テキストサンプル

目 次
■ はしがき
■ 旅行業法の定義と目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P1~P11
■ 旅行業の登録制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P11~P34
■ 営業保証金の供託 [ 営業保証金制度 ]
・・・・・・・・・・・・・・・ P34~P44
■ 旅行業務取扱管理者の選任 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P44~P55
■ 料金の掲示
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P55~P60
■ 旅行業約款
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P60~P68
■ 取引条件の説明と広告の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P68~P115
■ 旅行業協会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P115~P130
はしがき
旅行業の役割は、交通運輸機関、あるいは宿泊施設、観光施設などの旅の要素を組み合
わせて旅行者に提供するものです。自身の旅行経験や、書物・テレビ等で知った知識を編
むように造りあげる想像力と夢を売る仕事で、旅行業は幅広い知識と旺盛な好奇心に支え
られて発展する業界でもあります。
本書は、旅行業務の基本的・基礎的な知識を得ていただき、「総合」「国内」の旅行業務
取扱管理者試験に合格していただくために作成しました。基礎的な知識はもとより、過去
問を極力多く収めて、実際の試験に慣れていただくようにしてあります。
国内地理・世界地理はクイズ形式で、反復練習が可能なように作成してあります。また、
都道府県別、国別に極力並べてみました。市販の地図を手元に置かれて、位置を確認され
ながら勉強していただければ、地図上で旅行をしているように学ぶことができます。
英語関連につきましては、講義の中で、発音の基礎もお教えします。「子供は耳から言葉
を覚える」との原点に戻っていただき、時には単語を書きながら、声を出して読んでいた
だくことで、耳からも覚えられ、定着率が上がると確信しております。また、旅行社に入
られたのちも、きれいな英語を話せるようになっていただきたいための基礎的な発音練習
にもなります。書くことで手から、読むことで口から・耳から覚えることで知識の定着率
は上がります。
JR 運賃や国際航空運賃は、同じ問題を何回も解くことで理解を高めていただくことをお
勧めします。平成 19 年から平成 25 年までの 7 年分の過去問を収めており、その解説を細
かく書いております。
次に、旅行業法・旅行業約款ですが、法律用語独特の少々固い表現が多く、読む際に文
章になじみにくい部分があるかもしれませんが、ポイントを解説しながら、重要な箇所を
指摘しております。これらに加え、両科目は何といっても過去問を解くことで問題に慣れ
ることができます。毎年同じような問題が出題されております。数年分の過去問を解けば、
ほぼすべてが見たことのある問題であることに気が付くほどです。
国内旅行業務取扱管理者の試験は、毎年 9 月上旬に行われ、①国内実務、②旅行業法、
③旅行業約款の三科目です。
総合旅行業務取扱管理者試験は、毎年 10 月に行われ、①海外実務、②旅行業約款、③旅
行業法、④国内実務ですが、国内管理者免許をすでに取得された方は③と④は免除されま
す。
旅行業法の定義と目的
・この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者
の業務の適正な運営を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進するこ
とにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の
増進を図ることを目的とする。
・この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービ
スを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を
締結する行為を行うものを除く)をいう。
一
旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることが出来る運送又は宿泊のサー
ビスの内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計
画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成する
とともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必
要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送
等サービスを提供する者との間で締結する行為
二
前号に掲げる行為に付随して、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサー
ビスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提
供に係る契約を、自己の計算において、運送等関連サービスを提供する者との間
で締結する行為
三
旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締
結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為
四
運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等サービスの提供につい
て、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為
五
他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送等サービ
スを提供する行為
六
前三号に掲げる行為に付随して、旅行者のため、運送等関連サービスの提供を受
けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為
七
第三号から五号までに掲げる行為に付随して、運送関連サービスを提供する者の
ため、旅行者に対する運送等関連サービスの提供について、代理して契約を締結
し、又は媒介をする行為
八
第一号及び三号から第五号までに掲げる行為に付随して、旅行者の案内、旅券の
受給のための行政庁等に対する手続きの代行その他旅行者の便宜となるサービス
1
を提供する行為
九
旅行に関する相談に応ずる行為
2 この法律で「旅行業者代理業」とは、報酬を得て、旅行業を営む者のため前項第一号
から第九号までに掲げる行為について代理して契約を締結する行為を行う事業をい
う。
3 この法律で「旅行業務」とは、旅行業を営む者が取り扱う第一項各号に掲げる行為又
は旅行業者代理業を営む者が取り扱う前項に規定する代理して契約を締結する行為
をいう
4 この法律で「企画旅行契約」とは、旅行業務の取り扱いに関し、旅行業を営む者が旅
