73ヱ5 国際商事法務 Vol.32,No。 10(2004) デラウェア州最高裁 であった ら,今 回 UFJホ ールディンタ 側 がとった合併統合防止策に対 して,どのような司法判断を 下したであろうか? 中 ス テ ィー ブ ン・ ギ ブ ンズ UFJJ 今 回 U F 」 ホ ー ル デ ィ ングス ( 以下 「 とい う) の 合併統合 を巡って三菱東京 ファイナ ンシ ャル ・グル ー プ ( 以下 「 M T F G 」 とい う) 所 や監督官庁 が , 米 国が経験 した問題 や論 争 と 同極 の 問題や論争 に向 き合 わ なけれ ば な らな い と三井住友 ファイナ ンシャル ・グルー プ ( 以下 S M F G 」 とい う) と の 間で展 開 されて い る争 「 る。 い は, 日 本 にお い ては過去 に例 をみない よ うな 超大型 の典型的な敵対的企業買収劇であるとい の経 営 統 合 に 経 営 統 合 案 を蹴 って , M T F G と 一 踏 み切 った 連 の 戦術 の 是非 を巡 る争 い が , 米 こ とに な る の は , 火 を見 る よ りも明 らか で あ 今 回 U F 」 側が S M F G か ら申 し入 れ の あ った う理 由だけにとどまらず, 将 来における敵対的 国 にお い て 最 も影響 力 の あ るM & A 関 企業買収劇 に際 して合併の ター ゲ ッ ト企業側 に 範 の発信 源 とな ってい るデ ラウ ェア州最 高裁 に 認 め られる対抗 策 の 限界 を左右す るような事実 提 訴 された と仮定 した場 合 に, 同 裁判所 が これ 上の先例 ( d e f a c t o p r e c e d e n t なる ) に とい う 意味合 いか らも, 注 目に値す るものである。 連 の法 規 日本では, こ れ まで敵対的企業買収が極めて を どの よ うに分析 し, 判 断す るか につ い て , 以 下 に私 見 を述 べ てみ た い 。 結 論 を先 に言 えば, U F 」 が 今 回 とっ た 一 連 の 戦 術 に つ い て は , デ 希 で あ ったために, 敵 対的企業買収 を巡る判例 ラウ ェア最 高裁 は, こ れ を違 法 且 つ 無効 で あ る や学説の蓄積 に乏 しく, そ の結果, 日本 の裁判 所 では敵対的企業買収 の ター ゲ ッ トとなった企 と判 断 し, か か る戦 術 を採 択 した こ と に つ き 業やそ の顧問弁護士等が買収阻止 に向けて考案 し, 駆 使す ることがで きる各種 の創造的な企業 防衛策 の是非 を法的に判断評価す る際の基準 と な り得 るよ うな, 成 熟 した知的且 つ分析的な規 範が未だ確立 されてい ない状況にある。 これに 対 して米国では, 過 去2 0 有余年間 にマスコミを 賑わ した り, 餓 烈な法廷 闘争 に発展 した敵対的 企業買】 又例が多数出て きたおかげで, 精 級 な判 例網が確立 されてい る。 日本 も米国 と同 じよう I UFJを 巡 るケ ー ス の 事 実 関 係 U F 」 を巡 る ケ ー ス の 事 実 関係 の 概 要 は次 の 通 りで あ る。 U F 」 は , そ の 資 本構 造 の 極 端 な脆 弱 化 に伴 い , 追 加 資金 の 調達 の 道 を模 索 し始 め, そ の 一 ― 田 Ⅲ S t e p h e n G i v e n s , 外国法事務弁護士 ( ギブ ンズ外 国法事務弁護士事務所) る もの と判 断せ ざる を得 ない 。 正 であると言 うつ もりはないが, 今 後 日本 の裁判 て , U F 」 の 株 主 に対 す る損 害 賠 償 責 任 を課 す I な規範 を採択 しなければな らない とか , 事 実上 米国 と同 じよ うな規範 を採択する ことになる筈 U F 」 の 取 締 役 側 に忠 実 義 務 連 反 が あ っ た と し も く じ― U F 」 を巡 るケ ー スの事実 関係 デ ラウ ェア州法 に基 づ く事案 の分析 結論 ヱ」ヱ6 国際商事法務 Vol.32,No.10000つ 環 と して先 ず 傘 下 の UF」 信 託銀 行 の 営 業 を住 て , U F 」 傘 下 の金 株所 有 の子 会社 で あ るU F J 銀 友信 託 銀 行 に営 業譲 渡 す る形 で 信 託銀行業務 を 行 に払 込 総 額7 0 0 0 億円の優 先 株 式 を発 行 させ , 協働 事 業化 す る とす る内容 の 合 意書 を住 友信 託 これ を M T F G に 銀 行 との 間で取 り交 わ したが ,そ の 後 問 もな く, 但 し本件優 先株 式 に は , U F 」 株 式 の 公 開買 い この 合 意書 が存 在 して い る に もか か わ らず ,別 含 め た 完全 な る経 営統 合 を 目指 した協 議 を開始 付 けや U F J 株 主 か らの委任 状 獲 得合 戦 等 の 形 での S M F G か ら U F 」 株 主 へ の 直接 的 アプ ロー チ の抑止 を狙 った 一 連 の 企業 防衛 策が リ ンク し した。 