海外フランチャイズ情報 《2008 年 8 月号》

海外フランチャイズ情報 《2008 年 8 月号》
No.020
2008 年 8 月 26 日
《目次》
◆米国中小企業局保証貸付の返済実績を見る
◆各国フランチャイズ協会情報
◆各国フランチャイズ関連イベント開催予定
★ 米国中小企業局保証貸付の返済実績を見る
2008 年7月1日
ウォールストリートジャーナル
リチャード・ギブソン記
フランチャイジーになろうとする人が、或るフランチャイズで成功する見込みがあるか、確実に予
測する方法はない。しかし、競馬に賭ける人と同様、頼りにする予想誌はある。
それが中小企業局の年次報告である。同局が保証した何千ものフランチャイズ貸付の返済実績デー
タが載っている。
最近の報告−2000 年 10 月 1 日から 2007 年 9 月 30 日までに実行された貸付をカバーしている−で、
500 ほどのフランチャイズの相対的健全性比較ができる。計数として、或るフランチャイズに何件の貸
付がされたか、実行された貸付金額は幾らであったか、何パーセントが借入人の清算(中小企業局では
「破綻」と言っている)に到ったかが載っている。中小企業局保証貸付の大手であるウェルズ・ファー
ゴ銀行は、このデータが、悪化傾向を察知し、貸倒れを防ぐのに役立つと言う。同行シニア・バイス
プレジデントのトーマス・W・バークは、
「返済不能率が高ければ、そのフランチャイザーは避ける」
と。
本リストは、中小企業局がまとめ、カリフォルニア州ラ・カナダにある中所企業局産業誌出版社の
コールマン・レポートが刊行したが、幾つか気をつけなければならない点がある。
まず、本リストが全部ではないという点である。貸し手の銀行は、借り手がフランチャイジーであ
るかどうか、開示する義務を負っている訳ではない。10 件に満たない貸付しかないフランチャイズは
採り上げていない。フランチャイジーの多くは通常の(中小企業局保証ではない)貸付を得ているかも
しれないが、これは本リストには入ってこない。
さらに、
「破綻」率が高くても、フランチャイズそのものが悪いとは、必ずしも言えないという点で
ある。何らかの理由で借り手が返済不能に陥った、というだけのことである。
-1-
それはそれとして、幾つかフランチャイズの成績を見てみよう。
成績最上位グループ−中小企業局保証貸付が 60 件超で、破綻率5%未満のフランチャイズ−の中に
は、モーテル・チェーンが沢山ある。ベスト・ウェスタン、チョイス・ホテルズ・インターナショナ
ル、コンフォート・イン、エコノ・ロッジ、ホリデイ・イン・エキスプレス、スーパー8モーテル、
トラベロッジ・ホテルズ等。
このグループには、エニータイム・フィットネス(ヘルスクラブ)、ARCO(ガソリンスタンド&コンビ
ニ)、ブラスターズ・リアルアイスクリーム、カートリッジ・ワールド・ストアズ、カルバーズ・フロ
ーズンカスタード、ダンキンドーナツ、エディブル(=食べられる)アレンジメント(フルーツアレンジ
メント)、ファストサインズ(サイン・看板)、ゴダール・スクール、IHOP、リトル・シーザーズ・ピザ、
マッサージ・エンビー、プリムローズ・スクール、リタズ・ウォーター・アイス、スポーツ・クリッ
プス(ヘアサロン)、サブウェイ(サンドイッチ)、Zaxby’s チキン・レストランも入っている。
成績最下位グループ−中小企業局保証貸付が 60 件超で、破綻率 25%超−の中には、アトランタ・ブ
レッド・カンパニー、オール・チューン&リューブ、コットマン・トランスミッション、ミスター・グ
ッドセンント・サブ&パスタ、フィリー・コネクションが入っている。
この 5 社の中でアトランタ・ブレッド・カンパニーだけが、質問に答えてくれた。同社によると、
フランチャイズ・コンセプトの活性化の為に店舗の改造が必要になり、システムから脱落するフラン
チャイジーが出た、また、既に積極的に店舗経営にかかわろうとしなくなっていたフランチャイジー
も脱落した、とのこと。
(注記)
1.出所:コールマン・レポート