行者と締結する契約をいう。
5 この法律で「手配旅行」とは、各号に掲げる旅行業務の取り扱いに関し、旅行業を営
む者が旅行者と締結する契約をいう。
問 1. 次のうち、明らかに旅行業又は旅行業者代理業の登録が必要なものには○
を、必ずしもその必要が無いものには×を記しなさい。
1. 自らと取引のある旅行業者の委託を受けて、現地の貸切バスの手配を行い、当該旅
行業者からそれに見合う手数料を収受しているホテル。
2. ある旅行業者と直接契約して、当該旅行業者の専属添乗員としてもっぱら添乗業務
に従事し、当該旅行業者から報酬を受けている添乗員。
3. 友人がたまたま職場旅行の幹事となったため、友人のために馴染みの旅館を紹介し
たところ、当該旅館からお礼としてデパートの商品券をもらった派遣添乗員。
4. 歳末大売り出しの景品として沖縄旅行を提供することとし、その実施を旅行業者に
依頼したある町の商店街組合。
5. 付近にある複数の観光施設の入場券を販売し、各施設から販売額に応じて手数料等
を収受している土産物店。
2
6. 路線バスの回数券の販売を行い、販売額に応じて手数料を収受している停留所近く
のたばこ屋さん。
7. 車を利用して予約なしで訪れた旅行者のため、旅館の紹介をし、送客実績に応じて
各旅館から手数料を収受している宿泊案内所。
8. 自社所有の貸切バスを利用して、ブドウ狩りなどの日帰りバスツアーを実施してい
るバス会社。
9. 旅行に関する相談に応ずる行為を、報酬を得て事業として行う場合は。
10. 旅館業を営む者のため、旅行者に対する宿泊のサービスの提供について、代理して
契約を締結する行為を、報酬を得て事業として行う場合は。
11. 土産物店が、旅行者に対して船会社を代理して乗船券のみを販売する行為を、報酬
を得て事業として行う場合は。
12. 添乗員の派遣会社が、旅行業者のために添乗員を派遣する行為を、報酬を得て事業
として行う場合は。
13. 他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送又は宿泊の
サービスを提供する行為を報酬を得て事業として行う場合は。
14. もっぱらバス会社のため、代理してバスの回数券を販売する行為を、報酬を得て事
業として行う場合は。
15. 手配代行者が、直接に旅行者と契約を締結せず、旅行業者から依頼を受けて旅館の
手配を代行する行為を、報酬を得て事業として行う場合は。
16. 航空会社が他人の経営するホテルを利用して宿泊を伴う旅行を募集し実施する行
為を、報酬を得て事業として行う場合は。
17. レコード店が、旅行者に対し音楽コンサート、各種演劇などの入場券のみを販売す
る行為を、報酬を得て事業として行う場合は。
18. 訪日観光団を対象としたインバウンドのみを取り扱う場合は。
3
19. 観光案内所等が、旅行者に宿泊施設を紹介して、当該宿泊施設から紹介実績に応じ
て手数料を受け取る場合は。
20. バス会社が、旅行者に対し自ら所有するバスを利用して、他人の経営する宿泊施設
を利用した宿泊を伴う旅行を実施する場合は。
21. 報酬を得て、専ら航空会社を代理して航空券を販売する行為は。
22. レコード販売店が、他人の経営するホテルのために、音楽コンサート入場券と当該
ホテルの宿泊を伴う旅行を実施する行為を報酬を得て実施する場合は。
解 答
1. ×である。旅行業者の下請けであり、旅行者とは直接取引をしていないため「旅行
者を代理して」の一定の行為ではないため、登録は不要。「手配代行者」に該当する。
2. ×である。添乗業務のみであれば登録の必要はない。
3. ×である。たまたま宿泊の媒介をしたに過ぎない。この行為を反復・継続して行う
場合は「一定の行為」に該当するが。
4. ×である。旅行を依頼する側であり、事業として行っていないから。
5. ×である。
「運送関連サービス」の代理のみであり、
「一定の行為」には該当しない。
6. ×である。当該行為は「運送等サービス」についての代理行為に当たるが、運送事
業者の代理のみを行う場合は例外的に「旅行業」とはみなさない。
7. ○である。「旅行者を代理して行う」場合は、
「運送等関連サービス」に該当するた
め、旅行業の登録が必要となる。
8. ×である。バスのみを利用しており、運送業に当たる。登録の必要はない。他人が
経営するホテル・旅館等に宿泊を伴うツアーであれば「一定の行為」に該当するため
に、登録しなければならないが。
4
9. ○である。旅行相談に報酬を得て応じる行為は登録が必要である。
10. ○である。
「運送等関連サービス」に該当し、
「旅行者を代理して契約を締結する行
為」に該当する。
11. ×である。土産物店が、旅行者に対し船会社を代理して乗船券のみを販売する行為
は、旅行業の登録は不必要。
12. ×である。「旅行者を代理して契約を締結する」などの 3 要件に該当しないため不
要である。
13. ○である。「旅行者を代理して契約を結ぶ」運送等関連サービスに該当するため、
旅行業の登録が必要となる。
14. ×である。運送等関連サービスなどの、旅行業としての要件を満たさないため「一
連の行為」には該当しない。
15. ×である。手配代行者であり、直接旅行者と契約を締結する訳ではないので、「一
定の行為」に該当しない。
16. ○である。他人が経営するホテルであり、
「旅行者を代理して契約を締結する行為」
として、旅行業の登録が必要となる。
17. ×である。入場券のみの販売であり、「一定の行為」に該当しない。
18. ×である。訪日観光団の手配のみであれば、外国の旅行社からの依頼を代行するだ
けであり、旅行業の登録は不要。「手配代行者」である。
19. ○である。報酬を得て「旅行者の求めに応じて契約」であるから、旅行業の登録を
要する。
20. ○である。自社のバスのみの旅行であれば不要であるが、他人の経営する旅館・ホ
テルに宿泊する場合は「代理して契約を締結する」「一定の行為」に該当する。
21. ×である。航空券を販売するだけの事業であれば、旅行業の登録は不要。
5
22. ○である。レコード販売店であっても、宿泊を伴う場合は「代理して契約する」に
該当する。
問 2. 次の記述から、「旅行業法の目的」として定められているものをすべて選
んでいるものはどれか。(23 年度問題)
A. 旅行業務に関する取引の公正の維持
B. 旅行業者等の利便の増進
C. 旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進
D. 経済の安定的な発展と国民生活の向上
ア、A B
イ、A C
D
ウ、B
エ、C D
解 答
イである。A と C が正しい。
A の「旅行業務に関する取引の公正の維持」は第一条に定められている。
B は「旅行者の利便の増進」は定められているのが、「業者の利便」ではない。
C は「旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進」は第一条で定められてい
る。
D の「経済の安定的な発展と国民生活の向上」は大きすぎる目標であり、国全体の目
的とする案件であり、旅行業法では定められていない。
問 3. 次の行為を報酬を得て事業として行う場合に、
「旅行業の登録」を受けな
ければならないのはどれか。(23 年度問題)
ア. プレイガイドが、イベント会社のため、そのイベント入場券の販売について、代理
して契約を締結する行為。
イ. ホテル事業者が、航空会社のため、その航空券の販売について、代理して契約を締
