セリング・ラボ 佐藤正明 発行 - 売れる営業の仕組み作りはセリングラボ

<セリング・ラボ 佐藤正明 発行>
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~戦略的殿様商売のすすめ~
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【今回のテーマ】 Vol.175
「筆談ホステス」 ~ハンデを武器にする知恵~
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おはようございます。
セリング・ラボの佐藤です。
空気が乾燥しているせいか、頻繁に火事のニュースを目にします。
外国にまで出かけて火事に遭う人がいるかと思えば、今週は東京の高円寺で、一度に4人もの方が亡
くなりました。
そういえば昨年の冬、
私の自宅でもハロゲンヒーターがショートして、形だけですが火事扱いとなり、
消防署の現場検証を受けたことを思い出しました。
火と喧嘩をしても勝てないので、気をつけるしかありません。
さて、あなたは斉藤里恵さんという人をご存知でしょうか。
彼女は、銀座の No.1 ホステスですが、実はまったく耳が聞こえない人なのです。
私はそれを聞いて、とても驚きました。
クラブというのは、酒を飲みながら女性との会話を楽しむ場所です。
しかし彼女との間には、その肝心の「会話」が成り立ちません。
「クラブ」というビジネスモデルにおける最大のセールスポイントを、彼女は持ち合わせていないこ
とになります。
だから、彼女の本の題名どおり、紙とペンを使った「筆談」で会話をするしかないのです。
正直に言わせてもらえば、
「障害を持っているのに頑張ってるな」
とは思っても、わざわざ筆談などという面倒くさい手段で、
会話をしたいと思う人は少ないはずです。
私など、カードでの支払い時、サインがグチャグチャになってしまうことさえありますから、筆談な
どできません。
しかし彼女は、この不況下でも、立派に店の No.1 ホステスとして君臨しています。
月収も 100 万円を超えているそうですから、その辺の営業マンよりよほど高収入です。
でも、そんな彼女の秘密は、聞いてみれば意外にシンプルです。
声だと、周囲に聞こえてしまいますが、筆談なら、当人同士にしか話の内容は分かりません。
2人だけの秘密を共有することになります。
そして、その都度「書かなければならない」というワンテンポの間がもどかしさであると同時に、ワ
クワク感にもつながっているのです。
見事です。
ハンデであるはずのものを、逆に最大の武器に変えています。
私はそこに気づきを持ちました。
たとえ会話が苦手でも、お客様とのコミニュケーションは取れるということです。
声のコミニュケーションが苦手なら、メールでも手紙でも、あるいは手旗信号でもモールス信号でも
構わないのです。
それこそ、「筆談営業マン」がいたってよいはずです。
要は、お客様に何を伝え、何を分かって頂くのか、ということが大切なのであって、「どのように伝
えるか」という手段は、大した意味を持たないということです。
私の知っている技術者上がりの営業は、
客先で自身の技術を見せることで、契約をもらっていました。
彼のように、別に話なんかしなくたって、やり方はいろいろあると思います。
電話による詐欺が横行している昨今、安易な言葉より、手書きの文字の方が、相手に安心感を与える
かもしれません。
どのような場合にも、必ず活路は存在するものです。
そして、ハナから「ダメだ」と決めつけないことも大切です。
この 20 代の若い女性に、そんなことを教わりました。
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