外国語教育センター よし 氏 名 しげ み き @ 重 美 紀(准教授) 専門分野 主な研究テーマ ○学生のモチベーションを高める読解教材に関する研究 ○地域における留学生交流(留学生シンポジウムの開 催):平成18年度学内重点プロジェクト 平成18年度の研究内容とその成果 挙げた面白いテキストの7つの特徴のう 1)英語の読解指導において、学生に英語 ち、4つは学生が挙げた項目と一致しまし の読解力をつけたいとさまざまな取組みを た。すなわち、内容では「興味が湧く」 「レ 行なってきました。流暢さ、語彙認識、多 ベルに合った」もので、体裁では「図、絵、 読、学習者のモチベーション、教材の選択 イラスト、写真が多く」、「短い文章」のテ など読解に影響を及ぼす要因はいくつかあ キストです。またジャンルでは、Swanが りますが、学習者のモチベーションが英語 挙げた「小説、民話、詩といった文学作品」 の読解にいかに影響を及ぼすかに関する研 と一部一致します。またテキスト『挑戦す 究は少ないと言えます。そこで、今年度は る企業−ものづくりへの情熱とビジネス成 教材選択にあたり「教える」材料としての 功の秘訣』は、教室での面白いテキストと 「教材」に加え、学習者が学ぶ材料として して挙がっているField guidesと考えられ の「学材」の観点を取り入れるため、2つ るでしょう。調査結果は、以下のようにま の国立大学法人の1年生を対象に行ったア とめられます。 ンケート調査を分析し、教材と大学生のモ 1.英語を学ぶ大学生が読みたいと思うテ チベーションの関係を探ることとしまし キストは、内容では「面白さ/興味が湧 た。これまでの先行研究をふまえ、この研 く」もので、また理解し易く、身近な話 究では次の3点を調べることとしました。 題のものがいい。ジャンル別では、 「物 1.英語を学ぶ大学生は、どういった読解 語/小説」「スポーツ」「ニュース/時事 教材を読みたいと思っているか。 問題」で、ある程度内容を知った話の「翻 2.大学生が面白いと考えるテキストに、 学生の専攻の違いが見られるか。 訳物」も理解し易さからかモチベーショ ンが上がると考えている。体裁について 3.1冊のテキストの中で、 学習者の嗜 好傾向は上記1、2を反映しているか。 アンケート調査の結果、Swan(2003)が − −1 8 0 4 1− − は、予想通り「図/絵/イラスト/写真」 が多く、カラー印刷で、短かい文章を好 む傾向がある。 2.大学生が面白いと考えるテキストに、 これからの研究の展望 学生の専攻の違いは見られなかったが、 1)学生のモチベーションを高める読解教 体育専攻学生に、特に「スポーツ」 「ス 材について、調査結果からある程度みえて ポーツ科学」関連を望む特徴があった。 きましたので、今後ESP(English for Specific また、工学部に上記「就職/企業」関連 Purposes)の観点から、本学の体育・スポー のテキストを使用したところ、学生の評 ツ、武道を専攻する学生を対象とした読解 価が高かった。この2つは、Swanが挙 教材の開発を考えていきたいと思います。 げるField guidesに当たると思われる。 まずはテキスト形式の教材を、将来は本学 3.1冊のテキスト中の学習者の嗜好傾向 で始まったe-learning教育にのっとった教 は、上記結果を反映し、「環境」「漫画」 材の開発も考えたいと思います。 「音楽」といった学生に身近な話題が好 2) 地域における留学生教育、国際理解教 まれ、「政治」「情報伝染」など学生の背 育、および語学教育については、今後も大 景知識のないものは敬遠された。 隅における唯一の国立大学法人外国語教育 なお、この研究成果は、第35回九州英語 センターの教員として、シンポジウムだけ 教育学会熊本研究大会で発表し、九州英語 でなく公開講座等でも研究成果を地域に還 教育学会紀要第35号に掲載されました。 元していければと考えます。平成9年度に 2)「地域における留学生交流」をテーマ 始まった留学生の日本語スピーチコンテス に、9月30日¼本学で「留学生シンポジウ トは平成18年度第10回を迎えましたので、 ム−留学生と語ろう、鹿屋で」を開催しま 今後はまた新しい視点から開催していけれ した。午前に、留学体験発表、基調講演(講 ばと思います。 師:九州大学留学生センター白 悟先生)、 パネルディスカッション、交流昼食会の 後、午後は留学生による文化紹介/分科会 に、県内各地から約2 00名の参加者があり 盛会に終わりました。大きく2つの目的− )地域に留学生の学習/生活支援者を育成 する*地域住民の国際理解教育に貢献する −を掲げ開催しましたが、その成果は充分 にあげられたと思います。参加した留学生 および教職員、学外参加者の感想等を含め 『留学生シンポジウム報告書』 (60頁)を 作成し、県内の留学生関連機関に配布しま 留学生シンポジウムのパネルディスカッションにて (左端筆者:コーディネーター) した。 − −1 8 0 5 2− −
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