確率解析 展開 確率解析の展開 確率分布から見本

株価とブラウン運動
ブラウン運動
株価の変動
確率解析の展開
確率解析
展開
ー 確率分布から見本路解析へ ー
顕微鏡をのぞくと株価が!
ブラウン運動の発見から数理ファイナンスまで
数理学研究院
谷口説男
1次元ブラウン運動 (数学的に)
原点から出発する連続関数の空間 W
W={ w:[0
w:[0,∞)→R
∞)→R | 連続,w(0)=0}
連続 w(0)=0}:全事象
座標関数 Bt:W→R
(Bt(w)=w(t))
時刻 t での位置
位置
ブラウン運動のx座標
幾何ブラウン運動
Louis Bacherier (1870-1946)
時刻 t での株価∝Bt
P l Samuelson
Paul
S
l
(1915-2009.12.13)
(1915 2009 12 13)
時刻tでの株価
∝exp(σB
exp(σBt+νt)
Black-Sholesの
価格公式
顕微鏡
確率論
1654 Bl
Blaise
i Pascal(1623-1662)
P
l(1623 1662)
Pierre de Fermat(1601-1665)
(
) Pascal
往復書簡 ゲーム中断時の掛け金の配分
発明:1590年頃オランダ人ヤンセン親子
発明
1590年頃オランダ人ヤンセン親子
(Hans, Zacharias Janssen)
Robert Hooke;1635-1703
Fermat
20世紀 ブラウン運動の解析学
1932 Andrey Kolmogrov
Foundations of the Theory of Probability
1942 伊藤清 確率積分・確率微分方程式
Anton van Leeuwenhoek;
1632-1723
1976 P.Malliavin マリアバン解析
リアバ 解析
ブラウン運動の発見(現象)
ラウン運動の発見(現象)
ブラウンの見たもの
ラウンの見たもの
水の中に浮かぶ花粉にから出てき
た微粒子が,止むことのない不規則
でジグザグな運動を行うことを観察
Robert Brown;1773-1858
1828(1827年夏の観測)
非生物現象(すす 岩石 鉱物
非生物現象(すす,岩石,鉱物,
スフィンクスの破片)
Jan Ingenhousz;1730-1799
1784年 アルコール上の炭素粒子
Adolphe Brongniart;
1801-1876 1827年
B.Ford
ユーロネクスト・パリ(旧パリ証券取引所
19世紀後半(なぜ動く?)
世紀後半(なぜ動く )
~1880年代
(a)光による不規則な加熱,
((b)溶液内の温度差,溶液の蒸発
)溶液内の温度差,溶液の蒸発
(c)溶液の表面張力
(d)電気的な力
1877年 J. Delsaux
水分子との衝突による
YES
19世紀後半 原子は存在しない
電磁気学理論
「連続な
微分方程式で
記述できる」
1905年 奇跡の年:アインシュタイン
光量子仮説,ブラウン運動,特殊相対性理論
Lucretius;BC99年頃-BC55
物質はすべて原子から成りたつ
部屋に差し込む光に浮かぶ微塵
J.Maxwell
1888年 L. Gouy
(1)運動は非常に不規則,軌道は微分不可
(2) 粒子はお互いに独立に動く
(3) 粒子が小さい,溶液の粘性が低い,
溶液 度が が
溶液温度が上がる,と運動は激しくなる
激 くな
(4) 粒子の組成・濃度は運動に影響しない
(5) 運動は止むことがない
カルノーの原理?
熱力学の成功(巨視的)
実証主義
E.Mach
気体分子論
統計力学
F.Ostwald
L.Boltzmann
アインシュタインよりも先に
1906
1904
時刻 t に x の回り単位体積空間に
見つかるブラウン運動する
微粒子の数 f(x,t)
f(x t)
熱方程式
Albert Einstein, 1879-1955
ガウス核
核
粒子の分布
William Sutherland (Austraria)
1859 1911
1859-1911
Marian von Smoluchowski
1872-1917
R:気体定数,T:絶対温度
気
NA:アボガドロ数
η:粘性率,a:粒子半径
歴史ー数学的に 1880年
Thorvald Thiele;1838-1910
Thiele;1838 1910
デンマーク人の天文学者・統計学者
1880年
計器の時刻tにおける位置Btの推定
観測値:Zt=Bt+εt(測定誤差あり)
Btは独立な増分を持
は独立な増分を持つ
デンマーク語の論文
最小二乗法
歴史ー数学的に 1905ー13年
歴史ー数学的に
歴史
数学的に 1900年
900年
L i B
Louis
Bacherier;1870-1946
h i 1870 1946
Théorie de la spéculation,
Ann. Sci. Ecole Norm. Sup.17
(1900), 21-86
St:株価
株価 St-S
Ss~S
St-s と仮定
熱
熱方程式・ガウス核
式
核
数学的厳密性?