これ に対 し住 友 信 託 銀 行 は ,UF」 てい る。 途 MTFGと の 問で UF」 信 託 銀 行 の営 業 を も に対 つ し信 託 銀行 業務 の 売却 に い て ,同 行 と独 占的 に交 渉 す べ き義務 を負 って い る と して ,東 京 地 MTFGと 引 き受 け させ る こ と と した。 更 に重 要 な点 は , マ ス コ ミ報 道 等 に よる と, の経営 統 合案 は , U F 」 の取 締役 会 で 方 裁判 所 に仮 処分 命 令 の 申 し立 て を行 った。 束 承 認 さ れ た と は い う もの の , 多 数 派 で あ る 京 地 方 裁判 所 が この仮処 分 命令 を容 認 す る決 定 U F J の 社 内取 締 役 と少 数 派 で あ る独 立 の 社 外 を下 した と こ ろ ,UF」 側 は こ れ を不 服 と して 取 締 役 の 間 で 賛 否 が 分 か れ , 社 外取 締 役 似1 は, 東 京 高旗 に抗 告 し,同 高裁 は抗 告 を容 認 して , 取 締 役 の 忠 実 義 務 違 反 とな る こ とを懸 念 して , 地 裁 の 決 定 を夜 した。 そ して最 高裁 は許可 抗 告 声 に大 に して M T F G と 事 件 にお い て 高裁 決 定 を維 持 した。 この 結 果 , 唱 えた とい う こ とであ る。 UF」 と MTFGに とって は ,平 成 17年 を 日途 に ー 両 グル プの 経 営 を完 全 統 合 し,MTFG佃 1が UF」 に7000億 円 の 資 本 注 入 を行 う こ とを主 な 内容 とす る 「基 本合 意書」 を取 り交 わす 道 が 開 け る こ とに な ったが ,同 合 意書 上 具体 的 な統 合 比 率 の 定 め は な く,具 体 的 な統 合比 率 は将 来 の 協議 に委 ね る とされ て い る。 一 は ,こ れ に 対 抗 し て , 方 ,SMFG側 の 経 営 統 合 案 と異 な り, 1 : 1 と い MTFG側 う具体 的 な統 合比 率 を明 記 した 「 経 営統 合 に 関 の経営統 合 条件 に異 を 優 先株 式 に リ ンク して い る企 業 防衛 策 の 第 一 は , 優 先 株 式 に議 決 権 を与 えて い る点 にあ る。 優 先 株 式 の 株 主 と して の M T F G に 対 して は , U F J 銀 行 ( 親会社 た る U F 」 ホ ー ル デ ィ ングス で は な い) の 合 併 を伴 う よ うな一 切 の取 引 に 関 して実 質 上 の拒 否権 が認 め られ る点 にあ り, そ の 第 二 は, 幾 つ か の 一 定 の事 岸│ ( こ れ 等 の事 山 を以下 「 買 い戻 し請求権 発生事 山J と い う) を 定め て , そ の いず れ かが発 生 した場 合 には , 本 す る ご提 案」 と称 す る提 案 を行 った 。 この 1 : 1 と い う具体 的 な統 合比 率 は, 現 下 の 両 グル ー 件優 先株 式 をそ の 引 き受 け価格 7 0 0 0 億円 に3 0 % もの ペ ナ ル テ ィー ( 即ち2 1 0 0 億円) を 上乗 せ し た価格 で買 い戻 す よ う U F 」 に請 求す る こ とが プ の 株 価 水 準 で み る と, U F J の で きる買 い戻 し請 求権 が M T F G に 株 主 側 に3 0 % 程 度 の プ レ ミア ム が 生 ず る もの で あ り, 然 も S M F G 側 は M T F G 側 が 中 し入 れて い る金 額 と 与 え られ て い る点 にあ る。 買 い戻 し請 求権発 生事 由 の 中 に は, 平 成 1 7 年1 0 月まで に M T F G と の 経営統 合 同額の資本提供を行う旨を併せて中し入れてい 案 につ き U F 」 の株 主 の 承 認 を得 られ なか った る。 外 の 第 二 者 との 経 営 統 合 を の U F 」 株 主が承 認 した場 合等 も含 まれて い る。 SMFG及 び MTFGの 場合や,MTFG以 両 グル ー プか らこの様 な 相 措 抗 す る 経 営 統 合 の 申 し込 み を 受 け た ' F J の 経 営 陣 は, M T F G 佃 1 からの 経 営統合 案 に 」い に もか には 具体 的 な統合 比 率 の 記 載 が 一 t /な か わ らず , S M F G 側 か らの 経 営 統 合 提 案 を 蹴 って , 敢 えて M T F G と の 経営統 合 の 道 1 を選 これ等 の 企業 防衛 策 が S M F G 側 の 行動 へ の 抑 止効 果 を狙 った もので あ る こ とは, 明 らか で あ る。 