JWF News Vol.31 2007年4月4日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----●巻頭言 ●日本水フォーラムからの報告 ・「第1回アジア・太平洋水サミット」運営委員会第一回会合開催報告 ・第5回世界水フォーラム・キックオフミーティング参加報告 ・第28回世界水会議理事会出席報告 ・アジア・太平洋水フォーラム説明会(バンコク)開催報告 ●日本水フォーラムからのお知らせ ・「ダルビッシュ 有 水基金」設立のお知らせ ・スリランカで防災教育指導者育成事業を開始しました ●掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 巻 頭 言 日本水フォーラム事務局長 竹村公太郎 「第1回アジア・太平洋水サミット」運営委員会第一回会合 3月29日、「第1回アジア・太平洋水サミット」の運営委員会第一回会合が都内で開催されました。 国内外から運営委員を始め代理出席等23名が参加され、森会長の議長により進められました。 12月3日、4日、大分県別府市で開催される「第1回アジア・太平洋水サミット」は、各国の首脳 級および各界代表を招聘し、水問題の解決のための叡智を交換し、議論を行っていく会議です。今回、 開催された運営委員会はその水サミットのプログラムなどを検討するものでした。 本会合では、出席された全運営委員から、水問題解決への取り組みや水サミットへの大いなる期待、 そして、その実現のため努力していくことが次々と表明されました。 午後には運営委員の方々は、皇太子殿下に御接見を賜るために東宮御所に向いました。 最初は緊張していた運営委員の方々も、皇太子殿下に親しく接して頂いたことで緊張もほぐれ、皇 太子殿下の水問題へのご理解に対する感謝と、委員の自分たちもアジア・太平洋の水問題解決のた めに努力していくことを熱心に表明していました。 アジア・太平洋水フォーラム執行審議会議長のトミー・コー氏が、皇太子殿下が水問題に関心を持 っていただけることに対し、心からの謝意を述べた後、東宮御所を後にしました。 再び会議場に戻った後、プログラム会合が行われ、12月の水サミットへ誰を招聘するのか、当日のプ ログラムをいかに構成するのか、成果を何に焦点を合わせるのかなどについて熱心な議論が行われまし た。 更に詳細な部分については、8月6日に予定されている運営委員会第二回会合で決めていくことと なりました。 「第1回アジア・太平洋水サミット」の事務局を引き受けている私ども日本水フォーラムも多くの宿題 をもらいましたが、サミットに一歩一歩着実に向っていて、さらに大きな緊張と責任を感じることとなりまし た。 第5回世界水フォーラムキックオフ 2年後の2009年3月、トルコのイスタンブールで第5回の世界水フォーラムが開催されます。 そのキックオフがイスタンブールで3月19、20日の2日間に渡って行われました。第5回水世界フォー ラムをどのようにしたら意義ある会議となるかを、2日間隙間なく、ブレーンストーミング、テーマ毎のラウン ドテーブル、地域毎の会議などが行われました。 テーマや進め方については、世界水会議とトルコ主催者との調整をさらに続けることとなりました。なお、 アジア・太平洋地域の会議において、アジア・太平洋水フォーラムの事務局となっている日本が中心とな って準備を進めて欲しいとの意向が参加者全員から示されました。 ともかく、世界水フォーラムにはアジア・太平洋水フォーラムの成果を持ち込むことが大切であり、アジ ア・太平洋水フォーラムの活動を充実させることが大きな任務となっていくこととなります。 オーストラリア大渇水 この巻頭言を描いている今、テレビ朝日の報道ステーションでオーストラリアの大渇水が報道されてい ます。 古館氏が現地オーストラリアに乗り込んでレポートをしています。オーストラリアは建国始まって以来の 大渇水に見舞われて、シドニーの近くを流れるヤラ川の貯水池や上流の支川は干上がり、ヤラバレーは 水不足でブドウの収穫は激減しているといわれています。 オーストラリア大陸が乾いている空撮の映像はさすがに息をのんでしまいました。世界の穀物大陸の オーストラリアの干ばつは、世界の干ばつでもあります。 21世紀の水問題は、すでに大きく顕在化してきたと思い知りました。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「第 1 回アジア・太平洋水サミット」運営委員会第一回会合開催報告 報告者:東海林 3 月 29 日に、東京プリンスホテルパークタワーで「第 1 回アジア・太平洋水サミット」運営委員会第一 回会合が開催されました。委員会には、森喜朗第 1 回アジア・太平洋水サミット運営委員会委員長と 15 名の委員をはじめ、国際機関、在京大使館、関係省庁などから 110 名が参加し、サミットの概要、 今後の進め方に関する説明と意見交換が行われました。 午前に行われた運営委員会では、森委員長が、「この地域が更なる社会・経済発展には、あらゆる レベルでの取り組みに加えて、国家の首脳が先頭に立って水問題に取り組むことが肝要である」と挨拶、 他の出席者からも「人材、技術、資金の重要性もさることながら、水問題の解決には政治的な決断が 最も重要である」との指摘がなされました。また、石川大分県知事職務代理者が、サミット開催地とし ての支援を表明されたのに加え、日本政府を代表して谷口国土交通技監からも支援が表明されまし た。 午後には、積極的に水問題に取り組んでおられる皇太子殿下に御接見を賜るお時間を頂き、皇太 子殿下が運営委員会委員とお言葉を交わされました。また、その後の「第 1 回アジア・太平洋水サミッ ト」プログラム会合では、サミットのプログラム、招待者、サミットの成果等について実務的な議論が交わ されました。 次回運営委員会は、8 月 6 日に開催予定です。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第5回世界水フォーラム・キックオフミーティング参加報告 報告者:横田 3月19、20日の日程で、第5回世界水フォーラムのキックオフミーティングがトルコのイスタンブールに おいて、約270名の参加のもと開催され、第5回フォーラムに向けた具体的な準備活動が開始されま した。第5回フォーラムの全体テーマは、「Bridging Divides for Water」です。 1日目には、全体会合が行われ、トルコ側のホスト機関である国家水文事業総局(General Directorate of State Hydraulic Works)のエログル局長、世界水会議のフォーション会長、第5回世界 水フォーラムのタバサラン事務局長等の挨拶で、フォーラムに向けた意気込みが語られました。 その後、「第5回世界水フォーラムの成功の指標」に関するブレインストーミング、さらにはテーマとプロ セスに関する分科会が行われました。 テーマに関する分科会は、フォーラムのテーマ(または課題)とするべき、「水の安全保障:Water Security」のもとで3つ、「管理とガバナンス:Management and Governance」のもとで4つ、「水利用とそ の 影 響 : Water Use and Impacts 」 の も と で 3 つ 、 「 流 域 管 理 と 開 発 : Basin Management and Development」として1つ、さらに、「その他のテーマ:Wild Card Themes」の計11分科会に分かれて行 われました。また、プロセスについては、「コミュニケーション」、「ネットワーク」、「プログラム、地域と政治プ ロセス」の3つに分かれました。それぞれの分科会が3回連続して行われ、参加者は自分の関心のある 分科会に最大3つ出ることができる形式でした。 私自身は、第3回と第4回の世界水フォーラムの経験から貢献できる分科会として、プロセスの「コミ ュニケーション」と「プログラム、地域と政治プロセス」に参加しました。特に「プログラム、地域と政治プロセ ス」では、世界水会議の考える、準備プロセスについて、アジア・太平洋地域の新しいイニシアティブであ るアジア・太平洋水フォーラムとして、どのように貢献していけるか、という観点から議論に参加しました。 「プログラム、地域と政治プロセス」では、第5回フォーラムとしては、(閣僚、政府、国会議員、地方議 員による)政治プロセスを非常に重要視しており、それに対して、テーマや地域がどのようにインプットして いけるのか、という観点から議論が行われました。 ブレインストーミング、分科会の結果は、新しく設置された第5回世界水フォーラムのウェブサイト http://www.worldwaterforum5.org/に掲載される予定とのことですので、ご覧ください。 2日目の午前には、地域毎に分かれたグループ討議と、第5回フォーラムに向けた3つの委員会が設 置される予定である、1.プログラム、2.政治、3.コミュニケーション、のワークショップ(参加は招待者の み)が行われました。プログラム、コミュニケーションのワークショップに招待されましたが、アジア・太平洋水 フォーラムとしては、アジア・太平洋地域のグループ討議に参加することがもっとも重要である、という考え の下、竹村事務局長とともに同グループ討議に参加し、今後、アジア・太平洋地域のコーディネーターと して、第4回世界水フォーラム同様に準備活動をリードしていくことを約束しました。グループ討議の具 体的な内容についても、追って第5回フォーラムの HP に掲載される予定になっています。 2日目の午後には、ボスフォラス海峡に面したドルマバフチェ宮殿において、キックオフミーティングのセ レモニーが行われ、第4回世界水フォーラムから、第5回世界水フォーラムへ正式にバトンが渡されまし た。メキシコからは、当時のホルヘ環境大臣が、国家水資源委員会長官として参加しました。 印象的だったのは、セレモニーに多くのメディアが参加していたことで、セレモニー後には、トルコのエネ ルギー・自然資源大臣を多くのプレスが取り囲んでいました。 今後は、キックオフミーティングの結果を踏まえて、フォーラムのテーマを3つ程度に絞り込んでいく作業 が、世界水会議、第5回フォーラム事務局によって進められていく予定になっています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第28回世界水会議理事会出席報告 報告者:鈴木 3 月 21~22 日にトルコ・アンタルヤにおいて、第 28 回世界水会議理事会(が開催され、世界水会 議(WWC)の理事である日本水フォーラム尾田相談役の代理で出席してきました。WWCは、世界の 水に関連する産官学民約 300 の機関が会員となって構成されており、世界水フォーラムの主催者でも あります。日本からも約 40 の法人・団体が会員となっています。また、理事会は学会、行政機関、民 間企業、市民団体、研究機関の 5 つのカテゴリーの代表 35 人の定員になっており、日本人の理事は 現在 3 人いらっしゃいます。 今回の理事会は、第5回世界水フォーラム・キックオフミーティングと時期を合わせて開催されました。 WWCの会計報告、活動報告に加え、トルコの第5回世界水フォーラムの準備状況の報告及び討議 が行われました。 早くも第6回世界水フォーラムの開催地の選定方針についての議論も行われました。次回はどの地 域にすべきか、地域を先に選定すべきかどうか、発展途上国での開催も考えるかどうかなどの議論がす でに始まっています。 また、理事会には、ロシアの前水大臣とイラクの現役水大臣が特別参加をされてスピーチを行い、そ れぞれWWCとの連携の強化や、第5回世界水フォーラムへの貢献について述べられました。なお、ロシ アは将来、世界水フォーラムの開催を提案する意向です。 次回の理事会は、第5回世界水フォーラムのプログラムを集中的に議論するため、例年の8月にスト ックホルムで開催される理事会の前に、6月下旬にマルセイユで開催される予定です。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ アジア・太平洋水フォーラム説明会(バンコク) 開催報告 報告者:澤 3 月 16 日、バンコクにて「アジア・太平洋水フォーラム説明会」を開催しました。説明会には、フィリピン、 ミャンマー、マレーシア、中国、UNESCAP、IGES、国連大学などから、水環境関連の研究者、専門家 及び行政担当者約 10 名が参加しました。 最初に、アジア・太平洋水フォーラム事務局である日本水フォーラムから、アジア・太平洋水フォーラム (APWF)と本年 12 月に開催される第 1 回アジア・太平洋水サミット(APWS)について説明を行い、さら に、ウェブログの紹介と議論への参加を呼びかけました。 その後行われた議論では、特に政府関係者から、各国の首脳の参加を実現するためには、政府高 官を巻き込むことが必要であり、そのためにも日本政府からのレターの発出など、目に見える形での日 本政府の関与は不可欠ではないか、という意見が出されました。そのほか、ウェブログに参加するインセ ンティブをどのように与えるのかが重要であるなどの意見が出されました。 説明会に先立って行われた第 2 回アジア水環境パートナーシップ(Water Environment Partnership in Asia:WEPA)国際ワークショップにも、日本水フォーラムがオブザーバーとして参加し、ベトナム、フィリピ ン、中国、タイ、ラオス、マレーシア、韓国、インドネシア、ミャンマー、日本からの参加者に対し、APWF と APWS について説明を行いました。参加者からは、「APWS は各国リーダーに対し、WEPA の活動につい て注意を喚起するのに良い機会であるから積極的に活用するべきである。」といった意見も出され、今 後の APWF と WEPA との連携可能性を探っていく必要性を感じました。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからのお知らせ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「ダルビッシュ 有 水基金」設立のお知らせ この度、プロ野球選手ダルビッシュ 有投手(北海道日本ハムファイターズ所属)は、日本水フォーラム と協力して「ダルビッシュ 有 水基金」を設立することを正式に決定いたしましたので、お知らせします。 基金の概要は以下の通りです。 1 設 立 の 目 的 : 水不足に苦しむ世界の人々に安全な水を提供する 2 積 立 の 方 法 : ダルビッシュ投手による貢献(シーズン中の公式試合で1勝するごとに10万円を 寄付)及び賛同者からの寄付 3 基 金 の 管 理 : 日本水フォーラム(プロジェクトの選定・モニタリング等を実施) 4 基金の使用先 : 途上国の井戸掘り、汲み上げポンプの修理・設置、雨水貯留タンクの設置等の プロジェクト実施のための資金援助 本基金では、趣旨にご賛同いただける方からの寄付を受け付け、広くファンや市民の方々の参加を 募ります。(詳細については、近日中にダルビッシュ有オフィシャルサイトhttp://darvish-yu.jp/index.html 及び日本水フォーラムウェブサイトでご案内します。) なお、本基金の積立金額は、上記サイトにてリアルタイムで公開し、一定金額が積み立てられた時 点で順次各プロジェクトに資金を提供します。また、資金提供先のプロジェクトの内容等についても、同 サイトを通じてお知らせします。初年度についてはアジア・太平洋地域を主な対象地域とする予定で す。 詳しくは、http://www.waterforum.jp/jpn/をご覧ください。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ スリランカで防災教育指導者育成事業を開始しました 日本水フォーラムは、2004 年 12 月 26 日に発生したインド洋大津波によって甚大な被害を受けたス リランカにおいて、ユースを中心に復興支援活動や津波防災ワークショップを実施してきました。これまで の活動の経緯については、http://www.waterforum.jp/jpn/Srilanka/をご覧ください。 そして、この度、現地 NGO の NetWwater の協力のもと、スリランカの人々の手によって、同国で継続 的な防災教育と防災活動を定着させ、次に来る災害の被害を少しでも軽減させることを目指して防 災教育指導者育成事業を開始しました。 本事業は、外務省「日本NGO支援無償資金協力」に採択されており、2007 年 3 月 7 日(水)、 在スリランカ日本国大使館にて、荒木喜代志特命全権大使と日本水フォーラムを代表して麻田玲、 スリランカの関係機関の代表者が出席し、事業実施契約書の署名式がとり行われました。 今後の活動の経過については、日本水フォーラムのウェブサイトでご報告していきます。 1 事 業 名 称 : 防災教育における指導者育成プログラム -知識から実践へ- 2 実施予定期間 : 2007 年 3 月 7 日~2008 年 3 月 6 日 3 事 業 実 施 地 : スリランカ民主社会主義共和国 西州(Western Province) モラトゥワ及びカルタラ 4 対 象 災 害 : 洪水、雷、津波、被災後の衛生問題 5 事 業 内 容 : ・ 防災教育カリキュラムの開発 ・ トレーニングコースの開催 受講者:学校教師やコミュニティーリーダー等 ・ トレーニングコース修了生の支援 トレーニングコースを修了した学校教師やコミュニティーリーダー等が学校の 生徒や地域住民に対して、防災ワークショップを実施し、防災活動を実践する。 6 協 力 N G O : NetWwater(Network of Women Water Professionals) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ¾ シンポジウム「きれいな海辺を取り戻すために」 ~河川・海岸一体となった漂着ゴミ対策を目指して~ 主催者名 : 財団法人 リバーフロント整備センター 開催日時 : 2007年4月14日(土)13:30~17:10 開催場所 : 発明会館ホール 内 容 : 豊かな自然を有している海岸に、環境面で大きく悪影響を及ぼしている海岸漂着ゴミの 対策について皆様と共に考えるシンポジウムです。 基調講演として、海岸漂着ゴミの概要とその問題点、今後の対応のあり方を学び、そし て、行政、民間団体から取組事例の紹介を行います。その後、ゴミの供給源と考えられる 河川と海岸が、一体となった対策の方向性、行政と民間が一体となったゴミ対策のあり方 を議論するパネルディスカションを行います。 問 い合 わせ先 : 申込は氏名・所属を明記の上 [email protected] 宛に送信ください。 担 当 者 : 財団法人 リバーフロント整備センター研究第二部 田村、研究第三部 増岡 連 絡 先 : TEL03-3265-7121 記事に関するWEBサイトのアドレス: http://www.rfc.or.jp/news/20070315kaigan_gomi.pdf ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ¾ 【第 107 回河川文化を語る会】講演『次世代へ伝えたい遠賀川づくり ~直方川づくり交流会の想い~』 主 催 者 名 : (社)日本河川協会 開 催 日 時 : 2007 年 4 月 24 日(火)15:00~17:00 開 催 場 所 : 「ホテル レガロ福岡」 3F レガロホールB (福岡市博多区千代 1-20-31 TEL:092-651-7611) 内 容 : 「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの 知識を習得すること、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的とし て毎月開催しています。