ウ レクリエーション施設 キャンプ場や温泉宿泊施設、市民農園

ウ レクリエーション施設
キャンプ場や温泉宿泊施設、市民農園、フィッシャリーナなど多種多様であり、利用者も幅
広い。キャンプ場や温泉宿泊施設は、民業に最もなじむものであるが、全体に稼働率が低く供
給過剰で、平成24年度予算では、約3億円の赤字補填を計上している。キャンプ場、温泉宿
泊施設ごとに、全体の需給状態や将来需要予測をもとに、収益性の低い施設から順に廃止し、
需要と供給が均衡する施設配置を示したうえで、経営改善や民営化についても検討する。
同種施設の再編整備方針「キャンプ場」
野外教育活動センター(H4 竣工)
、割山森林公園(H11)、牛岳オートキャンプ場(H12)、森
のコテージ 木・MAMA(H6)、古洞の森自然活用村(H4-5)、21世紀の森杉ケ平キャンプ場
(H12)、浜黒崎キャンプ場(H2-7)の7施設を経営している。検討結果は次のとおり。
(1)野外活動教育センターは、教育機関であり、設置目的や形態が異なるため、キャン
プ場として再編整備の対象としない。また、市内のほとんどの小学校が施設を利用し
て宿泊学習を実施し、一般の利用者も少しずつ増加している。今後、少子化が進み、
施設が老朽化した場合は、県立呉羽青少年自然の家や国立立山青少年自然の家の利用
を前提として、更新しないことを検討する。
(2)稼働率がきわめて低い冬季(12 月∼3 月)は、営業しない。なお、牛岳オートキャ
ンプ場、21世紀の森杉ケ平キャンプ場は、既に冬季は営業していない。
(3)最繁忙月の8月のログハウス等の稼働状況を検討した結果、国、県補助金のない浜
黒崎キャンプ場は、可能な限り早く廃止し、古洞の森自然活用村、21世紀の森杉ケ
平キャンプ場は、処分制限期間終了後に廃止する。その理由は、
① 割山森林公園は、稼働率が高く、20日間程度が満室である。
② 牛岳オートキャンプ場から浜黒崎キャンプ場までの5施設で、約360棟の総
需要があった。
③ 牛岳オートキャンプ場の供給可能棟数は、155棟で、②の総需要に不足する。
④ 森のコテージ木・MAMA の供給可能棟数は、270棟であり、牛岳オートキャン
プ場を足した供給棟数は425棟となり、総需要を超えるが、土日やお盆などの
繁忙日を考慮すれば、需要をまかなうためには、これら2施設が必要になる。
(4)牛岳オートキャンプ場と森のコテージ木・MAMA は、老朽化した場合、更新しない。
(5)株式会社ほそいりが指定管理している割山森林公園は、温泉宿泊施設である楽今日
館とともに、施設を株式会社に譲渡し民営化する。
検討資料については、資料編(その1)22ページ、(その2)1ページ参照
キャンプ施設の概要及び平成23年度利用状況一覧
客室稼働率の上段は最繁忙月(野外教育活動センターのみ6月、その他は8月)、下段は年間。利用者数、利用
件数の上段は年間合計数、下段は1日当たり。年間稼働率降順
区分
ログハウス等(コテージ、ケビン、バンガロー等を含む。)
キャンプサイト
利用件数
定員 棟数 定員 棟数 定員 棟数 客室稼 利用者数 フリー オート 計
計
計
働率
野外教育活動セン
12人 5棟 24人 5棟 180人 10棟 61.5% 17,158人
10
10
38件
ター
19.7% 56人/日
0.2件/日
割山森林公園
4人 7棟 8人 3棟 52人 10棟 80.3% 4,677人
8
20
28
864件
19.6% 13人/日
3.5件/日
牛岳オートキャンプ場 4人 5棟
20人 5棟 37.4%
494人
26
26 1,397件
17.8%
3人/日
8.5件/日
森のコテージ
4人 4棟 6人 5棟 46人 9棟 44.8% 1,942人
0
木・MAMA
13.7%
6人/日
古洞の森自然活用村 4人 1棟 6人 7棟 46人 8棟 31.0% 1,800人
0
10.7%
5人/日
21世紀の森
4人 8棟 6人 1棟 38人 9棟 24.7%
537人
60
60
48件
杉ケ平キャンプ場
6.8%
3人/日
0.3件/日
浜黒崎キャンプ場
4人 4棟 6人 1棟 22人 5棟 27.1%
382人 100
100
153件
5.6%
1人/日
0.6件/日
ログハウス等月別稼働率(野外教育活動センターを除く。)
80%
70%
割山
60%
50%
木・MAMA
40%
牛岳
30%
20%
古洞
10%
杉ケ平
