京都大学文学部博物館所蔵 ボルトラノ型地中海図に関する一考察

歴史地理学 1
7
8
OO~OO
1996.3
京都大学文学部博物館所蔵
ボルトラノ型地中海図に関する一考察
多国祐子
1.はじめに
I
I
. ポJレトラノ型海図の特徴
I
I
I
. 京都大学文学部所蔵「地中海図 j の特色
しはじめに
ポルトラノ型海図とは,方位盤 c
o
m
p
a
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sr
o
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eとそ
I
V
.r
地中海図」に記された地名
こから放射状にのびる航程線 r
humbl
i
n
eが織りなす
v
.r
地中海図 Jの作成年代
幾何学紋様でもって特徴的な,中世を代表する海図
14~16
図 l ポルトラノ型地中海図
c
r京都大学文学部博物館J所蔵)
-1-
!?1ll
である。羊皮紙などに描かれたこの海図は,
世紀にかけて地中海沿岸地域において大量に生産さ
ー
VI . お わ り に
れ,地中海の航海者に重宝されたものである。中世
束し,またそこから分散する直線であり,相互に複
においてはキリスト教的世界観に基づくマツパエム
雑に絡み合っている。航程線が収束する点は一見乱
ンディ mappaemundiも重要な地図であったが,ボル
雑に打たれているようにみえるが,中心にーっと,
トラノ型海図とマツパエムンディとではその性質を
6,併せ
それを中心とした円周上にあたるところに 1
パイプル
全く異にする。すなわち,マツパエムンディは「聖書」
て1
7点を数えることができる。これらの収束点には,
の記述内容をも表現した地図であって現実離れした
しばしば美しい図柄の方位盤が描かれており,これ
部分も見られるが,これに対して,ポルトラノ型海
2方向へ放射する
らの方位盤からそれぞれ等間隔に 3
図は地中海の実情を知り得る限り正確に表現した,
3
2本の航程線が方位を指し示している。なお,方位
航海者にとってはまさに「パイプル」に相当する地
盤は羅針盤をモチーフにして描かれているが,中に
図であった。
は見事な装飾を施したものもあり,ポルトラノ型海
ところで,ポルトラノ型海図は海上で使用された
図の最も魅力的な特徴をなしている。また,色分け
だけではない。航海の際に航路を決める指標となっ
された航程線は,方位の判断を敏速・確実にするた
たことはいうに及ばないが,陸上においても有用で
めのものであった。
(
2
)海岸線の形状は,特に地中海・黒海については
あった。すなわち,ポルトラノ型海図は,その特徴
である方位盤や航程線網が織りなす幾何学紋様と,
かなり正確で,現代の地図と比較してもそれほど遜
彩り豊かな地囲内容とがあいまって,美術品・装飾
色がない。ウッドワード (
D
.Woodward1
9
8
5
)の研
品としても高く評価され,船主や豪商の注文を受け
究によると,マツパエムンディの代表であるへレフォー
て製作された九よって需要も多く,かなり大量に生
ドH
e
r
e
f
o
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d図 (
1
2
9
0年頃)の海岸線と,ほぽ同時代の
産されたと考えられる。そのため今日,欧米各地の
代表的なポルトラノ型海図の一つぺトルス・ヴェス
公的機関などによって所蔵されているボルトラノ型
.V
e
s
c
o
n
t
e図 (
1
3
1
1年)の海岸線との比較に
コンテ P
海図も少なくない。
おいても,後者の正確さは一目瞭然であるとされ
ポルトラノ型海図はわが国にも若干の点数がもた
る九製作目的が異なるこれら 2系統の地図を比較す
らされているが,京都大学文学部博物館にそのうち
ることに若干の問題はあろうが,教会関係者(陸上
の 2葉が所蔵されている。うち 1葉は地中海全域を
生活者)の空間認識と,海上生活者の空間認識との
対象にしたもの(図 1)であり,他の 1薬はエーゲ
聞には相当の隔たりがあった事実は否定できない。
海を扱ったものである。筆者はヨーロッパにおける
(
3
)ポルトラノ型海図では,海図という性格上当然
地図発達史にかねがね興味を抱くものであるが,い
であるが,海岸線沿いの地名は隙間なく詳しく書き
まだ本格的には取りあげられていないこれら 2葉の
込まれている。一方,内陸部については,現代の海
ポルトラノ型海図を閲覧する機会をもった。本稿で
図と同様,航海と直接関係がないために地名はほと
r
I
I章以下, 地中海図 J
は,そのうち地中海全域図(第 I
んど見られない。また,海岸線沿いの地名の数は,
とする)を対象とした考察の結果を述べる。
同縮尺の現代の海図のそれに比べてはるかに勝って
いる。地中海で当時主役だった手漕ぎのガレー船の
I
I
. ボルトラノ型海図の特徴
航海能力では,頻繁に沿岸の各地に寄港する必要が
ところで,ポルトラノ型海図には,ほぽ共通して
あったのがその理由である九
次のような表現上の特徴がみられる。
ところで,多くのボルトラノ型海図においては地
(
1
)まず,従来の地図にはみられない表現としては
名の記入に当っては黒・赤の 2色が使い分けされて
前記の航程線網がある。航程線は幾つかの箇所で収
いる。大部分の都市が黒インクで記されているなか
- 2ー
で,赤インクで示された地名は,当時の主要港およ
の一枚の羊皮紙 9)に,地中海を中心とする地域が描か
び主要都市を意味していた。すなわち,赤色で示さ
れている。その範囲は,西は地中海西端(ジプラルタ
れた地点に寄港すれば,より容易に食糧やその他の
J