先 ず , M T F G に 対 して この 種 の拒 否権 が与 え られ て い る とい う こ とは , 例 え S M F G が U F J ホ ー ル デ ィ ングス ( 親会社 ) に 対 す る ぶ 旨 の 経営 意 思決 定 を し, こ れ を明 らか に した 企業支 配権 を獲 得 し, こ れ を梃 子 に してS M F G 上 , U F 」 の 資 本 を増 強 す るた め の 具体 策 と し が そ の傘 下 の 銀行 子会社 とU F J 銀 行 との 経 営統 国際商事法務 Vol。32,No。10 合 を図 ろ う と して も, 本 件優 先株 式 の株 主 と し ての M T F G は , そ の気 に なれ ば , これ を阻止 で きる こ と を意 味 す る。 斯 く して , S M F G が そ の 傘 下 の 銀 行業 務 と U F J の そ れ とを統 合 し よ う と して も, そ の 目論 見 は挫 折 せ ざる を得 な い こ とにな る。 こ こで 忘 れ て は な らな い の は , M T F G 側 に ー ペ い ル の ナ テ ィ 上乗 認 め られ て る2 1 0 0 億円 も H デ (2004) ヱ Jヱ7 ラ ウ ェア 州 法 に基 づ く事 実 の 分 析 企業 買収 に関す るデ ラウ ェ ア州 の 法律 は , 非 常 に複雑 な もので あ り, 1 9 8 0 年 代 中盤 に米 国全 ー ム を契機 に訴 訟 事 件 土 で 発 生 した M & A ブ 団々の 具 案 を巡 るイ 一 に基 づ い て加 え られ た 連 の 手 に発 展 した多 数 の M & A 事 体 的 な事 実 関係 直 しと調整 とを反映 した産物 で あ る とい える。 せ 価 格 で の 優 先 株 式 買 い 戻 し請 求 権 は , U F 」 私 見 で は, S M F G か らの経 営 統 合 の 申 し入 株 式 の公 開買 い付 けや U F 」 株 主 か らの委任 状 れ を蹴 って , M T F G と の 経 営 統 合 の 道 を選 ん 獲 得合 戦等 の 形 で S M F G 側 だU F 」の取 締役 会 の 決定 は , 大 き く分 けて, 以 か ら U F 」 株 主 に対 して何 等 か の 直接 的 なアプ ロー チ を仕掛 け て き た場 合 に は , 何 時 で も これ を発動 で きる こ とで あ る。 U F 」 株 式 の 時価 総 額 の 約 1 0 % に も相 当 す る2 1 0 0 億円 もの ペ ナ ルテ ィー を課す る旨 を定 下 に述 べ る三 つ の 理 由 に よって , デ ラ ウ ェ ア州 法 上 は無 効 で あ る と判 示 され る もの と考 え る。 (1)統 合 比 率 に 関 す る保 証 が 一 切 な い 状 況 下 で MTFGと の経営統 合 に敢 えて踏 み切 った U F 」 め た こ の ペ ナ ル テ ィー 上 乗 せ 条 項 は , S M F G の取 締 役 会 の 決 定 は, M T F G と 側 か らみ る と, U F 」 株 式 の公 開買 い 付 け に成 に対抗 して S M F G 側 功 して 首 尾 よ く提 案 通 りの 対 等 統 合 比 率 で り具体 的 な経営統 合案 を 「 故 意 に黙 殺 したJ こ U F 」 との統 合 を果 たせ た と して も, 結 呆 的 に はペ ナ ル テ ィー と しての2 1 0 0 億円 もの 支払債 務 U F 」 の取 締 役 会 の 決 定 は , 当 該 経 営 統 合 に賛 を背 負 い 込 む こ とになるので , 公 開買 い付 け の コ ス トは当初予 定額 よ り1 0 % も 高 い もの となっ の経 営 統 合 案 か ら申 し入 れ の あ った よ とに な る。( 2 ) M T F G と の 経 営 統 合 を承 認 した 成 した 多数派 の取締 役 が社 内取締 役 で あ った こ て しま う こ とに な り, U F 」 の 株 主 の立 場 か ら とに照 らす と, 基 本 的 にその 客観性 に疑 わ しい ナ ル テ ィー 上 乗 せ価 格 での優 先 点 が あ る。( 3 ) ペ す る と, S M F G と の 経 営 統 合 案 を承 認 す る と い う議 決権行 使 行動 は, こ の ペ ナ ル テ ィー上 乗 株 式 買 い戻 し請求権 そ の ものが 法律 上 禁止 され てい る 「 威圧 的且 つ 排 他 防衛 的」効 果 を有 す る せ 条項 の ため に, そ の 分 だ け魅 力が減殺 されて 違約 金 に相 当す る。 し ま う こ と に な る 。 