。
また外国居住者を含む投資家が上場企業の発行済株式数の5%以上を保有する場合は、
証券取引法にしたがい、
財務局長への報告書の提出が義務づ
けられています。
日本の税制
一般的に、日本企業の株式所有に係る外国居住者に対する配当源泉徴収税率は20%となっています。
しかしながら、諸外国との間で締結されてい
る租税条約に基づき、機関投資家に対しては軽減税率が認められています。
また一般に株式分割については日本国内の所得税法の対象外となっています。
注記:この株主情報は本アニュアルレポートの読者に対し、便宜的に行っているものであり、外国居住者の株式取得および日本の税制に関しては、弁護士および税理士などの相談を受け
ることをお勧めします。
page
105
Mitsubishi Corporation Annual Report 2002
{組織図}
三菱商事株式会社組織図(2002年7月1日現在)
新機能事業戦略室
株主総会
ビジネスクリエーションユニット
•IT事業本部
新機能事業グループ
• コンシューマー事業本部
• 金融事業本部
監査役会
• 物流サービス本部
監査役付
ヘルスケア事業ユニット
監査役
情報産業グループCEOオフィス
情報産業グループ
情報産業グループ監査室
• 通信・放送本部
• 宇宙航空機本部
国際諮問委員会
取締役会
エネルギー事業グループ業務推進室
ガバナンス委員会
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
エネルギー事業グループ
エネルギー事業開発ユニット
• 天然ガス事業本部
• 石油事業本部
取締役社長
• 炭素・LPG事業本部
社長室会
金属管理部
金属グループCEOオフィス
金属グループIT推進統括室
経営企画部
監査部
金属グループ
事業開発部
金属資源統括ユニット
鉄鋼製品事業ユニット
部品事業開発ユニット
ITS事業企画部
• 鉄鋼本部
広報部
• 非鉄金属本部
オフィスビル企画部
機械グループCEOオフィス
人事総務部
機械新規事業開発ユニット
法務部
調達ソリューション事業ユニット
機械グループ
地域総括部
• 重電機本部
• プラントプロジェクト本部
国際戦略研究所
• 環境・開発プロジェクト本部
コントローラーオフィス
• 自動車事業本部
トレジャラーオフィス
化学品グループCEOオフィス
IR部
アリステックユニット
化学品グループ
フェニックスユニット
• 汎用化学品本部
• 機能化学品本部
生活産業グループ監査室
生活産業IT戦略ユニット
生活産業グループ
• 食糧本部
• 食品本部
• 繊維本部
• 資材本部
page
106
財務ハイライト
コーポレートデータ(2002年3月31日現在)
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2001年
2002年
2002年
¥13,995,298
603,716
131,898
80,800
92,105
¥13,230,675
643,922
99,590
53,715
60,225
$99,479
4,842
749
404
453
当期業績:
三菱商事株式会社
設立年月日:1950年4月1日
株主数:54,943名
資本金:¥126,608,712,734
上場証券取引所:
東京、
大阪、名古屋、
福岡、札幌、ロンドン
発行済株式総数:1,567,175,508
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
本店所在地:
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
従業員数:
単独: 6,628名
連結:44,034名
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,067,189
969,356
資本勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:
1株当たり(円および米ドル)
1株当たり当期純利益* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
8,144,926
1,028,523
連絡先:
三菱商事株式会社 IR部
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
電話: 03-3210-2121
ファクシミリ: 03-3210-8583
URL: www.mitsubishi.co.jp/ir/index(日本語)
www.mitsubishi.co.jp/En/investor(英語)
ADR:
比率:1ADR=2普通株
(店頭取引)
上場市場:OTC
シンボル:MSBHY
CUSIP番号:606769305
独立監査法人:
監査法人トーマツ
会計年度末:
株式名義書換代理人:
三菱信託銀行株式会社
〒100-8212
東京都千代田区永田町ニ丁目11番1号
ADR名義書換代理人:
The Bank of New York
101 Barclay Street,
New York, NY 10286, U.S.A.
