Leadership Excellence 悪い⾏動 マーシャル・ゴールドスミス ピーター・ドラッカー(Peter Drucker)はこう⾔った。「ほとんどのリーダーは何をするべきか を学ぶ必要はない。彼らは何を⽌めるべきかを学ばねばならない」 。 どんなに真実か。あなたの上司が個⼈的な失敗を認め、それを⽌める努⼒のあらましを説明し ているところを想像できるだろうか。 恐らく無理だ。もっともな理由がある。リーダーというのは、ポジティブなトーンやポジティ ブな⾏動に対するコミットメントを維持するのだ。評価・報償システムは何かをしたことを認 めるものである。リーダーたちは何か良いことをしたという評判を得る。何か悪いことを⽌め たというのはほとんどない。 私たちの何が悪いのか 私は、ほとんど全ての⼈が隠している 20 の⽋点は、スキル、知性、⼈格の⽋点ではほとんどな い。それらは、対⼈⾏動、しばしばリーダーシップ⾏動における課題だ。あなたの職場を不快 にするとんでもない⽇常の頭痛の種である。ある⼈の他⼈に対してなされるやり取りにおける ⽋点だ。 1. 極度の負けず嫌い どんな状況でも何としても勝ちたい要望。それが重要であろうとなかろうと。それが全くポイ ントを外しているときでも。 2. 何かひとつこと価値を付け加えようとする 全ての議論に 2 セント付け加えたい要望。 3. 善し悪しの判断をくだす 1 Leadership Excellence 他⼈を評価し、⾃分の基準を彼らに押し付けたい要望。 4. ⼈を傷つける破壊的なコメントをする ⾃分で⾃分のことを機知に富んでいると思わせる不必要な当てこすりや嫌み。 5. 「いや」「しかし」「でも」で話を始める ひっそりと皆に「私は正しい。あなたは間違っている」と⾔う、ネガティブな修辞語句の過度 な使⽤。 6. ⾃分がいかに賢いかを話す ⼈々に彼らが考えているよりも賢いと⽰したい要望。 7. 腹を⽴てている時に話す マネジメントツールとして感情的な不安定さを⽤いること。 8. 否定、もしくは「うまくいく訳がないよ。その理由はね」と⾔う 尋ねられなくても、⾃分たちのネガティブな考えを共有したい要望。 9. 情報を教えない 他⼈に対する有利さを獲得・維持するために情報を共有するのを拒むこと。 10. きちんと他⼈を認めない 称賛や報いることが出来ないこと。 11. 他⼈の⼿柄を横取りする いかなる成功に対する私たちの貢献を過度に⾒積もる最も厄介な⽅法。 12. ⾔い訳をする 私たちの厄介な⾏動が永遠に続くものとして再配置したい要望。だから⼈は⾔い訳をする。 13. 過去にしがみつく 過去からの出来事や⼈について、⾃分たちへの⾮難をかわしたい要望。他の誰かを⾮難する部 2 Leadership Excellence 分集合になる。 14. えこひいきをする 誰かを不公平に取り扱っていることを⾒過ごすこと。 15. すまなかったという気持ちを表さない ⾃分たちの⾏動に対して責任が取れない、⾃分たちが間違っていると認められない、⾃分たち の⾏動が同他⼈に影響するか理解できないこと。 16. ⼈の話を聞かない 尊敬を⽋いた最も受動攻撃性なかたち。 17. 感謝の気持ちを表さない 無作法の最も基本的なかたち。 18. ⼋つ当たりする 私たちを助けようとしている無実の⼈を攻撃する⾒当違いの要望。 19. 責任回避する ⾃分たち以外の全員を⾮難する要望。 20. 「私はこうなのだ」と⾔いすぎる 彼らが私たちの誰かだという理由で誤りを美点と讃えること。 正直なところ、これは悪い⾏動の恐ろしい殿堂で、恐怖の会議場のように思える。同僚がこれ らの罪で有罪になる⽂化で誰が働きたいだろうか。私たちは毎⽇やっている。良い知らせは、 それらの⽋点は滅多にまとまって現れない。あなたは、⼈にそれらのうちでひとつかふたつの 罪をもっていることを知っている。しかし、それらの多くを具現化する成功した⼈を⾒つける のは難しい。 より良い知らせがある。それらの⽋点は簡単に直すことができる。その修復は、全ての⼈のス 3 Leadership Excellence キルセットにある。例えば、感謝の気持ちを表さないことへの治療法は、 「ありがとう」と⾔う のを覚えておくことだ。すまなかったという気持ちを表さないことへの治療法は、 「すいません。 将来より良くします」と⾔うのを学ぶことだ。⼈の話を聞かないことには、⾃分の⼝を閉じ、 ⽿を⼤きくし続けることだ。などなど。それらはシンプルだが、そんなに簡単ではない。私た ちは何をするべきかを知っている。それらを⽇常的に使う機会の多くを⾒落としているだけだ。 ⾃分⾃⾝でこのリストをチェックしてほしい。これらの厄介な癖のうちいくつかにあてはまる はずだ。いくつかは他よりも深刻な問題がある。そのリストを⼀つか⼆つの重要な問題まで減 らす。そうするとあなたは始めるべきところが分かる。 マーシャル・ゴールドスミス博⼠は、世界で最も影響⼒のあるリーダーシップ思想家としてシ ンカー50 のリーダーシップ部⾨の第⼀位に選ばれた (ハーバード・ビジネス・レビュー誌後援)。 リーダーシップ部⾨の第⼀位に加えて、彼は世界のビジネス思想家の第七位にランク付けされ た。著作の埜 hat got You Here Won 稚 Get you There はその年のビジネス書籍のベストセラ ーのトップ・10 に⼊った。別の著書熱 OJO は・19 位であるが、⼆年連続でトップ 20 位内に ⼊っている。 和訳:秋元祐次郎(株式会社秋元アソシエイツ、http://www.akimotoassociates.co.jp) Translation by Yujiro Akimoto, Akimoto Associates, Inc., Tokyo, Japan 4
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