レ海峡付近)にはじまり東は黒海(東部を欠く)・小ア
物資の補給を受けることができたのである 4)。
ジアにまで及ぶ。この海図は二つ折りにされる機会
(4)現代の海図とは異なる特徴として,ポルトラノ
が多かったためか,図の中心部分に上下に,すなわ
型海図には「水深」に関する指示がない。それに代
ち南北方向に折りぐせによる染みが生じている。そ
わって,海底の情報をユニークな表現記号で伝えて
のため,特に図の中央に当たるイタリア半島の南部
いる。すなわち,沿岸海域のところどころには岩礁
は,海岸線・地名ともにほとんど判読不可能である。
の存在を示す点描がみられ,また,同じく沿岸に散
また,そのほかにも,用いられたインクが羊皮紙の
りばめられた赤い小片は浅瀬の存在を指示してい
色に同化・退色した結果,とりわげ海岸線は復元し
る九航海上の危険は大海原よりもむしろ港を間近に
がたい箇所も多い。
した港湾内にあるともいわれるが,これらの記号は,
(
2
)
黒インクで描かれた海岸線の形状についてみれ
港と目と鼻の先の海域での海難事故を警告する意図
ば,一言でいって,今日われわれが認識している地
3
世紀初めのフランス
で描かれたのであろう。事実 1
中海の輪郭がほぽ正しく表現されている。もちろん,
には,船の喪失の原因が航海者にあると認められた
微細にみれば,コルシカ島・クレタ島・キプロス島
際には,その者を死刑に処すという法律 6)があり,航
などの形状は幾分いびつであり,マグリプ地方東部
海者には海難回避に関するかなりの専門的な知識が
(今日のチュニジア)の海岸線の北への膨らみなど
要求されていたのである。
もやや異常である。ただ,この程度の歪みはポルト
(
5
)ポルトラノ型海図には,地図の記載内容が航海
ラノ型海図においてはむしろ常態であり,また,他
に必要な海岸部に偏る傾向があったなかで,ほとん
のポルトラノ型海図との類似関係からすれば,筆者
どそれに徹する形式のものと,内陸部にもその空白
6
0
1年のクレッセンティオ C
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i
o
の知る限りでは 1
を避けて装飾的な図柄を描入する形式のものとがあっ
図 10)の海岸線の形状に酷似しているといえる。
た。これらの形式は,それが主として製作された地
(
3
)図 2 (トレース図)にも示したように,海岸線
域と関連づげて,前者はイタリア型,後者はカタロ
から内陸に向かつては,それに対してほぽ垂直に,
ニア型と呼ばれる。端的に言うと,イタリア型が海
紺色の太い線の切り込みによって数多くの河川が描
上での実用性をより強く志向していたのに対して,
かれている。それらの河川名の書き込みはないが,
3
7
5年に製作されたカタロニア図
カタロニア型は, 1
ヨーロッパ側の河川は,西から順にまさしくエプロ
C
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1
a
nm
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p
7
)に代表されるように,陸上での使用目
a
)
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l
),ローヌJlI(b),ヴアールJlI(c),アルノ川
川(
的,たとえば装飾としての使用にむしろかなったも
(d),テヴェ vl
I/(e),ネレトヴァ J
I
/(f),ヴアル
のであった。なお,イタリア型とカタロニア型の製
ダJレJ
I
I(g),ドナウ}I/
(
h
)である。しかし,アドリ
4世紀の後半
作者の聞で情報交換が行われた結果, 1
ア海北部に注ぐ河川は限定しがたい。これに対して
にもなると,どちらにも属さない融合型とでもいう
アフリカ側は,西からムルヤ 1
1
/(i),ナイル J
I
I(j)
べきタイプが出現する 810
が同定できるが,今日のチュニジアからリビア北岸
に描かれた 4本の川はいずれとも決しかねる。ある
I
I
I
. 京 都 大 学 文 学 部 所 蔵 「 地 中 海 図 jの特色
いはワジを恒常河川として表したものかもしれない。
「地中海図」の全般的な特色は次の通りである。
r
(
1
) 地中海図」は縦 52.5cmX横 7
2.0cmの大きさ
また,小アジアからレヴァント地方にかけてはセイ
ハン J
I
/(k),ジェイハン)1/(1),オロンテス川 (m)
-3-
EVROPA
D-LMA
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><J'全rvvr.r' 68Z
丸~ 691
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・~....,.
。
• 70
REGNVM
REGNVM TRIMISEN
FESS
REGNVM
NVBIA
TRIPOLI DE
BARBARIA
REGNVM
MAROCCO
BAR
R-GNVM
GVFRAN
BARIA
ETIOPIA
図2
r
地中海図 J(トレース図)
などが確認できる。なお,ちなみに河川の描写法に
r
他のポルトラノ型海図の地名や現代地名と対照して
のそれは,フランシスコ・
関していえば. 地中海図 J
みた。比較の対象としたポ Jレトラノ型海図は,本稿
rancescoO
l
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v
a図 (
1
6
0
3年)12)にも類似して
オリヴァ F
の第 V主主で推定する「地中海図」の製作年代に基づ
いる。
.オーメン D
.
