第3学年3組 道徳指導案(PDF:361KB)

第3学年3組 道徳学習指導案
平成27年11月4日(水)第5校時
指
導 者
場
所
1
主題名 すなおな心であやまろう [内容項目1―(4)正直・明朗]
2
資料名 あらそい 出典 みんなのどうとく3年 埼玉県版【学研】
教諭
3年3組 教室
3 主題設定の理由
(1)ねらいとする価値について
本主題である小学校の中学年の内容項目1-(4)は「過ちは素直に改め、正直に明るい心で元気よ
く生活する。」となっている。児童が積極的で健康的な自己像を描くには、自己の過ちを認め、改めて
いく素直さをもつとともに、誠実さをもち、明るく楽しい生活を心掛けようとする姿勢をもつことが大
切である。過ちや失敗はだれにも起こりうることである。そのときの自己保身的なうそやごまかしは、
あくまでも一時しのぎ的なものであり、真の解決には至らず、他者の信頼を失うどころか、自分自身の
中に後悔や自責の念、強い良心の呵責などが生じる。それを乗り越えるのが正直な心であり、自分自身
に対する真面目さであり、伸び伸びと過ごそうとする心の明るさである。そのような誠実な生き方を大
切にする心を育てていくことが重要である。中学年の児童においては、特にうそをついたりごまかしを
したりしないことも含めて自分自身に正直であることの快適さを自覚できるようにする必要がある。さ
らに、過ちを犯したときには素直に反省し、すぐにでも正直に伝えるなどして改めようとする気持ちを
はぐくむことも求められる。正直であるからこそ、明るい生活が実現できることを理解し、この段階の
活動的な特徴を生かし、児童それぞれが元気よく生活していこうとする態度を育てたいと考え、本主題
を設定した。
(2)児童の実態について
男子
名、女子
名、計
名のクラスである。クラスの子どもたちは、明るくめあてに向かっ
て一生懸命取り組み、声を掛け合い、お互いを高めあおうとする姿が見られる。また、「楽しいクラス」
を学級目標に思いやりの気持ちを行動できるよう学級経営を行っている。しかし、快活さと興味の拡大
から回りの人々のことを考えずに自己中心的な行動をしてしまう中学年の児童の特徴から、本学級に
おいても些細な出来事で争い事があった時などは、自分を振り返れず、感情が先走りしてしまう児童も
いる。また、自分の方に過ちがあっても素直に認めようとせず、相手の過ちばかり厳しく追求するとい
った自己本位的な考え方の児童もいる。
次に本内容項目に関するアンケート結果を以下に記す。
道徳アンケート
平成27年10月7日実施
対象 3年3組児童
名
問1 小さな出来事から友だちとケンカになったことはありますか。
はい 24人
いいえ 5人
問2 どんなケンカでしたか。教えてください。
・どっちがはやく走れたか
・おかしの取り合い ・ぶつかってケンカになった
・ころんだのを自分のせいにされた ・足をふまれた ・遊んでいたらケンカになった
・注意したらおこられ、ケンカになった ・わる口を言ってケンカになった
など
問3 その時、どんなたいどをしてしまいましたか。(言葉もあれば)
・わる口を言ってしまった
・バカにしているようなたいどをした ・たたいた
・ものをうばってしまった
・しゃべらないようにした ・言いあらそいをした
・ふざけて強い言い方をした
など
問4 ケンカの後はどんな気持ちになりましたか。
・心がもやもやした ・はらが立った ・いらいらした ・むかむかした ・あの人いやだ
・落ち着かなかった
・もう遊びたくない
・自分の頭の中で友だちに言われたいやな言葉がぐるぐるしていた。
・こうかいした ・かなしい気持ちになった ・明日あやまろうかな
・早くあやまらないと、ちょっと言いすぎた ・あやまりたいのにあやまれない
問5 自分からすなおにあやまれましたか。
自分からあやまった 11人
友だちがあやまってくれた 4人
どちらもあやまらないでなかなおりした 14人
アンケート結果から、些細な出来事からケンカになってしまった経験は多い。
(問1・問2より)
また、相手に対して「わる口」や「バカにする」
、「しゃべらないようにする」や「たたいてしまう」
など、その時の感情を相手にぶつけていることが分かる。(問3より)
ケンカの後、まだあやまっていない状態では「腹が立つ」や「遊びたくない」、と感情を出す児童もい
れば、
「悲しい気持ち」「後悔した」
「ちょっと言い過ぎた」と反省する児童。「あやまりたいのにあやま
れない」
「明日あやまろうかな」と自分をふり返る児童もいる。(問4より)
自分からすなおにあやまれましたか。
