海外フランチャイズ情報 《2007 年 2 月号》

海外フランチャイズ情報 《2007 年 2 月号》
No.002
2007 年 2 月 26 日
《目次》
◆フランチャイズのルール変更、米FC協会が研修会開催
◆オーストラリアのフランチャイズ規範改正
◆連載「アメリカ・フランチャイジング・プロフィール1」
(全6回)
◆各国フランチャイズ協会情報
◆各国フランチャイズ関連イベント開催予定
★フランチャイズのルール変更、米FC協会が研修会開催
連邦取引委員会(FTC−日本の公正取引委員会)がフランチャイズのルール変更を公表したこと(1
月 23 日、米国政府ホームページに掲載)をたたえ、IFAプレジデントのマシュー・シェイ氏は「長
い間待たれていた本修正は、フランチャイズ・セクターの市場での成長と成功に資するところ大であ
る」と述べた。
同氏は、「これで初めて、1970 年代に発布されたフランチャイズ・ディスクロージャー規則が、21
世紀の中で運営しているフランチャイズ・スモールビジネスの置かれている環境に応えられるように
手直しされ、新方式への移行はフランチャイザーにとって大変なことだが、最終的にはフランチャイ
ザー、フランチャイジー双方の利益に叶う」と語り、IFAは、これから修正最終案を検討し、でき
るだけ早く協会員に対して追加の情報宣伝を行う。
FTCによれば、ルール修正の主要な目的は、連邦のルールと州のフランチャイズ・ディスクロー
ジャー法との調整を図ることである。もとのルールでは、二種類の違ったビジネス、即ち、フランチ
ャイズとビジネス・オポチュニティ・ベンチャー、の条件提示を一緒にしてカバーしている。修正版
では、フランチャイズに適用される要件を、ビジネス・オポチュニティ・ベンチャーのそれから切り
離した。(注)
新ルールの経過期間は 07 年 7 月 1 日から 08 年 6 月 31 日である。この期間は、現行ルールも新ルー
ルもFTCに受け入れられる。期間経過後は、新ディスクロージャー方式だけが認められる。修正に
より、もとのルールも変更され、フランチャイズのマーケティグの変化、技術革新に適応、コンプラ
イアンス・コスト削減、フランチャイズ契約に署名しフランチャイズ関係に入ってしまってから分か
ってくることに対するフランチャイジーの不満にも対処している。
50 年近く前にフランチャイジングの自主規制フレームワークとして設立された当協会は、充実した
研修プログラムを提供することにより、法務コンプライアンス、紛争解決の面でフランチャイズに貢
献してきた。これに加え、IFA教育基金は本セクターの専門家の知識レベル向上に資する幅広いカ
リキュラムを備えている。
(注)
州のフランチャイズ・ディスクロージャー法は、North American Securities Administrators
-1-
Association (NAAA-北米証券管理者協会)が作成管理する Uniform Franchise Offering Circular
(UFOC-統一フランチャイズ条件提示通達)に基づいている。
今回の修正でFTCのルールはUFOCに歩み寄ったが、UFOCより厳しくなったところもある。
もとのFTCルールでは、フランチャイズとビジネス・オポチュニティ・ベンチャーの両方をカバー
していた。ビジネス・オポチュニティ・ベンチャーは、例えば、ベンディング・マシーン配置、医療
請求事務、ラック・ディスプレー運営など、トレードマークやシンボルの使用権を含まないものでは
あるが、場所、機器、カスタマーの提供があるものである。
★オーストラリアのフランチャイズ規範改正
待ちに待ったフランチャイズ規範改正は、業界関係者の大方の賛同を得たが、この改正でフランチ
ャイザーのペーパーワークが増え、数が減るのでは、という意見もある。
07 年 2 月上旬公表された、改正にかかわる政府の決定には、諮問委員会答申どおりにはならなかっ
た部分もある。例えば、潜在的フランチャイジー向けのリスク記述である。これが採り上げられてい
れば、契約関係を結ぶ前に、さらに多くの情報を得ることができたかも知れないのである。
連邦中小企業省大臣フラン・ベイリー女史は、
「業界が情報開示に懸念を募らせてから、1,300 億豪
ドル規模の業界に影響を与えることになる本規範の検討を行った」と述べた。
連邦中小企業省では、ドーナッツ・ショップから電気機器小売にわたる各業種において、マーケテ
ィング資金の使途についての監査報告書をフランチャイジーに提供するという改正等を目玉にしてい
る。
フランチャイザーはまた、事情に実質的な変化が生じた場合、現行の 60 日から 14 日以内に報告し
なければならないことになった。
オーストラリア・フランチャイズ協会(FCA)は、原則的には法案を支持するが、
「コンプライアン
スのコストが増加する」点を気にしている。
ベイリー女史の連邦中小企業省では、女史は改正の実施につき業界の意見を聴取中と言う。
検討には予想より時間がかかったが、業界の意見を聞いたので、結果は良くなった、と。
★アメリカ・フランチャイジング・プロフィール[1]
∼フランチャイズ・セクターが好調∼
IFA教育基金の委嘱を受けた FRANdata(下記注1参照)調査によれば、新規フランチャイズ・ブラ
