KALS 大学院入試対策講座 受講生の皆様 100%合格に向けて!チューターからメッセージ 2014 チュートリアル通信 【心理系大学院受験対策 VOL.1】 大学院入試について ―これから勉強を始める方へ― 横浜校チューター:嶋田 陽介 4 月から KALS の受講生になられた皆さん、 はじめまして河合塾 KALS 横浜校心理系チューターの嶋田陽介です。 いよいよ新年度が始まりました。消費税も上がり、先行きの不透明な感じは否めませんが、進路を考えておら れる方は重要な時期になってきました。特に、秋受験を考えておられる方は、徐々にアクセルを踏んでいきま しょう!このチュートリアル通信でも皆さんにたくさんの情報をお伝えしていきます。チュートリアル通信で は、主に講義の内容以外のこと、例えば勉強法の確認や研究計画書のこと、各大学院の様々な情報や、大学院 生活にまつわることなど、皆さんに有益となるようなコンテンツをお送りしていきます。 チューターについて チューターとは、皆さんの大学院受験に関する様々な相談を受けたり、アドバイスさせて頂いたり、時には 一緒に考えたりする、身近な相談役です。私も大学院受験経験者で、数年前は、元横浜校の KALS 生でした。 「勉 強法が分からない」 「研究計画書って何?」 「大学院生活ってどんな感じ?」 「そもそも、臨床心理士とはどんな 仕事なの??」といったことまで、大学院入試から臨床心理に関わること何でも相談にのります! 是非ぜひ、チューター制度を利用してみてください。 ◎心理学について 最近は、心理学が流行っているのか、○○心理という言葉をよく耳にしませんか(購買心理、恋愛心理、スポ ーツ心理…)。いろいろな○○心理学というものが乱立しておりますが、心理学には、大きく基礎心理学と応用 心理学に分けられます。基礎心理学とは、心理学の一般法則を研究するもので、主に人間の集団に視点をおい た学問です。一般的には次のような分野があります。 ・社会心理学 ・発達心理学 ・認知心理学 など 応用心理学とは基礎心理学を発展させたものであり、社会集団の中にいる人間個人に視点をおき、基礎心理学 で得られた法則や知識を実際の問題に役立てる(応用する)能力を身につけます。一般的には次のような分野 があります。 ・臨床心理学 ・教育心理学 ・産業心理学 ・犯罪心理学 など 心理系大学院の場合、専門科目は主に「基礎心理学(認知心理学、発達心理学、社会心理学など)」と「臨床 心理学」になります。この中には、 「心理統計学」や「精神医学」なども含まれます。 臨床心理系大学院を受験される皆さんは、基礎心理学の知識を得ることも不可欠になります。 応用心理学 臨床 教育 家族 心理学 心理学 心理学 学習 など 人格 心理学 基礎心理学 心理学 認知 社会 発達 心理学 心理学 心理学 など 認知心理学:認知心理学は、認知を人間の情報処理過程とみなして進められている学問です。大別すると知覚、 記憶、思考、言語などに分類され、人間の情報処理について研究が進んでいます。コンピューター技術や情報 工学の進展が進み、心理学に影響を与えたことが認知心理学の研究につながっています。知覚研究では、感覚 や形、空間、運動の知覚問題を学びます。思考・言語理解の研究では問題解決過程や概念・推理、象徴・記号、 知能の問題を扱います。 発達心理学:精神発達を対象として、時間経過に従って生じる発達的変化についての一般的な特徴や法則性を 記述する学問です。発達的変化をおし進める要因についても検討を試みる心理学です。乳児期・幼児期・青年 期・中年期・老年期など臨床心理学とも密接に関連(発達という観点で)した領域です。 社会心理学:人と人との相互作用や、社会/文化における人の行動について探求する分野です。地域文化や社 会と個人や小グループの在り方に焦点を当てた研究が多くみられます。文化心理学、海外との比較研究など。 産業/組織心理学と深く関わる。 家族心理学:症状のある1人と面接というより、家族全員と面接します。そして誰が原因かという直接的因果 関係を追求するのではなく、家族全体のシステムを変化させることで解決をはかろうとする手法です。 家族心 理学では、家族全員がお互いに原因にもなれば結果にもなるという、円環的な見方をします。