ま た ,UF」 SMFGと の株 主 が の 経 営 統 合 案 を承 認 した とす る と, この経営統 合 に よって誕 生す る U F 」 と S M F G 1 株 主 の利益 の ため に最 善 の 取 引条件 を 確 保 す る義務 の 統 合 企 業 体 ( U F J の 株 主 は この 統 合 企 業 体 リー デ イ ング ・ケ ー ス となった1 9 8 5 年に判 決 の株 主 とな る) は 経営統 合が行 われ なか った と の 言 い 渡 しが あ っ た 「U n O c a l C o r p v M e s a P e t r o l e u m C o 事 件 」2 の判 決 で は , 企 業 買 収 事 した らそ もそ も背 負 い 込 む必 要が なか った2 1 0 0 億 円 もの 支 払債務 をそ の誕 生早 々 に背負 い 込 ま され る こ とに な り, M T F G 側 が2 1 0 0 億円 もの ペ ナ ル テ ィー を上乗 せ した価 格 での 本件優 先株 案 にお いて 企業 を買収 の試 みか ら防衛 す る こ と を 目的 と した戦術 を買収 の ター ゲ ッ トとなった 企業 が採用 す る場 合 には , 当 該 企業 の 取締役 に 式 の 買 い戻 し請求権 を実 際 に行使 して きた場合 は よ り厳 しい忠実義務 を課 す る と共 に取 締役 会 には , 事 実 上 U F 」 は流 動性 の危機 に陥 って し の 行動 の是 非 につ い て は よ り厳 しい水 準 の 司法 まい , 財 政破 綻 に追 い 込 まれ て しま う可 能性 が 審査 が必 要 とされ る と判示 して い る。 特 に複 数 大 であ る。 の 相手 か ら企業 買収 の提 案 を受 け て い る企 業 の 取締役 会 は, 個 々の 買収提 案 の 内容 を1 真重 に検 討 評価 す る と共 に, 利 用 可 能 なす べ ての選択 肢 ヱJヱ8 国際商事法務 Vol.32,No.10Q00つ を考慮 しなけれ ば な らな い とされ てお り,あ る 特 定 の 買収提 案 を優 遇 す る一 方 で ,他 の 買収提 案 を恋 意 的 に無 視 した り,「 故 意 に黙 殺 す る」 よ うな態 度 を とって はな らな い とされて い るの で あ る。 また ,現 金若 し くは これ と同等 な もの を対価 と して企 業 の 支 配権 を譲 渡す る場 合 にお け る当 該 企 業 の 取 締 役 に は ,既 存 の 株 主 に対 す る リ ター ンの 最 大化 を図 るべ く,実 質 上 「 純粋 な競 売 方式 」 を採 用 しなけれ ば な らな い とい う積 極 的 な義 務 が 課 され るの で あ る3。現 金 を対 価 と して企 業 の 支 配権 を譲 渡す る場 合 には ,既 存 の 株 主 の立 場 か らす れ ば ,直 ち に手 にす る こ とが で きる現 金 に よる リター ンの最 大化 以外 に関心 事 はない こ とは 明 らか で あ り,従 って ,買 収 の ター ゲ ッ トとなった企 業 の 取締 役 は,最 も高 い を理 由 と して反故 にす る権利 」 を ター ゲ ッ ト企 業 恨」に 認 め る条項 が 盛 り込 まれ て い な い 限 り, 無効 とい う こ とにな る。 この様 に, デ ラウ ェ ア 州法上 , ター ゲ ッ トとな った企 業 の取締 役 会 に は, 合 併 ・経営 統合 の相 手先 の 選 考作業 が終 了 し, そ の結 果選 ばれた相 手先 との 間 で 合併 ・経 営統 合契約 を取 り交 わ した後 に至 る まで も, 競 争 入札 手続 をオ ー プ ンに しておか なけれ ば な ら な い とい う積 極 的 な義務 が課 され てい るので あ る。 経営統合 の相 手方 と して選 んだ側 か ら統 合比 率 に 関す る言 質 も約 束 も一 切 与 え られ てい な い 状 況 下 にお い て , u F J の 取 締 役 会 が 利 用 で き る可 椛性 の あ るす べ ての選 択肢 を吟 味 し, 且 つ 相措抗 す る M T F G か らの経営統 合 申 し入 れの 内容 と S M F G か 買 収 価 格 を提 示 した者 が 必 ず 買 収 競 争 の 勝 者 らの 経 営統 合 申 し入 れ の 内容 の 両方 を吟味 を尽 くした な どとい う主張 を合法 とな る こ と を保 証 す る よ うな プ ロ セ ス を確 立 的 にで きる とは 到 底 考 え られ な い 。 U F 」 の 取 しなけれ ば な らな い とい う義務 を負 う こ とにな 締役 会 は, 経 営統 合 の 相手方 と して M T F G を る。 選 ぶ前 に, S M F G 側 UF」 の ケ ー ス の よ うに,株 式 の 交換 の 形 で 行 われ る企 業 買収 や経 営統 合 の場 合 は ,先 に述 統合案 の 内容 を 「 慎 重 に」検 討 した 旨のマ ス コ べた 「 純粋 な競 売 方式Jは 若 子 の 修 正 を受 け る こ とに な る。 合 併 や 経 営 統 合 の タ ー ゲ ッ トと か らの提 示 を受 け た 経 営 ミ発 表 を数 回 にわた って行 ってい る。 