第6号

APPROACH
①
vol.6
2006年1月31日(火)
フィリピン
タイ
新暦のお正月は、カウントダウ
ン等で賑わっていたようですが、
タイでは4月の”ソンクラン”(水
掛け祭り)が盛りあがり、1週間
程度の休暇となるので、出稼ぎ
で来ている人たちは一斉に帰省
し、街中の渋滞はなくなります。
ソンクランの休暇には、父がタ
イへ旅行に来ていたので、一緒
にバンコク、カンチャナブリ、アユ
タヤを観光しました。
華僑の人たちも多いため、旧
正月(1月末)も祝います。
(バンコク、濱村大専門家)
【左が
濱村専門家】
フィリピンは、国民の90%以上がキリスト教徒のため、
お正月よりもクリスマスが大きなイベントであり、「世界で
一番クリスマスを祝う国」と言われるように、10月から町
の飾りつけが始まります。クリスマスには、七面鳥等の料
理とお酒を囲んで現地スタッフとパーティを開きました。
家族が集まる休暇と言えば、11 月始めの All Saints’
Day(ハロウィン)です。
1月1日は新年の休日ですが、2日からは仕事が始ま
ります。31日の夜は、各地爆竹で祝います。ただ、例年
多くのけが人も出るので、近くには寄らないようにしましょ
う。
(ラグナ、倉橋孝裕専門家)
X’masから正月にかけてお祭り騒ぎでした。特に大晦日
は各家庭でも花火を上げるのか、ものすごい騒音と子供
たちのラッパ・車の警笛ととてもにぎやかでした。
私は単身赴任したばかりで、ご近所とのお付き合いもま
だ出来ておりませんでしたが近所に住むご家族の家にご
招待頂き一気に友好を深めることができました。
(ラグナ、高浜洋専門家)
インドネシア
インドネシアでの最大のお祝いは、断食(ラマダ
ン)明けです。この時期は、年によって異なりま
す。企業によっては1~3週間の休暇になるところ
もあります。ジャカルタ等の都市部で働く人は地
方出身者が多いため、家族揃って帰省します。
驚くのは、その移動手段なのですが、4、5人で
も平気で1台のオートバイに乗り込み、遠い所では
2~3日かけて300㌔から500㌔の距離を移動
します。主要道路のように舗装されていない地方
の砂利道もこれで走るのです。各地にそびえたつ
イスラム教のモスクは休憩所にもなります。
ラマダン明けのお祝いでは、あまり豊かではない
家庭でも、たくさんのご馳走を囲みます。”ムンデ
カ”(お菓子)や、米、鶏、豆を使った料理が多く
見られます。お菓子は主に、ドリアンやバナナ等を
揚げる等、フルーツを加工し、チーズ、チョコレー
ト、バニラで味付けします。また、料理の中には、
米や木の根を発酵させた焼酎味の料理もあり、イ
スラム教徒は普通お酒を飲まないとされているの
で、「おや?」と感じることもあります。
今回の派遣期間中に丁度ラマダン明けとなった
ので、私達もインドネシア人の家庭に招かれて、
一緒にお祝いをしました。
(ベカシ、佐藤春美専門家・天藤伸也専門家)
JAPAN OVERSEAS
DEVELOPMENT
CORPORATION
A
AP
PP
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第
号
6
第
号
6号
第6
編集責任者:
(財)海外貿易開発協会
総務部長 大嶋 巖
TOPICS
Z派遣国のお正月特集
フィリピン・タイ・ラオス・
インドネシア
Z専門家「生の声」
インドネシア・ラオス
ラオス
ラオスのお正月は3度ある、と現地の人たちは言います。1
つはタイと同じ4月10日前後の”ピーマイ”と言われるお正月
で、最大のお祭り”水掛け祭”が催されます。この頃は1年で
最も暑い時期で、道行く人に水を掛けます。このお正月の時
期は比較的長い期間、役所や企業、商店などが休業しま
す。
2つ目に、中華系、ベトナム系の人たちが多い関係で、所
謂”旧正月”があります。これも結構盛んで、彼らが多く住ん