電話:
(212)815-2042
フリーダイヤル(米国内)
:888-269-2377
(888-BNY-ADRS )
61,240
7,733
ネットワーク(2002年9月1日現在)
¥
58.77
8.00
¥
38.44
8.00
$
0.29
0.06
拠点数
国内: 39
海外:109(この他、世界各地に38の現地法人を設けており、これらの本・支店などが69か所あります。
)
注記:米ドル金額は、便宜的に1米ドル=133円で換算しています。
海外拠点*
北米・中米
売上総利益
当期純利益と1株当たり当期純利益*
(単位:十億円)
1998
(単位:十億円)
588.2
1998
1999
582.9
1999
2000
575.1
2000 16.61
2001
2002
資本勘定
603.7
643.9
(単位:十億円)
47.6
30.40
19.90
31.2
1999
26.0
2001
2002
1998
2000
58.77
38.44
60.2
92.1
2001
2002
1,009.4
949.5
905.7
969.4
1,028.5
1株当たり当期純利益(円)*
* 当社は、希薄化による1株当たりの当期純利益への影響はほとんどありません。詳しくは連結財務諸表に対する注記2.および16.をご参照下さい。
■ 海外事務所
グアテマラ
サンサルバドル
■ 海外現地法人
米国三菱商事会社
ニューヨーク
ポートランド
サンフランシスコ
シアトル
パロアルト
ロスアンゼルス
ダラス
ヒューストン
シカゴ
ハンツビル
ピッツバーグ
ワシントン
ボストン
カナダ三菱商事会社
バンクーバー
トロント
モントリオール
メキシコ三菱商事会社
メキシコシティ
モンテレイ
パナマ三菱商事会社
パナマ
見通しに関する注意事項
南米
このアニュアルレポートに記載されている、
三菱商事の将来の収益計画、
戦略、
理念および業績見通しなどのうち、
歴史的事実でないものは、
将来に関する見通しです。
これらは、
現在入手可能な期待、
見積り、
予想、
計画および当社の経営者による判断に基づいております。
これらの期
待、
見積り、
予想、
計画は、
多くの潜在的リスク、
不確実な要素、
仮定を含んでおり、
実際の業績は、
これらの重要な要素の変動により、
当社の見込
みとは大きく異なる可能性があります。
したがって、
読者の皆様におかれましては、
これらの将来予測に関する記述について全面的に依拠する
ことは控えるようお願いいたします。
また、
当社は新しい情報、
将来の出来事あるいはその他動向に関するすべての見通しに関する注意事項を
更新する責任を負うものではありません。
実際の業績に影響を与えうるリスクや不確実な要素、
仮定には上記の内容以外に、
商品市況、
為替レート、
当社の事業領域を取り巻く世界経
■ 海外事務所
キト
ラパス
アスンシオン
■ 海外現地法人
ペルー三菱商事会社
リマ
コロンビア三菱商事会社
サンタフェ・デ・ボゴタ
智利三菱商事会社
サンチャゴ
ベネズエラ三菱商事会社
カラカス
プエルト・オルダス
国内拠点*
亜国三菱商事会社
ブエノスアイレス
伯国三菱商事会社
サンパウロ
リオデジャネイロ
ヨーロッパ
■ 海外事務所
ロンドン
ワルシャワ
イスタンブール
アンカラ
プラハ
ソフィア
モスクワ
ユジノサハリンスク
キエフ
バクー
トビリシ
タシケント
アルマトゥイ
オスロ
ストックホルム
■ 海外現地法人
欧州三菱商事会社
ロンドン
ポルトガル三菱商事会社
リスボン
スペイン三菱商事会社
マドリッド
英国三菱商事会社
ロンドン
仏国三菱商事会社
パリ
オランダ三菱商事会社
ロッテルダム
独国三菱商事会社
デュッセルドルフ
ベルリン
フランクフルト
ハンブルグ
イタリア三菱商事会社
ミラノ
ギリシャ三菱商事会社
アテネ
アフリカ
アジア
■ 海外事務所
ヨハネスブルグ
ダカール
カサブランカ
アルジェ
チュニス
ハラーレ
マプト
ナイロビ
ダルエスサラーム
アビジャン
■ 海外事務所
カラチ
クアラルンプール
シンガポール
マニラ
コロンボ
ダッカ
ハノイ
ホーチミン
北京
天津
青島
大連
瀋陽
上海
成都
広州
イスラマバード
ラホール
ボンベイ
コーチン
ニューデリー
バンガロール
マドラス
カルカッタ
ヤンゴン
プノンペン
ジャカルタ
スラバヤ
バンダル・スリ・ブガワン
カトマンズ
■ 海外現地法人
インドMC
ニューデリー
泰国三菱商事会社
バンコク
ハジャイ
泰国MC商事会社
バンコク
ハジャイ
シナール・ベルリアン
クアラルンプール
■ 海外現地法人
ナイジェリア三菱商事会社
アブジャ
ラゴス
エチオピア三菱商事会社
アディスアベバ
中東
■ 海外事務所
アンマン
バグダッド
トリポリ
リヤード
ジェッダ
アル・コバル
ドーハ
カイロ
ラマッラ
ダマスカス
アブダビ
ドゥバイ
テルアビブ
マスカット
■ 海外現地法人
アル・マサット アル・サラース
トレーディング
(クエート三菱商事)会社
クエート
イラン三菱商事会社
テヘラン
三菱商事
(中国)
投資有限公司
上海
三菱商事(広州)有限公司
広州
三菱商事(天津)有限公司
天津
三菱商事(上海)有限公司
上海
南京
三菱商事(大連)有限公司
大連
香港三菱商事会社
香港
深I
厦門
台湾三菱商事会社
台北
高雄
韓国三菱商事会社
ソウル
光陽
蔚山
浦項
オセアニア
■ 海外事務所
ヌメア
■ 海外現地法人
オーストラリア三菱商事会社
シドニー
パース
メルボルン
ニュージーランド三菱商事会社
オークランド
本店
東京
北海道ブロック
札幌
苫小牧
東北ブロック
仙台
八戸
盛岡
郡山
中部ブロック
名古屋
新潟
富山
長野
静岡
関西ブロック
大阪
神戸
岡山
高松
中国ブロック
広島
福山
徳山
宇部
九州ブロック
福岡
北九州
長崎
大分
鹿児島
那覇
済情勢、
係争中および将来の訴訟の結果、
調達資金や金融商品、
財源の継続的な有用性などがあります。
ただし、
業績に影響を与えうる要素はこ
れらに限定されるものではありません。
このアニュアルレポートは、再生紙にアロマフリータイプ大豆油インクを使用して印刷されています。
page
107
* 本データには、プロジェクト事業所は含まれておりません。
www.mitsubishi.co.jp/outline/f_network
三菱商事株式会社 アニュアルレポート2002
Gaining Momentum
www.mitsubishi.co.jp
アニュアルレポート2002
2002年3月期
Printed in Japan