き,ポルトガルの装飾的地図製作者 D
r
(
4
) 地中海図」では内陸部についての情報はほと
Homenの地図帳 (
1
5
6
1年)収録の海図,ヴェネツィア
んど示されていない。しかし,方位盤や海図の縁飾
の地図製作者ミロ A.Mi
1
10の地図帳 (
1
5
8
6年
)
,1
6
世
りなどは適度に描かれており,装飾的表現を全く欠
artinez
紀後半のカタロニア型の製作者マルテイネス M
いたイタリア型とも断定できない。また.r地中海図」
による図 (
1
5
9
1年).およびイタリア型の製作者ヴォ
の装飾的表現は,カタロニア型ほどの華やかさを備
D
.V
o
l
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i
u
sによる図 (
1
5
9
2年)である。
ルティウス V.
えてはおらず,結局「地中海図」は,先述のイタリ
また,代表的なポルトラノ型海図であるカタロニア
ア型とカタロニア型の融合型に分類することができ
1
3
7
5年)も参考としてこのなかに含めた 14)。なお,
図(
る
。
表 1~4 中の..は判読不可能な文字の意である。
(
5
)r
地中海図」では装飾的な方位盤が併せて 1
4
個
描かれている。とりわけ,左上のーっと下部の二つ
以下,主要な地名について地域別に説明したい。
(
1
) ヨーロツパ
の方位盤はその上部に「とさか」のような飾りを付
「地中海図Jの西端はジプラルタ J
レ海峡付近から
げている。このときかはフランス王家の紋章である
始まっているが,染みとしわのため沿岸部の地名は
「ユリの紋章 F
l
e
u
rdel
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J を示すものとされてお
ほとんど判読不能である。内陸部には, VALLENCIA
レトラ
り,カタロニアやポルトガルで作成されたポ l
(ヴアレンシア), ARAGON(アラゴン), CATALOGNIA
ノ型海図に一般的にみられる表現である 13)。
(カタロニア)などの地方名が記されている。沿岸部
(
6
)数少ない内陸の記載の中でひときわ目を引くの
の地名では赤インクで記された m
a
l
i
c
a
(マラガ,図 2
は,南フランスの一隅に描かれた,ある一つの都市
中の番号 1,以下向じ)が判読しうる。その東に,同
の鳥敵国である。内陸部の都市の鳥敵的表現はカタ
じ地名が黒色で繰り返されているのは,航海の際に
r
ロニア型の表現上の特徴であるが. 地中海図」では
目印となるマラガ岬を示すものであろう。さらに東
唯一,南フランスの一都市が描かれているのが興味
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(アルメリア, 2
)
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(ヴアレン
には,a
深い。後述のように,筆者はこれをマルセイユであ
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タラゴナ, 5),b
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シア, 3),t
るとみている。
J
レセロナ. 6)などの赤色地名が判読でき,また,都
I
V
.r
地 中 海 図 Jに記された地名
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トルトサ?, 4)
市の規模があまり大きくなしに t
やr
o
s
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s
(ロサス, 7)も,岬や湾といった特徴となる
r
にも
ポルトラノ型海図の例にもれず. 地中海図J
沿岸部を中心に多くの地名が記されている占ただ残
地形を備えているためか赤色で記されている。
フランスでは,内陸部に LANGVADOG(ラングドッ
念ながら,黒インクで記された地名のほとんどは,
グ)や PROVENGZA(プロヴァンス)の地方名がみら
長い年月を経るなかで湿気のために生じた染みやに
れ,さらにローヌ川ないしはヴアール川の流域部に,
じみのために判読不可能となっている。かろうじて,
先述の都市の鳥敵的措写がみられる。その位置から
赤インクで書き入れられた地名は同じ条件下でも判
みてこの都市はアルル,アヴィニョン,マルセイユ
読の可能性が高い。筆者は主として赤インクの地名
のいずれかであろうが,当該の都市はマッシリア(現
の判読を試みたが,その結果は表 1~4 のとおりで
レセイユ)であろうと筆者は考える。
マJ
ある。なお,表 1~4 では.
r
地中海図Jの地名を,
紀元前 6世紀,ギリシアの植民地として建設され
-5-
表 l ポルトラノ型海図に記された都市名(ヨーロッパ)
カタロニア図
(
1
3
7
5
)
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tg
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MALICHA
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.オーメン図
(
15
61
)
GIBRALTARU
MAL
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6
)
ミロ図
(
15
8
マノレテ 5
イ
9
1
ネ
)ス図
ヴォルティウス図
(
15
9
3
)
。
∞
∞
∞
∞
-6-
現在の地名
「
(
地
1
6
中
c後海半図)
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表 3 ポルトラノ型海図に記された都市名(レヴァント
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(注)・地図上の赤色地名は大文字で,黒色地名は小文字で示した。ただし,ミロ図の島娯に関しては, 77クシミリアトラスに収録されているポル
トラノ型海図とは別の地図から地名を引用したため,地名の色分げはなされておらず,すべて小文字で示さざるをえなかった。
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tによるカタロニア図(13
3
9年)から引用した聞ものである。
・カタロニア図の欄にあるは, ドゥルサート Du1
地中海図 Jの欄の地名の後に示した数字は,図 2中の番号と一致する。
・現在の地名の欄で( )内に示した地名は,現在の呼称である。また,比定した地名に疑問が残るものには,地名の後に?を付した。
・判読不可能な文字については, .
