バクタ®配合錠,バクタ®配合顆粒の よくある お問い合わせ 2015 年 9 月 Q1 バクタ配合錠が 1 日 1 回 1 錠(バクタ配合顆粒 1g)で長期間処方箋が出ています。このような方法で使用さ れている患者背景として,どのようなものが考えられますか Q2 バクタ配合錠,バクタ配合顆粒を腎障害患者に使用する場合の投与量を教えてください。 Q3 バクタ配合錠,バクタ配合顆粒の一包化は可能でしょうか。 Q4 バクタ配合顆粒が苦くて飲めない患者さんがおられます。何か飲みやすい工夫は無いでしょうか。 Q1 バクタ配合錠が 1 日 1 回 1 錠(バクタ配合顆粒 1g)で長期間処方箋が出ています。このような方法で使用さ れている患者背景として,どのようなものが考えられますか A1 バクタ配合錠,バクタ配合顆粒は,公知申請により「ニューモシスチス肺炎の発症抑制」の適応症が承認さ れております(2012 年) 。 「ニューモシスチス肺炎の発症抑制」に対する【用法・用量】は,「通常、成人には 1 日 1 回 1~2 錠(顆 粒の場合は 1~2g) を連日又は週 3 日経口投与する。通常、 小児にはトリメトプリムとして 1 日量 4~8mg/kg を 2 回に分割し、連日又は週 3 日経口投与する。 」となっております。 この適応症で本剤を使用される場合は,通常投与量より少量を比較的長期間服用される可能性があります。 対象患者は,抗癌剤やステロイド,抗リウマチ薬が投与されていて易感染性状態の患者,HIV や移植後の患 者等で,ニューモシスチス肺炎の予防が必要と判断される場合に使用されます。 Q2 バクタ配合錠,バクタ配合顆粒を腎障害患者に使用する場合の投与量を教えてください。 A2 添付文書の<用法・用量に関連する使用上の注意>,3.には,腎障害時の投与量として以下を記載しており ます。 Ccr を指標とした用量調節の目安 Ccr(mL/min) 推奨用量 30 < Ccr 通常量 15 ≦ Ccr ≦ 30 通常の1/2量 Ccr < 15 投与しないことが望ましい Q3 バクタ配合錠,バクタ配合顆粒の一包化は可能でしょうか。 A3 本剤の BKT 配合錠,配合顆粒の一包化の検討は行っておりません。無包装状態の安定性については,インタ ビューフォーム,Ⅳ.製剤に関する項目,4.製剤の各種条件下における安定性,表Ⅳ-2 製剤の安定性を参 照ください。 ※貯法:遮光・気密容器・室温保存(曝光により着色するので注意すること。) 表Ⅳ-2 製剤の安定性 〔3ロットの測定値(※のみ1ロット3瓶の平均値)〕 試験項目 試験 区 分 保存条件 37℃ 80%RH 遮光 バ ク タ 配 合 錠 20℃ 白色光 50000lx 室温 密栓 遮光 37℃ 80%RH 遮光 保存期間 シャーレ (開放) 瓶包装 色 形状 におい スルファメトキ サゾール*2 試験 開始時 白色 円形 なし 99.1 ~ 99.6 1 ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 99.2 ~ 99.7 3 ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 99.3 ~ 99.9 6 ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 99.1 ~ 99.3 試験 開始時 白色 円形 なし 99.1 ~ 99.6 5 時間 変化なし 変化なし 変化なし 99.7 ~ 99.9 変化なし 変化なし 99.3 ~ 99.8 20 時間 100.3 100.8 ~ 101.1 100.1 ~ 100.6 100.7 ~ 101.4 100.7 ~ 101.3 100.0 ~ 100.3 100.3 ~ 1.7 ~ 2.0 1.3 ~ 2.6 3.5 ~ 3.7 1.1 ~ 1.6 1.4 ~ 1.8 1.5 ~ 1.9 99.6 ~ 99.7 試験 開始時 白色 円形 なし 99.1 ~ 99.6 2年 変化なし 変化なし 変化なし 96.8 ~ 98.3 試験 開始時 白色 顆粒 なし 97.6 ~ 103.5 1 ヵ月 変化なし 変化なし 変化なし 97.5 ~ 101.6 変化なし 変化なし 97.7 ~ 100.2 変化なし 変化なし 98.2 ~ 98.8 顆粒 なし 97.6 ~ 103.5 変化なし 変化なし 99.8 ~ 100.3 変化なし 変化なし 98.0 ~ 100.2 98.7 ~ 100.1 0.8 変化なし 変化なし 99.8 ~ 100.3 98.2 ~ 99.6 0.8 ~ 0.9 試験 開始時 5 時間 シャーレ (開放) 20 時間 極微帯 褐白色 極微帯 褐白色 白色 極微帯 褐白色 極微帯 褐白色 極微帯 褐白色 100.6 100.7 ~ 101.4 99.6 ~ 100.6 100.8 ~ 104.4 97.9 ~ 99.5 100.6 ~ 101.3 98.3 ~ 99.5 100.8 ~ 104.4 102.2 ~ 102.4 1.5 ~ 1.9 1.1 ~ 1.6 1.4 ~ 2.0 0.3 0.7 1.0 ~ 1.1 2.4 ~ 2.5 0.3 0.7 ~ 0.8 試験 開始時 白色 顆粒 なし 103.5 104.4 0.3 2年 変化なし 変化なし 変化なし 102.3 104 0.6 *1:表示含量に対する含量(%) *2:測定法;Bratton-Marshall法に従って比色定量 *3:測定法;紫外可視吸光度測定法 100.1 ~ 1.1 ~ 1.6 変化なし 3 ヵ月 瓶包装 101.4 変化なし 6 ヵ月 室温 密栓 遮光 白色 100.7 ~ 崩壊試験 (分) 微黄褐色 50 時間 長 試 期 験 保 ※ 存 ほとんど トリメト プリム*3 50 時間 無包装 苛 酷 試 験 20℃ 白色光 50000lx 含量*1 (%) 性状 無包装 苛 酷 試 験 長 試 期 験 保 存 バ ク タ 配 合 顆 粒 保存形態 Q4 バクタ配合顆粒が苦くて飲めない患者さんがおられます。何か飲みやすい工夫は無いでしょうか。 A4 バクタ配合顆粒は主薬を白糖でコーティングしておりますが,水などに懸濁すると白糖が溶け出して苦味が 出ます。したがいまして,バクタ配合顆粒を他の飲料と混ぜるなど懸濁させて服用することはせず,水また はジュースなどと共に服用することをお勧めします。 なお,本剤の主成分であるスルファメトキサゾール,トリメトプリムはいずれもほとんど水に溶けません。 <参考> 信州大医学部付属病院の池田先生ら(※)の検討によりますと,バクタ配合顆粒と飲食物の飲み合わせにつ いて以下のように報告されております。 バクタ配合顆粒単剤の苦味を「10」とした場合:◎:0~3,〇:3~5,△:8~10,×:10 以上 ◎…はちみつ,ココア(粉末) ,練乳,チョコレートクリーム,バニラアイス,練り梅,のりの佃煮 〇…プリン,単シロップ,イチゴジャム △…牛乳 ×…緑茶,ブドウゼリー,ヨーグルト(加糖),炭酸飲料(レモン),リンゴジュース,乳酸菌飲料 (※)池田真弓 ほか 第 34 回長野県看護研究学会 2013,13-15
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