ILASセミナー :フランス文学入門 ―「手 紙」としての小説から 授業科目名 担当者所属 文学研究科 教授 ILAS Seminar :Introduction to the <英訳> 職名・氏名 French Literature-on "romans par letters" 群 開講年度・ 開講期 曜時限 少人数群 単位数 2単位 受講定員 2016・前期 (1回生定員) 8 (8) 人 水5 教室 田口 紀子 週コマ数 1コマ 授業形態 ゼミナール 配当学年 1回生 対象学生 全学向 文学部校舎 仏文研究室 (本部構 内) 使用言語 日本語 キーワード フランス文学 / 手紙 / 小説理論 [授業の概要・目的] フランス文学では、伝統的に演劇と詩が中心的なジャンルであり、小説が文学の名に値するジャ ンルとして市民権を獲得したのは18世紀後半になってからのことである。小説がたんなる気晴らし のための「つくり話」ではなく、人間とその生き方の「真実」を担う事ができるためには、「話の 語り方」(小説形式)についての模索が必要であった。「書簡体小説」はそのような模索の一つで ある。 書簡体小説は本文が「手紙」の形式を借りており、それにより書かれていることの信憑性を保証 するとともに、手紙の「書き手」を読者の現実に位置づけることで、現実と物語世界の接続を目指 した。また同時に他人の手紙を盗み読む快楽を読者に与えるねらいもあった。書簡体小説の多くが 恋愛(時に不道徳な恋愛)をテーマにしていることからも、それがうかがえる。 授業では、フランス文学における代表的な書簡体小説を読むことで、作家が「手紙」というメデ ィアを用いてどのような小説世界を構築しようとしたかを考える。 授業では、毎回簡単な課題を設定して、その課題について担当者に発表してもらい、全員で議論 を行う。なお、この授業に参加するにあたって、フランス語の知識は必要ではない。 [到達目標] ・フランス文学史の大きな流れを理解する ・「手紙」の形式をとった代表的な小説作品を読むことで、小説ジャンルの持つ意味、作品のテー マと作品形式の関係を了解できるようになる。 ・課題を考えることを通して、文学テクストの読み方を身につける。 [授業計画と内容] 第1回 ガイダンス 第2回∼14回 ・ フランス文学の歴史と小説ジャンルの変遷について ・ 書簡体小説の諸形式 ・ ギユラーグ『ポルトガル文』ー 単声形式とその意味 ・ ラクロ『危険な関係』ー 多声形式と重層的小説世界 ・ バルザック『谷間の百合』ー 書簡体小説から一人称小説へ 最終回 フィードバック ILASセミナー :フランス文学入門 ―「手紙」としての小説から(2)へ続く↓↓↓ ILASセミナー :フランス文学入門 ―「手紙」としての小説から(2) [履修要件] 特になし [成績評価の方法・観点及び達成度] 評価方法:平常点評価(出席状況、授業への参加姿勢、課題発表など) [教科書] 使用しない 必要な資料は授業の際にプリントで配布する。 [参考書等] (参考書) 授業中に紹介する [授業外学習(予習・復習)等] ・授業で取り上げるテクストについて簡単な課題を出すので、各自テクストを読み自分の考えをま とめておくこと。 [その他(オフィスアワー等)] ・授業の初回に必要な情報を告知する。
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