(問5)の項目では自分からあやまれた児童は11人で、多くは
友だちや自然になかなおりしていることが分かる。このことから「素直にあやまる」と言うことが自分
を見つめ直すことは、自己の力で自己をよりよくしていくこと、つまり生徒指導の目標である自己指導
能力の育成につながると考える。
そこで、本主題を通して、児童に相手の立場や状況をよく考えて行動し、過ちに気づいたら素直に改
めようとする気持ちを深めていき正直に明るい心で元気よく生活していこうとする態度を育てていきた
い。
(3)資料について
外国での学校の作文の時間の出来事である。となりに座っていたコレッティがあやまって主人公のひ
じをついてしまい、書きかけのノートにインクがこぼれてしまう。主人公はくやしい気持ちをおさえき
れず、十分考えずにコレッティに仕返しをしてしまい、その後でいろいろ思い悩んでしまう。十分考え
ないまま行動してしまい、自分の過ちに気づくが、素直に認めることのできない主人公の心情を通して
主人公のような立場に立った時の今までの自分を振り返りながら、主体的に考えさせるようにする。ま
た、主人公とコレッティの心情や行動を対比して考えさせることによって、自分の行動を素直に見つめ、
過ちは改めようとすることの素晴らしさに気づかせ、正直に明るい心で元気よく生活していこうとする
ことに広げていきたい。
4
研究主題とのかかわり
研究主題「確かな力を持ち、豊かな心で学び、思いや願いを実現する子の育成」
~生きる力を育む健康教育の推進~
めざす児童像
・社会のルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童
・力いっぱい運動し、思いっきり汗をかく児童
・自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身をもつ児童
研究の仮説
・豊かな体験を通して、教育活動全体で道徳教育の充実を図ることができれば、社会の
ルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童を育成できるであろう。
・体育授業および体育的活動を通して魅力的な運動(運動遊び)を提供できれば、体を
動かす喜びを味わい力いっぱい運動する児童を育成できるであろう。
・家庭や地域と連携を図りながら保健・安全教育および食育の充実を図ることができれ
ば自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身を持つ児童を育成するこ
とができるであろう。
(1)豊かな心を育む道徳教育の工夫
本主題である中学年の内容項目1-(4)は「過ちは素直に改め、正直に明るい心で元気よく生活す
る。」ことを資料「あらそい」を契機として、今の生活と照らし合わせながら自分を冷静に振り返り、
自分の良くないところを素直に認め、素直に謝れる心に自信を持たせ、また相手を許せる寛容さを身に
付けさせることで自他を尊重できる児童の育成をめざしていく。
(2)他の教育活動との連携
道徳
・
「やくそく」1-(4)
体育科
「運動会」
「ともだちのよいとこ
(反省・誠実・明朗)
励まし合い、失敗を認
ろを見つけよう」
誰に対しても真心を持
め、寛容な態度で受け
友だちのいいところ、直
↓
って接し、相手のこと
入れ、協力して成功さ
してほしいところもす
を思いやり、約束を守
せようとする態度を育
べて受け入れ、仲良くす
ろうとする態度を育て
てる。
ごそうとする態度を育
る
特別活動
てる。
「あらそい」1-(4) 素直な心であやまろう
自分のしたことを冷静に振り返り、自分の良くないところは素直に認め、進んで
謝ろうとする態度を育てる。
道徳
5
体育科 ゲーム
音楽
「ガラスの心」1-(4)
「ベースボール型」
「ハーモニー集会」
自分自身に正直で、明る
励まし合い、失敗を受
励まし合い、失敗を認
い心で生活しようとす
け入れ、協力してがん
め、寛容な態度で受け入
る態度を育てる。
ばろうとする態度を
れ、協力して成功させよ
育てる。
うとする態度を育てる。
本時のねらい
自分のしたことを冷静に振り返り、自分の良くないところは素直に認め、進んで謝ろうとする態度を
育てる。
6
学習指導過程
段階
学習活動と主な発問
予想される児童の反応
○指導上の留意点
時間
☆評価の観点
導
入
展
開
1
事 前 の ア ン ケ ー ・わざとじゃないからあやまらな
トの結果を見て友
かったよ。
○ささいなケンカの原因、その
時の態度、その後の気持ちに