.
で
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。
・省略文字については.以下のとおりである。 Pta=岬(スペイン語), C.=抑
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, G.=湾
, Br.=岬(トルコ語)。
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などの地名が見いだされる。また,現在は廃櫨と化
有する天然の要塞を兼ね備えていた 16)o15~16世紀頃
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a
(スカルドン,
しているダルマティアの都市 s
は,港湾都市としてやはり名高いアルルとも競合し
現スプリート, 2
7
)の名もみえる。
ていたが,より大型の船が入港できるマツシリアの
a
p
a
n
t
o(
レパ
さらに,現在のギリシアの範聞では l
方が一歩抜きんでていたようである。「地中海図」に
ント,現ナフパクトス, 2
8
),s
a
l
o
n
i
c
a(
サロニカ,現
描かれているローヌ川河口の北方の水辺を囲むよう
)
, m
a
r
a
i
n
a(
マロニア, 3
2
)などの
テッサロニキ, 31
に広がる都市の鳥敵図には,湾の出入口に対侍する
地名が判読できる。
こつの要塞があるが,これがマルセイユのサン・ジャ
バルカン半島の北側には, ALBANIA(アルパニ
ンとサン・ニコラのニ要塞と想定しうる。フランシ
ア
)
, SCLAVONIA(スラヴォニア), D-LMATIA(位
スコ・オリヴァの図 (
1
6
0
3年)やフランソワ・オリヴ
置に問題があるが,ダルマティア), ROMANIA(ルー
F
r
a
n
c
o
i
s01
1
iv
eの図(1662年)口}の周囲に描かれたマ
マニア), VALACHIA(ワラキア)の地方名がある。ま
J
レセイユの鳥敵国などとも類似している。中世にお
た地図の北の端には, RVSSIA(ロシア)の名がみえ,
いても重要であったこの都市だけが,
r
地中海図」に
ダーダネルス海峡には g
l
l
i
P
o
l
i(
ガリポリ,現ゲリボ
捕かれたものであろうとするのが筆者の解釈である。
ル
, 3
3
)がある。黒海への出入口には c
.
.t
i
n
o
p
o
l
iと
その他,フランスの海岸部の都市名としては,a
r
l
e
s
あるが,もちろんこれはコンスタンティノープル(現
(
アJ
レル, 8), n
i
z
z
a(
ニース, 1
0
), m
onago(
モナ
1
)などが判読される。
コ
, 1
イスタンプJ,
レ3
4
)を指すものであろう。
(
2
) アフリカ
イタリア半島には,半島の西側のつけ根から北に
北アフリカの沿岸部には多数の地名が記されてい
向かつて内陸に MILAN(ミラノ), FERRARA(フェル
る。まず,地方名としては REGNVMFESS(フェス地
ラーラ), PADVA(パドヴァ), VINECTIA(ヴェネツイ
方
)
, REGNVMMAROCCO(モロツコ地方), REGNVM
ア)の地方名ないしは国名が,半島部には TOSEANA
TRIMISEN(トレムセン地方), R-NVM ALGER(ア
(トスカナ)と,大書された ITAL
lA(イタリア)の地方
ルジエリア地方), REGNVMTVNIS(チュニス地方),
名が見られる。長靴型のイタリア半島の足首から足
TRIPOL
l DE BARBARIA(パルパリのトリポリ),
先にあたる部分は,海図が二つ折りされる際の折り
REGNVM BARCA(
パルカ地方), AL
lSANDRIA DE
目となったためか,海岸線の輪郭・地名ともに判読
EGIPTV(エジプトのアレクサンドリア),などが判読
不可能である。都市名としてはテイレニア海側に,
できる。ところで,チュニスの爾にある REGNVMNVBIA
2
),g
e
nω (ジェノ
北西から抑制御(サヴォーナ, 1
はナイル川流域のヌピアをここに位置させたもので
3
),ρ
おa
(ピサ, 1
4
), l
i
o
n
ω(リヴォルノ,
ヴァ, 1
あろう。また,ナイル川中流部には FNILVの地名が
1
5
),r
o
m
a
(ローマ, 1
6
),n
a
p
o
l
i(
ナポリ, 1
7
),s
a
l
e
r
n
o
l
u
v
i
u
sNi
1
u
s
(ナイルJ
II)を意味する
あるが,これは F
(サレルノ, 1
8
)などが読み取れる。さらにアドリア
と考えられる。さらに上流部の, R-GNVMGVFRAN,
e
r
n
i(トラニ, 1
9
),ρ
i
s
c
a
r
a(
ペス
海側には,南から t
CAIPY,ETIOPIAの地方名については, ET
lOPIAは
カラ, 2
0
), a
n
c
o
n
a(
アンコナ, 2
1
),ρ
e
s
a
r
o(
ペザ
エチオピアで自明であるとして,その他の地方名の
2
),r
a
u
c
ω (ラヴェンナ, 2
