第三章 専利出願人 1. 専利出願権 ................................................................................................ 2 2.専利出願人 ................................................................................................... 2 2.1 台湾人 ........................................................................................................................... 3 2.2 外国人 ........................................................................................................................... 3 3.発明者 .......................................................................................................... 4 3.1 発明者の異動 ................................................................................................................ 4 3.2 発明者の氏名非公開請求 .............................................................................................. 4 4. 変更事項 ................................................................................................... 5 4.1 出願人の氏名又は名称の変更....................................................................................... 5 4.2 出願人の署名の変更 ..................................................................................................... 6 4.3 出願人の住居所の変更.................................................................................................. 6 4.4 法人の代表者の変更 ..................................................................................................... 6 4.5 発明者の氏名の変更 ..................................................................................................... 6 4.6 国籍の変更 .................................................................................................................... 7 1 第三章 専利出願人 専利出願人とは専利出願権を有し、署名して専利出願をした者を指し、自然 人又は法人である。発明者(実用新案は考案者、意匠は創作者、以下同じ)とは、 実際に特許(実用新案、意匠)を発明(考案、創作)した者のことを指し、自然人 でなければならない。 専利出願人と発明者の双方とも専利願書に必要な明記事項であり、専利出願 人の適格、発明者の認定、発明者の氏名非公開請求及び出願人変更の申請、発 明者の基本資料の処理に関する作業を本章規範の重点とする。 1. 専利出願権 専利出願権とは、専利法に基づいて専利出願できる権利のことを指す。専利 出願権は譲渡や継承することができるが、質権の対象にしてはならない。 専利出願権を取得してから、専利出願する権利を有する者となることができ る。専利出願する権利を有する者には、以下の態様が含まれる: (1)発明者: 専利法が別途規定する又は契約に別途約定がある場合を除き、発明者は即ち 専利出願の権利を有する者である。 (2)発明者の譲受人 発明者は専利出願権を他人に譲渡することができ、譲渡により専利出願権を 譲り受けた者は、署名して専利出願をすることができる。 (3)発明者の継承人 発明者が死亡後、民法第 1148 条の規定に基づき専利出願権を継承した者。 (4)雇用者 被雇用者が雇用関係にある就業所において完成させた特許、実用新案又は意 匠について、専利出願権は雇用者に属する。 (5)出資者 一方が出資して他人を招聘し研究開発に従事した場合、専利出願権は出資者 が所有すると約定することができる。 2.専利出願人 専利出願人とは専利出願権を有し、且つ専利出願を提出した者であり、専利 出願権が二人以上により共有される場合は、共有者全員で専利出願しなければ ならない。台湾人、外国人いずれも専利出願人となることができる。専利主務 2 官庁は必要に応じて、出願人に対して身分証明又は法人証明書類の添付を通知 することができる。 2.1 台湾人 出願人は自然人で、且つ民法に基づき行為能力を有する者は、自ら専利出願する ことができる。その行為能力を制限されている者又は行為能力の無い者は、その法定 代理人が代理として専利出願をしなければならない(署名規定は本篇第一章を参照)。 出願人が法人であり、公法により設立された公法人及び民法或いはその他の法律 規定により設立された私法人もまた出願人となることができる。公法人とは、例えば:中 華民国、各級地方自治団体(直轄市、県市、郷鎮市「市町村」)、農田水利会、各種行 政法人(例えば国立中正文化センター)で、私法人とは、例えば社団法人、財団法人、 会社、商業団体、工業団体、農会(農協)、魚会(漁協)、工会(労働組合)、教育会等 である。 公立学校、政府機関又は公営造物等の独立予算を有する公法上の組織(例えば、 聯合後勤司令部 402 工場又は各地農業改良場…等)は、実務上出願人として認め ることができるが、出願人の適格性に疑義を有する場合はその添付された組織 規程につき審査することを通知することができる。 支社による名義で出願した場合、支社は本社の支店機関として管轄されるた め、本社と支社の法人格は単一であり分割することはできず、権利義務の主体 とすることはできない(経済部 1968 年 1 月 10 日付け商 00945 号書簡参照)故、 適格ではない出願人は、本社を出願人とするよう通知しなければならない。 非法人団体とは、法人格を有しない団体のことを指し、例えば法人登録の手 続きをしていない寺院、同郷会、倶楽部…等のことである。共同とは、二人以 上の者が互いに出資し事業を共同経営する契約のことであり、例えば○○弁護 士事務所、○○会計師事務所、○○建築事務所…等のことである。独資商号は、 例えば個人の出資で開設された商、行、社、本屋、工場等のことである。非法 人の団体、共同又は独資商号等の私法組織は、実態法上の権利能力を有してい ないため、全て不適格な出願人となり、非法人団体の代表者、事務所の共同者、 独資出資の自然人…等を出願人とするよう通知しなければならない。 2.2 外国人 外国人の出願者には、自然人及び外国の法律組織により登録し設立された法 人を含む。但し、外国人の所属国が台湾と専利保護の国際条約に共同参加して いない、又はお互いに専利保護の条約、協定を結んでいない又は団体、機関が 主管機関の許可を経て互いに専利保護の協議を定めていない、又は台湾国民か らの専利出願を受理していない場合は、その専利出願については不受理とする 3 ことができる。 外国の会社は専利出願人として台湾で専利出願を提出することができ、台湾 の承認を得る必要はない。しかし、台湾の支社において独立した法人格を有し ていない外国の会社は、やはり当該外国の本社名義で出願人としなければなら ない。 「外国の会社」が設立した本社以外のその他の国にて設立した支社(海外 支社と略称)については、その設立地の国内法の規定を基準とし、当該海外支 社が独立した法人格を有する場合は、専利出願人とすることができる。このた め、海外支社を専利出願人とする場合は、期限を設けて補正を通知し、出願人 はその外国本社の名義を出願人として改めることができ、又は当該海外支社が 設立地にて独立した法人格を有することを証明できる書類を添付することがで きる。期限内に補正しなかった又は補正した書類では依然として証明できない 場合は、当該外国本社を名義として出願人としなければならない(経済部智慧 財産局 2011 年 6 月 8 日付け智法字第 10018600350 号書簡参照)。 3.発明者 出願人は願書上に発明者の氏名を記載しなければならず、願書に記載した発 明人が真正の発明者であるか否かは、専利出願の出願人が関連する法律責任を 負わなければならず、専利主務機関は実質的な認定を行なわない。 3.1 発明者の異動 発明者は出願時に提出した願書の発明者の欄に記載のある者を基準とする。 専利出願を提出した後に、発明者の追加を申請する場合は、願書及び追加後の 発明者全員が追加に同意して署名した証明書類を添付しなければならない。発 明者の削除の申請をする場合は、願書及び削除された発明者が確実に本案の発 明者ではないことを声明して署名した証明書類を添付しなければならない。誤 記により発明者を訂正する場合は、願書に誤記の原因を説明し(例えば、代理人 が間違えて他の出願の発明者を入力した)、並びに関連する証明書類(例えば、出 願人が最初に委託した資料、出願権証明書類、雇用契約等)を添付すること。 発明者が病気、死亡又は連絡が取れない等の事実上の問題により、発明者の 署名した上述の証明書類を取得できない場合は、出願人は誓約書を添付してこ れの替わりとすることができる。誓約書には発明の名称、発明者全員の氏名、 証明書類を提出できない理由を説明しなければならず、全ての法律責任を負う 意向があることを声明しなければならない。 