達 の 考 え や 行 動 を ・自分からあやまることができな
ついて紹介し、資料の主人公
知る。
に共感できるようにする。
かったよ。
2 資料「あらそい」 ・ せっかく頑張ったのにもっ
を読み、話し合いの
たいない。
○具体物を提示やインクをこ
ぼす場面を再現することで
方向性をつかむ。
臨場感を高め、出来事の経緯
(1)登場人物や条
や心情の変化をつかめるよ
件・情況を知る
3分
うにする。
2分
○主人公(エンリーコ)とコレ
展
開
ッティの友達関係の深さを
押さえる。
(2)範読を聞く
○紙芝居により範読を行い、あ
3分
らそいが起きた場面までで
考えさせる。
(3)話題の整理と確
認をする
10 分
3 主人公「ぼく」
(エンリーコ)の心の
葛藤を中心に話し
合う。
(1)コレッティ君に
・インクをこぼされて頭にきた。 ○やられたことについカッと
「おい、帰りに待 ・わざとでなくても謝らないのは
した「ぼく」に十分共感させ
っていろよ。」と
る。
おかしい。
さ さ や か れ た と ・笑顔で言っていて、反省してな
き。
4
いのは許せない。
○冷静になって自分のしたこ
とを反省している「ぼく」だ
・向こうが先にやってきたんだ。
が、素直に謝れない心の葛藤
・わざとだから謝らなくちゃ。
を自分の経験と重ねて考え
・怒っている、
許してくれるかな。
させ、話し合いを通して理解
・やりすぎちゃったかな。
させる。
物語の続きを聞
○物語の続きを範読し、主人公
き、主人公「ぼく」
4分
の気持ちを考えさせる。
(エンリーコ)の
心の移り変わり
を中心に話し合
う。
(1)どうして仲直り ・コレッティ君が先に謝ってくれ
ができたのだろ
たから。
○唐突に謝られた主人公の戸
3分
惑いを押さえる。
うか。
(2)家に帰ってから
どんなことを考
・僕の方こそ悪かったよ。
・先に謝れなくてごめんね。
えたのだろうか。 ・素直になれなくてごめんね。
・素直に謝ることができるように
なろう。
・今度は自分から謝るぞ。
・自分の悪いところは素直に認め
よう。
○仲直りをするために伝えた
かった言葉をしっかりと考
えさせることで、言えずに終
わってしまった後悔の気持
ちを高めさせる。
10 分
4
友 だ ち と 明 る い ・自分の過ちは素直に認めるよう
気持ちで仲良く
生活していくた
にする。
いきたいか。
8分
により、今までの自分とこれ
・自分から素直に謝れるようにす
めには、どうして
○書く活動を取り入れること
る。
からの自分を見つめ直すこ
とができるようにする。
・強がりをせず、素直に謝ること
ができるようにする。
☆主人公の後悔の気持ちから
学び、今後の自分を見つめ直
し自分の良くないところは
素直に認め、進んで謝ろうと
する意欲を高めることがで
きたか。
終
末
5
教師の説話を聞
○教師が、素直で正直なことの
く。
2分
大切さを体験談をもとに話
し、児童の意欲が高まるよう
にしたい。
7板書計画
・
自
分
の
わ
る
い
と
こ
ろ
は
す
な
お
に
み
と
め
よ
う
。
・
素
直
に
な
れ
な
く
て
ご
め
ん
ね
。
・
先
に
あ
や
ま
れ
な
く
て
ご
め
ん
ね
。
・
僕
の
方
こ
そ
悪
か
っ
た
よ
。
ぼ
く
が
家
に
帰
っ
て
か
ら
考
え
た
こ
と
こ
う
か
い
し
た
び
っ
く
り
し
た
「
う
ん
」
し
か
言
え
な
か
っ
た
・
コ
レ
ッ
テ
ィ
君
が
先
に
謝
っ
て
く
れ
た
か
ら
。
「
今
ま
で
ど
お
り
な
か
よ
く
し
よ
う
。
」
ど
う
し
て
な
か
直
り
が
で
き
た
の
か
・
お
こ
っ
て
い
る
、
許
し
て
く
れ
る
か
な
。
・
僕
は
わ
ざ
と
だ
か
ら
謝
ら
な
く
ち
ゃ
。
・
向
こ
う
が
先
に
や
っ
て
き
た
ん
だ
。
・
笑
顔
で
、
反
省
し
て
な
い
か
ら
許
せ
な
い
。
・
謝
ら
な
い
の
は
お
か
し
い
・
イ
ン
ク
を
こ
ぼ
さ
れ
て
頭
に
き
た
。
あ
ら
コ
ぼ そ
レ
く
ッ 友 エ い
(
・
素
直
に
あ
や
ま
る
こ
と
が
で
き
る
よ
う
に
な
ろ
う
。
⇔
・
今
度
は
自
分
か
ら
あ
や
ま
る
ぞ
。
テ 達 ン
コ
レ
ィ
リ
ッ
ー
テ
コ
ィ
)
君
に
さ
さ
や
か ・作文の時間
れ
た ・ひじをついた
時
・ノートにインク
・「わざとしたん
じゃないよ。」
・わらっている