幅広い分野からゲストスピーカーをお招きし、講演と質疑およ び意見交換の時間を設けています。 第 107 回は、遠賀川水辺館 ゼネラルマネージャーの野見山ミチ子 氏に『次世代 へ伝えたい遠賀川づくり ~直方川づくり交流会の想い~』と題して、ご講演をいただ きます。 問い合わせ先 : (社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm *************************************** ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載されている記事の内容に 関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問い合わせ先までお願いいた します。 *************************************** ※ 「掲示板コーナー」掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベントやシンポジウムへ の参加の呼びかけをして頂くために「掲示板コーナー」を日本水フォーラムのニュースレター紙面上に設け ております。掲載ご希望の方は、[email protected]までご連絡下さい。追って、「掲示板」コーナー への掲載の取扱基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目8-1 半蔵門MKビル5&6階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp ニュースレター配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ JWF News Vol.32 2007 年 5 月 8 日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----- ●巻頭言 ●日本水フォーラムからの報告 ・第 1 回アジア・太平洋水サミットに向けた中央アジア地域の準備状況について ・太平洋島嶼国における持続可能な統合水資源及び下水管理プロジェクト第2回運営委員 会出席報告 ●日本水フォーラムからのお知らせ ・ダルビッシュ有水基金続報 ・「日本水フォーラム 節水リーダー」募集 ・水防演習 2007 ツアー開催のお知らせ ●新コーナー:第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ・大分県の準備状況 Vol.1 ・別府市紹介:別府がめざす『ONSENツーリズム』の推進 ●掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 巻頭言 水紛争 事務局長 竹村公太郎 <水紛争ニュース> 日本水フォーラムが毎日発信している「最新!水ニュース」で、最近立て続けに世界各国 の国内内部での水争いのニュースを目にしました。 各地の国境を挟む川の水争いニュースはよく目にしますが、各国の内部の水紛争は、よほ どでない限り報道されません。それほど各国で、水の逼迫が顕在化してきたのでしょうか。 今回、目にしたのは米国のコロラド川の水争いと、インドのカベリ川をめぐる水争いでし た。この二つの川の水争いは、現在の世界の水状況を象徴するものでした。 <米国とインド> コロラド川は、米国西部を流れメキシコのカリフォルニア湾に到る大河川です。ラスベガ スを抱えるネバタ州、穀物産出のコロラド州、ユタ州、人口急増のカリフォルニア州へ水 を供給しています。 ネバタ州北部で水供給用水路計画が持ち上がりましたが、それに各州が大反対し、裁判沙 汰になっているというニュースでした。 カベリ川はインド南部を流れ、南インドの盟主タミルナド州と、IT 産業が集中しインド 経済を支えているカルナタカ州は 100 年以上水利争いを繰り広げている間柄です。最近、 その水紛争が交通網の封鎖などに発展し、激しさを増しているというニュースでした。 米国のコロラド川は、米国西部のヒスパニック系人口急増の背景があり、カベリ川は IT 産業の著しいインドの経済発展という背景があります。21世紀の今、世界の人口急増と 中国・インドなどの発展国の経済急成長による水資源の需要急増に見舞われ、それが各地 の水不足と水紛争という形で顕在化してきています。 <「ライバル」の語源は水争い> 宗教作家のひろさちや氏の本を読んでいたら、大変興味ある箇所がありました。「ライバ ル」という意味は水に関係していたのです。 ライバル(Rival)という言葉の語源は、ラテン語で「同じ川(River)で水を飲む者」と いう意味だそうです。つまり、川の水を巡って争う者同士という意味です。人間の争いの 原点が「水」だったわけです。 限られた川の水を巡って、世界だけではなく日本国内でも歴史的に長い争いが続けられて きました。 <分かち合う技術の知恵> 争いは陰惨なものですが、水争いは特に陰惨でした。なぜなら、戦う相手は同じ川に住む 顔なじみだからです。対岸の集落であったり、上流の集落の人々です。彼らは幼なじみで、 普段は仲良く酒を飲み合う仲間です。 その幼なじみが、渇水になると自分たちの家族のために、命をすり減らし、血を流してま で戦ってしまうのです。日本国内での水争いの記録は口伝が多く、文書の資料は驚くほど 残っていません。後から振り返ってみて、二度と思い出したくない出来事だから、書き物 として残さなかったのでしょうか。 日本の水争いは、次第に水の分かち合いに向かっていきます。それを支えたのが「技術」 でした。川の水を分かち合うために、溜め池というインフラを建設し、円形分水路という 堰を造っていったことがその象徴です。 日本の近代化にさいしても、近代的ダムが社会発展の下支えをしました。特に、昭和40 年代の日本のダム建設では、世界で例のない流域全ての人々と生物のために水を放流して いく「不特定容量」という概念のダム容量を生み出し、既存の利水者と新参者の利水者と の妥協と分かち合いを可能としました。 <日本の役割> 世界中の各々の流域で、川の水を分かち合わない限り、流域が健全に発展していく未来は ありません。 日本の各地域の歴史は、水を巡る争いと分かち合いの歴史でした。日本はその水の分かち 合いを、技術と努力でどうにかやり遂げた国です。 この日本で生まれた知恵と努力を世界に発信いくことが、日本の責務でもあります。日本 水フォーラムもそのために尽力していきたいと思っています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミットに向けた中央アジア地域の準備状況について 報告者:浅井 2007 年 4 月 24 日か 26 日の3日間、尾田 日本水フォーラム相談役とともに、カザフス タンのアルマティで開催された中央アジア水調整委員会(ICWC、中央アジア5カ国の水担当 省大臣及び副大臣で構成され、各国の取水量の調整を行っている)設立 15 周年の記念イベン ト及びアラル海救済国際基金(IFAS)理事会(中央アジア5カ国の水担当省大臣及び副大 臣が出席)に参加しました。本イベントには、第1回アジア・太平洋水サミット運営委員 会委員である、アフメトジャン・エシモフ カザフスタン農業大臣、ニーノ・ショコバッズ ェ 世界水パートナーシップ 中央アジア及びコーカサス(GWP-CACENA)議長、スルトン・ ラヒモフ アラル海救済国際基金(EC-IFAS)議長も参加しました。 本イベントの全体会合では、尾田相談役が第1回アジア・太平洋水サミットを機会とし て、中央アジア地域からの具体的な行動、特にアラル海問題に関するものを期待していま すと挨拶しました。 IFAS 理事会では、第1回アジア・太平洋水サミットに向けた活動が議題の一つとなりま した。アラル海問題を地域の問題としてだけではなく、グローバルな問題として国際社会 にアピールする絶好の機会と捉え、その準備に対して各国とも積極的に関与していくこと が合意されました。 また、カザフスタンから第1回アジア・太平洋水サミットへの積極的な参加が見込まれ ることから、25 日には、在カザフスタン日本大使館在アルマティ駐在官事務所を訪問し、 アジア・太平洋水フォーラム及び第1回アジア・太平洋水サミットの説明を行いました。 同日の午後には、第 1 回アジア・太平洋水サミットに向けた特別セッションが開催され、 各国から水問題に関する数ページのレポートを収集し、9月頃までに地域文書案をとりま とめることが決定しました。 本セッションの主催者であるサブ地域コーディネーターの GWP CACENA 及び EC-IFAS によって、中央アジア地域の共通語であるロシア語で 同フォーラム及びサミットに関する 資料が用意されるなど、彼らの積極的な取り組みが非常に印象的でした。また、本イベン トを通して、アラル海に象徴されるこの地域の水問題は、様々な努力がなされている一方 で、まだまだ解決の方向に向かっていないと強く感じました。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 太平洋島嶼国における持続可能な統合水資源及び下水管理プロジェクト第2回運営委員会 出席報告 報告者:福本 4 月 23~27 日にフィジー・ナンディにおいて、 「太平洋島嶼国における持続可能な統合水 資源及び下水管理プロジェクト第2回運営委員会(Sustainable Integrated Water Resources ad Wastewater Project in Pacific Island Countries (IWRM Project) 2nd Steering Committee Meeting)」 が開催されました。 本運営委員会は、太平洋島嶼国における IWRM プロジェクトに関し、UNEP、UNDP、地 球環境ファシリティ(Global Environment Facility: GEF) などの協力の下、太平洋島嶼国がお 互いに情報交換などを行うことで効率的にプロジェクトを進めるために設置されました。 初回は昨年10月にソロモン諸島・ホニアラで開催され、第2回目である今回の委員会に は、運営委員会メンバー14ヶ国をはじめ、国連機関や国際機関等から、約60名が出席 しました。太平洋島嶼国における IWRM 計画策定の進捗状況に関して、全体会合及び小人 数によるワーキンググループ会合にて議論がなされました。 日本水フォーラムは、関連国際機関として本委員会に出席し、本年12月に大分で開催さ れる第1回アジア・太平洋水サミットに関する紹介を行いました。幸いながら、サミット 招待対象国である太平洋地域の国と地域より、水関連政府の人々が出席されていたため、 直接サミットへの参加を呼びかけることができたと共に、招待者について確認を行うこと ができました。全体会合議長のパプアニューギニアのケイ・クマラス氏より「このサミッ トは太平洋島嶼国にとって大変重要な会議。本日各々の国の政府に働きかけて首脳の出席 を促してほしい。」と、参加者に呼びかけて頂けました。 今後も、太平洋諸国応用地理科学委員会(SOPAC)や関連機関と調整をしながら、太平洋 島嶼国首脳のサミットへの参加を促していくこととしています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからのお知らせ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ダルビッシュ有水基金続報:参加方法について 先月号のニュースレターでお伝えしたダルビッシュ有水基金に関する続報です。 本基金では、発展途上国での安全な水の供給のための井戸掘り等の資金として、北海道日 本ハムファイターズのダルビッシュ有投手が1勝をあげるごとに 10 万円が積み立てられて います。5 月 8 日現在、ダルビッシュ有投手が 4 勝を挙げているため、基金の合計額は 40 万円となっています。詳しくは、http://www.waterforum.jp/jpn/darvish/をご覧ください。 以下の口座において、 「ダルビッシュ 有 水基金」へのご寄付の受け付けを開始し、どな たでも本基金に参加していただけるようになりましたのでお知らせいたします。 金額はいくらからでも結構です。郵便払込をご希望される場合は、ご住所・氏名をお知ら せいただければ、専用の払込用紙を郵送させていただきます。(こちらの用紙を使用し、郵 便局で払込みいただければ、払込手数料のご負担はありません。) ① 銀行振込 銀行名 三菱東京 UFJ 銀行 支店名 麹町中央支店(店番 015) 口座番号 普通預金 1516722 口座名義人 特定非営利活動法人 代表理事 竹村 日本水フォーラム ダルビッシュ有水基金 公太郎 金額はいくらからでも結構です。ただし、振込手数料につきましては大変申し訳あり ませんが、ご自身の負担となりますのでご了承ください。 ② 郵便払込 口座番号 00100-7-706409 口座名称 ダルビッシュ有 水基金 ①、②いずれの場合も、お振込みの際には、差し支えない範囲で結構ですので、 「ご氏名」、 「ご住所」、 「お電話番号」、「E メールアドレス」をメール、FAX 等で下記連絡先までお知 らせいただければ、御礼状の送付や事業の進捗状況等、本基金に関する情報を随時ご連絡 いたします。 本基金への参加につきましては、今後も様々な方法を検討し、随時ホームページ等でご 案内してまいります。本基金にご参加いただき、世界の水問題解決のために皆様とご一緒 に活動できること願っています。 ダルビッシュ有水基金担当:浅井、中村、福本、東海林 TEL 03-5212-1645 FAX 03-5212-1649 [email protected] ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 節水してますか? 「日本水フォーラム 節水リーダー」募集 水に関する活動の輪を広げることを目的として「日本水フォーラム 節水リーダー」制度 を設立することを決定しましたので、お知らせします。 水や節水に関して積極的で意義のある活動をしている個人等の中から、節水リーダー候補 者を募集します。概要は以下のとおりです。 1 設立の目的: 現在各地で水について熱意を持って取り組んでいる方々を、節水リーダーとして任命する ことにより、各活動を通して、各地で水に関する活動の輪を広げる一助とする。また、活 動状況等情報を公開していくことで、水に関する関心を高める。 2 節水リーダーの要件: ・水を愛し、水や節水に関する活動に熱意を持って継続的に取り組む姿勢があること ・多くの人に好かれ、愛される性格を持っていること ・水や節水に関して、周囲の人を巻き込む活動を行っていること ・日本水フォーラムの活動を理解し、賛同していること ・団体でないこと 3 節水リーダーの活動内容: ・自ら積極的に行う取組みを通して、水や節水に関する活動の輪を広げる ・活動状況を、年に一回以上報告する * 節水リーダーの活動状況は、インターネットでの公開を予定 4 募集方法:公募 5 選考方法:節水リーダー選考委員会にて審査ののち、節水リーダーを任命 6 任期:一年間。再任は妨げない。 7 募集期間:随時 詳しくは、http://www.waterforum.jp/jpn/sessui/をご覧ください。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 水防演習 2007 ツアー開催のお知らせ 在京大使館・国際機関の方々と日本の伝統的な水防工法を視察・体験するために、5 月 19 日(土)埼玉県熊谷市で開催される「第 56 回利根川水系連合水防演習」に参加する「水防 演習 2007 ツアー」を実施します。 昨年、茨城県取手市で開催された第 55 回利根川水系連合水防演習への参加ツアーを初め て日本水フォーラムで企画したところ、大使 3 名を含む 16 カ国 22 名の大使館関係者が参 加されました。 今年は、熊谷市と協力し、地元在住の外国人に日本の防災について理解を深めてもらうた めに、同水防演習への参加を呼びかけました。また、米国ミシシッピ川の河川管理者であ る米国陸軍工兵隊の参加も予定されています。 当日は会場の展示スペースにおいて海外の水防工法を紹介するパネル展示も行います。 参加報告は次回のニュースレターで報告いたします。お楽しみに! ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 新コーナー:第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 大分県の準備状況 Vol.1 報告者:安倍(あんべ) 皆さまはじめまして。今年4月に大分県からJWFに派遣されてきました安倍(あんべ) 誠です。12月のサミット成功に向けて精一杯準備をさせていただきます。よろしくお願 いします。 最初に自己紹介を少し。出身は大分県日出(ひじ)町です。今回のサミット開催地である 別府市の北東に隣接する小さな港町です。日出町は湧き水に恵まれている水の豊かな町で す。初めての海外旅行は、今回のサミット対象国である「ウズベキスタン」でして、サミ ットが自分の故郷で開催されることに勝手に運命的なものを感じている今日この頃です。 こんな私がサミットまで毎月大分県の状況をお伝えしていきます。 大分県はサミットの開催経験がなく、大分県民は「何があるんじゃろーか?わしにも関係 あるんかいな?(何があるのだろう?私にも関係があるのかな?)」と思っている人も多い のですが、期待も徐々に高まりつつあります。 今回は初回ということで、大分県のサミットに向けた体制についてです。 地元としてもサミットの内容を県民にアピールしたり、さまざまなイベントでサミットを 盛り上げていこうと大分県では以下のような体制を組みました。 2006 年 11 月 大分県庁内に「アジア・太平洋水サミットプロジェクトチーム」発足。 2007 年 1 月 「第1回アジア・太平洋水サミット大分県委員会(会長:大分県知事広瀬 勝貞)」発足。 2007 年 5 月 「アジア・太平洋水サミットプロジェクトチーム」が「水サミット推進班」 へ。班員が4人から7人への増員。 プロジェクトチーム発足以来、サミットに向けて情報収集や関係者への協力要請、県内の 水にまつわる調査をおこなってきましたが、最終的な体制が整ったことによりサミットに 向けて、さらにエンジン全開で取り組んでいきます。 来月からは具体的な大分県の取り組みをお伝えしていきます。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 別府市紹介:別府がめざす『ONSENツーリズム』の推進 報告者:河村 別府市は、観光立市として「住んでよし、訪れてよしの まちづくり」を目指して新たな 魅力創出を図るため、”ONSENツーリズム”の概念のもと、別府八湯がそれぞれ個性化 するようONSEN文化再発見のために官民協働で基盤整備を行い、観光振興を図ってい ます。 同時に、VJC(ビジット・ジャパン・キャンペーン)の一環として国際観光施策を推進 する上で、アジアからの個人旅行客を主要なターゲットとして、世界に誇る天然資源の「温 泉」と温泉とともに栄えたまちの歴史や文化にも触れていただくために「九州で最も個人 旅行者に優しい滞在型温泉地『別府』づくり」を目指すべく観光ルネサンス事業(国土交 通省支援事業)を2005年からスタートし、泉都別府の再生を図っています。 