中国短期留学レポート 中国・日本・ブラジル:3カ国の文化 06_00036 ユーリ・サントス・ファグンデス 今回の短期留学を通して中国では様々な面白い体験があり、日本滞在ブ ラジル人留学生としては日本で経験したことと、ブラジルで経験したこと とを比較して感想を述べていきたいと思う。ただし、ブラジルでは18年 間、日本では3年半、中国では16日間の経験だから、私自身の価値観と してはやはりブラジルで重ねた経験のほうは影響が強い。それは、年をと ってから海外で生活をはじめるときは、外国人から見た違う文化の善し悪 しを考え、ある程度考え方としては変わらないところは割と多いが、変わ るところもある。小さい頃海外で生活をはじめた場合は、社会や風俗習慣 に対する考え方は逆に母国の影響が少なく、暮らしている国の文化が身に つきやすいのではないかと思う。 さて、風俗習慣や中国社会環境に関して以下に私が思うそれぞれの違い をまとめた。 スキンシップ: スキンシップ: 中国: 若い女の子同士では、腕を組んで道を歩くのが普通。そして、 膝の上に座ることも見かける。友達同士では頬にキスしたり、 抱き合ったりすることはあまりないらしい。 日本: 友達同士ではあまりスキンシップがないように感じる。恋人 日本 同士では手を組むのが一番普通ではないかと思う。最近の若 い人は、恋人同士や夫婦のスキンシップが増えている。子供 に対しては添い寝、おんぶが代表。 ブラジル: 男と女同士では、初めて会ったときに挨拶と抱擁、そして頬 ブラジル にキス2、3回する。男同士なら挨拶と握手。女同士では道 を歩いているときに、中国のように腕を組むこともある。男 と女同士でも仲が良ければ腕を組む人もいる。 他人の 他人の目を気にすること: にすること: 中国: 中国人はあまり他人の目を気にしないように感じた。テン 中国: ションが高く、大声で喋ったりする人が多いのではないか と思う。また、恋人同士では公に相手の膝の上に座ったり キスしたりするのがよく見かけた。 日本: 日本人はよく他人の目を気にするように感じる。いわゆる 日本: 建前とのことで、日本社会では他人の目を気にするのがよ いとされている。そのため、人前では恋人同士でキスした り抱き合ったりするのがあまり見かけない。 ブラジル: ブラジル: 町の様子: 様子: 中国: 中国: 日本: 日本: ブラジル: ブラジル: ブラジル人は中国人みたいにあまり他人の目を気にしない。 テンション高く喋ったりするのも普通だが、大声で喋った りすることは中国ほど少ない気がする。また、恋人同士で は人前でキスしたり抱き合ったりするのがよく見かける。 中国では道が広くて、広々とした土地がたくさんある。中 国の面積は大きいので、距離の感覚も違うのではいないか と思う。 日本では道が狭くて、大都会の中でもかろうじて車1台が 通れるぐらいの道も結構ある。私が初めて東京に着いたと きは、ビルや家が狭く密集していたので、町の様子に驚き 大都会の感じはしなかった。 ブラジルは中国みたいに道が広くて、広々とした土地もた くさんある。世界中では中国が第3位、ブラジルが第5位 広い国であるので、距離の感覚はほぼ一緒ではないかと思 う。 以上より、風俗習慣や文化の違いは少し分かるようになった。また、言 語は文化に大きな影響があり、両方を分離することができないと思う。例 えば、日本語では人称代名詞がたくさんあるが、もし仮に地位、性別や場 面を問わず「俺」と「お前」だけだったら、隔たりの概念が少なくなり話 し方に関しては他人の目を気にする必要性がなくなるのではないかとい うふうに思う。また、学校でどれだけそういうことに関して厳しくされて いるのかとも重要。やはり国境を越えて他国の企業で働く見込みがあれば、 そういった文化や風俗習慣の違いが必ずあるから、あまり気にせずに回り が許される限り自然に振舞えばいい。 私自身の考えと経験では、カルチャーショックとはどこが核心かといえ ば、他人の目を気にするかしないかである。つまり、他人の目を気にする 文化からそれを気にしない文化へ移るほうが、その逆よりもカルチャーシ ョックを乗り越えることが楽な気がする。なぜなら、他人の目を気にしな い国で暮らせば、自分が何をしてもどうやって振舞っても、相手が気にし ないのでうまく会話のやりとりができる。つまり、自分のままでもいいと いうことだ。しかし、なぜ私と同じようにやってくれないのか、という気 持ちの強い人は少し困ると思う。
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