医師 吉田 栄香 私はスペインにいたことがあります。警察でビザの申請をするのですが、書 類の提出まで7回も通いました。まず1回目に番号札が必要と知りました。毎 日配り始める時間と場所が微妙に違うので、もらうのが大変でした。2回目は 14時きっかりに窓口が終了し、唖然としました。番号札はただの順番で、時 間がきたら何時から待っていても終了、笑顔で“残念、Hasta mañana(また明 日)”です。3回目でやっと窓口へ、書類の不備を指摘され、4回目にはまた別 の不備を指摘され…1回に1つ、7回目でやっと受けつけてもらえました。 非効率でのんきな仕事ぶりですが、スペインではよろずにわたってこの調子 です。救急車は20分以内には着かないというし、サイレンを鳴らし疾走する パトカーの警官が、歩道に向かってにこやかに手を振っている。 スペインの人々は病院に行きたがりません。不調であれば、まず薬局に行き 薬剤師に相談し薬を買うそうです。世界でインフルエンザが大流行した時も“イ ンフルエンザって何?風邪でしょ?風邪をひいたら、暖かくして寝れば良くな るよ”と笑顔。また友人の祖母が急にろれつが回らず、食事が出来なくなった 時も、まず“寝れば良くなる”。流石に良くならず、相談されたので受診を勧め ましたが、一族会議の結果、 “寿命かなぁ、本人も病院を嫌がっているし、なる ようになるよ”とそのまま、みなで世話していました。 友人曰く、スペイン人の寿命は世界で3番目に長いそうです。統計が不正確 なのでは?とも思いますが、昼にシエスタし、夜も夏は0時過ぎまで太陽が沈 まず、“生きている”時間は本当に長い国です。 今スペインに、リンゴの幹細胞からつくられたアンチエイジングの化粧品が あります。発売開始は予定より遅れましたが(やっぱりスペイン)、肌に無理さ せすぎない良好な使い心地です。紫外線など外界の刺激から体を守る皮膚には いつも負担がかかっています。しみ・しわ等もその影響です。怪我することも あります。皮膚に無理させないような、日々のケアや治療(レーザー・ピーリ ング・手術)を行うことで皮膚の抵抗力を高め最良の滑らかな状態に保つ、そ れが私の目標です。
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