でいる地区では爆竹を鳴らしたり(本来は禁止)、パーティを
したりして盛り上がっています。
3つ目は、日本と同じ新暦の1月1日です。このお正月は特
に珍しい行事などは見られません。人々は着飾ったり、連れ
だってお参りに行くわけでもありません。大体の企業は大晦
日と元日だけが休日で、官庁や銀行なども1月3日から平
常通りの仕事が始まります。
ラオスの人たちは、どの正月も
「酒を呑む口実だ」とすました
顔で言います。
新暦のお正月に私たちは少し
南のメコンの方まで車で行き、
いつも見ている景色と少し違う
表情を見てきました。カウントダ
ウンは、テレビと一緒に「3,2,
1,サバイディ・ピーマイ(新年 【糸の手紡ぎを依頼している村のようす:
おめでとう)!」と言って乾杯す 左から 2 番目が牧喜代子専門家】
るくらいであっけない感じです。
(サバナケート、牧雄彦専門家・牧喜代子専門家)
//Massage from JODC//
2006 年 2 月 8 日(水)にタイのバンコクにてJODC専門家派遣事業説明・成果報告会を開催いたします!詳細はホー
ムページに掲載しておりますのでご覧ください。
(http://www.jodc.or.jp/notice/2005_11.html)
【休業のお知らせ】2月 1 日(水)は、JODCの創立記念日(1970 年 2 月 1 日)となりますので、休業させていただきます。
JODC 事業、『APPROACH』バックナンバーにつきましては、HP をご覧ください。⇒http://www.jodc.or.jp/
むしろ受入企業を訪ねて来る、カナダやオース
トラリア、フランス等からの人たちとよく話しま
す。現地スタッフ、中でもマネージャー格の人々
現地での生活
本記事を無断で転載、掲示板等へ掲載することは禁止いたします。
ご意見・ご感想等を総務部東小野([email protected])までお寄せ下さい。お待ちしております。
牧雄彦専門家、喜代子専門家は、ご夫妻
で ラ オ ス の サバ ナケ ート で 指 導 さ れ ま
した。
(牧雄彦専門家は派遣中)
効果的な指導について
とは公私共に毎日交流があります。
2005/12~2006/1 (帰国)
手織り・草木染め繊維製品の染色
堅牢度向上、染色実験・新色開
発、新織物開発に関する技術指導
【染色のようす】
吉岡専門家、藤本専門家は、インド き かった場 所 でもあ り、治 安 は
ネシアのジャカルタにある、同国中 あまり良 くありませんし、私 も
小製造企業強化を目的に経営や技
実 際 に立 ち寄 ったことはあ りま
術に関する研修を行っている非営利研修
せん。
機関にて指導されました。
休 日 は、ジャカルタにあるアン
チョールイ港 から1時 間 程 船 に
乗 ると綺 麗 な島 々 へ行 くことが
海
外での指導の
できるので、
3ポイント
海岸で過ご
すことも多
くありまし
た。他には、
ゴルフやプー
ルに行くこ
ともありま
した。
牧 喜代子 専門家
研修生との交流
たけひこ
研修生とは、仕事が終わった後
に食 事 や カラオ ケ に行 き ま し
た。インドネシア人はカラオケ好
きな人が多いようです。
(
以上、藤本専門家)
この国ほど文 字文 化に遠い国は私 も初 め
食 生 活 はほとんど問 題 なく、美 味 しいものば
てで、聞 いたところによると識 字 率 は4 かりです 。ラオスの食 事 は東 南 アジアで最 も和
0% だそうです 。メコン沿 いの平 地 の町 や 食 に近 いように感 じます 。特 に沖 縄 のゴーヤチ
村に住む人たちは、初等教育は受けていて ャンプル等とよく似ており、鶏ミンチ・春雨等を
読 み書 きは出 来 ます が、一 歩 山 岳 地 帯 に 詰めたニガウリと野菜が入ったスープは大好物
入 ると、未 だ義 務 教 育 も行 き渡 らず読 み です。この町には和食レストランは1軒もありま
