子供のための日本語教室 - フランス日本語教師会

第十三回フランス日本語教育シンポジウム 2012年 フランス・セルジーポントワーズ
13ème Symposium sur l’enseignement du japonais en France, Cergy-Pontoise France, 2012
実践報告:子供のための日本語教室
問題点と要因、提案、文化を含めたプログラム紹介
内田陽子 CILFA/Polytech Savoie Annecy Chambéry
[email protected]
森 文 バイリンガル国語教室、にほんごであそぼ会主宰 [email protected]
キーワード:年少者への日本語教育、継承語、日本文化体験
はじめに
アヌシーとその近郊で、近年日仏及び日本人家族がさまざまな理由で増加してきた。
「日本語を子供に教えたい」という親からの要望を受けて、発表者は 2011 年から別々の
場所で日本語教室活動を始めた。森は「バイリンガル国語教室」「にほんごであそぼ会」
を主催、内田は「日本語アトリエ」をアヌシー近郊の町で開き教師として参加、2012 年
現在も続けている。
二人の発表者が出会い、活動について話し合い、検討し合ったところ、子供対象であ
っても、目標の違いから、授業内容や活動方法が違うことがはっきり認識された。また、
各々が出会った問題点を見直しながら、今後の展開として考えたことを「提案」という形
で発表する。今回の発表では両者の活動の紹介と、森の活動の中で「楽しさ」を追求する
活動として結果作り上げた「季節の行事を楽しむプログラム」もあわせて紹介する。
森は「母親」として、内田は「日本語教師」としての経験に基づいた活動報告を、同じ
興味をもつ方に読んでもらい、意見交換や交流が始まることを期待している。
2012 年現在は、まだ別々に活動を続けているが、将来的には、双方の教え子たちが交
流したり学び合える機会を設けるよう、発展させていきたい。
1.「日本語アトリエ」(内田)
1.1.対象と実践内容
「日本語アトリエ」とは、日本語を、工作や絵を描くことをしながら楽しく遊びながら
覚えてほしいという思いから名付けた。
日本語に触れる機会が増えることと、日本語を学び続けるモチベーションを育てること
を目標としている。
アヌシーから 30km の小都市で、母親が日本語話者の家庭の子供たち、6 才から 13 才計
6 人を対象に水曜日の午後 1 時間、参加者の家を借りて始めた。
日本語のレベルは子供によって違う。家庭で、母親は日本語で話しかけているので、聞
いたことを理解することはできるが、子供同士の会話は仏語になる。
13 才の女の子は、小さい時から毎夏日本の家族の元で過ごしていたので、日本語の会
話は問題なくできるが、作文や漢字の勉強はあまりしたことがなかった。その子どもが、
お姉さん的な役割を引き受けて、楽しく日本語を覚えるような雰囲気が生まれている。年
下の子供たちにとっても、このお姉さん役の女の子の日本語力が目標となっている。
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ひらがなを遊びながら覚え、語彙を増やすためのゲームやかるた作り、インターネット
でダウンロードできる日本の幼稚園向きの教材や、小学生英語教室カリキュラムの内容を
参考にして内容を決めている。教師は日本語しか話さないが、フランス語を子供が発話し
てもそのままにして、必ず日本語に言い換えるようにしている。日本語でおしゃべりをし
ながら、お菓子を食べたり折り紙をして集まりを終える。
2 年目の今年は、昨年作ったひらがなかるたの絵を使って、教科書を作った。
1.2.問題点と要因
教室で気づいた問題点は、週 1 時間遊ぶだけでは日本語習得につながらないことであ
る。
補習校がジュネーブにあるので、そこへ通わせることも可能だが、時間的、経済的な問
題もあるようで、親の方でも、決めかねているうちに子供が成長してしまったように見受
けられる。家庭での日本語教育として、何をどう、という方法的なものがわからいことも、
問題である。しかし、母親と会話を続けることと、日本の家族と一緒に過ごすことは、ど
の家族も積極的に実行していて、夏休みに日本語だけでなく、成長して帰ってくるのが見
られる。
親子の会話を聞いていると、フランス語と日本語を混ぜたり、叱るときだけ日本語を使
ったりすることもあり、まず「日本語を学ぶために親が家庭でできること」のような勉強
会を開く必要があるとおもった。
2.バイリンガル国語教室(森)
2.1.対象と実践内容
趣旨は、自分の子供との経験を他の母子と共有し、日本語で遊ぶ友だちと、日仏完全バ
イリンガル教育を目指す母仲間を作ることである。この会では、日本語を教えるのではな
くて、日本語で楽しいことをする。日本語を学ぶ仲間作りと日本語習得へ繋がるモチベー
ションを育てる。プログラムの対象は、3 歳以上で、親子の会話は日本語である家庭。
シンポ発表の時点では受け持ちは 3 歳から 5 歳の日仏子女 3 名と日日子女 1 名だったが、
現在は、日仏 3 歳 4 人クラスを新講師が担当、4 歳、6 歳の日仏女子 3 名を去年に引き続
き私が担当している。
現地校ではフランス語で生活しながらも、週 1 時間の国語教室と家庭学習により、日本
人並みの会話と読み書きを目指す。教室は、毎朝の家庭学習奨励とその内容のアドバイス、
