子どもが主体的に参加する 国語科学習指導の研究

小学校
国語科
子どもが主体的に参加する
国語科学習指導の研究
~音声表現活動を重視した単元構成の工夫を通して~
川崎町立川崎小学校
1
主題の意味
「子どもが主体的」とは
○ 子どもが自らの興味関心、知的好奇心から見通しを持ち、物事に積極的に向かっ
ている姿
○ 情報を受けるだけでなく、自ら考え、判断、行動し、自分なりの考えを創造し、
それを表現する姿
○ 一つの学習が次の学習へ、あるいは生活へ連続的につながっている姿
イ 「子どもが主体的に参加する」とは
○ 自らの力で課題を探し 、その自分の課題を満足させるために友達との交流を求め 、
表現し、お互いに高まろうとする子ども
○ 音声表現活動を通して、ものごとの意味を求め、見いだし、創りだしていく子ど
も
○ 自分の体験活動を振り返ったり、それを劇化して表現したりして、自らのセルフ
イメージを高めていこうとする子ども
○ 課題追究の過程において、表現・理解力、思考力、技能を駆使し、また、新しい
力を求めながら学習活動を進めていく子ども
○ 自分に付いた力を使って学習をまとめ、成就感・達成感を持つ。さらに、新たな
課題を発見する子ども。
ウ「学習指導法」とは
本校の捉える「学習指導法」とは、学習指導の方針を「何を・教えるか」から「ど
う・学ぶか」へと転換されたものである。また、従来のプログラム重視であった学習
指導からプロセス重視の学習指導への移行を試みる。さらに、知識事項の量を重視す
る学習指導から体験等を通して学び方を学ぶ(自学自習・自己実現の力)学習指導を
重視する。そのために教科の枠を柔軟に取り扱う、横断的・総合的な学習指導法を積
極的に取り入れる指導法を推進する。
エ「音声表現活動」とは
本校でとらえる表現活動とは、音読活動を基盤とした「音声表現活動 」「身体表現
活動」等を総合的に取り入れた活動である。
オ「単元構成の工夫」とは
本校での「単元構成」とは、体験的な活動を重視し、子どもが主体的に課題を発見
し 、課題を追究していく過程を教科の枠にとらわれずに仕組むということである 。
(生
活単元学習の導入)
「単元構成の工夫」とは、子どもが意欲を持って教材と出会い、その意欲を持続さ
せながら、全体の見通しを持って課題を追究し、単元の終わりには高まった自分の力
を自覚し、達成感・成就感を味わうように工夫することである。さらに、その単元の
学習が次の単元の学習へ、あるいは生活へ連続的につながっていくようにすることで
ある。
そのために、一単元は一教科という枠にとらわれずに柔軟に対処し、教科相互の内容
を積極的・効果的に関連付けて、横断的な指導(クロスカリキュラム)を行う。
また、これは、総合的な学習の時間と関連して取り組むことができる。
2 主題設定の理由
○ 社会の要請から
今日の社会は、国際化、情報化等にともなって大きく変化し続けている。しかもこ
の変化は、今後ますます加速化、拡大化していくことが予想される。また、子どもた
ちに関連した事件や犯罪等、深刻な問題も急増している。
ア
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このような現状の中、教育課程審議会の答申を踏まえて新しい小学校学習指導要領
が実施された。その内容は、完全学校週5日制の実施を踏まえ、各学校が特色ある教
育を展開し、子ども一人一人に「生きる力」を培っていくことを基本的なねらいとし
ている。
社会を生き抜いていくためには、いかに社会が変化しようと、自ら学 び、自ら考
え、判断、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力が必要である。また、他人と
ともに協調し、人の気持ちを考え、人を思いやる心、そして、たくましく生きるため
の健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。
