平 成 26 年 度 1.提言・要望活動の強化とその実現 ⑴中小企業と地域の活力強化にむけて要望を実施 ○広島県商工会議所連合会(以下、県連)は、11 月に県内商工会議所会頭 会議を開催し、中小企業の支援拡充や、成長力強化に資する税制の実現 など地域経済の活性化を図るため「イノベーションの源泉となる中小企 業と地域の活力強化に関する決議」を採択した。 ○本決議の実現に向け、同月に地元選出国会議員 15 人に対し要望。この結 果、 「平成 26 年度補正予算」 では中小企業・小規模事業者対策予算に 3,013 億円、 「平成 27 年度予算」では 1,856 億円が確保されたほか、小規模事 業者持続化補助金の継続・拡大等、小規模事業者への支援が盛り込まれ た。また「平成 27 年度税制改正」では、中小企業への外形標準課税の導 入が見送られたほか、 「法人実効税率 の引き下げ」等が実現した。 ⑵小規模企業対策予算の確保に関する要望 ○都道府県の裁量となる小規模事業対策 予算について、日本商工会議所が「小規 模企業対策予算の確保に関する要望」を 全国知事会会長宛に提出したことを受 け、県連においても広島県に対し要望を 行った。この結果、広島県では例年並み の予算が確保された。 広 島 商 工 会 議 所 事 業 報 告 の概 要 ○中小企業にとって重要な課題である事業承継問題に対応するため「広島 県事業引継ぎ支援センター」を 4 月に開設。専門家による適切な助言や 情報提供及びマッチング支援等を展開した。相談対応件数 117 社・157 件。また事業承継についての知識を深めるため、1 月にセミナーを開催 した。参加者 146 人。 ○4 月 1 日から引き上げとなった、消費税の円滑な価格転嫁を推進するた めの「消費税転嫁対策相談窓口」を引き続き設置。4 月~3 月までに計 8 回の講習会を開催し、転嫁対策について広く周知した。参加者延べ 433 人、個別相談件数 63 件。 ○中小・小規模企業者に対する「ワンストップ支援」の体制構築と経営指 導員の支援能力の向上を図るため、専門知識を有する講師による研修会 の開催や他の支援機関・金融機関との連携強化を推進した。 ○11 月に「中小企業経営セミナー・相談会」を開催した。セミナー参加者 57 人、相談件数 6 件。 ⑶金融等諸制度の利用を促進 ○「小規模事業者経営改善資金融資制度(通称:マル経融資)」の利用は、 推薦件数 70 件(前年度 54 件) 、推薦金額 3 億 5,860 万円(前年度 2 億 8,370 万円)。「リーグ保証制度」の利用は、確認書発行件数 7 件(前年 度 22 件)、保証額 2,270 万円(前年度 7,980 万円) 。 広島県知事に要望 (26 年 12 月) 2.地域を支える中小企業の経営支援体制の強化 ⑴循環型地域経済システムを推進 ○県連と(公財)ひろしま産業振興機構、広島県商工会連合会、福山商工会 議所との共催により、面談事前調整型商談会を開催した。7 月の広島会 場は発注企業 46 社・受注企業 96 社が参加。11 月の福山会場は発注企業 37 社・受注企業 78 社が参加した。 ○県連と広島県商工会連合会、郷心会連合 会の共催により、10 月に県下の会員企 業を対象に「ビジネスネットワーク拡大 交流会 2014」を開催した。参加者 213 社・353 人。 ○2 月に「第 13 回ビジネスフェア中四国 2015-中四国発!こだわり良品発掘メ ビジネスネットワーク拡大 ッセ」を開催し 145 社・154 小間が出展 交流会(26 年 10 月) した。 商談件数 3,027 件、 来場者 3,122 人。 ○11 月に「エコ・イノベーションメッセ 2014 in ひろしま」を開催した。 出展 140 社・団体。 「脱・温暖化フェア 2014 in ひろしま」と「建設技 術フォーラム 2014 in 広島」も同時開催した。来場者 7,000 人。 ○郷心会と連携し、地域中小企業支援のためのマツダ車拡販キャンペーン を展開した。キャンペーン登録 130 社。また県内製品愛用運動「BUY ひ ろしまキャンペーン」を推進した。 ⑵中小企業経営力応援プログラムを展開 ○成長・発展を続ける企業の経営者に、企業規模の大小を問わず、各社の 参考となる経営観や戦略・戦術を聞く「2014 地場企業経営戦略特別講座」 を 2 月に開催した。