また経営 統 合 の 相 手 方 と して M T F G を 選 ん だ 後 に も, U F 」 の 取 締 役 会 は , 「M T F G と の 間 にお い て 合 意 可 能 と考 え て い る 統 合 比 率 の 水 準 は , な った企 業 の既 存 の株 主 は ,合 併 又 は経営統 合 後 の存 続 会社 の株 主 と して残 るわけで あ るか ら, SMFGに 当該企 業 の取 締役 は合 併 又 は経 営統 合 後 の 存続 得 る と強 く信 じて い る。」 とい う趣 旨 の 談 話 を 会社 の 経営 方針 や企 業価 値 も考慮 で きる こ とに 発 表 して い る。 しか しなが ら, こ こで 言 う とこ な るが ,そ の 場 合 で も,相 措 抗 す る 複 数 の 合 併 ・経営統合提 案 者 か ら提 示 を受 けた4回々の合 併 ・統 合比 率 の 利 害得 失 を精査 す る こ とが ター ろの 「 強 く信 じている」 とい う表明には何等の よる提 案 内容 と遜 色 な い もの とな り ゲ ッ トとなった企 業 の取 締役 会 の 中心 課題 とな 具体 的 な根拠 もな さそ うであ り, ま た , 夕J え M T F G 側 か ら最 終 的に提示 された統合比 率が S M F G 側 か ら提示 された もの よ り不利 な もの る こ とにはか わ りは な く,敢 えて低 い合 併 ・統 合比 率 を受 け入 れ た場 合 には,当 然 これ を正 当 で あ った として も, これ を理 由 に して M T F G との 間 の基本合意書 を反故 にす る権利が U F 」 化 す る強力 な理 由 の存 在が必 要 とな る。 側 に生 じるよ うな合意内容 とはなってい ない模 更 に ,2003年に言 い 渡 しの あ った 「 Omnた are 4に v.NCS He』 thcare事 件」 の判 決 従 えば ,株 様 である。 式 の 交換 の 形 で 行 われ る合 併 ・経 営統 合 を 目的 と した 契約 は,契 約 調 印後 に よ り有利 な条件 で の 合 併 。経 営統 合提 案 を他 か ら受 けた場 合 に既 存 の 合 併 ・経営 統 合 契約 を 「 取締役 の 忠実義務 S M F G で はな く M T F G を U F 」 の取締役会は, 経 営統合 の相手方 として 選んだ ことを正当化 ― るため に, 頻 りに U F 」M T F G 連 合 の 方が す U F 」― S M F G 連 合 よ リバ ラ ンス シー ト体 質 も強 化 される し, 企 業競争力 も高 くなるとの主張 を 国際商事法務 Vol,32,No.10 展開 して い るが , 例 え これ等主張が正 しい とし て も, U F 」 取締役 は, 「手持 ちの U F J 株 式 と 引 き替 えに果た して経営統合後 の存続会社 であ る三菱 U F 」 ホ ー ルデ ィ ングス ( 仮称) の 株式 を何株交付 して もらえるのか ? 」 とい う U F J 一 株主が抱 えて い る喫緊の経済的問題 には 切答 えて い な い 。U F 」 の取締役 会 は, こ の 問題 に は一切答 えず に, た だ 「 統合比率 は将来の協議 に委ねる」 と言 うだけで , 具 体的な統合比率 を 提示 した上で の S M F G か らの経営統合 の 申 し 入れを蹴 ってい るのであ り, 更 に付け加 えれば, U F 」 の取締役会 は, M T F G 狽 1 から最終的に提 示 された統合比率が S M F G 側 か ら提示 された もの よ り不利な もので あ った場合 に M T F G と の経営統合 の合意 を反故にする権利 の獲得交渉 さえ してい ないのである。 (2004) 文 θヱ9 併 ・統合 申 し入れ条件 の是非 を検討す るに際 し ては どうして も利益相反関係 に立つ ことになる。 最悪 のケー スでは,合 併 ・統合案 の受け容れを 承認す る方に取締役 としての議決権 を行使す る ことその ものが ,自 らの失職 を 「 是Jと す る議 決権行使 を意味する ことに なって しまう場合 も あろう。 この様な理由か ら,導 入 した乗 っ取 り 防止策や乗 っ取 り防止条項 の是非が司法判断を 受ける ことになった場合 は,こ れが利害関係 の ない取締役 の過半数に よって承認 された もので あれば一応妥当なもの と推定 される ことに な り, 是」 とした取締役 の多数派 が 逆 にその導入 を 「 利害関係 の ある取締役 で ある場合 は,そ の判断 の客観性が疑 われる ことになる。 現在 ニ ュ ー ヨー ク証券取 引所 や NASDAQ かかる状況下 にお いては, デ ラウェア州 の裁 は,い ずれ も上場会社や登録会社 の取締役 の過 半数を社外取締役 とす るよ う義務 づ けて い るの 判所 で あれば どの裁 判所 も, U F 」 の取締役会 はすべ ての代替案 を合理的に検討 しなければな で,米 国の上場会社や株式公開会社 が取引 の 当 事者 の一 員 となって い るような M&A取 引 に らない とい う義務 と株 主の利益の最大化 を図 ら なければな らない とい う義務 をいずれ も果た し お いては,こ の要件 は当然の もの として始 ど例 外な く充足 されてい る。 