こうした“生きる力”に必要な資質や能力を付けていくために、学校教育において
は、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し、その活動を通して、子どもの学
び続けようとする意欲を培い、自ら考え、判断、行動する主体的な学習の場や、子ど
もが友達どうし深く関わり合う学習の場、自分の思いを言葉や体で表現していく学習
の場等を設定していく必要がある。
以上のことから、子どもが主体的に参加する学習指導をめざす本校の研究は、21
世紀をたくましく生きぬく子どもの育成をめざす上で意義深いと考える。
○ 本校教育目標から
本校は 、「豊かな心とたくましく生きる力を持った児童の育成」を教育目標とし、
教育活動を展開している。また、この教育目標達成の具体的な姿として、めざす児童
像 を「す すん で学 び、 深く考 える 子ど も 」「心と 体を 鍛え 、くじ けな い子ど も 」「な
かよく助け合い、励まし合う子ども 」「草や木、人を大切にし、美しさ優しさを感じ
る子ども」としている。
子ども一人一人が、主体的、意欲的に活動していく中で、自ら考え行動し、友達と
関わり合い、自分の思いを表現し、自己認識・自尊感情を高めることが大切である。
さらに、子どもがよく考え、自ら学ぶ心を持つためには、自分の思考力、表現力を
駆使して、意欲的に自分の目的達成、課題解決を図り、達成感を味わわせることので
きるような単元構成が必要である。このような単元構成の工夫こそ、子どもが主体的
に参加し、活動する学習を作る原動力となると確信し、本主題を設定した。
○ 児童の実態から
本校の児童は、明るく人なつこく活発な児童が多い。いろんなことに対する好奇心
は旺盛であるが、根気強さや物事への集中力には個人差が多い。また、日常の話し合
い活動の中で、語彙の不足した会話が多く、コミュニケ-ションがうまく取れないこ
とから、友達の間でトラブルが起こることも多い。人の話を聞くということに関して
は、集会活動の様子からも、落ち着いて聞けつつある状況にはあるが、まだ不十分な
面がある。
標準学力検査の結果から、学力期待値は、全国平均に比べてかなり低い。また、セ
ルフイメージも低い現状にある。
このことから、子どもたちのよさを最大限に生かし、落ち着いた生活態度と学習態
度、基礎的な学力を身に付けさせること、また、自分の目標に向かって、自ら考え、
判断,表現する。そして、成就感をもち、自信と、さらなるやる気を持つというよう
な自己認識・自尊感情を学習の中で高めていくことが必要であると考え、本主題を設
定した。
3 研究の目標
○ めざす子ども像
ア 見通しを持ち、自分の良さを生かしたり、周りの人と協力したりして主体的に問
題解決に取り組む子ども
イ 周りの人の良さを認め、お互いに高め合い、より価値のあるものを追求する意欲
を持った子ども
ウ セルフイメ-ジを高めていく子ども
○ 研究目標
子どもに「音声表現をしよう」という目的を持たせ活動するまでの単元構成を工夫
することで、子どもが主体的に参加する学習指導法を究明していく。
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4
研究の仮説
学習指導において、教師が支援の立場に立ち、次のような手立てを取れば、児童が主
体的に学習に参加し、学習する喜びを味わうであろう。
① 子どもに「音声表現をしよう」という単元の中心となる目的を持たせる。
② 子どもが目的に向かって、主体的に課題追究学習を行うために教科等のわくをこえ
た単元構成を工夫する。
③ 子どもが成就感を持てる発表会の場と 、次への課題を発見できるような場を仕組む 。
④ 目的達成に向けて、子どもが課題追究学習を行うための基盤となる、日常活動を充
実させる。
5 授業の実際
(1)単元名
宮沢賢治朗読ブック集をつくろう!!