別府市は、世界第2位の温泉湧出量、泉源数世界一を誇る八つの温泉郷(別府八湯と呼ぶ) で、日本を代表する温泉観光都市として発展してきた街です。 今では年間観光客数が1,000万人、宿泊客数が400万人を超える観光客に訪れて頂 いております。 「21世紀は観光の時代」といわれる中、別府観光再生のキーワードは、世界に誇る「温 泉」をツーリズム振興の柱とし、別府独自の「湯治文化」や「歴史風土を生かしたまちづ くり」をやっていくことであります。別府を訪れる観光客と地域住民が交流する魅力ある 街をつくることによって、市民の活力も生まれ、新しい経済効果を生み出すことができ、 温泉文化を世界に発信していくことが出来ます。 このように、別府市が推進する『ONSENツーリズム』は、歴史的風土を生かしたまち づくりを進め、別府を訪れる旅行者と地域住民が交流する魅力あふれるまちをつくること により、市民の活力を生み出し、また新しい経済消費を生み出すことであります。 同時に別府が世界に誇る温泉文化を発信し、そして、本格的な外国人個人旅行者に対応で きる環境づくりを行ない、来訪外国人観光旅客の満足度を高めていかなければならないと 考えています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【第 108 回河川文化を語る会】講演『中国の河水利用とそれにまつわる諸問題』 主催者名:(社)日本河川協会 開催日時: 2007 年 5 月 28 日(月)18:00~20:00 開催場所:厚生会館 5F「青竹・紅梅」 (東京都千代田区平河町 1-5-9 (財)土木建築厚生会 TEL:03-3264-1241) 内容:「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの 知識を習得すること、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的として毎 月開催しています。幅広い分野からゲストスピーカーをお招きし、講演と質疑および意見 交換の時間を設けています。 第 108 回は、社団法人 全国地質調査業協会連合会理事/千葉大学名誉教授の新藤静夫 氏 に『中国の河水利用とそれにまつわる諸問題』と題して、ご講演をいただきます。 問い合わせ先: (社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm ************************************* ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載され ている記事の内容に関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わ せは各問い合わせ先までお願いいたします。 ************************************** ※ 「掲示板コーナー」掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベント やシンポジウムへの参加の呼びかけをして頂くために「掲示板コーナー」を日本水 フォーラムのニュースレター紙面上に設けております。掲載ご希望の方は、 [email protected]までご連絡下さい。追って、「掲示板」コーナーへの掲載の取 扱基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 5&6 階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp ニュースレター配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ JWF News Vol.33 2007年6月6日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----●巻頭言 ●日本水フォーラムからの報告 ・水防演習ツアー2007 報告 ・平成19年度通常総会報告 ・「第 5 回世界水フォーラム」国際運営委員会 第一回会合出席報告 ・ダルビッシュ有基金に係るネパール現地調査報告 ●日本水フォーラムからのお知らせ ・「水と衛生に関するセミナー」の開催 ・「第1回アジア・太平洋水サミット オープンイベント」の募集 ●第1回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ・優先テーマ別分科会準備状況 ●第1回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ・大分県の準備状況 Vol.2 ・別府市紹介:別府のみどころ(温泉編) ●掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 巻 頭 言 日本水フォーラム事務局長 竹村公太郎 バイオガソリンの登場 この 5 月の大型連休、エネルギーと食糧に関するニュースが目に付きました。4 月 27 日からガソリンの値上 げがあり、同じ日にバイオガソリン販売開始のニュースが流れていました。 バイオガソリンはバイオエタノールが混合されたガソリンです。バイオマスエタノールは、サトウキビやトウモロコシ から得られるアルコールのエタノールです。 バイオ燃料の原料は二酸化炭素を吸収する植物なので、京都議定書の CO2 排出量としてカウントされま せん。また、植物は水と光合成によって成長するため、水と太陽がある限りバイオ燃料は半永久的に存在し ます。 このことから、バイオ燃料は持続可能なエネルギーとして、世界中で急速に注目を浴びてきています。 たしかに、このバイオ燃料はその地域にとっては持続可能な燃料です。しかし、自動車の燃料にするとなる と、問題は少し異なってきます。 バイオ燃料はその土地と水に依存する資源 2030 年までに自動車ガソリン消費の 10%に当たる年間 600 万キロリットルのバイオエタノールを国内生産 する、という構想が本年 2 月にまとめられました。 この政府構想に対して、石油連盟の渡文明・新日本石油会長は「日本の田畑をすべてバイオエタノール 用に転換してもつくれない」(フジサンケイビジネスアイ、4 月 28 日)と反論しています。 バイオ燃料は土地に帰属する資源で、それは土地の広さと水の存在に依存します。 日本の田畑をすべて自動車のために当てるなど、食糧が逼迫する 21 世紀には考えられません。 日本には森林というバイオ資源がありますが、この森林も土地と水に帰属しています。急峻な山から木材 を大量に伐採し、搬出し、エタノールプラントまで運搬し、エネルギーを使ってエタノールを製造する。その過程 を経た木材エタノールは、エネルギー的に自動車燃料として見合うまでにはいきません。 森林木材がバイオ燃料として有効なのは、森林施業で生まれる廃木材のエタノール化であり、それは、量 的には多くありませんが、その地域にとっては持続可能な再生エネルギーとなります。 日本国土には、自動車燃料の 10%に当たる 600 万キロリットルのバイオ燃料の原料はありません。 では、そのバイオエタノールの原料はどこにあるのでしょうか? それは、海外にしかありません。 地球の土地と水の制約 この地球上に、自動車燃料としてバイオ燃料を得る十分な土地と水はあるのでしょうか。 地球には広大な土地はありますが、どこも気温と水に関して厳しい制約を受けている土地ばかりです。 人類が使用できる土地は、実に限られています。氷に閉ざされた北極圏と南極大陸。シベリアからアラスカ の寒冷帯。高く険しいヒマラヤ、アルプス、ロッキー、アンデスの山岳地帯。荒涼としたアフリカ、中近東、中国、 モンゴル、北米、オーストラリアの砂漠と乾燥地帯。それらの厳しい土地の間に、緑色の土地が懸命に分布 しています。 この限られた土地に 60 億人以上の人々が生き、穀物を植えています。その穀物の生産分布は偏り、その 穀物の配分はさらに偏っています。先進国の人々は飽食を貪っていますが、何億という人々は餓えていま す。 人口が増え続ける 21 世紀、地球上の穀物は絶対的に不足していきます。 この逼迫していく世界の穀物争奪戦に、自動車が参入してきました。 自動車が穀物争奪戦に参入すれば、自動車の勝利は目に見えています。負けるのは地球上のすべての 人々です。貧しい人々のみならず、裕福な人々もこの自動車に敗北していきます。 その人間の敗北の兆候は、すでに現れてきています。食料品の高騰という現象です。 食糧高騰の引き金 4 月 28 日、フジサンケイビジネスアイは「ドイツビールの値上げ」を報じていました。ドイツではバイオ燃料のあ おりで大麦の価格が高騰し、ビール大手のインベブは 5 月 1 日から販売価格を引き上げることにしました。政 府のバイオ燃料推進によって、生産者のバイオ燃料へのシフトが続き、パンの価格も 10%近く上昇が見込ま れています。 4 月 29 日、読売新聞が「果汁飲料値上げ」を報じていました。大手飲料メーカーの明治乳業、森永乳業、 キリンが、5 月より果汁飲料の値上げに踏み切りました。日本果汁協会によると、オレンジ果汁の世界生産 の 60%を占めるブラジルで、オレンジからサトウキビへの転作が進み、世界的なオレンジ生産の減少と価格 高騰につながったからです。 5 月 8 日、日本のキューピー㈱はマヨネーズを 17 年ぶりに 10%値上げする、と発表しました。バイオ燃料の 世界的な需要拡大で、菜種や大豆の食用油が高騰したためで、他の調味料の値上げにもつながるとのこと です。穀物の高騰は、日本の食卓にも及んできました。 月刊ウェッジ 6 月号では、米国においてトウモロコシ価格が急騰し、家畜肥料の価格が前年比 2 倍になり、 小麦など農業物価格も平均で 7%値上げになる、と報じています。これは米国のパン、卵、牛乳、肉すべて に影響していくという予測に繋がります。 バイオ燃料は、地球上の食糧高騰の引き金を引いてしまったようです。 持続可能な文明へ 以前から「21 世紀は穀物の争奪戦」と予測していましたが、まさか人間と自動車との穀物争奪戦までは、 予測していませんでした。 レスター・ブラウン氏(米国・地球政策研究所長)はこう警告しています。「25 ガロンの SUV 車の燃料タンク のエタノールを満タンにするために必要な穀物は、年に一人の人間を養う」(農業情報研究所 06・7.19)この SUV 車とは、GM社(米国)のハマーを代表とする野外活動スポーツ大型車です。 人類は大地を耕し、穀物を得て、人口を増やし、文明を誕生させてきました。人類が生き、文明を存続さ せる拠り所は穀物です。人類にとってかけがえのない穀物が、人類が作り出した自動車に奪われつつあるよう です。 21 世紀、世界の自動車の進む道は、日本の自動車業界が歩んできた道です。 日本は石油資源を持ちませんでした。資源を持たない日本の自動車業界は、資源の制約を克服する道 を歩んできました。それは技術の道でした。 同量のガソリンで 1km でも 2km で多く走行する技術開発に邁進し、その結果、日本の自動車技術は、 ガソリン 1 リットルで 30km の走行を実現しました。 21 世紀、日本の自動車技術は、ほんのわずかな燃料と電気と水素で 50km 走行、いや 100km 走行を 実現してくれるでしょう。 人類が招いたエネルギー逼迫を、食糧の穀物に転化するのではなく、人間の知恵で解決することが本道で す。 この困難な局面を解決でき、それを世界に発信できる技術をもつのが日本なのです。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 水防演習ツアー2007 報告 報告者:都築 在京大使館・国際機関関係者に日本の伝統的な水防活動の視察・体験をして頂くための「水防演習 ツアー2007」を昨年に続き今年も企画し、5 月 19 日に埼玉県熊谷市で開催された「第 56 回利根川水系 連合水防演習」に参加しました。今年は水防演習ツアーに加え、会場の展示スペースで海外の水防工法 を紹介するパネル展も実施しました。 水防演習ツアーには東ティモール大使、ハイチ臨時代理大使を含む 11 カ国の大使館と 1 国際機関から 計 15 名が参加されました。 (参加大使館・国際機関:東ティモール、ハイチ、イラク、ナイジェリア、アンゴラ、ブルネイ、カンボジア、カナダ、 コートジボアール、ミャンマー、ベトナム、国連大学) 今年はアメリカのミシシッピ川を管理している米国陸軍工兵隊にも参加を呼びかけたところ、同隊からコリ ンズ少佐と柴田日本政府担当事業官の計 2 名が視察に参加されました。 また、熊谷市と協力して地元在住の外国人に日本の防災について理解を深めてもらう目的で参加を呼 びかけたところ、埼玉国際学園の留学生約 30 人が土のう作り・積み土のう体験に参加しました。 参加した留学生はアジア出身の学生が多く、自国の大使館職員と一緒に土のう作り・土のう積みをする 姿も見られました。 水防演習ツアー終了後のアンケートでは回答をした 14 名の回答者全員が、参加して「大変よかった」もし くは「よかった」と答えており、11 名から「来年も水防演習ツアーに参加したい」という回答がありました。「本国 には先進的な機器はないので、伝統的な水防工法と救助方法がとても興味深く、また役に立った。」「日本 には、水防面で開発途上国に協力して欲しい。」「もっと外国人が水防に参加した方がよいと思う。」などの 意見が寄せられました。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 平成 19 年度通常総会報告 報告者:近藤 5 月 24 日 JICA 国際協力研究所(市ヶ谷)において、平成 19 年度通常総会を開催しました。開催時 点で、個人会員数が 202、団体会員数が 86 となっており、出席者と委任状をいただいている方を合わせ 179 の出席となり、本総会が成立しました。 総会の議案は、第 1 号議案が、平成 18 年度事業報告及び収支決算、監査報告、第 2 号議案は、 平成 19 年度事業計画及び収支予算、第 3 号議案は役員(理事・監査)の選任の件でした。第 1 号から 3 号まで承認され、その後 18 年度日本水フォーラムの活動報告を行いました。 活動報告の後の質疑応答では、「安倍政権の公約である「イノベーション 25」での水問題と、12 月のサミ ットが、どう係わるのか」という質問に対し、「NPO として、第 1 回アジア・太平洋水サミットを通じて水の重要 性を啓発し、関係省庁との連携を深めることによって、G8 に繋がるよう努力する」旨を事務局より回答しまし た。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「第 5 回世界水フォーラム」国際運営委員会 第一回会合出席報告 報告者:横田 2007 年 5 月 19 日(土)、20 日(日)の日程で、トルコ・イスタンブール市において、「第 5 回世界水フ ォーラム」国際運営委員会の第一回会合が開催されました。 運営委員会は、トルコのエログル(Eroglu)水事業総局長(国会議員選挙に出馬のために、この後退 任)とWWC(世界水会議)のフォーション会長が共同議長を務め、ホストであるイスタンブールの市長が 名誉議長となっています。その他、トルコ政府、WWC からの他 7 名ずつのメンバーと、第 3 回世界水フォ ーラム、第 4 回世界水フォーラムの事務局からのアドバイザーを加えた運営委員会を構成しています。 第 3 回世界水フォーラムからのアドバイザーには尾田栄章日本水フォーラム相談役(第 3 回世界水フォ ーラム事務局長)が就任しました。 委員会の冒頭では、「Bridging Divides for Water(水問題解決のための橋渡し)」という第 5 回世界 水フォーラムのテーマに鑑み、政治的なプロセスと技術的な知見の間のギャップを埋めること、政治的な 成果を出していこうということが確認されました。 今回のフォーラムの準備プロセスでは、3つの委員会(政治プロセス委員会、プログラム委員会、コミュ ニケーション委員会)が設置され、トルコ側、WWC側の双方から選出されたメンバーによる活動計画に 基づき、準備が開始されています。 今回の委員会では、政治プロセス委員会からフォーラムでの閣僚会議のあり方に関する分析が提出 されました。閣僚会議を通じて達成したい目標に対して、どのようなフォーマットや成果文書がより効果 的かということが分析されており、議論の結果、“水閣僚のみだけでなく、議員、地方自治体、ユース他 をまきこんだ統合的な政治プロセス”による『実施計画』の発出、あるいは“世界水サミット”による 『Global Water Compact(条約)』の発出の2つのオプションで検討していくことが確認されました。また、 準備プロセスの中では、各地域のキーパーソンを招待したい、という意向も表明され、アジア・太平洋地 域からは、トミー・コー アジア・太平洋水フォーラム執行審議会議長のお名前が挙がりました。 プログラム委員会からは、フォーラムでとりあげるテーマとトピックに関する提案がトルコ側、WWC 側の 双方から提出されました。トルコ側の提出したテーマ、トピックは、これまでの WWC 理事会、総会、キック オフ会議での議論を踏まえてまとめられたものであり、約 20 のトピックを階層化し、テーマ案としてまとめら れていました。また、WWC 側からは、27 のトピックが 5 つのグループに分けて提示されました。双方から提 出されたものは細部では異なっている点もありましたが、5つのテーマに集約していこうという方向性とテー マの概要については類似している点も多く見受けられました。5つのテーマの共通点を挙げると以下の通 りとなります。 持続可能な開発と水資源管理 MDGs ガバナンス ファイナンシング 教育・能力開発 今後、更なる議論を経て5つのテーマが決定していく予定です。なお、分科会の数については、100 く らいに収めたいと考えていること、それぞれのテーマについてコンビーナーを設置し準備してくことを検討し ていることなどの意見が出されました。 コミュニケーション委員会については、今後、政策プロセス委員会、プログラム委員会によってテーマや プログラムが決定したのを受けて、実質的な活動計画を策定していくということで合意しました。ただし、 そのためにも今後はますます WWC、トルコ側の連絡調整を密にする必要がある、という意見も出されて います。 地域プロセスについては、第 4 回世界水フォーラムと同様に、主要な準備プロセスのひとつとして位置 づけるという方向性が示されました。第 5 回世界水フォーラム事務局が各地域会議の主催者や出席者 であるステークホルダーと議論しながら、地域会議・プロセスをリードする組織とともに準備活動(地域会 議の開催を含む)を実施していくということになります。アジア・太平洋地域については、キックオフ会議に おいて、アジア・太平洋水フォーラムが主導的な役割を果たしていくことが確認されています。 今後は、先に述べた通り、まずは 6 月下旬に予定されている WWC 理事会での報告に向けて、各委 員会を中心に、本運営委員会での議論を踏まえた各種準備が進められていく予定です。本ニュースレ ターを通じて、引き続き情報提供をしていきたいと考えていますが、第 5 回世界水フォーラムのウェブサイ トも立ち上がっています。併せてご参照ください。http://www.worldwaterforum5.org/ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ダルビッシュ有水基金に係るネパール現地調査報告 報告者:安倍(あんべ) 5 月 30 日に、ダルビッシュ有水基金第1号の申請となった、ネパール、チトワン郡に調査に行ってきました。 