その成果を発揮する場である。子供が現地校で経験したこと、習ってきたことを随時日本
語でフィードバックするコツなどもお母さんに紹介する。例えば、子供がフランスの集団
生活に通い出した時点から、「今日何した?」ではなく「一番楽しかった事」を聞くとか、
日本語でフランス語の宿題を見てあげたり、関連する日本語の本を一緒に見たり、読んだ
り、説明したり、それをもとに話を発展させる。年令にこだわらず、古文漢文の暗誦や昔
ながらの唱歌などを使い、日常会話では触れることのできない言い回しをインプットし、
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親子の日常会話以上の語彙を提供する。フランスの小学生のうちに、常用漢字の読みを習
得し、各年齢の知識レベルに見合った、本人が興味のある本を日本語で読むことができる
ようにする。
参考資料
保護者用プログラム 1 習得内容
国語教室では、毎月、季節に因んだ、又は日本の年中行事を中心としたプログラムを作
成し、保護者に渡す。目的は、子供が週1回の教室で何をしているのか保護者が理解し、
プログラムに沿った家庭学習を促すためである。具体的には、季節の歌を一緒に歌う、月
のテーマに沿った話題や語彙を使って会話することである。塗り絵などは、塗ることが宿
題ではなく、色を塗りながら、また塗った絵を部屋に貼っておいて、季節や行事の話題と
して、日常会話の内容を豊かにするためである。漢字の音読みや訓読み、熟語の習得を意
識して、小さい時から徐々に難しい語彙にレベルアップしながら会話を維持することを勧
めている。例えば、「ご飯を食べる」を「食事をする」に、「起きる」を「起床」に、文
字を読む前の段階で、会話の中で置き換えて行く。これは、蓮見重彦の『反日本語論』が
参考になった。丁寧語や尊敬語の他に、日本語特有で面白みのある言葉使いを知り、親し
むために、論語から落語まで、ニュースから昔話まで、幅広く音読する。NHK にほんごで
あそぼ監修の斉藤孝の、「子供でも本物に触れさせる」考え方を多く取り入れている。今
年は新たに共通の漢字のカルタを各自で購入して、授業にも持参してもらい、家庭学習と
授業の連携でより多くの漢字の読みの習得の段階に入っている。
保護者用プログラム2 授業の流れ
授業の流れは、元気な男の子中心の場合は体ほぐしを最初に入れ、お勉強好きの女の子
中心の場合はすぐに歌詞のファイルを開かせて歌い始める。 時間配分はあくまでも目安
で、その場の子供の反応を見ながら、流れを作る。会話はおもちゃの電話を使う事も多い。
最近は「先生になりたい人」と聞くと、「は~い」と競って手をあげてくれることも多い
ので、順番に先生役を任せて、丁寧語を使った発話の練習もしている。お習字は漢字に親
しむためで、細かい事は注意せず、書きたい意欲を引き出す。「先生、今日はお習字やら
なかったね」と残念そうに言ってくれる時もあるほど人気である。プログラムから脱線し
た会話は、重要だと思う時は発展させる。子供の日本語での発話、その意欲は宝と思って、
興味を持って子供の話に耳を傾け、もっと話したくなるような楽しい受け答えにする。作
文や日記を書く基礎となるよう、季節のカルタを数枚使って、お話を作る練習もする。
歌詞プリント
国語教室の中心は季節の歌である。半年もたつと、3 歳の子供達も漢字の歌詞に慣れて
きて、「春という漢字を見つけて青い丸をつけて下さい」と言うと喜んでする。こちらが
課題を出す前に「先生、また春って言う字見つけちゃった」と、次の歌の漢字を指さして
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くれるほどになった。わざと漢字で歌詞を印刷して渡すのは、平仮名、片仮名、漢字の順
に習わなくてはいけないというタブーを、海外ならではの特権として取り払い、漢字アレ
ルギーをなくすためである。目に触れる日本語環境づくりの第一歩である。歌詞プリント
は、切り取って並べ替えたり、なぞり書きをしたり、穴埋めに変えたり、最後は書き取り
まで長く重宝する。
なぞなぞ
「なぞなぞ」はその月の語彙カルタと連動して、その語彙が答えになるものを作成して、
印刷する。それをくじにして引かせる。問題を読みあげる場合も、子供にも見えるように
したり、わざと気づかないふりをして、答えを子供の目につくようにして、文字を意識さ
せ、読みたい気持ちを引き出す。家でお母さんと、なぞなぞの出しっこ、当てっこをしな
がら、遊びながら国語の上達を意識してもらうように勧めている。子供がお母さんに、
「むのつくものなんだ?」と問題を出してきたら、「それは足がありますか?」とか「何
文字ですか?」とか「最後に何がつきますか?」とヒントを求めることで、会話が膨らみ
語彙が増え、物の説明の仕方を学びます、という具合に説明する。口頭でこれができるよ
うになると、謎々作文が書けるようになる。全ての会話は作文への下準備だということを
保護者に理解してもらう。
2.2. 問題点と要因
来るものは拒まずのクラス編成で、問題点が浮き上がってきた。日本語レベル混合クラ
スではどの子どもにも成果がでない。現在のプログラムを使ったイマージョン方式では、
日本語の基礎のない子供の誘導が困難である。またジョークを言っても通じず授業に面白
味がない。
3.にほんごであそぼ会 季節の伝統行事を経験する教室(森)