家族療法を背景 にして、問題の予防、アセスメント、ライフサイクル、コミュニケーション、家族社会学的見方などを取り込 んで成立します。 臨床心理学:主として心理・行動面の障害の治療・援助、およびこれらの障害の予防、さらに人々の心理・行 動面のより健全な向上を図ることをめざす心理学の分野です。現実的な対応方法を模索しようとする点でより 実践的な心理学と考えられます。主として心理療法の実践に関わり、人格心理学等ともかかわりがあります。 勉強について 院試において、試験科目は基本的には「専門科目」 「語学(英語)」、 (大学によっては、小論文)が筆記試験と して課されます。その後に面接試験といった形式が殆どだと思います。面接試験は、事前に提出する研究計画 書を元に口頭試問が行われます。面接については、また別の会で記載するとして、今回は筆記試験の勉強につ いてお話ししたいと思います。 ※専門科目 テストの解答は論述形式が多いですので、決まった答えが一つではないという場合が多く、その分幅広い知 識が要求されているといって良いと思います。 まずは、概論書を通読して、各領域の流れを理解しましょう。その際、一冊の概論書だけではなく、必ず数 冊の概論書を手にとってみてください。一冊で理解しようとすると、どうしても偏りが生じてしまいますので、 数冊を読み比べてみて、総合的に概念を理解していきましょう。 このステップを経た後、用語説明の練習をしていきましょう。用語説明では、ある専門用語(テクニカルター ム)を制限文字数で相手に分かりやすく説明していきます。ほとんどの大学院の試験で課されており、用語説明 の練習はしておくことに越したことはありません。 また、必ず自分だけの用語説明ノートを作りましょう。これは絶対に必要な勉強法です。後に、自分だけの オリジナル参考書になります。 統計 海外では心理学は理系に属することもあるようですが、日本では文系のイメージですよね。従って統計が苦 手な方も多いようです(私は理系出身ですが統計は苦手でした)。しかし、心理学を勉強していく以上は、統計 は必須であり、統計がわからないと論文も読めず、研究計画書も書けません。また、統計の問題は、出題され る大学院とそうでない大学院がありますが、大学院に入ってから、また臨床心理士試験など、後々必ず必要と なり、絶対に統計から逃げることはできません。今のうちから少しずつ勉強し、苦手意識を無くしておきまし ょう。 基本的な内容については、まず KALS の「心理統計学」のテキストを徹底的に勉強しましょう。私の私見では ありますが、統計のテキストの内容は要点がとてもまとまっておりますので、他の参考書に手を付ける前に、 まずは複数回テキストを勉強することをお勧めします。 ※英語 大学院入試では学部入試と異なり、心理学の内容の英文和訳を課すところが多くみられます。そのため、構 文を把握するために必要な文法を理解していること、一般の英単語に加えて心理の専門単語を覚えていること が重要です。大学によっては、英語の問題の中で、統計の知識を問うところなんかもあります。志望校の過去 問を必ず見て、問題の傾向を確認することが重要です。英文和訳メインといいつつも、大学によっては要約が 出題されたり、英作文が出題されたりするところもあるので、どのような対策が必要なのかを常に確認しなが ら勉強を進めてください。 試験で辞書持込可の大学院はいくつかあります。ただ、1 つ 1 つ単語を引いているようでは時間が足りなくなる ので、基本的な単語や熟語を暗記しておくことが前提になります。 あまり心理英語に触れたことがない人は『ヒルガードの心理学』(Atkinson & Hilgard's Introduction to Psychology)を読むことをお勧めします。 『ヒルガードの心理学』は心理英単語を英語で定義してくれているの で理解しやすいと思います。また、英語は継続的に演習しないと、読解に時間がかかり、読めなくなっていく ものです。 ですから、英文をコンスタントに読むようにしていくことが重要です。時間がない時は以前に読ん だ英文でも何でもいいので、毎日何かを読む姿勢が大切です。 次回は勉強するための参考図書をご紹介したいと思います!
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