Zenno NewsPaper '11-Mar(第71号) 為替公示TTSレート推移表 96.00 単位:1JPY(EUR/JPY) USD 1JPY(JPY/100THB) 1JPY(JPY/100Rp) 為替レート(タイバーツTHB・インドネシアルピアRp公示TTS)推移表 119.00 EUR 94.00 THB 300 117.00 92.00 115.00 90.00 1.25 IDR 290 1.20 113.00 88.00 86.00 111.00 84.00 109.00 82.00 107.00 280 1.15 270 80.00 2010/7/1 105.00 2010/8/1 2010/9/1 2010/10/1 2010/11/1 2010/12/1 2011/1/1 ●2月終盤迄の動き・@81円/$台後半のやや円高水準で2月をスタート。月初は3日の米雇用者数の影響で一時@81.10円/$(期間 ●2月終盤迄の動き 中安値)迄米ドルが売られるも直後の失業率の好感で一気に巻返し@92円/$台中盤迄反転した。以降中盤に掛けては人民元絡み &本邦レパトリと見られる動き等から@81円/$台に戻す場面も見られたが、日本国債格付引下げ観測を機に円が売られ米失業保険 申請件数をはじめ好調な経済指標への好感/対ユーロでの米ドル高し16日には@83.98円/$(期間中高値)迄米ドルが買われた。月後半 は逆に、中東情勢緊迫化/米金利低下/実需筋&投資機関の米ドル売/中東情勢の悪化⇒原油高、NZ地震による投機資金の円(ス イスフラン)への回避を経て、月末現在は@81円/$台後半での値動きとなる。 ●今後の展開・3月は例年、本邦決算によるレパトリの動きが円高方向に相場を引っ張るが、2月が思った以上の円買いの動きに振 ●今後の展開 れた事もあり、例年ほど影響は無いと思われる。加え中東情勢/NZ地震/資源高等先行きに対する不安がここのところの相場に大 きな影響が出ている様に思われ、中東地域での革変完了/NZの地震からの復興等に視点が移れば、円/スイスフランに回避した投機 資金の還流が3月終盤頃には始まると見る。3月の具体的レンジは前半~中盤@81.00~@83.50円/$⇒終盤@83.00~85.50円/$の 展開を予想します。 PP・EG:US$/t PTA:US$/t PTA・PP・EG相場 1900 1500 1600 1300 1300 1100 1000 900 700 PP EG PTA 400 2010/4/1 2010/8/1 2010/10/1 2010/12/1 2011/2/1 英石油大手ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)、中国のPTA事業を拡大を発表 現在、珠海のBP珠海ケミカル(BP 85%)に第1、第2系列合計で150万tの能力がありますが、第2系列のデボトルネッキングで 20万t以上 の増強を行い、合計能力を170万tにするとともに、1系列では世界最大となる最新技術の125万tの第3系列を新設する。 BP珠海ケミカルは1997年にBPが85%、富華集団(その後 Zhuhai Port Coと改称)が15%出資して設立されました。 Zhuhai Port は1986年設立で、港湾物流、港湾開発、電力事業を行っています。 03年に第1系列(当初35万t)、08年に第2系列(90万t)の生産を開始しました第1系列はその後58万tに増強し、 合計能力は150万tとなっている。第2系列のデボトルネッキング(20万t以上の能力増)は既に設計を完了しており、 12年1Qに生産開始の予定。第3系列は能力125万tで、1系列では世界最大となる。BPの最新技術を世界で初めて使用す る。 14年スタートを計画しており、中国PTAの需要の増大に対応を行い方針です。 *BPはPTAに関しては、世界市場の15%(JV能力を含めると18%)のシェアを持っております。 パルプ相場 1200 1.10 2010/8/1 2010/9/1 2010/10/1 2010/11/1 2010/12/1 2011/1/1 2011/2/1 ●タイバーツ相場:@30.80THB/$(期間中高値)水準で2月をスタート。