ンドが増加しており、フランチャイズ・ビジネスは急速に拡大している。
従来に増して多くの業種でフランチャイズの手法により事業拡大をしようとしていると、IFAプ
レジデントのマシュー・シェイは語る。このセクターがアメリカ経済に与えるインパクトは1.5 兆ド
ルを上回り−これは私的経済部門の 10%近い−18 百万人のアメリカ人に雇用を与えていることがわか
ったと。
2,500 近いフランチャイズ・ブランド(下記注2参照)のデータベースを調査すると、18 業種あるう
ちの 17 業種で、ブランド数が増えている。増加率は、2003 年から 2005 年では、食品小売の 65%から
人材サービスの4%まで幅がある。減少した業種は旅行業だけである。
ファストフードは 500 ブランドで、全体の 20%を占め、エスニック・フード嗜好の需要が高まるの
に応えて、新規参入が増えている。小売およびサービス業では新規ブランドがそれぞれ 11%増になっ
ている。
-2-
起業家による新規ブランドが増加している。過去 3 年間で 900 ブランドのフランチャイジング立ち
上げがあったが、このうち 2005 年だけで 500 であった。
規模はどうか。少なくとも1箇所のフランチャイズ拠点を持っているフランチャイズ・システムに
限ると、3分の1の業者で 100 拠点以上、半分近くで 50 拠点以上を持つ。過去5年新規参入が増えた
影響で、4分の1の業者では 10 拠点以下となっている。
研究者は、フランチャイズ・セクターは近年、拠点数を増加させる傾向があるので拠点を多数持つ
フランチャイズ・システムの比率が増えると予測してきた。しかしながら、このようなことにはなら
なかった。近年の新規ブランド参入の結果、拠点数が比較的少ないシステムの比重が増加しているの
である。
フランチャイズ拠点数を業種別に配分した調査でも、上記のブランド数調査と同様の結果となって
いる。即ち、ファストフードが 19%、小売およびサービス業がそれぞれ 11%で最上位を占めている。
フランチャイズ拠点数が 25%以上増加した業種は次の3業種である。建物および建設、子供関連、
サービス業。
IFA教育基金−FRANdata ではフランチャイジングについて、この調査に引続き、フランチャイジ
ーから見た投資分析、フランチャイズ・プログラムの要件、ファイナンス、更新条件、このセクター
に特有の問題等を採り上げ、発表することにしている。
(注1)
IFAは 46 年の歴史を持ち、1,000 社以上のフランチャイズ親会社、何千ものフランチャイズ・ス
モールビジネス・オーナーおよび経営者、このセクターに物・サービスを供給する何百もの会社を会
員としている。FRANdata(http://www.frandata.com)はバージニア州アーリントンの会社で、フランチ
ャイジング情報収集・分析の分野ではリーダーである。
(注2)
ブランド:IFAはコンセプトという言葉を使っている。FRANdata ホームページでは、
「フランチャ
イズという方法でビジネスに新規参入する場合、および、既存フランチャイズ・システムが新規ブラ
ンドを投入する場合に新規コンセプトという」としている。従って、日本語としてはブランドの方が
通りがよいと考えた。
次回:アメリカ・フランチャイジング・プロフィール[2]
∼フランチャイズ・システムの初期投資要件を考える∼
★IFA(米国フランチャイズ協会)情報
Au Bon Pain(オー ボン パン)が日本進出(1 月 16 日)
フランス風カフェ・レストランのオー ボン パンが、日本のレインズインターナショナルとマスタ
ーフランチャイズ契約を締結、日本に進出する。
ダンキンドーナツが中国進出(1 月 17 日)
ダンキンドーナツが 1 月 17 日、中国に最初の店舗を開設、半年以内に主要都市に展開する。当初は
紅茶から、コーヒーはその後。
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ホテルチェーンがアジアに注目(1 月 24 日)
インターコンチネンタル ホテル グループ、ウィンダム ワールドワイド、ヒルトン ホテルズがア
ジアに注目。
マクドナルド 2006 年第4四半期の収益が好調(1 月 27 日)
売上 56.3 億ドル、利益 12 億ドルで、30 年来の高収益。新規メニューの導入もあったが、清潔な店
内、新鮮な食料、従業員の接客態度など、基本に立ち返ったことが大きな要因と。この勢いを維持す
るため、本年 19 億ドルを投資して、既存店の改装を行い、全世界で 800 店舗を新規開店する一方、400
店舗を閉店する。
また、過去 7 年間の研究で、トランス脂肪を含まず、主力商品のフレンチフライの味を変えない食
用油を発見、2008 年初には全面的に導入する計画。
★CCFA(中国連鎖経営協会)情報
インターネットでの消費が増加(1 月 12 日)
2006 年に中国のインターネット・ユーザーは、2767.7 億元をインターネット・サービスに支払った。
前年比 50%の増加。これには、インターネット接続、オンライン・ショッピング、オンライン・ゲーム
等が含まれる。
スターバックスがトランス脂肪使用をやめる(1 月 12 日)
中国 200 店舗での使用をやめると確約。ただし、時期は明示していない。尚、トランス脂肪に関す