~6年単元 作品と出会う,作者と出会う~
① 本単元の考え方
本学級の児童は、国語の学習で教科書に載っている物語を読んだり、内容を話し合っ
たりする際には、相手を意識して、場に合った声で読んだり、自分の考えを友達の考え
と比較しながら考えることができるようになってきている。さらに、みんなの前で自分
たちが学習してきたことを発表することに興味をもっている子どもたちが多い。
5年生のときの参観日や、劇発表会において、積極的に自分の課題を追求し、相手に
感動してもらえるものをつくりあげていった。その結果、子どもたちはそれぞれの場に
おい て 、「 やっ てよ かっ た 。」と いう達 成感 を味 わうこ とが でき た。ま た、 6年生 にな
り、自分たちの活動の思い出もたくさん残していきたいという思いももっている。
本単元では、物語の構成や視点、表現方法がその作品をいかに魅力あるものにしてい
るのかを探ることを中心に学習を展開していく。また、作品の作者の生き方や、その作
者がどのような作品を作っているのかなどを調べる活動を通して、物語を読むときの視
点や国語学習の楽しさを発見できるようにしたい。
さらに、自分たちが学習した作品を朗読ブックにする活動を通して 、「思い出に残る
すばらしいものが作れた 。」という達成感をもたせることができるようにする。
学習材として 、生き方 、作品の内容面から子どもたちの興味・関心を高めるであろう 、
そして、読みの力をつけることができるであろう宮沢賢治をあつかうようにする。
そこで、指導にあたっては、次の点に留意しながら支援を行いたい。
まず、課題設定の段階では、女優長岡輝子が朗読した効果音入りのCD「やまなし」
を聴かせ 、作品のおもしろさと同時に 、朗読のすばらしさにふれるようにする 。そして 、
作品 を聴い た感 想を 出し 合い 、「自 分た ちも 彼女の よう な朗 読をし てみ たい 。」と いう
目的をもたせ 、「よりよい朗読をするために何をしたらよいのか」という学習課題をつ
かませるようにしたい。
次に、課題追求の段階では、よりよい朗読をするために、宮沢賢治の作品のおもしろ
さや作者自身の生き方を探る活動を展開する。作品のおもしろさという点では、物語の
視点や、構成、表現方法などがどのようにその作品をおもしろくしているかということ
を考えていく。その後、よりよい朗読をするために、速さ、強弱、抑揚、間、口調など
に着目してCDの朗読を分析し、速さ、強弱、抑揚、間、口調などに気づかせながら朗
読集を作っていくようにする。そして、できあがった朗読ブックをおうちの人や、全校
に聴いてもらう場を設定し、達成感をもたせるようにする。効果音づくりや表紙、カバ
ーづくりなどは音楽や図工の時間と関連させるようにする。
最後に、課題達成の段階では、自分たちでつくった朗読集を聞きあい、自分や友達の
高まった力を実感することで、さらに達成感を高めることがきるようにしたい。
日常の活動においても、全ての教科学習の中に、まとめ読み練習や速読を位置付けた
り、朝の会で継続的に朝の朗読を位置付けるなどして少しでも子どもたちの読みの力を
高めることができるようにしたい。
学校を欠席しがちな1名の児童については、調べ学習や朗読の中において明確に役割
をもたせたり、目的意識を何度も確認したりするなどして、少しでも主体的に学習に参
加できるようにしたい。また、1字1字たどりながらしか文章を読むことができない児
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童4名については 、文章の中の漢字を全て読むことができるように読みがなをつけたり 、
まとまりごとに印をつけるなどして、1分間に130字程度の速さで読むことができる
ようにしたい。さらに、全体の場で、声を出すことのない、児童1名については、常に
声かけをしたり、支持的な雰囲気を作っていくなどして彼女なりの表現ができるように
したい。
(2)単元の目標
○ やまなしを読み、よりよい朗読ブックをつくるための課題を見つけ、宮沢賢治の生
き方を調べたり、いろいろな彼の作品を読んだりしながら課題を追求していくことが
できる。
○ 作品の感動がよりみんなに伝わるにはどのような読みをすればよいのかを考え、場
面の様子や人物の気持ちが伝わるように朗読をすることができる。
○ 自分たちの朗読ブックが完成したことに達成感を味わうことができる。