3
),u
e
n
c
t
i
a(
ヴェネ
ロ
, 2
うち, CAIPYは表記からはカイロであろうがその位
ツィア, 2
4
)の地名がみえる。なおティレニア海側で
置は大きく南にずれている。地図の下縁に沿って大
は,航海時の目印となる山や岬も記されている。
きく書かれた BARBARIA(パルパリ)の文字は,アフ
アドリア海東岸の現クロアチア共和国の領域には,
リカ内陸部の情報の欠如を物語っている。
-9-
一方,ナイ l
レ川は,三つに分流して地中海へと注
された l
a
z
i
r
o(レズミル,現イズミル, 5
9
)が,さらに
ぐ大河川として描かれているが,支流の中にはシナ
黒海沿岸には s
e
n
o
ρ
2
・(シノツプ, 6
1
)の名を見出す
イ半島方面から発しているものもあり,確かな情報
が,判読できない地名も多い。
のみに基づいて描かれたとは考えがたい面もある。
(
4
) 島幌
河口の北の海中に描かれた三つの島は,デルタ部分
地中海に描かれた島艇を見ると,島名は記されて
の分流によって生じた中洲を描いたものであろう。
いないが,地中海西部には,パレアーレス諸島,コ
e
i
t
a(
セウタ ,
3
7
),m
i
l
i
l
l
a
アフリカ北岸には西端から ,s
ルシカ島,サ Jレディニア島,シチリア島が描かれて
(メリリャ, 3
8
), o
r
a
n
(オラン, 3
9
),a
,l旨er(
アル
いる。特に,コルシカ島とサ Jレディニア島には寄港
u
n
i
s(
チュニス, 4
4
)などの都市名があ
ジェ, 41
)
, t
a
s
t
i
d
a(
パスティア,
す る 回 数 が 多 か っ た の か, b
る。エジプトの海岸部には l
u
c
c
o(
ルコ ,
4
8
),a
l
i
s
a
n
d
r
i
a
6
4
), o
r
i
・
s
l
a
n
(オリスターノ, 6
5
), c
a
l
l
a
r
i(
カリア
(アレクサンドリア, 4
9
), .• z
m
i
t
a
(ダミエッタか?,
リ
, 6
6
)の各都市は,やや強調された入江の奥に,い
現ドゥムヤート, 5
0
)などの地名がみられるが,リビ
ずれも赤色で記されている。また,シチリア島の南
ア付近の海岸地名は読み取れないものが多い。
に置かれた m
a
l
t
a
(マlレタ島, 7
0
)は十字の切り込みが
以上がアフリカにみられる主だった地名であるが,
入った赤色の島として表現されている。
イオニア海北東部には,C01プ
i
:
I
(
ケ 1レキラ島, 7
1
)や
ヨーロッパに比べてその数は見劣りがしない。特に,
イペリア半島・イタリア半島に近い北西アフリカ(マ
c
i
s
a
l
o
n
i
a(
ケファリニア島, 7
2
)が黒色で記されてい
グリプ地方)とエジプトには多くの地名が集積し,そ
る。さらにエーゲ海には,数多くの島艇が描かれ,
の内容も岬の名称など,航海に関連する地名にまで
l
i
m
i
n
o
まさに多島海の様子を呈している。北から ,s
及んでいる。一方,今日のリビア北岸に記された地
(リムノス島, 7
3
),x
i
o
(キオス島, 7
5
), r
o
d
o(
ロド
名は極めて少ない。リビアはヨーロッパからすれば,
9
)の島名が赤色で記入されている。ところ
ス島, 7
地中海沿岸部でも最奥の地であり,砂浜海岸のため
で,ロドス島にも先のマルタ島と同様の表現が見ら
に港湾も少なし船が寄港する頻度も少なかったも
れる。エーグ海南端に位置するクレタ島や地中海東
のとみられる。
端のキプロス島には島名はないが, c
a
n
i
a
(カニア,
(
3
) レヴァント
7
7
), c
a
n
d
i
a(
カンディア,現イラクリオン, 7
8
),
小アジア
j
a
m
a
g
u
s
t
a
(プアマグスタ, 8
0
)の都市名が記されてい
「地中海図」の右縁に沿うレヴァント地方には,
地方名は見当らぬものの,数多くの地名が記入され
る
。
以上,
a
j
j
a
(ヤツファ,現テ Jレアヴィプ・
ており,南から順に j
r
地中海図」にみられる主要な地名を紹介し
ヤフォ, 51
)
, a
c
η(アッコ, 5
2
), b
a
r
u
t(
ベイルー
た。アフリカ
a
t
i
l
a(
ラタキア,現エルラジキヤ, 5
4
),
ト
, 5
3
), l
域には中世以来その名称を変えた都市も多く,また,
a
l
i
s
a
n
d
i
c
l
a(
アレクサンドレツタ,現イスケンデル
地図の縁辺部に当っては判読しうる地名にも限りが
ン
, 5
5
)などが判読できる。
あった。そのためにこれら地域に関する地名考証は
次に小アジアには NATOL
lA(アナトリア), ARMENIA(アJレメニア)の地方名がみられる。また,ト
ロス山脈の位置に記された CARAMAIAはカラマンを
小アジアにかけての地
十分なものとは言えない。
v
.r
地中海図 jの作成年代
「地中海図」の記載内容から特に次の諸点が注目
n
t
i
o
c
i
a(
アンティ
指すものであろう。海岸部には,a
7
),s
a
t
a
l