る中国政府の動きは、今のところない。
BBQ(韓国)が中国で店舗網拡大(1 月 19 日)
韓国のファストフード・チェーンのBBQが、現在の 13 店舗を 50 店舗に、フランチャイズによっ
て拡大する。中国進出は 2003 年。
チェーンストアおよびフランチャイズの調査開始(1 月 25 日)
CCFAが 10 年来行ってきている調査で、調査票はウェブに掲載されている。この調査に基づき、
トップ 100 小売業者を公表する。ウォルマートやカルフールのような大手は調査に応じている。また、
4月には、調査報告を、チェーンストア、フランチャイズ別に、中国語および英語で出版する。
2006 年の GDP は 10.7%の伸び(1 月 26 日)
国家統計局の予備段階推計では、2006 年の GDP は 20.94 兆元(2.7 兆米ドル)で、前年比 10.7%の伸
びであった。国家統計局によれば、政府のマクロ政策が功を奏して、中国経済の過熱は避けられたと。
「商業特許経営管理条例」公布(2 月 6 日)
中国国務院は「商業特許経営管理条例」を公布。2007 年 5 月 1 日から施行される。
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★各国フランチャイズ関連イベント開催予定(2007 年 3 月∼)※協会主催、民間主催含む
北米
►インターナショナル・フランチャイズ・エキスポ
2007/3/30−4/1 米国・ワシントンDC
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2007/3/15−17 スペイン・バルセロナ
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2007/3/23−27 フランス・パリ
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2007/3/28−29 ベルギー・ブリュセル
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2007/4/20−22 イタリア・ローマ
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2007/4/26−28 スペイン・マドリッド
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2007/5/11−12 イギリス
►エキスポ・フランチャイズ
2007/5/18−20 ポルトガル・リスボン
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2007/9/14−16 ドイツ・エッセン他
アジア・オセアニア
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2007/3/10−12 インド・ニューデリー
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2007/3/22−24 マレーシア・ペナン
►フランチャイズ&ライセンスエキスポ
2007/3/23−25 インドネシア・スラバヤ
►フランチャイジング&ビジネス・オポチュニティ
2007/3/23−25 オーストラリア・シドニー
►フランチャイズ・ソウル・春
2007/3/23−25 韓国・ソウル
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2007/4/6−8
►中国特許展
2007/4/21−23 中国・北京
►フランチャイジング&ビジネス・オポチュニティーズ・エキスポ
2007/5/5−6
►フランチャイジング&ビジネス・オポチュニティーズ・エキスポ
2007/5/25−27 オーストラリア・パース
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2007/7/5−8
フィリピン・マニラ
►フランチャイズ・インターナショナル
2007/8/2−5
マレーシア・クアラルンプール
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2007/8/24−26 中国・上海
►フランチャイジング&ライセンシング・アジア
2007/9/20−22 シンガポール
ベトナム・ホーチミン
オーストラリア・アデレード
中東・アフリカ
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UAE・ドバイ
►ミドルイースト&ノースアフリカ・インターナショナル・フランチャイズ・エキシビション
エジプト・カイロ
2007/4/3−5
中南米
►アルゼンチン・フランチャイズ・エキスポ
2007/4/24−25 アルゼンチン・ブエノスアイレス
►ABFフランチャイジング・エキスポ
2007/6/27−30 ブラジル・サンパウロ
※開催日等は変更される場合がございます。
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