申請地はネパールの首都カトマンズから南東に約 150km、車で約5時間の小さな農村にあり、生徒は約 2000 人、村の 6 歳~24 歳までが学ぶ小学校から大学までの公立の総合学校です。周囲にはとうもろこし 畑が一面に広がり、農業が主産業の村です。サバナ気候で、訪問時は乾季の終わりにあたり、日中は鋭い 日差しが照りつけ、摂氏 40 度を越える猛暑でした。 現在学校には井戸がひとつありますが、深さが浅く、細菌が多いので、赤痢や水に起因する病気が原因で 毎年約1割の生徒が病気にかかり学校を休むことを余儀なくされているそうです。また、設置しているタンクが 小さく、2000 人の生徒の飲み水をためておくには十分でありません。トイレ等に使用することはもちろんできず、 衛生状態も問題とのことでした。 基金の使途としては、深い井戸堀り、タンク、電動式ポンプ、蛇口の設置、それにポンプや蛇口等の使用 方法を子ども達に教えるための教育費等に充てたいとのことです。インフラ整備をしても、今後子供たちが有 効に活用するためには教育は欠かせないとのことでした。また、2年前の水質調査では砒素等の有毒物質 は検出されていないが、今回はもう一度検査をするとのことです。 基金が活用できれば今よりも病気は減り、水くみに当てる時間が節約できます。今回の訪問の際にも学 校関係者だけではなく、村の人々も訪れ、支援を受けることができれば村をあげてボランティアで井戸掘り等 の手伝いをするとのことです。また、6月末からは雨季が始まるので、基金がリリースされれば早急に工事にか かるとのことです。 井戸ができた後は、政府からの援助金や生徒から集めているお金の一部をあて、井戸を維持する予定に なっているそうです。 ダルビッシュ有水基金の趣旨に照らして、この農村学校を支援することが妥当か検討し決定します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからのお知らせ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 「水と衛生に関するセミナー」の開催 『ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題』 ~2008年国際衛生年に向けて~ 2008年国際衛生年へ向けて、水と衛生問題の改善・解決に向けてわたしたちができることは何か、具 体的な行動プランは何か等について意見交換を行うことを目的としたセミナーを開催いたします。 水とトイレ・衛生について知ることのできる絶好の機会です。みなさまのご参加をお待ち申し上げております。 参加ご希望の方は、別紙申込用紙(日本水フォーラムHPより入手できます)にご記入の上、日本水フォー ラムまでお送りください。 日 時 :2007 年 6 月 13 日 (水 )14:00-17:00 場 所 :国 際 協 力 総 合 研 修 所 2F国 際 会 議 場 詳しくは、http://waterforum.jp/jpn/index.htmlをご覧ください。 *お申込み期限 6月11日(月)必着 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 「第1回アジア・太平洋水サミット オープンイベント」の募集 「第 1 回アジア・太平洋水サミット」の併催イベントを「オープンイベント」と称し、募集中です。オープン イベントではあなたが主催者となって、アジア・太平洋地域の水問題解決にむけた具体的な提案や解 決策を示して下さい。 詳しい応募方法等はホームページ(http://www.watersummit.jp/)をご覧下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 優先テーマ別分科会準備状況 報告者:平山 現在、アジア・太平洋水フォーラム(APWF)では、3 つの優先テーマ(テーマ A:水インフラと人材育成、 テーマ B:水関連災害管理、テーマ C:生態系と発展のための水)について、各テーマのリード組織が主 体となって活動しています。第 1 回アジア・太平洋水サミットでは、テーマ別分科会において提言書を発 表するため、現在その作成を進めております。提言書のコンセプトノート、骨子案については、現在、 APWF の HP 上に掲載されております。(http://www.apwf.org/archive/index.html) 日本においても、優先テーマごとに国内有識者で構成されるコーディネーター・グループを発足しまし た。コーディネーター・グループは、リード組織が作成する提言書のドラフトを評価・分析した後、コメント をリード組織へ提出するとともに、各テーマに関連する国内優良事例を提言書へ反映させる働きかけ 等を実施し、提言書作成に貢献しています。 また、日英 2 言語のウェブログ(http://www.waterforum.jp/jpn/summit/weblog/index.html)を活 用して、広く意見を募りながら提言書作成を進めておりますので、アジア・太平洋地域の水問題解決の ために皆様からの積極的な御投稿を心よりお待ちしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 大分県の準備状況 Vol.2 報告者:安倍(あんべ) 皆さん「大分県」の名前の由来をご存知ですか? 諸説あるようですが、「多き田」が転じて大分になった、という説が有力なようです。確かに大分県には傾斜 を利用して農業をしている中山間地域が非常に多いため、小さな田が数多く存在し、棚田もたくさんありま す。大分県内の6市町にある棚田が「日本の棚田百選」に選ばれており、サミット開催地である別府市にも 選出された棚田があります。私も訪ねたことがありますが、田に水が張られた6月は特に美しく、水が景観に 与える影響の大きさを感じました。大分県では「おおいた棚田ネットワーク」を立ち上げ、棚田が形成する美 しい景観等を保全する活動をしています。大分県庁のホームページ内に詳しくのっておりますので、関心のあ る方はアクセスしてみてください。(おおいた棚田ネットワークURLhttp://www.pref.oita.jp/15960/tanada/) さて、今年6月から「第1回アジア・太平洋水サミット大分県委員会ホームページ」を開設しました!大分 県としても、サミットを広く知っていただき、盛り上げていこうと作成したものです。 内容は以下のとおりです。 ①第1回アジア・太平洋水サミットについて ②公式関連イベント(大分県分)情報(開催のお知らせと開催報告) ③最新のお知らせ(公式関連イベント募集の告知など) ④関係機関リンク ⑤交通アクセス 青と緑を基調にして、清らかな水やその水で潤う爽やかな森林を思わせる色使いになっており、英語バージ ョンも作成しました。まだ運用がされていませんが、名水の多い大分県の水の現状を画像付きでお知らせす る「水 story」や、水に関するブログなども順次運用を開始し、大分県ならではの内容を提供していきます。 今後、サミットの盛り上げに一役買うために、内容を随時更新しながら運用していきます。皆様もぜひアク セスをお願いします。また、ご意見やご感想などありましたら、第1回アジア・太平洋水サミット大分県委員会 までお寄せください。お待ちしております。 第1回アジア・太平洋水サミット大分県委員会URL http://www.watersummit-oita.org (大分県庁のホームページからもアクセスできます。大分県庁URL http://www.pref.oita.jp/) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 別府のみどころ(温泉編) 報告者:河村 大分県別府市は、九州の北東部、瀬戸内海に接する大分県のほぼ中央に位置し、鶴見岳の裾野が 海に向けて広がるなだらかな扇状地にあります。 町のあちこちから立ち上る湯けむりは、「21世紀に残したい日本の風景」第 2 位にも選ばれた湯の町情緒 溢れる景観です。 市内には、別府八湯という8ヶ所の温泉地があり、これらをまとめて別府温泉郷と称しています。 別府八湯とは、別府・浜脇・観海寺(かんかいじ)・堀田(ほりた)・明礬(みょうばん)・鉄輪(かんなわ)・柴 石(しばせき)・亀川の各温泉地を指し、それぞれが特徴を持っています。 各温泉地をご紹介しますと、 ① 8つの温泉郷の中でも代表的な温泉として、別府市のシンボルである竹瓦温泉を有する別府温泉。 この温泉街は、古き良きものと新しきもの別府の歴史を内包する街といえます。 ② 「別府温泉発祥の地」と呼ばれる別府最古の温泉場である浜脇温泉。 ③ 絶景自慢の高台に湧く湯処である観海寺温泉。 ④ ⑤ 鶴見岳の東麓、緑豊かな田園地帯にある静かな湯処である堀田温泉。 芽茸屋根の湯の花小屋が立ち並ぶ明礬温泉。硫黄の香り漂う山間に泥湯など個性派の湯と眺 望を満喫できる露天風呂があり、古くから人々の心身の傷を癒し、ひときわ旅情をかき立てられる 温泉郷であります。 ⑥ 地獄地帯や歴史ある湯治場として知られる鉄輪温泉。浴衣姿と石畳に響く下駄の音がぴったりな 湯けむりたなびく温泉街として観光客や湯治客に根強い人気があります。 ⑦ 静かな山あいにある柴石温泉。温度の違う2つの温泉や露天風呂・家族湯を楽しむことができま す。 ⑧ 別府八湯の北の玄関口で、潮騒聞こえる海沿いのいで湯である亀川温泉。海岸から湧出する温 泉を利用した天然砂湯は、眼前には海、横たわれば空といった具合に他にはない独特の入浴感を 味わえます。 どの温泉もそれぞれ異なった性質・特徴を持っているので、同じ土地を訪れながら、全く違った入浴体験 が出来ると、幅広い年齢層の観光客の方々に大変喜ばれています。 ふれあいと温もりに出逢える町“べっぷ〟として皆様のお越しをお待ちしております。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 第 109 回河川文化を語る会 講演『豊田とホタルと、そして人 ―木屋川のゲンジボタル―』 主催者名:(社)日本河川協会 開催日時: 2007 年 6 月 23 日(土)14:00~16:00 開催場所:豊田ホタルの里ミュージアム 「多目的ホール」 (山口県下関市豊田町大字中村 50-3 TEL:0837-67-0350) 内容:「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの知識を習得するこ と、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的として毎月開催しています。幅広い分野から ゲストスピーカーをお招きし、講演と質疑および意見交換の時間を設けています。第 109 回は、豊田ホタルの 里ミュージアム(山口県下関市) 学芸員の川野 敬介 氏に『豊田とホタルと、そして人 ―木屋川のゲンジ ボタル―』と題して、ご講演をいただきます。 問い合わせ先:(社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 水辺のユニバーサル大賞 2007 募集 主催者名:NPO ユニバーサル社会工学研究会 応募締め切り:6月30日 当日消印有効 内容:海岸、港湾、漁港、河川、湖沼、運河、ダム湖、ヨットハーバー等の水辺が対象となります。皆様が、 誇りに思い、美しく楽しいと考える水辺の空間デザインなどを募集します。 ユニバーサルデザインを基本コンセプトに、超高齢社会における“安全、快適でより高質な社会基盤”の向 上、“地域の活性化”に寄与することを目指し、社会が求める「水辺のユニバーサルグッドデザイン」とはどんな ものかを「水辺のユニバーサルデザイン大賞」を選考することで希求していきたいと考えています。 問い合わせ先:特定非営利活動法人 ユニバーサル社会工学研究会(NPOUSER) 事務局:今井善信、林郁也、小林香保吏 住所:〒110-0014 東京都台東区北上野 2 丁目 6 番 4 号 電話:03-5828-2193 ファックス:03-5828-2191 E-mail:[email protected] URL:http://www.ecoh.co.jp/npouser *************************************** ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載されている記事の内容に関し ての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問い合わせ先までお願いいたします。 *************************************** ※ 「掲示板コーナー」掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベントやシンポジウムへの参 加の呼びかけをして頂くために「掲示板コーナー」を日本水フォーラムのニュースレター紙面上に設けております。 掲載ご希望の方は、[email protected]までご連絡下さい。追って、「掲示板」コーナーへの掲載の取扱 基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目8-1 半蔵門MKビル5&6階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp ニュースレター配信不要の方は、[email protected]までご連絡下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ JWF News Vol.34 2007 年 7 月 4 日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----- ● 巻頭言 多様性の日本の貢献 ● 日本水フォーラムからの報告 ・ 水と衛生に関するセミナー『ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題』~2008 年国際 衛生年に向けて~開催報告 ・ 第 29 回世界水会議理事会報告 ・ UNESCO-IHE 50 周年記念国際シンポジウム報告 ・ 日蘭共同研究ワークショップ報告 ・ ダルビッシュ 有 水基金 最新情報 ・ 国際総合山岳開発センター(ICIMOD)との意見交換報告 ・ 国連「水と衛生に関する諮問委員会」第 8 回会合報告 ● 日本水フォーラムからのお知らせ ・ 「日本水フォーラム基金 2007」の募集を開始しました ・ 打ち水大作戦 2007 開催のお知らせ ● 第 1 回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ・ アジア・太平洋水博物館設立に向けて ● 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ・ 大分県の準備状況 Vol.3 ・ 別府市紹介:別府の姉妹都市 ● 「掲示板」コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 多様性の日本の貢献 事務局長 竹村公太郎 佐賀と青森 梅雨に入っても雨がなかなか降らず、西日本の渇水が伝わっていた 6 月 26 日、佐賀へ行 く機会がありました。 福岡空港から長崎本線で佐賀へ向かいました。佐賀平野に入ると、田植えが終わった直 後の光景が広がっていました。一面に水がきらめく水田のあぜ道を、農家の夫婦がゆっく り歩いているのが印象的でした。 佐賀に着いて友人に「この地方の田植えは無事に進んだのか?」と聞くと「渇水で苦労 している。水が入らない田んぼもあるようだ」とのことでした。 佐賀へ行ったその翌日、別の用件で青森の弘前に行きました。青森空港から津軽平野を 車で走っていると、稲はもう 50cm 以上も伸びて、緑一面の田んぼが広がっていました。 車を走らせながら弘前の知人に、九州の佐賀ではちょうど田植えが終わった頃だという と、 「本当ですか!」とびっくりしていました。青森の人たちは、田植えは 5 月の連休前後 に行うもので、6 月後半の田植えなどは信じられないのです。 「九州は雪解け水がないので、田植えは梅雨だよりなので遅くなる」と説明すると納得 してくれました。 田植え時期 日本列島の大部分では、春の雪解け水を利用して 4 月から 5 月に田植えをします。四国 や九州は、雪解け水がないので 6 月の梅雨を当てにして田植えを行います。 田植えはなるべく早くやればやるほど有利です。新米を早く出荷できるという以上に、 稲の収穫が遅くなるほど、台風の危険が高まるからです。 九州は台風銀座です。その九州は梅雨を頼りにするしかないので、田植えは遅くなり、 台風被害の危険を高めています。以前、九州の農家の方に、東北は連休前後に田植えをす ると言った時、最初はびっくりし、そして、うらやましそうな顔をしていたことを思い出 します。 九州の農家は、梅雨を待ち望み、台風を心配します。 東北の農家は、長梅雨の日照不足とヤマセを心配します。 日本列島は南北に 3000km と長く、気象と地形が多様です。この多様な列島各地は、そ れぞれの地で稲の品種を改良し、洪水や渇水に対する技術を生み出し、循環肥料システム を確立していました。 江戸時代の 250 年間、3 千万人以上の日本人は、この狭い日本列島の中だけで人類史上ま れな完全循環文明を構築しました。 ですから、日本列島と日本の歴史そのものが、多様な水技術と物質循環のショウケース です。 何故、日本でアジア・太平洋水サミット? 佐賀でも青森でも、12 月の第1回アジア・太平洋水サミットを紹介しました。 何故、水の豊かな日本が、世界やアジアの水を考える必要があるのか?その説明が必要 になります。 日本は世界各地から、膨大な量の穀物・畜産物・衣料品そして木材まで輸入しています。 それらは全て、世界各地の水で生産されたものです。つまり、今の日本文明は、世界中の 膨大な水を消費して成り立っているのです。 1年間の日本への輸入産物が、世界各地の水をどのくらい消費するかを計算すると、約 600 億 m3 になります。 (東大 沖教授試算値)これは日本人1億 2 千万人が、家庭で消費す る水の 5 年間分になります。 世界が今、湖沼の消滅、河川の断流、地下水低下、土壌の塩分化、河川水質の汚染と様々 な深刻な水問題に直面しています。21 世紀の世界の水問題は、日本の問題でもあるのです。 先進国の日本は、途上国の水で豊かな生活を送っています。その日本の責任は、まず世 界の水問題を知り、理解することです。そして、日本の長い歴史の中で編み出してきた水 技術と物質循環技術の英知を世界に紹介し、世界の水問題の解決の一助としてもらうこと です。 そのような思いで、第1回アジア・太平洋水サミットを日本で開催するため、日本水フ ォーラム職員はがんばっています。 大分県・中津の市民宣言 6 月 9 日、大分県中津市で市民団体「水辺に遊ぶ会」(足利由紀子理事長)主催の国際シ ンポジウム「海でつながる漂着ごみと市民運動~拾うだけでえぇんじゃろか?~」が開催 されました。このイベントはアジア・太平洋水サミットの関連イベントでもありました。 私も参加しましたが、本当に楽しいイベントでした。大分県中津の市民が、韓国の同じ 思いの市民団体と一緒になって、海を守っていこうという決意表明を宣言文で表明してい ました。 今まで私は多くのイベントで、いろいろな宣言文を拍手で賛成してきました。しかし、 これほど楽しく心から賛同したことはありませんでした。 アジア・太平洋水サミットの準備は大変ですが、このミッションに関与していたからこ そ、この中津の市民宣言に立ち会えた、と思って一人で納得しました。 