創世記3章7~13節 「木の実を食べて 15」

「木の実を食べて」
~創世記連続講解説教 15~
創世記3章 7~13 節
序論
1) 木の実を食べて人は堕罪した
① 聖書霊感を認めない一般社会~おとぎ話、神話
② 自由主義神学~比ゆ的に解釈
③ 福音主義の私たち~歴史的記述であると解釈
2) 人間社会に普遍的で決定的な結果をもたらした最大事件
① 生まれながら人は罪人であるという教えの根拠
② 人は自らの善行・努力で救い得ない理由
③ 全人類は共通したこの原理の下にある
④ 「3 つのリンゴが世界を変えた」?
 アダムのリンゴ~罪の世界への侵入
 ユートンのリンゴ~近代科学の夜明け
 ジョブスのリンゴ~IT 産業革命
本論
Ⅰ.堕罪(6)
① 3 分野での誘惑~1 ヨハネ 2:16
 食べるのに良く~肉の欲
 目に慕わしく~目の欲
 賢くする~誇り
② エバの罪とは不服従にある
 夫アダムに従い得なかった
 食べるという行為を創始したことが罪
③ アダムの罪は黙認にある
 アダムはその場にいて、全工程を目撃し、参加していた
 夫婦の長としての権威を行使していない
④ 両者の罪は異なる
 エバは欺かれた~1 テモテ 2:13~14、Ⅱコリント11:3
 アダムはすべての知識があるうえであえて反抗した。人類代表としてのより
重たい責任を負っている~1 コリント 10:20~23
⑤ エデン契約が破棄された
 ホセア 6:7
Ⅱ.霊的な死(7~8)
① 「二人の目は開かれ」
 ある理解に達した。それはサタンが約束したものではないが。
② 「裸であることを知った」
 悪を体験知したということ
 新しい二人の関係が始まったことを認識~裸であるとの自覚が生まれた
 2:25 の裸は Arumim、3:7 の裸は Eirumim
 両者は同じ内容であるが、異なるつづり~両者の関係が異なることを示唆
 無垢を失い、欲情が芽生えた
③ 「イチジクの葉をつづり合わせて」
 中東では最大の葉をつけるのがイチジク
 「皮膚の上に着衣させる」=「つづり合わせる」
④ 「腰の覆いを作った」
⑤ 神からの断絶~霊的死が二つの方法で示された
1) 主の声を聞くこと
 習慣的にシャカイナグローリーと接していた
 可視的に神と接見し、交流を持っていた
 このときは声が先に聞こえている
 時は夕方
2) 御顔を避けて身を隠したこと
 神との親しい交流が途絶えていることを認識した
 罪悪感と刑罰とを恐れた
Ⅲ.神との対面(9~13)
① 第一の質問とアダムの答え
「あなたはどこにいるのか」
 Ayakah という一語のヘブル語
 神は場所をご存知、認罪を促している質問
 カイン(創世記 4:9)
 アダムは未経験であった恐れを抱いたと回答
 この時のアダムは裸ではない
 神の前には裸であるという自意識が罪の中にいると理解した
 「私は」~エバに責任を擦り付けていない
② 第二の質問
「裸であるのをだれがあなたに教えたのか」
 裸である認識に至った理由は何かと問うている
 答えはなく、その必要もない
③ 第三の質問とアダムの回答
 もちろん神は知っている
 注意深い一般から個別の質問へ
 断罪ではなく、告白へと優しく導く問
 アダムは間接的に神を責め、エバを責めている
 自らの過ちは最後に認める。罪の過小評価。
 犯罪者が被害者へと転換する場面
④ 第四の質問とエバの回答
「あなたはいったいなんということをしたのか」
 蛇に責任をかぶせ、自らの過ちは最後に認める
 騙されたことを認めている~NT のエバに対する認識
結論
人間社会の現実に希望を見出せるのか
1) 社会の罪の汚染と人間の霊的な死
 罪悪感と恐れ、責任転嫁~現在の社会に蔓延する罪とその結果
 エデン契約は条件付きのものゆえに破棄された
2) どこに回復の希望があるのか
 次のディスペンセイションでアダム契約が結ばれる
 「女の子孫」メシアによる(3:15)
 サタンを裁き勝利する
 罪と死の解決