(3)単元の計画(14時間)
学
習
課
設
定
過程
であう
きめる
しる
学
習
課
題
の
追
求
つくる
子どもの活動
長岡輝子のCDブック「宮沢賢
治を読む(やまなし )」を聴いて、
自分たちも朗読ブック集をつくろ
うという目的を持つ。
○ 「やまなし」を読み、朗読の仕
方と学習計画を話し合う。
教師の支援・留意点
自分たちの思い出に残るようにするだけで
なく、作ったものをおうちの人や全校で聞い
てもらおうとすることでさらに意欲を高める
ようにする 。
( 1)
○ CDを聴いて、よりよい朗読ブックを完成
させるために必要だと思うを出し合い、課題
を決定できるようにする 。
( 1)
○ よ り よ い 朗 読 ブ ッ ク 集 を つ く る ○ やまなしの魅力を探った後 、CDを聴いて 、
ための練習をする。
朗読の仕方の工夫を 見つけていくようにす
る。
・ やまなしの作品のよさを探ろう 。 ・ 作 品 の 視 点 、 構 成 、 表 現 方 法 な ど を 見 つ け
ていくようにする。
・ 長岡輝子さんのうまさの秘密を ・ 速さ、強弱、抑揚、間、口調などを練習す
探ろう。
る。
・ 宮沢賢治の生き方とその作品を ・ 図書室やパピルスホールなどの本を利用し
探ろう。
て生き方や作品を読み、自分がどの作品を朗
読するのかを決定する。
(5)
○
○
・
決定した作品ごとにグループで
朗読ブックをつくる。
朗読の練習をする。
・
どこに効果音をいれるのか、ど
んな音楽を挿入するのかを決め、
音作りをする。
・ グループで協力して録音する。
・
つたえる
学
習
課
題
達
成
やくだて
る
挿絵、カバー、表紙、文章など
を作成する。
(他教科)
○ つくったテープをおうちの人、
全校に聞いても らう。
○
これまでの学習を振り返る。
(4)本時案
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○
○
みんなで集めた宮沢賢治の作品の中から同
じ作品を選んだ友達どうしでグループをつく
り、朗読ブックをつくるようにする。
・
うまさの秘密を探った観点にしたがって朗
読をするようにする。
・
グループの中で、作品のよさを探り、その
作品のよさをより引き出すための音作りをす
るようにする。
・ グループごとに、うまさの秘密の観点にし
たがって朗読する。
・ 図工の時間と関連させ、内容に合わせた挿
絵や表紙をグループの中で協力して完成させ
る。
(6)
○ 自分たちがつくってきたものを友達どうし
で聞きあったり、おうちに返って、おうちの
人に聞いてもらったり、全校放送でかけても
らったりすることで、達成感を味わうことが
できるようにする。
○ 自分たちがつくったテープを聞きあったり 、
最初に読んだものと比較したりしながら、自
分たちの 活動と高まった力に達成感をさら
に高めることができるようにする。
(1)
(1)ねらい
場面の様子や人物の気持が伝わるにはどのように読めばよいのかを考え、強弱や
抑揚、間、速度、口調などを工夫して朗読をすることができる。
(2)展開
子どもの活動
1.朗読の練習をする。
主要発問・支援・留意点など
○
評価の観点
共 通 の 教 材 で あ る 「やま な し」 を 使 ○
自分なり
って 、 ま と め 読 み 、 役割読 み など 場 面
に工夫して
の様 子 が 伝 わ る よ う に朗読 の 練習 を す
朗読してい
る。
るか。
2,めあてを確認する
場面の様子がよく伝わるように朗読をしよう。
3。グループの中で練習をす
○
る
グループの中で速読の練習をした
○
場面の様
後、どのように読むのかを書き込み、
子が伝わる
その書き込みにしたがって朗読ができ
ような書き
るようにする。
込みをし、
自分の朗読
ここの会話は、も
う少し悲しそうに
読もう。
ここは、もう少し楽し
い感じが出るように
大きな声を出して
読もう。
に生かして
いるか 。。
ここは静かな感じ
が出るように小さ
目の声で読もう。
4.練習の成果を記録し、じ ○
自 分 の 担 当 場 面 を 朗読し 、 カセ ッ ト ○
ねらいに
ょうずになったところを確
に録 音 し 自 己 評 価 が しやす い よう に す
そった評価
認する。
る 。その際 、友達からの評価をもらい ,
ができてい
自分 の 朗 読 に 生 か す ことが で きる よ う
るか。
にする。