3.1.対象と実践内容
この会の趣旨も、国語教室同様、日本語を教えるのではなく、日本語で楽しいことをす
る。日本の年中行事や伝統文化の体験をする。母と子だけでなく、お友達と活動や料理、
食事会を一緒にする楽しさを味わう。母親以外の大人との会話・交流を通して、より豊富
な日本語・日本人的仕草に接する。
現在 8 歳と 9 歳の我が子としてきたことを、一昨年の 7 月から、友達と活動してきた。
月に1回から数回、日本語で、お祭りやお祝いをして、それに因んだ工作や食べ物の調理
と会食をする。
3.2.問題点と要因
にほんごであそぼ会は、自由な発話がでるため、語彙不足で、自然に日本語の会話がで
きない子供が一人でもいると、他の子供はバイリンガルであるため、全員がフランス語に
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なってしまう。その結果、 バイリンガルを目指す子供が日本語で遊ぶことができる場に
はならない。また、日本語の流暢な子供が、他の子供のレベルを引き上げる効果もなかっ
た。
問題は子供にではなく、日本語教育への意思と目標が定まらない親に起因する場合が多
く見受けられた。例えば、日本語教育の目標を考えたことがない、家庭内で会話している
から日本語教育は十分である、子供の意志を尊重したい、日本語ができる子供と遊ばせれ
ばなんとかなるだろう、教育方法がわからない、誰に聞いたらいいかわからない、等。
環境に起因する問題としては、仏語環境からのプレッシャーも軽視できない。
4. 提案
4.1.1.「アヌシー日本語で子育て会」発足
当初は仲間は多いほど良いと思い、国語教室にも、にほんごであそぼ会にも、希望者を
すべて受け入れてきたが、問題点が明らかになり、「アヌシー日本語で子育て会」という
枠組みを決めた。その結果、この会とは別に、子供の現時点での日本語能力差と親の目的
別の日本語教室の設置が必要だと強く感じた。
目標
・読み書きを含めた日本人並みの完全バイリンガル
目的
・モチベーションをあげるため、歌・暗誦・日記・劇などの発表
・日本語だけを使って日本文化や日本の年中行事を仲間と楽しく 体験する
条件
・年齢相応の日本語が習得されている子供
・日本人の親と子供の会話は100%日本語であり、兄弟姉妹の会話も日本語
注…国語教室は子育て会の活動の一部であり、日本語で楽しく、言語・知能の発達を
促し、家庭での国語学習の指針を提案する場である。(外国語としての日本語教室や
日本語補習校とは異なる)
4.1.2 これからの提案 1
これらの問題に対する解決策として、複数のクラスの設置を仮定してみた。
1.日本語が外国語となってしまう前に、子供の日本語教育の目標を定める手助けをし、
ノウハウや心構えなど母親のフォローをする、プレママ・胎教クラス。
2.乳・幼児期から日本語環境を整える 3 歳未満の親子クラス、そして 3 歳以上の幼児ク
ラス、小学生クラス。日本の学年別カリキュラムではなく、年中行事や文化を軸とした、
螺旋状に発展するカリキュラムにより、海外で限られた時間で日本語を習得する。
3.異なる問題、共通の悩みを持つ母親支援のための母親クラス。
これら週一回の日本語教室の他に、仲間と食育や工作を通じて動機づけを高めるため、
最低月一回の文化行事活動の必要性を感じる。
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クラス運営法は、親はお金を払うのみの塾形式、又は親同士が自分の子供以外の子供を
担当して先生をする、親主体のサークル形式のいずれか模索中である。現在、私の主催す
る「バイリンガル国語クラス」は、「日本語で子育て会」の活動の一環とし、希望する母
親には教室補助見習いとして授業に参加してもらい、国語教室の先生として養成し、今年
度は新講師を務めてもらい、代行やクラス分担を可能にし、いずれは次世代へバトンタッ
チしていきたいと願っている。
4.2.1.これからの提案2
日本語を始めよう、続けようクラス。日本語を継続するヤル気と、ゆっくりバイリンガ
ルに近いレベルまで続けて行きたい意志を育てるクラス。年令に関係なく参加できるが、
親の家庭内での参加が不可欠なので、親も巻き込んだ活動とする。
4.2.2.予想される問題点
レベルや親の熱意に差があることが、はじめから懸念されるので、どういう環境、構成
にするかについては話し合いを続けたいと思う。
バイリンガルではなく、ゆるめの日本語・日本文化教育を望む親は、親が主体になって
活動を進めるほどの縦横性を感じておらず、結局は塾や習い事のようなものに、子供を預
けたいというのが本音のように思える。そこで必要になるのが、日本語補習校とは性格を
異にする、日本語・日本文化教室だと思う。場所を借り、先生を募集して、英語やサッカ
ーを習う様に、気軽に日本語を習う環境が作れたら最高だと思う。
おわりに
フランス語優勢世界でのミクロ日本語活動があり続けることに意味があると考えて、機
会を見つけては日本語と出会う場を作る活動に関わっていくことが必要だと思っている。
内田は森と出会うことにより、自分の教室活動を意識的に見なおすことができたことと、
話し合うことから勇気づけられたことが多かったので、このような経験を同じような活動
を続ける教師間で持つことができたらよいと思っている。
資料
国語教室、月間プログラム例