また米国では,企 業買 てお らず, 以 て取締役 の忠実義務 に違反 してい るとの司法判断を下す可能性が極めて高 い。 ま 収 の 中 し込みを受けた企業がそ の 申 し込み の是 非 を検討評価する場合 には,そ の構成員 の殆 ど た , 先 に も述 べ た通 り, 「 O m n たa r e v N C S Healthcare事 件 」 の 判 決 の 法 理 に従 え ば , を社外取締役 とする委員会に検討評価業務 を委 ねるのが常識 となってい るが , 日本 ではどの_L MTFG側 か ら最終的に提示 された統合比率が SMFG側 か ら提示 された もの よ り不利 な もの 場会社 の場合 も,依 然 として取締役 の殆 どは, 終身雇用制 の下 で企業買収や合併 の ター ゲ ッ ト の経営統合 の合意 を 反故にす る権利 を M T F G と の基本合意 の 中に 盛 り込む交渉 を U F J の 取締役会 が一切行 って であった場合 に M T F G と い ない とい う事実 は, 当 該基本合意その ものの 無効原因 となる。 2 利 害関係 のない取締役 の意見 Unocal corp v Mesa Petroleum 先に掲 げた「 の C o 事 件」 判決 では, 取 締役 の判断 の客観性 も重祝 されて い る。合併 ・統合 の ターゲ ッ トと 会社 に長 年勤務 して取締役 に出世 した ものの , 企業買収や合併によ り勤務先 の会社 が非存続会 社 となって しまった場合 には自らの地位や処遇 が変わって しまう (多くの場合 は低 下して しま う)運 命 にある よ うな所謂 「社 内取締役Jに よって 占め られているのが現状である。 統合比率についての協議 もろ くに してい ない 段階で,UF」 と MTFGの 両経営陣 の 問で経営 統合後 の UF」 の幹部職員 の人事処遇 につ き具 体的な取決 めがなされてい るとい う事実 もかな なった企業 の取締役 , 特 に社 内取締役 は, 合 併 ・統合後 の存続会社 における自らのポ ス トや, り奇異 な事である。 また米国における常識か ら す ると,社 外取締役全員が反対 してい た とす る 権限や報酬 の維持 , 確 保が危険 にさらされるこ とになる とい う意味合 い にお いて , 個 々の合 ならば,UF」 の経営陣が敢 えて MTFGと の経 営統合に踏 み切 ったなどとい うことは,到 底信 ゴ320 国際商事法務 Vol.32。 No.100004) じられ な い 。要 す るに,個 々の合 併案 や経営統 し入 れ をす る となる と, そ の 申 し入 れが成功 し 合 案 の 是 非 を検 討 す る過程 にお い て UF」 の取 て合 併が成立 した場 合 に は被 合併 会社 の 貸借 対 締役 の うち当該合 併案 や経 営統 合 案 に利 害 関係 照表上確 定債 務化 した所 定 の解 約 金 支払債務取 を持 た な い社外 取 締役 の 過 半数 に決 定権 や監 督 引 を引 き受 け なけれ ば な らな い こ とに なるので , 権 を与えて い なか った と した ら,デ ラ ウェア州 当然 そ の 分 だけ合併 の コス トが増加 す る こ とに の 裁 判 所 で は ,UF」 なる。 の 取 締 役 会 の 決 定 は妥 当 性 を欠 い た もので あ る と推 認 され る可 能性 が 高 い とい う こ とで あ る。 3 ベ ナ ル テ ィー上乗 せ 価格 での 優 先株 式 買 い 戻 し請 求権 デ ラウェア州 の 裁判所 は, 合 併 の 中 し入 れ を した 当事 者側 の立 場 か らす れ ば, 合 併 契約 の 締 結交 渉 を して これが成立 した以上 必ず合 併 が契 約通 りに実行 され る こ とを保 証す るあ る程 度 の 保 障 を要 求 す るの は 当然 で あ る との 見 地 か ら, Unocal corp v Mesa Petroleum 先 に掲 げ た 「 解約 金額 が合 併取 引総 額 の 1 % ∼ 4 % の 範 囲内 Co事 件 」 の 判 決 で 打 ち立 て られ た 第 三 の 原賞J は ,企 業 が他 か らの乗 っ取 りや 買収 の試 み か ら で あれ ば, 通 常 これ を妥 当 な もの と して走認 し て い るが , 逆 に , 解 約 金 額 が 合 併 取 引 総 額 の 自己防衛 す る こ とを 目的 と して導 入す る こ とが 4 % を 超 えて い る よ うな場 合 は , デ ラウェア州 で きる戦術 は,乗 っ取 りや 買収 の 試 み に晒 され の 裁判所 も他 の 州 の裁判所 も, こ れ を経 済 的妥 る危 険性 の 度合 い に見合 った もので は なけれ ば つ 株 主 に とって よ り有利 な合併 条 当性 が あ り国ハ な らな い とい う原則 で あ る。 