序盤は旧正月の取引額の少ない中、中東情勢等からのリスク回避の ●タイバーツ相場: 動き等から一時期間中高値レベルの@31THB/$迄THBが売られるも、海外勢の投資意欲/好調な輸出系企業の実需は旺盛でやや THB高に(期間中高値@30.52THB/$)シフトとなる。ただ根本には未だ完全に解決した訳で無い政局問題等も抱えている事もあり、終 盤はある程度の水準まで来ると海外勢の利益確定売り等もあり@30THB/$台後半で推移し、月末現在も@30.60THB/$近辺の相場 となる。3月は終盤での中東情勢の緊張緩和等を想定すると今迄以上の海外からの資金流入も見込まれ、ややTHB高、レンジは @30.00~31.00THB/$を予想する。 ●インドネシアルピア相場:年末の投機資金流入の流れから@9,040/$と期間中安値水準で2月をスタート。序盤は4日に中銀が0.25%の利 ●インドネシアルピア相場:年末の投機資金流入の流れから 上げ(利上後6.25%)を実施すると@9,000Rp/$を割込む。その後は中東情勢&リスク回避の動きの影響を多少は受けるものの好調な GDP(4Q;+6.9%)/中銀のRp高容認姿勢(インフレ封じ込め)等を背景にRp高(期間中高値@8,835Rp/$)が進んだ。月末現在も @8,850Rp/$のRp高水準の推移。3月は終盤での中東情勢の緊張緩和等Rp高への好影響事項が想定されるものの行過ぎたRpの 中銀の警戒感もありややRp高、レンジは@8,700~8,950Rp/$)を予想します。 ナフサ:US$/t 原油:US$/1bbl 原油(WTI)・ナフサ相場 1000 110 ナフサ 原油 800 90 600 70 700 500 2010/6/1 260 2010/7/1 2011/2/1 400 50 2010/4/1 2010/6/1 2010/8/1 2010/10/1 2010/12/1 2011/2/1 原油相場(WTI,期近物)は、1月から90ドル前後での推移が続いたが、2月半ばにかけて80ドル台半ばに下落した。ブレント原 油は100ド超での推移が続いている。欧州の原油需給は相対的に引き締まっているとみられるものの、冬場の需要期を過ぎ て、需給は緩和すると見込まれる。中国など新興国の引き締め策、先進国の長期金利の上昇などが景気や商品重要の抑制 要因になるとの懸念もある。ブレント原油とWTI原油の価格差は縮小し、WTI原油はいったん80ドル割れ程まで下落する可能 性がある。WTI原油相場は、2010年春にかけて1バレル=70~80ドルを中心に推移し、4月~5月は乱高下したが、6~9月は再 び70~80ドルを中心に推移した。しかしその後、原油相場の中心的な価格帯は、10月に80ドル前半、11月には85ドル前 後に切り上がり、さらに12月から2月にかけて90ドル前後に達した。原油相場が上昇傾向で推移した背景として、投機的な 思惑から金属や穀物などを含めたコモディティの市況全般が押し上げられたこと、景気が堅調な中国の需要増加観測が強 まったことなどが挙げられる。指標となるブレンド原油2月にかけて100ドルに乗せて推移した。WTI原油は80ドル台で推移 しているものの、多くの石油取引の価格指標になっているブレンド原油が100ドル前後で高止まりしており石油の実物取引 の多くは1バレル当り100ドルの原油価格を前提にするような流れになってきている。 アクリロニトリル相場 US$/t 2400 2200 1000 2000 1800 800 1600 1400 600 針葉樹パルプ 400 2010/2/1 広葉樹パルプ 1200 1000 2010/4/1 2010/6/1 2010/8/1 2010/10/1 2010/12/1 北米パルプ市場 / 北米のパルプ市場は安定しており、世界景気が不透明な中、印刷及び筆記用紙の使用方法が変化する中、紙部門で の安定した需給がその要因と思われます。アジア市場でのパルプ価格上昇により北米での価格もつられて上昇しています。市況価格は 横ばいでUSD960/トンです。 欧州針葉樹パルプ市場 / 12月に大幅な価格上昇が有ったのち、1月に欧州港湾在庫は減りました。軟木パルプの市場はタイトなままで す。針葉樹パルプの数量増の背景としては供給不足が続いている溶解パルプの代替として紙以外の用途から引き合いがあることも背景 としてあるようです。