浜黒崎
0%
4月
5月
6月
7月
8月
ログハウス等利用者数の推移(野活を除く。)
5,000人
9月
1,504
4,677
4,000
1月
2月
3月
牛岳
1,456
1,397
1,200
2,131 木・MAMA 2,080
1,000
553
517
521
397
21年度
11,297人
割山
1,057
2,826
2,425
0
12月
1,600
件
4,502
2,000
11月
キャンプサイト利用件数の推移(野活を除く。)
割山
4,869
3,000
10月
469
500
22年度
10,493人
913
800
古洞
1,942
1,800
杉ケ平
537
牛岳
494
浜黒崎
382
23年度
9,832人
864
400
225
197
0
21年度
2,983件
205
杉ケ平 88
22年度
2,662件
浜黒崎
153
48
23年度
2,462件
同種施設の再編整備方針「温泉宿泊施設等」
温泉宿泊施設として、ゆめの森交流施設 ゆうゆう館、岩稲ふれあいセンター 楽今日館、
白樺ハイツ、ささみね、グリーンパレスの5館、日帰り温泉施設として、牛岳温泉健康センタ
ー、古洞の森自然活用村健康拠点施設、白木峰山麓交流施設の3館、健康増進施設(クアハウ
ス)である大沢野健康福祉センターの計9館を経営している。
1 温泉宿泊施設
利用者数は、業界全体として減少傾向にあり、宿泊施設5館の赤字補填は、年間約1億4
千万円。これらすべてを更新する場合の費用は、約49億円である。収益性の低い施設を廃
止し、採算点に達する需給状態で民営化することで、赤字補填ゼロを目指す。
稼働率の低い白樺ハイツ、ささみね、グリーンパレスは指定管理期間終了時(次ページ表
参照)に休止又は廃止する。グリーンパレスの利用者の4割程度を占めるスキー客を除き、
これら3館の利用者を楽今日館やゆうゆう館へ積極的に勧誘する一方、存続する2館の経営
改善を進める。経営改善については、個別具体の方法を資料編に示すが、まずは部門別経理
を徹底し、個別に採算割れの原因を特定する必要がある。例えば、ゆうゆう館の温泉部門で
は、年間パスポートの売上単価が客原価のうちの変動費に達していないと考えられ、それだ
けで年間2千5百万円の赤字を出している。より正確に分析したうえ、そうであれば早急に
年間パスポートは廃止すべきである。また、接客や基本的な経営分析能力、改善意欲の向上
のための従業員教育が急務である。利用者増を目指す体育館的思考から、収益の向上を目標
とする本来の経営感覚に切り替えなければならない。
以上を実施したうえ、楽今日館、ゆうゆう館は民営化する。民営化にあたっては、これら
を指定管理している株式会社2社を統合、法人管理部門や仕入れを一本化したうえで施設を
譲渡し、経営者を民間から登用、市職員は取締役を辞するなど、市の会社への関与を最小限
のものとし、施設の更新も会社の判断によるものとする。
2 日帰り温泉施設
市内に民間の競合施設が多数あり、利用者の減少が著しい。
業績は、立地条件のほか、建物の良否、浴場の種類や機能等の設備に大きく左右される。
施設の更新は30年程度と短い。赤字の大きい施設は廃止する。
(1)牛岳温泉健康センターは、ささみねに隣接しており、グリーンパレス、木・MAMAと
一括して指定管理している。これらの平成24年度予算における赤字補填は約5千9百万
円であり、健康センター単独では、平成23年度に約4千3百万円の営業損失を計上した。
築21年が経過しており、指定管理期間終了時(平成26年度末)に廃止する。
(2)古洞の森自然活用村の赤字補填は約3千3百万円である。ここには、温泉(健康拠点施
設)のほか、ふれあいセンター、農畜産物処理加工施設、体験農園、ケビン、バーベキュ
ーガーデンなどの施設があり、一括して管理運営を行っている。施設ごとに経理されてい
ないが、温泉の経費が大きいと推測されること、また他の温泉施設と比較して利用者数が
少ないことから、指定管理期間終了時(平成28年度末)に温泉とふれあいセンターの食
事コーナーを休止する。ただし、当面は、健康拠点施設の休憩室を貸室として使用するな
ど最低限の維持管理を行う。いずれの施設についても、老朽化した場合、更新しない。
(3)白木峰山麓交流施設は、平成16年竣工の小規模な施設であり、赤字補填は約4百万円
である。機械設備等の老朽化により大規模修繕が必要となった場合には、廃止する。