同事 件 の判 決後 に 件 で の合 併 の 中 し入 れ を行 う機 会 を契約 当事 者 更 に磨 きをか け られ た 判例 に よ り,現 在 で は こ の 原則 は ,乗 っ取 りや 買収 の ター ゲ ッ トとなっ 以外 の 第 三 者 か ら不 当 に奪 う こ とにな る程 「 成 た企 業 が取 り得 る企 業 防衛 策 は,乗 っ取 り側 や が ター ゲ ッ ト会社 の 株 式 の公 開買 い付 け 買収偵」 ー や タ ゲ ッ ト会社 の 株 主 か らの 委任状獲 得合戦 等 の形 で ター ゲ ッ ト会社 の 株 主 に直接 的 にア プ ロー チす る機 会 や , タ ー ゲ ッ ト会社 の株 主が他 の 第 二 者 か らの議 決権 代 理 行使 の勧 誘 や持 ち株 圧 的週^ つ排 他 防衛 的J な もの と判 断せ ざる を得 な い と して い る。 尚, デ ラウ ェア州 の衡 平法 裁 判 所 は , 1 9 9 9 年 に言 い 渡 した判 決 5 の中 で , 取 引 総 額 の6 3 % に の ぼ る解 約 金 を 「不 当 に威 圧 的」 比つ 「 合 理性 の 定義 の範 囲 を逸脱 したJ も ので あ る と判示 して い る。 既 に 述 べ た と お り, M T F G は ,UFJと 買 い取 り申 し込 み を受 話 した り拒 否す る機 会 を MTFGの 奪 って しま う柱 ,「威圧 的」 又 は 「 排他 防衛 的」 い で な もの だ け に限 る と解 釈 され てい る。 即 ち これ は,乗 っ取 りや買収 の ター ゲ ッ トとなった た場 合 には , 7 0 0 0 億 円 もの優 先株 式 の 買 い戻 し 経 営 統 合 が 予 定通 りに結 了 しなか っ を U F 」 に請 求 す る権 利 と2 1 0 0 億円 もの ペ ナ ル 企業 が 取 り得 る企 業 防衛 策 は ,い ず れ も株 主 の テ ィー の 支払 を U F 」 に請 求す る権 利 を確 保 し て い る。 この2 1 0 0 億円 もの ペ ナ ル テ ィー は, 現 判 断 を優 先 す る とい う原則 や株 主 の 民 主 的 自治 在 の U F J 株 式 の 時価 総 額 の 約 1 0 % に 相 当す る の 原則 に買Jっ た もの で なけれ ば な らな い とい う 額 であ り, 上 記 に言 う解約 金 に相 当す る もので こ とを意 味す る。 あ る。2 1 0 0 億円 もの解 約 金 は, デ ラウ ェ ア州 の 「 違約 金 条項 Jや 「 解 約 金条項 Jは 合併 契約 に よ く見 られ る条項 で あ るが ,こ れ は被 合 併 会 社 や そ の株 主 が合 併 契約調 印後 に よ り良 い合 併 裁判所 が 妥 当 な金額 の範 囲 と して認 め てい る上 限値 の三 倍 を超 え る もので あ る。 実 際 問題 と して , M T F G が 具 体 的 な統 合 比 条件 で の 合併 の 申 し込 み を他 か ら募 る こ とを禁 率 につ き何 等 の 言 質 も約 束 も与 えて い な いの で じるため の もので あ る。 合 併契約 に解 約 金条項 あれ ば , 解 約 金 の 多寡 を問 わず , そ もそ も経 営 が 入 って い る場 合 に は,そ の性 質 上 ,契 約 当事 者以外 の 第 三 者 が契約 当事 者 と争 って合 併 の 申 統 合 に 関す る基 本 合意書 中 に盛 り込 まれ て い る 解 約 金条項 は正 当化 で きるのか とい う基本 的問 国際商事法務 Vol.32,No.10 題が 出て くる。 米 国 の法律 で は, 契 約 の要素 た る主要 な経 済 的条項 を欠 いてい た り, そ の 決定 を将 来 の協 議 に委 ねて い る よ うな契約 は, そ も そ も原則 と して法 的拘 束 の あ る契約 とは見 な さ れ ず , 従 って 契約 当事 者 の 一 方が この種 の 契約 (2000 J2ゴ ヱ llI 結 論 の経営 統合 や そ の UF」 の経営 陣が MTFGと 統合 条件 の妥 当性 をア ピー ルす る声 明 を幾 つ も 出 して い る とい う こ とは ,UF」 自身 とこれ を を破 案 したか らとい って , 損 害賠償 金 の 支払 義 補佐 して い る弁 護士 そ の 他 の顧 問 団が 欧米 にお 務 を課 され る よ うな こ とは な い。 日本 の最 高裁 も, 住 友 信 託 銀 行 の 前 記 許 可抗 告 事 件 決 定 6 の い て敵 対 的 企 業 買 収 や 合 併 に適 用 され て い る ル ー ルや規 制 を 自分達 も守 ってい る こ とだ け は 中 で , 両 行 間 に最 終 合 意 が成立 す る保 証 は な く, なん と して も理解 して も らい た い と考 えて い る 住友信 託 の損 害 は最終 的 な合意 に よって得 られ か らに相 違 な い 。 