14章章末問題 4.ボブ、ビル、ベン、そしてブラッドのバクスター兄弟はバスケットボールチームのド キュメンタリー映画を完成させたところだ。兄弟は映画をインターネットでダウンロード できるようにしたいと考えている。そして、彼らは単一価格独占企業として振る舞える。 映画がダウンロードされるたびに、インターネット・プロバイダーは4ドルの料金を彼ら に請求する。バクスター兄弟は顧客に課すダウンロード料金について議論している。次の 表は、映画への需要量を示している。 ダウンロードの価格(ドル) ダウンロードの需要量 10 0 8 1 6 3 4 6 2 10 0 15 a. ダウンロードごとの総収入と限界収入を計算しなさい。 総収入=ダウンロードの価格×販売量(ダウンロードの需要量) 総収入の変化額 限界収入= 生産量の変化量 =もう 1 単位の生産増による収入の変化額 ダウンロードの価格(ドル) ダウンロードの需要量 総収入 10 0 0 8 1 8 6 3 18 4 6 24 2 10 20 0 15 0 1DL ごとの限界収入 8÷(1-0)=8 10÷(3-1)=5 6÷(6-3)=2 -4÷(10-6)=-1 -20÷(15-10)=-4 b. ボブは映画を自慢に思っていて、できるだけ多くの人にダウンロードしてほしいと考え ている。ボブが選ぶ価格はどれか。そのとき、ダウンロード数はどれくらいか。 一番多くの人にダウンロードしてもらえる価格は 0 ドル。そのとき、ダウンロード数は 15。 c. ビルは総収入をできるだけ大きくしたいと考えている。ビルが選ぶ価格はどれか。その とき、ダウンロード数はどれくらいか。 a.の総収入の表より、総収入が一番大きいのはダウンロード価格が 4 ドルのときで、ダウン ロード数は 6。より一般的には限界収入がゼロのとき。この設問では、ダウンロード回数が 6から10になる時、限界収入が負に変わっている。 d. ベンは利潤を最大化したいと考えている。ベンが選ぶ価格はどれか。そのとき、ダウン ロード数はどれくらいか。 利潤=総収入-総費用。 映画がダウンロードされるたびに、インターネット・プロバイダーから 4 ドルの請求があ るので、総費用は 4 ドル×ダウンロード数(ダウンロードの需要量)。 ダウンロード価格(ドル) ダウンロードの需要量 総収入 総費用 利潤 10 0 0 0 0 8 1 8 4 4 6 3 18 12 6 4 6 24 24 0 2 10 20 40 -20 0 15 0 60 -60 上表より、 利潤最大化されるのはダウンロード価格が 6 ドルのときで、 ダウンロード数は 3。 より一般的には限界収入と限界費用が一致する時。ここでは限界費用が6ドルだから、限 界収入が6ドルに近いところで、利益を比較検討する。 e.ブラッドは効率的な価格設定を行いたいと考えている。ブラッドが選ぶ価格はどれか。そ のとき、ダウンロード数はどれくらいか。 単一価格の独占では余剰ロスが発生する。余剰ロスがないようにするためには、限界費用 と需要(平均収入)が一致する点で生産すべきである。限界費用は 4 なので、ダウンロー ド価格が4(ダウンロード数は6)のときに、社会的な効率性が達成される。 5、ジミーの部屋から、遠くにあるメジャーリーグのスタジアムを眺めることができる。 ジミーは双眼鏡を1週間 50 ドルで借り、それを友人やクラスメートに貸し出して、30 秒 間試合を盗み見させることにした。ジミーは「盗み見」の単一独占企業だ。誰かが双眼鏡 を 30 秒利用するたび、接眼レンズを清潔にするためにジミーは 0.20 ドルの費用が発生す る。次の表は、需要についてジミーが集めてきた情報を集めたものだ。 盗み見の価格(ドル) 盗み見の需要量 1.20 0 1.00 100 0.90 150 0.80 200 0.70 250 0.60 300 0.50 350 0.40 400 0.30 450 0.20 500 0.10 550 a.表の各価格水準について、盗み見販売からの総収入と、盗み見1単位当たりの限界収入を 計算しなさい。 盗み見の価格(ドル) 盗み見の需要量 総収入 1.20 0 0 1.00 100 100 0.90 150 135 0.80 200 160 0.70 250 175 0.60 300 180 0.50 350 175 0.40 400 160 0.30 450 135 0.20 500 100 0.10 550 55 上表の通り。 1 単位当たりの限界収入 100÷(100-1)=1 35÷(150-100)=0.7 25÷(200-150)=0.5 15÷(250-200)=0.3 5÷(300-250)=0.1 -5÷(350-300)=-0.1 -15÷(400-350)=-0.3 -25÷(450-400)=-0.5 -35÷(500-450)=-0.7 -45÷(550-500)=-0.9 b.ジミーの利潤を最大化する数量はどれか。そのときの価格はいくらか。そして、総利潤は どれだけか。 総費用は、盗み見の需要量×0.20(ドル)+50(ドル/双眼鏡の貸し出し料金)である。 盗み見価格(ドル) 盗み見の需要量 総収入 総費用 利潤 1.20 0 0 50 -50 1.00 100 100 70 30 0.90 150 135 80 55 0.80 200 160 90 70 0.70 250 175 100 75 0.60 300 180 110 70 0.50 350 175 120 55 0.40 400 160 130 30 0.30 450 135 140 -5 0.20 500 100 150 -50 0.10 550 55 160 -105 上表より、ジミーの利潤を最大化する数量は 250、そのときの価格は 0.70 ドル、総利潤は 75 ドルである。 (限界費用は 0.20 で、数量が 200 から 250 へ増えるときの限界収入が 0.3、 250 から 300 に増えるときの限界収入が 0.1 なので、250 当たりが限界収入が 0.2 になるこ とが予想できる。 ) c.ジミーの大家は訪問者が多すぎることに苦情を述べ、ジミーに盗み見の販売をやめるよう にいった。けれども、ジミーには、盗み見を1単位販売するごとに 0.20 ドルを大家に支払 えば文句を言われなくなることがわかっている。この1単位の盗み見につき 0.20 ドルとい う賄賂がジミーの限界費用に与える効果はどのようなものか。このときの利潤を最大化す る盗み見の量はどれだけか。また、この賄賂がジミーの総利潤に与える効果はどのような ものか。 盗み見価格(ドル) 盗み見の需要量 総収入 総費用 利潤 1.20 0 0 50 -50 1.00 100 100 90 10 0.90 150 135 110 25 0.80 200 160 130 30 0.70 250 175 150 25 0.60 300 180 170 10 0.50 350 175 190 -15 0.40 400 160 210 -50 0.30 450 135 230 -95 0.20 500 100 250 -150 0.10 550 55 270 -215 1 単位の盗み見につき 0.20 ドル課されるので、この賄賂の 0.20 ドルは限界費用にそのまま 上乗せされる。したがって、限界費用は 0.40 となる。賄賂を渡すときの利潤最大化を達成 する盗み見の量は、上表より 200 である。また、この賄賂はジミーの総利潤を減少させて いる。 (設問 a. で作った表で、限界収入=限界費用(0.4)となる生産量をみつけると、200 付近であることが分かる。 )
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