1 月のプログラム(保護者用)水曜午後二時又は四時から 正味 45 分~1 時間
主題… お正月、餅つき、年始回り、お年玉、初詣、絵馬、七草、鏡開き
会話文…「去年は何年?」「今年は何年?」「今年は辰年」
「明けましておめでとうございます」「今年もよろしくお願いします」
十二支復習
月の名称復習 睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、葉月、文月、長月、神無月、霜
月、師走
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七草囃子 「七草なずな 唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ先に、合わせて、バタクサ
バタクサ」
春の七草 芹・薺・御形・ハコベラ・仏の座・菘・蘿蔔
名詞…鍋、年賀状、七草粥、鏡開き
御正月カルタ(三十八枚)漢字探し「雪、達磨、御、羽、兎」
御正月・・・門松、注連縄、宝船、御年玉、御節料理、箸置き、御屠蘇、鯛、鏡餅、御汁
粉、酒樽、招き猫、福助、扇子、書初、御寺、神社、絵馬、破魔矢、御神籤、着物、初詣、
羽根つき、羽根、羽子板、独楽、独楽回し、凧、雪兎、雪合戦、雪達磨、達磨、達磨落と
し
冬・・・押し競饅頭、炬燵、橇、スケート、かまくら
国語教室・授業の流れ(例)
体ほぐし 5 分
歌♪達磨さん♪三月三日の餅つき、音楽にのって動作遊び 歩く・跳ねる・寝る…
会話 5 分
御年始、お年玉
運筆 5 分
なぞり書き、絵馬に祈願、水書き習字「正月」、尻文字、背中に文字、年賀状、マッチ棒
で文字遊び
体遊び 10 分
椅子取りゲーム、フルーツバスケット、色鬼
なぞなそ・しりとり さかさまことば 5 分
御神籤御正月クイズ
歌・わらべ歌・手遊び・ふれあい遊び 10 分
凧の歌、富士山、スキー、スキーの歌、トロイカ、雪、雪が降る、雪の降る晩、一月一日、
歌詞中の言葉探し「お正月」
かるたあそび 10 分
ジグソーパズル、福笑い制作、干支カルタ、両手両足遊び、かくれんぼ遊び、借り物競走、
神経衰弱
読み聞かせまたは紙芝居 5 分 「冬の贈り物」「動物村の御馳走暦」
にほんごであそぼ会、年間プログラム例
9月
お月見団子会、秋のお彼岸御萩会
10 月
秋の大運動会、栗拾い
11 月
親子お節料理講習会
12 月
注連飾り、門松作成、大晦日、蕎麦打ち、餅つき、なまはげ
1月
書初会、凧揚げ会、歌留多会、独楽回し、初釜、双六、福笑い
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人事の節句、七草粥、どんど焼き、まゆ玉作り、鏡開き
2月
節分、恵方巻、豆撒会
3月
雛祭り、桜餅、散し寿司、工作、春のお彼岸、牡丹餅会
4月
春の小運動会・お花見
5月
端午の節句、柏餅、ジャパヌシー出演
6月
国語教室年度終業お楽しみ会
今年度より、効率的に成果を上げるために、「国語教室」と「にほんごであそぼ会」は、
同一グループで実施、水曜午後の時間割を決めて運営している。
にほんごであそぼ会時間割
11:00~12 :00
習字教室
12 :00~12 :10
片づけ
12 :10~12 :50
昼食
12 :50~13 :00
片づけ
13 :00~13 :50
外遊び又は年中行事・茶道教室
13 :50~14 :00
片づけ
14 :00~14 :10
全員で歌、斉唱、読み聞かせ
14 :10~15 :00
年齢別国語教室、片づけ
15 :00~15 :30
個人発表、踊り、片づけ
15 :30~16 :00
おやつ(行事の食べ物)、片づけ
16 :00~16 :50
外遊び又は年中行事
16 :50~17 :00
片づけ
17 :00~17 :30
解散
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Rapport d’expérience : Classe de japonais pour les enfants
Présentation de programme mensuel basé sur la culture japonaise
et problèmes rencontrés
Yoko UCHIDA CILFA/ Polytech Savoie Annecy Chambéry [email protected]
Aya MORI japonais pour bilingue, nihongodeasobo [email protected]
Mots clefs: enseignement du japonais, langue d’origine, expérience de la culture japonaise
Je voulais partager mon expérience personnelle sur l’éducation de mes enfants en japonais, j’ai fait appel aux mamans qui voulaient faire une éducation de japonais aux enfants.
Pour nous l’important est d’imprégner les enfants de leur culture et de la pratique de la langue