結する行為。
ウ. 査証の取得代行を業としている者が、旅行業者等の依頼を受けて旅行者の査証取得
のための手続きを代行する行為。
エ. 市の観光協会が、旅行者の依頼を受けて市内のホテル等の宿泊サービスの提供を受
6
けることについて、代理して契約を締結する行為。
解 答
エである。観光協会であっても、「旅行者を代理して契約をする」ことは一定の行為に
該当する。
問 4. 次の記述から、法第一条〈目的〉で定められている者をすべて選んでいる
ものはどれか。(22 年度問題)
A. 旅行業を営む者についての営業保証金制度の実施
B. 旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進
C. 旅行業を営む者の適正な利潤の確保
D. 旅行者の利便の増進
ア、A C
イ、B D
B
ウ、A
C
エ、A B
C
D
解 答
イである。B と D が正しい。間違いやすいのは、A の「営業保証金制度の実施」であ
るが、本件は「目的」ではないことに注意が必要である。
問 5. 報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業又は旅行業者代理業
の登録を要しないものはどれか。(22 年度問題)
ア. 市町村の交流協会が、海外の姉妹都市でのプログラムを含む海外交流ツアーを販売
する行為
イ. 航空会社が、系列の旅行業者の実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をするこ
とにより実施するものに限る)を代理して販売する行為
ウ. 観光タクシー会社が、自ら所有するタクシーを使い、他人が経営するテーマパーク
に半日入場する日帰り旅行を販売する行為
エ. 結婚式場業者が、挙式と 4 泊 6 日の海外旅行をセットにした商品を販売する行為
解 答
7
ウである。タクシー会社が、自社の車を使い、代理して契約をする必要のないテーマ
パークへの入場であるから、「一定の行為」には該当しない。
問 6. 次の記述のうち、法第一条(目的)に定められていないものはどれか。(21
年度問題)
ア. 地域経済の活性化及び雇用機会の増大
イ. 旅行業を営む者について登録制度の実施
ウ. 旅行業務に関する取引の公正の維持
エ. 旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進
解 答
アである。旅行業法には「地域経済の活性化など」には言及されていない。
問 7. 報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を受けなけれ
ばならないものはどれか。(21 年度問題)
ア. 手配代行者〈いわゆる「ランドオペレーター」〉が旅行業者から依頼を受け、運送
及び宿泊等の手配を行う行為
イ.観光案内所が旅行者から依頼を受け、宿泊の手配をし、そのホテル・旅館から宿泊
代金の割戻しを受ける行為
ウ. 宿泊業者が観光施設と提携して、宿泊サービスに当該観光施設が提供するサービス
を組み合わせた宿泊パックを販売する行為
エ. 宿泊業者が航空会社を代理して、その航空券のみを販売する行為
解 答
イである。観光案内所が、宿泊施設の手配をし、報酬を得る行為は「代理して契約を
締結する行為」として旅行業の一定の要件に該当する。
問 8. 次の記述から、法第一条(目的)で定められているもののみをすべて選んで
いるものはどれか。(20 年度問題)
8
A. 国民の余暇活動の活性化
B. 旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進
C. 旅行業等を営む者の利便の増進
D. 旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保
ア、A
C
イ、B D
ウ、A C
D
エ、B C D
解 答
イである。
B と D が旅行業法の目的に定められている。
問 9. 次の行為のうち、報酬を得て事業として行う場合、旅行業等の登録を受け
ることを要しないものはどれか。(20 年度問題)
ア. バス会社が自社のバスを使用し、他人の経営する温泉施設を利用して日帰り旅行を
実施する行為
イ. 地方公共団体がその地域の住民のためのバス旅行を実施する行為
ウ. 地方鉄道会社が自社の鉄道を使用し、他人の経営する民宿を利用して宿泊を伴う旅
行を実施する行為
エ. プレイガイドが旅行に関する相談に応ずる行為
解 答
アである。自社のバスを利用し、旅行者を代理して契約も結んでいないため、「一定の
行為」には該当しない。
イの地方公共団体であっても、企画旅行、手配旅行に関わらず、バス旅行を実施する
行為は旅行業に該当する。
「旅行業者に委託する」であれば、該当はしないが、(ウ)も(エ)
も「旅行者を代理して契約を締結する」必要があり、旅行業に該当する。
問 10. 法第一条(目的)の条文の(
ものはどれか。(19 年度問題)
)の中に入る語句の組み合わせで正しい
この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む
9
者の( ①
)を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することによ
り、旅行業務に関する取引の(
②
)、旅行の(
③
)及び旅行者の(
④
)を図るこ
とを目的とする。
ア. ①業務の適正な運営―②活性化―③円滑な実施―④利便の増進
イ. ①業務の適正な運営―②公正の維持―③安全の確保―④利便の増進
ウ. ①適正な利潤―②公正の維持―③安全の確保―④保護
エ. ①適正な利潤―②活性化―③円滑な実施―④保護
解 答
イである。上記の 6 つの目的については、毎年出題されており、確実に憶えておく必
要がある。
問 11. 次の行為のうち、報酬を得て事業として行う場合、旅行業等の登録を受
けることを要しないものはどれか。(19 年度問題)
ア. バス会社が自社のバスを使用し、他人の経営するホテルを利用して宿泊を伴う旅行
を実施する行為
イ. 航空会社が、系列の旅行業者の実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をするこ
とにより実施するものに限る)について、当該旅行業者を代理して旅行者と契約を締結
する行為
ウ. 観光案内所が旅行者からの依頼により、宿泊施設の予約をし、当該旅行者から手数
料を収受する行為
エ. コンビニエンスストアが船会社を代理して、その乗船券を販売する行為
解 答
エである。「運送機関の代理人として、発券業務のみを行う者」「ランドオペレーター
など、旅行者と直接取引をしないもの」「運送・宿泊以外のサービスの手配のみをする
こと」などは、運送等サービスに該当しないため、旅行業の登録は不要となる。第一
条の「法の目的」とその目的達成のための手段として、以下の 6 点を憶えればよい。
• 旅行業務に関する取引の公正の維持
• 旅行の安全の確保
10
• 旅行者の利便の増進
• 目的達成のための手段として、登録制度の実施
• 旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保
• 旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進
旅行業法の定義
・報酬を得ること。報酬を得ていなければ、旅行業者と同じことをしても旅行業には該当