多くのメーカーからは3月1日からの価格上昇が打ち出されており、大凡USD30/トンの幅です。価格市況は USD949.08/トンとなっています。 欧州広葉樹パルプ市場 / 2月の広葉樹パルプ市場は安定していました。ティッシュ及びパッケージの前向きな動きにより、ゆっくりとした 需要増が見られます。市況価格はUSD848.06/トンです。 中国広葉樹パルプ市場 / 今年の春節休暇は例年とは異なり需要減は見られませんでした。過去及びこれからある紙及びボール紙の 生産能力増が繊維の需要増の主因となっています。ローカル及びインドネシアの広葉樹パルプの生産能力は増加し続けて供給を増やし ています。市況価格はUSD747.12/トンとなっており、換算するとRMB4,908.56/トンです。 THB/1Kg 2010/4/1 2010/6/1 24.2 2010/8/1 2010/10/1 2010/10/1 2010/12/1 2011/2/1 初婚年齢の推移 26.9 2010/6/1 2010/8/1 カネカ、アクリル系合繊の新素材開発~パイル糸脱落を大幅改善 カネカは、アクリル系合成繊維「カネカロン」でフェイクファー用途向けの新素材「カネカロンラストラ スファー」を開発した。同製品はカネカロンの持つ人毛や獣毛に似た触感と質感と、同社が世界で 初めて開発したパイル加工技術であるラストラス加工を組み合わせることで、パイル糸の脱落(毛 抜け)を従来の10分の1以下に抑制することに成功。また裏面の毛羽立ちも抑制し、縫製時の裁断 面からの脱落も低減される。同社は今年2月からアパレル、インテリア、ぬいぐるみ用途などに本 格販売を開始。グローバルに事業展開することで5年後に売上高30億円を目指す。 天然ゴム相場 190.00 180.00 170.00 160.00 150.00 140.00 130.00 120.00 110.00 100.00 2010/4/1 2010/2/1 2011/2/1 2010/12/1 2011/2/1 タイの天然ゴム価格最高値を付ける 2月15日にタイの天然ゴム価格が186.05バーツ(1バーツ=約2.75円)を付けた。しかし2月21日185.80バーツ、22日 184.80バーツ、23日182.80バーツ、24日181.80バーツ、25日179.80バーツとなり、週明け28日には176.80バーツと下がって 兆しを見せている。ゴム価格を上昇させ続けた要因の一つとして、中国の自動車生産台数増があるが、昨年末ま で中国の自動車販売台数は前年度比3割増を続けてきたが、1月の自動車販売台数は前年度比15%増加となり、そ れまで続いた3割増から大きく落ち込んだ。これを発表されたのが、2月15日でそれ以降中国のゴム市場も連動して 下がり続けている。それだけに3月中旬に発表される2月の販売台数が注目される。 因みに日本はエコカー減税終了後の影響を受け、1月の自動車販売台数は前年比20%ダウン、2月は14%ダウンとなって はいるが、10-12月が前年比3割ダウンというところからみれば少しづつではあるが回復してきたとみえる。 27 24.7 27.8 25.2 28.2 28.4 25.5 25.9 28.5 28.8 26.3 27 夫 妻 29.1 29.4 27.4 27.6 29.6 29.8 27.8 28 30 30.1 30.2 28.2 28.3 28.5 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 初婚年齢の推移 晩婚化が進んでいる、と報道されていますが実際のデータは上の通りとなります。 このデータを見ると最新データの2008年では、夫は30.2歳・妻は28.5歳が平均初婚年齢となっています。 1950年と比べると、大体5年ほどのプラスとなっています。 また、1970年では男女差2.7歳であったものが、2008年には1.7歳となっており、女性の晩婚化が進んでい ることがわかります。 <不織布トピックス> <家電トピックス> 繊維・不織布業界価格改定相次ぐ 花粉シーズン到来! 「空気清浄機」は“集じん機能”で選べ ●オーミケンシ/4月からレーヨン値上げ オーミケンシは4月からレーヨン短繊維を値上げする。