3.2 発明者の氏名非公開請求 発明者は専利出願に氏名が開示される権利を有し、出願人が発明者の氏名非 4 公開を請求する場合は、出願の提出時であれば、発明者が署名した声明書面を 添付し、並びに願書に発明者の氏名を記載し、その後に氏名非公開を加えて註 記しなければならない。出願の提出後であれば、発明者が署名した声明書面を 添付しなければならない。しかし、遅くとも専利主務官庁が公開を完成した又 は公告の準備作業前までにこれを行わなければならない。公開完成又は公告準 備作業後になって発明者の氏名非公開が請求された場合は、依然としてこれを 公開、公告する。 発明者の氏名非公開請求が審査を経て規定に符合した場合、包袋内の発明者 を識別できる資料に閲覧制限をし、出願が公開、公告される時には、その請求 により発明者の氏名を開示しない。公開完了、公告の準備作業の後は、発明者 の氏名非公開請求の撤回又は氏名の再度公開、公告の請求をしてはならない。 4. 変更事項 4.1 出願人の氏名又は名称の変更 出願人の氏名又は名称の変更とは、主体の同一性を変更せず改名、誤記又 は翻訳ミス等の原因により、出願人の氏名又は名称の変更を申請することを指 す(中国語及び英語の氏名又は名称、中国語の当て字を含む)。 出願人の氏名又は名称を変更する際には、新しい氏名又は新しい名称を記載 しなければならない。 出願人が自然人の場合は、改名した証明書類を添付するべきであり、例えば 身分証のコピー、戸籍謄本のコピー或いはパスポートのコピー等が必要で代わ りに誓約書を使用してはならない。 台湾法人による出願の場合、且つその法人名称の変更データが主管機関のホ ームページより照会できる場合は、証明書類を添付する必要はなく、もし疑義 が生じた際には、関連する証明書類を送付するよう補正を通知することができ る。 外国人法人による出願の場合、登記国の主管機関が発行した関連する証明書 類を添付しなければならない。もし、証明書類を送付できない場合は、誓約書 をこれの代わりとすることができる。誓約書には改名の事実、証明書類を送付 できない理由についての説明を明記しなければならず、一切の法的責任を負う ことを声明しなければならない。 出願人の外国語の氏名又は名称に変更がなく、中国語の当て字のみ変更する 場合は、証明書類を送付する必要はない。 出願人の氏名又は名称に誤記(例えばスペルミスや字のタイプミス)がある時 は、関連する証明書類を送付しなければならないが、出願と同時に送付した書 5 類と対比して主体の同一性を認定できない場合は、出願人が確立した日を出願 日(第 5 章第 1.1 節)とし、或いは譲渡登録(第 11 章第 1 節)の方式により処理しな ければならない。 4.2 出願人の署名の変更 出願人が印章や署名の様式を変更する時は、新しい印章、古い印章を押印又 は新しい署名、古い署名様式により変更を申請する。例えば古い印章が遺失し た又は新しい署名様式のみ署名し、それが自然人である場合は、専利の登録査 定(或いは処分)前に誓約書を送付しなければならず、専利の登録査定(或いは処 分)後においては、誓約書及びその身分証明書類を送付しなければならない。そ れが法人の場合は、誓約書を送付しなければならない。出願人が法人の場合、 その代表者の署名捺印の変更を申請する時も同じとする。 4.3 出願人の住居所の変更 出願人の住所の変更は、新しい住所を明記して変更手続きを行わなければな らない。出願人が指定した代理受取人の住所に変更がある場合は、代理人は書 類を代理受取する権限しか有しないため、出願人の意思表示を代理することは できず、出願人が変更手続きを行わなければならない。 4.4 法人の代表者の変更 法人の代表者の変更は、新しい代表者の氏名を明記して変更手続きを行わな ければならない。すでに代理人に委任している場合は、法人主体に変更はない ため、新しい代表者が署名捺印した委任状を再度送付する必要はない。 4.5 発明者の氏名の変更 発明者の氏名の変更は、主体の同一性を変更せず、改名、誤記や翻訳ミス等 の原因により、発明者の氏名の変更を申請することを指す(中国語及び英語の氏 名、中国語の当て字を含む)。 発明者の氏名の変更を申請する時は、新しい氏名を明記して変更手続きを行 い、改名証明書類を添付しなければならない。例えば、身分証明書のコピー、 戸籍謄本のコピー或いはパスポートのコピー等、が必要であり、誓約書を代わ りに使用してはならない。もし、発明者の外国語の氏名に変更がなく、その中 国語の当て字のみ変更がある場合は、証明書類を添付する必要はない。 発明者の氏名に誤記(例えばスペルミスやタイプミス)がある時は、関連する証 明書類を添付しなければならないが、出願と同時に添付した書類と対比して主 体の同一性を認定できない時は、第 3.1 節の「発明者の異動」の方式により処理 6 しなければならない。 4.6 国籍の変更 出願人(自然人に限る)又は発明者の国籍の変更は、新しい国籍を明記して変 更手続きを行わなければならない。出願人が法人の場合は、国籍変更の問題は 生じず、譲渡登録の方式により変更しなければならない。 7
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