i
a(
アンタリ
オケイア,現ガジパシャ付近, 5
レヴァント
される。
ア
, 5
8
)などの地名が,エーゲ海沿岸には,黒色で示
- 1
0ー
(
1
)
先述のとおり,ボルトラノ型海図には中心にー
っとその周囲に 1
6の方位盤があり,それらの方位盤
3
0
8
年にロドス島にその
後は,キプロス島を経て, 1
2本の航程線が周囲に
からは原則として,それぞれ3
1
3
0年に,ロー
拠点を移した。この騎士団がすでに 1
発せられている。しかし,中心の方位盤から発する
I世より下賜されていた
マ教皇インノケンティウス I
航程線は,初期のポルトラノ型海図においては,本
軍旗の図柄が赤地に白い十字架である。すなわち,
来の目的が周囲の方位盤の位置を設定することにあっ
「地中海図Jのロドス島の表現は聖ヨハネ騎士団の
6の二次的中心とをつな
たために,その数はこれら 1
軍旗の図柄そのものであり 2
3
hロドス島の領有状況を
ぐ1
6本に限られていた。これが, 3
2本になるのは 1
5
示すものである。
世紀半ばのことである 18)。ところで「地中海図」の中
ロドス島に本拠を構えた聖ヨハネ騎士団は,医療
2
本であるため,少なくとも 1
5
心方位盤の航程線は 3
事業に従事する傍ら海賊業にも携わった。あたかも
世紀後半以降のスタイルに属すると考えられる。
この時期に興起し,勢力を広げつつあったオスマン
(
2
)r
地中海図」では,海岸線は一般に黒インクで
トルコ帝国は, 1
4
8
0年に大軍をロドス島に送った。
描かれているが,一部の島や半島の海岸線にはさら
この襲来にはよく抗しえたものの, 1
5
2
1
2
2年のス
にその上から他の色が彩色されている。西から順に
レイマン I世による執効な攻撃には衆寡敵せず,聖
マリョルカ島・シチリア島・ぺロポネソス半島およ
ョハネ騎士団はその軍門に揺ることとなる。翌 2
3年
,
びキプロス島(以上,緑色),コルシカ島・サルディ
騎士団はついにロドス島を後にし,新たな拠点をマ
ニア島・エピア島・クレタ島(以上,赤色)がこれに
ルタ島に定め, 1
5
3
0年よりマ Jレタ騎士団として再出
該当する。これは, 1
4
2
6年のベッカリ B
.B
e
c
c
a
r
iの
発した 24)0 地中海図Jのマルタ島に描かれた赤地・
図に初めて出現した手法であり,それ以前のポルト
白十字も,聖ヨハネ騎士団の軍旗に由来し,その領
ラノ型海図ではその例をみない問。
有を表すものである。
r
(
3
)
先述のとおり「地中海図Jでは,装飾を施した
時代を異にし,相互に相容れないロドス島とマ J
レ
1
4の方位盤のうち,左上のーっと下部の二つにフラ
タ島の領有状況が,一枚の地図に図示されているの
ンス王家の「とさか」型の「ユリの紋章」が飾られ
は確かに奇異であり,矛盾に満ちている。ただこの
ている。ユリはライオンや鷲とともにヨーロツパの
ような矛盾は前出のフランシスコ・オリヴア図(16
0
3
レトラノ型
三大紋章の一つに数えられているが,ポ J
年)
2叫こもあり,依然としてロドス島に赤地・白十字
4
8
6年のフランスによるプロヴア
海図への導入は, 1
を描き入れている。
ンス併合をみた後の 1
6
世紀以降のことである回、この
古今東西を問わず,不名誉・不都合な事柄は容認
装飾は最初はカタロニア型に登場し,後にはイタリ
しがたいとするのは一般的な心情である。ポルトラ
ア型の海図にもみられるようになる 21)が「地中海図」
ノ型海図の製作は主として,キリスト教徒であるヨー
int
巴r
のようにユリを細長く描くのは,ヴインタ -H.W
ロッパ人の手になっていた。聖ヨハネ騎士団の惨敗}
によればカタロニア型の特徴であるとされる 2九
に終わったロドス島攻防戦 (1521~22年)は,キリス
r
(
4
) 地中海図 Jではロドス島とマルタ島が,中央
ト教徒にとってはまさに容認しがたい出来事であっ
に白十字を浮かび上がらせた赤地一色で塗り込まれ
た。すなわちロドス島の図柄は当時のキリスト教徒
, 7
0・7
9の島)。
ていて印象深い(図 2中
のこの島に対する思い入れの反映とみることができ
十字軍時代に誕生した騎士団の一つに聖ヨハネ騎
ょう。一方,マルタ島は,聖ヨハネ騎士団の後身,
士団がある。聖地イェルサレムの巡礼者の安全確保
マJレタ騎士団が 1
5
6
5年のトルコ戦で勝利を収めた地
や負傷者の治療などのほか,聖地の保持・防衛がそ
である。それゆえ,マルタの図柄に誇らしげに聖ヨ
の主な事業であったが,敗れて本拠地から撤退した
ハネ騎士団の軍旗が登場することは当然であった。
-11ー
以上の諸点を総合すれば,中心から発せられる航
r
程線の本数,海岸線の彩色などの表現様式から, 地
中海図Jは少なくとも 1
5世紀中頃以降の製作と判定
できる。さらには,地図中のロドス島・マルタ島の
扱いからすれば,
r
地中海図」の作成年代は,ロドス
島を撤退した聖ヨハネ騎士団がマルタ島移住を完了
した 1
5
3
0年以降,おそらくはトルコとの因縁の対決
5
6
5年以降と考えられる。
で勝利した 1
V
I
.おわりに
Tooley,R
.