値上げ幅は現行価格に比べて8~10%。原燃料が高騰しているため で、すでに需要家との交渉に入っている。 同社によると、今年1月以降、レーヨン短繊維の原料となる溶解パルプ(DP)価格はさらに上昇。1トン当たり2,100ドルに達 し、さらに高騰する動きにある。同社では昨秋に原燃料高からレーヨン短繊維の値上げを実施したが「さらなる高騰分を自助 努力でカバーしきれない」として、値上げに踏み切る。すでに、海外では綿花高騰に伴う代替需要の増加もあって、レーヨン短 繊維は需給タイトな状態にあり、価格も上昇傾向にある。 ●旭化成せんい/「ベンベルグ」全品種を値上げ 旭化成せんいは2月21日、キュプラ繊維「ベンベルグ」の原糸、原綿、紡績糸、生地の全品種を4月1日出荷分から値上げする ことを決めた。値上げ幅は現行価格から約10%。主原料であるコットンリンターの価格が高騰していることに加え、エネルギー コストなども上昇。自助努力によるコスト削減を続けてきたが、事業採算が極めて厳しい状況となっていることから今回の値 上げに踏み切った。 ●クラレ/エラストマー製品値上げ クラレは水添スチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン」「ハイブラー」「TUポリマー」の価格を3月1日出荷分から値上げす る。値上げ幅は北米・南米地域が0.22ドル、欧州地域が0.25ユーロ、アジア地域が0.25ドル。 ●ユニチカ/4月にビニロン価格改定 ユニチカは2月14日出荷分からビニロンを値上げする。原燃料価格の上昇しているためで、値上げ幅は1kg=30円。 2010年夏の猛暑の影響で、今年は花粉の当たり年といわれている。スギ・ヒノキ花粉の飛散開始時期は 関東・甲信地方では例年よりもやや早い2月上旬で、飛散量は昨年の2~10倍に。近畿や東海地方の一 部では10倍以上になるとも予測されているので、早めの花粉対策が必要だ。 花粉症対策家電としては「空気清浄機」が一番に挙げられるが、2009-2010年の秋冬は新型インフルエ ンザの流行もあって除菌機能に注目が集まり、“除菌合戦”の様相を呈していた。それに対して2010年- 2011年モデルでは、空気清浄機の本質ともいえる「集じん機能」が見直されている。短時間で効率的に室 内の空気をたっぷりと吸い込み、本体のフィルターでこし取ってきれいな空気を送り出すという原点に立ち かえっている印象だ。これは、花粉症対策としても心強い。 また、花粉対策に限らず、空気清浄機は帰宅後の数時間だけでなく、終日運転させて室内に舞い上 がったチリやホコリをしっかりと集じんすることが重要。だが、電気代を心配してか、なかなか徹底されてい ないのが現状のようだ。2011年モデルでは、省エネ性を高めたり、エコモード運転などを取り入れたりする ことで終日運転させ、より効果的に使えるようになっている点にも注目したい。 もう一点、最近の空気清浄機は加湿機能付きのものが主流になっているが、ノドや肌などを乾燥から守 り、ウイルスの活動を抑制する以外に、静電気が起きづらくなるため、衣類や家具、カーテンなどに花粉 が付きにくくなる利点もある。鼻の粘膜を保護し、花粉症の症状をやわらげる効果もあるので、上手に利 用したいところだ。 <海外トピックス> <金融・ビジネストピックス> 中国の工場 沿海部で人手不足深刻 内陸部で賃金上昇 春節後、帰省者戻らず 緊張広がる中東・北アフリカの政情不安 中国で沿海部の工場を中心に人手不足が深刻になり、生産に影響も出始めた。経済成長に伴い重慶など内陸部でも賃金 が上昇し、春節(旧正月)休暇で内陸部に帰省した出稼ぎ労働者(農民工)の多くが職場に戻らないため。人材確保へ大幅な賃 上げを余儀なくされる工場も出ており、人件費の上昇分の製品価格への転嫁がインフレ加速の要因となる恐れもある。 労働者不足が最も深刻なのが輸出型製造業が集中する広東省だ。婦人服メーカーの広州智竜制衣(広州市)は全労働者40 人の8割が帰省先から戻らず、生産は事実上停止している。自動車用金型の会社は春節後に職場に復帰すれば平均10%賃 上げすると約束したが、帰省から戻った労働者は全体の8割にすぎない。