【栃木県日光市】(PDF) - 森林総合研究所 森林農地整備センター

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観光客の増加による水不足を解消
栃木県日光市
○ 水源林のDATA
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所在地
契約年度
契約面積
造林地所有者
造林者
植栽樹種
栃木県日光市湯西川字三河
昭和47年度~
465ha
湯西川財産区
同 上
スギ(13%)・ヒノキ(24%)
カラマツ(63%)
三河沢ダムとダム湖
■アクセス
鉄道 野岩鉄道「湯西川温泉駅」下車、車
で1時間で三河沢ダム、徒歩10分で
造林地到着
バス 「湯西川温泉停留所」下車、車で
30分で三河沢ダム、徒歩10分で造林
地到着
車
日光宇都宮道路「今市IC」から2時
間で三河沢ダム、徒歩10分で造林地
到着
○ 水との関わり
当水源林は福島県境の枯木山を源流とする湯西川の上流部に位置します。湯西川は、急流のため古く
から周辺地域においてたびたび水害を受けてきたことや、観光客が増加して水道水の不足が起きたこと
などから、下流部に三河沢ダムが建設されましたが、当水源林はこの集水区域に含まれており、地域の
水需要等に大きく貢献しています。
○ ”ココ”の特色
昭和40年代ころまでの湯西川地域は、豪雨時に湯西川が
氾濫を繰り返して家が流される等の被害があり、冬場には
川の水量が少なくなり、火災が発生すると消火の水にも困
る状況でした。
また湯西川地域は、昔から温泉場として湯治客を相手に
ほそぼそと旅館業を営む者もいましたが、年々観光客が増
加するようになり、昭和61年10月に野岩鉄道湯西川温泉駅
が開業したことを契機に次々と大型宿泊施設が建てられる
ようになりました。
この観光客の増加によって水道水が不足する事態を起こ
すこととなり、洪水調整と利水を目的とした三河沢ダムが
建設(着工:昭和59年)されました。
三河沢ダムの集水区域には、昭和48年から水源林造成事
業が進められており、平成2年までの間に約300haの植栽が
実施され、観光客の増加に伴う水不足の解消など、水源涵
養の公益的機能の発揮に貢献しています。
昭和49年度植栽スギの林況
○ 過去から現在そして未来へ
植栽当時(昭和50年)
昭和48年からスギ・ヒノキ・カラマツなど約90
万本の苗木を約300haに植栽しました。
現在(平成23年)
植栽後は下刈り、除間伐等の保育施業を実施し
て森林の整備に努め、平成19~22年度には間伐2
4ha等を行いました。
今後も適切な保育施業を実施して、多様で健全
な針広混交林が造成できるよう森林づくりを進め
ていきます。
○ 関係者からのメッセージ
~私が手入れした山は
立派になりました~
【湯西川財産区
元作業班長 山口森さん】
水源林造成事業の仕事には、湯西川財産区が当時の森林開発
公団と分収造林契約を締結した当初から携わってきました。
一番の思い出は、昭和50年代後半の頃、『さあ明日から植付
だ』という前に大規模な山崩れが起きてしまい道が使えなくな
ったことです。このときは、苗木の運搬に苦労しました。途中
までリヤカーを使って運び、急いで作った急峻な歩道を担いで
登り植付したことを忘れることができません。
現在、私も74歳になり山仕事はしていませんが、妻と山菜採
りや渓流釣りに昔作業をした山へ行くことがあり、その際、山
が立派に成長しているのを見て、二人で喜びを分かち合う機会
が多くあります。
水源林造成事業で整備された山が、これからも立派に成長し
て地域に役立っていくことを期待しています。
■
問い合わせ先
契約地の秋の風景
国立研究開発法人 森林総合研究所
森林整備センター宇都宮水源林整備事務所
栃木県宇都宮市西一の沢町8-22(栃木県林業会館内)
tel:028-636-1714 fax:028-638-0945