この原稿を書きあげた 7 月 1 日は橋本前会長のご命日でした。 青山墓地に眠られている橋本前会長に、尾田相談役ご夫妻と水フォーラム事務局員とで ご冥福をお祈りし、第 1 回アジア・太平洋水サミットが成功するよう見守っていただける ようお願いして参りました。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 水と衛生に関するセミナー『ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題』~2008 年国際 衛生年に向けて~開催報告 報告者:諫山亜衣 6 月 13 日、水と衛生に関するセミナー『ミレニアム開発目標とトイレ・衛生問題』~2008 年国際衛生年に向けて~が、日本水フォーラムと日本トイレ協会の主催で開催され、協力 機関である世界銀行、国際協力銀行、国際協力機構を始め、各国大使館や国際機関を含む 約 100 名が参加しました。 セミナー開催報告書およびセミナーにおける配布資料等は、日本水フォーラムのホーム ページ(http://waterforum.jp/jpn/sanitation/)に掲載しておりますので、ご参照ください。 トイレや衛生に関する問題について議論した今回のセミナーは、各分野の専門家の方々 やご参加の皆様から貴重なご意見をいただき、活発な議論を交わすことのできた非常に貴 重な機会であったと考えています。来年の国際衛生年へ向けた取り組みの第一歩とするこ とができました。 今後は、関係の方々や関係機関との協力を深め、水と衛生に関する問題の解決へ向けて 取り組んでいきます。 ************************************ 第 29 回世界水会議理事会報告 ■ 報告者:平山周一 6 月 21 日と 22 日の 2 日間、フランス・マルセイユで世界水会議(WWC)理事会が開催さ れました。WWC とは、ユネスコや世界銀行などが中心となって 1996 年に発足したシンク タンクで、世界の水問題の解決に向けて、世界水フォーラムの開催など、水問題の重要性 を世界中に喚起しています。日本からは 3 名の理事が選出されており、第 29 回の WWC 理 事会においては尾田理事が出席しました。 理事会では、主に関連機関間での協力枠組み、近日中に開催されるイベント、第 5 回世 界水フォーラム準備状況、各理事の活動報告について議論がなされました。尾田理事から は、 「第 1 回アジア・太平洋水サミット」の準備状況及び、国連「水と衛生に関する諮問委 員会」から出された「橋本アクションプラン」の確実な実施のための「水関連災害に関す る有識者委員会」の発足について報告が行われました。理事会メンバーからは両話題への 高い関心が寄せられ、日本水フォーラムが主体となって実施している各種取り組みの重要 性が認識されました。 ************************************ ■ UNESCO-IHE 50 周年記念国際シンポジウム報告 報告者:宮亨 UNESCO-IHE(ユネスコ 社会基盤・水理・環境工学研究所)の設立 50 周年記念国際シン ポジウム「Water For A Changing World-Enhancing Local Knowledge and Capacity(世 界を変える水-地域の知識と能力開発の促進)」が、6 月 13~15 日に UNESCO-IHE のあ るオランダのデルフトで開催されました。日本水フォーラムからは、2 名が最終日の記念式 典に参加しました。 このセレモニーでは、オランダのオレンジ公ヴィレム・アレキサンダー皇太子殿下、リ チャード・メガンク UNESCO-IHE 所長、松浦晃一郎 ユネスコ事務局長の代理としてマ ルシオ・バーボサ ユネスコ事務局次長などのスピーチの後、オレンジ公などをパネリスト としたパネルディスカッションや、UNESCO-IHE の 50 年の歴史を記録したビデオ放映な どがありました。 セレモニーの最後には、シンガポ-ル水事業評議会(PUB)、UNESCO-IHE、アジア開発 銀行の三者によるナレッジ・ハブ構築に関する協定が調印されました。この協力関係は、 三者に限ったものではなく、UNESCO-ICHARM(水災害・リスクマネジメント国際センタ ー)にも参画を呼びかけるなど、更なる発展が期待されています。 ************************************ ■ 日蘭共同研究ワークショップ報告 報告者:宮亨 6 月 18 日~22 日の 5 日間、オランダのデルフトにある UNESCO-IHE で、第1回日蘭 共同研究ワークショップ「都市化氾濫域の洪水被害最小化プロジェクト」が開催されまし た。 この共同研究は、2005 年 6 月に、日本の蓮見国土交通副大臣(当時)と、オランダのシ ュルツ運輸公共事業水利副大臣(当時)が交わした統合水管理に関する協力の覚え書きに基 づき、2006 年 12 月に日本水フォーラムとオランダ水パートナーシップ(NWP)の間で協定 書を交わし、スタートしたものです。 本ワークショップには、日本側として国土交通省の他、ICHARM、積水ハウス、東京建 設コンサルタント、日本水フォーラムから 7 名が参加しました。オランダ側からは、政府 関係者や NWP 等、日蘭以外からは米国ルイジアナ州立大学ハリケーンセンター等の水関係 者が参加し、約 30 名のワークショップとなりました。 ワークショップでは、オランダのハーレマーミヤ(Haarlemmermeer)とスイドプラスポル ダー(Zuidplaspolder)の 2 つの氾濫域をモデルケースとして、街づくりについて議論し、浸 水に強い街のデザインを行いました。 日本の重点施策としても洪水時の被害最小化が提案されており、このワークショップで 得られた知見は、日本でも活用できるものと期待されます。今後も洪水被害対策技術の現 状やあり方について、意見交換と研究を続けていく予定です。 次回は、2008 年 2 月に日本においてオランダ代表団を迎え、ワークショップ等を行う予 定です。 ************************************ ■ ダルビッシュ 有 水基金 最新情報 報告者:浅井重範 本年3月に設立されました「ダルビッシュ 有 水基金」について、先月号でご紹介した 調査結果を受け、支援先第1号を以下のプロジェクトに決定しました。 ・プロジェクト名:Well and Water Tank Construction for Village School 「学校内の井戸建設プロジェクト」 ・プロジェクト実施地:ネパール王国チトワン郡ディナビガール 農村地帯の学校 ・プロジェクト内容:学校内に新たな深井戸を掘削し、手押しポンプや電動ポンプを使用 して、地下水を汲み上げ、タンク(容量約 2,000 リットル)へ貯留し、安全な水を常時利 用可能な状態にするものです。併せて、水の使い方の講習も実施される予定です。 ・プロジェクト実施団体:Water Asia ・支援金額:1,700US$ この学校の敷地内には、小学校から大学までの校舎が設置されており、6~24 才までの約 2,000 人が通っています。現在使用されている井戸は、その深さがかなり浅いものであるた め汚染されやすく、毎年約1割の生徒が赤痢や水に起因した病気に苦しんでいます。こう した病気のため、学校に来ることができなくなる子どもたちがたくさんいます。このプロ ジェクトによって、約 2,000 人に安全な水を供給できるようになり、ひいては病気で学校 を休むことなくきちんと教育を受けることができるようになります。また、井戸の水は、 トイレの洗浄に使用され、生徒たちは清潔なトイレを使うことができるようになります。 ※ダルビッシュ有水基金では、趣旨にご賛同いただける皆様からのご寄付を受け付けてお ります。詳しくは日本水フォーラムウェブサイトもしくはダルビッシュ有オフィシャルサ イト http://darvish-yu.jp/waterfund.html をご覧ください。 (6 月 29 日現在、ダルビッシュ 投手 6 勝×10 万円、賛同者様からの寄付 134,199 円の計 734,199 円が積み立てられました。) ************************************ ■ 国際総合山岳開発センター(ICIMOD)との意見交換報告 報告者:横田妙子 約 1 年前に本国に帰国されたラメッシュ・アナンダ・ヴァイディア前駐日ネパール大使 から、 「現在、ICIMOD(International Centre for Integrated Mountain Development)とい う国際機関に勤務している」との連絡があったのを受けて、シンガポール、バンガロール への出張の後に、急遽カトマンズにある ICIMOD を訪ねました。奇しくも橋本前日本水フ ォーラム会長のご命日に、会長の眠るネパールの地を訪れ、会長の最大の関心事のひとつ であった氷河の縮小の問題について議論することとなりました。 ICIMOD は山岳地の総合的な開発に関する唯一の国際センターであり、ヒンドゥクシ・ ヒマラヤ地域を対象とし、その長期目標は、地域の環境安定化および貧困根絶への貢献で す。参加国は、ヒマラヤに接するアフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、中国、イ ンド、ミャンマー、ネパールおよびパキスタンの 8 ヶ国です。 会合では、ICIMOD の活動紹介と、 「ヒマラヤ山脈の水問題」、 「ヒマラヤ山脈の女性、水 とエネルギー」、「溶けゆくヒマラヤ」の 3 つのプレゼンテーションが行われ、日本水フォ ーラムからは、第 1 回アジア・太平洋水サミットの説明を行いました。 最後に行った意見交換では、今後、JWF-ICIMOD、APWF-ICIMOD 間でさまざまな 分野で協力していくこと、また、気候変動とヒマラヤの氷河の問題、特に氷河湖決壊によ る洪水問題(GLOF)については、第 1 回アジア・太平洋水サミットにおいて取り上げるべ く、さらに議論を進めていくことを確認しました。 ************************************ ■ 国連「水と衛生に関する諮問委員会」第 8 回会合報告 報告者:東海林光 国連「水と衛生に関する諮問委員会」第 8 回会合が、5 月 30 日~6 月 1 日に中国上海の 水利部太湖流域管理局にて開催されました。 5 月 30 日と 6 月 1 日には、 「橋本アクションプラン」の 6 つのテーマである水事業体パ ートナーシップ、資金調達、衛生、モニタリングと報告、統合水資源管理、水と災害につ いて、これまでの進捗と今後の取り組み関する報告と議論が行われたほか、「水と衛生」を 来年、日本で行われる G8 サミットの議題の一つとするための戦略が話し合われました。 5 月 31 日には、中国、インド、パキスタン、フィリピン、ベトナム、バングラデシュの 水担当大臣をはじめアジア各国の代表者、アジア開発銀行、国連機関、国際協力銀行、国 際協力機構などの水関係者による「アジア・ダイアログ」が行われました。日本政府から は、棚橋通雄国土交通省水資源部長が参加されました。また、この中で日本水フォーラム は第 1 回アジア・太平洋水サミットに関する説明を行い、参加者からサミットへの賛意と 協力が表明されました。 6 月 1 日に発表されたアジア開発銀行と諮問委員会の共同声明では、水事業体パートナー シップ、資金調達、衛生、モニタリングと報告、統合水資源管理、水と災害の各分野でア ジア開発銀行と諮問委員会が協力していくことがうたわれています。 詳細については、国連「水と衛生に関する諮問委員会」ホームページ (http://www.unsgab.org/)をご覧下さい。 第 9 回会合は 11 月にコロンビアのボゴタにて開催される予定です。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからのお知らせ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 「日本水フォーラム基金 2007」の募集を開始しました 日本水フォーラム基金(Japan Water Forum Fund)は、地域の水問題を解決するために、 草の根的な活動を行っている発展途上国の団体に対し、活動 1 件あたり 1,000US$を上限と し、活動資金の援助を行っています。本基金は 2005 年に設立され、1 年に 1 回募集を行っ ているものです。この基金には、日本水フォーラムの会員の皆様から頂いた会費の 3%を直 接充当しています。 「日本水フォーラム基金 2007」は、7 月 1 日から 31 日までを募集期間とし、日本水フォ ーラムの英語版ホームページhttp://www.waterforum.jp/eng/ やニュースレターを通じ、応 募を呼びかけています。 <日本水フォーラム基金 2006 の選考結果> 2 年目となる「日本水フォーラム基金 2006」は、2006 年 7 月 1 日から 31 日までを募集 期間とし、ホームページやニュースレターを通じて募集を行いました。アジア、アフリカ、 南アメリカの 30 ヶ国から 121 件の応募があり、審査プロセスを経て資金援助の対象とする 活動 16 件を決定しました。詳細については、http://www.waterforum.jp/jpn/fund/ をご覧 下さい。 なお、資金援助を行った団体から提出された報告書は、日本水フォーラムホームページ の会員専用ページ(会員番号とパスワードの入力が必要)よりご覧頂けます。 <くずはロータリークラブ賞> 大阪府枚方市で活動をされている、くずはロータリークラブ様より、「水問題解決に取り 組んでいらっしゃる方々のために役立てて下さい」と、日本水フォーラム基金にご寄付を 頂きました。 くずはロータリークラブ様より頂いたご寄付は、「くずはロータリークラブ賞」として、 「日本水フォーラム基金 2006」において選考された 16 団体の中で、本基金の主旨に最も 合致する活動の実施主体「Environmental Co-existence Foundation(スリランカ)」の活動 資金とさせて頂きました。 くずはロータリークラブ様には、この場をお借りし、心より御礼を申し上げます。 ************************************ 打ち水大作戦 2007 開催のお知らせ ■ 7 月 23 日(月)大暑 開幕~8 月 23 日(木)処暑 閉幕 江戸時代の庶民の知恵「打ち水」がヒートアイランド現象にどのような効果を持つのか、 みんなでいっせいに打ち水をして、その効果を検証しようという壮大な社会実験として打 ち水大作戦がはじめて行われたのが 2003 年。 その後、打ち水大作戦は日本全国に広がり、昨年は 770 万人が参加するなど、夏恒例の 環境活動として、日本国民の認知度は 70%を超えるものになりました。 そして、今年 5 周年を迎える打ち水大作戦は、各地で新たな打ち水大作戦の仕掛けもあ り、さらなる盛り上がりが期待されています。 7 月 23 日、全国いっせい開幕打ち水! 打ち水大作戦 5 周年を迎える今年は、全国各地で打ち水大作戦を実施している仕掛け人 を集めて、打ち水大作戦 2007 の開幕を浅草から全国に発信します。 全国いっせい開幕打ち水イベント概要: 【日時】7 月 23 日(月) 10:30~ 【場所】浅草寺 【内容】午前 10:30~ イベント 正午いっせい打ち水 午後 2:00~3:30 日本全国打ち水大会議 「打ち水大作戦の誕生から振り返る 打ち水大作戦の歴史とこれから」 また、同時開幕イベントとして、渋谷と新宿マルイ前でも打ち水大作戦が行われます。 *打ち水大作戦 2007 の実施期間は旧暦で最も暑いとされる「大暑」(7 月 23 日)から暑さが ひと段落する「処暑」8 月 23 日までです。この期間に全国各地で打ち水大作戦イベントが 行われます。詳しくは打ち水大作戦ホームページ(http://www.uchimizu.jp/)をご覧ください。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ アジア・太平洋水博物館設立に向けて 報告者:平山周一 去る 2 月にタイ国立科学博物館関係者が、国王生誕 80 年記念事業である「水博物館」設 立に向けて日本を視察された際、日本水フォーラムとの議論の中で、アジア・太平洋水フ ォーラムのネットワークやノウハウを活用して、この博物館の対象をタイ国内だけでなく、 アジア・太平洋地域に拡張するアイデアが生まれました。 現在は、タイ国立科学博物館と日本水フォーラム間で覚書を締結し、第 1 回アジア・太 平洋水サミットに向けた活動の一つとして、関係機関と協議を進めながら、アジア・太平 洋地域の若者たちが楽しみながら水の大切さを感じることのできる博物館設立を目指して、 準備作業を進めています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 大分県の準備状況 Vol.3 報告者:安倍誠 今月 16 日は海の日ですね。大分県は瀬戸内海に面しており、別府市が面している湾を別 府湾といいます。この別府湾に伝説の島があったことをご存知ですか?「瓜生(うりゅう) 島(別名:沖の浜)」です。瓜生島には「恵比寿様の顔が赤くなると災いが起きる」という 伝説がありました。ある日、島民がいたずらで恵比寿様の顔を赤く塗ってしまいました。 伝説どおり村は 1596 年の大地震で沈んでしまったと言われています。瓜生島が本当に存在 したかどうかは、未だにはっきりとはわかっていませんが、大分に来た際には、別府湾を 見ながら瓜生島伝説のことを思い出して下さい。地震による津波等の水災害で苦しんでい る人もたくさんおります。今回のサミットでも水関連災害についての議論が行われる予定 です。 さて、大分県の準備状況ですが、大分県内においても「第1回アジア・太平洋水サミッ ト」の開催を契機に水問題・環境問題について考えよう、という気運が盛り上がっていま す。 大分大学では、4月から毎週1回「大野川~川から学び、川で遊ぶ~」を開講し、これ を学生だけでなく、公開授業の形で市民一般に開放しています。この講座では、大分県内 を流れる「大野川」を通じて基礎的知識の理解、大野川河畔で水質調査、流域保全活動、 体験実習、スポーツや川遊びなどを行っています。 6 月 9 日には、NPO 法人「水辺に遊ぶ会」(足利由紀子理事長)の主催による海洋ごみ問 題などについて住民の目線から考えるフォーラム「海でつながる漂着ゴミと市民(みんなの) 運動~拾うだけでえぇんじゃろか?~」が中津市で開催されました。韓国から「韓国海洋 救助団」のイ・ジョンミョン氏を迎え、海洋ごみに対する市民、行政の取り組みなどにつ いて討論がなされ、漂着ごみのない海を目指す旨の大会宣言がなされました。 また、OBS 大分放送が毎年大分県内の小学生を対象にテーマを決めて詩を募集する「『私 の詩』作品コンクール」の今年のテーマが、水サミットの開催を記念して「みず」となり ました。6 月中旬から 9 月初旬まで募集し、最優秀賞、金・銀・銅賞のほかに、今年は特別 賞として第1回アジア・太平洋水サミット大分県委員会会長賞を設ける予定です。 各イベントの詳しい開催内容につきましては、第1回アジア・太平洋水サミット大分県 委員会ホームページ http://watersummit-oita.org/event/ をご覧ください。 ************************************ ■ 別府市紹介:別府の姉妹都市 報告者:河村昌秀 別府市は、 「国際観光温泉文化都市」として温泉文化を共有している世界の国々と姉妹都 市等の盟約を結んでいます。 ※姉妹都市 ・「熱海市」 【静岡県】 1966 年(昭和 41 年)8 月調印 別府市・熱海市は観光、経済、文化の交流により相互の理解と親善を深め地域社会の発展 に寄与することを目的として姉妹都市の盟約を結ぶ。 1984 年(昭和 59 年)10 月調印 ・「木浦市」 (もっぽし) 【大韓民国】 別府市と木浦市は行政、教育、文化、産業、経済等各分野に亘って交流を図り、相互の理 解と信頼を深めるため相協力し、今後の日韓両国の友好と親善の促進に努めることを目的 として姉妹都市の盟約を締結する。 ・「ボーモント市」【アメリカ合衆国】 1985 年(昭和 60 年)5 月調印 別府市とボーモント市は両市のみならず広くアメリカ合衆国と日本との友好関係を深め相 互理解並びに厚き友情のため姉妹都市の盟約を結ぶ。 ・「ロトルア市」【ニュージーランド】 1987 年(昭和 62 年)7 月調印 別府市とロトルア市は、両市及び両国間の友好と親善を促進するため姉妹都市の盟約を行 う。 ・「バース市」【イギリス】 1994 年(平成 6 年)10 月調印 別府市とバース市は、両市及び両国間の友好と協力そして調和を促進するため姉妹都市の 盟約を結ぶ。 ※友好都市 ・「烟台市」 (えんたいし)【中国】 1985 年(昭和 60 年)7 月調印 ※国際交流都市 ・「済州島」 【大韓民国】 2003 年(平成 15 年)1 月調印 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 第 110 回河川文化を語る会 講演『古代都市ポンペイの水巡(まわ)り』 主催者名:(社)日本河川協会 開催日時: 2007 年 7 月 24 日(火)18:00~20:00 開催場所:シェーンバッハ・サボー(砂防会館) 3F「立山」 (東京都千代田区平河町 2-7-5 砂防会館 TEL:03-3261-8390) 内容:「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの知 識を習得すること、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的として毎月 開催しています。幅広い分野からゲストスピーカーをお招きし、講演と質疑および意見交 換の時間を設けています。第 110 回は、京都大学大学院工学研究科附属 流域圏総合環境質 研究センター 准教授の清水芳久 氏に『古代都市ポンペイの水巡(まわ)り』と題して、ご講 演をいただきます。 問い合わせ先:(社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm ************************************ ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載されてい る記事の内容に関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問 い合わせ先までお願いいたします。 ************************************ ※ "「掲示板」コーナー"掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベントやシ ンポジウムへの参加の呼びかけをして頂くために“「掲示板」コーナー”を日本水フォーラ ムのニュースレター紙面上に設けております。掲載ご希望の方は、[email protected] までご連絡下さい。追って、「掲示板」コーナーへの掲載の取扱基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門 MK ビル 5&6 階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp ニュースレター配信不要の方は、[email protected] までご連絡下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ JWF News Vol.35 2007 年 8 月 1 日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----● 巻頭言 災害に対する日本の貢献● 日本水フォーラムからの報告 ・ 統合的水資源管理計画策定のための人材育成ワークショップ報告 ・ アジア・太平洋水フォーラム執行審議会第 2 回会合開催報告 ・ ジェンダーと水連合ワークショップ出席報告 ・ 打ち水大作戦 2007 「全国いっせい開幕打ち水イベント」開催報告 ● 日本水フォーラムからのお知らせ ・ 「節水の知恵から学ぼう!親子お水教室」開催のお知らせ ● 第 1 回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ・ 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催記念~第 1 回アジア・太平洋水サミット市民向け説明会~開催報告 ・ 水に関する TV ドキュメンタリー制作会議出席報告 ● 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ・ 大分県の準備状況 Vol.4 ・ 別府市紹介:別府のみどころ(観光施設編①) ● 「掲示板」コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 災害に対する日本の貢献 事務局長 竹村公太郎 災害列島 6~7 月の渇水から一転して、7 月中旬には梅雨末期の豪雨と 7 月にしては最大級の台風が日本列島を縦断 しました。その直後の 7 月 17 日に、M6.8 新潟県中越沖地震が発生し、多くの尊い命と財産が失われました。 昔から、災害はいろいろな姿を変えて、立て続けに襲ってきます。 日本列島には地球上の災害でないものはない、といわれています。地震、津波、高潮、台風、豪雨、干ばつ、 火災、疫病、竜巻、噴火、地滑り、土石流、豪雪、雪崩の自然災害があり、さらに大空襲と原爆という人為災 害も受けました。日本が災害列島と呼ばれる所以です。 特に、災害が立て続けに発生したのが幕末の安政です。欧米列国が日本に上陸した直後から、日本列島に巨 大な災害が次々と襲いました。それ以降、日本は災害列島だ、と世界に広まっていきました。 1/10 安政の大地震群 1854 年の 2 月、ペリー提督は再来日しました。前年は 5 隻であった艦隊は 7 隻と増強されており、強い開 国の圧力を日本にかけてきました。アヘン戦争での欧米艦隊と大砲の圧倒的強さを知っていた江戸幕府は、日 米和親条約を締結しました。日本は開国へと向い、英国艦隊、フランス艦隊、ロシア艦隊も一斉に日本列島へ 近づいてきました。 ところが、日米和親条約を締結した 1854 年の 7 月、M7.6 の安政伊賀地震が発生し、伊賀、伊勢、大和に かけて約 1800 名の死者を出しました。 同年の 1854 年 12 月 23 日、駿河湾から遠州灘一帯を震源とする M8.4 の巨大な安政東海地震が発生し、さ らに、その 32 時間後の 12 月 24 日、紀伊半島沖一帯を震源として M8,4 の安政南海地震が発生しました。 静岡から江戸にかけて家屋の倒壊で何万人という死者を出し、海岸には 6~7mの大きな津波が襲いかかり、 伊豆下田で停泊していたロシア軍艦・ディアナ号は大破し沈没してしまいました。 さらに、翌年の 1855 年 11 月 11 日、首都・江戸を M6.9 の直下型巨大地震・安政江戸地震が襲い、家屋倒 壊と火災により江戸では 7 千人~1 万人の死者を出しました。 災害を乗り越えて 災害は地震だけではありませんでした。1858 年(安政 5 年)、長崎に上陸したコレラは日本列島を駆け抜け、 江戸とその近郊だけでも死者 20 万人を出すという江戸時代最大の災害となりました。 さらに、1859 年(安政 6 年)、大雨によって利根川、荒川が決壊して、江戸市中は大水害に見舞われました。 日米和親条約締結後の 5 年間、日本列島はまさに災害列島と化していました。日本に上陸した欧米人もこれ らの災害に遭遇し、恐怖を感じたに違いありません。 開国して世界にデビューした日本が、災害王国でした。それ以降の近代化の過程でも、日本は多くの災害を 受けながら、それら災害を乗り越えて、最先端の近代文明を構築していきました。 災害克服のための貢献 日本は災害に対して多くの経験と長い歴史を持っています。国際的な会議ではあまり発言しない日本人です が、災害に関しては否が応でも発言せざるをえませんでした。 日本の災害とそれを克服してきた経験と知識に、世界の人々は耳を傾けました。日本の災害経験が世界の 人々に役立つ、と日本の災害関係者も知りました。日本は、災害に関する情報収集、管理、提供の手法や災害 避難や復旧について発言する努力を重ね、いつの間にか日本は、災害に関しての世界の指導的立場に立ってい ました。 第 1 回アジア・太平洋水サミットでは、3 つの優先テーマがあります。そのテーマの 1 つに「水関連災害管 理」があります。このテーマのリード役は日本で、水災害・リスクマネジメント国際センター(International Centre for Water Hazard and Risk Management under the auspices of UNESCO: ICHARM)が担当してい ます。経済大国の日本がアジア・太平洋諸国に貢献するのは、資金面だけではありません。 日本自身が多くの命と財産を失ってきた経験そのものが、アジア・太平洋諸国への貢献になります。 第 1 回アジア・太平洋水サミットの招待状も、各国首脳に届けられました。8 月 6 日には第 2 回の運営委員 2/10 会が東京で開催されます。 暑いなか、さらに忙しくなりますが、水フォーラムは一丸となって事務局業務を果たしていきます。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 統合的水資源管理計画策定のための人材育成ワークショップ報告 報告者:川本邦男 7 月 3 日、4 日の日程で、地中海に面する都市アレキサンドリア(エジプト)のヘルナンアレキサンドリアホ テルにおいて、アラブ諸国を対象とした、統合的水資源管理(IWRM)計画策定のための人材育成ワークショッ プ(Training Workshop on the Development of National Integrated Water Resources Management Plans) が開催されました。本ワークショップは、国連環境計画(UNEP)とアラブ水会議(Arab Water Council)の共催 で、UNEP によるプログラム「アラブ諸国における統合的水資源管理のための予備的援助(Preparatory Assistance for Integrated Water Resource Management in Arab States: 2006 年 3 月~2007 年末(予定))」の 一部として実施されたものです。 エジプト、レバノン、サウジアラビア、モロッコ、UAE、モーリタニア、スーダン、ヨルダン、シリア、 カザフスタン、イラク、パレスチナなど、中東やアフリカ各国を中心に約 30 名の参加がありました。講演全 体としては、IWRM の概念やツールの説明が多く、会場からは、本当に実施できるのかといった疑問の声も ありましたが、参加者の皆さんは熱心に聴講されていました。 日本水フォーラムからは、日本の IWRM の現状、および 12 月に大分県別府市で開催される第 1 回アジア・ 太平洋水サミットについて講演を行いました。会場からは多くの質問があり、特に、日本では河川管理が複数 の省庁にまたがって行われていることが、不思議に感じられたようです。また、初日には、アラブ水会議の会 長でもある水資源灌漑大臣のアブザイド氏も出席され、ご挨拶申し上げたところ、大臣は、遠く日本からの参 加に感謝され、また、当地域に対する日本からの更なるサポートを要望されていました。我々としても、乾燥 地の多いこの地域における水問題解決のために、取り組んで行きたいと考えております。 ************************************ 3/10 ■ アジア・太平洋水フォーラム執行審議会第 2 回会合開催報告 報告者:東海林光 7 月 12 日、13 日にシンガポールにおいて、アジア・太平洋水フォーラム(APWF)執行審議会会合が開催さ れました。第 2 回目となる今回は、12 月 3、4 日に開催される第 1 回アジア・太平洋水サミット前に行われる 最後の執行審議会会合でもあり、サミットに向けた幅広い議論が行われました。 会議初日には、まず、事務局である日本水フォーラムがサミットのプログラム(案)の説明を行いました。サ ミットでは、首脳級のスピーチの他、具体的な成果(参加者による宣言、ネットワーク構築、協力関係の締結 等)を導き出す場の一つとして、トピック別の特別分科会 (例えば、気候変動、「2008 年国際衛生年」等)が設 けられます。 また、リード組織からは、APWFの活動の成果として、サミットの場で発表される優先テーマ別の提言書(案) 等について説明が行われました。 提言書(案)の概要は、8 月 6 日の「第 1 回アジア・太平洋水サミット運営委員会」第 2 回会合において、執 行審議会の議長でもあるトミー・コー運営委員から説明される予定です。 会議 2 日目には、サミットの具体的な成果に関する議論が行われました。成果(案)については、今回の会議 後にも各組織からの提案を受け付け、8 月 6 日のサミット運営委員会で発表される予定です。 参加者の協力のもと建設的な議論が行われました。遠くにかすんでいたサミットの姿が、ぼんやりとみえて きた気がします。 10 月にはクアラルンプールで行われる第 3 回東南アジア水フォーラムの場にAPWF関係者が一堂に会し、 サミットに向けた準備についての議論が行われる予定です。 ************************************ ■ ジェンダーと水連合ワークショップ出席報告 報告:諫山亜依 7 月 18 日から 21 日の 4 日間、タイ・バンコク近郊のアジア工科大学において、「東南アジアおよび太平洋 4/10 における統合水資源管理へのジェンダーメインストリーミングに関するワークショップ」が、ジェンダーと水 連合(Gender and Water Alliance : GWA)およびアジア工科大学ジェンダー・開発学部(AIT Gender and Development Studies Programme)の主催のもと開催されました。 このワークショップは、知識共有、能力開発およびネットワークを通してジェンダーと水の問題を改善する 具体的方策について議論することを目的としたものです。 インド、インドネシア、オーストラリア、カンボジア、タイ、バングラデシュ、フィリピン、フィジー、マ レーシア、ラオスなどから約 40 名が参加しました。 各国からジェンダーと水に関する現状について報告のあと、「能力開発」、「知識開発と普及」および「政策 提言」の 3 つのグループに分かれて、活発な議論が交わされました。最後に、ジェンダーと水連合の成果を、 今年 10 月に行われる第 3 回東南アジア水フォーラムと 12 月に行われる第 1 回アジア・太平洋水サミットへ インプットする方法について議論がなされました。第 1 回アジア・太平洋水サミットへの関わりについては、 今後、検討していくこととなりました。 ************************************ ■ 打ち水大作戦 2007 「全国いっせい開幕打ち水イベント」開催報告 報告:都築ゆかり 打ち水大作戦 2007 の開幕日である 7 月 23 日(月)大暑に、浅草・浅草寺にて、打ち水大作戦 5 周年を記 念した「全国いっせい開幕打ち水イベント」が開催されました。 打ち水大作戦本部の事務局を務める日本水フォーラムでは、江戸の庶民の知恵「打ち水」を世界各国に紹介し、 自国の環境問題を考えるヒントにしてもらえればと考え、在京大使館関係者に参加を呼びかけたところ、ラト ビア大使、フィリピン大使をはじめとする 18 カ国 22 名の大使館関係者が参加されました。 午前の打ち水開幕イベントには、打ち水大作戦の呼びかけ人でもある歌手の加藤登紀子さんが出演され、ま た全国の打ち水大作戦主催者による各地のユニークな取り組みが紹介され、打ち水大作戦 2007 への参加が呼 びかけられました。 正午には、浅草寺境内 2 箇所と仲見世通り、雷門前の計 4 箇所で、いっせい打ち水が行われ、大使館関係 者、地元の商店街の人々、観光客など総勢 700 名が参加しました。また、スヌーピーもいっせい打ち水に参 5/10 加し、打ち水大作戦をアピールしました。 参加された大使館関係者からは「一度使った水を再利用するのはよいアイデアだ。」 「とても楽しく参加でき る環境イベントだ。」「浴衣や浅草の雰囲気がよい。」など、打ち水に参加してよかったという感想が多くあり ました。 この日はあいにくの曇り空でしたが、打ち水後の気温は約-1℃低下し、気温計測による打ち水の効果も確 認されました。 (気温計測:株式会社CTIサイエンスシステムhttp://www.ctis.jp/) 午後からはパネルディスカッション「打ち水大作戦の誕生から振り返る 打ち水大作戦の歴史とこれから」 が開催され、打ち水大作戦の仕掛け人や、「打ち水で 2℃下がる」の試算をした専門家など打ち水大作戦創生 期のメンバーが集まり、打ち水大作戦の誕生秘話や様々な打ち水効果などが明らかにされました。 開幕打ち水イベント掲載記事: 浅草で打ち水イベント ヒートアイランド現象の緩和狙い ( 共 同 通 信 、 2007 年 7 月 23 日 (月))http://www.47news.jp/AI/200707/AI-20070723-0038701.html KIEDATE=浅草寺で打ち水イベント-江戸庶民の知恵アピール (日本経済新聞、2007 年 7 月 23 日(月)) http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20070723NN000Y60623072007.html 浅草で「打ち水大作戦2007」開催 (nikkansports、2007 年 7 月 23 日(月)) http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070723-231204.html ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■第 1 回アジア・太平洋水サミット開催記念~第 1 回アジア・太平洋水サミット市民向け説明会~開催報告 報告者:竹中美智子 7 月 9 日東京、7 月 14 日大阪、7 月 29 日福岡で「第 1 回アジア・太平洋水サミット開催記念~第 1 回アジ ア・太平洋水サミット市民向け説明会~」を開催し、水や開発の問題に取り組む NGO、市民団体などを始め 約 70 名の参加を得ました。 説明会では、竹村事務局長がアジアの水問題の現状、過去の日本の物質循環の仕組みなどについて講演をし 6/10 ました。その後、事務局より第 1 回アジア・太平洋水サミットの説明をし、意見交換を行いました。 参加者からは「なぜサミットなのか」、 「もっと情報を発信してほしい」といった意見が多く寄せられました。 NGO や市民団体の方々からいただいた意見は今後の準備活動に活かしていきたいと考えています。 (東京会場) (福岡会場) ************************************ ■ 水に関するTVドキュメンタリー制作会議 出席報告 報告者:福本しのぶ 7 月 12 日に、マレーシア・クアラルンプールにおいて、アジア・太平洋放送局連合(Asia-Pacific Broadcasting Union :ABU) 主催のもと、水に関するTVドキュメンタリー制作会議が開催されました。日本水フォーラムは、 アジア・太平洋水フォーラムの事務局として本会議に参加し、ドキュメンタリーの主題、内容や編集方法など について各国の番組プロデューサーと詳細な打ち合わせを行いました。 このTVドキュメンタリーは、第 1 回アジア・太平洋水サミットに向けて、水問題に対する意識向上や報道 関係者の能力向上を目的に企画され、主要な活動の柱(KRA3)(広報戦力拡充)の活動の一環として制作するも のです。 ネパール、ベトナム、中国、パプア・ニューギニア、マレーシア、日本の各放送局の協力によって、各国の 水事情、水問題を引き起こした原因や解決策などが盛り込まれる予定です。 完成したドキュメンタリーは、水サミットまでに各国放送局より各国言語によって放映されます。また、水 サミットにおいても紹介され、上映される予定です。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第 1 回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 7/10 ■ 大分県の準備状況Vol.4 報告者:安倍誠 8 月 1 日は「水の日」 、昭和 52 年からこの日を初日とする一週間は「水の週間」とされています。この水の 週間中、水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性に対する関心を高め、水に対する理解を深める ため、水に関連する諸行事が全国各地で行われています。 夏真っ盛りの大分県内各地の海や川でも、水の恵みに対する感謝の気持ちを込めた夏祭りなどが、参加型の イベントとして数多く行われています。また、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からあの世へと送り出す送り 火の一種として、盆の終わりに、供物や灯籠をわらや木で作った舟に乗せ、川や海に流す「精霊流し」や「灯 籠流し」が県内各地で行われ、この時期の風物詩となっています。暑い日が続きそうな夏、水辺で思いっきり 楽しめて風情のある大分、ご家族やご友人との夏休み旅行先としてお薦めします。 さて、大分県の準備状況ですが、水サミット初日 12 月 3 日(月)の夕方からビーコンプラザ・レセプション ホールで開催する大分県主催の「歓迎レセプション」の運営体制が決まり、具体的なお迎え内容の検討に着手 しています。レセプションでは、47 国 2 地域の首脳級の方々をはじめとした参加者との国際交流を深め、大 分の魅力を発信する場にしたいと考えています。 会場全体を大分の魅力で包むおもてなしの雰囲気づくりから、アトラクションの実演などを通じて、歓迎の 意をお伝えしていきます。また、参加各国の食習慣や宗教をはじめ、ベジタリアンの方に配慮しつつ、県産食 材を使用した大分の郷土料理を堪能できる「豊の国メニュー」をご提供します。併せて、原材料名などの表示 にも配慮し、適切なプロトコールに努めていきたいと考えています。 また、水サミットの運営を支援していただける学生ボランティアの募集も開始しました。各国首脳や各界の トップと身近に接し直接言葉を交わせる絶好の機会であり、学生にとっても貴重な経験になると考えています。 活動内容としては各国首脳級のアテンド、会場運営や送迎・案内業務の補助などであり、県内各大学から留学 生をはじめとした多くの学生の参加に期待を寄せているところです。 これから、会場の企画展示やエクスカーションなども具体化していきますが、来県される方々から、 「大分 県別府市が開催地で良かった。」との印象を与えることができるように、心を込めた「おもてなし」の準備を 進めていきます。 ************************************ ■ 別府のみどころ(観光施設編①) 報告者:河村昌秀 別府の温泉と共に魅力的なものが「地獄めぐり」を代表とする観光施設の充実ぶりです。2 回に分けてご紹 8/10 介します。 ■「地獄めぐり」 250mから 300mの地底から噴き出る熱湯、噴気の様子を地獄といい、別府ならではの体感スポット。摂氏 98 度もあるが涼しげなコバルトブルーの「海地獄」や真っ赤な湯が煮えたぎる「血の池地獄」、約 20mも熱 湯を噴き上げる「龍巻地獄」など珍しいものばかりです。地球の生きざま、灼熱の息遣いを体感できる 8 つの 素顔を是非あなたの目で… ■水族館「うみたまご」 海と山に囲まれた水族館で、世界最大級のタッチプールで魚をじかに触ったり、イルカやラッコのパフォー マンスショーなどを楽しんだりできます。 ■国立公園「高崎山自然動物園」 別府湾に面し、瀬戸内海国立公園内に位置する野猿の里。約 1700 頭の猿が 3 つの群に分かれ、毎日エサ寄 せ場に現れほほえましい交歓風景を見せてくれます。 ■スギノイパレス 大展望露天風呂「棚湯」は約 1200 坪の広さを誇り、棚湯風にデザインされた 5 段の湯船からは、別府市街 地はもちろん別府湾を一望できます。その他各種イベント、ショー・ボウリング場やゲームコーナーアミュー ズメントが充実しています。 ■城島後楽園ゆうえんち 大自然に恵まれた高原に木製ジェットコースターや大観覧車やおもちゃ王国など子供から大人まで楽しめ るアトラクションが目白押しです。また隣接してゴルフ場やホテルもあります。 ■ワンダーラクテンチ 春は桜、秋には菊花展。フラワー大観覧車やレインボー大吊橋、パノラマ温泉そして名物アヒル競争で一日 中楽しめます。 まだまだ魅力的な施設がたくさんあります。次回をお楽しみに! ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 【第 111 回河川文化を語る会】 講演『ふるさとの見分け方と日本の川づくり』 主催者名:(社)日本河川協会 開催日時: 2007 年 8 月 23 日(木)18:00~20:00 開催場所:シェーンバッハ・サボー(砂防会館) 3F「穂高」 9/10 (東京都千代田区平河町 2-7-5 砂防会館 TEL:03-3261-8390) 内容:「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの知識を習得するこ と、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的として毎月開催しています。幅広い分野からゲ ストスピーカーをお招きし、講演と質疑および意見交換の時間を設けています。 第 111 回は、東京工業大学大学院社会理工学研究科 教授の桑子敏雄 氏に『ふるさとの見分け方と日本の川づ くり』と題して、ご講演をいただきます。 問い合わせ先: (社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm ************************************ ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載されている記事の内容に関し ての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わせは各問い合わせ先までお願いいたします。 ************************************ ※ "「掲示板」コーナー"掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベントやシンポジウムへの参加 の呼びかけをして頂くために“「掲示板」コーナー”を日本水フォーラムのニュースレター紙面上に設けており ます。掲載ご希望の方は、[email protected]までご連絡下さい。追って、 「掲示板」コーナーへの掲載の 取扱基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町 1 丁目 8-1 半蔵門MKビル 5&6 階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp ニュースレター配信不要の方は、担当:唐澤、近藤までご連絡下さい。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 10/10 JWF News Vol.36 2007年9月5日 発行:日本水フォーラム ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ----- 目 次 ----● 巻頭言 氷河消失 ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 日本水フォーラムからの報告 ストックホルム世界水週間出席報告 第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム 「気候変動と水」開催報告 JWF Fund(日本水フォーラム基金)2007 について 節水リーダー 水の日『夏休み 親子で考える節水学級』開催報告 ダルビッシュ有水基金 第1号プロジェクト進捗状況 打ち水大作戦2007閉幕 打ち水大作戦関連イベント「親子お水教室」開催報告 打ち水手ぬぐいで洪水復興支援活動援助 in バングラデシュ ● 第1回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ・ 「第 1 回アジア・太平洋水サミット」運営委員会 第二回会合報告 ● 第1回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ・ 大分県の準備状況Vol.5 ・ 別府のみどころ(観光施設編②) ● 「掲示板」コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 巻頭言 氷河消失 事務局長 竹村公太郎 アフガニスタンの氷河融解難民 8 月 6 日に「第1回アジア・太平洋水サミット」運営委員会第二回会合が開催され、12 月の本番 に向け様々な内容が議論され有意義な会議となりました。その具体的な内容は、このニュースレ ターでも報告されますのでお読みください。 8 月 6 日の運営委員会終了後、委員の方々と食事をしたとき、運営委員でありアルピニストの野 口健さんと席を共にしました。野口さんは世界中の山岳を踏破されています。 前からお聞きしたいことがあったので、早速質問をしました。「世界の氷河が融けていると報道 されていますが、実感としてそうですか?」 野口さんは即座に「その通り、氷河の減少は自分も実感しています」と答えられました。さらに 野口さんは「アフガニスタンの難民キャンプへ行った時、難民の皆さんと話をした。彼らは戦争で 難民になったというより、水がなくなってしまったので難民になってしまった」「アフガニスタンのヒ ンズクシュ山脈の氷河が融け、水がなくなったから」と難民の人々が言っていた、とのことでした。 世界の氷河融解 近年、氷河の融解のニュースが次々と入ってきます。 ヨーロッパアルプスは今世紀中に姿を消す。ボリビアのチャカルタ氷河はこの 10 年で急激に縮 小し、2005 年になくなってしまった。北極グリーンランド最大の厚さ 1km 幅 6.5km のヤコブスハン 氷河は、この 10 年で速度を2倍にして海に滑り出している。(ナショナル・ジオグラフィック 2007 年 6 月) アジアではヒマラヤの氷河の融解と後退が、多くの研究機関によって報告されています。 氷河はいったん融け出すと、その融解速度は一気に加速していきます。それまで氷河の白い 表面が太陽を反射して、熱を吸収しませんでした。ところが、氷河が融けると山肌の黒い岩がむ き出しとなり、太陽熱をどんどん吸収してしまうのです。 北極でも同じ現象があります。海を覆っていた氷河が融けると、海が太陽光を直接吸収してし まい温度を上げ、さらに氷河の融解が促進されてしまいます。 科学者たちがコンピューターで予測していた以上に、世界中で氷河の融解が急速に進んでい るようです。 氷河融解の影響 南米ボリビアやペルーそしてアジアのインドでは、氷河からゆっくり流れ出す水は、飲料水や農 業用水や水力発電として使用されています。その氷河が消失していくことは、天然の水瓶が失わ れていくことです。 特に、ヒマラヤは中国の長江と黄河の水源地にもなっています。このヒマラヤの氷河の消失は、 アジア地域に大きな影響を与える可能性があります。 地球環境がおかしくなると、干ばつ、洪水、水質汚染、海面上昇と、すべて水の現象となって現 れてきます。世界の水、アジア・太平洋の水、日本の水を考えるためには、地球の環境全体を考 えざるをえなくなってきました。 世界の経済はグローバル化したと云われますが、水のほうが遙かにグローバル化していること に気が付きます。 世界の人々が各地の情報を交換し、問題点を早く明確にし、その具体的な解決策を考え、政策 責任者に提示すること。それが求められているようです。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 日本水フォーラムからの報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ ストックホルム世界水週間出席報告 報告者:横田 妙子 毎年恒例の世界水週間が 8 月 12 日から 17 日の日程で、スウェーデン・ストックホルムにおい て開催されました。日本水フォーラムも第 3 回世界水フォーラム事務局時代より毎年参加してい ます。世界の水関係者が一堂に会するため、会議場では会議に参加する人のほかに、この機会 を捉えて、少しでも多くの人たちと打合せをしようという人々の姿が多く見られました。 今年は、日本水フォーラムとしての活動のほか、NoWNET(Northern Water Network)事務局、 アジア・太平洋水フォーラム(APWF)事務局、第 1 回アジア・太平洋水サミット事務局として、セミ ナー、サイドイベントの開催、ブース展示による広報などを行いました。主催者であるストックホル ム水研究所(SIWI)が毎日発行した Daily Newsletter には、その積極的な活動を反映して、スタッ フの写真が何度も掲載されました。http://www.worldwaterweek.org/ ・ NoWNETワークショップ「知識・技術交換を通じたMDGs達成への取組」開催報告 世界水週間の第 1 日目である 8 月 12 日に、NoWNET(Northern Water Network)の主催で、「知 識・技術交換を通じた MDGs 達成への取組」ワークショップを開催しました。 NoWNET は、発展途上地域の水問題の解決を図るため、先進諸国間の情報交流を進める「北 ‐北連携ネットワーク」を構築するために発足しました。現在、9 機関で構成されており、日本水フ ォーラムが事務局を務めています。主要国際会議(ストックホルム水シンポジウム、世界水フォー ラム等)で各種イベント(セミナー、ワークショップ等)を開催するほか、共同研究や二国間の交換 プログラムなどを実施しています。 ワークショップでは、開会挨拶で、世界水パートナーシップ事務局長のガブリエリ氏より、 NoWNET の発足経緯、活動状況の紹介がなされると共に、ミレニアム開発目標達成に向けての 知識交換・技術移転の重要性が力説されました。開会挨拶に続き、各スピーカーより、先進国の 食糧と水管理に関する経験、発展途上国における水管理に関する現状、及び先進国の発展途 上国における支援活動に関して発表がなされた後に、各スピーカーをパネリストとしたパネルディ スカッションが実施されました。日本水フォーラムの竹村事務局長からは、先進国の経験として 「日本の農業と水管理に関する歴史と未来」というタイトルで発表があり、数多くの質問が寄せら れました。 本ワークショップを通じ、ミレニアム開発目標の達成に向けて、様々なステークホルダー間で の対話、発展途上国と先進国の間での双方向の対話、経験・知識の共有の重要性が認識されま し た 。 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 実 施 報 告 に つ い て は 、 近 日 中 に NoWNET の ホ ー ム ペ ー ジ (http://www.northernwater.net/)に掲載予定です。 ・ 第 5 回世界水フォーラムに向けた準備活動 12 日に開催された第 5 回世界水フォーラム国際運営委員会(ISC)会合には、同委員会のアド バイザーを務める尾田日本水フォーラム相談役の代理として出席しました。会合では、同日午前 に行われた第 5 回世界水フォーラム事務局(トルコ)、世界水会議(WWC)の代表からなる政治委 員会、プログラム委員会、コミュニケーション委員会での議論を踏まえて、各委員会より準備プロ セスの進捗状況が発表されました。 共同議長であるフォーション WWC 会長は、第 5 回世界水フォーラムの最も重要なプロセスのひ とつとして位置づけられている政治的プロセスの強化においては、自身が運営委員を務める第1 回アジア・太平洋水サミットについて触れ、そのプロセスを参考にするようにとの発言がありまし た。今後、政治的プロセスの準備活動においては、フォーカスグループ(約 20 カ国の政府高官か らなるグループ)を中心に行っていくことが提案され、その第一回会合は、2007 年 11 月に開催さ れる予定です。 本会議の後には、非公式のコミュニケーターグループ会合も開催されました。 13 日には、第 5 回世界水フォーラムに向けた昼食サイドイベントが開催され、150 名を超える参 加者がその準備活動の進捗状況を共有することとなりました。イベントでは、2009 年 3 月 15 日~ 22 日の 8 日間のプログラム概要やテーマなどの情報の記載された第一次アナウンスメントも配布 されました。 ・ 昼食サイドイベントの実施 15 日の昼食時には、アジア・太平洋水フォーラム(APWF)、世界経済フォーラム(WEF)、世界 水パートナーシップ(GWP)の共催で、「持続可能な成長のための水:水問題を世界の優先事項 にするためにはどうしたらよいのか?(Water for Sustainable Economic Growth-How do we elevate Water as a global priority)」を開催しました。 100 名以上が参加した本イベントでは、来年 7 月の G8 北海道・洞爺湖サミットなど、主要なハイ レベル会合において、水を議題として取り上げるためにはどうしたらいいのか、何が必要なのか、 ということについてパネリストが議論しました。 フランス政府(G8 エビアンサミットの議長国として)、ネスレ、WEF、APWF、アジア開発銀行 (ADB)とバラエティに富み、かつ水に関するさまざまな分野を代表するパネリストによる議論は、 ファシリテーターを務めた GWP のキャトレイ・カールソン氏によって非常にテンポのよい、活発な ものとなりました。 議論のポイントは以下の通りです。 水問題の複雑性を強調せず、解決策が「そこにある」ことを示すことで、政治家が取り組 みやすい問題として認識してもらうことが重要 水問題の「物語(narratives)」を創り上げていくことが必要 水問題が解決できなかったときのデメリットだけでなく、解決したときのメリット(waterdividend:水の配当金)を強調していくことが重要ではないか 水のスターン報告書が必要ではないか?