5,次時学習について話し合 ○
う。
自分の朗読の感想や友達の評価から 、
次に 何 を し た い の か を出し 合 うよ う に
する。
(5) 研究仮説について
①
「『 音声表現をしよう』という単元の中心となる目的をもたせる」について
はじめに、子どもたちに長岡輝子さんが朗読した CD「宮沢賢治朗読ブック」を聞
かせた。子どもたちは、宮沢賢治と同じ郷土で生まれた長岡輝子さんのこの CD を聴
いて 、「非 常に上手 だ 。」「様子が よくわかる 。」「お もしろかった 。」など の感想をも
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った。その後、教師から「みんなも長岡さんのような朗読ブック集をつくってみよう
か 。」と投げ かけ ると、 子ども たちは 、「自 分たちも つくっ てみた い 。」「長岡 さんに
負けないようにいいものをつくりたい 。」などと、非常に朗読集をつくることに意欲
的だった。
②
目的に向かって、主体的に課題追究学習を行うために教科等のわくをこえた単元構
成を工夫するについて。
単元の目的である「朗読ブック集をつくろう」が決まったため、自分たちが読みた
い宮沢賢治の作品を決めて読んでみた 。(資料1)しかし、上手に読むことができな
い。
( 課題 )そこで 、教科書の「 やまなし 」を使って 、朗読の練習をすることにした 。
まず、長岡輝子さんの「やまなし」を聞き、うまさの秘密をさぐった。すると、
○読む速度や間の取り方がうまくて聞きやすいことから、どんなふうに読むと聴いて
いる人が聞きやすいかを研究をしたのではないか 。。
○心がこもっていて人物の気持ちや場面の様子が伝わってくることから、物語のよさ
やおもしろさを長岡さんが味わっているのではないか。
○まったく間違うところがなく、余裕があることから、何度も何度も練習したのでは
ないか。
などのポイントを話し合った。
(写真1)
グループで「やまなし」の
そこで 、「やまなし」のおもしろさ(物
朗読練習をする子どもたち
語の構成や人物設定、表現方法や発想
のおもしろさなど)をみんなで見つけ
た後、速度や間に気を付け、人物の気
持ちや場面の様子などが表れるように
工夫 し て 自分 の 課 題 を解 決 し なが ら 朗読
の練習をしていった。
(資料1)グループごとに決めた作品
A グループ
「双子の星」
B グループ
「月夜のでんしんばしら」
C グループ
「雪渡り」
練習した後、グループごとに、自分
D グループ
「注文の多い料理店」
たちが読みたい宮沢賢治の作品のおも
E グループ
「どんぐりと山猫」
しろさを探った 。(写真2)そして、
F グループ
「カイロ団長」
朗読の練習をした 。(写真3)
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(写真2)子どもたちが話し合った
(写真3)カセットに録音しながら朗読
作品のおもしろさ
している子ども
③成就感を持てる発表会の場と、次への課題を発見できるような場を仕組むについて
(資料2)学習がおわっての感想
朗読の練習が済んだグループは
自分たちの朗読を録音し、それを
おうちの人に聴いてもらい、コメ
ントをもらうようにした。また、
最初に読んだ朗読と学習の最後に
呼んだ朗読とを比較し、自分につ
い た力を実感させ るよう
にし
た 。(資料2)
6
成果と課題
(1)成果
○
朗読ブック集をつくろうという活動を通して「音声表現をしたい」という目的
をもたせることができた。子どもに単元を通した目的をもたせることで、意欲を
持続させることができた。
○
子どもに単元の目的をもたせた後に、目的を達成させるための自分の課題をは
っきりさせるための活動(一次表現)を行った。そして、その課題を解決する過
程で子どもたちが国語科の力をつけていくことをねらった。このことは、主体的
に課題追究学習をおこなうことになった。
(2)課題
○
達成感を味わわせるということから、自分についた力を実感させるということ
と、おうちの人からコメントをもらうという2点を考えた。しかし、自分たちが
つくったものが他の友達や他のクラスにも活用してもらえるといったことがあれ
ばさらなる達成感を味わわせることができるのではないか。
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