情報を収集し、整理する力を高めるための国語科指導の工夫 -インタビューを取材文にまとめる学習を通して- 藤岡市立東中学校 山田 康成 研究の概要 本研究は、中学校第2学年国語科の学習において、情報を収集し、整理する力を高めるために、「話すこ と・聞くこと」と「書くこと」の領域を関連づけた学習活動を行ったものである。具体的には、必要な情報 を収集するためにインタビューを行い、取材文を書くことで情報を整理することができるようにした。 Ⅰ 主題設定の理由 今までも、国語科授業において、インタビューという学習活動を通して、「情報を収集する力」をはぐくむ指 導は行われてきた。しかし、情報を引き出すためのインタビューの仕方についての指導は十分ではなかった。そ こで、インタビューから情報を収集するとはどういうことなのかを生徒に理解させた上で、インタビューによる 情報収集を行う。さらに収集した情報を整理しながら取材文を書くという学習活動を取り入れる。このような学 習活動を行うことは、情報を収集し、整理する力を高める上で有効だと考え、本主題を設定した。 Ⅱ 研究のねらい インタビューから収集した情報の中から、必要な情報だけを整理して取材文を書くことで、「情報を収集し、 整理する力」を高めることができることを、実践を通して明らかにする。 Ⅲ 研究の内容 新聞のコラム記事を用いて取材文を書くためには様々な情報が必要であることを理解させた上で、取材文を書 くためにインタビューによる情報収集を行った。さらに見本となる取材文を提示し、情報の整理の方法を理解さ せた上で、収集した情報を整理し取材文にまとめた。 Ⅳ 実践の結果と考察 取材文を書くためには、様々な質問を行わなければならない。それは生徒たちにとって新たな発見であり、意 欲をもって学習に取り組んでいた。インタビューを行う場面では、取材文の内容を予想し、必要とされる情報を 収集するための質問事項を考えてからのぞんだため、スムーズに情報を収集することができた。さらに見本とな る取材文を手がかりに情報を整理し、取材文を書くことができた。 Ⅴ 実践のまとめ 1 成果 ○ 新聞のコラム記事を使って、質問項目を考えさせることによって、記事を書くためには様々な質問がなされ ていることを理解させることができた。 ○ 取材文の内容を予想させ、質問項目を考えさせた上でインタビューを行ったため、必要な情報を収集するこ とがスムーズにできた。 ○ 取材文の見本を提示し書き方を理解させることで、取材文を書くための情報の整理が適切に行えた。 2 課題 ○ 生徒の書く能力差にばらつきがあるため、取材文のできに差が見られた。今後、他教科でもレポートなどを 書く機会が増えるため、さらに書く能力を高めていく必要がある。そのために国語科においては、どのよう な学習活動を行うべきかを今後も追求していきたい。 -1-
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