dès leur plus jeune âge parallèlement à la langue extérieure.
Le programme est construit chaque mois sur la base des nombreuses fêtes japonaises. Les
enfants se réjouissent de la fête avec leurs camarades, cette expérience motive les enfants à
apprendre le japonais autant par nécessité que par plaisir.
Pratique de coutumes traditionnelles :
-Fabrication manuelle de jouets (cerf-volant, toupies, pliages…)
-Préparation des décorations de la fête (des tresses en paille)
-Récitation de chansons et de poésies de saison à l’aide de méthode de respiration traditionnelle,
-Cuisiner la nourriture spécifique à la fête de saison (fabrication de nouille de sarrasin, pâte de
riz). Nous partageons un moment convivial de la préparation jusqu’ à la dégustation.
Ce programme inspiré par ces activités traditionnelles a attiré parmi nous des familles japonaise
s expatriées. Leur participation et celles des enfants ont beaucoup contribué à faire élever le nive
au de japonais de l’ensemble du groupe.
A contrario, la participation d’enfants n’ayant pas reçu dès leur plus jeune âge une imprégnation
dans la culture japonaise perturbe l’efficacité de la méthode. Il convient donc de différentier l’a
pprentissage en deux groupes de niveau. Nous sommes en train d’essayer un programme amélio
ré pour les enfants qui n’ont pas de base ou qui ont une faible base de japonais.
Le problème est bien sur issu des parents. Les facteurs d’échec des parents en général sont :
-Pas de conscience du projet
-Ne savent pas comment s’y prendre
-Pression extérieure affirmant qu’il est trop difficile de mener en parallèle les deux éducations.
Nous trouvons comme solution de créer des classes variées toujours à base de fêtes japonaises d
e saison
-Classe spécialisée pour les enfants ne maîtrisant pas les bases de japonais
-Classe des mamans et pré-mamans pour donner des idées et des outils pour éduquer l’enfant en
japonais à la maison.
-Classe des mères-enfants pour chanter et danser, faire des lectures et participer à des jeux simpl
es.
-Classe des enfants japonais langue maternelle pour pouvoir utiliser leur japonais et donner des
repères comme devoir en temps limité.
L’éducation du japonais pour les enfants binationaux est un défi pour avoir des hommes biculturels qui ont des points de vue différents que les mono-culturels pour le monde.