世界最大のEMS(電子部品の製造受託サービス)で ある台湾・鴻海精密工業の中国子会社、富士康科技集団は主力生産拠点がある深セン市で労働者2万名が不足し、1日4千 人規模の従業員募集を続けている。上海市周辺でも人手不足感が強まっている。同市内の玩具メーカーは春節後に労働者 を新たに募集したが、当初予定していた月額2100元(約2万6600円)では全く集まらず、3800元まで引き上げてようやく人手を 確保した。江蘇省の調査によると、同省内企業の約7割が春節明けの人材募集について「非常に難しい」「難しい」と回答し た。日系大手工場は「人手不足は起きていない」(日産自動車)としている。だが広東省深セン市の日系部品工場では「残業を 増やして対応している」としており、中堅の求人は難しいようだ。労働者不足の最大の原因は、出稼ぎ労働者を送りだしてき た重慶市や湖南省など内陸部の経済発展だ。地方政府は安価なコストを売り物に工場誘致を進めており、2003年に300元 だった重慶市の法定最低賃金は、11年には870元と3倍弱に上昇した。故郷で仕事を探すのが容易になり、沿海部に稼ぎに 行く必要性が薄れている。沿海部の工場は労働者の囲い込みを狙い、春節前後に10~20%の賃上げを実施した。だが各地 の地方政府は前後の賃上げと前後し、法定最低賃金を20%前後引き上げる方針を決めている。物価上昇に悩む庶民の不満 をかわす目的だが、労働者にとってはさらなる賃上げを求める理由となる。労働コストの上昇分が製品価格に転嫁されれば、 物価上昇圧力がさらに強まる悪循環につながる。インフレが進めば賃上げしても実質的な可処分所得は増えず、昨年多発し た賃上げストが今年も多発する可能性がある。 先般、チュニジア、エジプトで政権が崩壊しましたが、足元ではリビアの政情不安が拡大しています。反体制派が東部の各 都市を制圧する一方で、首都トリポリでは23日、治安部隊によるデモ隊への激しい砲撃が行われました。各国政府は同国に 滞在する自国民の出国を促しており、欧州系の石油会社が23日までに石油関連施設の操業を相次ぎ一時停止、一日当りの 原油生産量が25~50%減少したと報じられています。混乱がさらに深刻化すれば操業停止がさらに拡大することも懸念さ れ、24日のNY市場では原油先物相場が一時103ドル台に上昇しました。投資資金が国債などの安全資産に逃避する動きか ら日米欧など主要国の株式市場は今週に入り下落基調となっています。為替市場では24日海外時間で円が1ドル81円台に 上昇しました。 同国政府は憲法制定等の妥協案を示していましたが、41年続いた独裁政権の打倒を目指す反体制派が妥協することは考 えづらく、解決の糸口がつかめない状況です。リビアの主要原油輸出先である欧州地域では原油供給への影響が懸念され ます(2009年のOPECレポートによれば同国の原油輸出の75%は欧州向け)。こうした状況に対して、一部産油国は石油会社 からの要請があれば市場への供給を増やす意向であると伝えられていましたが、今回、サウジアラビア(以下サウジ)が原油 の緊急増産に踏み切りました。欧米など消費国に配慮したとみられております。 反政府運動はバーレーン、イエメン、イラン、アルジェリア、モロッコにも広がっており、サウジでも小規模なデモが行われ、イ ンターネット上で民主化を要求する呼びかけが行われています。最大の原油輸出国であるサウジに政情不安が飛び火すれ ば、原油価格高騰によるインフレが世界経済への波乱要因になると懸念されます。アブドラ国王は病気療養中のモロッコから 急遽帰国して失業対策や住宅取得支援策を含む350億ドルの行動計画を発表しましたが、地方選挙等の政治改革は見送ら れました。君主制のサウジでは選挙による議会や政党がなく、国民は異議申し立ての機会がありません。オイルマネーで 潤っていることから民衆蜂起等の混乱が直ちに起きるとは想定しにくいものの、隣国の民主化の影響を考えると社会問題へ の対処と併せて政治改革を進めることが、今後は求められるものと思われます。 ●本誌の記事・内容に関しまして、誤り等存在する場合もありますので、あくまでご参考の資料としてご利用頂きますと大変有難く存じます。 ●本誌のデータは各種公表数字を基に作成しております。
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