2.2000 年 10 月 1 日から 2007 年 9 月 30 日の間の中小企業局保証貸付破綻につき、成績最上位グルー
プ(貸付件数 60 件超、破綻率5%未満)と、成績最下位グループ(貸付件数 60 件超、破綻率 25%超)
をリスト。成績最上位グループは、破綻率の低い順。成績最下位グループは、破綻率の高い順。
破綻率が同じ場合は、貸付件数の多い順。
(訳者注)
1.成績最下位グループの例として、記事にはミスター・グッドセンント・サブ&パスタがあげられて
いるが、リストには無く、同じ業種で別にブリンピー・サブ&サラダが載っていて、食い違ってい
るようにも見える。両社とも下記 IFA の加盟会員オンライン名簿にある会社である。
2.コールマン・レポート記載のフランチャイザーの多くは、米国フランチャイズ協会(IFA)加盟会
員である。IFA のウェブサイトには、加盟会員のオンライン名簿があるので、検索できたフランチ
ャイザーについては、オンライン名簿から業種、設立年、フランチャイズ開始年、フランチャイ
ズ店舗数、直営店舗数を得て、参考までに、付記した。従ってこれらの項目は、もとの記事/コー
ルマン・レポートには無かったものである。
-2-
★IFA(米国フランチャイズ協会)情報
スターバックスが米国で 600 店舗閉店、海外 1000 店舗開店に活路(7 月 2、21 日)
スターバックスは最近開店した店舗が不振として、米国内の 600 店舗を閉店する。来年度も米国内
新店は 200 店舗に満たない。かわりに、中国を中心として海外で 1,000 店舗開店、今後3年間で全体
の 40%を海外拠点とする計画。
好調サブウェイは間接経費が低い体質、低価格・健康重視の商品提供(7 月 3、21 日)
他のレストラン・チェーンが原材料費高騰に苦しむなか、サブウェイは間接経費を低く抑え、売上
は2桁%の伸び。CEO のジェフ・ムーディは、バーガーの類と違う健康重視のサンドイッチ、これを原
材料費高騰の下でも低価格で提供するという戦略を語る。
紅花のロッキー青木がマンハッタンで死去、享年 69(7 月 13 日)
1960 年、19 歳で、日本紅花の創業者である父・湯之助とともに渡米、ニューヨークのアイスクリー
ム屋で働いて資金をつくり、1964 年ニューヨーク 56 番街に BENIHANA OF TOKYO の一号店を開いた。ア
メリカ人に、日本式鉄板焼きステーキを紹介、成功し、全米にフランチャイズ展開した。派手好み演
出好きで、鉄板焼きシェフが見せるナイフ捌きのショウも受けた。
改正開示ルールはフランチャイジーのためになっている(7 月 29 日)
連邦取引委員会(=日本の公正取引委員会)が改正した開示ルールが7月1日発効。改正ルールでは、
フランチャイザーの開示する情報が多くなり、また、フランチャイズの解約や譲渡が簡単になった。
IFA の対政府関係担当バイス・プレジデントのデイビッド・フレンチは、開示内容の質が向上したと、
今回改正を評価。
IFA がロサンゼルス市のファストフード新店凍結に強く抗議(7 月 31 日)
7月 29 日、ロサンゼルス市議会は、南ロサンゼルスの貧困地域でのメタボを防止するため、ファス
トフード・レストランの出店を1年間凍結する議案を満場一致で可決。ファストフード・レストラン・
チェーンは、自分達だけが標的となるのは不公平であるとして反発。IFA は、市議会議長に、強い抗議
文を送った。
★CCFA(中国連鎖経営協会)情報
国務院商務部と CCFA が 2007 年度中国フランチャイズ報告を共同発表(7 月 16 日)
中国のフランチャイズは 2,800 システム、店舗は 260000 店(内、フランチャイズ店舗は 230000 店)
に達した。フランチャイズ・システムの運営管理、本部・システム構築、発展形態、法的・社会的環
境、業種等も含む。報告書は中国語版のみ。購入可能。
中国経済の発展スピードが落ち着くに従い政策の重点も変化(7 月 17 日)
中国の経済発展は4期連続でスピード・ダウンし、政策の重点もインフレ抑制から、成長持続に移
る兆しが見えてきた。第二四半期 GDP の前年同期比成長率は 10.3%で、前の四半期の 10.6%より落ち
