「どろんこのうた」野村学園

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西予市
西 予 市 野 村 町 に あ る 野 村 学 園 は 昭 和 41(1966) 年 4 月 に 開 園 さ れ た 。 現 在 障
害児入所施設、障害者支援施設として知的障害のある人たちが心安らぐ家庭
的で楽しい寮生活がおくれることに配慮し、能力に応じた生活支援、作業支
援、機能訓練等を行い、社会生活に必要な能力を身に付け、自己実現の喜び
を知り、社会参加のできる人間育成を行っている。
野 村 学 園 の 詩 教 育 は 昭 和 45( 1970) 年 頃 か ら 始 ま る 。 あ る 園 児 が 散 歩 の 時
や粘土遊びの最中につぶやいた無心の言葉が、素晴らしい口述詩になってい
ることに気付いたのがきっかけである。その後針金で粘土板に詩を書き自由
に 絵 を 描 く よ う に な っ た 。 粘 土 を 使 っ た 、 読 字 力 、 写 字 力 な ど の 練 習 が 、作 文
力 、 詩 作 力 を 開 発 す る こ と に つ な が り 、多 く の 子 ど も が 詩 を 創 作 す る よ う に な
る 。「 ど ろ ん こ の う た 教 育 」 の 始 ま り で あ る 。 や が て 、 版 画 板 に 彫 刻 刀 で 絵 や
詩 を 彫 り は じ め 、 昭 和 52( 1977) 年 初 め て 画 用 紙 で 手 刷 り に よ る 版 画 詩 カ レ
ンダーが作られ、以後毎年版画詩カレンダーを制作するようになった。
日 常 生 活 の 中 に あ る あ た り ま え の こ と に 感 動 し 、表 現 さ れ た 数 々 の 詩 は 、 多
くの人々に感動を与えている。
障害のある人々の人権・人格が軽視されている社会的現実がある中で、詩
作を通して、こうした人々の素晴らしさが認められるということは、家族を
含め障害のある人々に自信と勇気を与えている。
詩 教 育 が 始 ま っ た 当 初 か ら 現 在 も 指 導 に 携 わ っ て い る 仲 野 猛 氏 は 、「 彼 ら が
表現する生きた言葉である詩は 、 彼らのもつ豊かな感性の証である 」 と語る 。
彼 ら が 飾 ら な い 言 葉 で 人 間 そ の も の を う た っ た 多 く の 詩 は 、私 た ち に 生 き る
ことの原点を教えてくれている。
版画 制作風 景
野村 学園内 にある 「どろ んこの うた館 」
〔 参考資料〕
愛媛県人権教育協議会 「えひめ人権・同和教育№102」
仲野 猛 『どろんこのうた 』『どろんこのうた交流記』
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