百日咳について Q 百日咳が大人の間でも流行していると言われていますが、弊社においても 40 才の社員の方 が百日咳でお休みをしています。周囲への感染伝播が懸念されます。そこで次のことについて 教えて下さい。 ① 周囲の方に受診勧奨をする症状 風邪様症状から 1~2 週間後に咳が発症するといわれていますが、どの程度の咳が続けば受 診したほうがよいかなど。 ② 予防接種について 生後にワクチン接種がありますが、大人については抗体がない場合にワクチン接種は可能なのでしょうか。また、 可能であれば周囲に感染者がいる場合にはワクチン接種を推奨したほうがよいのでしょうか。 ③ 予防内服について 香川大学で百日咳の集団感染があり、予防的内服をしたという記事がありました。ある程度感染が拡大した場 合には予防内服というのは集団感染対策として一般的にするべき対策なのでしょうか。また行う場合には、どの抗 生物質をどの程度の期間内服するべきなのでしょうか。 ④ 出社可能な時期について 百日咳に感染した方が出社可能と判断されるのは、感染性が消失してからになると思いますが、何を確認して 出社可能と判断したらよいでしょうか。 A ① 直接接触があった方は、咳が出 始めたらすぐに検査が必要です。直 ③ 米国小児科学会では、家族内など濃厚接触者に はエリスロマイシン 2Wの予防内服を勧めています。 接接触がない場合は、通常は 2 週間 以上長引く咳がある場合、百日咳を 考慮ことになると思われます。 ② 小児で直接接触があった場合、DPT接種が 1~2 回しか終了していない時は、ワクチンを追加します。3 回以上の接種が終了している場合は、追加接種は行 職場内でも特に濃厚接触の可能性のある方は予防内 服をされてもいいと思います。濃厚接触ではない場合 も、接触後 21 日間は咳などの症状に注意し、咳が出 始めたら培養検体採取後、すぐに内服開始を推奨し ています。 ④ 学校保健法では特有の咳が消失するまでは、出 いません。成人では通常は計 4 回の接種が終了して いるため、追加接種の必要はないと思います。しかし、 抗体の保持能力には個人差がありますので、直接接 触があった方は咳が出現したらすぐに治療を開始す ることになると思われます。 校停止になっていますので企業でもそれに準じて、特 有の咳が消失するまでは出社を控えることになると思 います。 18
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