しない。報酬とは、手数料のことを指し、旅行者から収受する手数料、運送・宿泊機関
から収受する手数料、他の旅行業者から収受する手数料がある。
・一定の行為を行うことで、企画旅行業務や手配旅行業務において、他の宿泊機関や運送
機関との間で、旅行者を代理して契約を締結する行為を指す。
企画旅行業務または手配旅行業務に付随して、旅行者を案内すること、旅券や査証取得
のための渡航手続きの代行を行う行為。
・旅行相談業務で、旅行者の求めに応じてコース表の作成等を行う行為。
旅行業の登録制度
第三条
旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受け
なければならない。
登録の申請
第四条
前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を観光庁
長官に提出しなければならない。
一
氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
ニ
主たる営業所及びその他の営業所の名称及び所在地
11
三
事業の経営上使用する商号があるときはその商号
四
旅行業を営もうとする者にあっては、企画旅行を参加する旅行者の募集をするこ
とにより実施するものであるかどうかその他の旅行業務に関する取引の実態を勘
案して国土交通省令で定める業務の範囲の別
五
旅行業を営もうとする者にあっては、旅行業者代理業を営む者に旅行業務を取り
扱わせるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びに当該旅行業務を取り扱う
営業所の名称及び住所
六
旅行業者代理業を営もうとする者にあっては、その代理する旅行業を営む者の氏
名又は名称及び住所
2 申請書には、事業の計画その他の国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付し
なければならない。
登録の実施
第五条
観光庁長官は、前条の規定による登録の申請があった場合においては、次条第
一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を旅行業者登録又
は旅行業者代理業者登録簿に登録しなければならない。
一
前条第一項に掲げる事項
二
登録年月日及び登録番号
2 観光庁長官は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を登
録の申請者に通知しなければならない。
登録の拒否
第六条
観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その
登録を拒否しなければならない。
一
第十九条の規定により旅行業又は旅行業者代理業の登録を取り消され、その取り
消しの日から 5 年を経過していない者
二
禁固以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、
その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から 5 年を経過してい
ない者
三
申請前 5 年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者
12
四
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前三
号または六号のいずれかに該当するもの
五
成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
六
法人であって、その役員のうちに第一号から第三号まで又は前号のいずれかに該
当する者があるもの
七
営業所ごとに第十一条の二の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると
認められない者
八
旅行業を営もうとする者であって、当該事業を遂行するために必要と認められる
第四条第一項第四号の業務の範囲の別ごとに国土交通省令で定める基準に適合す
る財産的基礎を有しないもの
九
旅行業者代理業を営もうとする者であって、その代理する旅行業を営む者が二つ
以上あるもの
2 観光庁長官は、前項の規定による登録の拒否をした場合においては、遅滞なく、理由
を附して、その旨を申請者に通知しなければならない。
登録の有効期間
第六条の二
旅行業の登録の有効期間は、登録の日から起算して 5 年とする。
有効期間の更新の登録
第六条の三
旅行業の登録の有効期間満了の後引き続き旅行業を営もうとする者は、国
土交通省令で定めるところにより、観光庁長官の行う有効期間の更新の登録を受けな
ければならない
2 第五条から前条までの規定は、有効期間の更新の登録について準用する。この場合に
おいて、第五条第一項中「登録番号」とあるのは、「登録番号並びに有効期間の更新
の登録の年月日」と読み替える。
3 前条の登録御有効期間の満了の日までに更新の登録の申請があった場合において、そ
の申請について前項において準用する第五条第二項又は第六条第二項の通知がある
までの間は、当該申請に係る登録は、前条の登録の有効期間の満了後も、なおその効
力を有する。
4 前項の場合において、有効期間の更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間
13
は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
変更登録等
第六条の四
旅行業の登録を受けた者は、第四条第一項第四号の業務の範囲について変
更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、観光庁長官の行う変
更登録を受けなければならない。
2
第五条及び第六条の規定は、前項の変更登録について準用する。この場合において、
第五条第一項中「次に掲げる事項」とあるのは「変更に係る事項」と「旅行者登録簿
又は旅行業者代理業者登録簿」とあるのは「旅行業者登録簿」と、第六条第一項中「次
の各号の一」とあるのは「第七号又は第八号」と読み替えるものとする。
3 旅行業者又は旅行業者代理業者は、第四条第一項第一号から第三号まで又は第五号に
掲げる事項について変更があった時は、その日から 30 日以内に、国土交通省令で定
める書類を添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
4 観光庁長官は、前項の規定による届け出を受理した時は、第十九条第一項の規定によ
り登録を取り消す場合を除き、届け出があった事項を旅行業者登録簿又は旅行業者代
理業者登録簿に登録しなければならない。
問 12. 「旅行業等の登録」に関する次の記述から、正しいものをすべて選んで
いるものはどれか。(23 年度問題)
A. 総合旅行業務取扱管理者を選任して第 2 種旅行業の新規登録の申請をしようとする
者は、主たる営業所の所在地を管理する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなけ
ればならない。
B. 旅行業者が更新登録の申請を行った場合で、有効期間満了の日までに登録行政庁か
ら更新登録した旨又は更新登録を拒否する旨の通知が無い時は、旅行業者は当該通知
があるまでの間、旅行者と旅行業務について契約を締結してはならない。
C. 旅行業者代理業の新規登録の申請をしようとする者は、所属旅行業者の主たる営業