しか しなが ら,(a)uF」 の 取 るはず の 利益 相 当 の 損 害 と見 るの は相 当 で はな 締役 会が ,自 社 の株 主側 に相 当額 の プ レ ミアム く, 最 終 的 な合 意 が成立 す る との期待 が侵 害 さ が生ず る よ うな内容 の経営 統合 案 を蹴 って ,政 れ る こ とに よる損 害 で あ る, として高 額 な損 害 えて統 合比 率 に 関 して何 等 の約 束 も言 質 も与 え 賠償責 任 の発 生 に疑 問 を呈 して い る。 てい な い相手 か らの経 営統 合 の 受 諾 に踏 み 切 っ 何 等 の 統 合比 率 も提 示 して い な い に も拘 わ ら た とい う事 実 ;(b川 子来提 示 され る こ とあ るべ き との 経 営 統 合 が 予 定 通 り結 了 し な が 多額 の補 償 を受 け取 統 合比率 の如何 に関 わ らず ,経 営 統合 が 予 定通 り結 了 しなか った場 合 には多額 の ペ ナ ル テ ィー るの はお か しいの で はな い か とい う疑 間が 当然 を支 払 う こ とに な る ペ ナ ル テ ィー 条 項 を UF」 湧 い て くる。 M T F G U F 」 問 の 基 本合 意 書 に盛 り込 ま れ て い る 問 題 の ペ ナ ル テ ィ ー 条 項 が の取 締役 会が呑 んで しまった とい う事 実 ;及 び ず ,UF」 か った場 合 に M T F G 側 U F 」 の 株 主 に対 して 及 ぼす 「威 圧 的且 つ 排 他 防衛 的」 効 果去 々の 議論 とは全 く別 に, 実 際 に (C)UF」側 が呑 ん だ経営統 合条件 につ い て はUFJ の社 外取締役 が異 議 を唱 えて い た とい う三 つ の は 当該 条項 が実 際 の損 害 に 関す る損 害賠償 条項 条件 は厳然 と して残 って い る。 この 様 な条件 が 三 つ とも揃 って い る場 合 には ,デ ラウ ェ ア州 の と してで は な く, む しろ違 約 罰 条項 と して働 く 裁判所 で は UF」 取締役 の立 場 は もとよ り UFJ― の で, 米 l t i で は この種 の 条項 には法 的強制力 が MTFG問 な い と判 断 され る可 能性 が高 い。 また , M T F G 危 うい もの とな る と言 わ ざる を得 な い。 の 経 営 統 合 そ の もの の立 場 も非 常 に が実 際 には具 体 的 な統 合比 率 に関 して は何 等 の 合 意 も言 質 も与 えて い な い 以 上, 解 約 金条項 が 基 本 合意 の 中 に盛 り込 まれて い た と して も, こ れ は具体 的 な経 営統 合取 引 の 「成立 を担保す るJ とい う通常 の 目的 の ため には役 立 た な い こ とに な る。 実 際 問題 と して, M T F G 側 が盛 り込 ん だ ペ ナ ル テ ィー 条項 は , 皮 肉 な見方 をす れ ば , 将 来 人 を欺 くよ うな低 い統 合比 率 での経営統 合 を 可能 にす るため に M T F G 側 んだ 防御 がT l i 組 一 線 と見 え な い こ と もな い。万 将 来 M T F G が SMFG側 か ら既 に提 示 され て い る統 合 比 率 よ り低 い 比 率 を提 示 して きた場 合 に は , S M F G 側 と同様 に U F J の 株 主側 に も, こ れ を不 当 な 行為 と して糾 弾す る正 当 な理 H l が生ず る こ とに なろ う。 注〕 〔 l MTFGと の経営統合案についての UFJ側 のi比 明については, http://www UF」 cojp/ir/1lews/ n e w s 2 0 0 4 / n e w s 2 0 0 4 h t m l三菱 #,「 東京 フ ィナ ン シャル ・グループによる U F 」 グループヘの資本 i増 強への協力について」を参照のこと。 2 493A2d946(Del 1985)。 3 「 Revion, Inc v MacAndrews & Forbcs H o l d i n g s , I n 件」 c 事, 5 0 6 A 2 d 1 7 3 ( D d 1 9 8 5 ) 。 4 「 O m n にa r e l n c v N C S H c a l t h 件J c a r,e8事 18 A2d(De1 2003)。 5 「 Phelps Dodge Corp v Cyprus Amax M i n c r t t s C O r p件」 事 ( D e l C h 1 9 9 9 )この 。 事件 の半」決は h t t p : / / c O r p olraawt ew‐ idcner edu/docu m e n t s / o p i n l o n s / 1 7 3 9 8 入手可能。 pdfで 引 ● 6 平 成1 6 年 ( 許) 第 1 9 号 印
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