国民の義務の授業「権利と義務の原理を教える」 法則化☆風の如く 風林裕太 権利と義務は表裏一体である。義務を果たすから、権利が保障される。権利を得る ためには義務を果たさなければならない。 国民の義務も原理は同じである。日本国憲法で規定されている国民の義務は「勤労 の義務」「子女に普通教育を受けさせる義務」「納税の義務」である。これを説明する だけなら、10 秒で終わるが、その根本的な原理を理解させることが重要である。 授業では、 『アリとキリギリス』のイソップ童話を読み聞かせるところから始めた。 最後のキリギリスが、アリの家を訪ねてきて食べ物をねだるところで、いったん止 めた。 発問1:あなたがアリならキリギリスに食べ物を分けますか?分けませんか? 発表させる。教室の意見は真っ二つに分かれる。 ある程度意見が出たところで、話の続きを読み聞かせる。海外によって話の結末は違 うが、日本の場合は、アリは食べ物を分けず「キリギリスは、夏に遊んでばかりいた ことを反省しました。 」と物語は終わっている。 発問2:キリギリスはこの話で生存権を保障されていましたか? されていない。義務を怠ったからである。 発問3:キリギリスはどんな義務を怠ったのですか。 教科書の巻末にある日本国憲法の中から探させる。勤労の義務である。 指示1:あと2つ義務があります。探しなさい。 残りの義務を確認する。原理がわかるので、教科書の本文や重要語句を確認する作業 でも生徒は集中して取り組む。
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