2015 年 8 月 7 日 監視カメラ世界市場に関する調査結果 2015 -高成長を続ける世界需要【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて監視カメラ世界市場の調査を実施した。 1.調査期間:2014 年 11 月~2015 年 5 月 2.調査対象:海外、国内の監視カメラメーカー、ベンダー等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail 等によるヒアリング、及び文献調査併用 <監視カメラとは> 本調査における監視カメラとは監視カメラ製品をさし、IP カメラとアナログカメラに大別される。IP カメラとはコンピュータ ネットワークに対応した IP アドレスを持ち、インターネットへの接続が可能なカメラで、ネットワークカメラともいう。これに対 して、アナログカメラは、同軸ケーブルによってモニタや録画機器と物理的につなげる必要がある。一般的に、アナログカ メラは IP カメラに比べ安価である。 【調査結果サマリー】 ◆2014 年の監視カメラ世界市場規模は 2,545 万台の見込、2018 年には 4,320 万台を予測 2014 年の監視カメラ世界市場規模はメーカー出荷台数ベースで、前年比 110.9%の 2,545 万台の見 込であった。2018 年には監視カメラの世界市場規模は 4,320 万台を予測する。このうち、アナログカメラ は 1,720 万台、IP カメラは 2,600 万台と IP カメラがアナログカメラの出荷台数を上回ると予測する。 ◆ 新興国における需要拡大 アジア地域では、社会インフラ整備に係わる公共施設などにおける需要が堅調に推移し、タイなどの 東南アジア地域では、主に商業施設や店舗における監視カメラ導入が進んでいる。中国では、公安需 要が大きいと見られ、中東地域では各国の建設需要やテロ対策・監視システム需要の拡大、中南米のブ ラジルやメキシコでは建設需要が期待できるほか、鉄道や道路などでの監視カメラ需要の拡大も見込ま れる。 ◆ 先進国では需要が高度化し、高画素化による高度なシステムへ 北米や西欧では、店舗や商業施設での需要が中心であり、今後は高画素化による画像分析など、より 高度なシステムへの移行が考えられる。日本国内では、近年、特に食の安全に関わる「フードディフェン ス」需要が拡大しており、製造ラインに加え、フロア管理用のカメラ導入が進み、工場需要が拡大している。 またコンビニエンスストアを含む小規模複数店舗における監視カメラ需要が拡大している。 ◆ 資料体裁 資料名:「2015 年度版 監視カメラ市場予測と次世代戦略 -ビジュアル・コミュニケーション調査シリーズ-」 発刊日:2015 年 5 月 29 日 体 裁:A4 判 264 頁 定 価:165,000 円(税別) ◆ 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd. 2015 年 8 月 7 日 【調査結果の概要】 1. 監視カメラ世界市場の概況 2014 年の監視カメラ世界市場規模はメーカー出荷台数ベースで、前年比 110.9%の 2,545 万台で、こ のうちアナログカメラは 1,867 万台、IP カメラ(ネットワークカメラ)は 678 万台の見込であった。2018 年に は監視カメラの世界市場規模は 4,320 万台を予測する。このうち、アナログカメラは 1,720 万台、IP カメラ は 2,600 万台と IP カメラがアナログカメラの出荷台数を上回ると予測する。 地域別にみてみると、アジア地域では、社会インフラ整備に係わる公共施設などにおける需要が堅調 に推移する見通しである。タイなどの東南アジア地域では、主に商業施設や店舗における監視カメラ導 入が進んでいる。中国では、公安需要が大きいと見られ、中東地域では各国の建設需要やテロ対策・監 視システム需要が拡大すると考える。 中南米のブラジルやメキシコでは、建設需要が期待できるほか、鉄道や道路などでの監視カメラ需要 の拡大も見込まれる。 一方の北米や西欧では、店舗や商業施設での需要が中心であり、今後は監視のみを目的にしたもの から、高画素化による画像分析など、より高度なシステムへの移行が考えられる。 日本国内では、近年、特に食の安全に関わる「フードディフェンス」需要が拡大しており、工場の製造ラ インに加え、フロア管理用のカメラ導入が進み、工場需要が拡大している。また、コンビニエンスストアを 含む小規模複数店舗における監視カメラ需要が拡大し、今後も大きな需要分野であると考える。 さらに、公共空間や公共交通機関における更新需要において、高度なシステムへの移行が進むことが 期待される。 2. 注目すべき動向 2-1. 高品位カメラが需要を牽引 2014 年の IP カメラ(ネットワークカメラ)世界市場規模はメーカー出荷台数ベースで 678 万台、アナログ カメラは 1,867 万台の見込だが、2018 年には IP カメラ 2,600 万台、アナログカメラで 1,720 万台と IP カメ ラがアナログカメラの出荷台数を上回ると予測する。この背景には IP カメラにおける全方位カメラ投入を 契機とする新市場開拓が挙げられる。具体的には監視カメラの複数台導入における代替手段としての採 用や、PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラの代替としての採用などがある。 また監視カメラでは高画素化が進展してきており、IP カメラではメガピクセル(百万画素)といったより高 画素なカメラへの需要が拡大し、アナログカメラにおいては高画素の HD-SDI カメラが拡大するとみられる。 今後は更なる高画素化が進むものと見られるが、4K の展開にはまだ時間を要するものと考える。 2-2. カメラ単体からシステムへ、監視から異常予知へ 監視カメラは、すでに単体製品ではなく、監視カメラを用いた画像解析ソリューションとしてシステム化 が進み、ソリューションビジネスとして提案される時代になった。 これまでの異常事態が発生した場合に監視カメラ画像を確認するという「監視」の概念は進化してきて おり、今後は画像解析によって、異常事態や犯罪対策における予知に活用できる可能性がある。 またクラウドサービスの活用や画像解析(動線分析等)によるマーケティングにおける高度な利用も期 待される。 監視カメラ世界市場ではアジアメーカーによる低価格品が拡大する一方で、ユーザー企業からの高度 化需要のなかで、単なる価格競争力だけでは立ち行かなくなっている。こうしたなか、日本や欧米企業に おける高付加価値製品やソリューションシステムといったサービスの提供が奏功している。 Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd. 2015 年 8 月 7 日 (千台) 図表 1. 監視カメラ世界市場規模推移と予測 (単位:千台) アナログカメラ IP カメラ(ネットワークカメラ) 監視カメラ世界市場規模(合計) 2010年 14,755 2,245 17,000 2011年 16,215 2,785 19,000 2012年 17,620 3,880 21,500 2013年 17,850 5,100 22,950 2014年 (見込) 18,670 6,780 25,450 2015年 (予測) 19,650 8,800 28,450 2016年 (予測) 19,500 12,900 32,400 2017年 (予測) 18,400 18,900 37,300 2018年 (予測) 17,200 26,000 43,200 矢野経済研究所推計 注1. メーカー出荷台数ベース 注2. (見込)は見込値、(予測)は予測値 Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
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