V
.,
(
1
9
4
9
)
:
M
a
p
sand Map-Makers
,
B
.T
.
B
a
t
s
f
o
r
d,pp.9~ 1
8
.
2
) Woodward,D
.(
1
9
8
5
)
:‘
R
e
a
l
i
t
y,Symbolism,
TimeandSpacei
nMedievalWorldMaps'
,A
.
A
.A. G
.,
7
5
4,pp.510~521.
3
) 清水康一郎 (
1
9
7
6
):中世ガレー船覚書,一橋論
叢
, 7
6
6,582~601頁。
4
) Campbell,T
.,(
1
9
8
7
)
:前掲 1
),p
.
3
7
8
.
5
) 前掲 1
) ,p
.
3
7
8
.
) ,p
.
3
8
7
.
6
) 前掲 1
7)織田武雄(19
7
4
)
:r
地 図 の 歴 史 世 界 篇J
,
講談社, 73~76頁。
わが国に現存するポルトラノ型海図としては,日
本近海,東南アジア海域のものがよく知られてい
るZ九しかし,京都大学文学部所蔵「地中海図」に関
しては,
r
京都大学文学部博物館図録J
など
でその
27)
Ne
b
e
n
z
a
h
l, K
.
,(
1
9
8
6
):M
ゆs
Lands
,TimesBooks
,p
.
1
6
4
.
) , pp.392~398.
8)前掲 1
9)京都大学文学部編 (
1
9
8
7
)
: r
京都大学文学部博
0頁。
物館図録J京都大学文学部, 7
存在が紹介されていたが,その内容が本格的に吟味
1
5
図にみる世界と日本』神戸市健康教育公社, 1
地図を研究対象とする立場から,幸いにも,このた
頁,では,地図のサイズは,縦5
3.0cmX横 7
4
.
5
c
m
r
地中海図」に接する機会を得,本稿において,
その特徴を述べ,地名判読や作成年代の考証を試み
た。しかしながら,保存状況が最適でなかったこと
にも起因して,地名の判読には限界があり,地名か
ら「地中海図」を十分に評価するには至らなかった。
また,地図自体にも作成過程に未着手の部分があっ
たと考えられる 28)ところから,製作者や製作地に結び
付く十分な手がかりを見出すことも不可能であった。
近い将来,赤外線写真等による方法で地名を詳読す
ることにより,これらの点が解明されることを期待
する。本稿が,
r
地中海図」研究にいささかの貢献が
r
8
3
)
: 古地
上記以外に,神戸市立博物館編(19
されたことはかつてほとんどなかった。筆者は,古
び
,
0
1t
h
e B
i
b
l
e
と紹介されている。
1
0
) No
r
d
e
n
s
k
i
o
l
d,A
.
E
.(
1
8
9
7
)
:P
e
1
ψl
u
s(Ba白 e
r,
F
.A.t
r
a
n
s
.
),Stockholm,p
.
6
9
.
1
1
) 河 川 名 の 後 の ( )内の英小文字と図 2中の記
号は一致する。
1
2
) La Ronci~re , M. and J
o
u
r
d
i
n,M.M. e
d
s
.
(
1
9
8
4
)
:L
e
sP
o
r
u
t
u
l
a
n
sC
a
r
t
e
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a
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i
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l
l
l
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auXVlles
i
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c
l
e,
O
f
f
i
c
eduL
iv
r
e,
p
.
2
9
5
.
.,(
1
9
5
0
)
:‘
AL
a
t
eP
o
r
t
o
l
a
nC
h
a
r
ta
t
1
3
) Winter,H
MadridandL
a
t
eP
o
r
t
o
l
a
nC
h
a
r
t
si
nG
e
n
e
r
a
l
:
ImagoMundi
,7
,pp.36~46.
14)表 1~4 に示した地名については以下の文献を
あったとすれば幸いである。
参考にした。
①カタロニア図とヴォルティウス図
(大阪市立南高等学校)
Nordenskiδld, A.E
. (
18
9
7
)
: P
e
r
i
p
l
u
s
<
Bather, F.A. t
r
a
n
s
.
), Stockholm, p
p
.
25~44.
