中学校 第2学年 組 道徳 学習指導案 日 時:平成17年 月 日( )第 指導者: 場 所: 1.主題名 生きることへの喜び 2.資料名 生きるつとめ < 限 3-(2)生命の尊重 > (中学生の道徳『道しるべ』) 3.主題設定の理由 (1)ねらいとする道徳的価値について 人は無事に生きている間は,生命のありがたさ,すばらしさになかなか思い至らないも のである。しかし,この世に生を受けたたった一つしかない生命である。このかけがえの ない生命を大切にし,精一杯生き抜いていこうとする心情を育てたい。また,自己の生命 が, 近親者や周囲の人々の温かい心づかいによって支えられていることにも気付かせたい。 (2)生徒の実態について 中学生の時期は,心身ともに著しく発達するが,心と体が必ずしも均衡のとれた発達を しているとはいえない。時には情緒不安定になったり,衝動的な行動に走ったりすること もある。また,命の尊さを感じないままに,毎日を当たり前のように生きている生徒,生 きているすばらしさを実感できないままに, ただ何となく毎日を過ごしている生徒が多い。 (3)資料について 主人公は,オートバイの運転を誤り小川に転落した。事故から4ヶ月経過しても入院し ている。手術によって脚の切断はまぬがれたが,回復の見込みはほとんどない。焦りとい らだちで家族にあたり,自分の気持ちを抑えることができない。ある日,叔母からの手紙 により、主人公は今まで気付かなかった人の心の温かさに触れることができ,何よりも生 きていることに感謝する。 主人公の気持ちが非常に伝わってくる資料である。主人公の気持ちに迫りながら,生命 の大切さや尊さについて考えさせる機会としたい。 (4)指導の重点 資料中の主人公の気持ちの移り変わりを中心にとらえていく。そこから,人間は互いに 支え合って生きていることに気付き,自らの生命を大切にするとともに,他者の生命を尊 重する心情を育てたい。また,「ある母の手紙」を読むことで,生命の尊さに対する意識 をさらに高めていきたい。 4.本時の学習 (1)ねらい (2)準 備 生命の大切さを深く自覚し,生きることへの喜びと感謝の念を養う。 ワークシート,場面絵,母の手紙 (3)展 開 段階 学習活動(配時) 主な発問と予想される生徒の反応 ○支援と◇評価 導入 1.救急車のサイ ○救急車のサイレンの音からどんな ○救急車のサイレンの音から自 レンの音を聞き, ことを想像するだろうか。 由に光景を思い浮かべること 各班でブレーンス ・緊迫した状況 により,ねらいとする価値, トーミングを行 ・悲しい出来事 資料への方向づけを行う。 う。 (5) ・交通事故 展開 2.資料「生きる ○無性にオートバイを走らせたかっ ○資料は前半と後半に区切って つとめ」を読んで た「俺」は,どんな気持ちだった 提示する。 話し合う。 のだろうか。 ○適宜,生徒の意見を板書する。 (40) ・むしゃくしゃすることがあった。○一時の感情から,衝動的な行 ・いやなことがあった。 動をとってしまった「俺」の ・ストレスがたまっていた。 気持ちに気付くようにする。 ○入院中,家族にあたりちらす「俺」 ○回復の見込みがほとんどない は,どんな気持ちだったのだろう という不安から,自暴自棄に か。 なってしまった「俺」の気持 ・もう治らないのではないか。 ちを理解できるようにする。 ・もう何をやっても無駄だ。 ・生きる望みがない。 ◎叔母からの手紙を読んで,後頭部 ○各班で話し合い,互いの類似 をなぐられたような衝撃を覚えた 点,相違点を認め合う。 「俺」はどんな気持ちだったのだ 【共感的理解】 ろうか。 ○たくさんの人に支えられてい ・自分勝手だった。 る自分の命を大切にしようと ・命を粗末にしていた。 する「俺」の気持ちに迫る。 ・周りに自分を愛してくれるたく ◇「俺」の姿を通して生命の大 さんの人がいる。 切さ,尊さに気付くことがで きたか。 【自己決定】 ○リハビリ室へ向かう「俺」は,ど ○わずかな可能性を信じ,精一 んな気持ちだったのだろうか。 杯生き抜こうとする「俺」の ・みんなの思いを無駄にしない。 気持ちに共感できるようにす ・精一杯生きよう。 る。 ・命を大切にしよう。 3.感想を書く。 ○今日の授業で感じたことを書こう。○自分自身にふり返って書くよ うにする。 終末 4.ある母の手紙 を読む。 (5) ○短く印象に残るような話を し,余韻を持って終わる。
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