学位論文 honorable
次席
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歴史ー数学的に 1923年
Norbert
b
Wiener;1894-1964
1923 Differential space, J. Math. Phys. 2
R:気体定数,T:絶対温度,
NA:アボガドロ数,
η:粘性率,a:粒子半径
Les Atomes (1913)
Jean Perrin;1870-1942
直径1μm程度の球形微粒子を浮かべたコロイド溶液で精緻な観測
(i) ストークスの法則を『小さい』ブラウン粒子に適用してよい
(ii) 浸透圧の公式を『大きい』ブラウン粒子に適用してよい
(iii) 平均二乗変位σ
平均二乗変位σ^2∝t
2∝t,
粒子の変位のヒストグラムは正規分布のグラフに一致する
(iv) Dを力学的拡散係数と同
Dを力学的拡散係数と同一視して良い
視して良い
(v) 種々の方法によるアボガドロ数の計測
⇒Einsteinのアボガドロ数の計測法が正しい
ブラウン運動の存在!
連続性!
歴史ー数学的に 1931年
確率過程と偏微分方程式
Andrey Kolmogorov;1903-1987
;1903 1987
Über die analytischen Methoden in
der Wahrscheinlichkeitsrechnung,
Wahrscheinlichkeitsrechnung
Math. Ann. 104
Forward Eq (Fokker
(Fokker-Planck)
Planck)
拡散過程の構成⇔偏微分方程式
コルモゴロフの拡張定理
ル
フ 拡張定理
Backward Eq
コルモゴロフの連続性定理
歴史ー数学的に 1940年
歴史ー数学的に 1968年
Paul Lévy;1886
Lévy;1886-1971
1971
Le mouvement Brownien plan
Amer Jour.
Amer.
Jour Math.,
Math 62 (1940)
Haar関数
-n+1
k2
-n+1
(k+1)2
Itô-Nisio
ô i i
On the convergence
g
of sums of independent
p
Banach
space valued random variables
Osaka Jour. Math. 5 (1968) 35–48
確率積分ー1942年
確率積分 – 定義
伊藤清;1915 2008
伊藤清;1915-2008
1942年,『Markoff過程ヲ定メル
確率微分方程式』
ブラウン運動に基づく
微積分学
伊藤積分の等長性
RHS<∞へ一般化
伊藤の公式 - 連鎖定理 -
確率微分方程式
ランダムな擾乱
積分方程式
Lipschitz連続
解の存在と 意性
解の存在と一意性
(逐次近似)
確率微分方程式と偏微分方程式
Feynman-Kacの公式
Richard
Ri
h d Feynman;
F
1918-1988
1918 1988
1942年 Feynman経路積分
1947年春 Cornell Physics Colloqium
Mark Kac; 1914-1984
Forward Eq
大偏差原理
 ε→0: 準古典近似に対応
準 典近似 対
 Shilderの定理
 Donsker-Varadhanの定理
多様体上の確率微分方程式
多様体上のブラウン運動
多様体上のブラウン運動と
熱方程式
 M:Riemann多様体,O(M):
M:Riemann多様体 O(M): 直交枠束
 ω: 接続形式,θ:soler形式
 ξ に付随する水平ベクトル場
 熱方程式
の解
 基本水平ベクトル場
 O(M) 上の確率微分方程式
 微分形式に対する熱方程式の解
 M上のブラウン運動;
多様体への巻き付けと展開
 水平持ち上げ
マリアバン解析
 H
H-微分
微分
 確率平行移動
 巻き付け
 展開
ソボレフ空間
双対
Wiener空間上の超関数 – 熱核

非退化:
 Watanabe’s pullback
色々と
 熱核の短時間漸近挙動
diagonal, off-diagonal
 Gauss-Bonnet-Chernの定理
定理
 跡公式
 経路空間上の解析
 ラフパス解析
 熱半群
熱半群→熱核
熱核
Dynamical Asset Pricing Model
 市場
 安全証券(国債,預金など)
安全証券(国債 預金など)
 危険証券(株式など)
(
 裁定機会の有無
裁定機会の有無,ヘッジ可能性,
ヘッジ可能性
金融派生商品の価格公式
金融工学と確率解析の邂逅
 1900年 バシェリエ
 1950年以前 経済学者に認知されず
 1950年代 再発見 サベ
サベージの手紙
ジの手紙
「誰かバシェリエという1914年に投資に関する小冊子を
出版したフランス人を知っているか?」
 1965年 P. Samuelson
 1973年 F. Black & M. Sholes
 1973年 R. Merton
BSモデル-オプションの価格公式
ヨーロピアンコールオプション
満期時に危険証券を1単位
価格Kで買う権利
max{ST-K,0}
放棄
利益 0
NO
満期
ST>K
YES
行使
利益 ST-K
B-Sの価格公式