所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
D. 旅行業の更新登録の申請をしようとする者は、有効期間の満了の日の 2 か月前まで
に登録行政庁に更新登録申請書を提出しなければならない。
14
ア、A B
イ、A D
ウ、B
C
エ、C D
解 答
イである。A と D が正しい。
A は、第 2 種と第 3 種旅行業の新規登録は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府
県知事に提出すればよく、本問は正しい。
B は、更新登録の申請を行った場合で、通知が有効期間の満了日までに届かない場合は、
その登録は引き続き効力を有する。よって、誤りとなる。
C は、旅行業者代理業者の申請先は、その代理業者自体の主たる営業所の所在地を管轄
する都道府県知事であり、所属旅行業者の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県
知事ではない。
D は、旅行業の更新登録の申請は、有効期間満了の日の 2 か月前までとなっており、
正しい記述である。
問 13. 「登録業務範囲」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(23 年度問題)
ア. 第 1 種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実
施するものに限る)を実施することはできるが、本邦内の企画旅行を実施することはで
きない。
イ. 第 2 種旅行業者は、本邦外の企画旅行を実施することはできない。
ウ. 第 3 種旅行業者は、本邦外への旅行者の案内、旅券の受給のための行政庁等に対す
る手続きの代行その他旅行者の便宜となるサービスの提供をすることはできない。
エ. 第 3 種旅行業者は、本邦外の旅行に関する相談に応ずることはできない。
解 答
イである。
アは、第 1 種旅行業者は、募集型企画旅行については本邦外も本邦内も実施すること
ができるし、すべての旅行を取り扱うことが出来る。
イは、第 2 種旅行業者は、本邦外の募集型企画旅行だけは実施することが出来ないが、
それ以外の旅行は全て取り扱うことが出来る。
15
ウは、第 3 種旅行業者は、本邦外の募集型企画旅行と本邦内の一定地域の募集型企画
旅行を実施することはできないが、それ以外の全ての業務は取り扱うことが出来る。
エは、第 3 種旅行業者は、旅行相談に関しては、本邦外も本邦内も扱い可能。
問 14. 次の記述のうち、旅行業等の登録の拒否事由として定められていないも
のはどれか。
ア. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が申請
前 5 年以内に旅行業務に関し不正な行為をしたもの
イ. 破産者で申請前に復権を得たもの
ウ. 旅行業者代理業を営もうとする者であって、その代理する旅行業を営む者が 2 以上
であるもの
エ. 営業所ごとに旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められないもの
解 答
イである。
アは、「5 年以内に旅行業において不正」であり、5 年以内と 5 年以前が境となる。5
年以上たっていれば代理人として認められる。
イは、破産者であっても、復権を得ているので登録拒否事由には該当しない。
ウは、旅行業者代理業者の所属旅行業者は 1 つでなければならない。
エは、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選定しなければ、登録拒否事由に該当する。
問 15. 「変更登録」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(23 年度問題)
ア. 第 2 種旅行業者が第 1 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、観光庁
長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
イ. 第 3 種旅行業者が第 2 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、主たる
営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
ウ. 第 1 種旅行業者が第 2 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、主たる
営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
エ. 旅行業者代理業者は、主たる営業所又はその他の営業所の名称を変更したときは、
16
その日から 60 日以内にその旨を登録行政庁に届け出なければならない。
解 答
エである。
アは、第 1 種旅行業者への変更であれば、行政庁長官に届け出る。2 種・3 種であれば、
主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に届け出る。よって、イもウも正しい。
エは、旅行業者代理業者の営業所の名称、所在地等に変更があった場合は、
「30 日以内」
にその旨を登録行政庁に届け出なければならない。「60 日以内」は誤り。
問 16. 「旅行業等」の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(22 年度問題)
ア. 旅行業者代理業の登録の有効期間は、登録の日から起算して 7 年である。
イ. 旅行業の更新登録の申請は、有効期間の満了の日の 1 か月前までにしなければなら
ない。
ウ. 旅行業者が更新登録の申請を行った場合で、有効期間満了の日までに登録行政庁か
ら登録した旨又は登録を拒否する旨の通知が無い場合、当該通知があるまでの間は、
当該申請に係る登録は、なおその効力を有する。
エ. 旅行業者代理業者の新規登録の申請をしようとする者は、所属旅行業者の主たる営
業所の所在地を管轄する都道府県知事に申請をしなければならない。
解 答
ウである。
アは、旅行業者代理業者は登録の有効期間の定めがなく、したがって、更新登録の必
要はない。
イは、更新登録の申請は、有効期間満了日の 1 か月前までではなく、2 か月前までであ
る。
ウ、更新の通知が届くまでの間、その旅行業者は引き続き旅行業の登録の効力を有す
ることになる。
エは、所属旅行業者ではなく、その旅行業者代理業者自体の主たる営業所の所在地を
管轄する都道府県知事、である。
17
問 17. 業務範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(22 年度問題)
ア. 第 1 種旅行業者は、その営業所の旅行業務取扱管理者が国内旅行業務取扱管理者試
験に合格した者であっても、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることによ
り実施するもの以外に限る)であれば取り扱うことが出来る。
イ. 第 2 種旅行業者は、訪日外国人旅行者を対象とした本邦内の企画旅行を実施するこ
とが出来る。
ウ. 第 3 種旅行業者が観光庁長官の定める区域内において企画旅行を実施するために
は、観光庁長官にその旨の届け出を行わなければならない。