参加者 270 人。 ⑷広島市豪雨土砂災害被災地の事業所訪問を実施 ○8 月の豪雨土砂災害で被害を受けた安佐南区・安佐北区の会員事業所を 対象に、広島市、広島県商工会連合会と連携し、被災状況の把握に努め ながら、本所職員が訪問し、各種災害支援策の周知、経営相談への対応 を実施した。96 事業所訪問。 ⑸中小企業の再生を支援 ○広島県中小企業再生支援協議会では、広島県内の中小企業から寄せられ る相談に対し、引き続き助言や事業再生計画の策定等の支援を行った。 相談件数は 508 件(平成 15 年開設から累計 6,898 件)、1 次対応相談企 業数 63 社(累計 681 社) 、2 次対応(再生計画策定支援決定)案件 46 社 (累計 201 社) 、再生計画策定完了企業数 42 社(累計 197 社) 。 ⑹ジョブ・カード制度の普及促進 ○正社員経験の少ないフリーター等を対象に、きめ細かなキャリア・コン サルティングや企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練の機会 を提供するため、県内では「地域ジョブ・カードセンター」(本所)を設 置し、引き続き企業開拓推進員や訓練コーディネーターが企業開拓や制 度の普及促進に努めた。平成 27 年 3 月末現在で、県内のジョブ・カード 普及サポーター企業は 798 社。304 コースが訓練実施計画の確認・認定 を受け、うち、71 コース・80 人が訓練を実施中。279 コース・366 人が 訓練を修了し、276 人が正社員採用された。 ⑺人材育成の推進 ○広島県を“女性の働きやすさ日本一の 県”とすることを目指し、経済団体、・ 労働団体・行政の 35 団体・機関により 構成される「働く女性応援隊ひろしま」 を 4 月に設立した。応援隊では、企業担 当者を対象とした研修会を開催したほ か、フェイスブックサイトの開設等、積 極的な情報発信をした。 「働く女性応援隊ひろしま」 結成式(26 年 4 月) ○県内経済団体・労働団体・大学・行政等 34 団体で構成する広島県インタ ーンシップ促進協議会では、夏季インターンシップへの協力を呼びかけ、 52 社・320 人の学生受入枠を確保し、最終的に 27 社が、23 校・109 人の 学生を受け入れた。 ○経営コンサルタント、弁護士、税理士、 中小企業診断士、社会保険労務士など、 指導経験豊富な各分野のエキスパート を講師陣に迎え、合計 30 回のセミナー を開催した。参加者 1,519 人。 ○人材育成事業として、18 種の検定試験 を実施。総受験申込者数は前年比 95.8%となる 11,702 人で「カラーコー 2014 新入社員基礎講座 ディネーター検定試験」や「メンタルヘ (26 年 4 月) ルス・マネジメント検定試験」等は前年 度実績を上回った。また簿記検定試験や販売士検定試験の受験対策講座 や販売士資格保持者を対象とした資格更新のための講習会を開催した。 ○パソコンに関する技術や能力の向上を支援するため、eラーニングを利 用したパソコン教室を実施した。 「教養講座」16 コース、 「趣味講座」12 コース、「資格対策講座」5 コースの総受講者は 1,901 人。 ⑻国際ビジネス・交流を推進 ○海外ビジネス専門アドバイザーを迎え、海外ビジネスに関する個別相談 会を開催した。相談件数延べ 114 件。 ○ホノルル日本人商工会議所との交流事業として、5 月に 45 人の視察団を 受け入れ、本所役員との懇談会など様々な交流プログラムを実施した。 ○経済連携協定(EPA)に基づく「特定原産地証明書」を発給した。1 月か ら新たにオーストラリアとの協定発効。 ○県内企業の国際化を総合的に支援する(公財)ひろしま産業振興機構国際 ビジネス支援センターの運営に協力した。 3.次世代を担うものづくりを中心とした産業振興 ⑴技術開発・技術力向上の支援 ○「製造現場におけるムダ取り」をテーマ とした勉強会「ムダ取り塾」を 6 回シリ ーズで開催した。参加 23 社・33 人。 ○東日本大震災の被災事業者の復興を支 援するため、全国の商工会議所が連携し 各地の事業者から無償提供を受けた遊 休機械と被災事業者の要望とのマッチ ングを図る「遊休機械無償マッチング支 援プロジェクト」に協力した。平成 27 年 3 月末現在、マッチング成立は 17 件・ 50 点。 