3 健康増進施設
大沢野健康福祉センターは、温泉、プール部門の大規模改修が必要となった時点で、その
部門や民間のスポーツセンターと競合するトレーニングルームを休止、転用し、老人福祉セ
ンターと福祉プラザ機能のみ存続させる。
検討資料については、資料編(その1)25ページ、(その2)24ページ参照
温泉宿泊施設等の概要、平成23年度利用状況及び平成24年度市負担額一覧
稼働率の上段は最繁忙月(グリーンパレスは5月、楽今日館の定員稼働率は3月、その他は8月)、下段は年間。宿泊
者数の上段は年間合計数、下段は1日当たり。年間稼働率降順
宿泊施設名
指定管理期間
楽今日館
H24∼26
ゆうゆう館
H24∼26
白樺ハイツ
H21∼25
ささみね
H22∼26
グリーンパレス
H22∼26
計
定員
定員 部屋数 客室
宿泊者数 H24市負担額 千円
竣工年
稼働率
稼働率
修繕料等
委託料
計
床面積
H8
50人
9室 67.0% 42.6%
5,399人
14,795
5,060
19,855
3,972㎡
51.5% 31.7% 16人/日
H12
70人 20室 68.4% 53.0%
7,960人
25,687
4,000
29,687
3,023㎡
41.0% 31.1% 22人/日
S52
87人 20室 63.2% 33.9%
5,050人
32,188
2,167
34,355
3,729㎡
31.0% 15.9% 14人/日
H8
94人 19室 40.9% 28.0%
3,902人
52,082
6,889
58,971
2,512㎡
20.1% 11.8% 11人/日 (牛岳温泉健康センター、森のコテージ
S56
135人 26室 35.9% 39.9%
2,231人 木・MAMAを含む。)
3,190㎡
13.3% 10.4% 14人/日
16,426㎡ 436人 94室
24,542人
124,752
18,116
142,868
宿泊施設客室稼働率の推移 宿泊施設定員稼働率の推移
70%
70%
楽今日館
63.9%
64.8%
60%
60%
50%
40%
51.5%
全国平均
45.9%
全国平均
45.9%
ゆうゆう館
40.1%
36.9%
10%
40%
全国平均 34.2%
31.0%
30%
ささみね
17.4%
19.2%
20.1%
30%
20%
13.3%
グリーンパレス
10.6%
楽今日館
38.9%
42.3%
白樺 32.2%
35.6%
20%
41.0%
50%
10%
11.7%
0%
29.2%
ゆうゆう館
30.8%
19.8%
白樺18.0%
12.6%
ささみね
10.1%
8.1%
グリーンパレス 8.5%
31.7%
31.1%
15.9%
11.8%
10.4%
0%
21年度
22年度
23年度
21年度
22年度
23年度
全国平均は、小旅館(客室数30室以下)の平成21年度平均稼働率(「国際観光旅館営業状況等統計調査」より)
日帰り入浴客数の推移
18万人
165,204
ゆうゆう館 160,297
16万人
14万人
12万人
127,716
121,790
牛岳 120,199
楽今日館
10万人
8万人
6万人
161,326
79,980
63,009
白樺
109,420
112,985
78,072
古洞
60,989
95,307
78,565
56,283
4万人
2万人
0万人
11,680
3,689
21年度
573,068人
10,754
白木峰 10,845
2,984 グリーンパレス 2,290
22年度
543,371人
23年度
513,945人
年間パスポート等の利用状況
区分
延入浴者数 購入者数
1人当たり年
割合
間入浴回数
ゆうゆう館
93,125人
418人
58%
223回/年
牛岳温泉健康センター
70,200人
542人
64%
130回/年
楽今日館
11,458人
146人
(平成23年6月∼)
12%
78回/年
白樺ハイツ
33,993人 年間券 79人
(年間パスポートのほかに
月間券1,035人
月間券あり。)
43%
206回/年
古洞の森
10,434人
56人
19%
186回/年
白木峰山麓交流施設
4,404人
27人
41%
163回/年
計又は平均
223,614人
1,354人
44%
165回/年
白樺ハイツの1人当たり年間入浴回数は月間券を12で除して
計算した。