エ. 第 2 種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任している営業所においては、本
邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る)を実施
することが出来る。
解 答
イである。
アは、第 1 種旅行業者であっても、総合旅行業務取扱管理者を選任していなければ、
その営業所において、本邦外の旅行は取り扱うことはできない。
イは、第 2 種旅行業者は、本邦外の募集型企画旅行以外は、すべての旅行に関し実施
できる。
ウは、第 3 種旅行業者は、みずからの営業所のある市町村の区域、隣接する市町村の
区域、観光庁長官が定める区域で募集型企画旅行を実施できるが、その旨を届け出る
必要はない。
エは、第 2 種旅行業者は、総合旅行業務管理者を選任していたとしても、本邦外の募
集型企画旅行を実施することはできない。
第1種旅行業者:海外・国内旅行の募集型企画旅行、募集型企画旅行以外の旅行など、す
べての旅行を取り扱うことが出来る。
第2種旅行業者:海外への募集型企画旅行以外はすべての旅行を取り扱うことが出来る。
第3種旅行業者:募集型企画旅行は、一定の狭い地域において。募集型企画旅行以外であ
れば、国内に限りすべての旅行を取り扱うことが出来る。
18
問 18. 次の記述のうち、
「旅行業等」の登録の拒否事由に該当するものはどれか。
(22 年度問題)
ア. 申請の 7 年前に旅行業法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者が、旅行業の新
規登録の申請を行ったもの
イ. 旅行業の登録の申請者が法人であって、その役員のうちに登録申請の 1 年前まで破
産者で復権を得ていなかった者がいるもの
ウ. 旅行業の登録の申請者が、同じ建物内にある 2 つの営業所に同じ者をそれぞれの旅
行業務取扱管理者として選任するもの
エ. 4 年前に登録の有効期間が満了したことに伴い旅行業の登録を抹消された法人が、
旅行業者代理業の新規登録の申請を行ったもの
解 答
ウである。
アは、「5 年以内」に違反をして罰金刑に処せられていれば拒否事由になるが、7 年前
であれば拒否事由とはならない。
イは、1 年前まで復権を得ていなかったにしても、現在は復権を得ていれば、拒否事由
には該当しない。
ウは、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任しなければならず、2 つの営業所を兼務
しているのであれば、拒否事由に該当する。
エは、有効期間の満了による登録抹消であるから、旅行業法や他の法令に違反したわ
けではない。拒否事由には該当しない。
問 19. 変更登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(22 年度問題)
ア. 旅行業者等は、営業所の旅行業務取扱管理者に変更があったときは、所定の期間内
に登録行政庁に登録事項の変更の届け出をしなければならない。
イ. 第 2 種旅行業者が法人でその代表者に変更があった時は、その主たる営業所の所在
地を管轄する都道府県知事に変更登録の申請をしなければならない。
ウ. 第 3 種旅行業者がその主たる営業所の所在地を変更した時は、所定の期間内に変更
後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に登録事項の変更の届け出をしな
ければならない。
エ. 旅行業者代理業者が所属旅行業者を変更するときは、その主たる営業所の所在地を
19
管轄する都道府県知事に変更登録の申請をしなければならない。
解 答
ウである。
アは、旅行業務取扱管理者は登録事項ではないので、登録事項の変更の届け出は不要。
イは、変更登録の場合は、第 2 種から第 1 種へなどの変更であり、この場合は登録事
項の変更の届け出をしなければならない。
ウは、説明は正しく、第 3 種旅行業者は、その主たる営業所の所在地の変更の場合は、
その日から 30 日以内に、変更後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、
登録事項の変更の届け出をしなければならない。
エは、所属旅行業者を変更する場合は、変更登録の申請ではなく、新たな所属旅行業
者の代理業として、新規登録の申請を出さなければならない。
問 20. 旅行業等の登録の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。(21 年度問題)
ア. 第 1 種旅行業の新規登録の申請をしようとする者は、観光庁長官に新規登録申請書
を提出しなければならない。
イ. 第 3 種旅行業の更新登録の申請をしようとする者は、主たる営業所の所在地を管轄
する都道府県知事に更新登録申請書を提出しなければならない。
ウ. 旅行業者代理業の新規登録の申請をしようとする者は、主たる営業所の所在地を管
轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
エ. 更新登録の申請をしようとする者は、有効期間の満了の日の 3 か月前までに登録行
政庁に更新登録申請書を提出しなければならない。
解 答
エである。
アは、第 1 種旅行業者は、観光庁長官に申請する。
イは、第 3 種旅行業者は、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事である。
ウは、旅行業者代理業も、その主たる営業所を管轄する都道府県知事である。
エは、更新登録の申請は、3 か月前までではなく、2 か月前までである。
20
問 21. 登録業務範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(21 年度問題)
ア. 営業所に総合旅行業務取扱管理者を選任している第 2 種旅行業者は、本邦外の企画
旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る)を実施することが
出来る。
イ. 第 3 種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任している営業所においても、渡
航手続き代行業務を取り扱うことはできない。
ウ. 旅行業者代理業者は、自己の責任と計算において所属旅行業者の登録業務範囲を超
えた旅行業務を取り扱うことが出来る。
エ. 営業所に総合旅行業務取扱管理者を選任している第 3 種旅行業者は、第 1 種旅行業
者が実施する本邦外の企画旅行を代理販売することが出来る。
解 答
エである。
アは、第二種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任していても、本邦外の募集
型企画旅行だけは実施することはできない。
イは、第 3 種旅行業者は、本邦外の募集型企画旅行と本邦内の一定の区域以外の募集
型企画旅行は実施することはできないが、それ以外のすべての業務は取り扱い可能。
ウは、旅行業者代理業者が、所属旅行業者の登録範囲を超えて旅行業務を取り扱うこ
とはできない。
エは、第 3 種旅行業者は、第 1 種旅行業者の受託契約に基づき、本邦外の募集型企画
旅行を募集することが出来る。その際は、総合旅行業務取扱管理者を営業所に選任し
ておかなければならない。