誰が書くのか?? 国レベル以外の関係者の取組が重要(農業従事者、地方自治体等) サイドイベントのレポートは、期間中の他のイベントのレポートなどと一緒に、追って世界水週 間のホームページに掲載される予定です。http://www.worldwaterweek.org/ ************************************ ■ 第1回アジア・太平洋水サミット開催記念シンポジウム「気候変動と水」開催報告 報告者:平山 周一 今年 12 月に開催される第 1 回アジア・太平洋水サミットに向けて、8 月 6 日に「第 1 回アジア・ 太平洋水サミット」運営委員会第二回会合が開催されました。 国内外の有識者で構成される運営委員が一堂に介するこの機会をとらえ、第二回会合の翌日 である 8 月 7 日に、水サミットにおいて主要な議題となる「気候変動と水」をテーマとして、第 1 回 アジア・太平洋水サミット開催記念-シンポジウム「気候変動と水」-を開催致しました。本シンポ ジウムでは、森喜朗 第1回アジア・太平洋水サミット運営委員長より開会のご挨拶を頂き、ハ ン・スンス気候変動国連事務総長特使より基調講演を行っていただきました。また、国内外の「気 候変動と水」に関わる分野でご活躍されている有識者の皆様をお迎えし、国・地域レベルでの気 候変動に伴う水問題及びそれに対応した取り組みについてパネルディスカッションを行いました。 シンポジウムの報告書、当日配布資料等については第 1 回アジア・太平洋水サミット HP (http://www.watersummit.jp/)に掲載されています。 ************************************ ■ JWF Fund(日本水フォーラム基金)2007 について 報告者:福本 しのぶ JWF Fund は、地域の水問題を解決するために草の根的な活動を行っている発展途上国の団 体に対し、活動資金の援助を行うことを目的に設立されました。1年に1回募集を行い、活動1件 あたり 1,000US$を上限として資金援助をしています。この基金には、日本水フォーラムの会員の 皆様から納入された会費の 3%を直接充当しています。 JWF Fund 2007 は、7 月 1 日から 31 日まで、日本水フォーラムの読者 2,000 人余のニュースレ ター(英語版)及びホームページにて募集を行ったところ、29 ヶ国から 232 件の応募がありました。 水供給、衛生、水・衛生に関する教育などに関するプロジェクトの応募が多く、特に、井戸堀り、 雨水貯留タンクの設置やトイレの建設といった小さなインフラ整備から、子どもや女性への衛生 教育プログラムなど、様々なプロジェクトが応募されています。 書類選考、第1次選考を経て、JWF Fund 審査委員会において最終審査を行い、9 月末までに 受領者を決定する予定です。 <参考> JWF Fund 2005 の支援実績 (2005 年実施) 34 ヶ国から、156 の活動の応募受付→ バングラデシュ、ラオス、ナイジェリアなど、18 の活動に計 17,831 US$を支援 JWF Fund 2006 の支援実績 (2006 年実施) 30 ヶ国から、121 の活動の応募受付→ ネパール、フィリピン、ベトナムなど、16 の活動に計 15,794 US$を支援 *********************************** ■ 日本水フォーラム節水リーダー 水の日『夏休み 親子で考える節水学級』開催報告 報告者:諫山 亜依 8月1日に、水の日『夏休み 親子で考える節水学級』が、日本水フォーラム主催(P&G株式 会社特別協賛)で開催され、日本水フォーラム節水リーダーを始め、小学生とその保護者約70 名が参加しました。 水の大切さについて再認識を呼びかけ、お皿洗いでできる節水について学んだ今回のイベン トは、日常生活で簡単に始めることのできる節水法を具体的に伝えることができた非常に有意義 な機会であったと考えています。 イベント開催報告書等は、日本水フォーラム節水リーダーサイト (http://www.sessui.info/news/2007/08/post_1.html)にて掲載しておりますので、ご参照くださ い。 ************************************ ■ ダルビッシュ有水基金 第1号プロジェクト進捗状況 報告者:浅井 重範 ダルビッシュ有水基金の第1号プロジェクトとなったネパール・チトワンでの「学校内の井戸建設 プロジェクト」は、深井戸の掘削を無事に終え、現在、貯水タンクの土台の建設が行われています。 水質検査の結果では、砒素による地下水汚染もないようです。予定では 9 月中には工事は全て 完了し、学校に通う 2,000 人の子どもたちに安全な水が行き渡るようになります。 8 月 29 日現在、ダルビッシュ投手は 13 勝を挙げ、これまでのダルビッシュ有水基金の積立金 額の総計は、一般の方からの参加を含めて、1,602,967 円となりました。 http://www.waterforum.jp/jpn/darvish/ *********************************** ■ 打ち水大作戦 2007 閉幕 報告者:浅井 重範 大暑 7 月 23 日に開幕した打ち水大作戦 2007 が処暑 8 月 23 日に閉幕しました。 閉幕日には、お台場(東京都・港区)で「みなとお台場打ち水大作戦」が開催されました。1.7 ト ンの下水再生水を使った 1,200 人のいっせい打ち水で気温が 33℃から 31℃に 2℃低下しました。 この打ち水大作戦には、アルピニストで第1回アジア・太平洋水サミット運営委員を務めていただ いている野口健さんも参加されました。ヒマラヤ山脈の氷河が溶け出し、バングラデシュ等の下 流域で洪水被害を頻発させる、などといったご本人が目の当たりにされた地球温暖化による水問 題についてお話をされました。大変魅力的な語り口で、気候変動と水問題、打ち水大作戦の意義 等を多くの方に知っていただく非常に良い機会となりました。 猛暑が続いた今年の夏、打ち水大作戦 2007 には、その期間中、日本全国で昨年の 770 万人を 大きく上回る、961 万人(打ち水大作戦本部推定)の方々がそれぞれのご家庭・お勤め先等で参 加されました。また、海外では、日本水フォーラムが外務省とともに防災教育指導者育成事業を 行っているスリランカでも打ち水大作戦が行われました。 打ち水大作戦本部の実施したアンケートに、打ち水大作戦の参加者の 26.9%が「環境問題に興 味を持った」、21.5%が「風呂水、室外機の水、雨水などを捨てない、貯める習慣がついた」、10.1% が「冷房に頼らなくなった」「道路を掃除するようになった」と回答しました。また、「水道水はご法 度」というルールの認知度は昨年に比べて若干上昇しましたが、雨水や風呂水、室外機の水、洗 い物のすすぎ水などの2次利用水で打ち水をされている方は半数に留まり、半数の方が水道水 で打ち水をされていることが判明しました。水を繰り返し大切に使いながら、ヒートアイランド現 象・地球温暖化に立ち向かうという「打ち水大作戦」の意義を伝えていくための、継続的な努力が 必要であることを再認識しました。 閉幕後でも暑い日にはぜひ打ち水しましょう。 http://www.uchimizu.jp/ ************************************ ■ 打ち水大作戦関連イベント「親子お水教室」開催報告 報告者:都築 ゆかり 銀座通りで打ち水が行われた8月5日(日)には、銀座の打ち水大作戦主催者である銀座通連 合会のご協力の下、地下鉄銀座駅構内オアシス広場にて、「親子お水教室」を開催しました。 小学生を対象に、打ち水や江戸文化、雨水、節水の話を「博士」の授業形式で行い、自宅で簡 単にできる打ち水グッズや雨量計などを作る参加型のワークショップを開催しました。 約 1 時間のワークショップを 4 回開催したところ、銀座を行き交う多くの親子連れの注目を集め、 飛び入りの参加者も多く、合計約 100 名が参加しました。 参加者からは、「おもしろかった。」「偶然通りかかって、楽しい教室に参加できてよかった。」な どの感想がありました。子供たちだけなく、桶作りやうちわ作りに夢中になっている大人の姿もあ り、親子で楽しくワークショップに参加されていました。 ************************************ ■ 打ち水手ぬぐいで洪水復興支援活動援助 in バングラデシュ 報告者:都築 ゆかり 打ち水大作戦でおなじみの手ぬぐいをバングラデシュで製作し、販売価格の 10%をバングラデ シュの洪水復興支援活動に役立てる企画を昨年に引き続き今年も実施しました。 今年は972枚の手ぬぐいをバングラデシュで製作し、1枚600円で販売しました。 バングラデシュでは 7 月から各地で洪水による被害が出始め、多くの犠牲者や被災者、家畜へ の被害等が発生したことから、昨年度の手ぬぐい販売による積立金と今年度の手ぬぐい販売に よる支援金を合わせた108,220円を現地で洪水復興支援活動を行うNGOエクマットラ (http://www.ekmattra.org)に寄付しました。 寄付金は、エクマットラを通じて、被災地の村の約 2000 世帯を対象に、医師、ボランティアの派 遣、家畜の治療、医薬品の配布、乳幼児への生理食塩水配布などの救援活動に使用されまし た。 今後も、バングラデシュの洪水復興支援活動の成果を検証しつつ、このプロジェクトを継続して いきたいと思います。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第1回アジア・太平洋水サミット準備状況報告 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 「第 1 回アジア・太平洋水サミット」運営委員会 第二回会合報告 報告者:山口範子 8 月 6 日、ANA インターコンチネンタル東京にて、森運営委員長他、運営委員 16 名および特 別参加者 13 名出席のもと、「第 1 回アジア・太平洋水サミット」運営委員会 第二回会合が開催さ れました。本会合には、傍聴者として、在京大使を始めとするアジア・太平洋地域 35 カ国の代表 他 122 名が参加し、サミットへの関心の高さが伺われました。 冒頭、森委員長より、本サミットを成功に導くためには、一人でも多くの首脳の方々、各界の リーダーの方々にご参加頂くことが肝要である旨述べられました。アジア・太平洋水フォーラムか らは、エルナ・ウィットエラー執行審議会副議長より、リード組織を中心にとりまとめた主要提言素 案について、また、事務局を務める日本水フォーラムからは、サミットに向けた準備状況について 報告を行いました。出席委員からは、この報告に対して支持する発言やコメントが述べられた他、 各組織としてのサミットへの具体的な準備活動や提案について報告がありました。また、来賓とし て出席された岩屋外務副大臣、谷口国土交通技監からはご挨拶をいただきました。第三回会合 は、12 月 2 日(サミット前日)に別府で開催される予定です。 午後に行われたプログラム会合では、ラビ・ナラヤナン執行審議会副議長の議事のもと、サ ミットのプログラム案、招待者候補および招待プロセス、具体的なイニシアティブ等について、運 営委員による活発な意見交換が行われました。当日は、運営委員がインタビューを受ける機会な どもあり、サミットに関するメディアの注目の高まりも感じられました。 また、事務局のメディア戦略活動の一環として MaximsNewsWATER(下記)が新しくオープン しました。今後は、このようなツールも活用して、メディアを通じた情報発信を行っていく予定で す。 http://www.maximsnews.com/107mnunaugust09asiapacificwaterforum.htm ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 第1回アジア・太平洋水サミット開催地「大分」から ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 大分県の準備状況 Vol.5 報告者:安倍 誠 「第1回アジア・太平洋水サミット」の開催まで、あと 100 日になったことを記念し、去る 8 月 25 日 に「第1回アジア・太平洋水サミット 100 日前PRキャンペーン」を開催しました。 大分駅構内の改札口前にサミットのポスターやのぼりやパネル、そして配布する水をデイスプ レイし水サミット一色に飾り付け、スタッフは前後ロゴマーク入りのTシャツを着用し、背中でもおも いっきり広報活動を行いました。(某局のテレビニュースでは、スタッフの背中が大写しになってい ました。) 大分県内企業5社のご協力のもと、湯布院や、くじゅう連山、日田市や耶馬溪など大分県の豊 かな自然が育んだ美味しい「水」1500 本を、氷で冷やしてサミットチラシとステッカーとセットにして 配布を行いました。 当日は 35 度近くの猛暑だったため、準備していた氷では間に合わず、何度も氷を調達しなが ら「水」を冷やしていましたが、電車の発着が重なる時には冷やした飲料水の配布が間に合わな いほどの盛況ぶりで、スタッフは「水」を配りながら、脱水症状をおこしそうなぐらいフル回転でし た。当日は地元テレビ局3社のニュースで取り上げられると共に、翌日の新聞朝刊でも3社が写 真入りで大きく取り上げてくれました。 また、同日夜大分市内の九州石油ドームで開催された大分トリニータ・ヴィッセル神戸戦にて、 大型ビジョンでサミットの紹介を行いました(入場者数は約1万8千人)。 今後も引き続き広報活動に力を入れ、サミット成功に向けて情報を発信していきます。 ************************************ ■ 別府のみどころ(観光施設編②) 報告者:河村 昌秀 先月に引き続き別府の観光施設を紹介します。 ■ハーモニーランド 愛と夢、キティちゃんを筆頭にサンリオキャラクターがお迎えしてくれます。とにかく優しい気持 ちに逢える国です。 ■九州自然動物公園「アフリカンサファリ」 約115haの敷地内にシロサイやキリン、ライオン等70種1300頭羽の動物たちの野生の生 態を見学できるテーマパーク。野生動物に直接エサを与えられる「ジャングルバス」の他に「リス ザルの森」「ふれあい牧場」などがあります。 ■近鉄・別府ロープウェイ 101人乗りの大型ゴンドラで、阿蘇くじゅう国立公園内の鶴見岳山頂まで10分で登ることがで きます。春は桜、夏は市街地を眺める夜景、秋は紅葉、冬は霧氷と四季折々の季節と風景でや すらぎと感動の発見を! ■アクアビート 一年中、常夏気分が味わえるウォーターアミューズメントパーク。穏やかな波が打ち寄せるアク アビーチを中心に、回転しながら滑り落ちるウォーター絶叫マシーン等スリル満点の設備やキッ ズパーク等が完備された施設です。 ■別府市竹細工伝統産業会館 別府市の伝統工芸である竹細工について、テーマごとに人間と竹とのかかわりを展示した施 設で、その他竹細工に関する資料室や体験室もあり、実際に竹の文化に触れることができます。 ■湯の里 江戸時代から脈々と続く「湯の花」を生成する藁葺き屋根湯の花小屋から白い煙が立ち上る風 景は、昔ながらの湯治場の雰囲気を残しています。別府湾が一望できる露天風呂などが設置さ れ、郷土料理のだんご汁や鳥天などを食することができます。 ぜひ温泉で癒された後に、お立ち寄りください! ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 掲示板コーナー ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ■ 【第 112 回河川文化を語る会】講演『富山湾の神秘―蜃気楼の不思議にせまる―』 主催者名:(社)日本河川協会 開催日時: 2007 年 9 月 20 日(木)14:00~16:00 開催場所:サンシップとやま 1F 福祉ホール (富山市安住町 5-21 TEL:076-432-6141) 内容:「河川文化を語る会」は、川と人との関わり(河川文化)について様々な側面からの知識を 習得すること、および川や水に関心のある方々の交流を深めることを目的として毎月開催してい ます。幅広い分野からゲストスピーカーをお招きし、講演と質疑および意見交換の時間を設けて います。第 112 回は、富山大学人間発達科学部 教授 市瀬和義 氏に『富山湾の神秘―蜃気楼 の不思議にせまる―』と題して、ご講演をいただきます。 問い合わせ先:(社)日本河川協会「河川文化を語る会」事務局 TEL:03-3238-9771 FAX:03-3288-2426 http://www.japanriver.or.jp/kataru/kataru_index.htm ************************************ ■ 『WATEC Israel 2007』へのご出展・ご参加案内 主催者名:『WATEC Israel 2007』 開催日時:2007 年 10 月 30-11 月 1 日 開催場所:The Israel Trade Fairs & Convention Center (テルアビブ、イスラエル) 内容: 当イベントでは、水と環境技術に関する最新動向が発表される予定です。 今後 15 年間で必要な飲料水の 35%が不足すると言われており、関連する技術開発の需要が高 まっています。イスラエルは世界で最も乾燥している地域の一つであり、自国の水不足の解消の 為にこれまで培われてきた豊富な技術開発の経験を活かし、世界中の水不足の問題に貢献する ソリューションを提供しています。 日本の皆様の『WATEC Israel 2007』へのご出展・ご参加を心よりお待ち申し上げております。 在日イスラエル大使館 経済部 経済公使 アミラム・ハレヴィ 問い合わせ先: http://www.israel-keizai.org/ (日本窓口) http://www.watec-israel.com/ (主催者) ************************************ ※ 免責事項:日本水フォーラムは、ニュースレター「掲示板」コーナーに掲載され ている記事の内容に関しての一切の責任は負いかねます。内容に関してのお問い合わ せは各問い合わせ先までお願いいたします。 ************************************ ※ "「掲示板」コーナー"掲載記事募集について 水問題解決に向けた取り組みや、水に係わる様々な活動として開催されるイベント やシンポジウムへの参加の呼びかけをして頂くために“「掲示板」コーナー”を日本 水フォーラムのニュースレター紙面上に設けております。掲載ご希望の方は、 [email protected]までご連絡下さい。追って、「掲示板」コーナーへの掲載の取 扱基準等をお送り致します。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 発行:日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目8-1 半蔵門MKビル5&6階 TEL:03-5212-1645 FAX:03-5212-1649 E-mail:[email protected] URL: http://www.waterforum.jp 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