製造業「ムダ取り塾」 (26 年 10 月) ⑵産学官連携事業の一層の推進 ○広島修道大学との連携事業として、2 月に小売商業部会との共催で「広 島修道大学・広島商工会議所連携事業」を開催した。 ○広島修道大学と共催し、輸出実務と海外市場開拓をテーマに、9 月から 1 月にかけて全 15 回シリーズの講座を実施した他、 「広島市立大学リエゾ ンフェスタ」 「広島工業大学公開シンポジウム」等、産学官連携に関する セミナーの開催に協力した。 平 成 26 年 度 ⑶IT化を支援(情報セキュリティセミナー) ○企業の経営者・部門長、システム管理者、ウェブサイト運営者等を対象 とした「情報セキュリティセミナー」を 2 月に開催し、企業を取り巻く セキュリティ事故の脅威や技術面の対策について理解を深めた。参加者 145 人。 ⑷広島商工会議所環境行動計画の推進と環境問題への対応 ○平成 25 年 3 月策定の「第二次広島商工会議所環境行動計画」を推進する とともに、会員企業の環境に配慮した経営システムづくりを支援した。 ○エコアクション 21(環境マネジメントシステム)の運用・普及を促進。 1 月に更新審査を受審した。 4.中枢性の強化と魅力あるまちづくりの推進 広 島 商 工 会 議 所 事 業 報 告 の概 要 5.地域資源を活かした観光振興と国内外観光客の誘致拡大 ⑴地域資源を活かした新たな魅力づくりと観光客の誘致促進 ○広島市等とひろしま神楽振興推進実行 委員会を組織し、旧日本銀行広島支店に おいて夜神楽を 11 月に 9 日間上演した。 旅行会社の協力のもと、本夜神楽の旅行 商品化に取り組み、関西圏を中心に 335 人 の 県 外 観光 客 が 来場。 延 べ 来 場者 3,448 人。 ○瀬戸内海の魅力を活かした新たな観光 ひろしま夜神楽の上演 プランを創出し観光客の滞在促進を図 (26 年 11 月) るため、「広島湾ナイトクルージング」 を実施した。乗船人数 38,496 人。 ⑴活気とにぎわいのある都市空間づくりの推進 ○広島においてサッカースタジアムの整備を求める声が高まったことから、 ⑵地域イベントの推進協力 ○「ひろしまフードフェスティバル」を開催。県内 23 市町・企業等から 「サッカースタジアム検討協議会」が組織され、全 19 回の議論を経て、 365 ブースが出展し、2 日間で約 82 万人が来場した。 12 月に県知事、市長、県サッカー協会会長、本所会頭へ提言がなされた。 ○「2014 ひろしまフラワーフェスティバル」開催への協力を行った。3 日 この提言を受け、1 月に広島県、広島市とともに実務者レベルで構成する 間の人出は 172 万人で歴代 2 位。 「サッカースタジアム実務者検証作業部会」を設置。作業部会において ○「広島みなと 夢 花火大会」を 7 月に開催。約 10,000 発の花火を打ち上 建設候補地の絞り込みや整備主体を検討、その結果を基に、資金調達や げ、44 万人の観客を魅了した。 事業スキーム等を検証し、一定の方向性を出すこととした。 ○「旧広島市民球場跡地活用策の基本的な考え方について」の中で、本所 ビルについては、広島市から移転の要請があれば移転の是非も含めて検 6.広域交流・連携の促進と次代にむけた交通基盤の整備 討することとしている。 ○都市機能強化委員会と議員懇話会の共催により「都市活性化先進事例視 ⑴広域交流・連携事業を推進 察会」を 11 月に開催し、首都圏の商業施設を視察した。参加者 10 人。 ○広島湾ベイエリア・海生都市圏研究協議 会(以下、海生都市圏協議会)では、2 ⑵卸売商業活性化を支援 月に体験型修学旅行を受け入れる地域 ○「中小企業だからできる卸のためのブランディング」と題し 9 月から 11 間の交流を深める「受入れ地域交流会」 月にかけて 3 回シリーズで研究会を開催した。参加者 27 人。 を開催した。パネルディスカッションで ⑶小売商業活性化を推進 は各地域の民泊家庭並びに担当職員か ○学識経験者、商業者、行政機関等で構成 ら活動事例の紹介や今後の課題につい する行動計画策定委員会のもと、魅力的 て活発な意見が交わされた。参加者 235 海生都市圏 受入れ地域交 流会(27 年 2 月) な店舗を対象に、経営者の価値観や、店 人。パネルディスカッション終了後の情 づくりに対する考え方等聴き取り調査 報交換会では地域の枠を越えた交流が を実施し、地域小売店の必要性について 図られた。