問 22. 次の記述から、旅行業等の登録の拒否事由に該当するものをすべて選ん
でいるものはどれか。(21 年度問題)
A. 旅行業等の登録を取り消され、その取り消しの日から 7 年を経過した者
B. 旅行業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、罰金を納付した日から 6 年を経過
した者
21
C. 登録申請の 4 年前に旅行業務に関し不正な行為をした者
D. 第 2 種旅行業を営もうとする者であって、その基準資産額が 600 万円である者
ア、A B
イ、A D
ウ、B
C
エ、C D
解 答
エである。A と D が登録拒否事由に該当する。
A と B はいずれも、5 年以上が経過していることにより、登録の拒否事由とはならな
い。
C は、4 年前であり、登録の拒否事由に該当する。
D は、第 2 種旅行業者であれば、資産額が 700 万円以上なければならない。
資産基準
第 1 種旅行業者の場合は、7、000 万円が最低基準で、取引額が 70 億円を超えると資産
基準が高くなる。
第 2 種旅行業者の場合は、1、100 万円が最低基準で、取引額が 7 億円を超えると資産基
準は上がる。
第 3 種旅行業者の場合は、300 万円が最低基準で、年商 2 億円を超えると資産基準が上
がる。
旅行業者代理業者は、資産基準を問われない。旅行業者代理業者の年商は、その所属旅
行業者に加算されることになる。所属旅行業者の営業所扱いと同様となる。
問 23. 変更登録に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるも
のはどれか。(21 年度問題)
A. 第 2 種旅行業者が第 1 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、主たる
営業所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して観光庁長官に変更登録申請書を提
出しなければならない。
B. 第 3 種旅行業者が第 2 種旅行業者への変更登録を申請しようとするときは、主たる
営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
C. 第 1 種旅行業者が第 2 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、主たる
営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
22
D. 第 3 種旅行業者が主たる営業所の所在地の変更(都道府県の区域を異にする所在地
の変更に限る)の届け出をしようとするときは、変更後の主たる営業所の所在地を管轄
する都道府県知事に登録事項変更届出書を提出しなければならない。
ア、A B C
イ、B
C
D
ウ、A B
エ、B
D
解 答
イである。B C D が正しい。
A は、第 1 種に変更する場合は、直接に観光庁長官に提出しなければならない。
D の変更の届け出書は 30 日以内に提出しなければならない。
問 24. 旅行業等の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(20 年度問題)
ア. 第 2 種旅行業の新規登録の申請をしようとする者のうち、第 1 種旅行業者が実施す
る本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る)に
ついて、当該第 1 種旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する者は、国土交通大臣
に新規登録申請書を提出しなければならない。
イ. 登録の有効期間の満了の日が平成 20 年 4 月 7 日である第 1 種旅行業者の更新登録
の通知が、平成 20 年 4 月 17 日にあった場合、その新たな登録の有効期間は平成 25 年
の 4 月 7 日である。
ウ. 総合旅行業務取扱管理者を選任して、第 3 種旅行業の新規登録の申請をしようとす
る者は、新規登録申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
エ. 更新登録の申請をしようとする旅行業者代理業者は、その主たる営業所の所在地を
管轄する都道府県知事に更新登録申請書を提出しなければならない。
解 答
イである。
アは、受託販売の有無にかかわらず、第 2 種であれば都道府県知事に提出する。
イは、従前の登録の満了の日の翌日から起算する。通知が届いた日は関係ない。よっ
て、これらの記述は正しい。
23
ウは、旅行業務取扱管理者の種別に関係なく、第 3 種であれば、都道府県知事に提出
する。
エは、旅行業者代理業者には有効期間の定めがないため、更新登録の申請は不要。
問 25. 登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(20 年度問題)
ア. 第 1 種旅行業者は、国内旅行業務取扱管理者を選任している営業所において、本邦
内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る)を実施す
ることが出来るが、委託旅行業者が実施する本邦外の企画旅行について、当該旅行業
者を代理して企画旅行契約を締結することはできない。
イ. 第 2 種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任している営業所において、本邦
内の企画旅行は実施できるが、本邦外の手配旅行契約を締結することはできない。
ウ. 第 3 種旅行業者は、1 つの企画旅行ごとに 1 つの自らの営業所の存する市町村の区
域、これに隣接する市町村の区域及び国土交通大臣の定める区域内において実施され
るものであって、旅行代金(旅行代金の 20%相当額を超えない範囲内で収受することが
出来る申込金は除く)を旅行開始日より前に収受しない場合は、企画旅行を実施するこ
とが出来る。
エ. 第 3 種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任している営業所において、委託
旅行業者が実施する本邦内及び本邦外の企画旅行について、当該旅行業者を代理して
企画旅行契約を締結することが出来る。
解 答
イである。
アは、第 1 種旅行業者であっても、総合旅行業務取扱管理者を選任していない営業所
では本邦外の企画旅行は実施できな。
イは、第 2 種旅行業者が、総合旅行業務取扱管理者を選任していれば、本邦外の企画
旅行以外のすべての旅行を取り扱うことが出来る。
ウは、本文の通り、企画旅行を実施できる。
エは、第 3 種旅行業者は、総合旅行業務取扱管理者を選任していれば、本邦外の企画
旅行の受託旅行業者になれる。
24
問 26. 旅行業等の登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(19 年度問題)
ア. 新たに第 1 種旅行業を営もうとする者は、国土交通大臣に新規登録の申請をしなけ
ればならない。
イ. 第 2 種旅行業者がその登録の有効期間満了の後引き続き第 2 種旅行業を営もうとす
るときは、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に有効期間の更新登録
の申請をしなければならない。