た。香港の投資会社バークレーズ・キャピタルによれば、中国は 10%以下の成長率では満足しないで
あろうと。
-3-
CCFA と IFA が中国への国際フランチャイジング調査で協力(7 月 30 日)
中国への国際フランチャイジング運営状況の理解を深めるために、CCFA と IFA は、共同で、プライ
ス・ウォーターハウス・クーパースに委託して、調査を始めることになった。調査は調査参加会社に
対する email および面談で行う。調査結果は、9 月 26 日に開催の「2008 年国際フランチャイズおよび
投資フォーラム」で発表する。
中国の小売売上が 8,642 億元(7 月 31 日)
中国国家統計局によれば、6月の小売売上は 8,642 億元(1,267 億ドル)、前年同月比 23%増で、増
加率で 10 年来の最高となった。インフレ調整後の増加率は 14.8%。
中国は食品安全にさらに協力(7 月 31 日)
中国の食品安全の監視を強化するため、米国食品医薬品局は初めて、北京、上海、広州に事務所を
開設し、常任の代表者を置くこととした。中国外務省報道官は、定例記者会見で、中国は他国と協力
を強化する用意があると述べた。中国と米国は長い間、相互に受け入れ可能な取極について協議して
きた、とも。
★各国フランチャイズ関連イベント開催予定(2008 年 9 月∼) ※協会主催、民間主催含む
アジア・オセアニア
►コンベンション&エキシビション
2008/9/12−14
オーストラリア・ブリスベン
►フランチャイズ・インベストメント・サミット
2008/9/12−14
オーストラリア・ブリスベン
►フランチャイズ・インベストメント・サミット
2008/9/26−27
中国・上海
►インターナショナル・フランチャイズ・エキシビジョン
2008/9/28−29
中国・上海
►インターナショナルフランチャイズ&ライセンスエキスポ 2008/10/2−3
インド・ムンバイ
►コンベンション&エキシビション
2008/10/10−12 オーストラリア・メルボルン
►ナショナル・フランチャイズ・コンベンション
2008/10/16−18 オーストラリア・シドニー
►フランチャイズ・エキスポ
2008/10/16−18 シンガポール
北米
►フランチャイズ・ショー
2008/9/25−26
カナダ・トロント
►フランチャイズ・ショー
2008/9/27−28
カナダ・バンクーバー
►フランチャイズ・エキスポ
2008/11/7−9
米国・ロサンゼルス
欧州
►ドイツ・スタート展示会
2008/9/12−14 ドイツ・エッセン
►ナショナル・フランチャイズ・コングレス
2008/10/2
オランダ・ユトレヒト
►ナショナル・フランチャイズ・エキシビション
2008/10/2−3
イギリス・バーミンガム
►フランチャイズ・ミーティング・ポイント
2008/10/6−9
チェコ・ブルノ
►ポーランド・フランチャイズ・エキスポ
2008/10/8−10 ポーランド・ワルシャワ
►ドイツ・スタート展示会
2008/10/17−18 ドイツ・エッセン
►フランチャイズ&トレード
2008/10/17−18 イタリア・ミラノ
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►フランチャイズ・エキスポ
2008/10/21−23 ヨルダン・アンマン
►SIF & CO
2008/10/23−25 スペイン・バレンシア
►ブダペスト・フランチャイジング・エキシビション
2008/11/6−8
►フランチャイズ・エキスポ
2009/3/13−16 フランス・パリ
ハンガリー・ブダペスト
ロシア
►バイブランド・フランチャイズ・エキスポ
2008/9/3−5
ロシア・クラスノダル
►バイブランド・フランチャイズ・エキスポ
2008/10/2−4
ロシア・モスクワ
※開催日等は変更される場合がございます。
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