書きの出来ない人たちも多くいて、受入企 せんが、食べたいとは思いません。メコンで獲れる
業にも読み書きの出来ない人がいます。従 川魚や地鶏は特に美味しく、野菜は新鮮・豊富
って一般的に文字で書かれた教材は適して で、生 でもよく食 べます 。寄 生 虫 の心 配 はあり
いま せん。私 共 がこの事 業 を 開 始 した当 ますが、化学肥料や農薬も少なく安全です。
初、何か文献はないかと探したのですが皆
朝は運動を兼ね1キロ程歩いて、ベーカリー兼
無でした。ミャンマーでは、政府の管理して カフェ兼うどん屋のような店で、焼きたてパンと
いる書物類から、植物染めに関する古い文 オムレツ、女主人の得意とするシューマイ、と妙
献 を見 つけ非 常 に役 立 ちましたが、ここで な組 合 せの朝 食 を摂 ります 。特 にパンは日 本 へ
は伝統的技法はすべて口伝えです。町には 持ち帰りたいほどで、ラオス産のラオコーヒーも
本屋や新聞屋もなく、カフェなどで本を読 実に良い味です。昼は麺類が多いのですが、麺・
んでいるのは間違いなく外国人です。
具 は種 類 豊 富 で栄 養 価 も高 く、これまた美 味
コミュニケーションについては、英語、フラン しいのです。
ス語 、ラオス語 を使 い分 けていました。情
交通手段
報 交 換 や意 見 交 換 などでは通 訳 を頼 み、
交 通 手 段 は至 って簡 単 です 。ラオスには鉄 道 が
非常に効果的でした。
なく、長 距 離 は専 らバスです が、ほとんどが韓
現地での人的交流
国製の中古 車で、ラオスへ来て相当な年月酷使
サバナケートでは日本人は極めて少なく、 されてきた代物です。これで首都ビエンチャンか
らサバナケートまでが8~10
時間、少しうんざりします。ビ
エンチャンから主 な地 方 都 市 へ
は飛 行 機 もあります が、外 国
人か高級役人しか利用しませ
ん。町 では、トゥクトゥクと呼
ばれるオート三 輪 の乗 合 いタ
クシーが、庶 民 の足 と言 えま
す 。しかし、50CCバイクが
急 増 し、ピックアップトラック
や四 輪 駆 動 の車 、それにトヨ
タ等 の高 級 車 も増 えてきまし
た。
手織り・草木染め繊維製品の生産
管理、品質管理に関する技術指導
【右上が藤本専門家】
2005/12~2006/2 (派遣中)
右上
牧 雄彦 専門家
海外で指導をする
上でのポイントは、
①できる限り現地の
言葉で話そうと努
力すること、
②好き嫌いせず何で
も食べられること、
③芸術的センスがあ
ること、の3つだと
思います。
③に関しては、TV
を観ていると、イン
ドネシアの音楽や踊
りは何となく日本の
ものと共通している
ような気がしました。
n
【左が藤本専門家】
プレス・モールド金型の基
礎知識、診断、保守管理
に関する具体的指導
座学の講義
2005/5~8 (帰国)
たい じ ろう
2005/6~8 (帰国)
プレス・モールド金型の基礎知
識、診断・解析・対処法の指導
今 回 の 講 義で は 、 英 語 を 理 解 す る
人がほとんどいなかったこともあ
り、通訳を通した講義は時間がかか
りました。座学での講義は、つい受
身になりがちなので、できる限り研
修生に発表してもらうようにしま
した。(以上、吉岡専門家)
街中の様子
すえよし
吉岡 泰次朗 専門家
ジャカルタの中心街 から20分 程バ
スに乗 ると、コタという、主 に中 国 人
が経営する秋葉原のような電器店街
があ ります 。交 渉 次 第 では、値 段 は
半値以下になるようです。ただし、こ
こは97年の暴動の際最も被害が大
末吉 専門家
藤本
2006年1月31日(火)
vol.6
APPROACH
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