ウ. 企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る)を実施する
第 3 種旅行業を営もうとする者は、国土交通大臣に新規登録の申請をしなければなら
ない。
エ. 旅行業者代理業を営もうとする者は、その主たる営業所の所在地を管轄する都道府
県知事に新規登録の申請をしなければならない。
解 答
ウである。
アは、第 1 種旅行業者は、観光庁長官に申請する。
イは、第 2 種と第 3 種は都道府県知事に提出する。
ウは、第 3 種は、都道府県知事であり、観光庁長官(国土交通大臣)ではない。
エは、旅行業者代理業者の申請先も都道府県知事であり、第 1 種旅行業者が所属先で
も関係なく、都道府県知事でよい。
問 27. 登録業務範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(いずれも、
国内旅行業務取扱管理者のみを選任している営業所において取り扱っているも
のとする)
ア. 第 2 種旅行業者は、本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実
施するものに限る)並びに本邦内及び本邦外の企画旅行(旅行者からの依頼により旅行
に関する計画を作成し、これにより実施するものに限る)を実施することが出来る。
イ. 第 2 種旅行業者は、他の旅行業者が実施する本邦内及び本邦外の企画旅行について、
当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することが出来る。
ウ. 第 3 種旅行業者は、本邦外の企画旅行を実施することはできないが、他の旅行業者
が実施する本邦外の企画旅行について、当該他の旅行業者を代理して企画旅行計画を
25
締結することが出来る。
エ. 第 3 種旅行業者は、一つの企画旅行ごとに一つの自らの営業所の存する市町村の区
域、これに隣接する市町村の区域並びに国土交通大臣の定める区域内において実施さ
れるものであって、旅行代金(旅行代金の 20%相当額を超えない範囲で収受することが
出来る申込金を除く)を旅行開始日より前に収受しない場合は、企画旅行を実施するこ
とが出来る。
解 答
エである。
アは、第 2 種旅行業者は、本邦内の募集型企画旅行及び本邦内・本邦外の受注型企画
旅行を販売できるほか、本邦内・本邦外の手配旅行、募集型企画旅行の受託販売が出
来るが、本邦外に関しては、営業所に総合旅行業務取扱管理者が必要となる。
イは、第 2 種旅行業者は、他の旅行業者が実施する本邦内・本邦外の募集型企画旅行
については受託販売が出来る。勿論、国内・総合それぞれの旅行業務取扱管理者の選
任を要する。
ウは、第 3 種旅行業者は、本邦外の募集型企画旅行は実施できないが、受託販売はで
きる。
エ、問題文の通りで、正しい。
問 28. 次の記述から、旅行業等の登録の拒否事由のみをすべて選んでいるもの
はどれか。(19 年度問題)
A. 旅行業又は旅行業者代理業の登録を取り消され、その取り消しから 5 年を経過して
いないもの
B. 法人であって、その役員のうちに登録申請の 2 年前に道路交通法違反で、罰金の刑
に処せられた者があるもの
C. 申請前 5 年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者
D. 第 2 種旅行業を営もうとする者であって、その基準資産額が 700 万円であるもの
ア、A C
イ、A D
ウ、B
C
解 答
26
エ、B D
アである。A と C が登録の拒否事由に該当する。
A は、5 年が経過していないので拒否事由に当たる。
B は、道路交通法違反の罰金刑は、拒否事由に該当しない。実刑であれば拒否事由とな
る。
C は、申請前 5 年以内であるから拒否事由に該当する。
D は、第 2 種の資産基準の最低額が 700 万円であり、満たしていることから拒否事由
には該当しない。
問 29. 変更登録等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ア. 第 1 種旅行業者が第 2 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、国土交
通大臣及びその主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提
出しなければならない。
イ. 第 2 種旅行業者が第 1 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、観光庁
長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
ウ. 第 3 種旅行業者は、その主たる営業所の所在地に変更があったときは、その日から
30 日以内に、変更後の主たる営業所を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出
しなければならない。
エ. 旅行業者代理業者が第 3 種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは、その
主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければな
らない。
解 答
イである。
アは、元が第 1 種であっても、第 2 種への変更の場合は、都道府県知事に提出する。
イは、アの逆で、元が第 2 種であっても、第 1 種への変更の場合は観光庁長官に提出
する。
ウは、登録申請書ではなく、変更の届け出書を提出するべき。
エは、旅行代理業者から旅行業者への登録は、新規登録となる。
問 30. 以下の設問につき、正しければ○を、誤っていれば×を記しなさい。
27
1. 登録業務範囲が第 2 種旅行業務である場合、本邦外の募集型企画旅行以外の旅行に
ついては全ての旅行業務を取り扱うことが出来る。
○である。
2. 登録業務範囲が第 2 種旅行業務である場合、本邦外の受注型企画旅行契約を締結す
ることはできない。
×である。出来ないのは、募集型企画旅行のみである。
3. 登録業務範囲が第 3 種旅行業務である場合、募集型企画旅行以外の旅行契約につい
ては、本邦外の旅行も取り扱うことが出来る。
○である。第 3 種旅行業者の場合は、本邦外の募集型企画旅行は実施できないが、受
注型であれば可能となる。本邦内もどの地域でも受注型であれば実施できる。ただし、
総合旅行業務管理者を営業所に選任していないと本邦外の旅行は取り扱えない。
4. 営業所において選任されている旅行取扱管理者の変更届は、その日から 30 日以内に
登録事項の変更を行わなければならない。
×である。旅行業務取扱管理者は登録事項に含まれていない。
5. 旅行業者代理業者が、所属旅行業者を変更する場合、登録事項の変更を 30 日以内に
行わなければならない。
×である。旅行業者代理業者が所属旅行業者を変更するときは、登録事項の変更では
なく、一旦失効して、新規に登録申請を行わなければならない。
6. 主たる営業所以外の営業所の所在地の変更があった場合、30 日以内に登録事項変更
の届け出をしなければならない。
○である。主たる営業所であっても、同様である。
7. その旅行業者が法人である場合、法人の代表権のない役員の氏名の変更があったと
きは、30 日以内に登録事項の変更の届け出をしなければならない。
28