参加者 185 人。 調査報告書を取りまとめた。 ○海生都市圏協議会では、広島の平和学習に加えた民泊等による体験型修 ○「2014 商工会議所夏期セミナー」を 7 学旅行誘致を促進し、平成 26 年度は山口県周防大島町、錦町、広島県江 夏期セミナー(26 年 7 月) 月に開催した。参加者 145 人。 田島市、大崎上島町、安芸太田町において 40 校・6,817 人を受入れた。 ○いい店ひろしま顕彰事業実行委員会で ○中四国セントラルルート地域連携軸推進協議会では、中四国地方の幹線 は「いい店ひろしま顕彰事業」を実施し、 道路網の早期整備を国に対し要望するなど積極的な活動を展開した。 応募店舗(消費者推薦 464 店、自薦 25 店)の中から、7 店舗を顕彰。表彰式で ⑵交通基盤の整備・利活用の推進を支援 は、広島市長・本所会頭連名による表彰 ○西広島バイパス高架の建設促進について、7 月~8 月に地元選出国会議員 状と記念品が授与された。 等に要望した。 ○「小売商業振興フォーラム」を 3 月に開 ○広島県空港振興協議会に参画し、広島空港への路線誘致や利用促進を展 催した。参加者 50 人。 開した。 〇女性経営塾を運営し、計 4 回の公開講 ○広島港振興協会に参画し、広島港の競争力強化・賑わいづくりを推進し 受賞店代表者と深山会頭、 座・勉強会(参加者総数 162 人)を開催 た。 松井市長(27 年 1 月) したほか、マレーシア視察会を実施した。 7.会員満足度の高いサービスの充実と組織基盤の強化 ⑴会員交流事業を拡充 ○3 月に「会員講演会・交流会」を開催し た。第一部の講演会では、作家の和田竜 氏がトークショーを行った。参加者 237 人。 第二部の交流会では、本所正副会頭や第 一部講師の和田竜氏も参加し、参加者間 の積極的な交流が図られた。参加者 91 会員講演会(27 年 3 月) 人。 ○入会後 3 年以内の会員事業所を対象と した「新入会員の集い」を 11 月に開催した。参加者 205 人。 ○女性会(平成 27 年 3 月末会員数 94 人) 、青年部(同 352 人) 、支店長会 (同 199 人)を運営し、各種事業を展開した。 ⑵事業所向け福利厚生・割引サービスを展開 ○PR チラシ同封サービスを実施。平成 26 年度の利用は計 37 社・67 件。 ○掲載料無料の「会員飲食・食料品店紹介 ガイド 2015」を所報 1 月号と一緒に全 会員に送付した。計 238 店舗を掲載。 ○各種共済事業の普及・促進を図るととも に、委託先の生命保険会社と本所職員が 協力して生命共済制度の推進を図った。 ○生活習慣病検診は常設コースでは 97 社・348 人が受診。なお 7 月から 11 月 の期間限定で実施したコースには 99 社・352 人が受診した。PET がん検診は 57 社・134 人が受診した。 ⑶組織・財政基盤の強化 ○各種事業・サービスについて、広く意見 会員飲食・食料品店ガイド を聴取し、本所第三次中期行動計画なら 2015(27 年 1 月発刊) びに事業計画に反映させることを目的 に、12 月に全会員を対象としたアンケート調査を実施した。 回答 873 社。 ○組織基盤強化を図るため、年間を通じた会員増強運動を展開した。本所 職員が会員増強に専属で取り組む「会員増強プロジェクトチーム」を設 置するとともに、 「会員紹介制度」を引き続き実施した結果、新規加入者 487 件、廃業・合併等による脱会は 381 件となった。平成 27 年 3 月末の 会員数は 9,420 会員。 ○全職員で会員事業所を訪問する「会員訪問プログラム」を 6~2 月に実施 し、本所生命共済制度の普及に努めたほか、消費税率引き上げ対策に関 する相談事業等の周知・利用促進を行った。 ⑷商工会議所活動の広報強化 ○所報「Hiroshima」を 12 回刊行した。また、8 月号では読者アンケート を実施し、各記事の注目度、今後の希望企画などを確認した。これらの ニーズを基に、更なる誌面の充実に向けて取り組んだ。 ○ホームページでは、各種セミナーや中小企業の経営に資する行政施策の 改正などを、迅速かつタイムリーな更新で情報提供した。
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