(
5
主
〕
1
) Campbell,T
.,(
1
9
8
7
):
'
P
o
r
t
o
l
a
nC
h
a
r
t
sfrom
t
h
eL
a
t
eT
h
i
r
t
e
e
n
t
hC
e
n
t
u
r
yt
o1
5
0
0
'
JB
. and Woodward,D
.e
d
s
.
: The
(
H
a
r
l
e
y,,
H
i
s
t
o
r
y0
1CartograPhyVol.1,TheUniversityof
C
h
i
c
a
g
oP
r
e
s
s
),p
p
.
3
7
1~463.
-12-
②D
.オーメン図
Hernandez,F
.1
.M. e
d
.(
1
9
7
5
)
:A
t
l
a
sd
e
D
i
e
g
oHomen1561,
A
l
t
a
m
i
r
aR
o
t
o
p
r
e
s
s
,
p
.
6
1
.
③ミロ図
Zogner,1
. com.(
19
8
8
)
:W
orld A
t
l
a
s0
1
A
n
t
o
n
i
oM
i
l
l
o 1586,ActaHumaniora,p
.
1
0
0
.
④マルテイネス図
Tato,]
.
F
.
G
.(
1
9
5
5
)
:‘
AnU
n
p
u
b
l
i
s
h
e
dA
t
l
a
s
,I
magoMundi,1
2,
p
p
.
o
f]
.
M
a
r
t
i
n
e
z(
1
5
9
1
)'
106~126.
2
0
) 前掲1) ,
p
.
3
7
4
.
) , pp.392~398.
2
1
) 前掲 1
2
2
) 前掲 1
3
) , pp.36~46.
2
3
) レオンハート,W. (須本由喜子訳) (
1
9
7
9
):r
西
6
6
頁
。
洋紋章大図鑑』美術出版社, 3
2
4
) 橋口倫介 (
1
9
9
4
):r
十字軍騎士団J
講談社, 3
3
1
②と③については,ファクシミリアトラスより
頁
。
2
5
) 同様の表現は,クレツセンティオ図 (
1
6
0
1年)に
筆者が判読した都市名に基づき表を作成した。
0
)。また,ロドス島陥落(15
2
3
もみられる。前掲 1
また,現在の地名と比定する際には,以下の地
年)後もロドス島に聖ヨハネ騎士団の軍旗が描かれ
図帳および地図を主として利用した。
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1
9
9
4
)
: グランド新世界大地図j全教出
人文社 (
6
7
頁
。
版
, 1
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前掲 1
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1
9ム p
.
3
7
9
.
なお,手書き文字の判読の指標として以下の辞
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i図 (
1
5
6
5年)があ
た例としては,シデリ G'
2
)。
る。前掲 1
2
6
) 南波松太郎・室賀信夫・海野一隆編 (
1
9
6
9
)
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臼
本の古地図j創元社, 1
9
2
頁
。
2
7
) 京都大学文学部編 (
1
9
8
7
):前掲 9),7
0頁
。
1
9
8
3
):前掲 9),1
1
5
頁
。
神戸市立博物館編 (
2
8
) 一都市のみが鳥敵的に表現されているポルトラ
ノ型海図は,筆者が知る限りにおいては,他に例
をみない。
[付記]
9
8
8年度関西大学修士論文の一部を加筆修
本稿は 1
9
8
8年度
正したものであり,その内容については, 1
9
8
9年度の人文地理学会大会
の歴史地理学会大会, 1
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7
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i において口頭発表した。地図学史については,織田
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5
3
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武雄先生・故矢守一彦先生にご教示賜りました。本
0
) ,p
.
3
0
.
1
5
) 前掲 1
稿で取り扱った京都大学所蔵ポルトラノ型海図は,
,W.e
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.(
19
8
6
)
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a, 応地利明先生・金田章裕先生・松田隆典先生のご厚
1
6
) Halsey
書を参考にした。
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.
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, Macmi
1
lan Educational C
o
., p
p
.
意により,貴重な海図にもかかわらず研究させてい
ただく機会を得ました。さらに,金目先生には,京
445~447.
瀬原義生(
1
9
7
2
):ヨーロツパ中世都市の起源
2,41~96頁。
(二),立命館文学, 3
都大学文学部より本論文に写真を掲載する許可をい
ただく際,お世話になりました。また,地名の比較
17)前掲 1
2
),p
.
6
8,
pp.89~90.
.オーメン図を収録したファクシミ
対照で使用した D
また,ブラウン=ホーへンベルクの都市図帳に
リアトラスも,金坂清則先生のご配慮で大阪大学よ
あるマルセイユの鳥敵図に描かれた要塞や林立す
りお借りしました。なお地名判読に際しでは,関西
る風車群の表現とも酷似している。
大学の新谷英治先生から,近世地中海航海史の視点
Goss,
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1
9
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2
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邦訳にゴス, ](小林章夫監訳) (
1
9
9
2
):r
ブラ
からの有益なご助言をいただきました。記して深く
感謝いたします。そして,永きにわたりご指導いた
ウンとホーへンペルフのヨーロッパ都市地図 J同
申し上げます。
だき,励まして下さった末尾至行先生に心よりお礼
2
8
頁がある。
朋舎出版, 1
1
8
) 前掲 1
) , pp.396~397.
1
9
) 前掲 1
) ,p
.
3
9
8
.
-13-